Home/ 2019年 July 2019年 July 【党首討論】主な発言とその問題点 2019.07.04 【党首討論】主な発言とその問題点 HS政経塾スタッフ 遠藤明成 7月3日には、日本記者クラブで党首討論が行われました。 与野党7党の党首が議論したのですが、今までと同じく、減税や自主防衛の強化など、日本に本当に必要な政策は語られませんでした。 しかし、それでも、各党の主張と問題点がよくわかる機会ではあるので、主な発言を紹介してみます。 ◆自民党:増税路線の固定化 安倍首相は、消費税の10%への増税後の財政を問われ、「今後10年くらいの間は必要ない」と答えました。 当面の間、10%の税率を維持し、その後、次の増税の可能性をほのめかしています。 つまり、過去の増税を間違いだとは認めず、現状の増税路線を維持することを決めたわけです。 ◆立憲民主党:ついに消費税増税の間違いを認めた いっぽう、枝野代表は、民主党政権の頃、三党合意で消費税増税を進めたことについて「結果的にあの判断は間違っていた」と発言。 意外にも「間違い」を認めました。 しかし、消費税に関する公約は増税凍結にとどまっているので、ほんとうの意味では反省できていません。 本当に間違いを認めたなら、8%の税率も撤回し、5%に戻すことを訴えなければいけないはずです。 ◆公明党:憲法論から逃げて票を盗みたい 山口なつお代表は、記者との質疑で「公明党の本心は安倍さんの憲法改正は迷惑だと思っているのではないか」と問われました。 この質問は的を射ています。 山口代表は、自民党の改憲議論を「政党の立場」として認め、「もっと与野党の枠を超えて議論をしっかりと深めて国民の認識を広めることは大事だ」答えたのですが、これでは、公明党の立場がよく分かりません。 党としての主張は「改憲」「護憲」などの「中身」が必要なのに、公明党は「議論しよう」としか言っていないからです。 結局、支持母体の創価学会は護憲なのに、公明党は改憲派の自民党と連立しているという、矛盾を隠すための答弁に終始しています。 憲法論で立場を明確にしないまま、バラマキ政策で票を集めて逃げ切ろうという意図が伺えます。 ◆野党連合の矛盾①:自衛隊の「合憲/違憲」、日米同盟の「維持/破棄」 安倍首相は、この討論で野党連合の政策の矛盾を強調しています。 「共産党は自衛隊は憲法違反だというのが明確な立場だ。枝野さんは合憲ということだろうが、もし枝野さんが福井県民だったら、この候補に一票入れるのか」 野党連合を見ると、現在、立民党と国民民主党は自衛隊を「合憲」、共産党は「違憲」としています。 (社民党は村山政権の頃、自衛隊を合憲としたが、現在、党HPにて「現状、明らかに違憲状態にある自衛隊は縮小を図り」と記載。態度は転々としている) また、日米同盟に関しても、立民党と国民民主党は「維持」、共産党は「破棄」なので、立場が一致しません。 (社民党公約は「日米安保条約は、将来的に経済や文化面での協力を中心にした平和友好条約への転換をめざします」という謎の主張を記載) 討論で、枝野代表は「立憲民主党は明確に日米同盟堅持」とも強調していたので、立憲民主党が共産党と共闘しているのはおかしいのです。 結局、野党連合は「反安保法制」だけで結託しており、まとまった安全保障政策がありません。 こうした政党が政権を取ったところで「国民の生命と安全と財産を守る」という政治の責任を果たせるはずがないといえます。 ◆野党連合の矛盾②:年金政策が不一致なのに年金不安をなくせる? 安倍首相と野党の論戦では、年金が大きな争点になりました。 「志位さんはマクロ経済スライドを廃止すると言っている。枝野さんは民主党政権時代も維持してきたから、維持するという考えなのだろう。もし基本政策が統一されていないのであれば、非常に不誠実だ」 その際に、年金における野党政策の不一致もやり玉にあがりました。 将来世代のために物価・給料水準に応じて今の高齢者への給付を減らす「マクロ経済スライド」に関しては、国民民主党も否定的な発言をしています。 「マクロ経済スライドを適用して世代間の公平を図ろうとすると、どうしても削らざるを得ない」(玉木代表) 国民民主党は、年金で所得の最低保障を行いたがっているので、この制度がその妨げになると見ているようです。 元民主党議員がつくった政党なので、昔に自分たちが維持した制度について「廃止」とは言えないのですが、国民民主党の年金政策は、かなり共産党寄りになってきています。 ◆共産党:「減らない年金」? 共産党の志位委員長は「マクロ経済スライドは廃止し、減らない年金にすべきだ」と主張。 これに対して、安倍首相は「(その場合)今40歳の方が、もらう段階になって年金の積立金は枯渇する」と反論しました。 これは、安倍首相のほうに理があります。 年金は、今の高齢者に多めに給付されており、年を減るに従って給付額が次第に減るように設計されていますが、マクロ経済スライドは、物価や賃金の変動に応じて、直近の世代に払いすぎにならないよう、給付額を削減する仕組みだからです。 これを廃止した場合、今の世代は後の世代に比べると「もらいすぎ」になってしまい、「世代間不平等」が拡大します。 高齢者がどんどん増え、高齢者1人あたりの現役世代の数が減っていくわけですから、給付金が減っていくこと自体は避けがたいものがあります。 志位委員長の主張には無理があり、結局、今の高齢者のために年金の積立金をばらまくだけで終わってしまうでしょう。 ◆日本維新の会:「身を切る改革」は何のため? 維新の会の松井代表は「身を切る改革」を提唱。 「大阪府と大阪市で行革をすることで教育無償化の財源を生み出した」 その結果、「教育無償化」の財源ができたと自慢し、これを全国に広げるべきだと主張しました。 維新に関しては「お金の使いみち」が妥当かどうかという問題があります。 今の教育無償化は、(消費税などで)全世帯から集めたお金を子供のある世帯に配る行為なので、必ずしも公平な政策ではありません。 子供のいない世帯からお金を集め、そのお金を子供のある世帯に移転させているからです。 国の予算を浮かせることができたならば、その分だけ減税するか、全国民に恩恵がある政策(例えば防衛費など)に回すのが筋です。… 【トランプ訪朝】米国任せではノドンミサイルから日本を守れない 2019.07.03 ttp://hrp-newsfile.jp/2019/3632/ HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆米大統領が初めて北朝鮮に足を踏み入れた トランプ大統領は、6月30日に南北朝鮮の軍事境界線上にある非武装地域を訪問し、板門店で金正恩委員長と会談しました。 朝鮮戦争の休戦協定が結ばれた板門店で握手し、共に北朝鮮側に入った後に韓国に戻る映像がニュースに流れ、トランプ大統領が金委員長をホワイトハウスに招待したことなどが報道されました。 物別れに終わった2月の会談後の関係修復がはかられたのですが、この時に、トランプ大統領が、日本にとって注目を要する発言をしています。 ◆「我々は長距離弾道ミサイルについて議論をしている」 記者会見の終わり際に、最近、北朝鮮が行ったミサイル発射をついての見解を問われ、トランプ大統領は、(それは)「とても小さい。それらのミサイル実験はどの国もやっている」と答えていました。 「我々は、それらをミサイル実験とは見なしていない」 「我々は長距離弾道ミサイルについて議論をしている。彼らは今、それを発射していない」 「最も重要なのは、核実験が行われていないことだ」 そして、北朝鮮への「制裁を外せる日を楽しみにしている」とも述べていたのです。 ◆米朝交渉の中心は「米国にとっての脅威の除去」とみられる 今回の訪朝で、トランプ氏は「長距離弾道ミサイル」と「核」に焦点を絞ってきています。 つまり、核開発を止めさせ、米国の脅威となる長距離弾道ミサイルを廃棄させることを優先しているのです。 韓国にとっては「短距離」のミサイルが大きな問題を占めるのですが、それは問題には挙げられませんでした。 日本の脅威となるのは、九州や中国地方に届くスカッドR(短距離弾道ミサイル)や全国に届くノドン(準中距離弾道ミサイル)ですが、これらの扱いも不明なままです。 ◆日本を守るのは、やはり、日本自身の力 もし、北朝鮮の核兵器の全てが除去されるのなら、それをノドンやスカッドに積めなくなるので、日本の安全につながります。 しかし、北朝鮮の全域を捜索し、核兵器の全てを破棄させるのは、簡単なことではありません。 米国が1年交渉しても、いまだ核兵器を一つも廃棄できず、大統領が「核実験が止まった」ことを成果とせざるをえないのが現状です。 米朝交渉で、短距離や中距離のミサイルも廃棄対象になることを期待する方もいますが、今回、それは、主な議題ではないことが明らかになりました。 結局、日本は防衛力を強化し、「ミサイルを撃たせない体制」をつくらなければならないわけです。 ◆「ミサイルを撃たせない」ための二つの道 日本には「ミサイル防衛システム」がありますが、北朝鮮は100発以上の弾道ミサイルで日本を狙えるため、これで落とせるのは一部に限られます。 北朝鮮のミサイルに対抗するには、核兵器を持った米軍の部隊を日本に展開させるか、攻撃を踏みとどまらせる「抑止力」を持つかしかありません 前者は、非核三原則の「持ち込ませず」をなくし、米軍の核部隊や核搭載の艦艇などが公然と日本に滞在できる体制をつくることです。 しかし、オスプレイだけで大騒ぎになる日本で、これを実現するのは、困難をきわめます。 また、もともと沖縄返還時に、そこにいた核部隊を引き揚げた米国に、いまさらこのプランを求めることにも、政策的な矛盾があります。 「『核抜き・本土並み』の返還を求めたのは、日本ではないか」と言われることは避けられないでしょう。 (冷戦期には核抑止力が必要だったが、非核三原則があるので、日本は、結局、ながらく核持ち込みを容認する「密約」を結んでいた) ◆ミサイルを撃たせないための「ミサイル導入」 こうした事情を踏まえ、日本でも実現可能な策として、米国からの「巡航ミサイル」の導入を提言する人もいます。 米シンクタンクで海軍アドバイザー等を務める北村淳氏は、約1000億円で自衛隊艦艇には800発程度のトマホークミサイルを搭載可能だとも指摘しています。 (今のミサイル防衛システムを拡大し、北朝鮮のミサイル群への迎撃体制を完備させる場合は、新装備も含めて約2兆円が必要になると試算。なお、トマホークは、トランプ大統領が習主席を初めて米国に招いた時に、シリアに撃って見せた巡航ミサイル) 安倍首相も、2018年にやっと北朝鮮が数百基のノドンミサイルを配備していることを公の場で語りましたが(18/2/14衆院予算委)、結局、これを「撃たせない」ためには、日本も反撃できる体制をつくり、攻撃を思いとどまらせるしかありません。 前防衛大臣の小野田氏はこの政策に前向きだったので、政府も「巡航ミサイル導入」の議論を進めようとしていました。 しかし、現在は、もはや忘れ去られています。 今のままでは、安倍首相の「脅威の認識」と日本に必要な抑止力のレベルがつりあわないのですが、自民党の議員は、その矛盾に口をつぐんでいるようです。 (※18年防衛白書も北朝鮮が「スカッド用のTEL(移動式発射台)を最大100両、ノドン用のTELを最大50両、IRBM(ムスダン)用のTELを最大50両」もっているとの米軍の分析を紹介しているが、その対策は不明) ◆日本を攻撃させないためにも「自衛隊の強化」が必要 生前、渡部昇一氏は、武の語源は、矛をもって矛を止めることだと言っていました。 つまり、ミサイルを持つことで、北朝鮮にミサイルを撃たせなくすることが大事です。 幸福実現党が、立党以来、北朝鮮への「抑止力」強化を訴えてきたのは、戦争がしたいからではなく、戦争が起きるのを防ぐためです。 巡航ミサイルの導入に関しては、自民党よりも前から必要だと主張しています。 (※「巡航ミサイルを備えた潜水艦隊を充実(2010主要政策)」「巡航ミサイルなどの敵基地攻撃能力を保有(2013主要政策)」など) 2017年に北朝鮮危機が本格化してから「巡航ミサイルの保有」を検討した国会議員は、18年に米朝交渉が始まったのをいいことに、全てを米国任せにし、この問題に口をつぐんでしまいました。 しかし、このたびのトランプ訪朝で、短距離・中距離弾道ミサイルに対しては、日本自らが「撃たせない」だけの抑止力を持つべきことがはっきりしたのです。 幸福実現党は、今後も、日本を攻撃させないためにも、平和を守る「抑止力」の必要性を、訴え続けてまいります。 【参照】 ・ARIRANG NEWS(アリランテレビ):LIVE: [S.Korea-U.S. Summit] MOON,… トランプの「同盟不平等」論に安倍政権は答えられるのか 2019.07.02 HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆日本政府を揺さぶった、トランプの「同盟不平等」発言 G20に出かける前に、トランプ大統領は、日米同盟が不平等だと指摘し、日本政府にゆさぶりをかけました。 (※以下の発言は6月26日のFOX BUSINESSのインタビューでのコメント) 「我々は日本と同盟を結んでいる」 「もし、日本が攻撃されたら、我々は第三次世界大戦を戦うことになる」 「我々はそこに行き、彼らを守る。我々の生命と予算を費やして戦う。我々はどんな犠牲を払ってでも戦うのだ」 「しかし、我々が攻撃された時、日本は我々のために戦う必要はない」 (その時)「彼らは、その攻撃をソニーのテレビで見ているだけだ」 政府関係者やマスコミは、トランプ氏がG20を前にして、急に大統領選の頃のような同盟否定論を語ったことに驚きました。 大統領になった後は、持論と現実との落差を知り、トランプ氏も「丸く」なったのではなかったのか――。 この発言は、そうした想定に「揺らぎ」を与える一撃だったからです。 ◆トランプの本音は変わらない こうした発言は、大統領選の頃から、トランプ氏が繰り返し語ってきた持論ではあります。 しかし、トランプ氏は、大統領になった後は、日米首脳会談などで同盟堅持を表明し、歴代政権に近い立場を取ってきました。 2018年までは、マティス国防長官(当時)のように、同盟を重視する軍人閣僚が外交・安保政策を支えていたので、トランプ氏はこの種の発言を減らしていましたが、最近は、安全保障に不熱心な日本への不満がたまり、また本音を語り始めています。 その不満の典型は「中国や日本は、ホルムズ海峡を通る自国のタンカーを自国で守るべきだ」という主張です。 24日のツイッターでは「中国が輸入する石油の91%はホルムズ海峡を通る。日本の石油の62%もそうだ。どうして米国は、こうした国々のために代償ゼロでシーレーンを守る必要があるのか」と書き、「米国は世界最大のエネルギー生産国なのだから、(この海峡に)とどまる必要さえない」とまで述べています。 日本は、米国に安全保障を依存しすぎていると考えているわけです。 ◆日米同盟は「かつてないほど強固」ではなかったのか? ただ、こうした本音トークがなされても、トランプ大統領が、すぐに日米同盟破棄に動く可能性は低いでしょう。 現在、対決姿勢を打ち出している中国が最も嫌がっているのは「日米同盟の抑止力」です。 北朝鮮にとっても、同盟を根拠に日本に展開する在日米軍は、大きな脅威になっています。 ここで同盟を解消すれば、中国と北朝鮮が手を叩いて大喜びするだけだからです。 5月の訪日時に、トランプ大統領は、米国の強襲揚陸艦「ワスプ」の上で「同盟はかつてないほど強固だ」と述べています。 訪問した横須賀基地は「鉄壁の日米協力関係のあかしだ」とも語りました。 結局、トランプ大統領は「同盟は必要」という現実を認めながらも、本音を語ることで、同盟国に、安全保障への「本気の取組み」を求めています。 また、こうした威嚇をちらつかせることで、日米通商交渉を有利に進めようとしています。 ◆「日米同盟は不公平」と主張するのはトランプ氏だけではない ただ、こうした「日米同盟は不公平だ」という主張は、トランプ氏だけが言っているわけではありません。 古森義久氏(産経新聞ワシントン駐在客員特派員)は、議会からもそうした声が出ていることに注意を喚起しています。 JBプレスの記事では、「日米同盟は不公正であり、日本は憲法を改正して集団自衛権の完全行使を可能にし、米国を支援すべきだ」と主張してきたブラッド・シャーマン議員(民主党)が米下院の外交委員会で要職についたことを紹介しています。 この人がアジア太平洋を扱う「アジア太平洋・核不拡散小委員会」の委員長に就いたので、日本にもう一段の防衛努力が要求される可能性が出てきたと指摘しているのです。 ◆「集団的自衛権の限定容認」の限界 しかし、安倍政権は「集団的自衛権」の限定容認がなされたので、有事に米国を支援できると考えているのかもしれません。 ただ、その要件をみると、実際は、米国が攻撃されただけでは、集団的自衛権を使えないようになっています。 現状では、日本にとって「国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険」がない限り、米国が攻撃を受けても、集団的自衛権を使う条件は整わないのです。 世界最強の米国が被害を受けても、日本に前掲の「明白な危険」が生じないことは十分に起こりえます。 この場合は、米国大統領が参戦を求めても、集団的自衛権を使えない事態が発生しうるわけです。 (例えば、2001年にワールド・トレード・センターが崩落しましたが、この出来事で「日本の存立が脅かされた」と言えるかどうかは疑問です。どこかの反米国が工作員を用いて米国の重要施設にテロ攻撃をした程度では、前掲の「集団的自衛権を行使する要件」が満たされない可能性があります) こうした仕組みができているのは、日本の政治家が「米国の戦争に巻き込まれる」ことを避けようとしたからです。 たしかに「無駄な戦争に巻き込まれたくない」というのは、もっともな話ではありますが、その反面として、日本は、米国にとって「当てにならない同盟国」になっているのも事実なのです。 ◆安倍政権でも、日本の防衛費はたいして伸びていない 米国から見た時のもう一つの不満は、日本の防衛費の負担が少ないと言うことです。 トランプ政権は、NATO(北大西洋条約機構)加盟国に「GDP比で2%の防衛費負担」を求めているので、GDP比1%程度の防衛費は、とても小さく見えているはずです。 安倍政権は、防衛費を増やしましたが、規模が小さく、物価も上がっているので、実際は、たいして変わっていません。 2014年から2018年までの防衛関係費の増額は3063億円。 伸び率は約6.3%です。 しかし、同時期の物価は約2.1%上がっているので、実質で見た防衛費の伸び率は4年間で4.2%。 年間伸び率は1%程度にすぎません。 自民党の「ゆるぎない防衛力を整備する」という公約は、看板倒れで終わっています。 ※上記計算 ・5兆1911億円 -4兆8848億円=3063億円。3063億÷4兆8848億で6.27%)… 【野党公約比較】「消費税増税反対」の本気度は疑わしい 2019.07.01 【野党公約比較】「消費税増税反対」の本気度は疑わしい HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆最後の国会論争 なぜ「消費税」を取り上げなかったのか 最近の野党は、「年金だけでは2000万円不足」と書かれた報告書を取り上げ、「自公政権では年金が危うい」ということを印象づけたがっています。 特に、党首討論では、年金をめぐる失言を引き出そうと躍起になっていました。 立民党や国民民主党、共産党などの年金政策にも「給付増のために現役世代の負担が重くなる」という問題があるのですが、国民は、そのプランの中身はわからないとタカをくくり、年金不安を煽ろうとしているようです。 これに関して、経済学者の田中秀臣氏(上武大学ビジネス情報学部教授)は苦言を呈しています。 「本当に10月の消費税率10%引き上げにストップをかける気があるのだったら、19日の国会での党首討論はその絶好の場だった」 「消費増税を論点にして、実施の是非を問うには最大の見せ場であったはずだ」 大事なテーマをわきに追いやってしまったので、田中氏は「政治的に消費増税を止める絶好の機会を、野党は自ら失った」と批判しています。 そして、(増税反対の)「本気度はあいかわらず極めて低い」と酷評しているのです。 ◆立民党と国民民主党の問題点①:自分たちが増税を推進したのに、何の釈明もない 今の野党には、増税反対の熱意に乏しいという問題点があります。 それは、主な政治家の言動や公約からも見てとれます。 そもそも、「民主党」という名がつく二つの野党には、与党だった頃に増税に加担した議員がたくさんいますが、現在、増税反対を訴える折に、はっきりと釈明していません。 立憲民主党の枝野代表がその典型ですが、公約集(「立憲ビジョン2019」)をみると、不思議なことに、そこには、過去、増税を推進したことの釈明もなければ、「増税凍結」に転じた理由の説明もないのです。 ◆立民党と国民民主党の問題点②:バラマキで増税に転じた過去に学ばず そして、年金・医療・介護などの個人負担に上限を設ける「総合合算制度」、年金の最低保障機能の強化、国公立校の授業料の半額削減、奨学金の拡充、農家への戸別所得保障など、お金のかかる政策を並べています。 こうした立民党のプランと「増税凍結」は矛盾します。 また、国民民主党の公約も、「児童手当増額(18歳まで対象、月15000円)」「低所得の年金生活者に月5000円の給付金」「家賃補助(年収500万円以下に月1万円)」といったバラマキ政策を訴えています。 要するに、立憲民主党と国民民主党は、国民に福祉の大盤振る舞いを公約し、「消費税増税はしません」と言っています。 こうしたスタンスは、2009年の民主党公約とあまり大差がありません。 この二党は、福祉の大盤振る舞いを約束し、最後に増税政党に転じた、昔の経験から何も学んでいないのです。 ◆共産党:民主党を超える迫力満点のバラマキ政策 国民の歓心を買うためにバラマキ政策を並べるのは、共産党も同じです。 その代表的な政策を並べてみます。 ・「減らない年金」にする、低年金を底上げ(※底上げ=増額を公約) ・「マクロ経済スライド」を廃止 ・公費1兆円の投入で医療の自己負担分を減らす ・教育無償化と奨学金の拡充 ・中小企業の賃上げ支援を1000倍に かつての民主党以上のバラマキ政策なので、これで消費税の増税に反対といわれても、いま一つ現実味がもてません。 結局、どの政党も「お金をもっと配ります。皆さんのために使います」と言いながら、「消費税は上げなくても大丈夫」と言っているのが現状です。 ◆野党公約を見る限り、「消費増税反対」の本気度は疑わしい こうした政策をみていくと、野党には「本当に消費税の増税をやめさせる気があるのだろうか」という疑問が湧いてきます。 バラマキ政策をどんどん増やしていけば、昔の民主党のように「お金が足りないので、増税が必要になりました」と言わざるを得なくなるからです。 共産党は「金持ちから取ればいい」といいますが、徴税を強化すれば、お金持ちは日本から海外に逃げていくだけです。 「大企業から取れ」といっても、グローバル企業は、日本よりも税金の安い国に拠点を移すなど、様々な対策を取れます。 政府の思い通りに「取れる」とは限らないので、こうした算段は「取らぬ狸の皮算用」で終わっても不思議ではないのです。 (※程度が違えども、こうした発想は、立民党や国民民主党とも共通している) ◆「小さな政府」「安い税金」でなければ増税反対の筋は通らない しかし、幸福実現党は、立党以来、「小さな政府」と「安い税金」を目指し、消費税増税に反対してきました。 そして、消費税5%への減税、法人税1割台への減税を訴えてきました。 税率を下げる以上、無駄な予算を廃し、勤労意欲を損なうような給付金のバラマキはやめなければいけません。 そうしなければ、筋が通らないからです。 バラマキ政策が恐ろしいのは、「一度始めたら、やめられなくなる」という点にあります。 一度、お金をもらった人は、それをあてにするので、後で廃止するのは難しく、選挙のたびに、今まで以上のバラマキが求められるようになります。 そして、今の野党の公約のように、選挙のたびに、バラマキの規模がどんどん大きくなるのです。 こんなことを繰り返していては、消費税増税の凍結や、5%への減税などは不可能です。 幸福実現党は、本気で消費税増税に反対し、5%への減税を目指しているからこそ、バラマキ政策による人気取りに反対してきました。 今後も「小さな政府、安い税金」の旗を下ろさず、消費税5%への減税を訴え続けてまいります。 【参照】 ・田中秀臣「枝野幸男の『自慢』が文在寅とダブって仕方がない」(産経iRONNA 2019/6/25) ・立憲民主党HP「立憲ビジョン2019」 ・国民民主党「新しい答え 2019」… すべてを表示する « Previous 1 2 3