Home/ 2013年 August 2013年 August 8月15日以後に実在した日本軍最後の戦闘――占守島決戦の意義 2013.08.21 ◆8月15日で戦争は終わっていなかった 8月15日は、日本が「ポツダム宣言」を受諾して終戦を迎えた日です。しかしながら、15日以後に実際の戦闘はありました。 8月18日から21日にかけて千島列島最北端の占守島(しゅむしゅとう)での決戦です。 千島列島は、国後・色丹・歯舞・択捉の4島より北に20以上の島々が連なっています。 占守島は千島列島の最北端の小さな島で、カムチャッツカ半島南端から10数キロしか離れていない場所に位置しています。もちろん、当時は全て日本領でした。 8月15日の玉音放送によって敗戦を知った軍人たちは、書類の焼却と武装解除を始めていました。ところが、その時にソ連軍は南樺太・千島への侵略を進めていたのです。 敵陣接近の情報をキャッチした帝国陸軍の堤中将は、各部隊に戦闘をしない指示を出していますが、この段階ではソ連ではなく、仮想敵国のアメリカが侵略してきたと考えていた模様です。 大本営からも一切の戦闘を禁止されていましたが、8月18日未明、島の竹田浜一帯にソ連軍が上陸したことが判明。全兵団に戦闘命令を出しています。 ◆「士魂部隊」の結成 当時は、占守島と隣の幌筵島(パラムシルとう)に堤中将率いる陸軍第91師団2万5000の帝国陸軍最精鋭部隊がありました。 そして、日本軍は既に武装解除を進めていたため、最悪の状況で戦争状態に突入しますが、現場の士気を高めた一人の英雄がいました。 名前は、「戦車隊の神様」とも呼ばれた池田末男大佐。池田大佐が率いる戦車第十一連隊は、「十一」を縦に合わせて漢字の「士」となぞらえて、「士魂部隊」と呼ばれていました。 池田大佐は、以下のように部下に問います。 「諸氏は、赤穂浪士となり、恥を忍んでも将来に仇を報ぜんとするか?あるいは、白虎隊となり、玉砕をもって民族の誇りとなり、後世の歴史に問わんとするか?赤穂浪士たらんとする者は、一歩前に出よ。白虎隊たらんとする者は手を挙げよ!」 士魂部隊は全員手を挙げ、戦うことを誓ったのです。 ◆ソ連に決定的打撃を与える 戦闘は熾烈を極め、双方に大量の犠牲者を出します(池田大佐も戦死)が、日本軍の猛攻により、ソ連軍を浜辺まで押し返します。 日本軍の士気も高い中であるにも関わらず、8月21日、上層部からの命令は停戦と武装解除でした。当時、「停戦とは何事だ!」という怒号と兵士たちの嗚咽が交差していたと言われています。戦いでは勝利したものの、8月23日、三好野飛行場にて降伏と武装解除に調印します。 戦後、地元の北海道をはじめとして教科書ではこの決戦を教えていません。しかしながら、占守島決戦には大きな意義がありました。 ソ連側の被害が大きかった根拠として、当時の政府機関紙「イズベスチヤ」は「占守島の戦いは、満州、朝鮮における戦闘より、はるかに損害は甚大であった。8月19日は、ソ連人民の悲しみの日であり、喪の日である」と述べています。 それほど、日本陸軍、特に士魂部隊の活躍が大きかったのです(ソ連側の発表では、日本側の死傷者は1018名、ソ連は1567名。日本側の推定では、約600名と約3000名と開きがある)。 ◆スターリンの黒き野望と日本軍の功績と悲哀 ただし、降伏調印後はソ連が千島列島を南下し、ソ連に併合。北海道の占領は米軍の進駐があり、断念したとされています。 これは、アメリカのトルーマン大統領が、千島併合は認めても、北海道占領を拒否したこととも関係があります。 いずれにしても、日本軍の抵抗がなければ、北海道の占領は時間の問題だったかもしれません。 さらに、当決戦で捕虜となり数ヶ月収容されていた兵士たちを「帰国させる」と言って騙し、結局シベリアに送り込んだわけです。 2年から4年ほどの強制労働を強要し、多くの尊い命が極寒の地で奪われています。いわゆるシベリア抑留です。もちろん、これは立派な「国際法違反」です。 当時、ソ連のスターリンは、ルーズベルトとチャーチルとのヤルタ会談にて、対日参戦の見返りとして南樺太・千島列島をソ連領とする密約を交わしていたことは有名です。 スターリンは、日露戦争での敗戦を恨んでおり、名誉挽回の機会を虎視眈々と狙っていたわけです。8月9日には日ソ不可侵条約を破棄して満洲を侵略していることも加味すれば、スターリンのやり方が国際法を無視した野蛮行為であることは一目瞭然です。 さらに言えば、ソ連はサンフランシスコ平和条約の調印を拒否している以上、北方領土や千島・樺太の領有権を主張する権利はありません。講和条約などの手続きを経ない領土保有は認められないからです。 ◆北海道を守った男たち 一方、占守島決戦を「無駄な戦争」「犬死」だと酷評する方もいるようですが、現在の北海道が日本領であるのは、間違いなく帝国陸軍の活躍があったからです。 スターリンの黒き野望を挫いた功績は、北海道だけでなく全国でも教えるべきですし、当決戦で命を落とした兵士は立派な英霊です。 歴史の彼方に忘却されつつある英霊の存在から目を背けてはなりません。(文責・中野雄太) 参考文献: 『8月17日、ソ連軍上陸す 最果ての要衝・占守島攻防記』大野芳著、新潮文庫 『激動する日本周辺の海 尖閣、竹島、北方四島』中名生正昭著、南雲堂 中国共産党の「自由の弾圧」を許すな!(2)――中国の宗教弾圧の実例 2013.08.20 ◆中国の宗教弾圧の実例 アメリカ国務省の昨年の調査によると、中国の人権状況は悪化し続けているとのことです。 「宗教はアヘン」だと喧伝する唯物論国家・中国において、特にひどい人権弾圧は「宗教弾圧」です。 10年ほど前、中国の「法輪功」という宗教と気功を合わせたような団体組織が弾圧された事件がありました。 「法輪功」が急成長し、共産党員以上に人数が増えたため、共産党を揺るがす勢力になるのではないかと恐れた中国政府が大弾圧を行ったからです。 捕まった法輪功信者は数万人に及ぶとされ、沢山の方々が迫害により死亡し、現在は中国国内で「法輪功」は一切禁止されています。 恐ろしいのは、「臓器狩り」の疑いが持たれていることです。 国際人権団体の詳しい調査が行われた結果、「法輪功の学習者から臓器を摘出し、臓器移植に利用している」ことが明らかになりました。 これは『血まみれの臓器狩り(Bloody Harvest: The Killing of Falun Gong for Their Organs)』としてカナダで出版され、世界44カ国で発表されています。 この報告を受けて、国連のマンフレッド・ノーワック国際連合拷問特別調査官が、2005年に中国で調査を行っています。 その報告書には下記の通り、記されています。(2009/8/13 大紀元「国連拷問特別調査官:生体臓器狩り、今も中国で…」より⇒http://www.epochtimes.jp/jp/2009/08/html/d61170.html) ・法輪功学習者たちは、心不全を起こす薬物を注射され、臓器を摘出されている間あるいはその後に殺害される。 ・明らかに、中国国内の病院の臓器移植手術件数は、1999年から急激に上昇している。しかし、その数に相当するドナーや死刑囚は存在しない。 ・強制労働収容所に監禁されている人の大多数は法輪功学習者であり、彼らは裁判を受ける権利も与えられない。 ・法輪功学習者は、拷問被害者の約3分の2を占め、ノーワック氏が中国を出てからも、全く状況は好転していない。 ◆民主的で自由な国へ 習近平体制の下、中国当局は北京や上海の大学に対し、「自由」「人権」「報道の自由」「共産党の歴史的な誤り」など「七つの禁句」を授業で教えてはならないとする指示を出しました。(5/11 共同「中国当局『報道の自由』教えるな 大学に指示」) しかし、抑圧され、弾圧され、苦しむ中国の人々の解放のためにこそ、中国政府は、この「7つのこと」を実行すべきです。 中国13億人の人たちが、言論・報道の自由、表現の自由、信教の自由がないままに置かれているのは、やはりおかしいと思います。 政府の批判を一言も言えないような国、自由な信仰が禁じられている国、知りたい事実を知ることができない国――これは国民にとって不幸です。 中国は「反日教育」を通じて、日本人の非道さを自国民に洗脳することで、中国共産党自身への批判の矛先をかわそうとしています。 そして、「南京大虐殺」を捏造して騒ぎ立てたり、靖国参拝に内政干渉したりしています。 しかし、中国から「戦争中に悪いことをした」「謝罪せよ!」と言われっぱなしではなく、日本は「中国こそ、もっと民主的な国になるべきである」と正論を返すべきです。 ◆日本よ、誇りを取り戻せ! そのためにも、日本人はもっと、日本という国に「自信」と「誇り」を持つべきです。その第一歩が「憲法9条改正」です。 「自分の国は自分で守る」という当たり前のことが、自主自立した国家の条件だからです。そして最終的には「自主憲法制定」までいかねばなりません。 そして、日本は「アジアのリーダー」として立ち上がり、中国の民主化、自由化、繁栄を支援すべきです。(文責・岐阜県本部副代表 河田成治) 韓国、戦時徴用で日本企業に賠償命令――日本政府は日本企業を守れ! 2013.08.19 ◆韓国高裁、戦時徴用で新日鉄住金に賠償命令 7月10日、朝鮮半島の植民地時代に日本の製鉄所で強制労働させられたとする韓国人4人が新日鉄住金に損害賠償を求めた訴訟で、ソウル高裁は請求通り1人当たり1億ウォン(約880万円)を支払うよう命じる原告勝訴の判決を言い渡しました。(7/11 産経) 新日鉄住金側は「国家間の正式な合意である1965年の日韓請求権協定を否定する不当判決で誠に遺憾だ」として、韓国最高裁に上告しましたが、最高裁で判決が覆される可能性は厳しいものと見られています。 最高裁で敗訴が確定した場合、同社側が賠償を拒否すれば、同社の韓国内の資産(同社の保有株式、債権、知的財産権等)の差し押さえがなされる可能性があります。 同社幹部は差し押さえられると、多くの取り引き先に迷惑をかけるため、賠償に応じる意向を示しています。(8/18 産経「新日鉄住金、韓国の戦時徴用訴訟で賠償の意向 敗訴確定時『無視できぬ』」) ◆日韓の戦後補償問題は「完全かつ最終的に解決」されている 日本と韓国との間の戦後補償については、1965年に「日韓基本条約」と共に締結された「日韓請求協定」において、次のように記されています。 ・「両締約国は、両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が《中略》完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。」 日本政府は同協定を締結する見返りに、朝鮮に投資した資本及び日本人の個別財産の一切を放棄すると共に、韓国に対して、無償3億ドル、有償2億ドル、民間借款3億ドル以上もの支援を行っています。 この支援は、当時の韓国の国家予算(約3.5億ドル)の数倍に匹敵する規模で、それによって韓国は、朴槿恵 現大統領の父親である朴正煕元大統領時代、「漢江(ハンガン)の奇跡」と呼ばれる驚異的な高度経済成長を成し遂げました。 協定締結後、日韓両政府は、戦後補償について、「完全かつ最終的に解決された」という立場を堅持しています。元徴用工の賠償請求権問題についても、日本政府は一貫して「解決済み」との立場を取って来ました。 今回の判決は「協定」を根底から覆すものであり、新日鉄住金の法務担当者は、ソウル高裁の判決を受けて、「(韓国は)本当に法治国家なのか…」と落胆を隠せない様子です。(8/18 産経「戦時徴用訴訟『韓国は法治国家なのか』 政府静観、苦渋の決断」) 8月18日の産経新聞で、現代史家の秦郁彦氏が「協定上、賠償金を支払う義務は全くない。日本政府は経済政策の中で揺さぶりをかけ、韓国内での問題解決を迫るべきだ」と述べている通り、日韓の間の賠償問題は解決済みであり、仮に個人への賠償を認めるのであれば、韓国政府が「国内問題」として責任を負うべきです。 ◆新日鉄住金は賠償に応じるべきではない! 同社の前身である日本製鉄に「強制動員」された韓国の労働者は名簿上3900人に上っており、内、約180人が提訴の意思を示しています。今回の判決を受け、今後、更に訴訟の動きが活発化することは避けられません。(7/22 夕刊フジ「虫が良すぎる韓国!戦時徴用で日本企業に賠償支払い命令 一方で投資呼びかけ」) 現在、新日鉄住金の他、三菱重工業や不二越鋼材工業等、5社に対しても同様の訴訟が起こされており、更に、三菱、三井、住友など旧財閥系をはじめとした約200社の日本企業も訴訟対象として名前が上がっています。(同上) 新日鉄住金が「事なかれ主義」で安易に賠償に応じれば、それが「悪しき前例」となって、協定を無視して、在韓の日本企業が次々と標的にされるのみならず、中国の日本企業に対しても同種の賠償請求が飛び火する恐れもあります。 ジャーナリストの室谷克実氏は「新日鉄住金としては賠償金の約3500万円は大した金額ではないだろうが、日本の外交方針に完全に反する。暴力団にみかじめ料を払う商店と同じ」だと警告しています。国際ルールを無視する韓国政府に対して、断じて妥協すべきではありません。(8/19 夕刊フジ「新日鉄住金、無法国家・韓国に苦悩 賠償金支払いならみかじめ料と同じ」) ◆日本政府は毅然として、日本企業を守れ! この件について、日本政府は「『賠償の必要はない』という認識で国と企業は一致していると考えている。訴訟は係属中で、判決確定や資産差し押さえ後の対応について、仮定の話はできない」と「静観」の構えを示しています。 しかし、これは単なる個人対企業の訴訟問題ではなく、「日韓請求権協定」を反故するに等しい、重大かつ悪質な「外交問題」です。 日本政府は訴訟の対応を一企業に丸投げするのではなく、協定を踏みにじる韓国政府に対して、毅然たる抗議と外交交渉を行い、日本企業を守り抜くべきです。 万が一、韓国が「日韓請求権協定」を破棄する行為を選択するのであれば、日本政府は「日韓請求権協定」に伴って行った無償供与3億ドルの返還、並びに、同協定に伴って放棄した日本人の在韓資産の返還を要求すべきです。(文責・政務調査会 黒川白雲) 「いじめ問題」に終止符を打つべく、「いじめ禁止法」の制定を! 2013.08.18 ◆奈良県橿原市でのいじめ自殺事件 今年3月、奈良県橿原市で中1の女子生徒(13)が飛び降り自殺をしました。 彼女は生前に親友グループに仲間はずれにされたとして「これはいじめ。死にたい」と友人に泣きながら相談したり、未送信メールに「みんな呪ってやる」と書いていたことが分かっています。(6/6 産経「『みんな呪ってやる』中1女子自殺で橿原市教委が第三者委検討」) 学校側はいじめと自殺の因果関係を否定していましたが、最近開示されたアンケートによれば、いじめを見聞きしたとする証言が40件以上あったということです。 中には「無視されたりさけられたりしていた」「ひざでおなかをなぐられていた」といった記述や、本人が自殺の前日に部活動中のテニスコートの砂でお墓を作り、「『私が死んだらここに入れて』と言っていた」「『次きらわれたら手切るかもー。』といってた」といった記述など、女子生徒がいじめに悩んでいたことを、強くうかがわせる回答がありました。(8/16 FNN「奈良・橿原市中1女子 自殺いじめうかがわせるアンケート結果」) ◆いじめ隠ぺいを行う学校・市教委の不誠実な対応 このアンケートは、遺族が再三にわたって実施するよう要請していたものですが、行われたのは自殺から2か月後の5月になってからです。 しかし、その開示をめぐっての学校側の対応もひどいものでした。 はじめは集約したものを開示するとしていたのを、「口頭での開示」になり、最終的には、市教育委員会が「二次被害の恐れがある」としてアンケートの開示を拒み、多数の証言がありながら「自殺との関係は低い」と表明しました。 その後の対応について、校長が代理人を通すように求めたため、遺族側が代理人の連絡先を尋ねると「代理人に依頼した事実はなく、苦し紛れに言った」と嘘を謝罪しました。(8/16 産経「『学校と教委不誠実』遺族憤り」) ◆教員は憲法・法律を遵守すべき 憲法15条第2項は公務員について、「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」と定めています。 いじめは犯罪です。公務員は「法律を守る義務」が課せられており、学校内の犯罪を黙認・隠蔽することは、刑事訴訟法で定める「公務員は職務執行にあたり犯罪の事実を知った時は告発しなければならない」という告発義務に違反しています。 今の日本の公立学校では、公務員は「法令遵守義務」を果たさず、学校には法と正義が存在しない状態になっていると言わざるを得ません。 そのような教員は、いわんや教育基本法第9条に定める「法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努め」ることもできていないでしょう。 ◆変わらない学校現場に対し、「いじめ禁止法」の制定を! 橿原で自殺した生徒の母親は学校の対応に関して、「私たちは娘の死の理由を知りたいだけ。学校と教委の対応は不誠実」と憤っています。 大津市のいじめ事件で息子を失った父親は「市教委と学校の対応は、大津市の初期対応と同じ。学校現場では何も教訓は生かされていない。」と指摘しています。(同上) 平成23年度、いじめで自殺した生徒は、25年ぶりに200人を超えました。(2012/9/11 産経「児童生徒の自殺、25年ぶりに200人超える」) 「いじめ」がはびこるのみならず、自己保身のために、いじめを隠ぺいする教師や学校が存在するような状況は、国家が日本国憲法26条に基づく「安全かつ適切な教育の提供義務」を果たしていないと言えます。 かつて、他の法律で規制すればよいとされたストーカー行為も、ストーカー防止条例が制定され、その後ストーカー規制法となったことで、抑止効果が生まれました。 いじめに関しては、6月21日、「いじめ防止対策推進法」が制定され、いじめの加害児童・生徒に対する懲戒や出席停止は盛り込まれましたが、学校や教師の側の「いじめ隠蔽」に対する罰則は盛り込まれておらず、閉鎖空間の中で、いじめが続いています。 幸福実現党が提言をして来た、教師や学校、教育委員会の責任と罰則を明確に定める「いじめ禁止法」を一刻も早く制定すべきです。(文責・政務本部チーフ 兵庫県本部 湊 侑子) 「東京裁判史観」からの脱却を!――「A級戦犯」の名誉回復は既に終わっている 2013.08.17 今回、安倍首相は靖国参拝を見送りましたが、それは中国や韓国による「A級戦犯を祀る靖国神社への参拝は軍国主義の復活だ」という批判に配慮したためだと言われています。 「自虐史観」の淵源には、「東京裁判史観」「コミンテルン史観」「中華帝国主義史観」等がありますが、特に影響力が大きいのが「東京裁判史観」です。 靖国参拝でも、「A級戦犯の合祀(ごうし)」が、左翼マスコミや中国、韓国からの批判論点となってきました。しかし、その批判は全く正当性がありません。 ◆「東京裁判」は「捏造復讐裁判」 大東亜戦争は、「欧米列強から、アジアの植民地を解放し、白人優位の人種差別政策を打ち砕くとともに、わが国の正当な自衛権の行使としてなされたもの」(「大川談話―私案―」より)と考えるのが、正当な歴史認識です。 日本は「ABCD包囲網による経済封鎖」「絶対的排日移民法」等に象徴される人種差別、共産主義者の工作等によって追い込まれた末、正義を貫く「自衛のための戦争」に踏み切らざるを得なかったのです。 「東京裁判」では「侵略戦争の共同謀議」「南京大虐殺」等について証拠もなく裁かれましたが、それらは、そもそも事実無根の内容でした。 日本を「侵略戦争した悪い国家」と決めつけ、米国の原爆投下(原爆死没者名簿登載者数 広島26万人、長崎15万人)や東京大空襲(8万4千人死亡、4万9千人負傷)等の民間人大量虐殺を正当化し、日本の復活阻止を図る「捏造復讐裁判」こそが、「東京裁判」の本質であったのです。 実際、日本の占領のために進駐したマッカーサー元帥本人が、後にアメリカ上院の軍事外交合同委員会で、「日本が戦争に入った目的は、主として自衛によるものであった」(Their purpose, therefore, in going to war was largely dictated by security.)と全く逆の証言をするに至っています。 ◆無効な「東京裁判」 「東京裁判」は、手続きとしても公正さとはかけ離れたものでした。裁判には、(1)裁く根拠となる法律の存在、(2)裁判官の公平性、(3)被告に対する弁護人と検事の存在、という3つの要件が必要です。「東京裁判」で満たされた要件は(3)だけでした。 (1)「東京裁判」は、「極東国際軍事裁判」と言いますが、国際法上の法的根拠はありません。「管轄権(裁判を行う権限)」の根拠を問う意義申し立てをウェッブ裁判長は却下し、管轄権も明らかにできずに裁判を進めました。 すなわち、「東京裁判」は、裁く権限が示されないままに行われた裁判だったのです。 管轄権のない裁判は無効です。結局、マッカーサー司令官の命令でつくられた「極東国際軍事裁判所条例」が根拠ということでしたが、これは「事後法」ですから、裁判は本来成り立ちません。 「事後法の禁止」「法の不遡及の禁止」は文明国の大原則です。「後出しジャンケン」を使えば、誰をも有罪にできるからです。GHQはこの大原則を破ったのです。 (2)裁判長と判事は全て戦勝国側の人間でした。全員を中立国から出すか、半分を敗戦国から出す常識的なルールは適用されませんでした。 こうした裁判であったがゆえに、11人の判事の中でただ一人の国際法専門家だったパール判事は「各被告はすべて起訴状中の各起訴事実全部につき無罪」との判決を下したのです。 ◆既に名誉回復された「A級戦犯」 東京裁判における「A級戦犯」の「A級」とは、戦争を始めること(=「平和に対する罪」)に関係した大物という分類です。しかし、戦争を計画し、準備し、始める「平和に対する罪」は、国際法のどこにもありません。 日本が受諾した「ポツダム宣言」には、「戦争犯罪人(注:捕虜虐待や略奪、強姦、民間人殺害等の戦争法規に違反した犯罪者)」を裁くという条項はありましたが、「平和に対する罪」は「戦争犯罪人」の対象に入っていません。 結局、根拠のない罪を事後法をでっち上げ、捏造された「侵略戦争のための全面的共同謀議」で裁いたわけです。(現在でも、戦争を始めたことを戦争犯罪とする規定は国際法には無く、いかなる文明国にもその概念は無い。) A級戦犯で死刑になった人は、東條英機、廣田弘毅などの7人ですが、「平和に対する罪」(侵略戦争の共同謀議)のでっち上げだけでは、さすがに死刑にできず、「通常の戦争犯罪および人道に対する罪」とセットで死刑になっています。 これも、捏造された捕虜虐待に対する「監督不行き届け」という名目で、強引に罪を問われたわけですから、話になりません。 つまり、「A級戦犯」とは国際法的根拠もなく判決が出た「濡れ衣」であり、本来、誰も該当しないのです。 さらに、手続き上でも、赦免され、名誉回復は終わっています。サンフランシスコ講和条約第11条で「日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国犯罪法廷の諸判決を受諾」したため、「裁判所に代表者を出した政府の過半数の決定および日本国の勧告」を忠実に行いました。 国会決議を経て関係11カ国の同意を得、A級戦犯とされた人たちを釈放し、さらに国会決議で恩給や遺族年金が支払われることになりました。正式な手続き上でも、A級戦犯はいなくなったのです。 その証拠に、A級戦犯として終身刑になった賀屋興宣(かやおきのり)氏は、池田内閣の法務大臣を務め、禁固7年だった重光葵(しげみつまもる)氏は、鳩山内閣の副首相兼外務大臣に就任しました。 1956年日本の国連加盟の際には、重光は日本を代表して国連で演説を行い、「日本は東西の架け橋になる」と言って、満場の拍手を浴びています。日本の国会も国際社会も、「A級戦犯は無くなった」と認めているのです。 「靖国神社にはA級戦犯が合祀されているから、首相が参拝するのはけしからん」といった批判に対しては、「A級戦犯などいない。昭和殉難者など、命を投げ出して国に尽くした人々が眠っているだけだ。そもそも東京裁判に国際法的根拠はない」と、正面から反論すれば良いのです。 ◆日本の誇りを取り戻し、平和と正義の守護神となれ! 今こそ、「東京裁判史観」等の「自虐史観」を一掃し、日本の誇りを取り戻すべき時です。 幸福実現党は、日本が今後、「いかなる国であれ、不当な侵略主義により、他国を侵略・植民地化させないための平和と正義の守護神」となり、「世界の恒久平和のために尽くす」ことができるよう、政治を推進して参ります。(文責・幸福実現党茨城県本部 中村幸樹) 景気は本当に回復しているのか?――「統計のウソ」に騙されるな! 2013.08.16 ◆4-6月GDP統計速報値で「消費増税」に傾く安倍政権閣僚 8月12日、安倍首相が来年4月からの消費税増税の判断材料にするとしていた、4-6月期の国民所得(GDP)統計の速報値が発表されました。 速報値によると、実質GDPは前期比プラス0.6%、年率換算でプラス2.6%となりました。 1-3月の年率プラス3.8%から減速したものの、2期連続で2%以上の成長を達成し、安倍首相は「政権発足以来、順調に景気は上がってきている。」と語りました。 また、速報値を受けて、甘利経済再生担当相は「(消費増税の)判断材料の一つとしては、引き続きいい数字が出ている」と述べ、消費増税に前向きの意向を表明しています。 更に、麻生財務相は15日の閣議後の記者会見で「極めて順調な数字ではないか」「消費税を上げる方向では、いい影響を与えたのではないか」と述べました。(8/15 産経「『消費増税にいい影響』4~6月GDPで財務相」) 安倍首相は、今回の速報値が消費税率引き上げの判断に与える影響については言及していませんが、安倍政権の閣僚が消費増税に前のめりになっていることは明らかです。 ◆景気は本当に回復しているのか? しかし、果たして、本当に景気は回復しているのでしょうか? 私は選挙活動を通じ、多くの国民の皆様のお声をお聴きしましたが、「景気が回復している」と実感されている方はほとんどいらっしゃいませんでした。 速報値の数値を押し上げた主因は、アベノミクスの「第一の矢(大胆な金融緩和)」と「第二の矢(政府の財政出動)」によるものであり、また、株高の恩恵を受けた富裕層による個人消費の拡大です。 したがって、政府が宣伝する「景気回復」は、大部分の国民の生活実感からはかけ離れたものとなっています。 統計はウソをつきます。消費増税を断行すべく、本年上半期の「景気回復」が演出されているのではないか、疑ってかかるべきです。 ◆消費増税導入は「時期尚早」 実際、今回の速報値で、年率換算でプラス2.6%の成長となりましたが、市場の事前予測(3.4%)を大きく下回りました。 特に、景気回復のメルクマールとなる企業設備投資は依然、マイナス0.1%と引き続き水面下に沈んだままで、2012年1-3月期以降、6・四半期連続でマイナスとなっています。 住宅投資の実質成長率もマイナス0.2%と、5・四半期ぶりに減少に転じました。 また、一人当たりの給与水準を示す4-6月期の現金給与総額は依然、横ばいのままです。(8/13 東京「GDP2.6%増 物価高先行 賃金増えず」) 厚生労働省が7月31日に発表した毎月勤労統計調査を見ても、所定内給与は前年比0.2%減で13カ月連続で減少を続けています。 国民の収入が増えないまま、消費増税に突入すれば「消費不況」が起こり、経済に大打撃をもたらすことは避けられません。 実際、明治安田生命の試算によると、現行通り、消費税を増税すれば、増税を見送る案に比し、「2014年度の実質成長率が▲0.5%、2015年度は▲0.8%押し下げられる。」と結論づけています。(「経済ウォッチ」2013年8月第2週号) こうした状況に鑑み、内閣官房参与の本田悦朗・静岡県立大学教授は12日、「予定通りの消費増税の環境が整ったとは言えない」と指摘。 同じく内閣官房参与を務める浜田宏一・米エール大名誉教授も、「増税のタイミングを1年先延ばしにすることも一案」と語っています。(8/12 ロイター「4-6月期GDPは設備投資など伸びず減速、『名実逆転』は解消」) ◆安倍首相は「景気条項」に基づき、消費増税を停止せよ! 消費増税については、「もう決まったことでしょ!」と言われる方もいらっしゃいますが、消費増税法には「景気条項」という“ストッパー”が用意されています。 「景気条項」、すなわち、消費税増税法の附則第十八条2項には、消費増税の「施行前に、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前項の措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。」とあります。 この条項の主語は曖昧ですが、消費増税法関連法案成立時の民主党、自民党、公明党の「3党合意」に基づく「税関係協議結果」には、附則第18条について「消費税率(国・地方)の引上げの実施は、その時の政権が判断すること」とあります。 すなわち、安倍政権が経済指標を確認し、「経済状況の好転」に至っていないと判断すれば、消費増税を停止することは法律上、可能なのです。 「消費税増税をするか、しないか?」の最終判断は、安倍首相に委ねられています。 現状、国民の実感としても、統計を詳細に分析しても、まだまだ「経済状況の好転」に至っているとは言えない状況にあります。 消費増税の最終判断は9月中旬頃と見られていますが、安倍首相には、日本経済を再び転落させる消費増税を停止し、歴史に名を残す英断を行った総理となって頂きたいと思います。(参考:JTR 日本税制改革協議会「安倍総理を納税者のヒーローにしよう!」⇒http://www.jtr.gr.jp/015webtsusin/001150.html) (文責・政務調査会長 黒川 白雲) 主体性なき日本外交はいつ終わるのか――他国の顔色ばかりを気にする安倍首相 2013.08.15 ◆靖国参拝を見送った安倍首相 8月15日、日本は68回目の終戦の日を迎えましたが、安倍首相は靖国参拝せず、私費で玉串料を奉納したのみです。このことについて、安倍首相は以下のように弁解しています。(8/15 産経「安倍首相の発言要旨」) ・「本日は国の来し方を思い、静かにこうべを垂れ、御霊を悼み、平安を祈る日だ。国のために戦い、尊い命を犠牲にされた御英霊に対する感謝の気持ちと尊崇の念の思いを込めて、萩生田光一総裁特別補佐に奉奠してもらった。」 ・「(自身が)今後、いつ靖国神社に参拝するか、しないかは、それ自体が政治問題、外交問題に発展していくという観点から申し上げない考えだ。」 また、日本武道館で行われた「全国戦没者追悼式」において、安倍首相は次のように式辞を述べています。(8/15 産経「安倍晋三首相の全国戦没者追悼式式辞」) ・「いとしい我が子や妻を思い、残していく父、母に幸多かれ、ふるさとの山河よ、緑なせと念じつつ、貴い命をささげられた、あなた方の犠牲の上に、いま、私たちが享受する平和と、繁栄があります。そのことを、片時たりとも忘れません。」 しかし、ここまで言うのであれば、代理を立てるのではなく、首相自ら靖国神社に参拝し、国のために一命を擲った英霊に哀悼の誠を捧げるべきではないでしょうか。 一国の指導者としての言葉としては、中身が伴っていないと言わざるを得ません。 今回の安倍首相の靖国参拝の見送りを「外交的にも周辺諸国を刺激しないためにやむを得ない」とする論調もありますが、他国の顔色ばかりに配慮して、本当のことを言わない「主体性なき外交」はやめるべきです。 よりによって15日、韓国国会議員が靖国神社近くで安倍政権を非難する横断幕を広げ、抗議しました。(8/15 産経「韓国議員ら、靖国での声明発表断念、500メートル先の路上で抗議」) 日本政府は、靖国神社に参拝すること自体を「外交問題」として発展させているのは、韓国や中国の側であることを明確に国内外に伝えるべきです。 ◆歴史修正主義者のレッテルに負けるな そして、もう一つ乗り越えるべきは、同盟国であり、同時に自虐史観を植え付けてきたアメリカのスタンスです。 リベラルな論調のニューヨークタイムズでは5月23日に、「Shinzo Abe will not revive Japan by rewriting history(歴史を修正して、日本は復活させられない)」として、安倍首相について「危険な歴史修正主義」と指摘しています。 また、米議会上院の外交委員会・東アジア太平洋小委員会で委員長を務めるカーディン氏は、NHKでのインタビューで次のように述べています。(8/14 NHK「米上院委員長 安倍首相の靖国見送り意向を評価」) 「(安倍首相が、靖国神社に参拝しない意向について)ともにアメリカの同盟国である日本と韓国が緊張関係にあるのは、有益なことではない。韓国と良好な関係を築こうとしている安倍総理大臣の対応を支持する。」 日本政府は、アメリカ側のスタンスも踏まえつつ、海外ロビイ活動に力を入れ、正しい情報を海外に発信すべきです。 もちろん、日本の正当な歴史認識を主張する中で、「歴史修正主義(historical revisionism)」と言われたり、様々な理由をつけて批判されることもあるでしょう。 その際には、アメリカが原子力爆弾を使用したこと、東京大空襲では無差別爆撃で10万人の民間人(非戦闘員)が犠牲になったことなど、「人道に対する罪」も指摘する必要があるでしょう。 日本の首相として、間違っているものは、間違っていると言わなければ、国益を損う一方です。 ◆安倍首相は「安倍談話」を発表せよ! 従来、終戦の日の全国戦没者追悼式の式辞の中で、村山首相以降、歴代の首相は式辞で「アジアへの加害と反省」について触れて来ました。 しかし、今回、安倍首相は、歴代首相が表明してきたアジアへの加害責任の反省について明言しませんでした。(8/15 日経「安倍首相、アジアへの加害責任明言せず」) このことは「村山談話」「河野談話」の白紙撤回に向けた第一歩として評価できます。 是非とも、安倍首相には、靖国神社の秋の例大祭に参拝し、「大川談話―私案―」を基に、河野・村山両談話の無効を宣言し、本当の意味で靖国の英霊への供養ともなる「安倍談話」を発表すべきです。 (HS政経塾部長 兼 政務本部部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ) 68回目の終戦の日を迎えて 2013.08.14 8月15日は68回目の終戦の日です。先の戦争で祖国のために戦われた英霊の追悼と我が国の平和と繁栄を祈念申し上げます。 ◆英霊顕彰は日本の文化に根付いている 毎年、終戦の日には、昭和天皇による玉音放送が流れた正午に高校野球の夏の甲子園大会の試合中でもプレーが中断され、黙祷を捧げます。そして、日本武道館では、全国戦没者追悼式が行われます。 くしくも、この時期はお盆とも重なります。全国各地でお墓参りや法要が行われ、先祖の霊を慰霊するのが日本の風習にもなっています。 日本人の多くは「無宗教」と答える方が多いようですが、お盆やお彼岸のお墓参りをしない人はいません。 つまり、先祖供養は日本の文化に根付いているのです。古代から、日本ではお盆には先祖の霊が霊界から戻ってくると言われており、手厚く供養することが習わしとなっています。 こうした宗教的背景があることを欧米人や中国人は理解していません。筆者が奇異に感じるのは、無神論国家である中国が、靖国神社の参拝に対して批判をしていることです。 霊やあの世を信じず、宗教を信じていないのならば、日本の首相や閣僚の靖国参拝批判をすることはおかしなことです。 ◆靖国焼き払い計画を救ったドイツ人神父の言葉 当初、GHQは日本の宗教事情を全く理解していませんでした。靖国神社を焼き払ってドックレース場にしようとした案もあったほどです。 当時の欧米人は、日本人を「ジャップ」だとか「イエロー・モンキー」だと侮辱していました。恐らく、有色人種の信仰など全く歯牙にもかけていなかったのでしょう。 こうした「越権行為」に対して、宗教家からの反論がありました。 ドイツ人のブルーノ・ビッテル神父は、ローマ教皇庁代表であり、上智大学学長でありましたが、GHQの蛮行に対して以下のように具申しています。 「もし靖国神社を焼き払ったとすれば、その行為は米軍の歴史にとって不名誉きわまる汚点となって残るだろう。(中略)我々は、信仰の自由が完全に認められ、神道、仏教、キリスト教、ユダヤ教などいかなる宗教を信仰する者であろうと、国家のために死んだ者は、すべて靖国神社に、その霊を、祀られるようにすることを進言する」 この言葉は、上智大学の渡部昇一名誉教授などが紹介しているので有名ですが、ビッテル神父の具申により靖国神社が救われたのは事実です。宗教家ならではの説得力ある具申であると言えます。 また、筆者が記してきた日本の文化に対して、イタリア人の日本文化研究家であるヴルピッタ・ロマノ教授(東京大学留学経験あり。ナポリ東洋大学院で日本文学の担当教授を務めた)は、「国のために命を捧げた人たちのみたまをひとつの神社に合祀し、国の守り神として国民全体で守るという発想は、日本文化の素晴らしい成果」だとしています。 同教授は、英霊に対して「彼らの行為を国民の誇りとし、後世に模範として伝えることである」とも主張しています。つまり、英霊の犠牲は国民全体の神聖なる遺産であると言及しているわけです。 ◆公式参拝には英霊への感謝と尊敬の念を 政治的原則に立ち返れば、一国の首相が戦争で亡くなられた英霊を追悼するのは当然であり、諸外国から文句を言われる筋合いはありません。中国や韓国の批判は内政干渉であり、一蹴するべきものです。 首相ならば、そうした批判に対して威厳を持って反論をして欲しいものです。ところが、首相をはじめとする主要閣僚は靖国参拝を自粛するというではないですか。それで本当に英霊が喜ぶと思うのでしょうか。 国家のために勇ましく戦った方々に対して失礼ではないでしょうか。英霊の方々は、「靖国で会おう」を合言葉に散華されました。また、護国の鬼となって祖国日本のために命を捧げてきたのです。 英霊は、政治家の心や姿勢を見ています。自分たちの子孫が、諸外国の圧力によって参拝を自粛するような姿を見て泣いていることでしょう(参考文献:『公開霊言 東條英機、「大東亜戦争の真実」を語る』)。悔しがっていることでしょう。 安倍首相をはじめとする現職の政治家の皆様。政権維持は理解しますが、霊人からは全てその魂胆がお見通しだということはご理解下さい。 幸福実現党は宗教政党です。信教の自由を守り、「神の国」である日本の良き文化を継承し、世界に冠たる宗教大国にすることを主張もしています。 また、宗教政党であるからこそ、政治や外交的側面に加えて宗教的側面からの政策提言ができます。英霊の顕彰が宗教行為を伴っている以上は当然のことです。 参拝は神聖なる宗教行為であり、英霊への尊崇と感謝の念を届けることが本質です。 そこには、無神論国家や日本を貶めようとする勢力からの批判は関係ありません。政権を維持するための配慮も関係ありません。その意味で、靖国参拝問題を世俗の論理でこれ以上政治問題化させてはなりません。 幸福実現党は、終戦の日に合わせて「大川談話」を発表して、「河野談話」と「村山談話」の無効化宣言を行いました。そして、宗教的側面から英霊の顕彰を行うために、赤坂の政党本部にて「終戦の日 英霊への慰霊と感謝の集い」を開催します。 日本の誇りを取り戻すためには、上記のような宗教的側面からのアプローチも不可欠なのです。(文責・静岡県本部幹事長 中野雄太) 特攻隊員の遺言―後世の日本人に託された祈り―「後に続くを信ず」 2013.08.13 間もなく、終戦より68回目の8月15日を迎えます。 私たちは戦争に殉じた英霊の方々を追悼すると共に、日本の更なる繁栄を築き、世界の平和に貢献することをお誓い申し上げます。 ◆特攻隊員の遺書 昭和20年、大東亜戦争は4年目に入り、日本はいよいよ戦闘機を飛ばす燃料も無くなりかけました。 そこで鎌倉時代、神風が元寇を打ち払ったように、神風の到来を若者に託す「神風特別攻撃隊(特攻隊)」を組織しました。 「特別攻撃」の「特別」の意味は、「決死」ではなく「必死」の攻撃(「自らが絶対に死ぬ攻撃」)のことです。 若い生命が片道燃料の戦闘機に爆弾を積んで敵艦めがけて体当たりしていく、それが「特攻」です。その数はおよそ2300の御霊に及びました。 以下、若き特攻隊員の遺書、辞世の句を紹介させて頂きます。 【18歳で熾烈な対空砲火を巧みにぬって慶良間列島付近の輸送船に体当たりした大橋茂伍長の最後の便り(抜粋)】 「お父さん、お母さん、喜んで下さい。祖国日本興亡のとき、茂も待望の大命を拝しました。 心身ともに健康で、任務につく日を楽しみに、日本男児と、大橋家に、父と母の子供と生まれた喜びを胸に抱いて、後に続く生き残った青年が、戦争のない平和で、豊かな、世界から尊敬される、立派な、文化国家を再建してくれる事を信じて、茂は、たくましく死んで行きます。《中略》 親より先に死んで、親孝行出来ない事をお許し下さい。お父さん、お母さん、長生きして下さい。お世話になった皆様方に、宜敷お伝え下さい。この便りが最後になります。」 【30歳で沖縄の敵艦に突入した澁谷健一大尉の辞世】 「わがあとに 続かんものは数多し 固く信じて特攻は征く」 ◆「後に続く者を信ず」とは 戦争の最中にあって、その遺書の多くは、父母や妻子に当てた愛情溢れる文面に満ちています。 また、中には、私たち後世の日本人に宛てた「後に続く者を信ず」という言葉が見られます。 「後に続く者を信ず」とは、自分達のように敵艦隊に体当たりする者が次々に出てきてほしいという意味ではありません。 その意味するところは、大橋茂伍長の「後に続く生き残った青年が、戦争のない平和で、豊かな、世界から尊敬される、立派な、文化国家を再建してくれる事を信じて…」という言葉に表されています。 ◆特攻は統率の外道 「特攻」はいかなる意味を持っていたのか。それは「特攻隊」の生みの親であり、若者を次々に死地に送り続けた大西瀧治郎中将の生き様から明らかになります。 大西中将は、「特攻は統率の外道」であり、「わが声価は、棺を覆うて定まらず。百年ののち、知己またなからん」という痛切な言葉を残しています。 すなわち、「自分が死んだ後、その評価は百年経って棺をあばいても定まらない。『特攻』は、天をも畏れぬ暴挙であり、統率の外道である。絶対に死ぬ特攻に若者を送った私の真意は誰も理解できないだろう」という意味です。 ◆特攻の思想 大西中将が何度目かの特攻機を上空に見送った直後、記者が尋ねました。 「特攻隊で戦況が挽回できるのですか?」と。 大西中将は人気のない草原に記者を連れ出し、光る目で答えました。 「日本が滅びるかどうかの瀬戸際にきて、この戦争は勝てぬかもしれぬ。しかし青年たちが国難に殉じて、いかに戦ったかという歴史を記憶する限り、日本と日本人は滅びない。」 特攻で戦争には勝てない。勝てないけれども、しかし、後世の日本は負けない。 国難にあって、多くの若者が「絶対に死ぬ」と分かっている特攻機に片道燃料で乗り、敵艦に体当たりしていった。――その歴史を後世の日本人が記憶するならば、「日本を守る精神」は再び復活する。 それが大西中将の「特攻の思想」であったのです。 大西中将は、8月15日の翌日未明、「若いもんは生きて日本をつくれ!」という言葉を最後に、自らの命を絶ちました。 その遺書には、「死を以って部下と遺族に謝し」、最後に後世の日本の若者へ宛てたメッセージで締めくくっています。 「諸子は国の宝なり。平時に処し猶(なお)克(よ)く特攻精神を堅持し日本民族の福祉と、世界人類の為最善を尽くせよ…」 (現代語訳:子供達は国の宝である。いかなる時も「特攻精神」を堅持し、日本国民の幸福と世界のために最善を尽くしなさい。) ◆後に続く我らの使命 戦後の高度経済成長は、まさに戦中派世代の方々の努力の上に築かれました。 しかし、その豊かさを次の私たちの世代が食いつぶしているようでは申し訳が立ちません。 毎年三万人が自殺し、学校ではいじめが問題となり、近隣諸国による日本侵略を座して待っている――そんな日本をつくるために、特攻隊の英霊達は命を捧げたのではありません。 日本の物的再建は達成されても、しかし未だ「心の廃墟」から日本は立ち上がってはいません。 自国の歴史を忘れた国は滅びます。 「心の廃墟」から精神的柱を再建するためには、日本に連綿と流れてきた「歴史」に対する誇りを取り戻し、英霊への感謝と報恩を忘れてはなりません。 そして立派な日本を創り、世界に貢献する努力をしていくことが、特攻隊の「後に続く我らの使命」であるのです。(文責・政務調査会・佐々木勝浩) 【参考・お勧め書籍】 『日本への遺書』田形竹尾著/日新報道 『特攻の思想 大西瀧治郎伝』草柳大蔵著/グラフ社 『神風特別攻撃隊の記録』猪口力平・中島正共著/雪華社 『高貴なる敗北』アイヴァン・モリス著/斎藤和明(翻訳)/中央公論社 靖国神社参拝と「日本の誇り」 2013.08.12 ◆「靖国神社参拝問題」と「自虐史観」 8月15日の終戦記念日を目前に控え、安倍首相の靖国参拝や歴史認識に関する注目が高まっています。 現在、幸福実現党は、釈量子党首を先頭に「日本の誇り」を取り戻すために、安倍首相の靖国参拝を強く求める活動を展開しています。⇒参照:「終戦記念日の首相靖国参拝を求める(党声明)」 ところが、安倍内閣の閣僚で、終戦記念日の8月15日に靖国神社を参拝する可能性があるのは3閣僚のみで、残念ながら安倍首相は参拝を見送る方向です。 この「靖国神社参拝問題」と「自虐史観」とは深い関係があります。 左翼マスコミや中国・韓国は、「先の大戦は日本の侵略戦争であった」という「自虐史観」を前提に、「軍人を祀ることは、侵略戦争を肯定することだ」「A級戦犯を祀る靖国神社への参拝は軍国主義の復活だ」という批判を強め、靖国参拝阻止の動きを見せています。 ◆首相の靖国参拝は当然のこと 元々、靖国神社は、明治維新の際、戊辰戦争で亡くなった方々を祀る社として建立され、その後、西南戦争、日清戦争、日露戦争、大東亜戦争の戦没者など、246万6千余柱の英霊を祀っています。 そうした意味で、靖国神社はアメリカで言うところの「アーリントン国立墓地」にあたるものだと言えます。 アメリカの歴代大統領がアーリントン墓地に参拝しているように、日本の歴代総理大臣は、戦後、春秋の例大祭を中心として靖国参拝をして参りました。 例えば、首相在任中の靖国参拝の回数は、吉田茂氏5回、岸信介氏2回、池田勇人氏5回、佐藤栄作氏11回、田中角栄氏5回、中曽根康弘氏10回となっていますが、三木元首相の靖国参拝以前は政治問題になったことは全くありませんでした。 ◆三木武夫氏による「亡国のパフォーマンス」 靖国参拝が政治問題になったのは、田中角栄氏の次に自民党総裁、内閣総理大臣となった三木武夫氏(首相在任期間1974年~76年)による参拝以降です。 昭和50年、三木氏は戦後初めて、8月15日に靖国神社に参拝しました。これだけ聞くと、信念のある立派な政治家に思えるのですが、実情は全く逆です。 元々、三木氏は、自民党内での支持基盤が極めて弱かったことが大きな課題でした。 それは、田中氏が金権政治の批判によって退陣に追い込まれた後、実力ではなく、「クリーン」という理由で選ばれた総理だったからです。 そこで、三木氏が目をつけたのが、当時、反田中政治の旗頭であった「青嵐会(石原慎太郎、浜田幸一などの当時の自民党派閥横断的に結成された保守派の若手議員からなる政策集団)」からの支持でした。 三木氏は、青嵐会の支持を得ることを主たる目的としたパフォーマンスとして、「8月15日」に靖国参拝を強行しました。 しかしながら、三木氏は、自分の信念とは反対の行為であったために、国民やマスコミに対して、「私的」に参拝したので、全く問題がないという言い訳をしたのです。 このようなパフォーマンスと言い訳が、後々まで靖国参拝が「政治問題化」する大きな火種になり、それ以降、靖国参拝については、常に「公的か」「私的か」が問われることになりました。 ◆三木夫妻による日本弱体化のための活動 ちなみに、この三木武夫氏は総理時代、防衛予算の「GDP比1%枠」という政策を閣議決定しています。 「防衛省の予算は、その年のGDP1%以内とする」という自主的な取り決めで、この考えは、その後の防衛予算の事実上の基準となりました。 1990年代以降、GDPが停滞し、防衛予算は減少を続ける一方、中国の軍事費が毎年二桁成長を続けたことが、日本の「国難」をもたらしたと言えます。 また、これまで、恒例行事として春秋の例大祭に靖国への御親拝を続けて来られた昭和天皇も、昭和50年以降、御親拝を控えられるようになりました。 これは、三木氏が「私人」として靖国参拝をしたことを機に、天皇の御親拝が「公的」か「私的」かが問題になったためです。 御親拝の中止は、靖国に祀られている三百万の英霊にとって、また、そのご遺族の方々にとって、痛恨の出来事です。 なお、三木元総理の夫人、睦子氏は、(1)日本国憲法改正阻止を訴える「9条の会」の呼びかけ人、(2)従軍慰安婦たちへの国家賠償を求める活動、(3)北朝鮮から親善勲章第1級を与えられるなど、左翼・親北で有名な方です。 河野洋平氏と同様、三木武夫氏のようなリベラル系の人々が「自民党政権」の中核にあったことが、日本の「国難」を招いた要因なのです。 ◆取り戻すべき日本の誇り 「大川談話」は、先の大戦を「アジアの同胞を解放するための聖戦」と位置づけています。 実際、日本は戦争には敗れましたが、ことごとく欧米列強に侵略されていたアジアの国々が、日本軍の快進撃を見て、自らの力を信じて立ち上がり、多くの国々が欧米の植民地支配からの独立を果たすきっかけとなりました。 例えば、第二次大戦の時、イギリスに「プリンス・オブ・ウェールズ」という、当時「世界最強」と言われた戦艦がありました。多くのイギリス人がこの戦艦を、国の誇りに思っていました。 ところが、1941年12月のマレー沖海戦で、日本軍はこの戦艦を、戦闘機の攻撃によって撃沈しました。これは、チャーチルが回顧録の中で「第2次世界大戦で最も衝撃を受けた事」と言われるほどの大きな事件でした。 当時は、戦闘機が戦艦を沈めるということは考えもできなかったのですが、この常識を簡単に覆す日本の戦闘機、及びパイロットの技術は、既に世界最高水準に達していた事を示す出来事でもありました。 日本の技術は戦後に発展しただけではなく、戦前、戦中においても、世界最高水準に近いものがあり、アジアに「日本」という国があるということが、多くの国々の希望にもなっていたのです。 8月15日の首相の靖国参拝は、三百万の尊い英霊に感謝と敬意を捧げると共に、日本の誇り、先人への敬意を取り戻すことであり、日本復活への端緒を開くこととなるのです。(文責・小鮒将人) すべてを表示する « Previous 1 2 3 4 Next »