Home/ 2012年 July 2012年 July 大津いじめ隠蔽事件「先生は一緒に笑って見ていた」――教室に正義を!学校に善悪の価値観を! 2012.07.09 昨年10月、大津市で中学2年生の男子生徒が自殺しました。 自殺直後、市教委が全校生徒(859人)を対象に行ったアンケートで、男子生徒が「暴力」「いじめ」をうけていたとする回答が計227件あったことが分かりました。しかし、市教委は詳しい調査を行わず、約3週間で打ち切りました。 アンケートには「自殺の練習をさせられていた」「毎日殴られていた」「(いじめたとされる同級生が)『家族全員死ね』と言っていた」など生々しい記述がありました。 また、男子生徒が同級生から金を脅し取られていたと複数の生徒が答えていたことが分かりました。アンケートには「同級生が男子生徒を脅して銀行の口座番号を聞き出し、金を取っていた」「銀行の番号を無理やり言わせて遊ぶためにお金を使っていた」と書かれていました。(7/7 NHK⇒http://goo.gl/w8i63) このように、全校生徒の4分の1以上が、男子生徒が「暴力」「いじめ」を受けていたことを認識していたにもかかわらず、追跡調査を行わなかった市教委の対応が問題となっています。(7/7 産経⇒http://goo.gl/GNges) これは「責任から逃れたい」という学校側や市教委の保身であり、明らかな「隠ぺい行為」です。今回の事件では、自殺前に学校側がいじめを見逃していた(黙認していた)可能性が強まっています。 学校側は自殺した生徒の家族から「お金遣いが荒くなった」ことについて相談を2度も受けていたといいます。また、自殺した生徒の父親が「暴行があった。何か処罰はできないか」と3回にわたり大津署に相談したのに被害届は受理されませんでした。 実際、多くの生徒も「先生は見て見ぬ振りをしていた」「先生は一度注意をしたけど、その後は一緒に笑っていた」と回答をしています。(7/6 J-CASTニュース⇒http://goo.gl/mjwC1) 自殺した生徒が暴力を振るわれているのに、担任の教師は「隣にいたが止めなかった。笑ってた。『やりすぎんなよ』って」「周りにほかの教師もいた」と証言する生徒もいます。(7/6 朝日⇒http://goo.gl/iN5kE) どうして、日本の公立学校には、学校・教師ぐるみでいじめを黙認、隠ぺいする体質が根深くあるのでしょうか? 日本のいじめが大きく変化したのは1992年、新・学習指導要領の実施年です。日教組の主張である「子供に価値観を押し付けない」教育指導がより強調され、道徳の授業でも善悪を明確に教えなくなりました。 教師側の倫理観や正義観、善悪の考え方が弱まると、いじめが発生しても、「話し合いで解決しよう」となります。 しかし、「いじめから子供を守ろう!ネットワーク」(http://goo.gl/QoppJ)代表の井澤一明氏は、「学校側に『悪を正そう』という強い意志があれば、いじめは一日で止まることもある」と言います。 いじめを解決できないのは、善悪の判断ができず、教室に「正義」が無くなっているからです。 飛び降り自殺をした男子生徒は階段を使って自殺の練習をさせられていたこともアンケートで分かりましたが、市教委も学校も「いじめは認識できていなかった」と繰り返し、自殺前にいじめ情報が生かされることはありませんでした。 結局、多少の波風が起こったとしても「正義」「価値観」を掲げて問題を解決しようとするのではなく、「なあなあ」にしようとする「戦後民主主義」の悪しき部分が、いじめを増殖させていると言えます。 それは戦後、公教育の現場から宗教を排除したことの結果です。「善悪の基準」とは、突き詰めれば宗教に行き着くからです。 1966年に中央教育審議会会は宗教教育について「生命の根源すなわち聖なるものに対する畏敬の念が真の宗教的情操であり、人間の尊厳と愛もそれに基づき、深い感謝の念もそこからわき、真の幸福もそれに基づく。」と文部大臣に答申しています。⇒http://goo.gl/qNb36 しかし、公教育の現場においては、日教組によるタブー視もあり、戦後、宗教教育はおざなりにされて来ました。その意味でも、日本は、宗教教育の重要性をもう一度、見直す時期に来ています。 「いじめ対策」の根本は、道徳では足りません。仏神や天国・地獄について教える必要があります。善悪の判断をしなければ一見、全て平等になるように見えながら、実は悪に加担していることになるからです。 幸福実現党は教育政策として「いじめのない学校づくり」「宗教教育の復活」を掲げています。 「大津いじめ隠蔽事件」で明らかになったように、学校や教育委員会による内々のお手盛りの調査やチェックでは、とても教育界を浄化することはできません。 外部からのチェックが全く入らない「聖域」としての学校に、「不正がないか」をチェックし、是正していく必要があります。 幸福実現党は「いじめ防止法」の制定により、学校の善悪を明確にし、是正する枠組みをつくって参ります。そして、その善悪の根拠となる「宗教教育」を、教育の現場に取り戻して参ります。 「教育は国家百年の計」です。教育とは人生を切り拓く魔法のような力があります。教育界の浄化は、日本の未来を切り拓く鍵であります。(文責・竜の口法子) 「脱原発」に向けた政府の茶番――真のエネルギー政策論議を喚起せよ! 2012.07.08 関西電力は7月5日、大飯原発3号機の発電を開始し、送電を始めました。 9日にもフル稼働に到達し、それによって8月の関電管内のピーク時における電力不足は14.9%から9.2%へ縮小する見込みです。 3号機のフル稼働により、関電管内は2010年夏に比べた節電目標を15%から10%に引き下げますが、依然、綱渡り状態は続きます。需給が厳しい九州は10%、四国と北海道も7%の目標をそれぞれ維持します。(7/7 中国新聞⇒http://goo.gl/dKOJg) そのような中、大飯原発の再稼働に反対する抗議活動が、6月末から7月にかけての金曜日に首相官邸前で行われてきました。 特に、再稼働直前の6月29日には抗議行動を激化させ、官邸前から霞が関への車道が人で埋め尽くされました(主催者発表は20万人、警視庁発表は約1万7000人)。 以前より、虎視眈々と日本から国防の要となる原子力エネルギーを排除しようとして来た左翼勢力は、菅前首相の「脱原発」路線に乗じた形で日本の世論を乗っ取り、「全原発廃止」に追い込もうとしているのです。 こうした「脱原発の空気」に対して、京都大学原子炉実験所・山名元教授は「『原子力性悪説』を前提としたメディア報道など、正当な議論を排除するような『異常な言論空間』が形成されてしまっている」と警鐘を鳴らしています。(6/15 産経「原発『不信と否定の空気』変えよ」⇒http://goo.gl/FE9aI) エネルギー政策は国家を支える基盤です。しかし、今の日本は、「魔女狩り」的な感情的な原発への「不信と否定の空気」の中で、政治においても、マスコミや言論においても、冷静なエネルギー政策論議がなされていません。 幸福実現党が主張して来たように、「脱原発」は(1)電気料金の大幅な値上げ、(2)電力供給の不安定化・脆弱化、(3)産業の国外移転の加速、(4)GDPの減少と失業者の増大、(5)エネルギー安全保障の崩壊等をもたらしますが、こうしたことがほとんど議論されていません。 こうした中、政府の「エネルギー・環境会議」が6月29日に、今後の原発政策について、2030年のエネルギー・環境に関する「3つの選択肢」(原発依存度を基準に、①原発ゼロシナリオ、②原発15%シナリオ、③原発20~25%シナリオ)を取りまとめました。⇒http://goo.gl/qXUad 議事録を調べると、元々選択肢にあった原発依存度「35%」の案は、5月28日の案までは残っているのですが、6月5日以降は消されています。「脱原発依存を掲げる政府方針と合わない」という理由で、大勢を占める左翼系の委員が強く反対したことが原因です。 国民の意見を聞く前に、原発を維持・増強していく選択肢自体を消したことは大問題であり、「脱原発ありき」の茶番劇であることを露呈しています。 その結果、いずれのシナリオを選んだとしても、原発の発電減少分を再生可能エネルギーで補っているため、発電コストが14.1円/kWh~15.1円/kWhと大幅に膨らみます(参考:8.6円/kWh(2010年))。 また、地球環境産業技術研究機構(RITE)の試算によれば、上記シナリオの場合、GDPは自然対比(原発維持した場合との比較)28~45兆円も減少する見込みです。 また、いずれのシナリオも、実質経済成長率を2010年代は1.1%、2020年代は0.8%と低成長を前提としており、その結果、節電も1割も進むとしています。 これは大問題であり、経済成長率が仮定を上回った場合、電力不足が発生することを意味します。電源の開発は10年も20年もかかりますので、経済成長が起きてから建設を始めても手遅れになります。 また、この選択肢では、エネルギーの補給路が有事の際に絶たれる可能性をほとんど想定していません。「エネルギー安全保障」という国家の最重要事項を考慮していない欠陥シナリオであることは明白です。 国家戦略室は、この「3つの選択肢」について、年7月2日から7月31日までの間、意見(パブリックコメント)を募集するとしています。(募集要項⇒http://goo.gl/4DkBh、パブリックコメント投稿フォーム⇒http://goo.gl/KkbPU) 国民からのパブリックコメントを元に、エネルギー・環境会議が8月に2030年までのエネルギー政策を定める「革新的エネルギー・環境戦略」を答申し、政府が最終決定する予定です。 この選択が、2030年までの日本のエネルギー政策を決定します。エネルギー政策の選択を誤れば日本の没落は避けられません。 私たち国民は、政府が誤った選択をしないよう、しっかりと意見を伝えていく必要があります。(文責・佐々木勝浩) 中国軍「尖閣のための六大戦略」と「オスプレイ配備撤回運動」 2012.07.07 中国による尖閣諸島侵攻計画が、着々と進んでいます。 7月2日、香港の民間の衛星テレビ局「鳳凰衛視」で、中国人民解放軍の羅援少将が、下記の「尖閣のための六大戦略」に言及しています。⇒http://youtu.be/S8jI0kq0Iok 1.中国台湾伊蘭県で「釣魚町」を設立する。 2.「釣魚島」の領海基本法律を制定し、全人代で提出して宣言する。 3.軍事演習区を設立し、ミサイル試験区域、航空兵の射的場(射台)を設立する。 4.国家海洋整備隊を設置する。 5.経済区域を建立し、釣魚島で企業の開発集団を設け、石油、漁業の開発、旅行、観光などの事業を行う。 6.南沙諸島と尖閣諸島の領有を、世界に対してアピールする。 すなわち、尖閣諸島を、「魚釣島町」という中国の行政区域にし、ミサイル基地を建設して、尖閣諸島で軍事演習を行った上で、石油掘削等の実効支配を進めていくという宣言です。 羅援少将は中国人民解放軍のシンクタンク・軍事科学院世界軍事研究部元副部長で、中国軍事科学学会の常務理事、副秘書長を務める、人民解放軍の「スポークスマン」の一人です。 彼の発言は一見極めて過激な内容ですが、決して荒唐無稽な妄言ではありません。 例えば、今年3月に同氏は、ベトナムやフィリピンと領有権を争っている南沙諸島や西沙諸島に関して、「主権が中国にあることを明確にする」ために、南中国海地域に特別行政区を設立すると同時に、東沙諸島、西沙諸島、南沙諸島に県を設置、行政官を任命すると提言しています。⇒http://urx.nu/1tuz 実際、その3カ月後の6月に、中国政府が、西沙・南沙・中沙の三諸島を海南省の市に格上げし、「三沙市」と命名しています。 その意味で、今回の羅援少将の発言は、対外的な「観測気球」であると同時に、軍事的な作戦の実効に向けた「国内世論の形成」も含めた、極めて戦略的発言とみるべきです。 しかし、この中国側の重大な発言を、日本のマスコミは一切報道していません。 それどころか、本土マスコミはパンダ出産による「日中友好」祝福ムードに溢れ、沖縄では常軌を逸した「オスプレイ配備撤回」のキャンペーンが連日一面を「占拠」しています。完全に日本のマスコミは第三国の思う通りに動いています。 また、沖縄の仲井眞知事は「(オスプレイ)配備を強行したら、全基地即時閉鎖という動きに行かざるを得ない」など、知事の権限を越え、国防の根幹に関わる問題発言をしています。(7/1 毎日「仲井真知事『配備強行なら全基地即時閉鎖』」⇒http://goo.gl/Z7Ulk) 8月5日には宜野湾市で大規模なオスプレイ配備に反対する県民大会が予定されており、沖縄は「オスプレイ配備撤回」に向けた異常な「空気」に包まれています。 そうした日本の危機感の欠如と内政の混乱に乗じて、そう遠からず、中国が突然、尖閣諸島を「中国の釣魚町とし、行政権を行使する」と発表。その後漁船団が押し寄せ、やがて「自国領土」での軍事演習や上陸作戦が展開される可能性は、決して低くないと見るべきでしょう。 オスプレイは、在沖米海兵隊が普天間基地に配備を予定している垂直離着陸輸送機。従来のCH46輸送ヘリコプターと比べて、速度が2倍、行動半径が4倍、積載量が3倍と性能が高いのが特徴です。 特に、基地を出動してから任務を終え帰還するまでの「作戦行動半径」は685キロと、従来のCH46の行動半径約150キロの4.6倍に拡大します。 沖縄から尖閣諸島までの距離は約410km、台湾北端まで約600km、韓国中部まで約1100kmですから、オスプレイの配備によって、日本と周辺諸国の有事に対する防衛・攻撃体制(抑止力)は飛躍的に強化されることになります。 また懸念される安全性も、実際には、オスプレイの事故率は10万飛行時間あたり1.93で、海兵隊の全航空機平均2.47の半分以下(米軍統計)という、安全性を担保するデータも存在しています。 日本や台湾、韓国等にとって、日米同盟に基づくオスプレイ配備による米海兵隊の迅速な輸送力増強は、中国、北朝鮮に対する抑止力強化に資すると考えるべきです。 日本政府は国家の責任として、米軍がスムーズにオスプレイを配備できる国内環境を作るべきです。また、沖縄県も、県民の安全の確保と懸念の払拭を前提に、配備を受け入れるべきです。 どうしても普天間基地への配備が危険だというのなら、普天間基地を当初の予定通り、海上滑走路型の辺野古への移設を認めるのが筋というものです。 いよいよ尖閣諸島、そして沖縄に危機が迫っています。日本に今、実際に他国からの侵略を受けるという、現実の「ファイナル・ジャジメント」が迫っているのです。(文責・矢内筆勝) 中東情勢の激化に日本はいかに対処するべきか~愛は憎しみを超えて~ 2012.07.06 7月1日、核開発を続けるイランへの制裁を強化するため、EUはイラン産原油の全面的な禁輸措置に踏み切り、先に新たな金融制裁を発動させたアメリカと共にイランの核開発阻止に向けて圧力を強めました。(7/1 NHK「EU イラン産原油の禁輸措置発動へ」⇒http://goo.gl/Rqiai) これに対して、イランは欧米諸国に対する反発を強化。7月4日、イランは攻撃を受けた場合、直ちに中東にある米軍基地、及びイスラエルに対して攻撃し、ホルムズ海峡も封鎖すると警告しています。(7/4 ロイター「イラン、攻撃受けたら直ちに中東の米軍基地を破壊」⇒http://goo.gl/QQdDx) イランは、既に「シャハブ3」と呼ばれる北朝鮮の「ノドン」がベースとなっている準中距離弾道ミサイルを配備しています。 同ミサイルの射程は2,000kmに達し、弾頭は500~650kgまでの高性能爆薬や核弾頭を搭載可能と見られています。(Global Seculity⇒http://goo.gl/3P5ZD) 同ミサイルはイスラエルを含む湾岸諸国と湾岸諸国に展開するアメリカ軍を射程に収めており、周辺諸国に多大なるインパクトを与えています。 アメリカ軍は1983年以降、中東地域を管轄する地域別統合軍としてアメリカ中央軍(USCENTCOM)を設置し、同地域に米軍を積極的に展開しています。 現在、米軍は原子力空母2隻(エンタープライズ、エイブラハム・リンカーン)、強襲揚陸艦1隻(イオー・ジマ)を基幹として、米沿岸警備隊、イギリス、フランス等が参加する大規模な部隊をペルシャ湾、オマーン湾に展開しています。その理由は以下の2点が挙げられます。 第一は、イランとイスラエル双方が早まった行動に出ないように牽制すること。第二は、現在、内戦状態にあるシリアに対する圧力です。 アメリカやヨーロッパの対外政策(foreign policy)の目標は、イランとイスラエルの双方の暴発を抑えつつ、イランの核開発を押し止めることにあります。 しかし、これはイラン、イスラエルのどちらか一方が攻撃を決断すれば、すぐに崩れてしまう「破局一歩手前」の「ガラスの均衡」です。 日本政府としては、何としても粘り強く両者の対話を促し、事態を破局に導かないように導くべきです。 日本にとって、原油の輸送の80%以上が通過するホルムズ海峡において、武力紛争の勃発や封鎖は、国家のエネルギー政策の破綻を意味します。 したがって、中東情勢が激化を抑え、ホルムズ海峡やシーレーンを守ることが、日本の「国益」であると言って過言ではありません。 しかし、日本の政治は増税以外、何一つ決められない「無政府状態」に陥っています。野田政権には「日本の国益を守る」という意志が皆無です。 日本政府はアメリカ、イスラエル、EUとイランの間で仲介の労をとり、イランの核開発や紛争勃発を未然に防ぐべきです。 また、イスラエルが早まってイランの核施設を攻撃すれば、両国との間で戦争状態になることは目に見えています。 そうならないよう、両方に顔が利く日本が先頭に立ち、話し合いの場を中東から遠く離れた日本に設けて調停を進めるべきです。 また、日本は宗教的アプローチから、イスラム教とユダヤ・キリスト教との橋渡しをなすことが可能な立場にあります。 「神の正義」を争う両者に対して、寛容なる精神の下、両者を包含していく宗教的理念が必要です。それは「愛」であり、「慈悲」であります。 『イラン大統領VS.イスラエル首相~中東の核戦争は回避できるのか~』(大川隆法著、幸福実現党発行⇒http://goo.gl/a1RpC)で、大川隆法党名誉総裁は「私は愛は憎しみを超えると信じている。慈悲は世界を救うだろう。」と述べています。 日本は一刻も早く、「国益」に基づいた戦略を描き、外交的アプローチ、宗教的アプローチの双方から両者の仲介を進めていくべきです。(文責・黒川白雲) ロンドン五輪開幕迫る!――東京五輪を招致し、日本復活の原動力に! 2012.07.05 政局の混乱の裏で、開幕を7月27日に控えたロンドン五輪の報道が存在感を増してきています。 多くの人々が、我らが日本人選手の獲得するメダル数と色に期待を寄せています。彼らの活躍に、今年の日本の夏が盛り上がるかどうかがかかっています。 更に言うならば、2020年度以降の日本の未来にも影響してくると思われます。というのも、彼らの活躍が2020年夏季オリンピックを招致できるか否かに関わってくるからです。 5月23日に行われた国際オリンピック委員会(IOC)理事会で、2020年夏季五輪招致を目指す東京が第一次選考を順当に通過しました。 「宿泊」「輸送」「安全と警備」等の項目において東京都の開催計画は高く評価されており、まずは良いスタートを切ったと言えるでしょう。 しかし、ライバルのマドリード(スペイン)、イスタンブール(トルコ)と比べ、大きな課題を日本は抱えています。 それは、「国内支持」です。IOCが独自に行った各都市のに関する世論調査で、東京は47%と共に70%を超えたライバル2都市(マドリード78%、イスタンブール73%)に大きく水をあけられています。(5/25 The Japan Daily Press⇒http://goo.gl/Vh6MA) 2020年夏季五輪の開催都市が正式に決定するのは、2013年9月です。招致に向けた国内の機運を盛り上げるためにも、ロンドンでの日本選手団の活躍は欠かせません。 では、なぜ五輪を東京に招致する必要があるのでしょうか。これには、以下の3点が挙げられると思います。 一つ目は「インフラの再整備」 二つ目は「国際競争力の強化」 三つ目は「日本の復活をアピール」 まず、一つ目の「インフラの再整備」ですが、三環状道路(首都高速中央環状線、東京外郭環状道路(外環道)、圏央道)の整備率は47%と、まだまだ東京の交通ネットワークは未熟で、渋滞の大きな原因になっています。 これに対し、東京都は道路整備を加速させ、2020年度には整備率92%(外環完成)の達成を目指しています。(東京都「『2020年の東京』計画 全体概要」⇒http://goo.gl/Ua2k4) 実際、国土交通省は昨年12月、外環道の未着工区間の練馬―世田谷間(約16km)について、2012年度に着工し、東京都が招致を目指す2020年夏季五輪までに完成させる方針を発表。同区間の計画決定は1966年で、45年を経てようやく着工されることになりました。(2011/12/12 読売) 「五輪招致」という目標を掲げることにより、これまでほぼ凍結状態にあったプロジェクトもようやく動き出したのです。 二つ目の「国際競争力の強化」は、グローバル時代に日本が更に発展していくために必要不可欠な項目です。 東京が世界の都市間競争に敗れれば、日本全体が廃れてしまう恐れがあります。東京を世界中から人々が集まる吸引力を持つ都市にしていく必要があります。 現在、世界都市ランキングで、東京は4位ですが、シンガポール、ソウル、香港、上海などのアジア各都市が迫って来ており、悠長なことを言っていられません。(2011/11/19 「世界都市ランキング 『東京』は4位 将来は転落?」⇒http://goo.gl/PkVCs) 東京都は外国企業誘致のための総合特区制度を設け、東京都心・臨海地域などを重点的に開発し、アジアのヘッドクォーターとなる方針を掲げています。(東京都「アジアのヘッドクォータープロジェクト」⇒http://goo.gl/JPYV1) 東京都は「オリンピックを梃子として東京の自己変革を更に進め、日本を変える大きな動きにつなげていく」としています(「『2020年の東京』の概要」⇒http://goo.gl/jENQr)が、東京五輪招致がその原動力となることは間違いありません。 三つ目は、「日本の復活をアピール」することです。アピールする相手は、もちろん世界です。 「五輪」という祭典は200以上の国と地域から選手1万人以上が参加する大会です。東京で開催する場合、観客は五輪開催期間の17日間で約850万人(平成22年に東京都を訪れた外国人旅行者は約594万人)が訪れると見込まれています。 また、経済波及効果は都内だけで約1兆6700億円、全国では約2兆9600億に上ると試算されています。日本経済復活の起爆剤としても期待できます。(6/7 産経「2020年東京五輪開催の経済効果3兆円」⇒http://goo.gl/Y5aSG) 1964年に開かれた東京五輪によって、日本は「敗戦からの復興」の姿を世界に示しました。2020年の五輪は「東日本大震災からの復活」を成し遂げた、新しい日本を世界に訴えるチャンスです! 最後になりますが、日本は今、長期経済低迷期に陥っています。それを専門的に分析するならば、人口問題、デフレなど様々に理由を挙げられます。 しかし、最も必要なものは、国民全体で共有できる、明確な「明日への希望」であります。「五輪招致」は、その象徴の一つと言えるのではないでしょうか。 来るロンドン五輪での日本人選手団の活躍を応援しつつ、「東京五輪招致」の大義を発信していきたいと思います。 ロシア首相が北方領土再訪問。どうなる日露関係 2012.07.04 ロシアのメドベージェフ首相が大統領時代の2010年以来二回目の国後島訪問をしました。同首相は、「一寸たりとも領土は渡さない」をはじめとして、日本を挑発するかのような発言を連発しており、かなり強気の姿勢を示しています。 択捉島への訪問は天候不順で中止になったとは言え、北方領土問題を抱える日露関係悪化の懸念が再燃してきました。 今回は、北方領土問題を題材に日露外交を考えていきます。 【論点1】歴史的経緯から見た日露間の領土問題 北方領土問題を理解するために、簡単に歴史をおさらいしておきましょう。詳細は外務省のHPでも確認できます。→http://bit.ly/MTxuaZ 実は、日本はロシアよりも先に北方領土を発見しており、19世紀には実効的支配をしています。その後、ロシア側も択捉の隣にあるウルップ島を南限として認識していました。 両国は1855年に日露通商条約を結び、両国が認識する国境をそのまま確認しています。 1875年の樺太千島交換条約では、千島列島(占守島からウルップ島までの18島)をロシアから譲り受ける代わりに、ロシアに対して樺太半島を放棄。日露戦争後のポーツマス条約では、ロシアから樺太の北緯50度以南の部分を譲り受けています。 問題は、戦後以後の歴史です。 実は、第二次世界大戦におけるソ連は問題児でした。例えば、わが国とは1945年8月に日ソ不可侵条約を破棄して宣戦布告し、満州を侵略しています。終戦後もソ連との戦争は続きました。 8月17日から18日にかけては、千島列島最東端の占守島(シュムシュと読む)をソ連軍が突如侵略。武装解除をしていたわが国陸軍は、突如の侵略に苦戦しましたが、当時精鋭部隊と呼ばれた陸軍の戦車第十一連隊の活躍などにより、内容は勝っていたようです。 ソ連政府機関紙のイズベスチア誌は、「8月19日は、ソ連人民悲しみの日であり、喪の日である」と言及していることから、日本軍の善戦の様子が分かります。 結局、日本は停戦=降伏となりましたが、日本軍の強さがソ連の千島列島から北海道、場合によっては東北の占領を防いだわけです(一説には、日露戦争敗戦によるスターリンの怨念が引き起こした侵略行為だと言われている)。 残念ながら、地元の北海道をはじめとして、占守島決戦を教える教師は少ないようですが、日本人なら心に留めておくべきでしょう。 【論点2】ロシアとの交渉は甘くない 前述の占守島決戦後、ソ連は一方的に千島列島を自国領に編入しました。1951年のサンフランシスコ平和条約では、日本は千島列島に対する全ての権限及び請求権を放棄していますが、問題となっている北方四島は含まれていません。 加えて、特筆すべき論点は、サンフランシスコ平和条約に、ソ連が署名を拒否していることです。 そのため、わが国は、1956年に「日ソ共同宣言」を調印し、両国間の外交は再開しました。同共同宣言では、歯舞諸島と色丹はわが国に返還することになっていたのです(いわゆる2島返還要求)。 プーチン大統領自身も「2島引き渡しが軸」と考えています。(5/7 産経「「2島引き渡し」が軸 北方領土問題、大胆な譲歩は困難」⇒http://bit.ly/LwWsgd) 上記の記事にもある通り、プーチン大統領は「領土問題を最終決着させたい」という意思は持っており、日ソ共同宣言が現在も有効と考えています。 ロシア政府内では、メドベージェフ首相による強固路線が先鋭化しているように見えますが、北方領土返還交渉は今後も2島返還が基盤となることは変わりありません。その意味で、新大統領の間にどれだけの交渉ができるかがカギです。 ただ、プーチン氏の大統領再任の際に明らかになったように、国内の支持基盤は強くはありません。加えて、メドベージェフ首相をはじめとした強固路線派もいるため、ロシア政府が大胆に返還交渉に出ることは難しいと言えるでしょう。 そして、歴史を見る限り、ロシアとの交渉は甘くはないことは肝に銘じるべきです。 【論点3】日露通商の強化がカギか 幸福実現党としては、領土問題に関して前提としているのが、日露通商交渉を強化です。原発問題により、資源外交を余儀なくされている日本は、ロシアの天然ガスやその他の天然資源は必要になります。 同時に、ロシア側としては、日本の優れた技術と資金力が欲しいという面もあるでしょう。親日派と呼ばれるプーチン大統領時ならば、ロシアとの通商交渉を強化していくのは一つの対策です。 その上で、日ソ共同宣言の精神に従ってまずは2島返還を実現する。残りの2島を返還できるかどうかは、今後の日ロ関係の成熟次第だとも言えるでしょう。 日本は、ロシアとの関係を強化する上では「大人の態度」が必要です。「親日派」と呼ばれるプーチン大統領を過大評価することなく、資源外交や経済協力を推し進めなければなりません。 日本政府は、単にメドベージェフ首相の訪問を抗議するだけではなく、中長期的な視点で領土問題解決をしていくのがベターだと言えます。(文責・中野雄太) 宇宙への覇権拡大――本格的な中国宇宙軍の時代に備えよ! 2012.07.03 民主党が事実上分裂し、自民党と連携するのか、それとも「維新の会」と連帯するのかといった、政局を占う動きが強くなっています。 しかし、次の選挙で「国防」について議論を沸騰させることなくして、この日本に未来はありません。日本防衛のラストチャンスが、ここ数年の戦いであるからです。 ここで2020年に向けた中国の軍事的戦略を確認してみると、例えば、中国は今、「宇宙ステーション」建設の計画を進めています。 先月「神舟9号」と「天宮1号」が宇宙空間でドッキングを果たし、宇宙空間で各種実験が行われましたが、当然ながらこれは「軍事拠点」であり、「中国宇宙軍」の時代の到来を告げるものです。 中国軍事研究家の平松茂雄氏は、この中国宇宙軍構想について、既に1987年の「解放軍報」に明らかにされていたと指摘。そして、将来の戦争は「地表面の争奪を主要な目的とした平面戦争」から「空間の争奪を目的とした立体戦争」へと発展すると述べています。 そして、その「空間の争奪」の一つの焦点が宇宙空間であり、「宇宙空間で優勢になった者が空間争奪戦を優位に展開する」ことになり、「空間争奪」の観点から、今後の陸軍、海軍、空軍は一体化されて運用されるようになる。 武装部隊は、大気圏外における単独の「宇宙軍」と、大気圏内で高度に統合化された「陸海空軍」の二つに区分されるようになると指摘しています。(2011/10/6 産経 平松茂雄氏「すぐに中国宇宙軍の時代が来る」⇒http://goo.gl/ohGWk) 実際、中国は既に1980年代から、外国の民用衛星の打ち上げ代行を100回以上行っています。鄧小平の改革・解放により、ロケット部門が解放されたためです。 「民用衛星」といっても、その打ち上げを行っている中国宇宙開発総公司と、軍の管轄下にある中国宇宙局とは所在地も職員も同じです。 何のことはない、軍用施設を転用し、衛星打ち上げ代行で外貨を獲得。諸外国からは関連技術を導入しながら、軍事領域に還元しているのです。 当然ながら、こうした「宇宙軍構想」は、中国の悲願である「台湾統一」において、米国に対抗する力となります。 台湾統一時に予想されるシナリオは、大陸間弾道ミサイルで米国の主要都市を攻撃すると威嚇して、横須賀の第七艦隊の空母機動部隊が出動することを断念させること。 そして、宇宙ステーションから、米国の軍事衛星をレーザー兵器で破壊し、米国のミサイル防衛システムを無力化することです。台湾統一に向けて、米国が介入できないような状況を作っているのです。 日本に向けては、中距離弾道ミサイルで日本の各都市に核を落とすと威嚇して、米軍の後方支援を停止させる。また、福建省と江西省に大量に配備された短距離ミサイルが、台湾を攻撃することになります。 なお、ミサイル技術と連動して、中国版GPS(全地球航法測位衛星システム)の独自開発も進んでいます。中国は2000年10月、12月、2003年5月と、「北斗航法測位衛星」を打ち上げました。 米国ではGPS、ロシアではGLONASSと呼ばれ、日本ではカーナビでおなじみの機能は、もともと軍事利用目的に開発され、1991年の湾岸戦争のイラク空爆でミサイルを攻撃目標に正確に当てて世界を驚かせました。 中国はこれまで11基の衛星を打ち上げ、測定精度は25m、測定範囲はアジア太平洋の大半に及んでいます。これが米国並みの30基の衛星が打ち上げられ、システムが完了するのも、2020年です。 測位範囲は全世界に拡大され、制度は10m前後に向上すると言われています。この中国版GPSも、台湾軍事侵攻の時、特に海上に展開する海軍艦艇や潜水艦の位置および攻撃目標の指示など広範囲な役割を果たすことでしょう。 ちなみに、中国は衛星攻撃兵器の実験にも成功しています。2007年1月11日、四川省西昌の衛星発射センターから発射されたミサイルが高度860キロの軌道上にあった老朽化した中国の衛星「風雲1C」を破壊したことが、米国『Aviation Week and Space Technology』によって明らかにされました。 宇宙空間にゴミ(スペースデブリ)をまき散らしたと非難されましたが、既に米軍の情報システムに打撃を与えうる力も持っているのです。 こうした動きはアヘン戦争で失われた「失地回復」にとどまるものではなく、海洋や宇宙にまで拡大し、「地表面の争奪を主要な目的とした平面戦争」から「空間の争奪を目的とした立体戦争」へと発展してきているのです。 中国は、国家目標を総力を上げて実現してきた「有言実行」の国です。日本は中国が自信の根拠としている「核」に対抗するための「核武装」について議論せざるを得なくなるでしょう。 また「核を無力化する」新技術を必死に求めなくてはならないでしょう。いかに対処すべきか、早急に防衛戦略を練らなくてはならないにもかかわらず、保守政党でさえ、国を守る姿勢があるとは思えません。 2020年を視座に、日本を守り抜くべく、幸福実現党は戦ってまいります。(文責・幸福実現党青年局長 釈量子) 参考文献 ・平松茂雄著『中国、核ミサイルの標的』(角川グループパブリッシング 、2006)他 香港返還15年。香港の自由を守れ! 2012.07.02 7月1日、英植民地だった香港が1997年に中国に返還されてから15年を迎えました。 胡錦濤国家主席は「共産主義国家が自由主義社会を特別行政区として包含し、併存する前例のない『一国二制度』の成果」を内外にアピールしました。 しかし、多くの香港市民は中国への懸念や不信感を示しており、胡主席の演説中、会場の男性が「天安門事件の評価を見直せ!」「一党独裁を終わらせろ!」と叫び、警備員に取り押さえられる一幕もありました。(7/1 日経) 1997年7月にイギリスが中国に香港を返還してから50年間は、香港の民主政治や自治、言論の自由が保障され、中国は外交と防衛のみを担うはずでした。 しかし、実際は、中国は香港の報道機関への圧力等、香港の自由をじわじわと奪う工作を続けています。 今年3月25日の行政長官選挙は、親中派二人の事実上の一騎打ちでしたが、中国は投票権をもつ選挙委員会(定数1200)に対し、胡主席に近いとされる梁氏への投票を暗に要請。結局、梁氏が大勝を果たしました。 これに対し、香港の民主派は「共産党員による香港統治だ」とし、露骨な政治介入を行った中国政府に怒りをぶつけています。 香港の民主派グループは、梁氏の長官就任や中国の人権弾圧などに反発し、7月1日、主催者側発表で40万人が集まり、大規模デモを実施。梁氏辞任を要求しました。(7/1 産経「香港返還15年 市民は『40万人』の嫌中デモで抗議」⇒http://goo.gl/cnX0S) しかし、英植民地時代からの自由を守りたい民主派の必死の抵抗とは裏腹に、香港経済は既に中国の支配下に入っているとも言われています。 返還後、香港は中国による優遇措置を度々享受してきました。人口710万人の香港に観光客などで中国本土から訪れた人は昨年2810万人。97年の236万人のなんと12倍です。 香港ドルが地元通貨なら中国の人民元もいたるところで利用可能となり、中国人が欧米の高級ブランドショップの店頭に列をなします。まさに経済から徐々に支配していく中国の戦略がよく分かります。 2011年5月22日、幸福実現党創立者、大川隆法名誉総裁は、香港を代表する施設、九龍湾・国際展貿センターにおいて『The Fact and The Truth』と題する講演会を行い、次のように述べておられます。 「もしあなたが『自由』と『平等』のどちらかを選ばなければならないとしたら、まず『自由』を選ばなくてはなりません。人間は自由な考えを許されているからこそ、幸福なのです。 私は香港の人々を頼りにしています。もし香港人が多くの中国人を未来へと導くことができれば、この国の人々をより幸福にしていくことができるでしょう。」 香港が持つ、代え難い貴重な価値こそ「自由」です。香港には、民主主義と自由主義の根がしっかりと根付いていたのですから、しっかりと自由を守り抜いて頂きたいと思います。 女性政治思想家のハンナ・アレントは「全体主義と闘うためには、ただ一つのことを理解する必要がある。全体主義は自由の最も根源的な否定であるということである」と述べています。(『アーレント政治思想集成2』「全体主義の本性について」、みすず書房、2002) まさしく、「自由」を守り抜くことこそ、中国という全体主義国家から香港を守り抜く唯一の道なのです。 「同じ民族でも、政治の制度が違えば国は違ったものになる」ことは中国と台湾を見れば分かります。 中国は、政治においては一党独裁体制を保ちつつ、経済においては、一部に資本主義経済を取り入れ経済を拡張してきました。 今、香港が経済のレベルを超えて、政治の基本的な考え方や哲学のレベルまで国が変わっていくかどうかを世界中が注目しています。 香港の自由が中国に影響を及ぼし、中国を導くリーダーの役割を担って頂きたいと思います。中国に「自由の模範」を示すことこそ、香港人の使命なのです。(文責・竜の口法子) すべてを表示する « Previous 1 2 3