Home/ 記事配信 記事配信 政治家はエネルギー問題から逃げるな! 2012.05.07 5月5日深夜、全国の原発50基が全て停止し、日本から42年ぶりに「原子の火」が消えました。 原子力の電力使用量に占める割合は42年前は僅か2%でしたが、直近では原子力は29.2% を占めていました(『エネルギー白書2010』)。日本の基幹電力を担うまでに育て上げた原子力技術をここで捨ててしまってはなりません。 日本にとって、火力発電偏重は大きなリスクを伴います。火力の燃料となる石炭、石油は多くを中東に依存しています。イラン政府は経済制裁に対抗して、ホルムズ海峡を封鎖する恐れがあります。 そもそも原発を重視するきっかけは、73年の第一次石油危機だったはずです。中国の南シナ海侵攻とシーレーンの危機も含め、シーレーンの不安定な状況を考えると、火力偏重のリスクは極めて高いと言えます。 現在、原発の肩代わりをする全国の火力発電所の多くは運転開始から40年以上経過し、老朽化が進み、故障による急停止におびえながらフル稼働が続いています。 もし、火力発電所が急停止したら、大規模停電の引き金となりかねません。現に、2月3日、九州電力の新大分火力発電所の設備のトラブルで、一瞬にして230万kWの供給力が脱落し、計画停電の危機に面しました。⇒http://goo.gl/60212 また、太陽光、風力、地熱、水力、風力等の再生可能エネルギーで原発による電力発電を代替することは不可能ですし、高いコストを伴います。7月から始まる「再生可能エネルギー固定価格買取制度」は高い国民負担を伴います。 また、「脱原発」は企業の海外移転を加速させます。韓国の電気料金は日本の4割で、法人税も日本の40%に対して24%、国際競争力では徹底的に不利です。これでは「産業の空洞化」を促しているようなものです。 世界を見渡せば、福島の事故後も、ドイツ、イタリア、スイスを除き、脱原発の動きは広まっていません。それは原子力エネルギーに対する信頼に変わりがないからです。「原発の技術的リスクは克服できる」というのが主要国の判断です。 米国では、スリーマイルアイランド原発事故後、原発の新規着工はありませんでしたが、昨年末、約30年ぶりに原発新規着工が発表され、東芝の子会社が設計することとなりました。(2011/12/29「米、30年ぶり原発新規着工へ東芝子会社が設計」⇒http://goo.gl/x7CSs) 中国は今後、大々的に原発を建設すると公言しています。民主党の細野原発相は5月5日、中国の原発を視察しましたが、中国が原発を海外の政治家に公開するのは異例で、中国は日本の技術協力を求める意図があると見られています。 海外諸国が日本の原子力技術を活用して、原発建設を進める中、日本だけが左翼やマスコミのいいなりに「原発ゼロ」にして済む問題ではありません。 方向性は全く逆です。技術を結集し、日本に世界最高の原子炉をつくるべきです。 そして、日本は原子力発電の技術を徹底的に磨き上げ、世界に貢献すべきです。「人口百億人時代」に向け、「エネルギー危機」が危惧される中、日本の原発技術に世界の期待が集まっています。 今こそ、政治家は責任をもって、原発再稼働について責任を持って決断を下すべきです。 大阪市の橋下徹市長は4月24日、藤村修官房長官と会談し、「政治家が安全性の判断を主導するのは絶対におかしい」と述べ、早期の再稼働に反対する考えを表明しました。⇒http://goo.gl/uuR0d では、橋下市長は一体、誰が最終的に再稼働の判断すべきだと考えているのでしょうか? 幸福実現党が4月25日に大阪市における「原発の再稼動を求める市民集会・デモ」に協賛参加した翌日、橋下市長は「府県民の皆さんに負担をお願いします。(中略)それが無理だったら、原発の再稼働をやるしかないと思いますよ」と述べています。⇒http://goo.gl/bpTQ6 これは幸福実現党の主張を受けて、橋本市長が原発再稼働の余地を打ち出したものと見られますが、同時に、原発の再稼働を決めるのは「府県民の皆さん」であり、政治家や首長ではないという、巧みな「責任転嫁」が見られます。 専門家や官僚、市民の声を聞いた上で、最終的に原発の再稼働を判断し、責任を負うのは「政治家の責務」です。 橋下市長をはじめ、原発再稼働の判断責任は政治家にはないと述べ、判断から逃げたり、市民に再稼働の判断責任を押し付けようとする政治家ばかりです。「一体、日本に責任ある政治家はいないのか」と疑いたくなります。 最後に、民主党政権に言いたいことは、「原発問題をイデオロギー論争にすりかえてはならない」ということです。 民主党には、菅前首相をはじめ、「左翼活動家」が数多く存在しています。2011年8月6日、広島原爆の日、菅前首相は挨拶で「原発に依存しない社会」を目指すとして「脱原発」を繰り返しました。 しかし、「原爆」問題と「原発」は違います。原発は「イデオロギー」ではなく、「エネルギー」の問題です。 原発の是非を含むエネルギー政策は、国家の根幹を揺るがす大問題であることを認識し、政治家はこの問題から決して目を背けてはなりません。(文責・竜の口法子) 子どもの数 31年連続で減少――「生涯現役社会」への移行が急務 2012.05.06 5月4日、総務省は「子供の日」に合わせて「15歳未満の子どもの推計人口(4月1日現在)」を発表しました。それによれば、日本の子供の人口は前年より12万人少ない1665万人で、31年連続で減少しています。⇒http://goo.gl/YyJTO 国立社会保障・人口問題研究所は、5年毎に「日本の将来推計人口」を発表していますが、今年1月に公表された平成24年1月推計によると、日本は長期にわたって人口減少、高齢化が進むと予測しています。(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」⇒http://goo.gl/GYwy9) また、統計では日本の総人口が、2010年の1億2805万人が50年後の2060年には4132万人減の8673万人に減少します。 65歳以上の人口の比率は23%から40%へと上昇、「生産年齢人口」である15~64歳は、一人で子供・高齢者一人を扶養しなければならない厳しい社会が到来することを予測しています。 戦後日本は、ピラミット型の人口構造と、右肩上がりの経済成長を前提にして年金や社会保障制度の仕組みを構築しました。 しかし、少子高齢化が急速に進み、経済も停滞している現在の状況が続けば、これまでの社会保障制度では高齢者を支えきれないことは誰でもが理解できます。 こうした背景があり、野田首相は「消費税増税」による「税と社会保障の一体改革」を断行しようとしているわけです。 しかし、ここに大きな「ペテン」があります。野田首相は今年1月24日の内閣総理大臣施政方針演説で「持続可能な社会保障制度を再構築する」と断言しています。 しかし、たとえ消費税増税を行っても、少子高齢化が進む限り、現行の社会保障制度は「持続不可能」であり、「持続可能な社会保障制度」を謳う「税と社会保障の一体改革」は、財務省の作文による悪意に満ちた「詐欺」政策です。 実際、岡田副総理は2月5日のTV番組で「今のまま高齢化が進めば、5%の消費税率引き上げでは足りなくなる」「消費税率の5%引き上げを目指す2015年前後には高齢化の進展を踏まえてさらなる引き上げの議論を行う必要がある」と本音を述べています。 すなわち、「税と社会保障の一体改革」を実行しても、3年後に消費税を10%に引き上げた途端、更なる増税議論が必要になるぐらい、数年後には「持続不可能」な制度だということです。 日本における急速な少子高齢化は2070年代前半まで続くことが予想されており、その間、高齢化の速度は衰えることはありません。 すなわち、少子高齢化が進む限り、今後60年以上にわたって「大増税に次ぐ大増税」を繰り返していかなければ「持続不可能」な制度であり、「持続可能な社会保障制度」という夢のような謳い文句で国民を騙し、大増税を進めることは大きな罪であり、国家的詐欺です。 東京財団上席研究員の原田泰氏は、社会保障給付費の増加分を全て消費税で賄うならば、2055年には58.8%もの税率アップが必要と予測しています。60%超の消費税率は、どう考えても非現実的です。 現行の社会保障制度を維持しようとするならば、際限なき増税と共に、給付水準も限りなく低下し、人々はやがて制度自体に意味を感じなくなるはずです。既に若者の年金未納現象にその端緒が表れています。 現行の年金制度は人口増加と高度経済成長を前提とした仕組みであり、現在の延長線上では、対症療法を重ねていっても、やがて破綻は避けられません。 何が何でも、現行の社会保障制度を維持しようとする野田首相の考えは、未来世代に「破綻」という大きなツケを回すだけです。 現行の社会保障制度の「持続」はそれほどに困難であることを知り、私たち国民は「老後を国家に頼る」という発想を大きく転換し、自助努力型の「生涯現役社会」を築いていく必要があります。 そのためには、「15~64歳」と定義されている「生産年齢人口」を出来るだけ伸ばす必要があります。 東京では、65歳以上のうち8割を超える方が介護保険の介護認定を受けていない元気な高齢者です。(「団塊世代・元気高齢者地域活性化推進協議会」報告⇒http://goo.gl/MXThK) 元気な高齢者層がまだまだ働ける社会を実現し、国から年金をもらう側ではなく、社会を支える側になって頂くことで、生産年齢層に対する負担も減らしていくことが可能です。 福岡県では「70歳現役社会」の実現を目指し、4月に開設した「高齢者向けの就職支援窓口」へ「社会とつながりを持ち続けたい」という高齢者の相談が殺到しています。(5/5 読売「70歳現役社会目指す就職支援窓口、高齢者殺到」⇒http://goo.gl/j5xBU) 福岡県は今年4月に策定した総合計画で、70歳まで働ける企業の割合を、現状の16%から、16年度までに30%に上げる目標を設定し、企業に協力を求めると共に、高齢者が行うまちおこしにも補助金を出すなど、社会参加も促しています。(福岡県総合計画「70 歳現役社会づくりの推進」⇒http://goo.gl/VI7Ly) 政府は増税ではなく、高齢者の方々が「生きがい」をもって働く環境を整え、活気ある「生涯現役社会」を築いていくことをこそ目指すべきです。(文責・佐々木勝浩) 世界経済と国際秩序の舵を握る大国・日本として、あるべき憲法の制定を! 2012.05.05 5月3日、憲法記念日にちなんで、改憲派・護憲派、それぞれに記念行事が開催され、各新聞も特集を組むなど、憲法論議をタブー視する傾向が大きく変わって来ています。 産経の世論調査では「憲法改正は必要」との回答が57.6%に達し、憲法改正の是非を問う国民投票には81.5%が「投票したい」と答え、憲法改正に前向きな国民の認識が明らかになっています。⇒http://goo.gl/VW9Rz 思い起せば、今から三年前の2009年には、北朝鮮のミサイルが日本上空を侵犯したにも拘わらず、政治家もマスコミも「飛翔体」としてしか発言できない弱腰ぶりでした。 そして、同年に行われた衆議院選挙において、得票につながらないと言われる「国防強化」や「憲法改正」について正々堂々と主張し、政権公約に掲げていた政党は幸福実現党以外にはありませんでした。 幸福実現党は、今月、立党三周年を迎えますが、立党以来、主張して来た政策や提言が、日本の国論を大きく舵を取って来たことが明白となっています。 マスコミにより封殺されていますが、一度、各政党の主張を公正に検証して、公平に評価するべきです。 2009年8月の政権交代以降、民主党は、政権与党でありながら、憲法問題について「不作為」を続けています。憲法を正面から論議できないような政党に国政を担う資格はありません。 また、国会においても、衆参両院で、昨年11月より、憲法改正を審議する憲法調査会がスタートしましたが、依然、環境整備に終始しており、中身の無い緊張感を欠いた議論が続いています(5/3 読売「憲法施行から65年…審査会、ようやく始動」⇒http://goo.gl/TfwMe)。 そうした中、幸福実現党は「5.3憲法を変えて日本とアジアの自由を守る!国民集会&デモ」に協賛団体として参加しました。⇒http://goo.gl/GDILa 国民集会には、学識者や市民団体以外に、チベット、東トルキスタン、南モンゴルの代表が参加し、中国人民解放軍により、祖国を蹂躙され、今なお、虐殺や民族浄化が行われている植民地支配の過酷な実態が報告されました。 そして、日本の政治力・軍事力により、アジアの民主化と平和の実現を希求する悲痛な訴えが続きました。 また、天安門事件で米国に亡命した中国人の民主活動家からも、中国共産党の非道な人権侵害を打ち破る力を有する唯一のアジアの大国・日本への期待が語られました。 この国民集会において、幸福実現党は、激化する国際情勢の中で、日本の国益・主権を守り抜くと共に、アジアと世界の平和を実現するための「日本のあるべき憲法」を提言し、気概ある憲法改正を改めて訴えました。(ついき秀学党首声明⇒http://goo.gl/R2KOg) 三年前の立党時点に『新・日本国憲法試案』(前文・全16条)を世に問い、訴えて来た憲法改正の主眼は「世界経済と国際秩序の舵を握る大国として政治的指導力を発揮できる政治体制への一大改革」に集約されると言えます。(参考:5/3幸福実現TV「新憲法への道」⇒http://goo.gl/VZngI) 『新・日本国憲法試案』では、中国の軍事的脅威の増大や北朝鮮の軍事的挑発などに対処するため、「防衛軍」の創設を明記しています。(5条「国民の生命・安全・財産を護るため、陸軍・海軍・空軍よりなる防衛軍を組織する」) 有事における迅速な意思決定と強力なリーダーシップが無ければ、国家の主権を守り抜くことは出来ません。(4条「大統領は国家の元首であり、国家防衛の最高責任者でもある」) また、地域政党が注目されていますが、「国家主権」無くして、地域主権など成り立たないことを確認しています。(13条「地方自治は尊重するが、国家への責務を忘れてはならない」) 国防安全保障やエネルギー安全保障など、国家の専権事項を、専門知識や適切な情報も無く、地方の視点だけで左右することの危うさを踏まえなければなりません。 現・日本国憲法は、占領下において制定され、日本の国力を骨抜きにするために、宗教を排除し、精神性の根本を失った「刀狩り憲法」「日本弱体化憲法」に過ぎません。 本年、日本が主権を回復してより60周年の節目となりますが、人間を正しく高貴なる存在へと導くための宗教が馬鹿にされ、偏見を持たれている国状をこそ、戦後が終わっていない証であります。 日本では毎年、不登校児童10万人、離婚25万組、自殺者3万人など、国家の基盤となる、個人の自己確立や、家庭の調和を形成することが出来ず、社会的混乱や悲劇が広がっています。 これは小手先の政策で解決できるものではありません。世界観・人生観の根本から立て直す「宗教立国」無くして、日本再建の道はありません。 国際政治を動かしている「民族」や「宗教」に対して、明確な考え方や寛容さを有し、文明の激突や紛争を乗り越える指針を持つこと無くして、日本はアジアのリーダーとして、世界の恒久平和を実現することは出来ません。 軍事政権や唯物論・左翼政権などの圧制から人類を解放するためにも、日本が普遍的真理を基とした「正義を樹立する国家」となり、世界経済と国際平和を実現すべく、あるべき憲法の制定について、国民的議論をなしていくべきです。(文責・小川俊介) 欧州で「緊縮財政」批判強まる――野田政権の《超》緊縮財政の危険性 2012.05.04 欧州では、経済危機脱却に向けて進められている財政再建優先の「緊縮財政(増税や歳出削減等)」に対する批判が強まっています。 5月3日付の日経は「欧州、成長にも目配り 緊縮策と両立狙う 来月末に戦略 独仏中心に調整」という記事を掲載しています。この記事のポイントは以下の4点です。⇒http://goo.gl/mifrf ・欧州では、債務危機で各国が「緊縮財政」を進めているが、それが重荷になり、2011年10~12月のユーロ圏の実質GDPは10四半期ぶりにマイナス成長に陥ったほか、失業率も10%を超え、過去最悪の水準に至った。 ・緊縮財政で経済成長率が低迷し、財政が悪化し続ける悪循環に陥る恐れもある。各国では緊縮財政に抗議するデモが頻発。オランダでは財政赤字削減策を巡る連立与党内の協議が決裂し、内閣が総辞職する事態に至った。 ・域内の国民は「緊縮財政疲れ」を起こしている。IMFは「赤字削減目標によって、成長が損なわれるべきではない」として、経済成長をてこ入れするよう勧告した。 ・欧州で、成長戦略構想のきっかけになったのが仏大統領選の最有力候補、オランド氏の主張。同氏は財政規律を強化するEUの新条約を見直し、成長や雇用に配慮する条項を盛り込むよう提案している。 欧州で緊縮財政の見直しが強まっている背景には、緊縮財政を進めているスペインが景気後退に突入したことが挙げられます。(4/30 ロイター「スペイン景気後退突入、緊縮財政推進に疑問も」⇒http://goo.gl/DqKvT) また、ルーマニアでも4月27日、ウングレアーヌ政権の緊縮財政に反対する世論の高まりを背景に、内閣不信任案が可決されました。(4/28 毎日「ルーマニア:内閣不信任案を可決…緊縮財政批判受け」⇒http://goo.gl/pV46R) ILO(国際労働機関)も、4月29日、信用不安に揺れるヨーロッパを中心とした先進国の緊縮財政が、雇用の回復に悪影響を及ぼすとして警鐘を鳴らしています。(4/30 NHK「ILO 緊縮財政が雇用に影響」⇒http://goo.gl/QYwHe) ノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン氏は、失業率が悲惨なまでに高かったにもかかわらず、財政赤字削減を主張する欧米の政策エリートたちを「まるで古代のカルトの聖職者のようだ」と評し、「ギリシャやアイルランドでの緊縮財政計画の悲惨な結果を見るべきだ」と主張しています。 また、サマーズ元米財務長官や経済学者のブラッド・デロング教授は「ギリシャやポルトガルなど救済を受けた国々は厳しい緊縮策を遂行するしかないが、その他の国々が短期的に財政支出を削減すれば長期的な財政悪化を招く」と警告しています。(4/17 朝日「欧州債務危機、緊縮か成長か 単純な答え見つからず」⇒http://goo.gl/JpNMi) ※ただし、注意が必要なのは、成長議論も一様ではなく、仏大統領選でリードしている社会党のオランド候補の「成長・雇用政策」は、富裕層や投資所得、銀行に対する増税によって、補助金を付けて雇用を創出することを企図しており、日本の民主党の増税・バラマキ型の「大きな政府」に近いと言えます。 こうした欧州の迷走を受け、経済評論家の近藤駿介氏は「ユーロがこの数年実施してきた『緊縮財政一辺倒の財政再建』という壮大な実験が失敗に終わることが明白になった今でも、『ユーロの危機は対岸の火事ではない』『ユーロ化を防ぐ』と繰り返して来た野田政権は、失敗に終わることが明らかになったユーロの実験を繰り返すつもりなのだろうか」と疑問を呈しています。⇒http://goo.gl/sQhKv 消費税増税法案には「景気条項」が盛り込まれましたが、あくまで「努力目標」にとどまっており、野田政権の「経済成長を置き去りにした《超》緊縮財政一辺倒」では、欧州と同じ失敗を繰り返すことは避けられません。 幸福実現党は、無駄な歳出やバラマキ等の削減を打ち出すと共に、財政優先の緊縮財政の危険性を指摘。将来の税収増を見込める投資―インフラ、交通革命、未来産業等―への積極投資も経済政策の核として打ち出しています。 これは企業経営と同じです。経費削減も重要ですが、経費削減だけで、新規の投資をしなければ売上はジリ貧になります。企業の成長に向けては、未来に向けた戦略的投資が不可欠です。 ノーベル賞経済学者のスティグリッツ教授は「必要なのは―財政再建のためにも―緊縮政策ではなく、さらなる景気刺激策である。赤字を増大させる最も重要な要因は経済成長の弱さによる税収の伸び悩みであり、したがって最善の処方はアメリカを成長軌道に戻すことだ」と述べています。(「欧州とアメリカに互いに伝播する間違った考え」⇒http://goo.gl/JA4Dl) 増税は景気を悪化させ、税収を減らし、逆に財政危機を招きます。財政再建のためにも、増税ではなく、骨太の経済成長戦略が必要です。幸福実現党は断固、日本経済を沈没させる消費税増税法案を廃案に追い込んで参ります。(文責・黒川白雲) 中国経済の崩壊と、軍事力行使に備えよ! 2012.05.03 中国史から見る、大帝国建設の要因 中国歴代王朝における統治の、本質を突いた言葉があります。 「実は治世とは好景気のこと、乱世とは不景気の別名なる事が多い」(『中国史:上』宮崎市定(岩波全書)p.79) 中国の大帝国と言えば、唐・元・清ですが、それぞれの時代で繁栄を築いた要因として「対外交易の発展」が挙げられます。 唐時代には燃料革命がおこり、鉄器の生産が拡大しましたほか、ペルシア人やアラビア人との交易が盛んに行われていました。また、元帝国時代には東西交流が活性化し、清帝国時代にはキリスト教世界との貿易が活発となりました。 経済の発展が、大帝国を支える権力機構と軍事力の維持を可能とする。この構図は現在も変わっておりません。 失速する中国経済とその要因 急成長を続けてきた中国経済のエンジンは、(1)通貨の低いレートと安い労働力、低い資源コストと言った「輸出中心の経済成長」と、(2)98年から導入された住宅制度改革をきっかけとする「土地バブル」の二つに集約できます。 中国は、これら二つの強力なエンジンによって、軍事費増強の「元手」を稼いでいきました。 しかし、「輸出中心の経済成長」を目指した戦略は、米国による元のレート切り上げ要求や、人件費の高騰、新興国の台頭による世界的な資源価格の上昇によって破たんしていくことが確実視されています。(4/4 ロイター「中国の安い製造コストは過去のもの」⇒http://goo.gl/Q5o2U) また、中国経済を力強くけん引してきた土地バブルも、崩壊が現実のものとなっています。(4/26 産経「不動産バブルの末期症状大幅な値下げ必至」⇒http://goo.gl/wEVgN) 「汚職」と「輸出不振」は中国経済崩壊の歴史的要因 中国評論家の石平氏は「中国における不動産価格高騰の一因に、独特の『不動産開発=汚職利権』の構造上の問題がある」ことを指摘しています。(『中国経済崩壊の現場』石平(海竜社)p.29) 唐帝国の衰退は、玄宗皇帝が楊貴妃を寵愛するあまり、宦官など官僚の専横を許してしまうなど、現代の中国と共通しています。さらに、急成長の要因となった輸出が振るわなくなり、大打撃を受けるというパターンは清帝国と共通点があります。 その底流には、諸外国を蛮族と見なして「朝貢外交」を求めるという、華夷秩序と呼ばれる世界観が流れています。当時の清帝国も、大英帝国との貿易を「対等な立場での貿易」ではなく、「天子への朝貢」として認識していました。(前掲『中国史:上』p.528) 帝国主義全盛の時代とはいえ、こうした清国の「自国中心的な態度」が英国をして「麻薬を売ってでも利益を取り返す」という悪名高い「阿片貿易」を招き、国の崩壊を招いた事実は否めません。 また、現在の中国経済の発展は、日本や米国などが中国製品の輸入先となり、育成されてきたものです。にもかかわらず、「ipad騒動」や「高速鉄道事件」が示すような国家ぐるみの知的財産侵害を平然と行うなど、相変わらず「自国中心的態度」を改めておりません。 こうした中国政府の態度は、やはり諸外国に対して「朝貢」を求める中華意識を受け継いだものと言えるでしょう。こうした中国の態度に対して、国際社会からは「元の切り上げ」圧力が高まると共に、TPPによって中国包囲網が形成され始めております。 「軍事力による富の収奪」を封じるべく、「自主防衛・日米安保」の強化を! 過去、中国において発生した「帝国」は、どれも経済の衰退によって滅んでいきました。地政学的要衝である「辺疆地帯」を抑える軍事力を維持することが困難となり、異民族の侵入を許してしまったからです。 景気変動の波を乗り越える手段やアイデアを持たない中国において、このまま経済の衰退が続けば、政治の民主化要求や経済の自由化要求が高まり、「第二の天安門事件」が起こる可能性も少なくありません。 しかし、注意しなければならないのは「軍事力によって他国の富を収奪する」という手段がまだ中国に残されていることです。それは「核の威嚇」によってなされることが予想されます。 幸いにも、5月1日の日米首脳会談で対中防衛を視野に入れた日米安保の強化が合意され、一段と中国の核に対する抑止力が高まった形となりましたが、野田首相には、もう一段、憲法9条改正によって「自主防衛」と「アジア防衛の役割」を果たす気概を示すところにまで踏み込んで頂きたいところでした。 昨日、幸福実現党は「憲法を変えて日本とアジアの自由を守る!国民集会&デモ」を開催致しましたが(⇒http://goo.gl/GDILa)、中国による「核の威嚇」を中心とした侵略行為を未然に防ぐためにも、今後とも「自主防衛強化」や「日米同盟強化」といった国防意識を喚起して参ります。(文責・HS政経塾1期生 彦川太志) 今こそ、憲法改正が急務だ!――5/3(祝)「憲法を変えて日本とアジアの自由を守る!国民集会&デモ」開催!! 2012.05.02 5月1日、野田首相は、民主党の首相としてオバマ大統領と初の公式日米首脳会談を行いました。日本の首相による公式訪問はなんと2009年2月の麻生首相以来のこと。民主党政権では初めてで、同盟国でありながら、実に3年の空白が生じました。 そもそも今回の共同声明は、2010年の日米安保条約改定50周年に発表するはずでした。しかし、ルーピー(愚か者)と呼ばれた鳩山元首相は普天間移設問題で迷走して頓挫。菅前首相になって修復を図ろうとした時に東日本大震災が発生、公式訪問を果たせないまま退陣しました。 これを見れば、2009年の政権交代後、米国の日本への不信感は増大し、日米同盟強化の試みは大きく停滞したことが分かります。 野田首相になって、ようやく共同声明の発表にこぎつけることができましたが、前任者二人の首相のレベルがあまりにもひどすぎました。 日米共同声明では、自衛隊と米軍の「役割分担」を強く打ち出し、「アジア太平洋地域と世界の平和、繁栄、安全保障を推進するために、ありとあらゆる能力を駆使することにより、われわれの役割と責任を果たすことを誓う」ことを謳っています。 議会の軍事費削減圧力により、アジアから漸次的に後退していくことは避けられない米側は、日本にアジア太平洋地域の平和と安定を実現する責任と負担を求める内容となっています。(5/2 産経「防衛分担 問われる覚悟」) すなわち、日本が現実にアジアの平和と安定に責任を持つ覚悟が求められているのです。(参考:4/28 [HRPニュースファイル256]日米両政府、日米共同文書を発表―アメリカの真意は「日本の自立にあり」⇒http://goo.gl/wIiWB) そのためにも、日本は憲法九条を改正し、一日も早く「毅然たる国家」「自立国家」に立ち戻る必要があります。 5月1日付産経新聞1面トップには世論調査結果として、「憲法改正は必要」が6割に達したと報じています。⇒http://goo.gl/VW9Rz また、「自衛隊の位置づけを明文化し、集団的自衛権を認めるべき」との意見も62%にのぼりました。憲法改正に前向きな国民の認識が明らかになっています。 憲法改正により、日本が「集団的自衛権」を行使することが、本当の意味で、日本が信頼に足る同盟のパートナーとなるのであり、アジアの平和や中東の安定に貢献することができるのです。 そして何より、日本の隣国には中国や北朝鮮という「覇権主義」「先軍政治」の独裁国家が存在します。 「抑止力強化」という意味では、憲法改正自体が、国民の生命・安全・財産を守ることに繋がります。 野田首相は「前任者よりマシ」と思われて満足していてはいけません。日米同盟の重要性を言うは首相として当たり前のこと。日本は大国として、憲法改正を視野におきつつ、より主体的に、明確な戦略目標を示すべきです。 中国の軍事拡張と米軍の後退が明らかならば、結論としては、日米同盟を堅持しつつ、日本は「自分の国は自国で守る」ことを国是として明確にすべきです。 今、必要なことは、日本が世界に対して「自らの防衛努力を本気でやるのかどうか」、その意思と行動を示すことです。 政権交代から2年7ヶ月余り。民主党政権の素人丸出しの外交を見てきて、それができるとは到底思えません。 思いつきや責任放棄で日本の安全保障の危機を作り出した民主党には、これ以上、この国を任せられません。民主党外交のツケを支払うのは国民です。 つきましては、幸福実現党は憲法記念日の明日5月3日(木・祝)、「憲法を変えて日本とアジアの自由を守る!国民集会&デモ」を東京・日比谷で協賛開催し、全国に憲法改正のうねりを起こして参ります!⇒http://goo.gl/zq8Dn これは日本のみならず、アジアの全ての方々の「自由」を守るための戦いです!全国からも賛同者が駆けつけます! 幸福実現党支援者の皆さまは日本にとって、「最後の希望」です!ぜひ、本日、日比谷公園大音楽堂に大結集いただき、日本とアジアの「自由と繁栄を守る闘い」を始めて参りましょう!!(文責・竜の口法子) 迫り来る北朝鮮の3回目の核実験――憲法改正に向け、「最後の決断」の時 2012.05.01 5月1日、野田首相は、北朝鮮が先日のロケット発射に次いで、過去の例に倣って近い将来、核実験を行う「可能性が大きい」と述べました。(5/1 ウォール・ストリート・ジャーナル「北朝鮮は近い将来核実験行う可能性高い=野田首相」⇒http://goo.gl/Ow6Ya) 実際、北朝鮮は2006年にミサイル発射実験を実施した3カ月後に核実験を行っており、また、09年に発射実験を行った際も、1カ月後に核実験を行なっていることを考えると、核実験が近いことは容易に予想されます。 また、4月30日付の韓国紙・中央日報は、消息筋の話として、北朝鮮が早ければ今週中に3回目の核実験を強行する可能性があるとの見方を米国政府が韓国政府に伝えたと報じています。(4/30 時事「北朝鮮、今週にも核実験=ウラン型か-米が見解」⇒http://goo.gl/KggCZ) 北朝鮮の核実験に関しては、月刊『ザ・リバティ』6月号誌上で長谷川慶太郎氏が、北朝鮮ミサイルの打ち上げ実験の失敗を正確に予告した上で、すぐに3回目の核実験を行うであろうと述べています。(記事収録は4/11、ミサイル発射は4/13) 北朝鮮は傷ついた威信を回復すべく、新たな強硬策に出る可能性が高く、実際に核実験場で新たなトンネルを掘る作業が確認されており、3度目の核実験を行う恐れを同誌編集部も指摘しています。 一方、長距離弾道ミサイル打ち上げ失敗により、北朝鮮の未熟な技術が露呈し、ある種の安堵感を感じた日本人がいたとすれば、その判断は非常に危険です。 北朝鮮は、すでに韓国向けには、射程の短いスカッドミサイルを配備しています。同様に日本を、ほぼまるごと射程に入れているノドンミサイルもすでに多数実践配備されています。(平成23年度『防衛白書』⇒http://goo.gl/1F4ME) ゆえに、核の小型化が完成した段階で、日本に対していつでも核ミサイルを打ち込める状態となり、長距離弾道ミサイルの実験が成功するか失敗するかに関わらず、わが国にとっては一段と脅威が増します。 一昨年11月、北朝鮮のウラン濃縮施設を訪れたアメリカの専門家(核物理学者のヘッカー元ロスアラモス国立研究所長)は、「北朝鮮は効率的な機材を使っており、核開発計画はイランよりもずっと進んでいる」「北朝鮮は現在、核兵器を持っているが、ミサイル搭載用を開発するには核実験がもう1回は必要だろう」と警告しています。(2011/9/10 共同通信) 3回目の核実験で、ミサイルに搭載可能な小型核弾頭が完成に近づけば、日本は国家存亡の危機の瀬戸際に追い込まれることを意味します。韓国も同じであります。 日本は北朝鮮の長距離弾道ミサイルより、「核の小型化」をこそ警戒すべきです。核ミサイルで恫喝されるわけですから、経済制裁等すべての対抗策が無力化されることになります。だからこそ、北朝鮮の核ミサイル保有は、全力で阻止しなければなりません。 しかし、日本政府からは、そうした意志が全く感じられません。米中からも、現状では北朝鮮の核ミサイル配備を本気で阻止しようという強い意思は感じられません。 こうした状況下にあって、日本は「自分の国は自分で守る」防衛体制の整備が急務ですが、残念ながら、現在の憲法9条下では、中国の脅威や北朝鮮の核ミサイル攻撃から日本を防衛するのは不可能に近いと言っても過言ではありません。 日本国民の生命・安全・財産を守るためには、日米同盟をさらに強化・深化させるとともに、日本国憲法第9条を早急に改正し、中国・北朝鮮の軍事的脅威と対峙しうる国防体制の強化が急務です。 つきましては、幸福実現党は憲法記念日の明日5月3日(木・祝)、「憲法を変えて日本とアジアの自由を守る!国民集会&デモ」を東京・日比谷で協賛開催し、全国に憲法改正のうねりを起こして参ります!⇒http://goo.gl/zq8Dn 国民一人一人の憲法改正を求める声が高まってこそ、日本の間違った未来を変えていくことができます!ぜひ、明日の国民集会&デモに、多くの皆さまのご参加をお待ち致しております!(文責・河田成治、加納有輝彦) 日銀の追加金融緩和に潜む意図とは? 2012.04.30 日銀が27日の金融政策決定会合で、追加金融緩和を決定しました。 内容としては、長期国債購入基金は、65兆円から70兆円に5兆円積み増しました。また、長期国債の購入は10兆円増やす一方、金融機関に対する低金利貸し出しは5兆円減額となり、差し引き5兆円のお金が増える計算です。 さらに、これまで購入対象としていた国債の残存期間(償還=返済までの残存年数)を2年以下から3年へと拡大するなど、長期の変数に対しても影響を与える効果を発表したことが大きな特徴です。詳細→http://bit.ly/IBf5w5 白川方明日銀総裁も記者会見を行い、金融緩和の強化を強調しました。→要旨はこちら→http://bit.ly/JS6zwm さて、追加緩和を行った日銀の姿勢はある程度よいとしましょう。問題は、果たしてどこまで本気なのかということです。 市場関係者から見れば、今回の金融緩和はある程度織り込み済みだったようです(週刊エコノミスト4月24日号参照)。 また、日銀の金融政策に対して学者から政治家まで幅広い意見が掲載された「週刊エコノミスト」は大変興味深い内容となっております。 その中でも、日米の「事実上のインフレ目標」を導入した日銀とFRB(米連邦準備制度理事会)について、ドイツ証券シニアエコミストの安達誠司氏の論文は注目に値します。 安達氏は、両者は「似て非なるもの」と言い切ります。 「金融政策の力を信じるFRB」と「及び腰で被害者意識が強い日銀」という表題通り、日銀の追加緩和の「本気度」に疑問を呈しているわけです。 例えば、英訳するにも海外に対して誤解を招いた「目途」という言葉です。 安達氏によれば、FRBのバーナンキ議長は、インフレ2%は「長期的な目標値」であり、2014年まで低金利を継続することをはっきりと言及しているに対して、日銀の白川総裁は「目途」として、達成義務のある「目標」という表現には否定的な見解を示していることを紹介。 さらに、1920年代の大恐慌に対して、金融政策の重要性を強調するFRBと高橋是清が行った日銀の国債直接引きが、後のハイパーインフレにつながったとする見方は対照的です。 言い換えれば、FRBは、デフレ脱却のためには金融緩和は当然行うべき政策であるとするのに対して、日銀は金融緩和を通じたインフレの安定は無理だとしながらも、あえてインフレ政策を導入した弱腰姿勢に問題があるというわけです。 つまり、日銀が金融緩和をやりすぎると、ハイパーインフレとなったとする「被害者意識」とインフレに対する及び腰がある以上、安達氏は日銀の金融緩和は本気ではないというわけです。 こうした歴史認識の違いが、日銀とFRBの金融政策に影響を及ぼしているのは間違いないと思われます。 海外の新聞記者も同じ論調も見てみましょう。 例えば、英フィナンシャル・タイムズ紙のF・ニューマン記者は、日銀の金融政策に関して金融緩和が魔法の解決策でないとしながらも、日銀が積極的な行動をためらうリスクを指摘しています。 一度、緩和を決めたならば、真剣さを示す必要があると結んでいます。英語版→http://on.ft.com/IepXSd 日本語訳→http://bit.ly/KjMRqf では、翻って真剣さとはなんでしょうか。 普通に考えれば、デフレの脱却と経済成長を実現するまで日銀として最大限金融政策を行うことです。そのためには、金融政策を一層大胆に推進していくことも選択肢の一つです。 幸福実現党が主張する日銀による国債引き受けを実施することも可能です。やる以上は、明確な成果が出るまで行うべきです。 しかしながら、白川総裁は、記者会見の中で「金融緩和が毎月続くというわけではない」ということにも触れています。 さらに、日銀の追加緩和に隠れた本心として、JPモーガン証券のチーフエコノミストの菅野雅明氏は、「意図は明確だ。緩和打ち止め感を出したいということだ」とし、日銀は市場や政治家からの追加緩和圧力を打ち止めたいということを指摘しています。関連記事→http://bit.ly/IlcVos 最後に、今後の見通しについて触れておきましょう。 日銀は物価の見通しを発表しています。実際に、彼らの予想通り1%の目標が達成されたとします。問題は、その時に利上げをするかどうかです。 いわゆる「出口戦略」ですが、日銀の本音は金融緩和を打ち止めして、早期に利上げをしたいという思惑が見え隠れします。 最近10年の歴史を見れば、2000年のゼロ金利解除と2006年の利上げをした実績からみて、日銀が来年から2014年の段階で消費者物価指数上昇を見据えて引き締めに入ることは十分に考えられます。 日銀が金融引き締めを行った後には不況が来ている以上、出口戦略を急ぐことには注意が必要です。 ゆえに、今後は、デフレ脱却から出口戦略を同時にウォッチしていく必要があるでしょう。(文責・中野雄太) 幸福実現党「日蒙政治・経済交流視察団」報告 2012.04.29 幸福実現党は今年4月16日から6日間の日程で、モンゴル国に「日蒙政治・経済交流視察団」(団長・矢内筆勝、党の支援企業の経営者ら5人)を派遣し、同国の政府関係者や民間人との幅広い交流を進めました。本日はそのご報告です。 モンゴル国は1992年に、それまで旧ソ連の影響下だったモンゴル人民共和国が社会主義を放棄して誕生した新しい民主主義国家です。日本の約4倍の国土に、人口は約267万人。主な産業は畜産業と鉱業が中心です。 経済規模は、日本のGDP比で鳥取県の4分の1と決して大きくはありませんが、石炭、銅、金、石油やウラン、レアメタルなど、豊富な天然資源などを有し、2011年の実質経済成長率ランキング(GDPの成長率)では前年度比17.26%と、中東のカタールに続く世界第2位と、アジアで最も経済成長が著しい、若く可能性に満ちた国です。 加えて、白鵬、朝青龍などの相撲ブームも背景に、若者の日本語学習熱も非常に高い「親日国家」の一つです。 また、モンゴルには「うかうかしていると、中国の植民地にされてしまう」という危機感があります。 モンゴルには、20世紀初頭に「革命軍」を称する中国の軍隊から多くの庶民が略奪を受けた記憶も残っており、中国に対して強い警戒心を抱いています。(参考:2010/8/4サーチナ「モンゴルで反中・民族主義団体が隆盛」⇒http://goo.gl/Y6yFn) また、モンゴルの南部に位置する南モンゴルは1949年に中華人民共和国の内蒙古自治区となって以降、モンゴル人の大量虐殺、モンゴル語の禁止、資源の強奪、漢民族の大量入植等、中国の実質的な「植民地」として、過酷な弾圧が続き、モンゴル人の反発を買っています。 モンゴルは、地政学的には中国を西北から見下ろす位置にあります。 幸福実現党としても、マニフェストにモンゴルとの連携強化を掲げていますが、将来、政治・経済に加え、軍事的な協力関係を深めることができれば、日本とモンゴルが中国を東西から挟み込む形となり、両国の防衛上もメリットもあります。 今回の視察団は、そうした将来の「日蒙同盟」の土台作りを視野に入れ、両国の政治、経済、文学、教育、そして軍事も含めた友好と交流を目的として発足致しました。 主な訪問先・面談者としては、公官庁ではモンゴル国文部科学省と、防衛省アカデミー関係者、ウランバートル近郊のエルデニ郡郡長。教育関連では、日本語教育でモンゴルNO1の実績を持つモンゴル文化教育大学(学生約700人)とモンゴル最大の私立大学イフ・ザスグ大学学長、さらに元国会議員や政党関係者、民間の会社経営者、芸能文化関係者など、同国の幅広い分野のリーダー層の方々と交流を持つことができました。 【写真】モンゴル国防省アカデミーを訪問、安全保障に関する情報を交換しました また、私、やない筆勝を含め、視察団はモンゴルの有力な民放テレビ「チャンネル9」にも生出演。幸福実現党の支持母体である「幸福の科学グループ」の創設者・大川隆法総裁や教義の紹介、思想のエッセンス等、約20分に渡って全モンゴルに放映される機会にも恵まれました。 【写真】モンゴルの主要民放テレビ「チャンネル9」に生出演し、幸福の科学グループの活動を紹介しました。 幸福実現党は国防政策の一環として、更には日本経済の更なる発展に向け、アジアにおける自由主義諸国との関係深化、中国包囲網の構築を進めて参ります。 その具体化の一歩として、今後とも、こうした自由主義諸国と親善・交流を深めつつ、「アジアの新時代」建設に取り組んで参ります。ご支援の程、よろしくお願い申し上げます。(文責・矢内筆勝) 日米両政府、日米共同文書を発表――アメリカの真意は「日本の自立にあり」 2012.04.28 4月27日、日米両政府が沖縄の基地負担を縮小する合意文書を発表しました。(4/27 産経「米軍再編 日米共同文書(全文)」⇒http://goo.gl/D6Dhe)。 発表された日米共同文書のをまとめると、以下の8つのポイントになります。 1.沖縄県の米軍普天間飛行場移設に関して、(1)運用上有効、(2)政治的に実現可能、(3)財政的に負担可能、(4)戦略的に妥当の4つの基準を満たす方法で取り組むこと。 2.名護市辺野古への県内移設計画は、これまでに特定された唯一の有効な解決策であること。 3.代替施設が完全に運用可能となるまで普天間を補修して使用し、経費は日米が分担すること。 4.沖縄本島中南部の米軍5施設・区域は3分類し、段階的に返還すること。 5.在沖縄米海兵隊約9千人を国外へ移転し、グアム、ハワイ、豪州に分散。沖縄に約1万人が残留すること。 6.海兵隊グアム移転の日本の財政負担は平成21年の協定通りとすること。 7.日米の戦略的な拠点としてグアムを発展させ、地域における二国間の動的防衛協力を促進する新たな取組を探求すること。 8.日米両政府はグアム及び北マリアナ諸島連邦における自衛隊及び米軍が共同使用する施設としての訓練場の整備につき協力することを検討する。 共同文書の最大のポイントは、米国の財政事情や民主党という「国防素人政権」の日本の政治事情を反映しつつ、中国や北朝鮮などの軍事的な脅威の抑止に向けた戦略的に可能なラインを打ち出したものと言えるでしょう。 普天間飛行場の辺野古移設については、「唯一有効な解決策」としつつも、文言の前に「これまでに特定された」と付記されており、今後、嘉手納基地への統合案も含め、辺野古移設方針の軌道修正をにじませる内容となっています。 また、アジア・太平洋地域の米海兵隊の配置を見直し、現在、沖縄にある即応性の高い海兵空陸任務部隊(MAGTF)を中心にグアム、ハワイ、豪州に分散配置し、抑止力の強化を目指しています。 今回の共同文書で特徴的なことは、日米両国の「動的防衛協力」という新たな概念が加わったことです。これは米軍の地理的分散に合わせて日米同盟を発展させていくことを意味します。 具体的には、グアム島及び北マリアナ連邦、つまりマリアナ諸島と呼ばれる地域において、日米共同の訓練場を整備することが掲げられています。 「動的防衛協力」は中国の覇権主義拡大に対する抑止力強化に繋がる可能性がありますが、その実効性を担保するためには、日本が国際社会において主体的に行動する覚悟が不可欠です。 アメリカは「動的防衛協力」において、中国包囲網に日本を巻き込むと共に、日本が目覚めて主体的に行動することを求めているものと推察されます。 日本が憲法を改正し、日本とアジアの平和を守る覚悟を固めれば、日米は真の意味で「対等な同盟関係」となり、アジア太平洋地域の安全保障をリードする時代を迎えます。 日本にその覚悟が無かった場合、アメリカとしては、日本側に相応の資金負担を求めることになるでしょう。 いずれにせよ、アメリカは日本に「最後の選択」を突きつけていると言えます。 それは「自由を守る大国としてアジアをリードする」という名誉ある選択と、「経済大国でありながらも応分の責任を果たさない」不名誉な選択の二者択一です。 野田首相は認識していないかもしれませんが、これは約束を守らず、煮え切らない民主党政権に対して、アメリカが一種の「最後通牒」を突きつけた形です。 今こそ、日本はアジアの平和と安定に貢献する「世界のリーダー国家」となる意思表示をなすべきです。 そのためには、憲法を改正し、「自分の国は自分で守る」覚悟を固めることが不可欠です。 つきましては、幸福実現党は憲法記念日の5月3日(木・祝)「憲法を変えて日本とアジアの自由を守る!国民集会&デモ」(日比谷公園大音楽堂にて)に協賛参加致します。⇒http://goo.gl/zq8Dn 日米同盟を基軸としつつ、憲法第9条を改正し、中国・北朝鮮の軍事的脅威に対峙し得る国防体制の強化が急務です。(文責・佐々木 勝浩) すべてを表示する « Previous 1 … 225 226 227 228 229 … 253 Next »