Home/ 経済 経済 経済面でも日韓から中韓シフトを強める韓国の大失策 2013.06.30 ◆経済面でも、日韓から中韓重視へ 昨日のHRPニュースファイルでは、中韓首脳会談の歴史認識の危険性を取り上げましたが、同会談は経済面では、中韓通貨スワップの延長や中韓FTAが大きな話題になりました。 日韓間でも「通貨スワップ協定」がありますが、これは豊富な外貨準備を持つ日本によって、外貨準備高が少なく、絶えず暴落の危機にある韓国通貨に信用を与える事実上の「韓国通貨救済策」です。 民主党政権時代には、日韓スワップ協定は700億ドルまで拡大しましたが、李明博前大統領の竹島上陸等を受けて、昨年10月に日本側は総枠を130億ドルにまで縮小しています。 その後も韓国による従軍慰安婦等の対日歴史認識攻撃はやまず、日本政府が7月3日に期限切れを迎える30億ドル分を延長しなかったことは妥当な判断だと言えます。 一方、中韓首脳会談では2014年に期限が切れる560億ドル分の中韓通貨スワップ協定を3年延長し、更に規模を拡大する可能性も示唆されました。 日韓スワップ協定縮小により、韓国の「国家破綻リスク」が高まりましたが、中韓通貨スワップ協定の継続・拡大により、一見、韓国は危機を乗り越えたように見えます。 しかし、「世界三大通貨」の一つである日本円と違って、中国元は国際的に信用ある通貨ではなく、スワップ協定の意義は薄く、また、不安定な中国経済が崩壊した場合、韓国は巨大なリスクを負う危険があります。 何よりも、韓国は中国に「中韓スワップ協定破棄」という弱みを握られたことにより、中国の属国化が避けられなくなりました。 また、中観首脳会談で、中韓自由貿易協定(中韓FTA)推進が合意されましたが、これは韓国が日米主導の「TPP経済圏」とは別の「中国経済圏」に入り、中国の属国への道を選んだことを意味します。 日韓関係の悪化を中韓連携強化で埋め合わせようとする韓国の判断は愚かだと言わざるを得ません。 ◆基盤の弱い韓国経済 また、韓国のGDPは、昨年は約1兆ドル(世界第15位。日本は約6兆ドル)ですが、韓国の輸出依存度は54.8%に達しています。(2010年統計。同年の日本の輸出依存度は17.4%)。 これは、韓国経済は世界経済の減速を非常に受けやすい体質であると共に、今年に入っての「円安ウォン高」によって大打撃を受けやすいことを意味します。 実際、韓国はウォン高で輸出に急ブレーキがかかっており、また、韓国国内ではトヨタなどの輸入車が増え、現代自動車の牙城が揺らいでいます。(5/7 サンケイビジネスアイ「ウォン高で現代自動車“失速” 圧倒的シェア誇る韓国でも『逆転現象』」) しかも、韓国経済は10大財閥の売上高が全体の8割を占める「経済的寡占」が著しく、「サムスンが倒産したら韓国経済もつぶれる」と言われるほどです。 このように、韓国の経済基盤は極めて脆弱であるにもかかわらず、中国への依存度を高めていくことは極めてリスクの高い判断です。 本来、同じ自由主義陣営である日米との経済協力を選択すべきですが、政治的な判断を優先させた朴大統領の判断は「失策」と言っても過言ではありません。 ◆朝鮮半島の平和には「日米韓の連携強化」が必須 韓国の前大統領である李明博氏は昨年、実兄が収賄罪で逮捕されるに及び、竹島上陸等の「反日カード」で支持率低下を切り抜けようとしました。 それで国内では評価を得たかもしれませんが、その代償として、日韓関係が急速に冷え込み、その悪影響は韓国側に大きく出ています。 また、朝鮮半島での安全保障についても、金正恩第一書記による「先軍政治」「核ミサイル開発」が加速しており、緊張感が日々高まっています。 にもかかわらず、韓国は日本側が求め続けている「日韓防衛相会談」を拒否し続け、海上自衛隊トップの幕僚長の訪韓も拒否し、日韓の軍事連携が滞っています。(6/3 サーチナ「日韓防衛相会談が見送り、日本が望むも韓国政府が拒否」) 韓国の朴大統領は自国民の生命・安全を守るためにも「反日路線」を転換し、日米韓三カ国の連携を模索すべきです。 ◆朴槿恵大統領は父を見習い、路線を修正せよ! 朴槿恵大統領の父である朴正煕元(パク・チョンヒ)大統領は、自ら血書を書いて陸軍士官学校への入学を希望し、入学を果たし、帝国陸軍の中尉として戦ったこともある方であり、「従軍慰安婦」なる存在が無かったことを明確に知っている方です。 その証拠に、彼が大統領時代に締結された「日韓基本条約」において「従軍慰安婦」という言葉は一言もでてきていません。 また、ある韓国高官が日本の植民地支配を批判する内容の話をしたところ、朴正煕元大統領は「自分が今、こうしているのは、日本の教育制度のおかげだ」とたしなめたというエピソードもあります。 朴正煕元大統領時代、日米韓関係は比較的良好で、その結果、韓国は軍事的・経済的安定を実現し、「漢江(ハンガン)の奇跡」と呼ばれる韓国の高度経済成長を成し遂げました。 娘さんである朴槿惠大統領も、韓国の安全と経済的発展のためにも、父が選択した日韓協調路線を再び選択すべきです。 日本政府も、従軍慰安婦問題等について、韓国に対して歴史的真実を主張した上で「河野談話」を修正し、真実の日韓関係を構築すべきです。 日米韓三国の連携を強化してこそ、東アジアの平和と繁栄がもたらされると考えます。(文責・こぶな将人) 中国共産党幹部の腐敗の実態(4)――中国経済崩壊の序曲 2013.06.25 ◆中国「7月危機」が現実味を帯びる 中国経済の危機説が全世界に広がっています。 24日、上海総合株価指数が前週末の終値に比べ5.30%下落しました。下落率は約4年ぶりの大きさで、年初来最安値となりました。(6/25 産経「上海株急落5.3%安 中国7月危機、現実味」) 株価の下落は、高利回りの財テク商品の償還が今月末にも行き詰まり、「資金ショートで中小の銀行では連鎖破綻が起きるのではないかとの警戒感が広がった」(市場関係者)ことが背景にあると報道されています。 中国では、今年6月末までに総額1兆5千億元(約24兆円)の財テク商品が償還満期を迎えますが、原本割れのリスクも高く、資金ショートによる大手銀行も含めた金融機関の破綻の噂が広がっています(「7月危機」説)。 こうした事態について、米著名投資家のジョージ・ソロス氏は「米金融危機を招いたサブプライム住宅ローンと似ている」と分析。投資家に警鐘を鳴らしています。(6/24 産経「中国『影の銀行』炸裂の予兆 7月危機説に現実味」) 中国は現在、「インフレ抑制策」を最優先課題としています。(2/7 ロイター「中国人民銀が再びインフレ抑制優先へ、成長支援からシフト鮮明」) したがって、中国の中央銀行が銀行の破綻を救うために、大量の紙幣を刷ることは難しく、「7月危機」はいよいよ現実味を帯びています。 ◆高度経済成長しなければ国内が崩壊する 中国統計局が発表した今年1~3月期の実質GDPは前年同期比7.7%増となり、予想外の減速となりました。 しかし、中国経済の実態はもっと深刻です。GDPの算出についてデタラメぶりが暴露されたほか、貿易統計では輸出額の大幅な水増し疑惑も浮上しています。(4/16 夕刊フジ「中国GDPに粉飾疑惑 「減速」どころか実態深刻か 水増し報告当たり前」) これまで、中国政府は毎年の「経済成長率8%維持」を至上命題にしてきました。それはなぜでしょうか? それは、「一人っ子政策」など厳しい人口抑制策をとっている中国でも、乳幼児死亡率の低下と高齢人口の増加によって、毎年800万人も人口が増加しているため、年に少なくとも約1千万人分の新規雇用の創出が必要になってくるからです。 1千万人の新規雇用をつくるためには、中国は8%の経済成長を死守する必要があります。 すなわち、中国は常に「高度経済成長」し続けなければ、国内統治が崩壊するのです。 しかし、その死守すべき「GDP8%成長」の達成が不可能になってきました。 不動産バブルの崩壊と、地方政府の巨額の赤字負債、共産党一党独裁下のいびつな経済活動の歪みが、限界に達しようとしているからです。 ◆高度経済成長ストップで暴動勃発のリスク高まる 中国経済が今までのような経済成長を続けられなくなったら、暴動が抑えられなくなってくることもあり得ます。 共産党一党独裁体制で、国民が食べていけなくなったら―― 昨年、中東や北アフリカで、経済的貧窮から体制の打破を求めて、革命運動が起きました。「ジャスミン革命」と言われています。 こうした現象は、中国共産党にとって「大きな脅威」です。 中国は崩壊の前に一刻も早く、共産党一党独裁の政治体制をやめ、不等な貧富の差を無くし、「自由からの繁栄」を目指すべきです。 そのためには、日本は、国内の問題だけで無く、世界のリーダーとして中国を指導する気概を持たねばなりません。 そして、日本は自虐史観に基づく土下座外交をやめ、「自由の大国」として誇りを持ち、「世界を救うリーダー国家」となる気概が必要です。 中国13億の国民が広く豊かさを味わえる体制へと変わることを心から望んでいます。(文責・岐阜県本部副代表 河田成治) 景気回復と財政再建、両立への道!――あるべき財政健全化計画 2013.06.24 23日投開票を迎えた都議会議員選挙では自公が圧勝し、有権者が現政権が進めている「アベノミクス」に対して、肯定的な評価を下したことが伺えます。 一方、今月14日に閣議決定された「骨太方針」に対しては、新聞各紙から厳しい批判が噴出しています。 今回の「骨太」の要点は「2020年度までに基礎的財政収支の黒字化達成」という「財政健全化目標」です。 野党や新聞各紙からの批判も「財政健全化への具体策が示しきれていない」という点に集約されます。 しかし、財政再建の方法を巡っては「骨太」を批判しているマスコミの側にも混乱があります。 では一体、日本経済の現況に即したあるべき財政健全化計画とはどのようなものでしょうか? ◆消費増税は財政「不」健全化への道 例えば、読売と日経は14日の社説で、今回の「骨太」で消費税引上げを明確化していないことを批判し、「財政再建のためには消費税増税が不可欠である」と主張しています。 しかし、日本のここ十数年の歴史を見れば、上記の主張が的外れであることは明らかです。 1997年、3%から5%への消費増税にもかかわらず、税収は年々減収し、97年に約54兆円あった税収は03年には43兆円にまで減っています。 消費増税前の96年、日本経済は震災復興と駈込み需要で3%近い名目成長を達成し、当時の橋本政権はそれに安心して増税・緊縮財政に踏み込んでいきました。 ところが増税後の97年11月、たった1ヶ月の間に日本の4つの巨大金融機関が消滅、98・99年にはGDP成長率が実質名目共にマイナスに落ち込み、企業の利益と個人の所得が減少したことで全体の税収も落ち込んでいきました。 デフレでもなければ3%近い名目GDP成長率を達成していた97年の日本でさえ、大打撃を受けているのです。 デフレ下での増税は一層の景気悪化と財政「不」健全化を進める結果となるだけです。 ◆小泉政権の教訓 一方、2003年度に28兆円だった基礎的財政収支の赤字額は、07年には6兆円にまで縮小し、あと一年半で黒字化達成というところまで改善されました。 03年から07年の財政健全化局面は、ずばり株価上昇局面と一致しています。日経平均株価は03年4月末に記録した7,604円のバブル崩壊後最安値から、07年7月には18,000円台にまで上昇しています。 では株価上昇と財政再建が始まった2003年とは、どのような年だったのでしょうか? ずばり、政府・日銀による景気対策が本格化した年です。 2003年、日銀は量的緩和に本腰を入れ、政府はりそな銀行の株式買取り(りそな救済)を始めるなど、小泉政権は発足当初の緊縮財政路線から景気対策優先へと舵を大きく転回させました。 景気回復・経済成長こそ財政健全化の原動力です。納税者である個人や企業の収入が増えずして、政府の収入が増えることは無いのです。 ◆政府は景気回復による財政健全化方針こそ示せ! 1997年から2011年の近年のデータに従えば、日本では名目経済成長率が1%増加(低下)するごとに、税収は2.7%増加(低下)しています。 データに従って、1%の名目成長で税収が2.7%増加する(税収弾性値2.7%)と考えれば、3%程度の持続的な名目成長が続けば、2023年度には基礎的財政収支の黒字化を達成します。(参照:岩田規久男著『リフレは正しい』PHP研究所) 3%程度の名目成長は、2%のインフレ目標を掲げる現在の金融政策が定着すれば、十分すぎるほど達成可能な目標です。 あえて2020年度までに基礎的財政収支の黒字化達成を目指すのであれば、いっそう高い名目成長目標が必要です。 一見、増税中止を訴える幸福実現党は「何でも反対」の左翼政党と同じように捉えられがちですが全く異なります。 財政健全化と景気回復・経済成長は表裏一体です。幸福実現党は真なる責任政党として、増税を排し、7%の名目成長率目標を掲げ、高度成長を実現してまいります。(文責・HS政経塾2期生 川辺賢一) 消費税増税の是非を議論するのは“今でしょ!” 2013.06.22 ■アベノミクスの欠点――消費増税 安倍政権の「アベノミクス」は、幸福実現党が立党以来、主張して来た政策である(1)インフレ目標を含む大胆な金融緩和、(2)積極的な財政政策、(3)未来を拓く成長戦略など、幸福実現党の主張をそのまま自民党の政策として取り込んだものであります。 ※参照:幸福実現党の過去の主要政策一覧⇒http://hr-party.jp/policy/past/ 政策の盗用は「政権政党」として恥ずかしくないのかという気もしますが、一方では、幸福実現党の高い先見性や政策の効果の証明ともなっています。 しかし、アベノミクスと幸福実現党の経済政策と決定的に異なっているものがあります。それが「消費税の増税」です。 幸福実現党は、立党以来、主要政策の一つとして「消費税増税の中止」を訴えて参りました。 なぜ今、消費増税がいけないのでしょうか?――それは簡単に言うと、消費税が増税されれば、自然に消費者による「買い控え」が起こって、不況に陥るからです。 ■デフレ下の増税はタブー! 「アベノミクスによって、景気が良くなった」と報道されていますが、指標で見ると、日本経済はデフレから脱却していません。 総合的な物価指標(インフレ率)である「GDPデフレーター」の今年1-3月期の数値は、前年同期比1.1%低下しています。(6/10 ブルームバーグ) GDPデフレーターがマイナスということは、日本経済は「デフレ」下にあるということを意味します。 デフレ下で増税すれば、人々が財布のひもが引き締まり、ますますモノを買わなくなり、企業の売上が落ち、デフレが深刻化する「デフレスパイラル」に陥ります。 その結果、税収が下がり、財政が悪化し、更に増税する、という「悪循環」を日本経済は経験して来ました。 特に、この1~2年はデフレ脱却に向けての不安定な時期であり、安易な増税によって、再び不況の引き金を引くことは決して許されません! ■消費税増税の議論をするのは「今でしょ!」 民主党政権は、2009年の選挙において、「4年間消費税増税の議論すらしない」と公約しつつ、菅・野田政権下において消費税増税を打ち出し、昨年8月に消費増税法が成立しました。 これは民主主義の根本を否定するような事態でした。残念な結果となりましたが、幸福実現党をはじめとする多くの国民の方の反対の声の影響により、法案成立に際して、一つだけ条件をつけることになりました。 それが「景気条項」と言われるものであり、増税が施行される半年前に「景気の指標」を勘案して、最終的な判断を行うというものです。 その具体的な数字として政府は名目3%、実質2%の成長を努力目標としています。要するに、2013年の10月の時点に政府が判断するという形になっています。 まさしく、今回の参議院選挙において、有権者の意思表示により消費税増税の是非について判断されることになるのです。 ゆえに、今回の選挙では「消費増税」を争点として、各党とことん議論すべきです。まさしく、「消費税について、いつ議論するの?今でしょ!」というわけです。 20日、自民党の高市早苗政調会長は「秋の段階で経済指標が思わしくなければ、税率引き上げという判断に至らない可能性もある」と述べ、経済情勢によって先送りもあり得るとの認識を示しました。(6/20 時事「増税先送り可能性言及=高市自民政調会長」) 高市早苗氏は歴史認識や原発政策においても、幸福実現党の主張の影響を強く受けておられますが、高市氏の「増税先送り」(ゆくゆくは増税を行う)という発言は、幸福実現党の政策とは異なります。 ■増税か、減税か――参院選は「国家の分岐点」 一方で、内閣府は2015年度までの財政健全化目標の達成には、2度の消費増税のほか、14年度からの2年間で国と地方を合わせて5兆円の税収増か歳出削減が必要になるとの試算をまとめました。(6/22 日経「15年度の財政健全化目標達成、5兆円の税収増必要」) また、安倍総理のブレーンとして知られている伊藤元茂東京大学教授は社会保障制度改革国民会議において、「死亡消費税」なる考え方を提示しました。(6/20 J-CAST「死人からも税金搾り取る『死亡消費税』 安倍首相ブレーンが提案する『墓泥棒』」) これは、高騰する高齢者医療費をまかなうために、高齢者が亡くなった時の遺産の評価額に対して消費税をかけ、医療費に充当する「墓場泥棒」であり、断じて容認できるものではありません。 このように、安倍政権が財務官僚に実効支配されて「増税路線」をひた走りつつある中、消費税増税の中止のみならず、明確な「減税路線」を掲げているのは、幸福実現党以外にありません。国民の皆さまに、この真実を訴えて参りましょう!(文責・こぶな将人) 骨抜きの「骨太の方針」――今こそ、国家に宗教的背骨を! 2013.06.17 「骨太の方針」の本質は「選挙対策」 政府は14日、「再生の10年」に踏み出すための経済政策の羅針盤にあたる「骨太の方針」を閣議決定しました。(内閣府「経済財政運営と改革の基本方針」) この内容を見れば、自民党がいかに「複雑骨折」している政党であるかが分かります。 「骨太の方針」には大胆な構造改革は打ち出されず、むしろ「財政再建」に重きが置かれ、「国と地方の基礎的財政収支を2020年までに黒字化する」という政府の財政健全化目標が明記されています。 基礎的財政収支(プライマリーバランス)とは、一般会計における、歳入総額から国債(地方債)発行収入を差し引いた金額と、歳出総額から国債(地方債)費を差し引いた金額のバランスのことですが、現在、約34兆円の赤字となっています。 高齢化により、今後、毎年約1兆円ずつ増加するとされる年金・医療・介護等の社会保障費、公共事業費、地方財政も「聖域」とせず、歳出を削減するとしていますが、数値目標は示されていません。 これは参院選を控えているからであり、参院選後の8月に中期財政計画を策定して具体策を示すとしており、自民党のポピュリズムぶりが遺憾なく発揮されています。 つまり、「骨太の方針」の本質は目先の選挙対策であって、中長期的な国家のグランドデザインが決定的に欠落しているのです。 経済成長と財政健全化(=増税)は両立しない そして一番気がかりなのは、「持続的成長と財政健全化の双方の実現に取り組む」としている点です。 これは、「アクセルを踏みながら同時にブレーキも踏むことで車を前進させます」と言っているに等しく、矛盾しているのです。 「今後10年間、平均でGDPの成長率を名目3%、実質2%」としていますが、これは消費増税法の景気弾力条項の努力目標値と同じであり、「消費増税を首尾よく実行すること」が目的であることが分かります。 安倍総理は今月4日の参院経済産業委員会で、来年4月からの消費税率引き上げに関して、「4~6月(の景況)がどうかも見なければならない。引き上げの半年前に名目および実質の成長率、物価動向などの経済指標を確認し、総合的に勘案して判断する」と述べています。 すなわち、今年10月頃に消費増税最終判断をする考えですが、金融緩和によるデフレ脱却に要する期間は一般的に1年程かかるため、ここ3カ月の成長率や物価指数が多少上向いただけで消費増税を決めるというのはあまりにも短絡的で性急です。 消費税は長期不況をもたらす これまで日本経済が経験している通り、消費税増税を断行すれば、長期不況がもたらされ、税収が減り、財政再建が更に遠のくことは明白です。 自民党の標語の「日本を取り戻す」は、「日本の不況を取り戻す」ことになるでしょう。 幸福実現党の大川隆法総裁は、松島ひろのり研修局長(兼)千葉県本部参議院選挙区代表(http://matsushimahironori.blog54.fc2.com/)との対談『野獣対談 ―元祖・幸福維新』において、次のように述べています。 「一九九〇年以降、『十年不況』、あるいは『十五年不況』と言われる長期不況が始まりました。これは、消費税の導入と、当時の大蔵省(現財務省)による、『総量規制』に関する通達と、当時の三重野日銀総裁のバブル潰し、この三つが主な原因です。」 大川隆法総裁は、バブル崩壊の真相を明快に指摘していますが、政府はまたしても消費増税によって長期不況を“創造”しようとしているのです。 第二次安倍内閣の滑り出しの好調さは、表面的にではあっても「幸福実現党の政策を実行した」からでした。 しかし、株価の乱高下に表れている通り、「真実の理想に基づく未来ビジョン」という名の一番大切な「信仰心」の骨がスカスカなために、アベノミクスの限界が近づきつつあります。 経済成長は福祉政策でもある 幸福実現党は、法人税減税や増税に依らない「200兆円未来国家建設プラン」によって高付加価値の未来に富を生む基幹産業への投資や、ヒトとモノの移動時間を3分の1に縮める交通インフラへの投資を通じ、高度経済成長を実現します。 この経済成長こそが、真の福祉でもあります。経済成長すれば、雇用も賃金も増え、失業保険や生活保護等の社会保障費も軽減されます。 高齢者の雇用が増え、「生涯現役社会」を実現できれば、社会保障費も激減します。 個人が豊かになれば自活できる範囲が広がりますし、企業も業績が回復して余力が生まれれば、福利厚生等、社員を守る力も出てきます。 大事なことは「国の力があまりなくても、うまく回っていく社会をつくること」です。(参照:大川隆法著『国を守る宗教の力』幸福実現党発刊) そのためには、未来をデザインする幸福実現党という「愛国心」と「信仰心」に満ちた宗教政党が国家の精神的支柱を打ち立てることが不可欠です。 本日も力強く、幸福実現党の候補者の素晴らしさを有権者に伝えてまいりましょう! (HS政経塾2期生、千葉県13選挙区支部長古川裕三) 「第四の矢」という「毒矢」を撤回し、本物の経済成長の実現を! 2013.06.10 アベノミクス「第四の矢」は「財政健全化」 甘利明経済財政・再生相は安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の「第三の矢」である成長戦略に続き、財政健全化を「第四の矢」と位置づけました。(5/28 日経) 5月27日に提出された財務省資料には「財政健全化を着実に進めることは、国民の将来不安を軽減し、消費拡大を通じて経済成長を促す」とあります。(5/27 財務省「財政健全化に向けた基本的考え方(概要)」) しかし、これは「消費税を増税すると、財政が健全化し、国民は将来の不安がなくなり、安心してお金を使うようになるので、経済成長する」という、財務省の「トンデモ理論」であると言わざるをえません。 本来、財政健全化は経済成長の実現を通しての「自然税収増」という形で成し遂げるのが鉄則です。 「財政健全化=増税」しかない財務省の発想 しかし、財務省は自らの既得権益拡大と政治家への責任転嫁が可能となる「増税」しか頭に無いようです。 財政健全化の実現には、(1)経済成長、(2)歳出カット、(3)増税の3つの手法がありますが、元財務官僚の高橋洋一氏(嘉悦大教授)は「財務省のいう財政健全化は、はっきりいえば増税である」と指摘しています。(6/4 夕刊フジ「『第4の矢』財政健全化はとんでもない『矢』だ!」) そして、元財務官僚の立場から「財務省が(3)の増税を好むのは決して経済的な理由ではなく、増税が景気に悪影響であることは承知しながら、官僚の権益拡大のほうを優先しているだけだ」と「増税利権」に走る財務官僚の本音を暴露しています。 「財政健全化=増税」という「第四の矢」が、景気の腰折れをもたらすことは明らかであり、それまでの「3つの矢」によるデフレ脱却、景気回復、経済成長に向けた努力を全て無に帰すことになります。 増税によって景気回復が頓挫したイギリス 増税によって景気回復が頓挫してしまうことはイギリスの事例からもわかります。 『正論』の最新号(2013年7月号)には、「アベノミクスの天敵…消費増税を放棄せよ」(産経特別記者・田村秀男氏)と題した記事が掲載されています。 この記事では、イギリスが付加価値税(日本の消費税に相当)を2011年1月に17.5%から20%に引き上げたことにより、景気回復が止まってしまったことが紹介されています。 増税前は、イギリス経済はリーマン・ショック後の不景気から立ち直りかけていたのに、増税後は、経済成長率が実質ベースで0.2%(JETRO、英国の実質経済成長率の推移)にまで落ち込んでしまいました。 田村氏は「イギリスの中央銀行は、リーマン・ショックの後は、お金を増刷し、金融機関から資産を買い取ることで市場に資金を流し、経済成長率を回復させてきたが、増税後は、お金を流しても効果がなくなってしまった」と述べています。 増税ではなく、本物の経済成長を! 現在、米中首脳会談に見られるように、米中が急接近し、日本の頭越しで物事が決められていく危険性が増しつつあります。 そのような中、日本が世界に対してプレゼンスを発揮していくためには、もう一段の経済成長を通した「GDP第2位奪還作戦」が不可欠です。 また、経済成長による富の創造は国防強化の原資にもなります。 幸福実現党は、新たな未来産業の創出など、日本経済の本格的パラダイム・シフトを行い、増税ではなく、本物の経済成長によって、財政の健全化を実現して参ります。 「第四の矢」という「毒矢」を撤回し、大胆な経済成長戦略を描くことこそ、今の政治に求められる責任であるのです。 (文責・HS政経塾2期生 鈴木純一郎) アベノミクス「第三の矢」は期待外れ?――今こそ「本物の成長戦略」を! 2013.06.08 安倍政権が成長戦略の素案を発表 6月5日、安倍首相は規制改革を柱とした「成長戦略第3弾」を発表しました。(6/6 読売「成長戦略素案を提示…アベノミクス『第3の矢』」) 安倍首相は成長戦略のキーワードを「民間活力の爆発」と定め、国民総所得(GNI)で年3%を上回る伸びを達成し、10年後には1人当たりのGNIを150万円増やすとの目標を打ち出しました。 成長戦略の柱としては、・企業の設備投資を促す減税措置や規制緩和・民間設備投資63兆円→70兆円への回復・一般の薬のネット販売の認可・世界の企業が集まる「国家戦略特区」の創設などが掲げられました。 期待外れとなった「三本目の矢」 しかし、今回の第三の矢「成長戦略」は目新しい施策が乏しく、「決意表明」的な要素が強く、例えば、どうやって民間設備投資を増やすのか、民間任せで具体策が曖昧なものが少なくありません。 また、効果が薄いものも多く、例えば目玉政策として打ち出された「市販薬のインターネット販売」は、薬局とのパイの奪い合いに過ぎず、薬の消費量が爆発的に増えるわけではありません。最高裁が薬のネット販売を一律に禁じた厚労省令を違法と判断したことを受けた是正措置に過ぎません。 アベノミクスの「第一の矢(金融緩和)」、「第二の矢(財政出動)」は市場から好感を持って受けとめられましたが、「第三の矢(成長戦略)は期待外れ」との評価が広がり、株価にも影響しています。 安倍首相の「成長戦略」の発表が行われている間、市場の失望感を受けて株価は急落を続け、5日の東京株式市場の終値は、前日より518円89銭下落。今年3番目の下げ幅を記録しました。 政府の成長戦略第3弾の内容が市場の予想を超えず、「法人税率の引き下げなど、日本のボトルネックになっている部分に踏み込まなかったことで失望感が広がっている」(外資系証券)と見られています。(6/5 ロイター) 企業の設備投資活性化に向けた法人税減税を! 安倍政権は、民間設備投資63兆円を70兆円に回復することを掲げていますが、企業の民間設備投資を増やしたいならば、なぜ、「成長戦略」で「法人税率引き下げ」を見送ったのでしょうか? 現状では個人消費は回復基調にあるものの、企業の設備投資に回復の兆しは見られません。 今年1~3月の企業のの設備投資は、昨年同期比で3.9%減少の11兆3928億円にとどまっており、2期連続の減少となっています。(6/3 NHK「企業の設備投資 2期連続減少」) 景気が本格的なものとなり、経済成長に繋がるためには、企業の設備投資の拡大が不可欠です。 幸福実現党は参院選の公約として「法人税の大幅減税」を掲げており、世界最高水準の法人実効税率を諸外国並みの20%程度に半減し、企業の投資の拡大、雇用の拡大を実現して参ります。 TPPと合わせて、外国資本を国内に呼び込み、国内市場を活性化させるためにも、法人税の大胆な減税が急務です。 幸福実現党の未来ビジョン 幸福実現党は、大胆で建設的な未来ビジョンを掲げた、参院選に向けた主要政策を発表致しました。⇒http://special.hr-party.jp/policy2013/ 特に政権獲得後3年間を「未来国家建設集中期間」と位置付け、集中的な資本投下により雇用を創出。高度経済成長を実現し、2030年代のGDP 世界一達成を目指すことを掲げています。 具体的な「成長戦略」の柱としては、航空・宇宙産業、防衛産業、ロボット産業、新エネルギー開発など、新たな基幹産業、未来産業となり得る分野に10年以内に100兆円投資。リニア新幹線、新幹線、高速道路網、都市交通網、航空交通網に10年以内に100兆円を投資を掲げています。 資金調達の手段としては、国債を発行するほか、官民ファンドを創設し、金融機関や民間企業、海外ファンド等からの調達を予定しています。 国家が一つにまとまり、力強い発展を遂げるためには、政治指導者が「明るい夢」を語り、国民がその「夢」を共有することが不可欠です。 ケネディ元大統領が「人類を月に送り込む」ことを掲げたことや、池田元首相の「所得倍増」など、国民が燃え上がる希望のビジョンを訴えることが、今の日本の政治家には必要です。 幸福実現党は唯一、明確な将来ビジョンを掲げている政党です。 私たち日本人は、ややもすると「0%成長」が続いていることが当たり前のように感じてしまいますが、世界から見ると、こうしたことが20年間も続いていることの方が異常事態です。 幸福実現党は「第二の高度成長」を掲げ、さらに日本が世界経済のリーダーとなって、世界の繁栄を導いてくことを目指しているのです。 (文責・小鮒将人) 経済成長戦略の「画龍点睛」を欠くな!―今、必要な消費税増税の中止 2013.05.30 アベノミクス「3本目の矢」は的に当たるのか? 5月29日、産業競争力会議において、6月に取りまとめる「成長戦略」の骨子が提示されました。 「産業再興」「戦略市場創造」「国際展開」の3本柱からなっており、今後3年間で国内投資を加速させる「集中投資促進期間」の設定や、企業の地域投資を促す「国家戦略特区(仮称)」の設置などが盛り込まれています(5/29 読売夕刊)。 期待感もある一方、設備投資や産業の再編などを促す税制改革(法人税の減税など)、解雇ルールなどの雇用制度の見直し、農業への企業参入の規制緩和といった制度面の見直しへの抜本的な改革には踏み込めておらず、成長戦略の実効性への課題も指摘されています(5/30 朝日朝刊)。 行き過ぎた財政健全化への警戒 産業競争力会議で、日本の財政健全化を求める民間議員の声も紹介されていますが、行き過ぎた財政健全化への傾倒は経済を減速しかねません。 そもそも、日本が財政破綻に陥ることはありえません。 先日、財務省でも発表されたように、日本の対外純資産は、前年末比11.6%増で296兆円となりました(5/28日経夕刊)。 これは22年連続世界一です。 「対外純資産」とは、海外に保有する債権から、海外に対する債務を差し引いたもので、大きいほど、海外から入ってくる資金が大きいことを意味します。 長期金利が上がっていますが、まだまだ日本は世界最低の金利水準であり、対外純資産という裏づけもあるため、日本の財政が破綻することはありえません。 金利が上がると、国債の利払い費を問題にする向きもありますが、政府債務は国の経済成長率との兼ね合いで考えるべきものです。 国の経済成長率が金利の上昇率よりも大きければ、結局、負債は減っていくのです。単純に金額の大小だけで、財政の不安を煽る報道には注意が必要だといえます。 EUも緊縮増税政策を転換している EUでは、フランスやスペインなどに対して、財政再建の達成期限の延長を認め、この期間に労働市場などの構造改革を通じた競争力の強化するように促しています(5/31 日経朝刊)。 例えば、フランスでは、財政赤字を国内GDP比3%以内に削減期限を2015年に延長し、追加の歳出削減策や増税案を求めないこととなりました。 財政再建を求めるあまり、増税をしたことによって、景気が減速し、経済のパイが小さくなった結果、税収が減ってしまいました。 「成長」というキーワードなくして、財政再建もなしえないのです。 骨太方針に「消費税増税の中止」を明記するべき 5月28日から、経済財政諮問会議において、経済財政運営の指針として「骨太方針」の取りまとめ議論がはじまっています。 骨太方針の骨子案は、次のようになっています(経済財政諮問会議:「骨太方針」) 第1章「デフレ脱却と日本経済再生」 第2章「強い日本、強い経済、豊かな生活の実現」 第3章「経済再生と財政健全化の両立」 第4章「平成26年度予算編成に向けて」 ここで一つ提案があります。 景気を腰折れさせずに、景気と財政を回復させるために、新たに「第5章」を追加して、消費税の増税中止を掲げるのです。 消費税の増税には、まだ回避の余地があります。 税制抜本改革法の第18条の景気条項では、次のように定められています。 「平成23年度から平成32年度までの平均において名目の経済成長率で3パーセント程度かつ実質の経済成長率で2パーセント程度を目指した望ましい経済成長の在り方に早期に近づけるための総合的な施策の実施その他の必要な措置を講ずる」 1997年に消費税の増税を行う前年の1996年の実質GDP成長率が2.6%でしたが、増税後に景気が停滞し、金融危機を引き起こし、長期不況が続きました。 現在、景気が上向いているとはいえ、2013年の経済協力開発機構(OECD)が発表した日本の実質成長率は1.6%であり、景気条項の定めた水準に達していません。 増税による不況と財政悪化という、同じ過ちを繰り返すべきではありません。 日本を豊かにする確固たる「国家観」 なぜ、消費税増税を中止すべきなのか? なぜ、幸福実現党は立党以来、ブレずに主張し続けられるのか? それは、日本人の幸福を増進するための確固たる「国家観」があるからです。 2009年6月15日から憲法試案として示しており、税金については次のように考えています。 「国家は常に、小さな政府、安い税金を目指し、国民の政治参加の自由を保障しなくてはならない。」(大川隆法「新・日本国憲法試案」第11条) 安倍首相は、憲法改正の発議要件を緩和する96条改正について、TBSのインタビューで「論点が十分に国民に浸透していない。 何が何でも突破ということではなく、国民とともに進みたい」と述べており、慎重に判断する意向を示しています(5/30 産経)。 しかし、96条改正をした後に、日本をどのような国にしていきたいのかを、もう一段踏み込んで首相の考えを表明していないところに、説得力不足と受け止められてしまう面があります。 幸福実現党は、日本人の幸福を増進する明確な国家ビジョンの下、とことん日本を豊かにします。 「消費税増税の中止」の決断は、今、日本に必要な経済成長戦略の「画龍点睛」なのです。 (HS政経塾部長 兼 政務本部部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ) 消費税増税中止で設備投資に火を点けろ! 2013.05.16 1~3月期GDP、実質で年率3.5%増 内閣府は16日、1~3月期の国内総生産(GDP)の速報値を発表しました。物価の変動を除いた実質成長率は年率換算で3.5%。項目別に見ると、個人消費が0.9%、輸出は3.8%増加しました。(5/16 読売「1~3月期GDP、実質で年率3.5%増」) 甘利経済再生担当大臣は16日の会見で「安倍政権の経済政策の効果が表れ始めている」として、「消費税増税への環境が整ってきた」という見解を示しています。 しかし、日本経済は消費税増税に耐えられるほど、回復しているわけではありません。 物価変動の程度を表すGDPデフレーターは、国内総生産が-0.5%と、前年同期(-0.1%)よりもマイナス幅が拡大しており、デフレ脱却は予断を許さない状況にあります。(5/16 ブルームバーグ「日本の13年1-3月期GDPデフレーター」) 3.5%という実質成長率が出た要因としては、金融緩和効果というよりも、「円安」効果によって自動車産業など、アメリカ向けの輸出が伸びたことが大きく貢献していたことが分かっています。 住宅投資は1.9%増と4四半期連続の増加となり、堅調ですが、復興需要や消費増税を意識した「駆け込み需要」等の特殊要因が貢献したものと見られています。 企業の設備投資は減少 特に問題なことは、企業による設備投資が0.7%減少と5四半期連続でマイナスとなっている点です。 アベノミクスは輸出増と個人消費増をもたらしましたが、中長期の経済成長に繋がる「設備投資」にはまだ表れていません。 本来であれば、円安が進んでいるので、海外に移転した企業が日本に戻ってくる動きがあってもおかしくありませんが、日経新聞が実施したアンケートによると62.7%の企業が「生産の現地化、海外生産の流れは変えない」と回答しています。(5/11 日経「円安でも海外生産『拡大』 経営者アンケート」) 企業の設備投資は家計支出に次いで、民間経済の大部分を占めています。家計消費が経済のメインエンジンであるとすれば、設備投資は補助エンジンであると言えます。 経済を牽引する「設備投資」が増加していかない状況では、景気回復が本物であると言うことはできません。 企業は予想収益率と金利を比較して、予想収益率が高ければ投資を行うと考えられています。 予想収益率が低くなれば、企業は投資を控えるので、投資が減っているということは「予想収益率が低い」ことを意味しています。 消費増税が企業の設備投資を鈍らせる 個人消費が伸びているにもかかわらず、企業が低い収益を予想している理由の一つに「消費税増税」があります。 本欄の「英国の増税失敗に学べ!――消費増税はアベノミクス失敗を招く」でも触れたように、英国は2011年に付加価値税の税率を上げたことによって、景気後退が起こり、リーマン・ショック後に行われた3.7倍の量的緩和でも景気を回復することが出来ませんでした。 消費税が増税されれば、消費が落ち込み、収益率が下がると企業が予想するのは当然のことです。 また、イギリスの付加価値税の増税からは「増税しても税収が伸びない」ことも実証されています。 イギリスの付加価値税増税は2011年の1月に行われましたが、その前年、付加価値税は前年比で30%増えましたが、増税後の2011年7月には前年比マイナス30%まで、付加価値税の税収は減少しました。 これは幸福実現党が「増税しても税収が増えない」と訴えていることの実証です。 減少している設備投資を増やすためには、消費税増税の中止が不可欠です。 幸福実現党は今回の参院選で消費税増税の是非を問い、国民の皆さまの支持を得て消費増税を中止に追い込み、「本物の景気回復」を実現して参ります。(幸福実現党 東京都第1区支部長 伊藤のぞみ) さらなる「日仏連携」の強化を! 2013.05.09 世界中の女性が大好きな、エルメス、カルティエ、シャネル、ルイ・ヴィトン……これらはすべてフランス発のブランドです。 私たち日本人にとって、フランスのイメージは、ブランド店とエッフェル塔やルーブル美術館など優雅なイメージ。逆にフランスの日本に対するイメージは「クールなアニメ国家」というところでしょうか。 しかし、実はそれだけではなく、日本の発展にとって、フランスは経済、エネルギー、軍事の面においても欠かすことのできないパートナー国家なのです。 現実に進む「日仏経済協力」 日仏は数多くの協力企業を持っています。有名どころでは日産自動車とカルロス・ゴーンのルノー。最近ではカタールに建設する製油所に出光興産と仏トタルが共同出資を決めました。 そして先日、日本の三菱重工業と仏のアレバは共同でトルコの原発建設を受注しました。建設費は約2兆1780億円。 東京電力福島第1原発事故の後、韓国を打ち破っての日本勢による初の海外受注案件で、原発の安全性の証明と共に、原発輸出による経済効果は相当なものです。 今後、40か国以上で200基以上の原発が建設されます。発展途上国を中心に、世界の流れは「増原発」なのです。 フランスのファビウス外相は日経新聞のインタビューで原発輸出を例に挙げ、「日仏協力の実績をさらに積んでいきたい」と述べ、日仏の官民が連携して、アジアやアフリカなどの新興国市場において、開拓を進める考えを表明しています。(5/8 日経「新興国開拓で日仏連携を ファビウス仏外相単独会見」) 原子力エネルギーにおける日仏協力 フランスは電気の76%を原発に依存する「超原発大国」です。 1973年のオイルショックをきっかけに原発を推し進めた結果、当時25%だったエネルギー自給率を50%にまで高めることができました。その結果、脱原発を表明したドイツにも電力を輸出しています。 フランスと日本の共通点は、資源に乏しいことです。「国家の生命線」であるエネルギーを他国に左右されないためには、エネルギー自給率を更に高めるための原発技術の向上を避けて通ることはできません。 そんなフランスの原子力産業にとって日本は重要なキーパートナーです。 特にフランスが注目するのが日本の高速増殖炉「もんじゅ」の研究データです。高速増殖炉は発電しながら、同時に消費した燃料以上の燃料を生産することができるため、「夢の原子炉」と呼ばれています。 現在、高速増殖炉に関して、日本・ロシア・フランス・中国・インド等で研究開発が続けられていますが、実用化には至っていません。 日本には原型炉の「もんじゅ」(性能試験中)があります。もんじゅのHPには、海外が「もんじゅ」に対して大きな期待を持っていること、特に下記の通り、フランスからの期待が大きいことを示しています。 ・2020年頃に第4世代ナトリウム冷却高速炉の運転開始を目指すフランスと2025年頃の高速増殖炉の実証炉の実現を目指す日本にとって、もんじゅは世界の先駆けとなる役割を担う。 日仏が協力して「もんじゅ」の試験データを次世代の高速炉に反映していきたい。もんじゅは日本だけでなく、世界の科学技術にとって重要な施設である。(フランス高等教育・研究省ガブリエーレ・フィオーニ研究・イノベーション局次長) ・日本は、高速増殖炉の研究開発を中断させることなく行ってきた数少ない国。「もんじゅ」のように研究開発のために利用できる高速増殖炉は世界的にも大変貴重。 世界の安定的なエネルギー供給のために、「もんじゅ」の試運転が開始されること、そして今後の研究開発において日本が、中心的な役割を担うことが期待されている。(フランス原子力庁 ジャック・ブシャール長官付特別顧問) ※日本原子力研究開発機構「海外は『もんじゅ』に対してどのような期待を持っているか?」より 軍事協力も含め、今後、日本が取るべき道 日本はまずは「もんじゅ」の試運転に入らなければなりません。 そこから得られる世界で唯一の研究データや技術をフランスと共有したり、提供したりするのと引き換えに、既に核武装しているフランスから、核開発のために必要な情報や技術を少しずつ入手していけば良いのではないでしょうか。 核武装に際してフランスに協力してもらうことは、日本が世界で孤立しないためにも絶対に必要なことです。 フランスは国連常任理事国です。日本が国連常任理事国入りを目指す以上、フランスとの関係強化を外すことはできません。 ありがたいことにフランスは、国連の常任理事国を拡大する案を支持しています。 日本が国際的なプレゼンスを高め、自分の国は自分で守る体制を作りあげるためには、世界で敵を減らし、味方を増やしていくことが大切です。 経済、エネルギー、軍事面において更なる「日仏協力」を推し進めていくことが必要であると考えます。 (文責・幸福実現党兵庫県参議院選挙区代表 湊侑子) すべてを表示する « Previous 1 … 65 66 67 68 69 … 78 Next »