Home/ 釈 量子 釈 量子 執筆者:釈 量子 幸福実現党党首 中国警察の海外派出所が東京にも存在した。世界50か所以上、国境を越えて広がる脅迫と拉致の実態。【前編】 2022.11.12 https://youtu.be/kOpet1hvziI 幸福実現党党首 釈量子 ◆習近平氏「歯向かう者は容赦しない」 中国の習近平国家主席が異例の3期目に入りました。習近平氏は、対立している李克強前首相や胡春華氏を排除し、独裁体制を強化しています。 これまで習氏は「腐敗撲滅キャンペーン」を展開して、「歯向かう者は容赦しない」と国内の異論・反論を封じ込めてきましたが、この動きが海外まで及んでいることがわかってきました。 当然ですが、国には主権があり、警察権はその主権に含まれるものなので、中国が他国の中に派出所を勝手に設置して、その国に逃げた中国人を弾圧することは、主権侵害となります。 ところが、中国は非公式に、中国警察の海外派出所を設置し、反体制派の弾圧をしています。 いわゆる「キツネ狩り作戦:Operation Fox Hunt」で、これが強化されているわけです。 ◆東京など世界54箇所に中国警察の海外派出所 9月に、スペインの「セイフガード・ディフェンダーズ(safeguard DEFENDERS)」という人権団体が、ある報告書を発表してから、この問題が一気に表面化しました。 報告書のタイトルは「海外110中国の国境を越えた警察活動が異常なレベルに」です。 日本と同じく中国で警察に電話する時に110番をかけるので、海外派出所のことを「海外110」と呼んでいます。 元々は、福建省福州市と浙江省青田県の公安局が、オンライン詐欺を取り締まるという名目で「海外派出所」を開設しました。 報告書では、世界12カ国、54か所に「海外110」が展開されていて、米国やカナダ、英国、ドイツなどの欧米諸国に数多く設置されています。 また、南米やアフリカにも展開していて、中国の人権弾圧が世界に及んでいることがわかります。 今回の報告書を受けて、欧米諸国は素早く対応しています。 オランダ、スペイン、ポルトガルが調査に乗り出し、アイルランド政府は首都ダブリンの「海外110」に対して事務所の閉鎖を命じました。 カナダの首都トロントにも「海外110」が3か所あり、カナダ政府が調査に乗り出しました。 日本も他人事ではありません。「大紀元」の報道によると中國警察の派出所は、「東京都千代田区の十邑会館内に設けられている」とのことです。 欧米諸国と同じく日本政府もすでに動いているとは思いますが、早急に実態を調査し、国民に報告してほしいと思います。 ◆口封じのために強制的に帰国させる3つの方法 こうした問題について、中国政府は「これらの施設で運転免許証の更新をやっているだけだ」と言って、違法性を真っ向から否定していますが、実態は異なります。 中国警察は「海外110」を拠点にして外国で警察活動を行い、民主活動家から一般人まで逃亡者の口封じを行うために帰国させています。 報告書の冒頭で、「中国政府は、2021年4月から2022年7月の期間で約23万人が帰国の説得に応じたと公式発表しているが、帰国後に刑罰の対象になっている」と書かれています。 逃亡者が「帰国の説得」に応じたという体裁を取り繕い、中国で法の裁きをうけるよう仕向けているわけです。 私たちの知らない間に、中国の人権弾圧が世界に及んでいたということです。 「セーフガード・ディフェンダーズ」は今年1月に、今回の件に関連する報告書「不本意な帰国:INVOLUNTARY RETURN」を発表し、中国政府が外国に住む中国人を強制的に帰国させる方法をとして3つのタイプを挙げています (後編につづく) 【米国中間選挙2022】共和党勝利ならウクライナ軍事支援縮小か?【後編】 2022.11.06 https://youtu.be/YSW8iIMM1Fg 幸福実現党党首 釈量子 米国の保守系メディア「Washington Examiner」の社説「ケビン・マッカーシーのウクライナ支援のスタンスを正当化する3つの理由」の2つ目です。 (2)ウクライナで支援金が横領される可能性がある これは、ゼレンスキー大統領が「反腐敗」を掲げて立候補しましたが、ウクライナの政治や経済が腐敗の温床になっているのは有名な話です。 例えば、「トランスペアレンシー・インターナショナル」という組織が毎年、世界各国の公務員と政治家が、どの程度汚職しているかを調査し、世界ランキングを発表しています。 2021年の「腐敗ランキング」を見ると、ウクライナは世界188カ国の中で122位でした。ちなみに、日本は18位です。 ウクライナの新興企業と政治家の癒着など、腐敗の問題はEU加盟の大きな壁となっており先進国並みの透明性が確保されていないとEUに加盟することはできません。 CNNも以前、「米国が提供した武器がウクライナに渡った後、どこでどのように使用されているかについて完全に把握できていない」と報道しました。 実際、南スーダンにも武器を横流しました。ジャベリンなどはすでに闇市場で売られています。 こうした懸念があるなか、米国の提供した武器の行き先がはっきりしないまま、軍事支援を続けることはできないということです。 (3)バイデン政権はウクライナ戦略目標を明確にすべき 三点目の理由は、バイデン政権はウクライナに関する戦略目標を明確にすべき、というものです。 バイデン政権はウクライナに対して何兆円ものお金を出していますが、どのように戦争を終わらせるかについて具体的な戦略を提示していない。 バイデン政権はゼレンスキー大統領に対して、プーチン大統領との条件交渉に臨むように働きかけるべきである。 米国民の負担のもとに、いつまでも戦争を続けることはできないじゃないか、ということです。 共和党の中には、マッカーシー氏と同じような考え方を持っている方が結構いますし、後押しするアメリカ世論が背後にあるということです。 今年5月に、400億ドルのウクライナ支援を採決する際(武器貸与法)にも、共和党の下院議員57名、上院議員11名が反対しました。 さらに、中間選挙で新たに立候補する共和党候補者の中には、ウクライナにこれ以上お金を出すことに反対を表明している人が数多くいます。 ◆民主党議員の意見 民主党議員でも、マーカーシー氏の発言のあと、民主党下院のプラミラ・ジャヤパル氏(アメリカ下院初のインド系の女性議員)は、バイデン政権に対してウクライナ戦争で外交的努力を求める書簡を出しました。 民主党内の大反対にあって撤回しました。民主党の中も、一枚岩ではありません。 11月8日の中間選挙で共和党が下院を奪還し、ウクライナへの軍事支援が縮小すれば、ゼレンスキー大統領も停戦交渉に応じざる得ない状況が出てきます。 共和党が上院で多数派を取れば、その可能性はもっと高くなるでしょう。 幸福実現党は、日本も一日も早く停戦の枠組みを作るために動くべきだと思いますし、世界は中国の脅威に対峙することを優先すべきだと考えています。 【米国中間選挙2022】共和党勝利ならウクライナ軍事支援縮小か?【前編】 2022.11.05 https://youtu.be/YSW8iIMM1Fg 幸福実現党党首 釈量子 ◆共和党ケビン・マッカーシーの発言 米国の中間選挙が11月8日に行われます。 最新の世論調査を見ると、共和党が下院で勝利するのはほぼ確実で、上院では共和党と民主党が拮抗しています。 米国のインフレがなかなか収まらず、バイデン政権に対する批判が強まるなか、共和党の勢いが増しているという状況です。 そんななか、共和党が下院を奪還すれば、来年1月には民主党のナンシー・ペロシ氏に代わって下院議長になるとされるのが、ケビン・マッカーシー氏です。 現在、共和党の院内総務を勤めており、共和党下院のトップにあたります。そしてこの方の発言が、注目を集めています。 マッカーシー氏は保守系オンラインニュースPunchbowl Newsからの取材を受け、次のように答えました。 「人々は現在リセッション、景気後退に直面している。そんな中、人々はウクライナに白紙委任状(の小切手)を出すことはないだろう。」 これは、バイデン政権によるウクライナ支援を批判するもので、米国民の税金を使っている以上、無制限にウクライナに支援することはできないということです。 ◆マッカーシーの発言を正当化する三つの理由 共和党の中にはマッカーシー氏と同じく「ウクライナ支援はもっと慎重であるべきだ」という考え方が根強くあります。 アメリカの世論調査によると、ウクライナを支援する義務が米国にはあると信じている共和党支持者はわずか 29%。 民主党員は 56%いますが 、無所属は 38% にとどまります。 こうした世論を受けて、マッカーシー氏は発言をしているわけですが、米国の保守系メディア「Washington Examiner」の社説を紹介したいと思います。 社説のタイトルは「ケビン・マッカーシーのウクライナ支援のスタンスを正当化する3つの理由」です。 マッカーシー氏はじめ共和党を後押しするアメリカ世論を理解することにもつながると思います。 (1)米国に比べてEUの負担が少ない 一点目の理由は、米国に比べてEUの負担が少ない、というものです。 10月3日時点で、武器や装備品の軍事援助、人道支援、食料や医薬品の支援、財政面の支援は、米国の支援額が圧倒的に大きく、523億ユーロ、日本円で7兆6千億円となっています。 二番目が、EU連合、三番目が英国、四番目がドイツ、五番目がカナダです。 社説では、「EU加盟国全体のGDPは米国の約9割あるはずなのに、負担割合が小さ過ぎるのではないか。EUは米国に頼り過ぎで、悪く言えば、EUのタダ乗りではないか」という問題提起をしています。 つまり、米国民の税金を使って、EUの防衛予算を穴埋めしているのはおかしいじゃないか、という意見です。 例えば、少なくともGDP比で、米国と同じくらいのウクライナ支援金を負担すべきではないのか、ということです。 これは、別の見方をすると、バイデン政権は必要以上にウクライナに肩入れしているのではないか、という意見にもつながっていきます。 国会議員の仕事として「国民の血税を無駄にしない」というのは大事な仕事なので、こういう議論が出てくるのは健全なことだと思います。 (後編につづく) 習近平独裁で台湾・インド侵攻加速。なぜ胡錦濤強制退場?軍人事に注目【後編】 2022.11.04 https://youtu.be/55gMzfu4Reg 幸福実現党党首 釈量子 現在、中国の不動産バブルが崩壊し、これまでのような高い経済成長を見込めなくなっています。 国民の不満は相当溜まっています。北京では、習近平氏に一人で抗議する「ブリッジマン」が現れました。10月13日、北京市内の橋に習氏を独裁者と非難する横断幕が張られました。 「ロックダウンではなく自由を、嘘ではなく尊厳を、文革ではなく改革を、PCR検査ではなく食料を」「独裁者習近平を辞めさせろ」などと書かれていました。 横断幕を張った男性はすぐに拘束されましたが、多くの市民が同じような不満を持っています。中国は「第二の天安門事件」を恐れています。 インドから見ると、こうした状況が続けば、中国は外敵を作るために、台湾侵攻だけではなく、インド侵攻も早めるのではないかと警戒しているわけです。 その場合、中国はパキスタンを利用し、インド国内のイスラム過激派による騒乱を起こすことも考えられます。 中国人民解放軍の海軍は2025年までに空母打撃群をインド太平洋に派遣することを目指しています。習氏の軍事的野望には、台湾侵攻に止まらず、インド攻略も含まれているのは間違いありません。 ◆日本は自国防衛の覚悟を 中国の軍拡が本格化しようとするなか、世界は中国の覇権主義を抑える方向に動かなくてはなりません。 しかしここで問題となるのが、ロシア―ウクライナ戦争が長期化していることです。西側諸国が欧州戦線に軸足を置けば、中国は必ずその隙を突いてきます。 ウクライナ戦争の泥沼化は台湾侵攻の可能性を高め、ウクライナを支援した結果、日台が危機に陥るという皮肉な逆説が起きかねないのです。 その意味で台湾有事に備えるためにも、戦争を早期に停戦させ、中国に戦力を集中させることが強く望まれます。 10月20日付の英紙フィナンシャル・タイムズは、米海軍作戦部長のギルデイ大将が「アメリカは2024年までに台湾に侵攻する事態に備えるべき」「23年の可能性も考慮すべき」と述べたと報じました。 2024年は1月に台湾総統選、11月に米大統領選が行われる年。中国が、バイデン大統領のうちに台湾問題を片付けておこうと考えていてもおかしくはなく、猶予はあまり残されていません。 台湾侵攻の際には、日本も同時に巻き込まれるのは間違いありません。 中国軍が台湾の東側に部隊を上陸させた場合、側背に位置する与那国島も押さえようとするでしょう。 また、台湾軍が沖縄の米軍基地に避難してきたら、日本は介入するか否かの選択も迫られます。 台湾の味方をすれば中国からの報復があり、見捨てれば日本のシーレーンは中国の支配下に置かれ、大半を輸入に頼る食料やエネルギーが途絶えてしまいます。 今のアメリカが日本を守る保障はなく、国連も機能停止に陥っています。国を守る気概のない国は滅びるしかありません。憲法9条改正はもちろんですが、実際に自国を守るための備えを急ぐべきです。 現代の戦争は軍事技術の差が勝敗を大きく左右します。無人機の開発、電磁波領域の研究、サイバー技術の向上など、抑止力を高める軍事研究を進めなくてはなりません。 国民の血税をバラマキに使う余裕があるなら、国民の生命と財産を守るための防衛予算を倍増すべきです。 唯物論国家の中国が本性をむき出しにする前に、日本は正義に目覚め、自国を守り抜く覚悟を固めるべきです。 習近平独裁で台湾・インド侵攻加速。なぜ胡錦濤強制退場?軍人事に注目【前編】 2022.11.03 https://youtu.be/55gMzfu4Reg 幸福実現党党首 釈量子 ◆独裁政権を確立した習近平 中国共産党の習近平総書記の続投が決まりました。最長2期まで、68歳以上は引退という慣習を破っての、異例の3期目に突入です。 習氏の独裁体制が一段と強化されるとの懸念が広がっていますが、それを象徴するのが、胡錦涛前国家主席が党大会を退席させられた光景です。 党規約改正案の採択直前のタイミングだったことから、反対票を投じる可能性のある胡氏を排除したと見るべきでしょう。 米国のFOXニュースに出演した中国問題専門家のゴードン・チャン氏は、次のように指摘しています。 「今回の件は、胡氏に屈辱を与え、習近平氏による完全な統制下にあることを示すために、意図的に準備されたものだ。習氏が危険で、残虐なことを目指していることを考えると、身も凍るようなメッセージだ。」 中国共産党系のメディアは、胡氏の健康問題を退席の理由に挙げていますが、海外メディアを前に、そして、中国共産党員9600万人に明確なメッセージを送るために、意図的に準備されたと見るべきです。 ◆台湾侵攻の危機 その後発表された、党の最高指導部を構成する政治局常務委員、いわゆるチャイナ・セブンの面々も、胡氏と師弟関係にある李克強氏が外され、かつての部下など腹心で固められました。 中国は毛沢東の死後に採用してきた集団指導体制から習近平氏の独裁体制に移ったと見るべきだと思います。 強引なコロナ対策で国内経済は落ち込み、水害などで食料不足もささやかれるなか、習氏としては実績がほしい――。 そこで考えられるのが「台湾侵攻」です。党規約にも「台湾独立に断固として反対して抑え込む」との文言が入りました。 習氏の目論みは、中国共産党中央軍事委員会の人事にも反映されています。党中央軍事委員会は習氏をトップに7人の幹部で構成されています。 台湾の武力統一や核弾頭を搭載する弾道ミサイルの発射といった軍事的な意思決定を行います。台湾問題を中心としたアジアの情勢に大きな影響を与えます。 今回注目すべきは、習氏が党中央軍事委員会のナンバー2のポストにある副主席に何衛東氏を抜擢したことです。 何衛東副主席は直前まで、台湾や沖縄県・尖閣諸島方面の東部戦区司令官を務めていましたが、今回初めて中央軍事委員会に入りました。 台湾と向き合う福建省の出身で台湾情勢を熟知している方です。 ナンシーペロシ米下院議長が台湾を訪問した際に、中国が大規模演習を行いましたが、それに関わっていたと言われています。 習氏は反対派を排除し、周りにイエスマンを揃えるとともに、台湾侵攻に向けて軍事面での布石を打っています。 ◆インド侵攻の危機も? 習氏が党中央軍事委員会副主席に何氏を任命したことは、インドの警戒心を今まで以上に強めています。 なぜなら、可氏は2016年7月~2019年12月の期間、人民解放軍西部戦区(WTC)の司令官を務めていたからです。 西部戦区は人民解放軍の中で最大規模の軍隊を擁していて、管轄も非常に広範囲です。この西部戦区に、中国とインドの係争地域が含まれています。 インドとの係争地でいうと、ヒマラヤ山脈に位置するラダックから、インド東部のアルナーチャル・プラデーシュ州まで含まれるのですが、何氏は、2017年7月~8月にかけて中国とインドが衝突した時の西部戦区の責任者でした。 また、インドで中国への警戒感が高まっている背景には、中国とインドの歴史的な経緯も影響しています。 それが、1962年の「中印戦争」の記憶です。中国の毛沢東は1958年~1962年に大躍進政策を展開しましたが、数千万人の餓死者を出すという歴史に残る大失敗に終わりました。 その結果、毛沢東は責任を取り、国家主席を辞任することになりました。 ところが毛沢東は、外敵を作ることによって国を統一し、権力を取り戻そうとしました。 ちょうどインドは1959年、中国軍の制圧から逃れた、ダライ・ラマの亡命を受け入れていたこともあり、中国はインドを敵対視して、1962年インドに侵攻しました。 これが「中印国境戦争」です。インドはこの戦争で敗北しますが、この時の教訓が、自国防衛のための核保有を促したと言われています。 (後編につづく) プーチンの核使用に欧米警戒、終末兵器「ポセイドン」とは【後編】 2022.10.27 https://youtu.be/zg6jipGtxJM 幸福実現党党首 釈量子 ◆高さ500mの津波を起こす「ポセンドン」 まず、核魚雷「ポセイドン」を搭載している原子力潜水艦「ベルゴロド(K-329 Belgorod)」の特徴は、長さ184m、幅15m、米海軍の原子力潜水艦オハイオより大きく世界最大で、120日間潜水可能です。 「ポセイドン」は、2018年にプーチン大統領が「敵の武器」として披露した武器の中に入っていました。 「ポセイドン」は、長さ24m、直径2mで、動力が何と魚雷の常識を覆す原子力推進です。ほぼ無限の動力を持つため、射程距離が長く、まさに「海の大陸間弾道ミサイル」です。 速さは、時速約130キロ(70knot)でそれほど速くないのですが、最深1000mまで潜って海底の地形に合わせて進むことができます。 通常の潜水艦が潜れる深さをはるかに超え、ソナーでも探知できません。電波も届かないので、現在のNATOでは迎撃はほぼ無理だと言われています。 「ポセイドン」に搭載されている核弾頭は2メガトンで、広島に落ちた原爆の130倍以上です。 敵国の海岸で核弾頭を爆発させた場合、高さ500m(1600フィート)のジェット津波を引き起し、沿岸部の都市は壊滅的な打撃を受けます。 街は放射能汚染水で覆われ、廃墟と化します。これが終末兵器と呼ばれる理由です。「ポセイドン」は元々、米国との関係悪化を機にロシアが米国東海岸を攻撃することを想定して開発されました。 これまでは「包括的核実験禁止条約」に従って、ロシアは実験を行っていませんでした。 しかし、ウクライナ東部でロシアが劣勢になればなるほど、形勢を逆転させるために、プーチン大統領がウクライナ近くの黒海で「ポセイドン」の実験を行う可能性があるのではないかと言われています。 ◆日本はインドと共に停戦の仲介を 今、世界は核戦争寸前にあるような危機的状況にあり、一日も早い停戦を望む方が多くなっています。 そういう中でインドの動きは注目に値すると思います。 インドは日米豪印のクアッドで米国と強い関係を持つ一方で、中立の立場を維持し、欧米によるロシアへの制裁には参加していません。 現在も、ロシアから安価な原油を輸入しています。インドにとっては、国境付近で紛争状態にある中国を牽制するためにも、ロシアとの関係を維持したいという国益重視の外交を行っています。 10月4日には、モディ首相はゼレンスキー大統領と電話会談し、「軍事的解決はあり得ない」という見方を伝え、停戦に向けて貢献する用意があると伝えています。 インドと置かれた状況が似ている日本も、世界の平和のために積極的に努力すべきだと思います。 本来、唯物論国家・中国共産党こそ世界の脅威のはずです。 ところが12日に発表された米国の「国家安全保障戦略」では、ロシアを「差し迫った脅威」とし、中国を「最も重大な挑戦」と位置付けています。習近平国家主席の高笑いが聞こえてきそうです。 北朝鮮がミサイル発射を続けていますが、中国と北朝鮮、ロシアという核を保有する三カ国は連携した動きを取っていると見るべきです。 そして、日本はこの三カ国に同時に対峙することはできないという現実に目を向けるべきです。 岸田政権はウクライナに防弾チョッキを送ることから始まり、制裁を強化し続け、敵対姿勢を鮮明にしてきましたが、戦争が長引き物価高の影響も、日本に押し寄せています。 日本人の命を守るためにも、日本人の生活を守るためにも、日本は独自外交を展開し、インドとともにウクライナとロシアの停戦の仲介に力を尽くすべきではないでしょうか。 プーチンの核使用に欧米警戒、終末兵器「ポセイドン」とは【前編】 2022.10.26 https://youtu.be/zg6jipGtxJM 幸福実現党党首 釈量子 ◆世界核戦争の危機 ウクライナとロシアの戦争は世界核戦争に拡大するかもしれない、という危機的状況になってきました。 ウクライナ軍が東部のロシア支配地域に攻勢をかけていましたが、9月30日、プーチン大統領はウクライナ東南部四州の併合を宣言しました。 そして、10月1日の演説の中で「ロシアの領土を守るためにあらゆる手段を講じる」「第二次世界大戦で米国が日本に対して核兵器を使用したことが前例をつくった」と発言しました。 このプーチン大統領の発言は、言い換えると、「ウクライナ東南部四州はロシアの領土になったのだから、これ以上攻撃してきたら核兵器を使用するぞ。第二次大戦では米国も同じように日本の抵抗を抑えるために原爆を落としただろう」ということです。 この発言を、米国はかなり真剣に受け止め、バイデン大統領は10月6日、「プーチン大統領が冗談を言っているわけではない」「核兵器によるアルマゲドン(世界最終戦争)のリスクは1962年のキューバ危機以来、最も高くなっている」と話しています。 ◆「キューバ危機」とは 1962年、米国のケネディ大統領と、ソ連のフルシチョフ大統領の時代に、ソ連がキューバに核兵器を配備しようとしました。 アメリカの「前庭」のようなところにソ連のミサイルが置かれたら、アメリカのほぼ全土が射程に入ります。 結局、ケネディが、キューバをアメリカ海軍で海上封鎖して「ソ連がミサイル基地を撤去しなければ、ソ連との戦争に入る」と強気に出たところ、ソ連はミサイル基地を引き上げ、かろうじて核戦争の危機は回避されました。 第二次大戦で広島・長崎に核を落とされて以降、核戦争の危機が最も高まったのがこの「キューバ危機」と言われます。現在の状況は、そのキューバ危機と同じだ、ということです。 ◆対立構図の変化 10月8日、ウクライナ南部にあるクリミアとロシアを結ぶクリミア橋で爆発が起きました。ロシアはこれをウクライナによるテロだとして報復攻撃し、ウクライナ全土にミサイル攻撃しました。 北大西洋条約機構(NATO)は、ロシアの報復攻撃を厳しく批判し、NATO高官に至っては「ロシアが核兵器を使用すれば、ほぼ確実にNATO加盟国が『物理的な対応』を行う」という踏み込んだ発言をしています。 これは、抑止力を高めるための発言だとは思いますが、ロシアとの直接対決を避けるというこれまでの基本路線が徐々に曖昧になっているのは危険な兆候です。 「ウクライナvsロシア」から、「ウクライナとNATO vsロシア」の対立構図に変わり、アルマゲドン(世界最終戦争)が現実のものになる可能性が高まっています。 ◆ロシアの終末兵器「ポセイドン」とは こうした状況の中、10月2日、イタリア最大の日刊新聞「ラ・レプッブリカ(la Repubblica)」で次のような報道がありました。 「NATOの情報機関が、ロシアの原子力潜水艦ベルゴロド(K-329 Belgorod)が北極圏の白海(White Sea)にある基地を出発し、カラ海(Kara Sea)に向かっている。そこで、ロシアが『ポセイドン』の実験を行うかもしれないと、同盟国に向けて警告を出した。」 この報道をきっかけに、「ポセイドン」という言葉が世界中に広がりました。日本でも報道が出始めています。 「ポセイドン」とは、ギリシャ神話に出てくる海と地震を司る神様の名前でが、NATOが恐れている「ポセイドン」とはどのような兵器なのでしょうか?その実体を見ていきたいと思います。 後編では、核魚雷「ポセイドン」の特徴から見て参ります。 (後編に続く) 北朝鮮ミサイル発射を助ける中露。次に来る核の脅威と日本の打つべき手とは。【後編】 2022.10.19 https://youtu.be/hJVj6B-UXAI (9月7日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆北朝鮮ミサイル発射のロシアの利点 ロシアは9月30日、ウクライナ東・南部の4州の併合を宣言し、これに対してアメリカのバイデン政権は、ロシアへの経済制裁を拡大したところです。 この時期に、北朝鮮がアメリカへの強い牽制を含んだミサイル発射を繰り返したことについて、アメリカのシンクタンク、CSIS(戦略国際問題研究所)は、次のように指摘しています。 「ロシアのプーチン、中国の習近平の問題で手いっぱいのバイデン政権にさらなる負荷をかけることに利点を見出している」 実際、ロシアにとって北朝鮮のミサイル発射は、アメリカの関心を北朝鮮に向けさせるメリットがあるわけです。 アメリカは、韓国の装備品を買い上げて、ウクライナに送る計画を進めています。北朝鮮にミサイルを発射してもらうことで、ロシアは、この動きを封じようとしているのかもしれません。 特に北朝鮮ミサイルが急速に技術を向上させている背景にロシアの力があるとされます。 9月25日に発射されたミサイルは、「北朝鮮版イスカンデル」と呼ばれ、尾翼を動かして上下に軌道を変化させられるロシアのミサイル「イスカンデル」を改良したと指摘されています。 変則軌道は迎撃が難しいわけです。 ◆北朝鮮の核実験の兆候 今後、さらに懸念されるのは7度目となる核実験です。 今年の3月ごろから、衛星画像による分析などで、北朝鮮が「18年に完全に廃棄した」としていた豊渓里(プンゲリ)の核実験場で、坑道を掘削するなど、核実験再開の準備がなされ、指導者の決断があればいつでもできる状態だとされてきました。 既に北朝鮮は今までの核実験で、大きなロケットに核弾頭を積める程度に小型化することに成功しています。 もう一段の小型化を目指し、核ミサイルの精度を高めるために7回目の核実験を行うことは十分に考えられます。 CSISは、実験が行われるタイミングとして、10月16日に開幕する中国の共産党大会から、アメリカの中間選挙が行われる11月8日の間だろうと予想していますが、中国やアメリカが国内問題で手いっぱいのタイミングで行うかもしれません。 ◆日本としてどんな手を打つか 度重なるミサイル発射について、日本政府は「北朝鮮に抗議し、最も強い言葉で非難した」とお決まりのセリフを繰り返すばかりです。 ミサイル発射が繰り返されているのは、中国、ロシアとの連携があってのことであり、西側諸国がロシアを追い込み続けた場合、3つの核保有国が今後、想定外の事態を起こしかねず、もはや一刻の猶予も残されていません。 具体的な施策としては、核装備への着手です。 中露北の3つの核保有国に対峙するには、日本も「いざとなったら核を使える」という状況をつくらなくては、核の使用を思いとどまらせることはできないのです。 同盟国であるアメリカも北朝鮮のみならず中国やロシアから報復を受けるリスクを負いながら日本に核の傘を提供してくれる保障はありません。 もう一つは、外交の鉄則である「敵を減らす外交」を展開すること。具体的には中国や北朝鮮の背後に位置するロシアとの友好の道を残しておくことです。 日本はアメリカに追随してロシアを非難し、ロシアを中国側に追い込んでいます。 しかし、アメリカは中国とロシアを同時に敵に回す余裕などありません。中国、ロシア、北朝鮮を同時に敵に回してしまう恐ろしさに気付くべきです。 トランプ政権時代のアメリカは北朝鮮と直接交渉し、中国と北朝鮮の関係を引き離すと共に、ロシアのプーチン大統領と友好関係を結び、中国を孤立させようとしました。 バイデン政権はこの真逆の政策を取り、北朝鮮との交渉を断ち、ロシアを挑発して西側と対立させ、中国、ロシア、北朝鮮を結び付けることになりました。 こうして、世界大戦の構図ができてしまい、最悪のシナリオで進んでいます。 アメリカは今後も、ロシア制裁をさらに強めていくでしょうが、日本は大局的視点に立ち、最大の脅威である唯物論国家の中国を包囲しつつ、中国、ロシア、北朝鮮の仲を分断する外交を展開していかないといけないはずです。 繰り返しますが、日本を守るため、もはや猶予はあまり残されていません。生き延びようとする意欲のない国は、滅びていきます。 政府は、言葉による非難だけではなく、現状の危機を正しく認識し、国民を守るための具体的な一手を打つべきだと思います。 北朝鮮ミサイル発射を助ける中露。次に来る核の脅威と日本の打つべき手とは。【前編】 2022.10.18 (9月7日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆北朝鮮のミサイル発射 9月下旬から10月上旬にかけて北朝鮮が次々にミサイルを発射しています。 特に10月4日に発射された弾道ミサイルは、青森県の上空を飛び超えて太平洋に落下しました。 日本の上空を通過したのは2017年9月以来、5年ぶりで、飛行距離は4600キロに達し、過去最長です。 これは北鮮から約3400キロの距離にあるグアムが射程圏内に入ったということであり、「いつでもグアムに撃てる」というアメリカに対する強烈なメッセージと言えます。 さらに、この2日後の10月6日にも、午前6時過ぎに弾道ミサイル2発が発射され、北朝鮮東岸付近と日本海に落下しました。(その後、北朝鮮は、9日未明に2発、14日未明に1発のミサイルを発射) いずれも日本のEEZ(排他的経済水域)の外側に落下したとのことですが、日本にとって脅威が高まっていることは間違いありません。 ◆北朝鮮ミサイル発射の背景 ここで強調しておきたいのは、日本の安全保障にとっての脅威は、北朝鮮のミサイル発射という単体の問題だけではないということです。 もはや北朝鮮のミサイルに対する対処だけを考えているのでは、問題の本質は見えません。 つまり、繰り返しミサイルを発射する北朝鮮の背後に、中国とロシアがいて、3つの核保有国が連携するかのような動きを取っています。 これにより、日本は中露北の、 」@―えいわゆる「三正面」を強いられる形になりつつあります。 日本は、台湾・沖縄の危機が目前だということで、中国の脅威には備えようとしてきました。 しかし、今年2月にウクライナで戦争がはじまり、日本はロシアと北朝鮮も同時に相手にしなければならなくなりました。 ところが、日本の政府もマスコミも「見たくない現実」をみない雰囲気になっています。 9月26日~30日まで、アメリカの原子力空母「ロナルド・レーガン」が参加する米韓合同軍事演習が行われ、30日には日本も加わりました。 これは北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の対応などを想定した演習で、アメリカの空母が参加する演習は2017年以来、5年ぶりでした。 そして北朝鮮は、この軍事演習のタイミングに合わせて、25日、28日、29日にミサイルを発射しました。 ◆北朝鮮が強気になれる理由 これまでも軍事演習に対するけん制とみられるミサイル発射はありましたが、演習の前後に少し日にちを外して行われてきました。 ところが今回、米韓軍事演習の真っただ中の29日、アメリカのハリス副大統領が韓国を訪れ、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領との会談で北朝鮮を非難し、さらに南北の軍事境界線を挟む非武装地帯も視察もするタイミングにぶつけてミサイルを発射しました。 以前には考えられないことで、アメリカがどれほど舐められているかが分かります。 そして、10月4日はグアムを射程圏内に入れていることをアピールするかのように、弾道ミサイルを通常軌道で発射しています。 北朝鮮がアメリカに対して、かつてないほど挑発的な態度に出ています。これは中国とロシアと示し合わせて行っている恐れがあります。 象徴的だったのは、5日の日本上空を飛び越えた中距離弾の発射に対して、国連安全保障理事会(15カ国)が緊急会合を開き、北朝鮮に対する「報道声明」を出そうとした動きに対して、中国とロシアが強く反対しています。 ちなみに、中国の外務省は北朝鮮のミサイルについて、米韓合同軍事演習などを行ったアメリカを非難するコメントを出しています。 (後編につづく) 日本企業で進む「脱中国」3つの理由【後編】 2022.10.05 https://youtu.be/yQ0bqUImVno 幸福実現党党首 釈量子 前編では、日本の製造業の「チャイナリスク」として(1)ゼロコロナ政策、(2)経済安全保障をあげました。 「チャイナリスク」の三つ目は、台湾有事です。 (3)台湾有事 今年秋の党大会では習近平氏が異例の3期目に入り、「偉大な領袖」と呼ばれた毛沢東に並ぶ「領袖」が公式に復活し、「人民の領袖」と呼ばれるのではないかと言われています。 習近平氏は一貫して「台湾再統一に際して、武力統一を排除しない」と明言しています。 米国下院議長のナンシー・ペロシ氏が訪台してから、人民解放軍による台湾海峡の中間線を超える挑発は常態化しています。 もし台湾有事が起きれば、日本は中国とは敵対関係になり、中国に進出している日本企業とその社員は人質に取られることも想定されます。 何年も積み上げてきた事業が台無しになるかもしれず、言いがかりをつけて、日本企業の社員が不当に逮捕されることも十分あり得ます。 中国経済の低迷が台湾有事を引き起こす可能性もあります。 中国のGDPは不動産市場が3割を占めます。しかし現在、不動産の売れ行きが減り、不動産価格も下落しています。 中国では7月以降、物件の引き渡しが遅れていることに抗議して、数千人規模で、マンション購入者が住宅ローンの返済を拒否しています。 日本と異なり、中国では購入契約を結んだ時点で頭金を支払い、物件の受け渡し前にローンの返済が始まります。 専門家の中には「中国経済はすでにマイナス成長に陥っている」と指摘する方もいます。 中国経済が著しく低迷し、成長の見込みがなくなれば、中国共産党による統治の正当性が揺らぎます。 そのような場合には、党の正当性を証明するために、台湾の武力統一に動く可能性が高まります。 いずれにせよ、台湾有事は「あるか、ないか」ではなく、「いつあるのか」と考えるべきです。日本企業が脱中国に動き、不測の事態に備えるのは賢明な判断だと思います。 ◆日本企業は国内回帰を! このように中国での事業リスクを感じて、中国から撤退しコストの安いインドやベトナム、マレーシアに生産拠点を移す企業が増えています。 例えば、アップルはすでにインドでiPhoneを生産し、今年6月にはベトナムでiPadを生産すると発表しています。 日本にとっては、日本企業の国内回帰を促したいところです。 特に、中国に生産を大きく依存している製品のうち、付加価値の高いものは日本に移転してほしいと思います。 資生堂やマツダなどの工場が日本に帰ってくれば、日本の地方経済が活性化するのは間違いありません。 ちなみに、米国では、トランプ政権の時に企業の国内回帰を促しましたが、バイデン政権も踏襲し、米国の雇用を創出しています。 つまり、共和党、民主党ともに国内回帰を推し進めています。 米国への国内回帰や直接投資によって、雇用は2019年以降右肩上がりになり、2022年には約35万人の雇用を生んでいます。 日本政府も日本経済をもっと良くするために、国内投資を増やすために努力しなくてはなりません。 今後も新型コロナの感染拡大や戦争のリスクがあることを考えると、地方経済をインバウンドのみに頼るのは危険です。 企業が地方で工場を建設し、社員を採用し、社員が生活すれば、立派な経済圏が誕生します。地方経済の基盤はもっと強いものになります。 ◆企業の国内回帰の課題 しかし日本企業の国内回帰を促すにあたって、大きなボトルネックがあります。それは、アジアの諸外国に比べて、日本の電力料金が高いということです。 日本企業の国内回帰を推し進めるためには、電力料金を抑え、安定した電力供給を確保しなくてはなりません。 そのために安全基準を満たした原発を再稼働させることが必要です。国内回帰をする企業の法人税を安くするという政策もあります。 円安が進んでいることも日本企業の国内回帰を促す理由になります。他にも考え得る対策を打って、このチャンスを生かすべきではないでしょうか。 すべてを表示する « Previous 1 … 3 4 5 6 7 … 25 Next »