Home/ 佐々木 勝浩 佐々木 勝浩 執筆者:佐々木 勝浩 幸福実現党 広報本部スタッフ 迫る北朝鮮ミサイル発射――北朝鮮の「核の刀狩り」を迫れ! 2012.04.08 韓国政府当局者は7日、北朝鮮が「人工衛星」打ち上げと称して発射を予告している長距離弾道ミサイルの1段目のブースター(噴射装置)が6日までに、北西部・平安北道にある東倉里(トンチャンリ)基地の発射台に設置されたことを確認しました。(4/7読売) 北朝鮮は12~16日の間を発射予告していますが、13日には、金正恩が最高指導ポストの国防委員長へ就任する最高人民会議があり、15日には金日成生誕100年の記念行事が予定されています。 以上の点から13日の「最高人民会議」と15日の「金日成生誕100年の記念行事」の間の14日、世界の報道陣を前にミサイルを発射、金正恩を北朝鮮の「将軍」として祭り上げる「祝砲」とするのではないかという見方もあります。(4/7 読売「北朝鮮ミサイル、14日発射有力」⇒http://goo.gl/apDrV) 北朝鮮の長距離弾道ミサイル試射は1998年にテポドン1号、2006年と09年にテポドン2号が行われました。そこから2つの教訓を見出すことが出来ます。 一つ目の教訓は、非常任理事国である日本が、国連で国際社会に北朝鮮に対する強い姿勢を訴えても、常任理事国である中国が北朝鮮をかばい、制裁決議を妨げて来た構図があります。 今回の場合も、日本の玄葉外務大臣は、中国で行われた日中韓三か国外相協議で、中国の楊潔チー外相に対し、中国が密接なパイプを持つ北朝鮮に、発射中止を働きかけるよう要請、「発射を中止させる」と強い言葉を引き出したとされます。(4/8 朝日⇒http://goo.gl/DNRcd) しかし、中国は北朝鮮を利用して日米韓を牽制しながらアジアの覇権を狙っているため、中国を通して北朝鮮のミサイルを封じることは事実上、不可能です。 国連を通して日本が北朝鮮のミサイル発射を封じ込める力を持つためには、日本は戦略的に「常任理事国入り」を目指す必要があります。 二つ目の教訓は、2006年7月、2009年4月の過去2回のミサイル発射後、数か月以内に「核実験」を行っているということです。 これは、ミサイルの性能と射程距離を誇示すると共に、「核弾頭」をいつでも搭載できる実力を持っていることを国際社会に知らせることが目的です。 ですから、ミサイル発射と核実験はセットで実行されることは間違いありません。既に、韓国情報当局者は8日、「北朝鮮が過去2回の核実験を実施した咸鏡北道・豊溪里で3回目の核実験を密かに準備している」ことを掴んだことを明らかにしています。 最近撮影した商業衛星映像を分析した結果、従来の二つの坑道以外に新しい坑道を掘削しており、工事が最終段階にあることが確認されています。(4/8 中央日報「北朝鮮で3回目核実験の動き=韓国情報当局」⇒http://goo.gl/4mq73) 北朝鮮のミサイル性能の向上と核弾頭の小型化成功が組み合わされば、「核武装国」としての脅威が増し、日本のみならず、アジアを不安定に陥れます。 こうした事態を受け、米韓両国は北朝鮮の内戦を想定して、韓国軍を直接北朝鮮内に10万人を投入する米韓軍合同演習(キー・リゾルブ)を2月末から3月初めに実施しました。(4/6 朝鮮日報「韓米両国、北の内戦を想定し初の訓練」⇒http://goo.gl/vWbZg) 米軍が関わって韓国軍の北朝鮮直接投入を想定した訓練は初めてのことです。 訓練は金正恩体制移行期の不安定化した情勢にあって内部の分裂と強硬派の抵抗を想定したもので、米韓軍としては、核開発にまで踏み出している北朝鮮をいかに管理するかを課題としています。(4/7 産経) これに抗する意志表示なのか、北朝鮮は3月29日、2発の地対艦ミサイルとみられるミサイルを西部沿岸地域から発射しました。これを見ても、北の3回目のミサイル発射、3度目の核実験の流れは避けられないものと考えられます。 日本外交の方向性としては、北朝鮮と裏で同盟関係にある中国にどんな働きかけをしたところで効果はなく、米韓と連携し、外交的・軍事的包囲網によって、北朝鮮の「核の刀狩り」を迫るべきです。 そのためには、日本は憲法9条改正、若しくは集団的自衛権の行使を認めるための憲法9条解釈の見直しが急務です。 日本は「国家の気概」を取り戻すか、それとも、座して国家の滅亡を待つのか、「最終の分岐点」に立っていると言えます。(文責・佐々木勝浩) 北朝鮮ミサイル迎撃態勢の問題点――日本は北朝鮮の「核の刀狩り」を目指せ! 2012.04.01 4月に入り、北朝鮮のミサイル発射が近づき、日本の国防体制の緊張が高まっています。 北朝鮮が4月中旬に「人工衛星を打ち上げる」と予告していることを受け、30日、田中防衛大臣は、一部が日本国内に落下する場合に備えてミサイル防衛システムで迎撃する「破壊措置命令」を発令しました。(3/30 NHK「破壊措置命令で自衛隊展開へ」⇒http://goo.gl/FbsCf) 地上配備型の迎撃ミサイルPAC3の部隊は、予告された飛行コースに近い沖縄県内の那覇市と南城市の航空自衛隊の基地と宮古島、石垣島の4か所に展開します。 迎撃ミサイルSM3を搭載したイージス艦3隻が来週以降、日本海や沖縄周辺の東シナ海に展開する計画です。 さらに、首都圏に落下するおそれが出てきた場合に備えて、東京・市ヶ谷の防衛省と朝霞訓練場、習志野分屯基地の3か所にもPAC3を展開します。 今回の破壊措置命令は、2009年4月、北朝鮮が人工衛星の打ち上げと称してミサイルを発射した際と同じように、破片が日本に落下した場合に迎撃するというものです。 この迎撃は、本来、超高速で落下してくる核弾頭を迎撃するというミサイル防衛システムとは異なる使い方をすることになります。 この迎撃における最大の問題点は「破片を打ち砕いても、破片が細かくなるだけで根本的な解決にはならない」ということにあります。 また、PAC3については、射程は上空20キロで、しかも、真上にしか打ち上げられず、専門家は「PAC3の真上から落ちてこないと命中しない」と指摘しています。(4/1 スポニチ「北の『衛星』迎撃準備進むも…確率『0%』!?」⇒http://goo.gl/GlhbQ) なお、日本政府は3月25日、発射情報を自治体に速報する「Jアラート」(全国瞬時警報システム)を活用する方針を固めていますが、これにも課題があります。(3/26 産経「Jアラートで即時通報へ 発射確認後1、2秒で自治体に」⇒http://goo.gl/ikUHn) 落ちてくる破片から身を守るためには、警報が出されてから破片を避けるためには丈夫な建物内に素早く避難する必要がありますが、これに対する日本政府の事前の取り組みは甘いと言わざるを得ません。 日本政府は、このような事態に際して統一した枠組みを定め、沖縄県民に周知徹底させ、事前に訓練を重ねる必要があります。日本は政府も沖縄県庁も「平和ボケ」の極致にあります。 また、先日のソウル核安全保障サミットは、日本側から北朝鮮の核問題に言及する絶好の機会でした。にも関わらず、野田首相は、国民を苦しめる消費税増税に自らの政治生命を賭けるのみで、日本の首相として、現在の日本が置かれている状況を全く理解していません。 野田首相の頭の中は「国民を守ろう」という国防の意志が欠けており、「国民から税金を搾り取ろう」という考えのみが支配しているようです。 民主党政権に真に国民の生命と財産を守るという意志があれば、まずなすべきことがあります。それは消費税増税などでは決してなく、「北朝鮮の核兵器の脅威を取り除く」ことです。 日本は迎撃体制を整えつつも、米国、韓国、ロシア等とも連携し、外交上の圧力を強め、「北朝鮮の核の刀狩り」を実施すべきです。それが、日本国民の生命・安全・財産を守り抜く最後の砦(とりで)となるのです。(文責・佐々木勝浩) 宗教政党の役割と使命 2012.03.25 ローマ法王ベネディクト16世が26日から3日間の日程でキューバを訪問します。 法王は訪問に先立ち、「マルクス主義は時代遅れだ」と言明し、国際社会が望む開かれた国家を構築する必要があると強調。キューバ訪問の際にラウル・カストロ国家評議会議長にも抜本的な社会改革を迫ると見られています。(3/25 産経「ローマ法王、あすキューバ訪問政府に『脱マルクス』促す」⇒http://goo.gl/64L3s) 遅きに失したとは言え、今回、ローマ法王がマルクス主義を国家の中枢に据えてきたキューバを批判し、抜本的な社会変革を直接求めることは、一定の評価ができます。 本来であれば、バチカンにはマルクス主義の思想が席巻することを見抜き、150年前に「マルクス主義の間違い」を正す役割があったといえます。 宗教もある程度の規模に成長していけば、当然、社会的責任が生じ、何が世界の人々を幸せにしていくのかを社会に問い、行動し、良き社会へと導いていく責務があります。 宗教が政治に進出したり、宗教が政治や経済について言及することを批判する方々もいらっしゃいます。また、日本には「宗教と政治は分離すべきだ」という“政教分離”に対する根本的な誤解があります。 ※「政教分離」規定とは、国家による宗教への介入を禁止する規定であり、宗教が政治に関わることを禁止する規定ではないというのが政府の公式見解です。(参照:内閣衆質六三第二号;一(2)⇒http://goo.gl/XLj86) 政府が悪い政治を行ったならば、宗教が人々を救おうとしても、救えないことが数多く出て来ることになります。だからこそ、宗教が予防的に政治や経済、外交、安全保障、教育等の間違いを正そうとしているのです。 例えば、幸福の科学では「自殺を減らそうキャンペーン」を行っていますが、「政府の失策によって不況をつくられ、工場や会社をたくさん潰されたら、自殺を防止したくても防止のしようがない」というのが実際のところです。 デフレ期に増税を行えば、倒産やリストラ、失業の山になり、食べていけない人が大量に出てきます。その結果、自殺者が急増することは避けられません。 実際、消費税増税した翌年の98年には自殺者数が約35%も急増し、以降、自殺者は毎年3万人を超える高止まりの状況が続いています。(参照: 『増税亡国論』幸福実現党発行⇒http://goo.gl/gvPx2) だからこそ、幸福実現党は「世直し」運動の一環として、消費税増税に強く反対し、行動しているのです。 外交についても同じです。ローマ法王がキューバに対してマルクス主義の間違いを指摘し、社会改革を迫るのと同様、日本は、中国に対して、マルクス主義を捨て、言論の自由、表現の自由、信教の自由等を認め、「開かれた民主的な国家」を建設するよう促すべきです。 それが、中国人民の真の幸福、解放に繋がり、結果的に日本やアジア全体の平和と安定にも繋がっていくのです。 いずれにしても、幸福実現党は「宗教政党」として、国民が将来的に不幸にならないよう、強い信念と行動力、使命感に基づき、消費税増税断固阻止や安全保障強化を実現していく所存です。 国難を乗り越えるべく、幸福実現党の政策や活動について、ご理解、ご協力を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。(文責・佐々木勝浩) 【国難到来】中国の武力による尖閣・沖縄侵攻が始まった! 2012.03.18 3月16日、北朝鮮は、故金日成主席の100回目の誕生日にあたる4月15日に、地球観測衛星(長距離弾道ミサイルと見られる)を南方に向けて打ち上げることを発表し、東アジアの安全保障に極めて大きな衝撃を与えました。 これと機を一にして同16日、沖縄・尖閣諸島沖の日本の領海に中国国家海洋局所属の巡視船「海監50」と「海監66」の2隻が侵入しました。 巡視船が航行目的を尋ねた際、海監50は「魚釣島を含むその他の島は中国の領土だ」と応答。電光表示にも日本語や中国語、英語で同内容を表示しました。(3/16 産経「中国船、日本の領海内に一時侵入 尖閣沖」⇒http://goo.gl/b4ZCv) この2隻は17日、東シナ海の日中中間線に隣接するガス田周辺に移動し、他の巡視船4隻と合流し、巡視船6隻に巡視ヘリも加わって海空合同訓練を実施しました。(3/17 読売「尖閣の次はガス田、侵入中国船が領有主張の訓練」⇒http://goo.gl/wRHGD) 中国の国家海洋局はホームページ上で17日、尖閣諸島付近での行動について「我が国の主権と管轄権を示すことができた」と主張しており、「中国の領有、管轄する海域であると既成事実化する」ことが狙いと見られています。(同上) 北朝鮮のミサイル発射の発表と、中国巡視船の尖閣海域領海侵犯が重なっている点も、中国と北朝鮮が同時多発的な行動で、日本を攪乱させる意図が見て取れます。 それに加えて、中国が「尖閣領海の侵犯」と「ガス田付近での海空合同訓練」を断行した、もう一つの理由として、以下のことが考えられます。 民主党政権は3月2日、尖閣諸島海域を含む日本の排他的経済水域(EEZ)の基点でありながら名称がなかった39の離島に付けた名称を公表し、日本の主権を主張しました。 しかし、これに対抗して中国政府は翌3日、尖閣諸島の周辺を含む71の島に命名したと発表。「釣魚島と付属の島は中国固有の領土」と改めて強調しました。 これに対して日本政府は、国内、対中国、そして海外に向けて「尖閣諸島が歴史的にも法的にも紛れもない日本固有の領土」であることを主張すべきでしたが、民主党政権は全く無反応で、国際的には日本は中国の主張を認めたと見られかねません。 また、3月初め、中国人民解放軍の羅援少将が「釣魚島が、われらの島礁であるからには主権を行使する」と宣言。「武力による尖閣強奪」を示唆しています。(3/5 夕刊フジ「中国軍幹部が衝撃発言!日本の領土“尖閣”を武力で強奪」⇒http://goo.gl/aEavD) さらに羅少将は「われらの軍用機、軍艦は適切なタイミングで魚釣島附近へ到着する必要がある」「日本がもし釣魚島に強行上陸をするなら中国は強行軍事手段を採ることができる」と続け、「釣魚島附近で軍事演習を行う必要がある」と語っていました。(同上) その軍事演習の手始めが、今回の尖閣諸島沖での巡視船「海監50」と「海監66」の領海侵入であり、シナ海ガス田の周辺での空合同訓練の実施です。 中国の「武力による尖閣・沖縄侵攻」が始まったのです。 このまま「中国が押せば引く」を繰り返している民主党政権に任せていては、中国による日本侵略を誘発するだけです。いや、民主党は、明らかに「中国による日本侵略」を手引きしていると言わざるを得ません。 緊迫する東アジア情勢の中で、北沢、一川、田中と三代続けて、無能な素人防衛大臣(特に田中氏は極度の「親中派」として知られている)を配置していること自体、野田首相を含め、民主党政権が中国と内通している証左であります。 また、憲法改正を放置し、国防をここまで弱体化させて来た自民党も腐り切っており、幕末期の幕府と同じく、既存の政党では日本を守り抜くことは不可能です。 私たち幸福実現党は「日本を守ることができる唯一の保守政党」として、本格化する中国、北朝鮮による武力侵攻から断固、日本を守り抜いていく所存です。(文責・佐々木勝浩) 全国人民代表大会に見る中国の今――中国国民の不満は確実に増大中 2012.03.11 5日に開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)では、中国の経済成長戦略の方向転換に関して注目が集まっています。 注目は、温家宝首相は政府活動報告(所信表明演説にあたる)の中で、2012年の経済成長率の目標を、昨年までの8%前後から7.5%に引き下げると表明したことです。(3/5ロイター「中国政府活動報告および財政省報告の骨子」⇒http://goo.gl/2tY1G) 今回の政府活動報告で特に重点が置かれているのは、これまでのような成長路線ではなく、これまで光が当てられていなかった部分に対策を施していることです。 経済成長率を7.5%に抑えた理由は、経済成長を若干抑えてでも、中国の国民生活を苦しめている物価の上昇率の抑制する必要があったためです。 また、教育や農村支援に費やす費用も増えています。これは、都市部と農村部との経済格差を解消することは容易なことではないことの表れであると考えられます。 このような物価上昇や格差問題に起因し、中国国民が抱いている不満は非常に大きいものがあります。 そして、何よりも深刻なことは、中国共産党幹部の不正が横行していることです。 この問題に対処するために、中国共産党中央は2010年1月18日、腐敗行為を押さえ込むことを目的に幹部を対象とする「廉政準則」を発表しており、2011年12月までに幹部党員4万4150人が3億8600万元(約47億6517万円)分を差し出しています。 しかし、これらは比較的軽微な不正であり、「氷山の一角」に過ぎません。今後、この問題が中国の根幹を揺るがす問題となりかねません。 実際、広東省の烏坎(うかん)村では、約40年間にわたりトップに君臨し続けた共産党村支部書記が村の土地使用権を勝手に売却し、選挙で不正を繰り返すなどして住民の不満が爆発。 村民は独自の自治組織を作ったり、抗議デモが繰り返された結果、幹部を選ぶ選挙が実施されました。(3/4 毎日「中国:腐敗追及の村、今度は自主村長選 広東省政府も容認」⇒http://goo.gl/RCxcA) この烏坎(うかん)村のケースは特殊な例ですが、こうした不正の横行に対する国民の憤りが「民主化」を促す予兆を感じさせます。 こうした事態を受け、全国で治安対策として警察などに投じられる「公共安全」の予算が前年比11.5%増となる7017億元(約9兆1221億円)となり、国防予算(6702億元)を2年連続で上回っています。(3/5 読売⇒http://goo.gl/Je9NV) 公安予算の増加は中国共産党が「自らの敵は国外ではなく、国内にある」と認識していることの何よりの証拠です。 現在、中国は国内において起こっている民主化運動や少数民族の独立運動、テロ事件を圧倒的な警察力を投入して封じ込める方針をとっています。中国政府は、こうした事態が農村や都市部でも頻繁に起こると見ているのです。 中国に存在する経済格差や不正の横行などの問題が、中国の国民の意識を徐々に「覚醒」させていることは事実です。 そのことが、中国共産党政権の「終わりの始まり」になる可能性は十分にあります。(文責・佐々木勝浩) 「米朝合意」の行方と日本の取るべき道 2012.03.04 2月29日にアメリカと北朝鮮が核開発問題で一定の合意に達し、両国が合意内容を同時に発表しました。 北朝鮮は核開発とミサイルの発射を一時停止し、国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れる代わりに、アメリカから24万トンの栄養補助食品を受け取るというものです。 北朝鮮は兵士も栄養失調になるほど、食料が不足しており、EUをはじめ、ロシア、中国、韓国に対して6か国協議への復帰をにおわせながら、2国間協議で巧みに食糧支援を引き出してきました。 アメリカに対しても、韓国を仲立ちとして食糧支援の交渉を持ちかけていましたが、当初、アメリカは北朝鮮の食糧支援を拒否する姿勢を示しいました。その状況が動いたのは昨年末、金正日死去の直前のことです。 アメリカ大統領選挙を目前に控えるオバマ政権が、極東問題でも何らかの成果を出すために、北朝鮮側の要求を受け入れたのではないかと推測されます。 アメリカがこれまで北朝鮮の支援に慎重だった理由は、1994年、元カーター大統領が北朝鮮の核開発を止める交渉を行い、それと引き換えに北朝鮮に対して支援を約束しましたが、その後、反故にされた痛い過去があるからです。 また、2000年代に入って6カ国協議でも合意した食糧支援やエネルギー支援を行った後にも約束を反故にされ、核開発を止めなかったことは記憶に新しいところです。 このように、今回の米朝合意も反故にされる可能性は高いと言えます。その証拠に、今回の米朝合意において、米朝との間で食い違いが露呈しています。 北朝鮮は発表の中で「米国は北朝鮮を敵視せず、2国間関係改善の準備があることを再確認」し、「実りある協議がある間」は、交渉に応じるという姿勢を示しています。(3/1産経「北朝鮮外務省の発表要旨」⇒http://goo.gl/po919) つまり、食糧支援を引き出した後、北朝鮮が「米国は北朝鮮を敵視した」「実りある協議ではない」と判断すれば、いつでも態度を変える余地を残しているのです。 今回の北朝鮮の決断の背景には、北朝鮮が総力を挙げる4月15日の金日成主席生誕100周年を前に、米国からの食糧支援に一定の目処をつける一方、6カ国協議の再開に結びつけ、体制の根幹に関わる経済立て直しへ道筋を付ける思惑があると見られています。(3/1 産経「“丸のみ”で経済再建 北朝鮮、反古の懸念も」⇒http://goo.gl/cchm7) 北朝鮮にとって、核兵器は「フードスタンプ」のようなもので、核兵器で脅せば、いくらでも食糧支援や経済支援を引き出すことができます。 今回の米朝合意について、野田首相は「歓迎している」と発言していますが、今回の合意によって、日本にとっての脅威が取り除かれた訳ではありません。野田首相は余りにも危機意識が欠けていると言わざるを得ません。 北朝鮮が150~300基ほど実戦配備していると言われているノドンミサイル(1,000~1,300km)は核弾頭を搭載することが可能であり、なおかつ日本の任意の地域を攻撃することが可能にあります。 野田首相は、自ら北朝鮮問題を解決する姿勢を示さず、ただその解決を中国やアメリカに委ねるのみで、核・ミサイル開発阻止、拉致被害者救出に向けた日本政府の具体的努力の跡は見られません。 日本は、北朝鮮を裏で支える中国を牽制しつつ、アメリカや韓国となど協力体制を築き、北朝鮮の核兵器の放棄、つまり「核の刀狩り」を目指して積極的に行動すべきです。安易な食糧援助は金正恩体制を強固にするだけです。 北朝鮮新体制が固まらない今こそ、北朝鮮問題解決の絶好のチャンスであることを忘れてはなりません。(文責・佐々木勝浩) 原発全基停止目前!政府は原発の再稼働に向けて全力を尽くせ! 2012.02.26 関西電力高浜原子力発電所3号機が、定期検査のため、原子炉を止め、関西電力の原発11基全て停止しました。元々、関電管内は、原発の電源比率が約4割を占めていたため、「脱原発」の影響は大きいと言えます。 京都商工会議所の立石会頭(オムロン名誉会長)は、関西電力の全原発が停止することに関して「今夏のピーク時には25%の電力が不足する恐れがあるという関西電力の説明通りなら、原発を再稼働させなければ、多くの電力を使用する製造業を中心に産業界への影響は必至である」とのコメントを発表。産業界からも悲鳴が上がっています(2/20時事) 同原発が止まったことにより、現在、全国で運転中の原発は54基中2基のみとなり、今後、運転を再開する原発がなければ、残る2基を含め、4月下旬には国内全ての原発が止まることになります。 政府のエネルギー・環境会議が昨年7月にまとめた予測では「原発ゼロ」の場合、沖縄県を除く全国で今夏に9.2%の供給不足が生じる見込みです。(2/20日経) このまま原発の再稼動がなければ、企業の競争力低下、電気代の値上げ、電力コスト高による企業の海外移転や産業の空洞化、不況の深刻化等は避けられません。 日本エネルギー経済研究所は、国内の原子力発電所すべてが停止した場合、2012年度のGDPを最大3.6%(20.2兆円)押し下げ、電力不足が国内産業の空洞化を加速させることで失業者数も19万7000人増加するという危機的な予測を発表しています。(2011/7/29読売) また、火力で原発1基分の発電をすると、1日に2億円前後の燃料代がかかります。約50基では100億円です。原発を再稼働させれば必要のなかった100億円の国富が毎日、消える計算で、1年だと3兆円を超える国富が流出します。(2/24 産経⇒http://goo.gl/Jt80S) この状況が続けば、もともと高い電力料金はさらに値上げされ、企業のコスト競争力は低下、家計への負担も重くなります。 また、厚生労働省統計によると、昨年2011年の熱中症による死者は、厚生労働省統計によると1718人で、熱中症の統計を取り始めた昭和39年以降で過去最大でした。夏の節電が国民の健康を害していることは明らかです。 こうした事態を受け、枝野経済産業相は24日、BS朝日の番組収録で、停止が相次ぐ原子力発電所について、「今の電力需給状況では稼働させていただく必要がある」と述べました。枝野氏が再稼働の必要性に言及したのは初めてのことです。(2/24読売⇒http://goo.gl/7WPXG) 枝野氏はその根拠として、「再稼働がなければ(今年夏は)相当な節電が必要になる」と述べ、火力発電燃料の負担増で電気料金も「5%とか10%とか15%とかいうレベルで上がる」と指摘し、国民生活や経済活動への悪影響を避けるには、再稼働が避けられないとの認識を示しました。 しかし、野田首相は24日、内閣記者会とのインタビューで、原発再稼働の是非について「原子力規制庁ができる前に駆け込み的に判断することは基本的にあり得ない」と述べ、慎重姿勢を明らかにしており、再稼働を巡る閣内の不統一が目立っています。 消費税増税にうつつを抜かし、原発再稼働問題を放置している野田首相は「エネルギー安全保障」を軽視していると言わざるを得ません。 日本はこれまで総発電量の3割を原発に依存していました。緊迫化するイラン情勢をめぐり、日本のタンカーの9割が通過しているホルムズ海峡が封鎖されるような事態に至れば、日本の化石燃料輸入が途絶し、電力供給が滞る危険性も指摘されています。 政府は今回の事故から可能な限りの教訓を学び取り、責任を持って、安全性を確認できた原発から迅速に再稼働を進めるべきです。(文責・佐々木勝浩) 日本政府は北朝鮮の「核の刀狩」を目指せ! 2012.02.19 北朝鮮が、核実験やミサイル発射を行う可能性が出てきました。 韓国国防省高官が17日、北朝鮮が3度目となる核実験や、弾道ミサイル発射を行う可能性について「1~2カ月程度の追加的な準備をすれば(実施が)可能な状態を維持している」と述べたことが報じられています。(2/18 産経→http://goo.gl/zUwt4) その背景には、北朝鮮の内部事情があります。金正恩氏の父親である金正日氏が権力を継承した際に「遺訓統治」がなされました。「遺訓統治」とは北朝鮮独特の政治手法です。 主体思(チュチェ)想の創始者として権威づけられている金日成主席が1994年に死去して後も、その地位に留めておき、金正日氏自身は一歩下がった国防委員長という立場に就くことで、金日成主席の偉大な権威を利用しながら、北朝鮮を実質的に統治する政治手法です。 金正恩氏も「金正恩時代」の幕開けに際し、「遺訓統治」を行うことで、権力固めを行うことはほぼ確実であると見られています。(2011/12/22 聯合ニュース「北朝鮮が『正恩時代』宣言遺訓統治示唆=党機関紙」→http://goo.gl/gxzv9) しかし、父親の金正日総書記が権力を継承した時に比べて、息子の正恩氏は実績を積み上げておらず、そのことが権力継承を確立する上での不安要因になっています。 冒頭の報道のように、「金正恩時代」の幕開けを華々しく告げるべく、今年の4月15日、北朝鮮の最大の祝日とされる「太陽節」に合わせて、ミサイル発射ないしは核実験を強行する可能性は十分にあると言えます。 では、国際社会が北朝鮮のこのような状況を許してきた理由は一体何でしょうか。それは、主に「地政学」的な理由から来ています。 内陸部国家の「ランドパワー」と海洋国家の「シーパワー」のぶつかる大陸周縁地域「リムランド」(極東、西欧、中東)では、紛争が起きやすい状況があります。 第二次世界大戦が終結して以降、自由主義国と共産主義国との冷戦が始まりました。その争いの中で朝鮮半島を2つに分けた朝鮮戦争が1950年に起きました。 朝鮮半島は、ユーラシア大陸におけるリムランドの代表的な地域の一つであり、ソ連や中国(ランドパワー)のような大陸国家と、アメリカのような海洋国家(シーパワー)に挟まれた地域です。 このような地域は、大陸国家と海洋国家が争う地域であるために大陸国家と海洋国家が直接対決をしないようにクッションである国家を置いて互いを牽制し合っています。 北朝鮮は、大陸側に位置しているので大陸国家である中国やロシアの支援を受けており、一方、韓国は海側に位置しているので海洋国家であるアメリカや日本の支援を受け、それぞれが互いに牽制し合っているという構図になります。 日本、アメリカ、中国、ロシア、韓国が参加し北朝鮮をどうするかについて6か国協議で話し合ってもなかなか解決しない理由はここにあります。 そうした地政学的環境の中にあって、北朝鮮は自国の生存を確実なものとするために、上手く立ち回り、核兵器と弾道ミサイルを開発し、脅迫的な「瀬戸際外交」によって、食料支援などの物資を引き出して来ました。 このような均衡状態から脱し、北朝鮮の「終わりの始まり」をもたらし、北朝鮮の圧政から北朝鮮の人々を解放するためには、直接的脅威を受けている日本こそが現状打破を仕掛けていく必要があります。 特に、日本は拉致問題を抱えており、金正恩新体制が固まらない今こそ、同胞を救うチャンスであることを忘れてはなりません。 そのためには、米国はもちろんのこと、韓国、ロシアとも連携し、北朝鮮の核開発に対して制裁を含めた強い圧力をかけ、核兵器の完全廃棄を目指した「核の刀狩」を進め、体制変革へと追い込んでいく必要があります。 しかしながら、野田・民主党政権は、大増税で国力を削ぐことのみに終始しています。隣国の「核武装国家」誕生を黙認する無策無能な野田政権は即刻、退陣すべきです。(文責・佐々木 勝浩) 民主党の「年金改革」案は壮大な「年金詐欺」である。 2012.02.12 【最低保障年金は「年金詐欺」】 2月10日、民主党は月額7万円の「最低保障年金」を柱とする「年金抜本改革」の財政試算を公表し、2075年度に必要な税財源は、野田政権が目指す「消費税率10%増税」に加え、更に最大7.1%の引き上げが必要となることが判明しました。 野田首相は、国民からの反発を恐れ、「年金抜本改革」に関する「財政試算」を公表することなく、国民に対して増税の重荷を背負わそうとしていました。今回、野党側の批判を受けて公表したものです。 公表を受けて、野田首相は「党調査会幹部の政策検討用の参考資料であり、民主党として決定したものではない」と釈明。野党側は「無責任だ」と反発を強めています。 そもそも、民主党の「最低保障年金」は「無年金者、低年金者を全て救済する」ことを掲げていますが、そのような夢のような制度が成り立つのでしょうか? 現行の「基礎年金」(満額月6万6千円)は加入者だけが対象で、財源は税と保険料で折半する仕組みですが、民主党の「最低保障年金」は、ほとんど収入がなかった人も含む低所得者に支給し、その財源は全て税金となります。 しかし、最低保障年金月額7万円を満額を支給するのは、現役時代の平均年収が300万円以下で、それを超えると減額され、600万円超で最低保障年金の支給額がゼロとなります。 すなわち、中高所得者の年金受給は高い消費税を支払い続けた上、年金支給は大幅に減少するのです。 更に、野党からの「最低保障年金はいつから全額支給されるのか」という質問に対し、小宮山厚労相は「40年後です。マニフェストの段階で説明できていなかったことは申し訳ない」と答えていました。(2月10日衆院予算委員会) すなわち、今の現役世代の大多数は「最低保障年金」の恩恵に預かることはできないにもかかわらず、先に消費税を大幅に増税し、しっかり多大な負担だけを押し付けるのが民主党の「年金改革」の狙いなのです。 今回、民主党の「年金改革」案は、大増税によって国民の財産を略奪しつつ、多くの国民の年金支給が減らされる「年金詐欺」であることが明らかになりました。 【今こそ必要な国民の「自助努力の精神」】 そもそも、年金とは「年金保険」の略であり、「保険」という名が示すように、保険料の掛け金に見合った支給が原則ですが、「最低保障年金」は、この原則を完全にぶち壊す壮大なバラマキに過ぎません。 年金問題の抜本解決のためには「国民の意識改革」が必要です。 かつてケネディ大統領は、米国国民に対してこう呼びかけました。 「祖国があなたに何をしてくれるかを尋ねるのではなく、あなたが祖国のために何をできるか考えて欲しい」と。 国からもらうことを求める国民が増えれば、どんな国家であっても必ず衰退の道を歩むことになります。 増税とバラマキが無限に拡大していけば、社会主義と同じく、努力する者が報われず、誰も努力しない社会になるからです。 逆に、国家に対して自分は何ができるかを自らに問い、社会に貢献する国民が多くなれば、国家は発展繁栄していきます。 日本の明るい未来を築いていくためには、国に生活を保障してもらう「もらう側の人間」ではなく、国の発展のために「与える側の人間」が増えていく必要があるのです。 国民が政府に依存しなくなれば「減税」が可能になり、「無税国家」が近づきます。問題の本質は「国民の意識」にあります。 国に依存するのではなく、自助努力によって自らの未来を切り拓いていく。そうした「国民のマインドシフト」がなされた時、日本の明るい未来は必ず拓かれるのです!(文責・佐々木勝浩) 中国海軍が沖縄・宮古島海域を通過、沖ノ鳥島近海で軍事演習へ 2012.02.05 2月3日、中国海軍のフリゲート艦計4隻が沖縄・宮古島の北東約110~130キロの海域を通過しました。これについて各報道機関は「通過した海域は公海上」と報道していますが、この表現には間違いがあります。 沖縄本島と宮古間の海域は日本の「排他的経済水域(EEZ)」であり、「排他的経済水域」は「公海」には含まれないからです。 「国連海洋法条約」第57条によれば「排他的経済水域」は沿岸から200海里(約370km)の範囲です。沖縄本島と宮古島の距離は157海里(290km)で、同海域は、明らかに日本の「排他的経済水域」に含まれます。 「公海」とは「国連海洋法条約」第86条に「いずれの国の排他的経済水域、領海若しくは内水又はいずれの群島国の群島水域にも含まれない海洋のすべての部分に適用する」とある通り、「排他的経済水域」は「公海」には含まれません。 したがって、沖縄本島と宮古間の海域が「公海」とする報道は明らかに間違っています。 昨年11月に中国海軍の艦艇6隻が同海域を通過した際も、防衛省は「公海上のため国際法的に問題はない」としています。 政府やマスコミのこうした誤った認識や発表は、「公海の通過だから抗議できない」という政府の弱腰姿勢をもたらすと共に、中国海軍にフィリピン~台湾~沖縄~九州を結ぶ「第1列島線」を突破し、西太平洋へと進出する「お墨付き」を与える愚かな行為であります。 2009年6月に、中国海軍が初めて西太平洋の沖ノ鳥島近海で軍事演習を行って以降、一昨年、昨年と軍事演習の回数も増し、その規模も大きくなっています。 2011年6月には、11隻から成る中国海軍艦隊が同海域を抜けて西太平洋に進出。沖ノ鳥島から米軍基地のあるグアム島に至る海域で、大規模な軍事訓練・演習を行いました。 今回も中国海軍の西太平洋での軍事演習が、沖ノ鳥島近海の公海上で行われることは間違いありません。 こうした中国海軍の軍事演習や尖閣諸島沖中国漁船衝突事件等は、過去、民主党代表選挙など政治的混乱のタイミングを狙って行われて来ました。 現在、沖縄では宜野湾市長選の真っただ中にあり、その争点は「米軍基地移設問題」です。中国海軍は、そうしたタイミングを狙って、中国海軍を西太平洋に派遣しているのです。 しかし、民主党をはじめとする既存政党の中に、中国海軍の動きについて指摘し、抗議する政治家はいません。それを良いことに、中国は西太平洋での軍事演習を常態化させています。 こうした中、今年は、昨年よりも西太平洋上での中国海軍の動きは活発になることが予測されます。 経済のみならず、国防においても素人である民主党政権に、もう日本の未来を託すことはできません。日本に国難が迫る中、もはや既存の政党では、この国を守り抜くことはできないのです。 今こそ、「幸福維新」の時です。私たち幸福実現党は野田・民主党政権を倒閣し、次の選挙で「救国」政権を打ちたて、必ずや「危機に立つ日本」を建て直して参ります。(文責・佐々木勝浩) すべてを表示する « Previous 1 … 18 19 20 21 22 Next »