Home/ 黒川 白雲 黒川 白雲 執筆者:黒川 白雲 前・政務調査会長 小学生のような答弁を繰り返す安住財務大臣――日本財政はギリシャ化しない! 2012.07.20 18日から参議院の社会保障と税の一体改革特別委員会で、消費税増税について厳しい追及が始まっています。 19日、消費税をめぐる参院の審議で、安住淳財務大臣が新聞の社説を根拠に増税の必要性を訴えました。(7/20 J-CAST 安住財務相「主要新聞社の社説がみんな『消費税上げろ』と言っている」⇒http://www.j-cast.com/2012/07/20140133.html) 野党議員が「現場の為替ディーラーが『今、消費税を上げる必要はない』と言っている。そのことが、なぜ軽んじられるのか」と安住氏を追及したのに対して、 安住大臣は「じゃあ逆に、日本の主要新聞社の社説を含めて論評は、なぜみんな『消費税上げろ』と言うのか。そういう世論は大きいのではないか」 「新聞社だって、商売を考えたら反対(主張)でやった方が売れるかも知れないのに、しっかりそこは消費税上げて(民主、自民、公明)3党でやるべきだという社説がある」と反論しました。 結局、安住大臣は「新聞の社説に書いてあるから」という小学生のような回答しかできませんでした。「無能大臣、ここに極まれり」です。 財務大臣自身が、財務省と癒着している大新聞の社説を信じて増税しようとしているのですから、全てが「茶番」だと言えます。 また、安住大臣は「今回の消費税率の引き上げは第一歩だ。その後、歳出の削減と税収を上げる努力をしていくが、それでも足らない分は、税の負担をどうお願いするか、設計を示さないといけない」と述べ、更なる消費税増税を目論んでいることを漏らしました。(7/20 NHK「財務相“消費税 再増税の検討も”」) 安住大臣は、もはや「財務官僚の言いなりのロボット」であることを自白したようなものです。 安住氏の持論は「(国の借金は)1000兆円を超える。このまま積み上げていけばギリシャのように生活や経済を直撃する」(1/12 記者会見)ですが、これは菅直人氏や野田首相が財務相時代に財務官僚に洗脳されたのと同じロジックです。 実際には、ギリシャ危機は付加価値税(日本の消費税に相当)増税とバラマキ政策が元凶です。(6/21 フジサンケイビジネスアイ「ギリシャ化の始まりを告げる『消費増税採決』」⇒http://utun.jp/HG8) ギリシャは、付加価値税率を引き上げては年金など社会保障支出を増やし、バラマキ政策を行ってきました。その結果、2006年の増税以降、プラスだった経済成長率がマイナスに転じ、対外債務を増やしています。 また、イタリアが昨年9月に付加価値税の税率を引き上げて以降、同税の受取額は減少。4月末までの1年間の徴収額は2006年以降で最低に落ち込みました。(6/13 ブルームバーグ「イタリアの増税が裏目に、付加価値税収減少」) 結局、「消費税増税しなければギリシャ化する」のではなく、「消費税増税がギリシャ化を招く」のです。 また、野田首相や安住財務相や財務官僚が言う「財政破綻の危機」も完全な嘘であり、増税のためのロジックに過ぎません。 債券ファンド世界最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は、日本が将来的に財政破綻する「確率はゼロに近い」とみています。(6/29 ブルームバーグ「PIMCO:財政破綻リスクほぼゼロ、円債に魅力」) ピムコジャパンの正直知哉氏は「政府は徴税権を持っているので、民間部門のバランスシート(資産・負債状況)も合わせて考えるべきだ」と指摘。日本には長年の経常黒字で積み上げた世界最大の対外純資産があるため、「将来的に経常赤字基調になってもバッファーがある」と説明しています。(同上) 世界的なベストセラーとなった『国家は破綻する』(ラインハート・ロゴフ著、日経BP社、2011年)によれば、いわゆる「デフォルト」や「ソブリンリスク」は「対外債務(外国に対する(多くは)外貨建ての借金)」が原因となって起こることが示されています。 日本は「財政赤字(大半が対内債務)」はあっても「対外債務国」ではなく、むしろ日本は21年連続で世界最大の対外純資産を持つ「債権大国」です。(5/22 読売「日本の対外純資産21年連続世界一」) 一方、ギリシャの対外債務は約4000億ユーロ(約41兆円)で、同国政府や銀行、企業が返済できるのはその一部のみです。(5/16 ブルームバーグ) すなわち、「財政赤字」ではなく、「対外債務」がギリシャ問題の本質であるにもかかわらず、「財政赤字はギリシャ化を招く。早急に増税すべき」と主張している政府やマスコミのロジックは間違っています。 日本の財政は改善の必要はありますが、危機的状況からは遠く、早急にギリシャ化することはあり得ません。今は増税ではなく、デフレ脱却、景気回復を優先すべきです。 デフレを深刻化させ、景気をどん底に突き落とす消費税増税は、ギリシャやイタリアのように、より一層、財政赤字を深刻化させる「最悪の選択」です。共に、消費税増税法案を廃案に追い込んで参りましょう!(文責・黒川白雲) 「原発大国」を目指す中国――日本は国家意思を明確にせよ! 2012.07.13 現在、民主党政権の下、脱原発に向けたステップが着実に進められています。 既報の通り、政府の「エネルギー・環境会議」が6月29日、今後のエネルギー政策について、「エネルギー・環境に関する選択肢」(2030年の原発依存度を基準に、(1)原発ゼロシナリオ、(2)原発15%シナリオ、(3)原発20~25%シナリオ)を取りまとめました。 これは、2030年に向けて、原発比率を0~25%の範囲で削減していく方針を明確に打ち出したものであり、2030年までの日本のエネルギー政策がこれで決定されます。 当初、存在していた「35%シナリオ(※)」は左翼委員によって途中で消されたため、現状の選択肢は全て「原発削減シナリオ」となっています。 ※2010年の原発比率は26%であり、「20~25%シナリオ」は一見、現状維持に見えますが、【数字のトリック】が使われています。他の選択肢の前提条件と同様、原発稼働率67%(基準年2010年)⇒80%(2030年)、電力消費量1.1兆KWh(基準年2010年)⇒1.0兆KWh(2030年)と置くと、原発を維持した場合、2030年の原発比率は約「35%」になります。(26%× 80/67 × 1.1/1=34.15%) また、私達がエネルギー政策について考える際、国内のみに目が向きがちになりますが、国外、特に、日本に覇権主義の矛先を向けている中国の原発政策にも注目する必要があります。 中国の原子力開発計画について、World Nuclear Association(世界原子力協会「Nuclear Power in China」⇒http://www.world-nuclear.org/info/inf63.html)によると、下記計画が明らかになっています。 現在、中国では、6か所の原発で13基の原子炉が稼働中です。現在運転中の原子力発電所の設備容量は1188万kW、原子炉は15基です。 発電量は、中国の総発電量の2%程度、日本の原発の設備容量(4896万kW(震災前))の4分の1に過ぎません。現状では、中国は「原子力大国」とは言えません。 しかし、同サイトによれば、中国で建設中、若しくは計画中の原子力発電所は8575万kW、77基あります。 実際、中国政府は今年初め、原子力発電所の設備容量は2020年までに8600万キロワットに達すると発表しています。(1/18 新華通信社) さらに、構想中の原子力発電所は1億5400万kW以上、約150基とされています。これは概ね2030年までに達成される計画と考えられます。 建設中・計画中・構想中のものを合計すると、約2億4000万kW、震災前の日本の設備容量の約4倍が建設されることになります。これは中国の原子力が米国、フランスをも上回る世界一の規模になるということです。 さらに、上記ページには、2050年までに4億kW(原発約400~500基)が建設されるとされています。この急激なペースでの原子力開発は、中国の核兵器の増産とも無関係ではありません。 中国が「原発500基」を目指しているのとは対照的に、日本は原発廃止・削減に向かっています。これでは、経済的にも、安全保障的にも、日本は自ら窮地に向かっているようなものです。 今、エネルギー政策を通じて、日本が問われているのは「国家の戦略意思」です。 地球環境産業技術研究機構(RITE)が推計した2020年に原発をゼロにした場合の2030年時点における実質GDPへの影響は、自然体ケースに比べて46兆円(7.6%)減少するという結果が出ています。(2011年7月 国家戦略室「エネルギー・環境に関する選択肢」概要p.16⇒http://www.npu.go.jp/policy/policy04/pdf/20120705/shiryo1.pdf) 「脱原発」は電力供給の制約、電気料金の高騰等により、日本経済に致命的なダメージを与え、消費税増税とのダブルパンチにより、日本経済は奈落の底に沈みます。 また、原発を保有しているということは、日本が核兵器を開発できる潜在的能力を保有していることを意味し、安全保障上、大きな「抑止力」効果を持ちます。 「脱原発」は、安全保障上、日本が「丸裸」になることを意味しているのです。 エネルギー政策を通じて、日本は「経済成長していく意思はあるのか」「国を守る意思はあるのか」が本質的に問われています。 政府は冒頭に示した「エネルギー・環境に関する選択肢」について、広く国民的議論を呼びかけるため、7月2日から8月12日までの間、意見(パブリックコメント)を募集しています。⇒http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120702/20120702.pdf この選択が、2030年までの日本のエネルギー政策を決定します。日本を守り、繁栄の未来を築くためにも、パブリックコメントに参加し、日本の平和と繁栄、国家の存続を守り抜きましょう!(文責・黒川白雲) 中東情勢の激化に日本はいかに対処するべきか~愛は憎しみを超えて~ 2012.07.06 7月1日、核開発を続けるイランへの制裁を強化するため、EUはイラン産原油の全面的な禁輸措置に踏み切り、先に新たな金融制裁を発動させたアメリカと共にイランの核開発阻止に向けて圧力を強めました。(7/1 NHK「EU イラン産原油の禁輸措置発動へ」⇒http://goo.gl/Rqiai) これに対して、イランは欧米諸国に対する反発を強化。7月4日、イランは攻撃を受けた場合、直ちに中東にある米軍基地、及びイスラエルに対して攻撃し、ホルムズ海峡も封鎖すると警告しています。(7/4 ロイター「イラン、攻撃受けたら直ちに中東の米軍基地を破壊」⇒http://goo.gl/QQdDx) イランは、既に「シャハブ3」と呼ばれる北朝鮮の「ノドン」がベースとなっている準中距離弾道ミサイルを配備しています。 同ミサイルの射程は2,000kmに達し、弾頭は500~650kgまでの高性能爆薬や核弾頭を搭載可能と見られています。(Global Seculity⇒http://goo.gl/3P5ZD) 同ミサイルはイスラエルを含む湾岸諸国と湾岸諸国に展開するアメリカ軍を射程に収めており、周辺諸国に多大なるインパクトを与えています。 アメリカ軍は1983年以降、中東地域を管轄する地域別統合軍としてアメリカ中央軍(USCENTCOM)を設置し、同地域に米軍を積極的に展開しています。 現在、米軍は原子力空母2隻(エンタープライズ、エイブラハム・リンカーン)、強襲揚陸艦1隻(イオー・ジマ)を基幹として、米沿岸警備隊、イギリス、フランス等が参加する大規模な部隊をペルシャ湾、オマーン湾に展開しています。その理由は以下の2点が挙げられます。 第一は、イランとイスラエル双方が早まった行動に出ないように牽制すること。第二は、現在、内戦状態にあるシリアに対する圧力です。 アメリカやヨーロッパの対外政策(foreign policy)の目標は、イランとイスラエルの双方の暴発を抑えつつ、イランの核開発を押し止めることにあります。 しかし、これはイラン、イスラエルのどちらか一方が攻撃を決断すれば、すぐに崩れてしまう「破局一歩手前」の「ガラスの均衡」です。 日本政府としては、何としても粘り強く両者の対話を促し、事態を破局に導かないように導くべきです。 日本にとって、原油の輸送の80%以上が通過するホルムズ海峡において、武力紛争の勃発や封鎖は、国家のエネルギー政策の破綻を意味します。 したがって、中東情勢が激化を抑え、ホルムズ海峡やシーレーンを守ることが、日本の「国益」であると言って過言ではありません。 しかし、日本の政治は増税以外、何一つ決められない「無政府状態」に陥っています。野田政権には「日本の国益を守る」という意志が皆無です。 日本政府はアメリカ、イスラエル、EUとイランの間で仲介の労をとり、イランの核開発や紛争勃発を未然に防ぐべきです。 また、イスラエルが早まってイランの核施設を攻撃すれば、両国との間で戦争状態になることは目に見えています。 そうならないよう、両方に顔が利く日本が先頭に立ち、話し合いの場を中東から遠く離れた日本に設けて調停を進めるべきです。 また、日本は宗教的アプローチから、イスラム教とユダヤ・キリスト教との橋渡しをなすことが可能な立場にあります。 「神の正義」を争う両者に対して、寛容なる精神の下、両者を包含していく宗教的理念が必要です。それは「愛」であり、「慈悲」であります。 『イラン大統領VS.イスラエル首相~中東の核戦争は回避できるのか~』(大川隆法著、幸福実現党発行⇒http://goo.gl/a1RpC)で、大川隆法党名誉総裁は「私は愛は憎しみを超えると信じている。慈悲は世界を救うだろう。」と述べています。 日本は一刻も早く、「国益」に基づいた戦略を描き、外交的アプローチ、宗教的アプローチの双方から両者の仲介を進めていくべきです。(文責・黒川白雲) 政府はドイツの再生可能エネルギー「固定価格買取制度」の失敗に学べ! 2012.06.29 7月1日から再生可能エネルギーの「固定価格買取制度」が施行されます。 同制度は、太陽光や風力などの再生可能エネルギー(自然エネルギー)により発電された電力を、電力会社が全量、固定価格で買い取ることを義務づける制度です。 太陽光発電による電力の買取価格は1kWh当たり42円(cf:現在の電気料金約20円/kWh)と高めに設定されており、この制度をビジネスチャンスと捉えて発電事業に参入する企業が相次いでいます。(6/29「太陽光発電事業への参入相次ぐ、全量買取制度を受けて」⇒http://goo.gl/aS6Ux) 同制度は菅直人前首相の「置き土産」であり、「脱原発」を進め、再生可能エネルギーを普及・拡大することを目的としています。 同制度は再生可能エネルギーを育成する意義はあるものの、その問題点としては、火力や原子力の発電コストに比べて買取価格が大幅に割高であることが挙げられます。 メガソーラー事業を進めている孫正義氏らの要望(「最低でも税抜き40円/kWh」)等もあり、建設費や運転維持費に利益率6~8%を上乗せするよう算定されているためです。 割高になる分は「太陽光発電促進付加金(太陽光サーチャージ)」として電気料金に上乗せされ、消費者や企業が負担することになります。 その結果、経産省推計では今年度の買い取り総額は300億円を超え、2013年度以降に稼働する分の買い取り総額は400億円を超える見通しとなっています。(6/28 日経「再生エネ新設増加、電気料金上昇の懸念」⇒http://goo.gl/rBhmT) 今後、再生可能エネルギーの導入量が増えれば、電力インフラの追加投資も必要となり、電気料金の上昇を招き、日本経済の競争力を低下させる要因となり得ます。 「固定価格買取制度」の手本となったドイツでは、2002年から本格的に同制度を実施。電源構成に占める再生可能エネルギーの割合が20%に急増しました(日本は1%台)。 しかし、同制度によって、買い取りの負担額は130億ユーロ(約1兆3千億円)に達し、今年の一世帯当たりの負担額は年間200ユーロ(約2万円)になると推定されています。(日本政策研究センター『明日への選択』6月号「ドイツに見る再エネ法の悲惨な結末」) その結果、企業や家庭が負担に耐えられなくなり、ドイツ政府は今年2月、太陽光発電の買い取り価格を20%~30%引き下げるとともに、全量買取制度を13年から廃止する方針を打ち出しました。(2/28 電気新聞「独、太陽光全量買取13年廃止へ 買取負担重荷に」) 一方、日本では6月29日、野田首相も出席した「エネルギー・環境会議」が、2030年における3つの選択肢(原発依存度を基準に、(1)ゼロシナリオ、(2)15シナリオ、(3)20~25シナリオ)を打ち出し、原発依存度を0~25%に引き下げると共に、再生可能エネルギー(水力を含む)を25~35%に引き上げる案を提示しました。⇒http://goo.gl/qXUad 同計画は、固定価格買取制度が再生エネルギーの普及を下支えするという見立てですが、複数の委員が「目標設定が課題」と語気を強めています。(6/26 産経「再生エネ 負担増、供給に難」) ドイツのように風力に恵まれ、酪農と連動したバイオマスが盛んな国であっても、再生可能エネルギー促進政策が挫折し、大幅な見直しが迫られているのが現状です。 政府はドイツの失敗の教訓から、「固定価格買取制度」によって、再生可能エネルギーが急速に低コストで大量供給できるわけではないこと、原発の代替とはなり得ないことを学ぶべきです。 中東情勢や南シナ海情勢等、国際情勢がますます不安定さを増す中、海外からの輸入に頼る火力発電への依存増加もリスクを伴います。 エネルギー安全保障、安定供給、コストの面からも、政府は原発の再稼働を迅速に進めるべきです。(文責・黒川白雲) 《リアル・ファイナル・ジャッジメント》中国が南シナ海3諸島を「三沙市」格上げの衝撃 2012.06.22 現在、大ヒット上映中の映画『ファイナル・ジャッジメント』(http://www.fj2012.com/)のワンシーンにおいて、架空のアジアの軍事大国「オウラン人民共和国」の総督が演説する姿が、渋谷の街頭ビジョンに大きく映し出され、若者達が唖然として見上げます。 「オウラン人民共和国、極東省総督のラオ・ポルトです。本日は私にとって、またあなた方にとっても、とても素晴らしい日になりました。今日から日本国は、オウラン人民共和国の極東省になりました――」 まさしく、この映画のワンシーンのような事態が南シナ海で発生しました。 中国政府は、フィリピンやベトナム等との領有権争いを抱える南シナ海の西沙(英語名パラセル)、南沙(同スプラトリー)、中沙(同マックルズフィールド・バンク)の3諸島を海南省の「三沙市」とすることを突然、発表。(6/21時事⇒http://goo.gl/ZPT3o) その主旨として、中国民政省報道官は「三沙市設立は3諸島の島・礁や海域の行政管理、開発建設をさらに強化し、南シナ海の海洋環境を保護するのに有益だ」と強調しました。 領海など海洋に関する権利やルールを定めた国際海洋法を無視した中国のやり方は、領有権問題の平和的な解決に逆行し、地域の緊張を高める一方です。(6/22 産経「『三沙市』に反発強める関係当事国-南シナ海領有権問題」⇒http://goo.gl/7dcFS) この発表を受け、同諸島の領有権を争うベトナム、フィリピン等は極度に警戒と反発を強めています。 フィリピン政府筋は「強引な態度であり、中国は今後、南シナ海での示威行動を、さらに強めてくるだろう」と警戒を強めています。(同上) ベトナム外務省は21日、中国が3諸島を「三沙市」に格上げすると発表したことに対して「強く反対する」との抗議声明を発信しました。(6/22 時事「中国の『三沙市』に抗議=ベトナム」⇒http://goo.gl/R2ymZ) 更にベトナム議会は21日、「海洋法」を圧倒的多数の賛成で可決。同法は、中国などと領有権を争っている南シナ海の南沙諸島と西沙諸島について、第1条で「主権はベトナムにある」と明記しました。(6/22 NHK「中・越 南シナ海で対立激化」⇒http://goo.gl/lT3bB) これを受けて、中国外務省は「これらの島々に対し、いかなる国が主権を要求しようとも、違法であり、無効だ」と強く非難。その上で、北京駐在のベトナム大使を呼び、強く抗議しました。(同上) こうした中国の南シナ海侵攻の根底には「戦略的辺疆論」という考え方があります。従来、中国が「辺疆の地」として重要性を顧みなかった地域こそ、戦略的に重要であり、膨張する風船のように「辺疆」を押し広げていくという考え方です。(参考:平松茂雄著『中国は日本を併合する』講談社刊) 陸上で「地理的境界」を拡大することに限界を感じた中国は、海洋での「戦略的辺疆」を拡大することの方が容易であることに気づき、南シナ海、東シナ海、インド洋を呑み込んでいこうとしているのです。(同上) 日本の国家戦略は「日本の海」を守ること、そして、「日本の生命線」である「シーレーン」を守ることに尽きます。南シナ海はまさしく「シーレーンの要衝」であり、日本は米国と共に、南シナ海の「航行の自由」を死守すべきです。 日本政府は今回の中国の暴挙を静観するのみですが、「シーレーン」は石油、LNG(液化天然ガス)、石炭、食糧等の通り道であり、もし中国が南シナ海を領有し、「航行の自由」を妨げれば、エネルギーや電力が枯渇し、日本経済は勿論、国民の生活そのものが立ちゆかなくなります。 その結果、中国の言いなりになるしかなく、中国への「隷従への道」が始まるのです。 そうならないためにも、日本はフィリピン、ベトナム等、南シナ海で中国と対峙している諸国との連携を深め、「逆・万里の長城」とも言える「中国包囲網」を築き、米国と協調して南シナ海の「航行の自由」を死守すべきです。 そして、リスク・ヘッジとして、シーレーンに依拠しないエネルギー源である「原子力発電」の全基フル再稼働に即刻、着手すべきです。(文責・黒川白雲) 「税と社会保障の一体改革」は単なる「増税」だ!――「増税ラッシュ」が国民を襲う 2012.06.15 消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げる消費税増税を柱とする「税と社会保障の一体改革」関連法案をめぐる民主、自民、公明3党の実務担当者は修正協議で合意し、一連の協議が終了しました。 野田首相は消費税増税関連法案の成立に向け、国会会期末の21日までに衆院で法案を採決する方針です。 民自公3党が期限内での法案採決を優先したため、拙速さのみが目立ち、年金や医療改革等の社会保障、子育て分野などの隔たりの大きいテーマは軒並み棚上げされました。 国民の生活に関わることは先延ばしにし、増税のみを優先させた民主・自民・公明3党は「増税先行」との批判は免れません。これでは到底、「税と社会保障の一体改革」とは呼べません。単なる「増税」です。 このまま消費税増税関連法案が成立すれば、デフレ不況の中で、さらに「大きな負担増」が国民を襲います。 大和総研の試算によると、「社会保障と税の一体改革」による家計の実質可処分所得(収入から税金、社会保険料などを差し引いた額)は2011年に比べて4~9%も減少する見通しです。(2011/12/30 毎日) 同試算によると、日本の平均に近い年収500万円のケースでは、11年比で31.4万円所得が減少します。月額に換算すると2万6千円、日額に換算すると900円近くの所得が減ることになり、家計は大きな打撃を受けます。 また、復興増税についても、所得税増税が来年1月から、住民税増税が2014年6月から始まります。所得税増税は25年間も続く実質的な恒久増税です。(6/15 東京「負担に追い打ち 消費増税」⇒http://goo.gl/NA7qM) 更に子育て世帯は厳しくなります。16歳未満の子供がいる世帯に適用される「年少扶養控除」は6月に完全廃止となりました。同控除の廃止は子ども手当を導入する代わりに決まったものですが、子ども手当(現・児童手当)は減額されており、国民は騙された格好です。 また、2010年に公表された内閣府の研究「世代別の受益と負担」によると「90歳以上の世代では生涯でおよそ1990万円の受取超過」となるのに対し、「将来世代は1億800万円の負担超過」になると試算しています。(1/24 夕刊フジ「【世代間格差を問う】厳しい現実…将来世代は1億円負担超過!」⇒http://goo.gl/n57N5) 一体改革は、生涯収支で1億数千万円を上回る深刻な社会保障の「世代間格差」の解決を先送りにし、若者に長期間、増税負担を負わせるだけの「将来の世代にツケを回す」改悪に過ぎません。 野田首相の「将来の世代にツケを回さない」と銘打った「税と社会保障の一体改革」は完全な虚言であり、国民に対する“騙し討ち”です。 産経新聞論説委員の田村秀男氏は「政府が増税による税増収分を社会保障に充当しても、その恩恵は主として年金受給者に限られ、現役世代がその犠牲になる《中略》若者と勤労者よ、もっともっと怒ってよい」と述べています。(6/15 夕刊フジ) デフレ下で絶対にやってはならない大増税に向け、政治生命を賭けて邁進する野田首相は即刻、辞任すべきです!消費税増税法案を断固、廃案に追い込んで参りましょう!!(文責・黒川白雲) 日本は米国と共にアジア太平洋の「自由の守護者」たれ! 2012.06.08 パネッタ米国防長官は、米国を「太平洋国家」と位置づけた今年1月の新国防戦略発表後、インドを含むアジア諸国を初めて歴訪しました。(6/5 産経「パネッタ米国防長官アジア歴訪、中国牽制の狙い達成」⇒http://goo.gl/SnQz1) 「リバランス(軍事力の再均衡)」をキーワードとした歴訪は「中国への牽制」を念頭にアジア太平洋地域の同盟・友好国との関係強化を図るものであり、「インド洋を含むアジア太平洋地域で、中国に絶対覇権を握らせない」(国防総省関係筋)という米国の強い意志の表れであります。(同上) 今回の歴訪で、パネッタ国防長官がベトナムとインドを訪れたことはアメリカ新国防戦略の重心が太平洋地域およびインド洋地域に移ることを意味しています。 また、パネッタ国防長官は2日、シンガポールで開かれている「アジア安全保障会議」で演説し、2020年までに米軍の海軍力の6割(現在5割)をアジア太平洋地域に集中させる方針を明らかにしました。(6/2 読売「米海軍力6割をアジア太平洋に集中へ…国防長官」⇒http://goo.gl/pPnwJ) 米海軍は現在保有する艦艇285隻を太平洋と大西洋に半数ずつ展開しており、現在、米海軍の部隊は太平洋地域を管轄する「太平洋艦隊」、大西洋地域を管轄する「艦隊総軍」、地中海を管轄する「第六艦隊」、ペルシャ湾や紅海、アラビア海を管轄する「第五艦隊」に分かれています。 米海軍の中で太平洋地域およびインド洋地域を管轄するのは「太平洋艦隊」に属する「第七艦隊」で、日本とも深い関係があります。同艦隊は東経160度線以西の太平洋地域(東経160度以東は同じく太平洋艦隊に属する「第三艦隊」が管轄)、及びインド洋地域という非常に広大な地域を守るために存在しています。 こうした「アメリカ海軍の太平洋地域への集中」のねらいは、第一には、海軍力強化が著しい「中国に対する牽制」があります。 中国が軍事力に物を言わせて過激な活動に走るのを抑止すべく、米海軍の戦力配置のバランスを変えて、アジア太平洋地域の軍事力を増強すると共に、同盟・友好国との連携を強め、「中国包囲網」を築くことがねらいです。 第二のねらいは、中国のカウンターパートとしての「インドとの安保強化」です。 パネッタ国防長官は6日、訪問先のインドでアントニー国防相と会談。軍備増強を進めてアジア地域で台頭する中国をにらみ、海洋などでの安全保障の協力強化を確認しました。(6/6 産経「中国にらみ安保強化確認 米インド国防相が会談」⇒http://goo.gl/6FE7F) 米国はインドを自陣営に加えることで、中国とインドとの間で勢力均衡を図り、アジアに安定をもたらす狙いがあります。アメリカの新国防戦略にインドが名指しされているのはそのためです。 こうした米国の大胆な新国防戦略の背景には、アメリカにとって日本が「主要な同盟国」であるという大前提があります。それは中国が海洋に進出する際に、地理的に塞がっているのが日本であるからです。 パネッタ国防長官は2日、アジア太平洋地域でカギを握る同盟国として、日本、韓国、オーストラリア、フィリピン、タイの5か国を挙げ、特に、日米同盟は「アジア太平洋の平和の礎であり続ける」と重要性を強調しました。(前掲、6/2 読売) しかし、これは日本に対して厳しい現実を突き付けているとも言えます。それは日本がアジア太平洋の「自由の守護者」として自立し、「自分の国は自分で守る」ことを求められているという現実です。 これは普通の国にとっては当たり前のことですが、日本にとっては憲法9条改正を含む、根本的な国防方針の転換が求められているということです。 中国の覇権主義の拡大、北朝鮮の核兵器保有等、国際情勢の現実を考慮に入れれば、憲法前文にある「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」などと悠長なことは言っていられる現状ではありません。日本も自立すべき時期に来ています。 米国は日本をアジア太平洋地域で「有数の軍事力を持つ国」であると認識しています。それは、今日まで米軍と自衛隊が築き上げてきた協力関係から見ても明らかです。 日本としても「自主防衛」に道筋をつけると共に、インド、ベトナム、タイ、ミャンマー、フィリピン等のアジアの国々と友好を結ぶことによって、「中国包囲網」を築くべきです。 そのためにも、日本はまず、自国の領土である尖閣諸島、沖縄を断固、守り抜く姿勢を示すべきです。そして、日本は米国と共に、アジア太平洋の「自由の守護者」たらんと決意すべきです。(文責・黒川白雲) 橋下徹・大阪市長は「宰相の器」か?――「2009年の過ち」を再び繰り返すな! 2012.06.03 夏場のピーク時の電力需要に向け、政府が原発再稼働の意思を固めたことを受け、橋下徹大阪市長は、同原発再稼働について「建前論では仕方ない。事実上、容認です」と語りました。(5/31 日経⇒http://goo.gl/HKqho) このことについて、あの仙谷由人氏ですら「(橋下氏は)国民にアピールする建前論と自身の本音は違うことを吐露した」と批判する始末です。再稼働を進める政府の対応を批判してきた橋下氏が「もううわべばかり言っても建前論では仕方ない」と述べたことを皮肉ったものです。(6/2 日経⇒http://goo.gl/4dKut) 橋下氏の「脱原発」が自らの「政治的信念」に基づくものではなく、「人気取りのための『建前論』」であったことが誰の目にも明らかになった形です。 大川隆法党名誉総裁が5月10日に行った橋下徹・大阪市長の守護霊インタビューで、同氏の守護霊(本人の潜在意識=本心)は以下のように語っていました。 (本日6月4日緊急発刊『徹底霊査 橋下徹は宰相の器か』(大川隆法著、幸福実現党発行)に収録⇒http://goo.gl/AKMES) 「いやあ、大飯原発については、『反対してるほうが、今は支持率が上がるかなあ』と思ってね。どうせ、また再稼動するの、分かってっからさあ。ポピュリストかどうかは知らんけど、そういう声が高まれば、そう変えればいいだけのことだよ。」 幸福実現党は世論の厳しい逆風の中で、昨夏から「原発再稼働の必要性」を訴えておりましたが、それとは対照的に、橋本氏は霊言の通り、「脱原発」世論に乗って人気を集めようとしたものの、行き詰まって再稼働を容認したに過ぎません。(参照:6/1 The Liberty Web「橋下市長 原発再稼動 “敗北宣言” 人気取りがすべて?」⇒http://goo.gl/VZdzf) 最新の世論調査では「維新の会」への国民の期待が65.3%に達し、既成政党への不満の受け皿になっていることが示されました。(6/2 産経⇒http://goo.gl/nxCys) 「宰相待望論」が強くなっている橋下氏ですが、その本質的問題は、彼が「国家戦略」や「毅然たる国家観」を持たず、国防意識が極めて希薄なことにあると考えます。 大阪市議会は5月15日、自民党提案の「尖閣諸島など領土を守ることを喚起する決議案」について、維新・公明・共産の反対により否決しました。維新の会は、公明党に配慮し、府・市ともに尖閣を守る提案を見送りました。(5/17 日本会議 国民運動関連情報「大阪市、自民提案『尖閣守護決議』を維新の会ら否決」) 維新の会が公明に副議長ポストを打診した(5/10 産経「公明への懐柔策?府議会副議長ポストを打診」)ことからも明らかなように、維新の会と、亡国・親中政党である公明党との蜜月は深く、橋下市長が国防より政局を重視していることは明らかです。 また、最近の若者の保守化、愛国心の高まりについても、橋下市長は「僕と同世代、下の世代で偏狭なナショナリズムが高まっていて非常に危険だ。特に隣国との歴史を多面的に捉えなければならない」と批判しています。(5/29 スポニチ⇒http://goo.gl/OtBey) そもそも、橋本氏は国防強化の大前提である「憲法9条改正」について、確たる定見を有しておらず、「憲法9条改正の是非について、2年間にわたり国民的議論を行った上で、国民投票にかけて決定すべきだ」として、意見表明を曖昧にしています。(2/24 産経⇒http://goo.gl/nEYyn) 明治維新の志士達は、立場や思想は多少違えども、志士達全員の共通意識として「欧米列強の侵略から、命を賭して、この国を守る」という覚悟がありました。 しかし、「維新の会」には、明治維新の志士達のような「この国を守り抜く覚悟」は見当たらず、「維新」を名乗るに値しない政党であることは明らかです。 2009年の総選挙において、マスコミは民主党による政権交代のムードを作り、異常なブームの中で盲目的に民主党を大勝させました。その結果、幸福実現党が「民主党が政権を取ったら国が滅びる」と警鐘を鳴らしていた通りになりました。 『徹底霊査 橋下徹は宰相の器か』の「まえがき」で大川隆法・党名誉総裁は本書発刊の意義について「予期していなかった仕事ではあるが、マスコミが橋下大阪市長を『次の総理か?』と一斉に持ち上げ始めたので、国政を過たせないため、また、国民をミスリードさせないため、一石を投じることとした。」と記しています。 国難が刻一刻と迫る中、またしても、マスコミが作り上げた「橋下ブーム」に乗って、「2009年の過ち」が再び繰り返されるようなことがあれば、この国は消えて無くなります。 本日緊急発刊となる本書を是非とも御高覧頂き、「橋下氏が宰相の器であるか否か」をご判断頂くことを願ってやみません。(文責・黒川白雲) 消費税増税しても税収は増えない――税収に頼らない「新しい国のかたち」を築け! 2012.05.25 野田首相は5月21日、増税を含む一体改革について「決断する政治の象徴的なテーマ。ぜひ知恵を出し合って結論を出したい」と述べ、与野党合意に持ち込もうとしています。(5/25 ブルームバーグ「野田政権:消費税上げ、与野党合意目指す-民主の分裂リスク覚悟」⇒http://goo.gl/vIq9o) しかし、幸福実現党は立党以来、「消費税を導入しても税収が増えない」ことを主張して参りました。消費税導入(1989年)、消費税引上げ(1997年)以降も税収は減少の一途で、消費税導入直前には60兆円あった税収が現在は40兆円前後に減少しています。(財務省「一般会計税収の推移」⇒http://goo.gl/48dsq) なぜ、増税しても税収が減るのか?――これはノーベル経済学賞を受賞した経済学者フリードマンの「恒常所得仮説」―消費者の消費は恒常的な収入(固定的な収入)に比例する―という説でも説明できます。 消費税増税のような恒久増税は恒常所得を減らし、確実に消費を減少させます。その結果、景気が悪化し、結果として税収が約20兆円減少しています。 今後、消費税増税によって日本経済が更に悪化し、財政を更に悪化させないためにも、野田首相は「デフレ下の増税」という、経済学的には断じてやってはならない「禁じ手」に踏み切ってはなりません。政治家、マスコミ、御用学者達の消費税増税論は「無知蒙昧」を超えて「狂気の沙汰」です! 今こそ、政府・自治体は「税率を上げないで、いかに税収を増やすか」という知恵を絞るべきです。その最大の手段が「経済成長による税収増」であることは間違いありません。 90年代前半、経済が好調だった頃は今より20兆円余り税収が多かったことからも分かるように、景気が回復し、経済が成長すれば、増税を遙かに上回る規模での税収増が見込めます。 また、政府や自治体は「親方日の丸」的な役人根性を捨て去り、「経営的発想」「株式会社的発想」によって「稼ぐ」ことを考えるべきです。 例えば、横浜市では一職員の企画・提案によって「広告事業推進担当」が設置され、民間企業への広告枠の販売、広告付属物品の受け入れ、タイアップ、ネーミングライツ等による大規模な財源確保と経費節減が進んでいます。 広報印刷物はもちろん、横浜市のホームページ(⇒http://goo.gl/fIkI)の下部にも民間企業のバナーが設置されています。また、イベントでの広告、庁舎の壁の垂れ幕広告、道路構造物、ゴミ箱、ベンチ、玄関マットから納税通知書、水道検針票、給与明細書に至るまで、考えつくあらゆるスペースに広告を掲載しています。(横浜市広告事業⇒http://goo.gl/hRvPt) 横浜市の平成21年度決算では広告料収入が年間約7.3億円、広告掲載による経費節減効果が年間約5200万円となっています。(横浜市共創推進事業本部「横浜市の広告事業」⇒http://goo.gl/WGuoY) 広告以外にも「警察による有料警備サービス」など、自由な発想で、政府・自治体が自ら「稼ぐ仕組み」を築いていけば、いたずらに増税や国債によって借金を積み重ねるのではなく、税収を増やしていくことができます。 また、幸福実現党は大規模公共事業への「官民ファンド」を提言していますが、公共投資に民間資金を活用し、政府・自治体等の財政負担を軽くすべきです。 2013年から、インフラ整備の資金を民間から調達する新型地方債(レベニュー債)が地方自治体の公営企業に解禁される見込みです。これによって、税金ではなく、民間資金による水道や交通、病院といった公共インフラの整備・改修が可能になります。(5/21 日経「公営企業、民間からインフラ資金調達可能に」⇒http://goo.gl/Ai8Vw) レベニュー債はファンドのように、元利償還は事業の成否に依存しており、事業が赤字なら利払いはゼロになりますが、通常は一般の債券よりも利子が高く、米国では自治体が発行する債権の6割を占めています。これにより、税金に頼らない公益事業が可能になります。 日本においても、民間の資金、経営能力を使って公共施設等の建設、維持管理、運営等を行う PFI(Private Finance Initiative)法改正をはじめ、ようやくNPM (New Public Management : 新公共経営) の環境が整いつつあります。 今や政府や自治体財政が完全に行き詰まっていますが、幸福実現党は、これまでの近代国家の枠組みから根本的に脱却し、「無税国家」を目指した自由にして大胆な発想で、税収に頼らない「新しい国のかたち」を築いて参ります。(文責・黒川白雲) 中国が尖閣諸島を「核心的利益」と宣言――日本はフォークランド紛争の教訓に学べ! 2012.05.18 5月13日の日中韓首脳会談で、中国の温家宝首相は野田首相に対し、尖閣諸島について「(中国の)核心的利益と重大な関心事項を(日本が)尊重することが大事だ」と述べ、中国の尖閣諸島領有を強く主張しました。⇒http://goo.gl/f8dFV 「核心的利益」とは、中国政府が「国益上譲れない」という強い領有の意思を表明するときに使う外交用語です。 これまで、中国政府は「核心的利益」という言葉を台湾やチベット、ウイグル等に限定して用いていましたが、2010年頃から中国の政府系メディアが南シナ海について使い始め、2012年1月には、尖閣諸島について人民日報が使用し始めました。⇒(5/17 日本の論点「中国の『核心的利益』」⇒http://goo.gl/RWESj) 中国首脳が尖閣諸島について、侵略したチベットやウイグル等と同じ「核心的利益」と宣言したということは、尖閣諸島に対する「武力行使宣言」がなされたということです。 こうした中国の尖閣諸島侵攻に備え、陸海空3自衛隊が昨年11月の統合演習で、沖縄・尖閣諸島が中国に占領されたと想定し、詳細な「奪還作戦」を策定していたことが分かりました。(5/9 産経「陸海空3自衛隊 尖閣奪還作戦を策定 『中国が占領』連携対処」⇒http://goo.gl/V2EBc) 自衛隊がようやく尖閣諸島防衛強化の姿勢を示したことは前進ですが、なぜ、尖閣諸島が奪われたことを前提とする「奪還」演習なのでしょうか。 北方領土や竹島を見ても明らかなように、国土は一度奪われると奪還は非常に困難で、奪還には大きな犠牲を伴います。「国土を奪われてから奪い返す」という戦略は下策であり、「国土を奪われないようにする」ことこそ上策です。 ここで参考になるのは、イギリスとアルゼンチンとの間で争われているフォークランド諸島の領有権問題です。 フォークランド諸島は英国が1833年から実効支配していますが、アルゼンチンはスペインから独立した際に相続した領土だとして領有権を主張。1982年4月2日に発生した紛争は約2カ月半にわたって続き、英国側が勝利しました。 しかし、フォークランド諸島を巡る両国の領有権争いは、今もなお続いています。アルゼンチンが英領フォークランド諸島に侵攻、敗北したフォークランド紛争開戦から30年目の今年4月2日、アルゼンチン大統領は改めて同諸島の領有権を主張しました。⇒http://goo.gl/JFnGx アルゼンチンが領有権問題を再燃させた理由は、フォークランド諸島沖には約3億5000万バレルの石油が埋蔵されていると目されており、経済的に減速したアルゼンチンは豊富な資源を埋蔵する同諸島に強い魅力を感じているためです。(4/2 ロイター「フォークランド紛争から30年、海底油田めぐり緊張高まる」⇒http://goo.gl/d8Aw0) フォークランド諸島を巡る英国とアルゼンチン両国間の対立の構図は、日本と中国が争う尖閣諸島の領有権問題にもそっくりそのまま当てはまります。 フォークランド諸島は英国から10000km以上離れていますが、アルゼンチンから1000kmも離れてはいません。一方、尖閣諸島は日本本土から1000kmほど離れていますが、中国本土からは300kmほどしか離れていません。 国連が尖閣諸島沖で行った調査では、埋蔵量世界第2位のイラクに匹敵する推定1095億バレル(推定7000兆円)の石油の埋蔵可能性が報告されています。尖閣諸島は、急激な経済成長と人口増大によるエネルギー不足に悩む中国にとっては、まさしく唾涎の的です。 フォークランド紛争の時には、イギリス海軍の艦船がフォークランド諸島に配備されていなかったことが、アルゼンチン側に武力侵攻を踏み切らせる一因となりました。 日本も尖閣諸島や付近の石垣島や沖縄本島に海上自衛隊の護衛艦を配備しておらず、海上保安庁の巡視船が配備されているのみで、容易に中国側の侵攻を許す状態が続いています。 フォークランド紛争の初動で遅れを取ったイギリスは、マーガレット・サッチャー首相の決断で空母機動部隊や爆撃機部隊を始めとした大規模な部隊を派遣し、多大なる人的犠牲や経済的犠牲を払いながらフォークランド諸島を奪い返しました。 しかし、日本の民主党政権にサッチャー元首相のような強いリーダーシップを期待することはできません。 本土から離れた島を統治する場合、実効支配を確実なものにしなければ、他国による侵略を招くことは火を見るよりも明らかであり、万が一、占領された場合、「奪還」には多大な犠牲を伴うことは避けられません。 日本政府はこうしたフォークランド紛争の教訓をよく学び、自衛隊の護衛艦を南西諸島に配備し、尖閣諸島周辺海域のパトロールを強化し、早急に尖閣諸島の実効支配を確実なものとすべきです。(文責・黒川白雲) すべてを表示する « Previous 1 … 5 6 7 8 9 … 12 Next »