自民も公明も連合の「お仲間」 今や企業に「賃上げ」を求める政党ばかり【後編】
http://hrp-newsfile.jp/2022/4274/
HS政経塾スタッフ 遠藤明成
◆最低賃金が上がり続ければ、企業は雇用を抑制し、社員を解雇する
政治家は人気取りのために、最低賃金の引上げに熱心です。
しかし、この制度には、もともと欠陥があります。
最低賃金を強制的に高値で固定すると企業は雇用増に尻込みします。この場合、賃金の水準を市場にまかせた時には就職できた人の中で、不採用になる人が出てくるのです。
日商と東商の調査でも、最低賃金の引上げが「経営に影響あり」と答えた企業の対応策には、採用の抑制と社員の削減があげられていました。
例えば、40円の引上げがなされた場合、2割の企業が正社員の削減と採用の抑制を行うと答えました。非正規社員の削減と採用の抑制を行うと答えた企業は3割にのぼります。
業績が伸びない中で「最低賃金の引上げ」に対応した場合、社員を解雇したり、採用を減らさなければいけなくなるのは、当然のことです。
(※解雇と採用抑制を行うと答えた企業の割合)
・30円引き上げの場合:正規社員の削減と採用の抑制を行う企業が15%/非正規社員の削減と採用の抑制を行う企業が27%
・40円引き上げの場合:正規社員の削減と採用の抑制を行う企業が23%/非正規社員の削減と採用の抑制を行う企業が30%
◆デメリットが多すぎるので、最低賃金の引上げは「ぬか喜び」政策にすぎない
雇用の抑制のほかにも、企業には、最低賃金の引上げへの対策があります。
しかし、それは、どれも、誰かの痛みを伴います。
「設備投資の抑制」を行えば、企業の未来の発展が犠牲になります。
「製品・サービス価格の値上げ」を行えば、消費者の負担が増えます。
「正社員の残業時間の削減」を行えば、今いる社員が稼げるお金が減ります。
結局、最低賃金の引上げで給料が増えても、他のデメリットが大きいので、メリットは相殺されてしまうのです。
人件費で経営が圧迫され、倒産する企業が増えれば、むしろマイナスのほうが大きくなっていきます。
◆企業経営に介入したがる「社会主義政策」にNOを!
大川隆法党総裁は、自民党の賃上げ路線に対して、企業に「賃上げをさせると、企業は赤字になり、倒産していく」と批判しました(『資本主義の未来』幸福の科学出版)。
また、政府が消費税を増税しながら企業に賃上げを要請したことについて、「そんなことができるのであれば、国民が全員、国家公務員になっているという状態でしょう」と指摘していました。(企業は)「最低賃金を上げたら、できるだけ少ない人数で働かせるようにする」とも述べていたのです(『忍耐の時代の経営戦略』幸福の科学出版)。
「最低賃金」の引き上げを通して政治が市場経済に介入してくると、企業経営の自由が奪われていきます。
その路線を推し進めていくと、倒産が増え、社会主義経済に近づいていくのです。
労働組合の「お仲間」になった既成の政党の経済政策には、社会主義的な考え方が入り込んでいます。
しかし、幸福実現党は、長らく経済界への賃上げ要請や最低賃金の引き上げなど、政府による企業経営への介入に反対してきました。
「国の介入、あるいは地方自治体の介入は最小限にとどめるべきです」(大川隆法著『人の温もりの経済学』)
今の日本では「賃上げ」を公約し、国民の歓心を買う政治家と、賃上げの負担を担う経営者の間に、埋めがたい落差が生まれています。
政治家の人気取り政策のために、日本の民間雇用の7割を担う中小企業を押しつぶしてはなりません。
幸福実現党は、神の見えざる手を機能させる経済を目指し、労働者と経営者の双方の幸福のために、適正な賃金が実現する雇用政策の実現を目指してまいります。
【参照】
・大川隆法著『人の温もりの経済学』幸福の科学出版
・大川隆法著『資本主義の未来』幸福の科学出版
・大川隆法著『忍耐の時代の経営戦略』幸福の科学出版
・厚生労働省「令和3年度地域別最低賃金改定状況」
・日本・東京商工会議所「『最低賃金引上げの影響および中小企業の賃上げに関する調査』調査結果」