止まらない円安と物価高騰。真犯人はいったい誰なのか? 【前編】
https://youtu.be/kmKtTK4-gjE
(4月21日収録)
幸福実現党党首 釈量子
◆自公、野党のバラマキ思考
現在、ガソリン価格を中心として、記録的な「モノの値上がり」が続いています。モノの値段が上がっても、共に給料も増えていけばいいのですが、そうではありません。
給料が増えず、モノの値段だけが上がっていくため、国民の生活を苦しくします。これを「悪いインフレ」、いわゆる「コストプッシュ型」と言います。
「モノの値上がり」の対策として、4月26日に岸田総理が次のような「総合緊急対策」を発表しました。
事業規模は13兆円で、ガソリンの基準価格を「当面168円に引き下げる」としたうえで、石油元売り会社への補助金の上限を、現在の1リットルあたり25円から35円に引き上げる。
低所得の子育て世帯に対し、子ども1人あたり5万円の給付金をプッシュ型で支給することなどです。
「総合緊急対策」の発表前に公明党は、補正予算を選挙前に組むべきだと主張し、また野党に至っては20兆円規模の緊急経済対策を提言していました。
しかし、モノの値上がり、「インフレ」に対して、バラマキは逆効果になりかねません。
◆アメリカのインフレの例
アメリカのインフレは、日本より悪く、3月には消費者物価指数が前の年の同じ月と比べて、8.5%上昇しました。これは1981年12月以来、約40年ぶりのことです。
この記録的な値上がりをバイデン政権は「ロシアのプーチンのせいだ」と言い張っています。しかし、インフレはロシアの特殊軍事作戦より前に始まっていました。
(参考)アメリカ合衆国労働省労働統計局
https://www.bls.gov/news.release/pdf/cpi.pdf
実際に、バイデン氏肝いりの1.9兆ドル(約200兆円)の経済対策が両院で可決させ、バラマキを開始すると、インフレ率は跳ね上がっています。
◆日本でインフレが進む原因
なぜ、バラマキでインフレが進むのでしょうか。バラマキでお金が増えるとお金の価値は下がるので、モノの値段が高くなります。
巷で出回っている1万円札が増えると、その分1万円札の価値は無くなっていきます。このように、単純にお金を配るバラマキでは、インフレは解決できません。それどころか、更に悪化しかねません。
さらに日本の場合、バラマキのもっと大きな弊害は円安です。円安は確実にコストを押し上げます。
日本は石油を海外の輸入に頼っています。石油などエネルギー資源は、電気や物流などなどすべてにかかってくるので、円安になるとそれだけ物価が上がります。
ガソリン価格が1Lで1ドルなら、円が1ドル100円の場合100円で買えますが、1ドル200円になれば、同じ1Lでも200円かかるので、2倍になってしまいます。
◆円安の原因
政府に1200兆円もの莫大な借金があっても維持できると考えているのは、金利がゼロだからです。
利子率ゼロは、お金を返す政府からすれば得ですが、お金を貸す側の投資家からすれば魅力がありません。だから、投資家は利子率が高い、米国の国債を買いたいと思うわけです。
足元の10年ものの長期国債金利を見てみると、日本はゼロ金利政策で0.2パーセント台で、アメリカは、4月19日段階で2.94%。日本とは10倍以上の開きがあります。
これだけ差があれば、円からドルにお金が流れ込んでいくので円安となります。円安になると、石油の輸入代も高く、ガソリン代が値上がりしインフレとなります。
しかし、アメリカと同じように、日本も金利を上げればよいというわけにはいきません。日本には1200兆円という借金があり、下手に金利を上げると利払いが追い付かなくなって、財政破綻になりかねないからです。
つまり、日銀の黒田総裁は円安を止めようにも「万策尽きた」という状況にあります。バラマキをすればするほど借金は膨らみ、利上げができずさらなる円安を招きます。
その後に待っているのは、さらなる物価高騰、あるいは大増税です。そうなれば結局、生活が苦しい人がもっと増え、さらに悪循環に陥るのです。
しかし、実は1円もかからず、また、増税もすることなく、インフレを止める方法があります。この解決策を後編で述べていきます。
(後編につづく)