米大統領選2024 トランプ復活の兆し【後編】
幸福実現党党首 釈量子
【前編】で、トランプのバイデン批判として「(1)アフガニスタン撤退の大失敗」を取り上げましたが、その続きからです。
◆トランプのバイデン批判
(2)パリ協定に復帰し、インフレ招く
二点目は、バイデン政権がパリ協定に復帰し、インフレを招いたことです。
パリ協定というのは、地球の温暖化に関する取り決めですが、トランプ政権の時代に、大胆な規制緩和を行って、シェールオイルの大増産を可能にし、米国は原油の輸出国になりました。
しかし、バイデン政権になり、環境規制が強くなって、現在、シェールオイルの新規採掘ができない状況にあります。
原油が高いのだから、もっとシェールオイルを増産すればいいのにと思うのですが、自縄自縛になっているわけです。
これも、トランプがバイデンを無能だと評価する理由の一つとして次のように述べています。
「(バイデン大統領が)パリ協定に復帰したことで、1年間でガス料金が2倍以上になってしまった。そして、OPECに増産をお願いする羽目になった」
個別にみると、ガソリンが40%増、食料品が7%増。家賃が3.8%増となっており、発電、輸送など、あらゆる生活コストを上げ、コストプッシュ型のインフレが進んでいます。
インフレが進むと生活がどんどん苦しくなっていきます。これも、バイデン支持率が下がっている原因です。
(3)2024年にホワイトハウスを奪還する
他にも、トランプは、「女性の陸上競技に男性が参加することを禁止する」とハッキリ言いました。
米国では、いわゆる女性を自認する男性が女性用トイレを利用したり、女性用サウナに入ったりすることが認められている州があります。
最近では、女性の陸上競技に男性が参加して優勝し、女性のアスリートから訴えられる事件も起きています。
そして、「我々はコロナを解き放った中国に責任を取らせるつもりだ。中国が引き起こした数十兆ドルの損害賠償責任を負わせるつもりだ」とハッキリ主張しました。
我々、幸福実現党も1月の記者会見で訴えましたが、現在、世界の首脳でこれを言える人は一人もいません。
さらに、今年の秋には中間選挙を控えていますが、トランプ氏は、次のように訴え大歓声で会場は満たされました。
「今年は下院議会と上院議会を取り戻し、本来のアメリカを取り戻す年にしたい。2024年には、我らが愛する美しい、美しいホワイトハウスを取り戻したい」
◆トランプの宗教的価値観
トランプ大統領の主張は一見破天荒なように見えますが、そのバックボーンには、建国の父たちが大事にしていたユダヤ・キリスト教の宗教的価値観があります。
日本では殆ど報道はありませんでしたが、2月13日韓国ソウルで「世界サミット」が開催され、元首脳や現職の首脳が参加しました。トランプ氏もネットで参加し、演説を行いました。
トランプ氏はその演説の中で、トランプ自身の宗教的価値観を明確に述べています。
それは、「すべての人が政府ではなく、全能の神の手によって与えられる権利、自由、尊厳を享受している」とした上で、「信教の自由はすべての自由の基礎だ」というものです。
これは、米国の建国の父たちが起草した独立宣言「すべての人間は生まれながらにして平等であり、その創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられている」と同じ価値観です。
自由というものは、政府から与えられるものではない。全能の神から与えられるものなのだ。これは大事な考え方です。
政府の役割は神から与えられた自由を制限しないように、規制緩和や減税をすることであり、「小さな政府」を目指すべきです。
また、トランプが中国と真っ向から戦うことができた最大の理由は、神の正義を実現せんとする宗教的価値観があります。
トランプ氏は公式には2024年大統領選出馬を表明していませんが、着実にその方向に向かって進んでいます。
今後も、トランプ氏の動きには注目していきたいと思います。