このエントリーをはてなブックマークに追加

バイデン、台湾見殺しか?「日本版台湾関係法」で日米台の連携強化を!【後編】

https://youtu.be/CHtr9G7-J2o
(5月15日収録)

幸福実現党党首 釈量子

◆バイデン政権、米中対話路線に転換か?

前編では、米国議会では、中国の台湾侵攻を防ぐため、安全保障対話・合同軍事演習の枠組み構築、台湾との二国間貿易協定交渉などの議論が増えていることを指摘しました。

ところが、こうした議論が増える中で、5月4日の「フィナンシャルタイムズ」のオンラインイベントで、バイデン政権でアジア政策を統括する重要人物、インド太平洋調整官のキャンベル氏が、次のような気になる発言をしました。

「米国が中国の武力侵攻から台湾を守る立場を明確にすると、重大な不都合が生じる。中国は世界中で米国の国益を損なうような行動を取るだろう。従って、これまでの『戦略的曖昧さ』を維持すべきだ。」

オバマ政権時代に、米軍の「アジア回帰」を推進した人物でアジア通として知られていますが、中国が南シナ海の軍事拠点化を進めることを許してしまった張本人です。

キャンベル氏の本音は、トランプ政権のように、台湾の軍事支援を強化し、政府高官の交流を促すような政策をどんどん行えば、中国を刺激し、米中衝突のリスクが高くなるので、これまで通り、台湾の問題は曖昧なままでよいというわけです。

しかし、挑発的な発言を繰り返し、他国を刺激しているのは、中国であることを忘れてはいけなせん。巨大な軍事力を備えた中国の横暴を、事なかれ主義で止めることはできません。

また、キャンベル氏はオンライン会議で、米中の不測の事態に備えるために、「米中対話のホットライン」を作るべきだと主張しました。

中国共産党系のメディア「環球時報」は、この発言に対して、「ホットラインを作りたいならば、台湾問題に口を出すことを止めなくてはいけない」と答えています。

もしバイデン政権がオバマ時代のように中国との対話路線に戻っていくならば、台湾が危ない状況に置かれることになります。

◆「日本版台湾関係法」制定を!

日本と台湾は運命共同体です。日本は米国と同じく、台湾政策を見直す時期に来ています。そして、日米同盟を基軸に、日米台の連携を主導すべきだと思います。

4月17日に行われた「日米共同声明」では、「台湾」が明記されました。1969年以来、52年ぶりで非常に画期的なことです。

しかし、喜んでいたのも束の間、菅首相は4月20日、衆議院本会議で共産党・赤嶺議員から、台湾問題に言及したことに関する質問を受け、「軍事的関与などを予断するものではない」と回答をしました。

また、公明党・佐藤議員から、台湾有事の対応について質問され、「いかなる事態が(米軍を後方支援できる)重要影響事態などに該当するか一概に述べることは困難だ」と答えました。

いかにも、自民党親中派や公明党に配慮し、中国を刺激しないように配慮した官僚答弁になっています。

重要影響事態とは、「日本以外の他国への攻撃であっても、放っておいたら日本が危ない場合は、自衛隊が米軍など他国軍の後方支援を行うことができる」というものです。

日本が米軍の後方支援を行うためには、台湾有事を「重要影響事態」と判断しなくてはなりませんが、日本への影響をどう見積もるかで解釈の余地のある政治的判断が必要です。

強い政治的リーダーシップが求められますが、菅首相の答弁を聞いていると心配になります。

5月11日~17日、陸上自衛隊とフランス陸軍は、離島への上陸や市街地戦を想定した共同軍事演習を行っています。

中国は台湾攻撃後、市街戦を行うので、台湾防衛のための共同訓練と言ってよいでしょう。

さらに、東シナ海で日米豪仏の共同軍事演習も行っています。しかし、台湾防衛と言いながら、これまで一度も日米台の共同軍事演習を行っていません。これを何とかしなくてはなりません。

その際、日本と台湾の間に正式な国交がないことがボトルネックになります。

日本も米国を見習って台湾との間に「日本版台湾関係法」をつくり、日米台の共同軍事演習や経済交流促進、首相の訪台などを盛り込んではどうでしょうか?

国会には、日米共同声明を具体化するために「日本版台湾関係法」制定の議論をしてほしいと願います。

日本の国益を守り、アジアの自由と平和を守るために、「日本版台湾関係法」の制定を強く訴えたいと思います。
~・~・~・~・~・~・~
幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!!
https://hr-party.jp/newspaper/application/
※配信頻度:毎月2回程度

釈 量子

執筆者:釈 量子

幸福実現党党首

page top