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フラットタックスと資本主義精神の復活。ロシアGDP3倍、アメリカ下院選後の秘策、日本はMMT?【前編】

本日は、「フラットタックスと資本主義精神の復活。ロシアGDP3倍、アメリカ下院選後の秘策、日本はMMT?【前編】」をお送りいたします。

フラットタックスと資本主義精神の復活。ロシアGDP3倍、アメリカ下院選後の秘策、日本はMMT?【前編】

https://www.youtube.com/watch?v=oI-pXTxvpfU

幸福実現党 外務局長 及川幸久

※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。

◆政治の対立軸は保守とリベラルが世界標準

今回も「フラットタックス」をテーマに、前回とは異なる視点からお送りします。

来年2020年アメリカで大統領選挙が行われますが、同時にこの上院・下院両議会の選挙も行われ、
その中で特に大事なのが下院選挙と言われています。

なぜなら、アメリカ連邦議会をどちらの党が仕切るのか、実質的に決めるのが、下院選挙だからです。

政治の対立軸というのは保守とリベラルがあり、アメリカでは共和党が保守、民主党がリベラルに当たりますが、こうした対立軸を持っているのが、世界標準の政治だといえます。

これを日本の政治に当てはめると、自民党が保守、野党ひっくるめてリベラルかのように見えますが、実際のところ、自民党はあくまでもリベラルで、日本の国会の中には保守は存在しないといえるでしょう。

例えば、「憲法9条を改正して自衛隊を国防軍とする」といった主張をする政党が保守と見られるのが一般ですが、あくまで世界標準における保守政党の定義とは、「減税政党」であり、逆にリベラル政党というのは「増税政党」となるのです。

前述した通り、今の日本の国会の中には保守政党はありませんが、そういう意味で、「減税」と「小さな政府」を実現しようとしているのが、日本唯一の保守政党としての幸福実現党なのです。

◆幻に終わったアメリカの「保守革命」

その意味で、来年のアメリカ大統領選挙と下院選挙、ここでフラットタックスが実現するかどうかという重要な選挙になります。

フラットタックスを、最初に考案したのがアメリカの保守陣営で、初めて導入しようと試みたのが、1996年の「保守革命」といわれた時です。

アメリカの下院では、長年に渡ってリベラルの民主党が議席の過半数を抑えていたので、減税は実現しませんでしたが、1996年の選挙で数十年ぶりに共和党が過半数を取りました。

アメリカでは「保守革命」と呼び、共和党は満を持してフラットタックスを導入しようとしましたが、それは実現しませんでした。

なぜなら、当時の大統領が民主党のビル・クリントン大統領だったからです。

仮にフラットタックスの税制改革法案を通しても、大統領がいわゆる拒否権を行使することがはっきりと分かっていたので、結局実現できなかったわけです。

◆資本主義体制への移行に苦心するロシア

その後、このフラットタックスを導入した大国が出現しました。それがロシアです。

もともと、ソ連崩壊の引き金となったのは、社会主義経済によって膨大な財政赤字ができ、財政がパンク、ハイパーインフレを引き起こした経緯がありました。

1991年エリツィン大統領の時、ロシアとしてアメリカから専門家を雇って資本主義経済に変えようとし始めました。

確かに、当時のロシア政府には負債が多かった一方、ある程度の資本も存在し、ソ連時代から宇宙開発先進国として培った技術力もありました。

こうした「資本と技術力」さえあれば、政治体制が資本主義に変わることで、誰もがロシアは資本主義の国になると思い込んでいましたが、結果的に7年後の1998年、ロシアは再び財政破綻を起こしてしまいます。

◆一律13%のフラットタックス導入を決断したプーチン大統領

1998年のロシア財政破綻のあと、GDPは10%程度のマイナス成長を続けていたロシア経済下において、ロシア大統領に就任したのがプーチン大統領です。

そして2001年にプーチン大統領は所得税一律13%のフラットタックスを導入し、同時に、教育費、医療費、住宅費以外の多くの控除を原則廃止としました。

この結果として、導入した2001年の所得税収は26%増、02年は21%増、03年は12%増と増加の一途を辿り、3年間でロシアの所得収は50%増えました。

また、フラットタックス導入によって、ロシアのGDPは5年間でなんと3倍に成長し、8年間でだいたい6倍ぐらいにまで経済成長している事実があります。

◆減税によって税収が増える2つの理由

では、減税をして、なぜ政府の税収は増えたのでしょうか。

多くの人は税率が下がることによって、政府の税収は当然減ってしまうと考えますが、現実的には減税をすると、人々は税金が取られる割合がぐっと下がり、収入を増やす“やる気”が高まります。

この「収入をもっと増やそう」というやる気が高まることが、減税の効果の一つと言えるでしょう。

そうすると、人々の課税所得が増え、政府の立場からすると税収のベースが増えることになります。

また、減税することで、いわゆる「税金逃れ」が減っていきます。

多くの国で富裕層を中心に、この「税金逃れ」がまかり通り、本来の税金の半分しか実際に払われてはおらず、特に当時のロシアは「汚職とマフィアの国」だったので、税金はまともに払われていませんでした。

しかし、フラットタックスにすることで、複雑だった税制が単純化し、これだけ税金が安くなるなら、納得して税金を払おうという人が増え、結局全体の税収が増えました。

これがフラットタックスの効果なのです。

(つづく)

及川幸久

執筆者:及川幸久

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