ロシアで導入、アメリカも検討している税金革命「フラットタックス」【前編】
本日は、「ロシアで導入、アメリカも検討している税金革命「フラットタックス」【前編】」をお送りいたします。
ロシアで導入、アメリカも検討している税金革命「フラットタックス」
https://www.youtube.com/watch?v=g4VxwpW9BRg
幸福実現党 外務局長 及川幸久
※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。
◆税制とは「現代のモンスター」
今回は「フラットタックスの導入」がテーマです。
所得税、法人税から始まって、地方法人税や相続税、贈与税、その他多くの間接税など、日本には多くの種類の税金が存在します。
「目的税」として、何といっても大きいのが10%に増税された消費税です。
更に、実質の税金である年金や健康保険等の社会保険料も取られています。
まさに税制というのは「現代のモンスター」と言えますが、特に問題なのは、7段階ある所得税の累進税率、要するに「お金持ちから税金をたくさん取れ」という仕組みです。
◆税制から考えるロビンフッドの姿
具体例として、中世イングランドの「義賊」、ロビンフッドの伝説をご紹介します。
当時はキリスト教圏の国々がイスラム教圏の国々と戦ったいわゆる十字軍の時代でしたが、十字軍のために税金をたくさん庶民から取られ、多くの人たちが重税で苦しんでいました。
そうした状況下で、ロビンフッドは、お金持ちや商人が街への近道として使っていた森で待ち伏せて、物を奪い、それを街にいる貧乏人に分け与えていたわけです。
つまり、ロビンフッドは現代で言う「累進課税」そのものであり、貧しい人々へ配っていたわけなので、「所得配分」そのものでもあったと言えるでしょう。
ロビンフッドの伝説の根底にあるのは「お金持ち」から取って、「貧乏人」に分け与えるという考え方です。
◆富裕層は「税の抜け穴」によって守られる
これに対して、お金持ちや商人はロビンフッドに取られないよう、ガードマンや用心棒を雇ったわけです。現代で言うと、弁護士や税理士に当たるかもしれません。
そうすると、商人たちのコストが上がり、貧しい人たちは高いものを買わざるを得なくなり、結局、全ての人、特に貧しい人がますます苦しくなります。
前提には、「成功して金持ちになるのは悪」「私有財産は悪」、「お金持ちや大企業には罰を与えていいんだ」という共産主義的な発想があるのです。
そして皆が共倒れするのが共産主義の特徴ですが、なぜか大企業やお金持ちは共倒れしません。
なぜなら、「税の抜け穴」というのがたくさんあるからです。
先ほどの例えでいうと、弁護士や税理士に高いお金を払って、「税の抜け穴」を探してもらうのです。
そうして大企業や富裕層は自分のお金を守るのですが、中小企業や中間層はそんなことは出来ません。
◆「複雑すぎる税金」が及ぼす悪影響
そして、税金は単に「税率が高すぎる」のが問題というだけではなく、「税金が複雑すぎる」ということも大きな問題です。
税金が複雑すぎることで納税するだけでも、意外に「お金」「時間」「労力」がかかります。
サラリーマンの場合、基本的には所属先で源泉徴収されますが、経営者や個人事業主は、労力をかけないと納税はできません。
アメリカのある大学が行った調査によると「アメリカ人が納税のために使っているコストは6000億ドル(60兆円)にも上る」と言われ、日本の1年間の税収にあたります。
アメリカにも、それだけのお金が使われないと納税できない現状があるのですが、このお金と時間をもっと生産的に使えるならば、もっといろんなことができるはずです。
◆税制をシンプル化するとどうなるか
この問題を解決する方法は「複雑すぎる税制をシンプル化すること」です。
それが今日のテーマであるフラットタックスです。
フラットタックスというのは、累進課税ではなく、税率は一律で、優遇措置等の控除はありません。
その代わり、全員が同じ低い税率を享受できるというのがフラットタックスです。
そうすると確定申告は1枚の紙に書く位の内容で終わりになりますので、高いお金と時間と労力をかける必要がなくなります。
そもそも、特定の人や企業に税制優遇を与えるなど、官僚と政治家が大きな権力を行使できるよう、こうした複雑な税制があり、これがいわゆる「大きな政府」です。
フラットタックスを導入することで、複雑な税制がシンプルになるので、自動的に「大きな政府」を終わらせ、「小さな政府」にすることが出来ます。
また、フラットタックスは経済成長を起こし、民間投資や雇用が増えます。
税率が低いので、そして個人の消費が増え、税金のベースが増えていくので、政府の税収も増えていくのです。
(つづく)
執筆者:及川幸久