国民が必要としてないマイナンバー制度を拡大させる政府にご用心
幸福実現党神奈川県本部神奈川第三選挙区支部長 HS政経塾 第四期生 壹岐愛子
◆10人に1人しか申請していないマイナンバー
2015年10月からスタートした、マイナンバー制度。
12桁の番号が日本の全住民に付与され、「公平・公正な社会の実現」「国民の利便性の向上」「行政の効率化」というお題目のもと、国民の理解がないままはじまりました。
制定されてから約1年半、幸福実現党はマイナンバー制度制定前からこの制度の問題点について指摘してきましたが、制定後の現状はどうなっているのでしょうか。
まず、開始当初から起こったのがシステムトラブルです。
自治体窓口では2016年1月以降、カード交付時のサーバー障害が約2カ月にわたり1日に1回のペースで発生し、さらに大規模な障害が6回も発生しました。
このため処理ができず申請者にカードを手渡せないケースが続発し、総務省は、当初予定していた「2016年3月末までに1000万枚」の交付目標を、ほぼ4分の1の260万枚に引き下げました。
その後も利用者は増えず、総務省による昨年の10月時点でのマイナンバーカードの申請件数は、約1143万件です。これは日本の人口に占める約9%で、10に1人程度しか申請していないことになります。
◆来年には保険証とマイナンバーが紐づけられる
ただ税金はこれまでにすでに1千億円以上投資されています。
昨年度のマイナンバー関連事業費は1150億円。内訳は、自治体クラウド整備に450億円、情報セキュリティー構造改革に400億円、住民基本台帳ネットワーク運営やデータ移行などに300億円。
その結果申請率9%です。民間企業であれば、採算がとれない部門の廃止は充分に検討されますが、政府内で見直しの声はあがってきません。
むしろマイナンバーの利用拡大を躍起になって進めております。
昨年の9月に「ワンストップ・カードプロジェクト」チームが太田大臣補佐官統括のもと、内閣官房・内閣府・総務省・厚生労働省・文部科学省・経済産業省などの関係府省における関係課室長により構成されるプロジェクトチームとして結成しました。
このプロジェクトでは具体的に利用拡大項目として「マイポータルにおける子育てワンストップサービス」「コンビニ交付導入促進」「マイキープラットフォームの推進」の3本柱をアクションプランとして発表し17年度予算案とは別にシステム投資をする予定です。
さらに、厚生労働省は2018年度から、マイナンバーカードが健康保険証として利用できるように計画しております。
このように国民には知らされず、いつのまにか莫大な税金が使われ、知らない間に私達国民を一元管理できる制度を構築しようとしております。
◆マイナンバー制度でどれだけ効果があったかは不透明
これまでのマイナンバー制度で、どれだけの効果があったか不透明にも関わらず、税金をつぎ込み利用拡大を進める政府は傲慢であり、社会主義の方向にむかう日本国家に危機感を感じます。
マイナンバー制度の導入は、情報漏洩の危険性があるほか、国家による監視社会の構築や資産課税の強化など自由の抑圧につながるため、廃止を含めた抜本的な見直しが必要です。
幸福実現党はマイナンバーの適用範囲の拡大を中止するとともに、分野別番号への移行を進めます。国民が望んでいないマイナンバーを進める政府の動きに関しては充分に用心していく必要があるでしょう。