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タックスヘイヴン――富裕層が逃げ出さない日本であるには

文/HS政経塾6期生 山本慈(やまもと・めぐみ)

◆「タックスヘイヴン」とは

「タックスヘイヴン(租税回避地)」という言葉が新聞の一面を賑わせております。この言葉を初めて耳にした方も多かったのではないでしょうか。

そこで、今回はタックスヘイヴンについて簡単な説明と対応策について、お伝えさせていただきます。

タックスヘイヴンとは、小国が自国の存亡をかけて、税率ゼロもしくは低い税率によって、高富裕層や企業の資産を自国に誘致する政策を行っている地域や国のことを指します。

そこに外国企業が架空の子会社や金融口座をつくることによって、母国から架空子会社へ支出としてお金を送ることが可能となります。

◆「パナマ文書」で明るみになった租税回避

「パナマ文書」によって、アップル社やアマゾンをはじめ、世界をリードするベンチャー企業などの租税回避が判明しました。企業だけでなく習近平ら国家指導者なども、タックスヘイヴンで資産運用していたことが判明している状況です。

先進国政府からしてみれば、タックスヘイヴンの存在により、自国に収まるはずの税金が海外へ流出してしまうため、それを防ぐために、法人税などの税金引下げを余儀なくされています。

しかし、法人税は年々減税傾向にありますが、その税率を引き下げた分、他のところで増税され、ヨーロッパでは付加価値税、日本では消費税などが増税されています。税率が格段に下がったわけでもないので、タックスヘイヴンへの資産運用は今後も続くことでしょう。

今回判明したタックスヘイヴンで資産運用していた日本企業の多くは日本でも有名な大企業やベンチャー企業でした。タックスヘイヴンにある子会社にお金をプールすることで、利益額を下げ、日本に本来払うべき額より安い税金を納めていたことが明らかになりました。

◆G20が早くも、解決をはかる

4月14日にG20は財務相・中央銀行総裁会議で租税回避の防止策について協議しました。

このたびの情報交換協定が発効されれば、日本の国税庁は日本人がタックスヘイヴンで持つ預金、証券などの金融口座や金融の取引明細を各国当局から自動的に共有されるようになります。

またそれらの情報と実態を把握した後に企業、個人への課税を行う予定としています。

◆増税すれば資本家が海外へ逃げていくだけ

租税回避をさせない点では一理ありますが、そもそも租税回避の原因となる問題が解決されたわけではありません。

節税という観点から見れば、企業は頭を使って企業の存続を目指しているとも言えます。

資本家、富裕層が海外へ資本をうつすのは、税金が高いか、経済への不安があるからでしょう。

ただ単にタックスヘイヴンへの資産運用を禁止し、課税を強化するだけではなく、減税政策も行うべきではないでしょうか。

また5%から8%へ増税された消費税など国民の生活を圧迫する税金を減税していくべきです。幸福実現党は消費税8%から5%への引き下げ、2割代への法人税減税を訴えています。

ぜひ、財務省には増税ではなく減税政策に向けて動き出していただきたいものです。

山本慈

執筆者:山本慈

HS政経塾6期生

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