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選挙権年齢が18歳に!大人こそ政治参加の意義を考え直すべきだ

http://hrp-newsfile.jp/2015/2303/

文/幸福実現党・兵庫第12選挙区支部長 和田みな

◆選挙権が「18歳以上に」

先月17日、公職選挙法が改正され70年ぶりに、選挙権年齢を現行の「20歳以上」から高校生を含む「18歳以上」に引き下げられます。

海外の主流である18歳選挙権に合わせる形となり、対象となるのは全有権者の2%、約240万人。来夏の参議院選挙から適用される予定です。

先月行われた読売新聞調査では、18歳選挙権について賛成54%、反対39%と賛成が過半数を超えているものの、反対する声も少なくありません。「まだ十分な判断力がない」、「引き下げても投票に行く若者が増えるとは思えない」というのが反対の理由です。

一方で、政治・選挙情報サイト「政治山」による17~19歳への意識調査では、64.3%が投票に行く意欲があるという結果がでました。新聞の世論調査の心配とは裏腹に、10代の若者は選挙に高い関心を持っています。

◆教員への罰則の強化

各党からは若者の政治参加に期待する声が上がると同時に、若者への「主権者教育」について提言がまとめられつつあります。

自民党の文部科学部会では関係法令の早期の改正を目指しており、その一つは、教員の政治活動の制限を強化し、違反者に罰則を科すというものです。

改正により高校生も投票に行くことになるため、「学校教育に政治的なイデオロギーが持ち込まれることがあってはならない」と、教育公務員特例法を改正し地方公務員法の改正も盛り込まれました。

一方で、現場からはこのような厳しい罰則規制には「教育現場が委縮する」との批判も上がっています。

そのため、密室で行われる学校教育の現場において、どこまで政治的中立性が確保されるかは非常に難しい問題を含んでおり、まだまだ議論が必要でしょう。

◆新科目「公共」の創設

自民党の提言のもう一つの柱として、新科目「公共(仮称)」の創設があります。この創設の目的は、政治参加への意欲を高めることにあります。模擬選挙や模擬議会を実施し、高校生に投票の意識付けさせることが話し合われました。

一方で、昨年末の衆議院選挙の投票率は、小選挙区では過去最低の52.66%、比例区でも52.65%と、約半数の国民が棄権している現状があります。冒頭の若者への調査では64.3%が投票に行く意欲があるという結果が出たことからも、政治参加の意欲を高める必要があるのは、高校生よりも大人にこそ必要であると言えます。

まずは、大人が政治参加の見本を示すこと、国民全体として選挙の意義を高めることが最大の意識付けになることは明らかです。

◆政治家は未来のための政策立案を

昨年末の衆議院選挙における年齢別の投票率をみると、60代が最も多く68.28%。一方で40代以下は50%を切っており、20代に至っては32.58%と、60代と20代の間には倍以上の投票率の開きがあります。

人口比率が多い60代の方々の投票率が高く、人口の少ない若い世代の投票率が低いということは、政治家側からみると若者政策は後回しにしてでも、高齢者世代の政策の充実を図ることで、選挙に勝利することができるということを意味しています。

しかし、高齢者の政策を考えると福祉優先の考え方にならざるを得ず、日本の未来に投資し、若い世代に投資する政策は後回しにされてしまいます。

このような政治が、若者世代の政治離れを加速し、更なる票率の低下を招いているのです。

真に国の発展を考えるのであれば、政治家は若者世代の政策、更にその先の未来に対する政策をこそ国民に提示するべきです。

◆民主主義に必要な「愛国心」

それと同時に有権者である私たち一人ひとりも、今一度「政治参加」の意味を考えなければなりません。

民主主義の発祥といわれる古代ギリシャの「ポリス」では愛国心は「祖国への愛情と奉仕」を意味しました。故に、民主主義に参加するということは、愛国心の顕現でした。

また、フランスの政治思想家トクヴィルも、アメリカの民主主義が繁栄した要因について「愛国心」を挙げています。著書の中で以下のように述べています。

「アメリカの公共心はこの愛国心によって、公益と私益が混合しており、人々は『自国の繁栄に関心を持っている』ことによって、個人の繁栄と国の繁栄が思想の上で結びついていることが指摘される。そしてこの想いは、人々を国の政治に参加させることによって実現される。つまり、民主主義の政治参加の根本にあるものは『愛国心』という宗教的精神であって、これによって個人の繁栄と国の繁栄が初めて結びつくのであり、民主主義を繁栄に導くために、必要なものであることが明らかになった。」

宗教心を根本に置いた「愛国心」があって、「公」と「私」の利益が一体となることが、民主主義の政治参加の根本であるのです。

◆民主主義の健全化に向けて

現在、第一次安倍政権で改正された教育基本法では、「我が国と郷土を愛する」という愛国心が盛り込まれました。それに伴い、公民の教科書などでも「愛国心」という文言を使って、子供たちに愛国心を教えることが可能となりました。

しかし、それもまだまだ一部の教科書のみであり、その愛国心の根本にある「宗教心」については、公立学校では全く教えられていないのが現状です。

さらに政治参加への意欲を高めるには、学校教育のみの問題と考えるのではなく、「なぜ選挙に行かなければならないのか」ということを、国民全員が深く理解しなければなりません。それが民主主義を健全に機能させる方法なのです。

今回の選挙年齢の引き下げを契機として、国民全体で「政治参加」について深く考えていくことが大切です。

和田みな

執筆者:和田みな

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