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横田基地「オスプレイ配備反対運動」への疑問

文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人

◆安倍総理米議会演説に合わせ、反対運動

去る5月11日、東京都の横田基地に新型輸送機「オスプレイ」配備の検討がされている、との報道がありました。

菅官房長官、中谷防衛大臣ともに「日米同盟の抑止力を向上させる」と説明している所から、中国の太平洋進出に対しての対抗措置である事が伺えます。

特に、同じ「東京都」である小笠原諸島近辺では、中国船によるサンゴ密漁事件が多発していました。

これも尖閣諸島での事件同様に、安全保障上、注目すべき問題で、米軍も対策に乗り出している事が分かります。

このことは、日本の安全保障上、歓迎されるべきことなのですが、報道では「周辺自治体の対応はいかに」「住民たちも反対」などと言った、配備決定に対して疑問を持たせる報道が続きました。

まさに、「普天間基地の移設問題」と同じトーンでの報道で、安倍総理が米議会で歴史的な演説を行い、日米同盟にとって、さらなる強化の方向が出てきた中だけに、そうした流れに水をさすような印象を与えるものでした。

極端な形になると、普天間基地と横田基地の航空写真を並べて掲載し、「最後に被害を受けるのは、基地周辺の住民」というイメージづくりがはっきりと分かります。

◆オスプレイ事故の一番の被害者は米兵自身

さらに、オスプレイ関係のニュースは続きます。

5月18日に、ハワイでの訓練中に事故が発生し、2人の海兵隊員が死亡しました。沖縄県は、このニュースに敏感に反応し、翁長知事及び沖縄県議団がハワイを訪問し、事故の実態を調査しています。

しかし、実際に事故が発生した場合、確実に被害者となるのは、乗っている米兵です。常識のある人間であれば、新型の航空機の安全性について、これを最大限に向上させる事を第一に考えるはずです。

特に米国は、民主主義国であり、兵隊の生死について、大変敏感に反応する国柄です。当然、軍用航空機の安全性についても最大限の配慮をするはずです。

現在、航空機の安全性は「事故率」という指標で判断されています。これは、10万飛行時間当たりの重大事故件数を示したもので、オスプレイは、1.93という数字が記録されています。

これは、米軍航空機の平均値である2.45より低い数字で、「オスプレイが危険」という報道は、正しいものではありません。

◆なぜ、「オスプレイ」が横田基地に配備されるのか

さらに、「オスプレイ」と、日米で運用されている代表的なヘリコプターであるCH-47との比較をみれば、なぜオスプレイが横田基地に配備されるのかが、分かります。

1、最大速度「オスプレイ」 565キロ/時 →「CH-47」 315キロ/時
2、航続距離「オスプレイ」 3,590キロ → 「CH-47」 2,252キロ

上記のとおり、小笠原近海で中国海軍による軍事的な紛争があったとしても、オスプレイを導入することで、より早く現地に到着することができるのです。

報道で、これらの事について全く触れていない事が、公平を欠いていると思いました。

◆横田基地周辺の市民は本当に反対しているのか

また、気になるのが「周辺自治体の住民が反対している」という話です。

報道では、市民が周辺自治体の庁舎を巡り、「オスプレイ」配備について、反対の意志表示をするよう要請している映像を流すと共に、要望を出した市民の方へインタビューを行っていました。

その中では、「なぜオスプレイ反対なのか」について合理的な理由が欠けており、やや感情的な議論になっていると感じました。

私には、基地周辺の自治体である「福生市」「瑞穂町」「武蔵村山市」に、今回のオスプレイ配備の「被害者」となる知人・友人がおります。

さらに、実際に私も、福生市へ行ったのですが、報道とは異なり、オスプレイ配備についての危機感を持っている市民はほとんど見受けられませんでした。

確かに明確な推進の意思表示をする方はいませんが、かと言って、反対の声を挙げている市民もほとんどいないのが実態です。

また、昨年、横田基地で行われたイベント(横田友好祭)で、「オスプレイ」の展示が目玉となり、多くの訪問者たちが喜んだことも事実です。

◆日米同盟の強化を基本とした判断を

このように、日本の安全保障上、オスプレイの配備は、反対すべき理由はほとんどないにも関わらず、「周辺自治体の住民」の声なるものが実態以上に報道されているのが実情です。

沖縄では、普天間基地移設問題が暗礁に乗り上げています。現時点では、米軍は日米同盟に基づき、基地を維持しておりますが、米国では、オバマ大統領の財政政策が厳しい状態にあり、軍事費についても削減の方向が打ち出されています。

このまま沖縄や、今回の横田基地での市民運動が勢いを持つようになると、在日米軍の撤退という判断もありえる事は考えておくべきです。

従いまして、中国の脅威が日に日に増している現在、日本は、日米同盟の更なる強化という方向に基づき、「オスプレイ」配備も、反対する必要はなく、本来、歓迎すべきことなのです。

皆さまのご理解を賜りますよう、お願いいたします。

こぶな 将人

執筆者:こぶな 将人

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