宗教政党の強みを生かす…地域防災への取り組みの実例
文/HS政経塾第一期卒塾生 彦川 太志
◆天意の現れる国土
初めに、古事記に収録されている大和武尊の和歌を紹介いたします。
「やまとは 国のまほろば 畳(たた)なづく 青垣(あをがき) 山隠(やまごも)れる やまとし美(うるは)し」
これは、日本武尊が遠征の後、都のある大和に帰還した際に故郷の美しさを詠んだと伝えられる和歌です。
たった数行の文章ですが、眺めているだけで「神仏の愛される国・日本」の原風景が想起されてくるような、豊かな霊感溢れる和歌だと言えます。
私たち日本人にとって、この国土の風景は、その時代ごとの「天意」を感じ取る鏡でもありました。
本年は阪神大震災からちょうど20年に当たるということもあり、年初から防災に関心が向く一年となっていく気がしております。
そこで、今回は地元・鎌倉後援会の地域防災への取組について、ご紹介させていただければと思います。
◆鎌倉後援会の取り組み
2014年10月、暴風と豪雨を伴う台風18号が関東に上陸し、首都圏の広い範囲で水害が発生しました。幸福実現党鎌倉後援会のある鎌倉市内でも、市内各所で水害が発生しました。
特に被害が大きかったのは、JR大船駅の周辺です。折からの豪雨で駅の裏手を流れる柏尾川が増水し、川へ流れる排水が逆流するという現象が起こりました。
幸いにして雨天は短時間で止み、冠水も午後には回復いたしましたが、道路に散乱したゴミの撤去活動や、冠水した商店街のゴミ出し支援活動を鎌倉後援会として実施いたしました。
地域の皆様からの感謝の声に励まされつつ、ボランティア活動の実施後、災害の予防について後援会メンバーが情報収集に取り組み、道路冠水がなぜ起こったか、原因を探りました。
その結果、河川増水による道路冠水への対策は、河川、下水、道路などいくつかの部署に分かれており、統合した対策が立てられていないということが見えてきたのです。
柏尾川は過去2004年の台風でも逆流現象が起こっているため、地域発展の阻害要因となっております。実効的な水害対策が実現されるよう、地域の皆様と協力しながら行政に働きかけて行きたいと考えています。
◆地域のつながりが防災力の基礎
鎌倉後援会のある大船は、人情の街でもあります。近隣の自治会長は、「向こう三軒両隣的な、人情のある街にしたい」というビジョンを語っておられました。
少子高齢化が進む社会にあっては、少しでも人と人との繋がりをつくっておくことが、防災のみならず、防犯や孤独死対策につながると言えるでしょう。
また、普段からの話し相手をつくることで、若い世代であっても子育てや教育問題について解決の糸口を掴めるかもしれません。
冒頭紹介した、日本武尊の「やまとは国のまほろば…やまとし美し」という和歌も、神仏に愛されるような、「人と人の美しいつながり」を詠んだ歌なのかもしれません。
人間誰しも、「孤独」に勝る苦しみはないものです。東日本大震災で問題となったのも、避難生活におけるプライバシーと孤独の問題ではなかったでしょうか。
「美とは、存在の恵みないし愛なのではないだろうか」という言葉※があります。
宗教政党である幸福実現党は、相手のご意見に耳を傾けることはもちろん、言葉にならない「心の声」にも傾聴する姿勢を持った政党です。
鎌倉後援会は、人と人との温かみある関係が希薄になっていると言われる現代において、少しでも地域の潤滑剤になっていき、美し麗し、大和の国の復活を後押したいと考えています。
※参考文献
『美について』今村友信 講談社現代新書