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増税が失政だと認めない自公政権、消費税5パーセントで景気回復の幸福実現党

文/HS政経塾スタッフ 遠藤明成

◆増税に反対した幸福実現党

2014年7-9月期の景気の悪化の規模は、11月に公表された速報値よりもさらに深刻だったことが12月8日、内閣によって発表されました。

11月の速報では7-9月期のGDPの減少値は年率換算でマイナス1.6パーセントと言われていたのですが、実際はマイナス1.9パーセントだったことが明らかになったのです。

増税後の景気悪化の規模を調べ直したら、被害はもっと深刻だったことが今回の発表(改定値)で分かり、「調査によってGDPのマイナス幅がもっと小さいことが分かるはずだ」と考えたエコノミストや政治家などの期待が裏切られたのです。

昨年の秋に多くの“有識者”が8パーセントの増税を行なうべきだと主張する中で、幸福実現党はこの増税に反対しました。

それは、「日本経済がデフレから脱却し始めたばかりで、大部分の庶民の給料が上がってもいないのに増税などできるわけがない」という当たり前の常識があったからです。

◆デフレ下で消費増税の弊害が分からない政治家

しかし、自民党の甘利明大臣は11月17日のGDP速報値発表後の記者会見で、「デフレ下で消費増税を行うことの影響について学べた」と反省の弁を述べる有様です。

どうして増税を行なう前に気が付かなかったのでしょうか。まるで、普天間基地の県外移設を訴え、日米同盟を危うくした後に「抑止力について学ばせていただいた」と言った鳩山首相の迷走とそっくりです。

昨年の8パーセント増税、今年の10パーセント増税に反対した三菱UFJの片岡剛士氏(三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員)は、今年の11月に今回の増税によるGDP減少の規模は97年の消費税増税の時よりも大きく、東日本大震災の時のGDP減少に匹敵することを示していますが、この被害を直視しなければいけません。
(※「97年4‐6月期:前期比年率3.5パーセント減」/「11年1‐3月期:前期比年率6.9パーセント減」)

今年の4月に消費税を増税した後の3か月(4-6月期)のGDP減少を年率で計算し直した数字は約-7%と言われています。(※11月発表では「1.9%減:前期比年率7.3%減」/12月8日の発表では1.7%減(同6.7%減)」

◆消費税増税で引き起した景気悪化は「人災」

今回の消費税増税は「東日本大震災」並みにGDPを減らした「人災」なのです。これは自公民の三党合意と安倍政権からもたられた未曾有の失政です。

また、消費税増税に警鐘を鳴らす早稲田大学の若田部昌澄教授は、本年11月の官邸での点検会合で、景気の悪化を深刻に捉え、「アベノミクスは振出しに戻ったのだから、税率を出発点と同じにし、金融・財政政策を再稼働させよ」と言っていました。

若田部教授は消費税を5パーセントに戻すのがいちばんよいと提言しています。これは、要するに「頭を冷やして出直せ」と言っているのと同じです。

日本は消費税を5パーセントに戻すべきだというのは、ノーベル経済学賞を受賞したクルーグマン教授(米・プリンストン大)も言っていることです。

しかし、自公政権はこうした警告を十分に受け止めず、増税延期と言いながら、同時に17年4月に必ず増税することを明言しています。もう一度、日本経済破壊の実験を繰り返そうとしているのです。

そんなことが許されてよいはずがありません。幸福実現党は、日本経済を発展し、パイを増やすことで、国民を豊かにするために、消費税5パーセントへの減税を訴えます。

遠藤 明成

執筆者:遠藤 明成

HS政経塾

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