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自公連立で国滅ぶ――「自公」から「自幸」へ

◆「エセ改憲論」を掲げる公明党

政権与党である自民党と公明党との間で、憲法改正や原発等に関する政策の違いが顕著に表れています。

公明党は27日、夏の参院選の追加公約を発表しました。その主要論点は下記の通りです。(6/27 産経「『原発ゼロ』公明が追加公約、『加憲が現実的で妥当』」)

公明党の山口代表は「加憲」について、「今の憲法に(環境権やプライバシー権などの)新しい理念や価値を加えていく、いわばプラスの憲法改正論だ」と強調しています。(5/4 公明新聞)

このように、公明党は自民党に擦り寄るべく、「改憲派」のようなスタンスを取っていますが、実際には、現行憲法の「大枠を変えない」という意味で「護憲派」とスタンスは変わりません。

特に憲法9条については、平成16年6月、公明党憲法調査会は「戦後の日本の平和と繁栄を築くうえで、憲法9条の果たしてきた役割は極めて大きい」として「現行規定を堅持すべきだとの党のこれまでの姿勢を覆す議論にはいたっていない」と述べています。

「環境権」「プライバシー権」など、法律で制定すれば済むような、大勢に影響が少ない条項を憲法に加えることをもって「憲法改正論だ」(山口代表)というのは全くの茶番です。

人の良い安倍首相も公明党の「エセ改憲論」に騙されてはなりません。

◆自公政権の本質は「野合政権」

また、公明党は憲法9条改正について「自衛隊の存在や国際貢献の在り方を加憲の議論対象とする」としていますが、これは現状追認であり、幸福実現党や自民党が提言する「防衛軍(国防軍)の創設」とは全く次元が異なります。

そもそも公明党は憲法9条に加える条文の案さえ全く提示しておらず、「議論対象とする」という曖昧な表現で自民党に擦り寄っているに過ぎません。

また公明党は、自民党が提言する「憲法96条の先行改正」についても「慎重に議論すべき」と反対し、「自主憲法の制定」にも反対姿勢を示しています。(6/3 公明新聞)

その意味で、公明党の憲法スタンスは、民主党、社民党、共産党などの「護憲派」と全く同じであり、「自主憲法の制定」を党是とする自民党とは「水と油」です。

国家観、憲法観が全く異なる自公政権は、「自社政権(村山政権)」と同じく「野合政権」に過ぎず、「ねじれ国会対策」のためとは言え、憲政の常道を逸する行為であると言わざるを得ません。

◆憲法改正は日本にとって死活問題

今回の参院選では、自民党は「経済を最優先」させ、「憲法改正」をトーンダウンしていますが、その背景には、参院選までの「安全運転」戦略や公明党への配慮があると言われています。

しかし、今回の参院選は「憲法改正」を国民に問い、国民的議論を巻き起こし、憲法改正を実現できる絶好のチャンスであります。

過去のHRPニュースファイル「なぜ今、憲法9条改正なのか?」でも述べたように、現憲法下では、自衛隊はまともに戦うことができず、「国民の生命・安全・財産」を守ることはできません。

中国の習近平国家主席は今後10年間のビジョンとして「中国の夢(チャイナ・ドリーム)」を掲げ、その目指すところは「中華民族の偉大な復興」、すなわち、中華民族が世界の中心となり、最大版図を実現することを掲げています。(3/18 産経)

「中国の夢」の実現に向け、習近平氏は「中国共産党の指揮に従い、戦争に打ち勝つ強い軍を作るという目標に向けて、断固として国家主権や安全、発展の利益を守らなければならない」と語り、戦争準備を指示しています。(3/17 読売)

日本は習近平主席の10年間の統治の間に有事を迎える可能性が極めて強いのです。

日本の興廃は、この10年間に決まります。今、憲法改正を成し遂げることなくして、日本の未来はありません。

その意味で、参院選において、各政党は「憲法9条改正の是非」を国民に問い、参院選後は「自公」ではなく「自幸」連立による憲法改正を断行することが急務です。(文責・政務調査会長 黒川白雲)

黒川 白雲

執筆者:黒川 白雲

前・政務調査会長

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