中国共産党幹部の腐敗の実態(3)――危険ラインに達した中国の「格差社会」
危険ラインに達した中国の「格差社会」
日本は「格差社会」が進んでいるという人もいますが、日本とは比べ物にならない程の深刻な格差が「完全平等」を掲げる共産主義国家・中国で起こっています。
その格差は、もはや是正不可能なほど深刻で、中国国内に大きな政情不安をもたらしています。
中国共産党幹部の腐敗の実態(1)でも言及しましたが、「ジニ係数」(国民の所得格差を計る指標で、1に近いほど格差が大きい)で比較すると、日本のジニ係数は0.336、世界平均は0.44であるのに対して、中国は0.61と、世界平均を大幅に上回っています。(2012/12/11 人民網「中国家庭のジニ係数0.61 所得格差深刻」)
例えば、中国の労働者平均の年収は約30万円です。また農村では18.5万円程度です。一方、ある保険会社の役員(中国共産党員)の年収は約8億5千万円でした。労働者平均の約3000倍、農民工平均の4500倍です。(2012/10/24 産経)
深刻な都市と農村の格差
また、中国社会科学院が発表した「社会青書」によれば、中国の都市部と農村部の収入格差は最大で約9.3倍に達しています。(2012/12/26 赤旗「都市と農村 格差9.3倍 中国社会科学院が発表」)
例えば、上海都市部住民1人当たりの年収は3万6230元(約56万円)もあるのに対し、甘粛省農村部の1人当たりの年収は3909元(約6万円)に過ぎません。
さらに都市・農村格差として、次のような事例もあります。
現在の中国の繁栄は沿海部の都市とその郊外に集中していますが、都市の生活は農村部からの出稼ぎ労働者なくしては成立しません。
都市住民が嫌う飯場や清掃等の「3K職場」は、ほとんどこの出稼ぎ労働者の仕事です。
出稼ぎ労働者には、職種制限や差別的低賃金はもとより、都市住民が享受している諸種の社会保障サービスを受けることはできません。
彼らには都市の教育・医療・保健サービスを受ける権利が与えられていないのです。もしサービスを受けられたとしても、法外な代価が要求されます。
「平等」をどの国よりも追い求めているはずの共産主義国家が、世界で最も格差がついているとは誠に皮肉なものです。
中国崩壊の序曲――今こそ、日本は中国の民主化を支援せよ!
現在、こうした「格差」や賄賂・職権乱用等の腐敗・汚職を放置している中国共産党政府に対して、中国人民の不満は限界まで高まっており、中国各地で暴動が多発しています。
中国各地では、貧富の差の拡大や役人の腐敗・汚職に怒った民衆の暴動やデモが頻発しており、昨年は約20万件、1日当り約550件に達しています。(SAPIO 2012/6/6号「中国の暴動・デモ1日548件 公安費予算9.1兆で国防費上回る」)
そのため、それを取り締まる公安費(2012年予算:約10.9兆円)が2010年以降、膨張を続ける国防費(同:約10.4兆円)をも上回るという異常事態になっています。
中国共産党政府は、民衆に溜まっているこうした不満を「反日」運動にぶつけ、ガス抜きをしていますが、今や抜けたガスに引火しつつあります。
尖閣諸島の国有化に際し、中国各地で大規模なデモと暴動が起きましたが、日本へのデモのはずが、プラカードには中国共産党への不満や抗議を書いたものも多数あったことを見ても、中国政府への不満が、巨大なエネルギーとなって溜まっているのは明らかです。
中国は既に社会が転覆する危険ラインに達しています。
善良な中国国民を苦しめている最大の存在は「中国共産党政府」です。
西側諸国が「ソ連包囲網」を形成してソ連を崩壊させたように、今こそ、日本政府が主体となって、米国や中国周辺の民主化された国々と連携を強めて「中国包囲網」を形成し、中国の民主化を実現すべきです。
(文責・岐阜県本部副代表 河田成治)