追い詰められた日本――2013年は日本国の正念場となる!
中国の楊外相は12月14日、習近平指導部の外交方針に関する論文を人民日報に掲載。日本政府の尖閣国有化に対して「断固として日本と闘争を行う」と表明しました。(12/15 夕刊フジ「中国外相『対日闘争続ける』」)
これは事実上の「宣戦布告」とも言うべき挑発であり、習近平体制に移行してから、より一層、中国の覇権主義が加速しています。
中国評論家の石平氏は、習近平氏が陸軍部隊と海軍艦隊を視察して「軍事闘争の準備を進めよう」と指示し、「中華民族復興の夢はすなわち強国の夢であり、すなわち強軍の夢である」と熱っぽく語ったことを紹介し、習近平氏の真意が「強国強兵」にあることを指摘しています。(12/20 産経「『戦時体制』への移行を始めた中国 安倍政権は『尖閣決戦』に備えよ」)
石平氏は、中国は全国を7つの「軍区」に分けて軍を配備しており、これまでは「軍区」という言葉が使われて来たが、「戦区」という表現が出たのは今回が初めてであり、習近平体制下の中国がすでに「戦時体制」への移行を始めたと指摘しています。(同上)
また、先般、北朝鮮が発射した長距離弾道ミサイルは射程1万キロ程度で、米本土の西海岸に到達する能力があることが判明しています。(12/12 時事「北朝鮮ミサイル『射程1万キロ』=米本土、圏内か」)
ミサイルの飛行コースも事前に通報したルートをほぼ正確にたどっており、北朝鮮がミサイル開発技術を飛躍的に高めていることが分かります。
「核保有国」としての地位の主張を強める北朝鮮は3回目となる核実験の準備も進めているもようで、米ジョンズ・ホプキンス大の北朝鮮研究グループは、北朝鮮の核実験施設について衛星写真を分析した結果、いつでも実験に踏み切れる状態にあると発表しました。(12/28 朝日「米『北朝鮮、核実験可能な状態』」)
北朝鮮の背後には、中国の意向があることは周知の事実であり、「北朝鮮」が「核保有国」として脅威を増せば、中国・北朝鮮軍事ブロックにより、日本は核の脅威に晒されるようになる日が間近に迫っています。
中国・北朝鮮が米国に届く大陸間弾道ミサイルを保有するに至り、「米国はニューヨークが灰燼に帰してまで、日本を守ろうとしない」とよく言われるように、より一層、米国の「核の傘」はあてにならない事態に至っており、日本は現実問題として、自主防衛・核武装を迫られています。
間もなく誕生する安倍政権が直面する最大の課題は、中国・北朝鮮ブロックによる「新軍国主義」から、いかに日本の国民・国家・領土を守り抜くことができるかということにあります。
国民が「タカ派」と見られる安倍・自民党への政権交代を選んだのも、そうした「保守回帰」への期待があったからでありましょう。
しかし、安倍総裁は「竹島の日・政府主催式典」「村山談話の見直し」「尖閣諸島への公務員常駐」などの公約を見送り、「靖国参拝」に関して明言を避け、中韓との外交改善で落ち着かせる構えです。
安倍首相は再登板でもあり、「肉を切らせて、骨を絶つ」深慮遠謀として練り込まれた「大人の対応」であると思われます。
しかし、時計の針を戻しただけで終わるのか、本当に日本の危機を突破できるのか。2013年は自民党・安倍政権にとってだけでなく、日本にとっての正念場ともなります。
国民が安倍新政権に期待しているのは、これまでの自民党政治からの転換であるはずです。
自民党政権は日中国交正常化以降、中国共産党を全面支持し、台湾との国交を即座に断絶。日本固有の領土である尖閣諸島の日本帰属を曖昧にしたまま、30年以上に渡って7兆円以上もの対中ODAや技術供与を続け、中国の経済大国化・軍事の近代化を支えて来ました。
その結果、今や中国は米国ですら手の負えない「怪物」に育ってしまいました。
安倍政権はこれまでの自民党政治を転換し、中国が戦闘行動に入った場合、9条解釈改憲を閣議決定し、即時対抗手段を講じることが出来るのでしょうか。
「自分の国は自分で守る」姿勢が無く、日米安保条約が発動するかは危うく、毅然たる判断を下すことが出来るのか、本当の意味での「大人の対応」として腹が括れているかどうかが、日本の分かれ目になります。
自民党は戦後67年間、弱腰外交によって日本を失わせ続けて来ました。しかし、もうその延長線上には日本は存続できません。
カウントダウンは既に始まっています。日本はまさしく、「自分の国は自分で守る」という自主防衛を選択するのか、それとも「降伏」するのか――国民自身の決意が問われています。
そうした中、幸福実現党は新体制の下、より一層、救国体制を強化し、「国難との戦い」を続けて参ります(12/28「幸福実現党の総裁人事・党首交代等について」⇒http://www.hr-party.jp/new/2012/32688.html)。
今後とも、幸福実現党は未来を見据えて正論を訴え続け、国民の生命・財産・安全を死守すべく、公党としての責任を果たして参ります。
(文責・小川俊介)