このエントリーをはてなブックマークに追加

プーチン大統領返り咲き――日ロ関係強化で中国包囲網を形成せよ!

3月4日に投票されたロシア大統領選挙において、ウラジーミル・プーチン首相が約64%を得票して、大統領に返り咲きを決めました。

2000年から2008年までの間、ロシア大統領の職についたプーチン氏は、一貫してロシア国内の安定と経済の成長を目指す方針をとり、原油価格の上昇にも支えられ、GDPは6倍増となり、経済は危機を脱して大きく成長。国家財政も復活させました。

今回の選挙では、反プーチンデモなども盛り上がりを見せましたが、あっさり過半数を制したことは、未だにプーチン氏は高い評価を受けているといえます。

任期が1期6年に延長されましたので、今後、プーチン政権は、2024年まで政権を維持できる可能性があります。プーチン政権といかなる関係を結ぶかが、今後の日本の安全保障にとって極めて優先度の高い課題といえます。

プーチン氏は「柔道は単なるスポーツではない。哲学だ」という柔道家です。嘉納治五郎、山下泰裕、姿三四郎を尊敬している親日家でもあり、柔道を通して日本文化を深く理解していると言われています。

※日本の未来を大きな関係のあるプーチン氏の本心については、3/17(土)より緊急上映される大川隆法党名誉総裁 公開霊言『「ロシア・プーチン新大統領と帝国の未来」─守護霊インタビュー─』を是非ご覧ください。⇒http://goo.gl/pkqjS

日本嫌いなメドベージェフ大統領は2010年、堂々と北方領土を昨年訪問するなどの強硬姿勢で日露関係を悪化させました。同時に、中国とロシアが接近し、蜜月になったかの印象を受けました。

しかし、昨年10月、プーチン首相(当時)が北京を訪問した際、中国が最も必要とする石油、天然ガス分野の協力分野の経済協力について、合意が達成されませんでした。

一方、プーチン氏は、LNGや電力供給を含むエネルギー分野で日本と協力を進める考えを示しています。ロシアは石油やLNGの輸出を柱とした「エネルギー供給大国」を目指しており、サハリンなど極東地域の資源開発で日本企業の協力も期待しています。(2010/10/15 朝日)

天然ガスの供給について、プーチン大統領が中国を必ずしも最優先していないのは確かです。ロシアの経済的発展に関して、日本のできる役割は大きいものがあり、またそれが日本の国益に繋がるはずです。

ロシアや中央アジアで豊富に産出される天然ガスは、原発の停止によって、化石燃料の需要が急激に高まっている日本にとっては福音となります。

特に、天然ガスは中東における不安要素が高まりつつある昨今、有力なリスク回避策となり得ます。ホルムズ海峡危機や中国の南シナ海支配により、シーレーンが寸断されたとしても、エネルギー供給を確保できる可能性があります。

また、軍事面においては、ロシアは今年行われるアメリカが主催する環太平洋合同演習(リムパック)に初めて海軍の艦船を派遣することを決定しています。(1/7 産経「ロシア艦船、米海軍軍事演習に初参加 米との協力維持模索か」⇒http://goo.gl/Lgr54

これはアメリカとの関係を模索するためであると言われています。中国の脅威に対処しなければならない日本にとって、ロシアとの軍事交流が生まれることは、国防上の利点が大きいものがあります。

幸福実現党はかねてからロシアとの協商関係の構築(「日露協商」)を提言しています。ロシアとの間で経済的な結びつきを強め、結果的に安全保障上の結びつきを強化できれば、日本は一層強まる中国の脅威に対抗していくことができます。

野田首相は5日、プーチン首相と電話で会談し、北方領土問題について「プーチン首相との間で英知ある解決に取り組みたい」と述べ、これに対し、プーチン首相は「全ての分野で日露関係を発展させるべく、お目にかかるのを楽しみにしている」と応じたといいます。

ロシアは経済分野を中心とした日本との戦略的互恵関係の構築を求めています。

日本政府は知恵を絞り、ロシアとの互恵関係をカードとして、上手に北方領土問題解決を目指すと共に、プーチン政権下のロシアと「日露協商」を締結し、中国包囲網を形成していくことが喫緊の課題であります。
(文責・加納有輝彦)

加納 有輝彦

執筆者:加納 有輝彦

岐阜県本部政調会長

page top