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野田首相は普天間基地移設の環境影響評価書年内提出を「決断」せよ!

一川防衛相の辞任を求める声が拡大する中、5日、野田首相は防衛大臣の更迭を拒否しました。

5日の衆院予算委員会では、野党に加え、与党の国民新党からも防衛相の罷免要求が飛び出したにもかかわらず、野田首相は「批判を受け止めながらも、襟を正して職責を果たしてほしい」と防戦一方でした。

一川防衛相は1995年に沖縄で起きた女児暴行事件について「正確な中身を詳細には知らない」と答弁するなど、防衛相としての資質を疑わせる言動を繰り返しています。

野田首相は「適材適所」内閣を誇示していましたが、そもそも一川防衛相は、野田政権で初入閣したとき「安全保障に関しては素人だ」と自認するなど、国家の安全保障の責任を担う人材としては最初から不適切な人選でした。

党内融和を優先する余り、「参院枠」で一川氏を防衛大臣に任命してしまった野田首相の任命責任は大きいと言えます。

12月は安全保障関連での重要な政策決定が迫られています。

まずは、沖縄県の辺野古周辺を埋めるための環境影響評価の評価書の提出です。これは米軍普天間飛行場の辺野古移設に欠かせない手続です。首相はオバマ大統領に「年内提出」を伝えています。

そして、航空自衛隊が導入する次期戦闘機(FX)の選定。年内に機種を決め、来年度予算に必要経費を盛り込みます。

さらに、南スーダンPKOへの陸上自衛隊施設部隊の派遣の実施計画を20日に閣議決定する予定です。

こうした中、沖縄との関係が冷え込むような不適切発言が噴出し、沖縄では、「辺野古移設反対の声をあげよう」との世論も起こり、民主党内でも「評価書提出を強行することは得策ではない」との声も上がっています。

しかし、評価書の提出と今回の不適切発言、一川防衛相の辞任問題とは切り離し、国家安全保障を大所高所から判断し、断固、年内提出の方針を変えるべきではありません。

重要な防衛関連政策を決定する時期にあわせて、不適切発言が問題になったことは、沖縄のメディアをはじめ、辺野古移設を阻止する左翼運動家の動きが活発になっていることは間違いありません。

『琉球新報』『沖縄タイムス』の二紙だけを読んでいれば、全ての出来事が「本土による沖縄への不当な支配と抑圧」の陰謀のように見えてきます。

沖縄での二紙のシェアは99%近くを占めるなど寡占状態が続き、沖縄では絶対的な存在です。二紙と左翼団体が歩調をあわせれば、大きな世論が形成されていきます。

田中前沖縄防衛局長の更迭の裏には、沖縄県本部副代表の金城タツローが昨日のHRPニュースファイル「沖縄マスコミと田中前防衛局長更迭事件」で指摘しているような実態があります。

本人も慎重さに欠けたとはいえ、まさに足元を掬われてしまった形です。田中前局長は評価書提出に向け、最前線で指揮していた中心人物だけに、評価書提出の遅れが懸念されます。

さて、12月3日の内閣府の「外交に関する世論調査」では、米国に「親しみを感じる」と答えた人は、82.0%で「過去最高」でした。明らかに、東日本大震災で、米軍の「トモダチ作戦」の献身的な支援を受けたことが好印象となって表れています。

日本人の米軍への理解は深まっています。2012年を迎えようとする今、日米同盟を堅持していく方向での「決断」が必要です。

普天間基地の辺野古移設は、国家の問題です。辺野古では既に準備が進められているのですから、国家の最高責任者として、野田首相が評価書の年内提出を決断、実行すべきです。

鳩山元首相が5日、都内で講演し、普天間飛行場の移設先について「辺野古以外のところがないとは思わない。首相官邸で主導して探す努力を続ける必要がある」と発言し、再び問題をぶり返そうとしていますが、そうしたルーピー発言など一蹴すべきです。

それにしても日本の課題、最大の問題は、政権与党である民主党の人材不足であることを痛感します。

国家の安全保障を揺るがすことのないよう、責任を果たして頂きたいと思います。
(文責・竜の口法子)

竜の口 法子

執筆者:竜の口 法子

女性局長

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