Home/ 2019年 September 2019年 September 中国の金銭外交で台湾孤立危機。アメリカの台北法案とは何か? 2019.09.28 本日は、先日、「中国の金銭外交で台湾孤立危機。アメリカの台北法案とは何か?」について釈量子党首のお話を伺いましたのでご紹介します。 ぜひご覧ください。 (広報本部) ■中国の金銭外交で台湾孤立危機。アメリカの台北法案とは何か? 幸福実現党 党首 釈量子 ※下記は上記映像を要約したものです。詳しくは映像をご覧下さい。 ◆台湾の孤立化を図る中国の金銭外交 南太平洋のソロモン諸島と太平洋のキリバスが、長年外交関係のあった台湾との断交を発表しました。これにより台湾が外交関係を持つ国はわずか15か国に減りました。 ソロモン諸島のソガバレ首相は親中派として知られる人物で、今年4月に4度目の再選を果たした後、中国と台湾の両方に派遣団を送り、どちらがより多くのお金を出すか天秤にかけました。 しかしながら、蔡英文総統は、キッパリと断りました。そして、「台湾は不合理な要求を満たすために、中国の金銭外交に関わるつもりはないことを強調したい」と明言し、中国の弾圧に屈しない姿勢を示しました。 また、台湾の呉ショウショウ外交部長(外相に相当)によると、キリバスのタネティ・マアマウ大統領も台湾に対して民間航空機を求めてきたようです。 中国はこうした島国のニーズがあることを知り、キリバスを含む南太平洋の国々に対して、航空機や船の提供を約束しました。その結果、キリバスはこの誘惑に負け、中国に忠誠を誓う外交に変更してしまいました。 こうした中国の金銭外交の動きを見ると、今後、ナウル、ツバル、パラオのような南太平洋の国々が台湾と断交する可能性があるのではないかと言われています。 ◆米国議会が新たな「台湾法」制定に動く! ここで注目なのが、米国の動きです。 ペンス副大統領は、ソロモン諸島が台湾と断交したことを知った後、予定していたソバカレ首相との会談をキャンセルしました。 また、共和党のマコール下院議員は、「太平洋で最も大きな国の一つが中国の『一帯一路』を選ぶのを見て失望している」とツイートしました。 さらに、マルコ・ルビオ上院議員が、台湾の外交関係を守り、米国は黙っていないことをハッキリと示すために「台北法案(Taipei Act)」を議会ですぐに可決すべきだと訴えました。 「台北法案」は、法案可決後90日以内、その後も180日毎に、国務長官は世界中の台湾の国際的な同盟関係を強化するためにどんな行動を行ったかをレポートにまとめて、議会の委員会に提出しなくてはならないことになっています。 また、国務省に対して、台湾に敵対的な行動を行う国への支援を中止する権限を与えようとしています。 さらに、米国は台湾が国際機関に参加できるよう、支援すべきことが明記されています。 この「台北法案」については、今年5月に上院の外交委員会で検討されましたが、その後、表立った進捗はありませんでした。 ところが、台湾と断交する国が次々と出てきたことで、米国議会の中で台湾を支援する声が高まってきたのです。 「台北法案」が成立すれば、台湾の強力なバックアップになることは間違いありません。 今回、台湾は小国との関係を断たれましたが、自由や民主主義の理念を貫くことで、大国米国との関係を一層強固なものにしたとも言えます。 また香港デモが起きた後、自由や民主主義の価値を再確認した台湾の人々の蔡英文総統に対する支持率が上昇しています。 中国の圧力に屈せずに、自由と民主主義を守るために戦い続けている蔡英文総統を支持する台湾の人々も多いのかもしれません。 中国の金銭外交が効果的かどうかは、来年1月の台湾総統選で明らかになるはずです。 ◆日本版「台湾基本法」の制定を さて、日本は来年中国の習近平国家主席を迎えることもあり、香港や台湾に関することは「戦略的沈黙」を守っているようです。 しかし、香港の危機は、明日の台湾、明後日の沖縄・日本です。そういう意味で日本にとって香港・台湾は運命共同体とも言えるのではないでしょうか。 幸福実現党としては日本版の「台湾基本法」を制定するなど、日台関係を強化するための議論をもっと行っていくべきではないかと考えています。 破綻か?再建か?日本の年金問題を斬る!! 【後編】 2019.09.20 ※昨日の続きを、下記の映像からお送りいたします。 (広報本部) 破綻か?再建か?日本の年金問題を斬る!!~5年に1度の年金財政検証~(及川幸久) https://www.youtube.com/watch?v=GvkDoaM_4Jo&t=9s 幸福実現党 外務局長 及川幸久 ◆税金を入れて破綻を免れている現行の年金制度 政府が皆さんから保険料として預かってきた公的年金は、事実上「破綻」寸前であり、政府は正直に言うべきだと、前編で述べてきました。 まだ日本の年金は「破綻」していないので、「破綻」と言うのは適切ではありませんが、「破綻」を免れているのはただ税金が投入されているからというのが真相です。 公的年金も「公的」とはいっても、私たちが生命保険や損害保険を買うのと同じように、本質的には保険商品です。 民間の保険会社が生命保険を売っていて、その保険を払う額がなくなってきたので、政府から税金を出してくれというのは、あり得ませんね。 では、なぜ政府の公的年金はお金がなくなったからといって、税金が投入されるのか。これが根本的な問題です。 税金で何とか延命措置をするというのは、一見いいように見えますが、長い目で見るとどんどん悪くなります。 思い切って清算して一からやり直す。そのときには経営の力、マネジメントの力が必要です。JAL再建と同じように、日本の公的年金が一つの企業だと思ったら、これはいったん整理すべきではないでしょうか。 ◆もともと積立方式だった日本の年金制度 振り返れば、日本の年金はもともと積立方式で始まりましたが、日本人が一生懸命働いて、得た収入をまじめに政府に保険料として払っていったら、いつしかとんでもなく大きな額になったわけです。 当時すぐに使う用途もなかったので、政府はあたかも税金のようにさまざまな政策に使い始めた結果、膨大に積立てた保険料はいつしかなくなってしまいます。 そこで政府は、積立方式をやめて賦課方式に変えました。一言で言えば、今の現役世代が保険料を払い、今の年金世代に支払われるという仕組みです。これで何とか年金を維持してきたわけです。 現状はGPIFという年金運用機関がわずか百数十兆円を運用するのみです。本来だったら数千兆円ものの保険料があったはずなのに。 いま1年間にだいたい50兆円ぐらいの年金の給付額が支払われていますが、この半分強は現役世代が毎月払っている年金の保険料です。しかし、これだけでは足りません。 残りをどうしているかというと、税金で埋め合わせているわけです。それでも足りないので、わずかに残っている年金の積立金をちょっとずつ取り崩して使っていますが、もうすぐなくなると言われています。 ◆年金国債を活用した新たな積立方式を日本に! 幸福実現党は新しい発想で、日本を変えようとしている政党ですが、積立方式の健全な公的年金に改めて変えていくべきではないかと提言させて頂いております。 1億以上の人口がおり、個人所得も国際的にはまだまだ高い日本において、本当に自助努力の精神で働いて、年金にお金を預けて、しっかり運用したら、公的年金はかなりの規模になり、うまくいくはずなのです。 年金で進んでいるのは北欧と言われますが、スウェーデンでは、もう賦課方式は限界だから、積立方式に移行しています。 積立方式に変われば、自分は今どれだけ積み立てているのかという金額も、自分でチェックできるし、それが老後に足りなければもっと積み立て額を増やすこともできます。 つまり、年金というのは実質上、未来のための貯蓄制度で、国民が健全な老後生活を送れるように、サービスとして提供するのがこの公的年金のあるべき姿なのです。 また、今の公的年金を、いったん整理する良い方法があります。それは年金国債というものを政府が発行して、国債という形で今までの積立金を年金加入者に返していくという方法です。 国債は事実上の有価証券、お金ですので、特に日本の国債は国債の取引市場で売ることができますし、お子さんやお孫さんに相続するということもできます。 また、それを未来事業のために投資として使うこともできると思います。 例えばいち早くリニア新幹線を日本中に通したり、または数時間でいくような超音速の飛行機を開発するための未来事業に投資するとか、国民の皆さんが、今よりも豊かになっていくような社会の仕組みをつくることは可能だと思うのです。 今の政府がやっている社会の仕組みは、だんだん貧乏になっていく仕組みです。 この流れを断ち切り、幸福実現党はみんなが未来に向けて豊かになっていく仕組みをつくるべく、声を上げ続けて参ります。 破綻か?再建か?日本の年金問題を斬る!! 【前編】 2019.09.19 ※今回は、下記の映像からお送りいたします。 (広報本部) 破綻か?再建か?日本の年金問題を斬る!!~5年に1度の年金財政検証~(及川幸久) https://www.youtube.com/watch?v=GvkDoaM_4Jo&t=9s 幸福実現党 外務局長 及川幸久 ◆「財政検証」は年金制度の健康診断 8月27日、厚生労働省が5年に1回行っている年金の財政検証の結果が発表されましたが、これは要するに、今の年金制度の健康状態を診断するようなものです。 その結果、何がわかったかというと、要するに「公的年金」の健康状態がだんだん悪くなってきて、今までは「100年健康だ」と言われていたはずなのに、だんだん、100年はちょっと危なくなってきたなというわけです。 どういうことかと言うと、少し専門的になりますが、「所得代替率」という「年金額が、現役世代の手取り収入額と比較してどのくらいの割合か」を表す指標があり、現状として「50%」という無理のある想定がベースとなっているのです。 そして、その指標をベースに「(平均所得の)50%は必ずもらえますよ、100年安心ですよ」という話だったのですが、その50%がだんだん下がってきているという話です。 100年安心するためには、そもそも年金給付の年齢を68歳、70歳、そして75歳とか、どんどん先送りにしないとならないというのが、財政検証の結果から分かるシンプルな事実です。 ◆大炎上した「老後の2000万円問題」 財政検証から少しさかのぼりますが、今年の5月頃、突然「老後の2000万円問題」というものも出てきました。 金融庁から提出されたこの報告書の内容は、要するに「公的年金だけでは足りませんよ。今から一生懸命働いて、毎月ちゃんと貯めて、老後までに2000万円用意して下さい。」というものでした。 これが日本中で炎上しました。100年安心だという話が、いつのまにか自助努力とか言われて、自分で2000万円貯めろという話になってしまったからです。 5月に出てきた老後2000万円問題、そして8月27日に出てきた財政検証。この辺は全部つながっていて、与党にとっては都合が悪く、参議院選挙が終わるまで隠していたのが真相です。 ◆「政府君」という友達のたとえ話 ここで、日本で今起こっている年金問題を友人関係のたとえ話を使って説明してみたいと思います。 皆さんの友達の一人に「政府君」という名前の友達がいて、彼は皆さんに、「毎月毎月、3万円貸してくれよ」とお金を借りに来るんです。 政府君は「利息を付けて必ず返す。ただ返すのは、お前が60歳になった時だ。必ず増やして返すから」と皆さんに約束します。 皆さん、とてもいい人なので、その言葉を信じて「わかった」と言って、毎月3万円貸してきました。 ただ、その政府君の仕事ぶりを見ていて、「なんかちょっとこいつの仕事ぶりは、あやしいなあ」と。徐々に自分が貸しているお金を無駄遣いしているように見えてきたわけです。 そこで、政府君を呼び出して、「お前の仕事ぶりを見ていると、とても60歳で増やして返してくれるように見えないけど」と言ったところ、「悪かった」という反省の言葉どころか、「いや、確かにそうだ。60歳までに返せない。約束の年を65歳に延ばしてくれ」と言ってくるわけです。まあ仕方ないということで我慢します。 するとある日、政府君は「借りてきた金を増やして返すのは、もう無理だ。これからは3万円から5万円にしてくれないか」と言ってくる始末。 こうした事態が何度か続き、ついにおかしいじゃないかと言う声を挙げると、政府君は「これからは自助努力だ。ちゃんと働いて、自分で自分金はためろ」と言い始めるわけなのです。 いま、私たち国民と政府の間で起きている関係というのは、こういうことです。 「必ず増やして返す」という約束で、毎月政府にお金を預けていたにもかかわらず、いつのまにかその約束はどこかへいってしまい、返してはくれそうだけど、返してくれる時期がどんどん遠のいて、金額もどんどん減っていっている。なおかつ、それ以外に自分でお金を貯めておけよと。 それが自助努力だというふうに説教されているというのが、今の状態なのです。 皆さん、これをどう思いますか? 私は、政府はもう少し正直になったほうがいいと思いますね。 (つづく) 暴発する韓国――その行く末を探る 2019.09.13 幸福実現党 外交部会 安原宏史 ※関連動画URL 「暴発する韓国!その後をウォッチ」 https://youtu.be/sETCKmrU6ts ◆戦後最悪の日韓関係 戦後最悪の日韓関係と言われる現在。 2017年に文在寅氏が韓国大統領に就任して以来、日本に対し、「従軍慰安婦問題についての日韓合意の見直し」「徴用工問題」を持ち出し、国際条約を反故にするような態度を示しております。 その姿勢に対し、日本は国際法違反であるという姿勢で臨んでおり、日韓の対立は収束する兆しが見えません。 この「従軍慰安婦問題」「徴用工問題」の詳細についてはまたの機会に触れさせて頂くこととし、本ニュースではここ1、2か月の日韓関係について振り返り、今後のあり方について考えていきたいと思います。 ◆韓国・文大統領が腹の中で考えていること ここ数か月の韓国は、 7月 ・日本、半導体原材料の輸出管理強化。 8月中旬 ・韓国、曺国(チョ・グク)氏を新法相に任命。直後に不正疑惑噴出。 ・経済不調などを理由に文政権支持率低下。 8月22日 ・韓国、日韓GSOMIA破棄を通告。 8月23日 ・対日強硬姿勢にも関わらず、支持率がさらに低下。 8月25日 ・韓国、竹島で軍事訓練を行う。 8月31日 ・韓国国会議員、竹島に上陸。 という流れでした。 韓国政府は支持率が下がると、日本の竹島への上陸を強行するなどの対日強硬姿勢を強め、支持率を回復しようとします。 裏を返せば、韓国による竹島利用は、政権の地盤が揺れていることの証拠でもあります。 ところで、GSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)というのは、日韓の防衛当局が持つ映像や文書、技術を共有し、主に北朝鮮の核・ミサイルに関する情報をやり取りする協定です。 これを破棄しても、中国、北朝鮮、ロシアにしかメリットがないといわれています。 韓国が日米と共同歩調をとるなら、GSOMIAの破棄ははっきりいって韓国にもデメリットです。 しかし、南北融和という路線から見るなら、韓国にとってもGSOMIAは邪魔でしかないともいえます。(※1) また、9月10日に「JCASTニュース」より、 「『核武装なら米韓同盟不要』『15年で北朝鮮と経済連合』文在寅氏ブレーン 露メディアに語る」、という記事が出ました。 本記事の要旨は、 ・韓国と北朝鮮が10~15年の間に経済連合(EUのような)を組むことが可能 ・米韓同盟は韓国が核兵器を持てば「必要性がない」 ・北朝鮮に対する国際的な経済制裁の緩和も考慮されるべき というものです。 北が制裁を受けているのは、核・ミサイル開発を止めないためですが、制裁解除を訴えるなら当然触れるべき北朝鮮の核兵器の廃絶には触れておりません。 突然のように「韓国核武装論」が出てきたというよりは、北朝鮮の核兵器廃絶への意思が韓国には希薄であると見るべきでしょう。 そして、EUも経済的つながり以外に、ロシアへの共同防衛の結束であるという点から、韓国もEUのように南北で共同防衛が可能な状態をつくり、その核兵器保有の利点を韓国は狙っていると見るべきです。 また重要なことは、韓国には、将来に渡って米韓同盟を維持し続ける必要性を感じないという見解もあるということです。 同じく8月、文大統領は、北朝鮮との経済協力体制が確立すれば「一挙に日本の優位に追い付くことができる」と述べています。(※2) 文氏ブレーンの話は整合性が取れているとみるべきです。 ◆韓国の仮想敵は「日本」か 私は先ほど、「竹島上陸は韓国政権の足元が揺れていることの裏返しだ」とお伝えしました。 しかし、支持率回復のために従来の上陸パフォーマンスに終始するとも限りません。 8月25日に竹島で行われた軍事訓練からは独島という言葉が消え、東海領土防衛訓練と命名されています。 軍事訓練である以上、日本との交戦も辞さないという意思表示ですが、それが竹島に限定されなくなったということです。 私たちは、韓国は同じ西側陣営であり、共同の敵が北朝鮮であると通常考えております。 そのため防衛ラインは38度線だと考えておりますが、実は日本海の対馬沖や佐渡島など韓国に近い海域が防衛ラインだと認識しなければいけないでしょう。 以前、韓国海軍のレーダー照射もありました。 今、支持率低下もあいまって、韓国が日本近海で暴発する可能性もありうるという想定をし、外交と防衛の両方を進めていかなければいけません。 (※1) 8/22日本経済新聞「日韓軍事情報協定を破棄 韓国政府が決定」より「南北融和を優先する韓国の革新系勢力には『日米韓の安保協力は南北分断を固定化する』という主張が存在する。北朝鮮はメディアを通して同協定の破棄を韓国側に促してきた。」 (※2) 8/5日本経済新聞「南北協力で日本に対抗 韓国大統領」より 『香港革命』日本にできること 2019.09.12 皆様、おはようございます。 本日は、先日、香港を実際に訪問した際の様子について釈量子党首のお話を伺いましたので紹介致します。 【映像リンク】 「『香港革命』日本にできること」 https://www.youtube.com/watch?v=NO8_Kak5_uo ※本寄稿は上記映像のポイント部分を文字起こししたものです。詳しくは映像をご覧下さい。 ◆傘を掲げる香港市民、過激化する警察 皆さま、こんにちは。幸福実現党の釈量子でございます。 8月31日、香港に行ってまいりました。 前日には民主活動のリーダーたちが逮捕、デモや集会が禁止され、いったいどうなるのかということで、私も行ってきましたが、現地の様子は、私の予想を裏切るような展開となっていました。 お昼には、キリスト教の賛美歌「Sing to Hallelujah」を歌う宗教の集会があったり、小さな子供を連れたお父さん、お母さんたちがいたり、愛と平和を基調とした活動が繰り広げられていて、非常に心打たれるものがありました。 夜になると、報道でもあるような、全共闘的なヘルメット姿というのは確かに見られましたが、基本的に彼らには傘しかなく、フランスの記者は、倫理性の高さに非常に驚いておりました。 一方で、過激化しているのは、香港警察でした。 本来、市民を守るはずの警察が、地下鉄で民主派の議員を襲撃したり、市民に向け催涙弾を撃ったり、ゴム弾で若い女性の眼球が破裂して失明したり、あるいは実弾の発砲までしております。 そうした実態というものは、現地に赴かなければ分からないことがありました。 ◆反故にされた香港の「一国二制度」 さて、いま大変危惧されているのが、中国建国70周年の国慶節にあたる10月1日です。 この日に向けて、「第二の天安門」と言われる武力鎮圧の可能性が言われています。 しかし、香港返還時の英中共同声明においては、「言論・出版・集会・結社・学術研究・宗教信仰の諸権利と自由」等というものが認められ、50年間は規定を変えないという「一国二制度」の約束がありました。 それを20年あまりで約束を反故にし、銃を突き付けて、香港市民の自由を奪おうとしているのは、中国共産党政権であるのを忘れてはなりませんし、私たち日本人は、それに対し腹をくくって正邪を決しなければなりません。 私たちは、「自由・民主・信仰」が政治の基本原則として不可欠なものだと考えております。 香港市民はまさに、この三つの原則を守るために、いま、中国の専制から立ち上がっているのです。 ◆邦人救出のために自衛隊派遣は不可欠 もう一つ、香港には観光客や出張者など、2万人とも、2万5千人とも言われるたくさんの日本人がおりますが、もし人民解放軍が香港に入るということになれば、彼らを守るための自衛隊派遣の必要性こそ、香港で感じたことです。 振り返れば、アルジェリアで日本人が人質になり、そして無念にも日本の企業戦士10名が殺害されましたが、邦人救出をどうするかということは、安倍政権発足時の原点でもあったのではないかと思います。 自衛隊法の制限や、香港政府や中国が合意しないからといって、自国民を助けに行けないというのは、おかしなことではないでしょうか。アメリカやイギリス、他の近隣の国と協力しながら、可能なことはすべてやるべきだと思います。 いま、習近平主席が一番いやがるのは、日本が強くなることです。意見をはっきり言う国になって、万一の時には行動を起こす国になる。そうした気概のある国になることを、一番いやがっていると思います。 自分の国を守る意思を示すことが、いま大事なのではないでしょうか。 ◆香港革命はここからが正念場 いずれにしても、香港は今年の後半が正念場です。 今回、香港は、「香港革命」というような状況になっています。 単なる暴動がいい革命ではありません。自由の創設、自由が広がることが、いい革命です。 香港で起きているのは、破壊のための破壊、共産主義革命とはまったく違う、神を信じる人たちが愛と平和を基調とした「香港革命」です。 日本は、この「香港革命」から、自由と権利の尊さ、民主主義を命懸けで守るその気概を、真剣に学ばなければならないと感じました。 「今日の香港は明日の台湾であり、明後日の沖縄」と言われています。 日本は、東京五輪があろうとも、大阪万博があろうとも、中国から観光客やビジネスチャンスが来ようとも、それに振り回されずに中国に言うべきことははっきりと言える国、正義のために行動する国になろうではありませんか。 「香港革命」は、これから大きな山場を迎えます。日本からもしっかりと温かい応援の声を上げていきたいと思います。 【参考記事】 ◆【お知らせ】9/16(月・祝)新宿デモのご案内 #香港革命 ─自由のために、戦うべきは今!─ https://info.hr-party.jp/2019/9937/ ◆【幸福実現NEWS】日本は『香港革命』への支援を 「第二の天安門事件」の危機迫る 幸福実現NEWS vol.115 https://info.hr-party.jp/2019/9913/ ◆【活動関連】東京都本部が東京都知事と東京都議会に「日本政府に香港の『自由』と『民主主義』を守る行動を求める」要望書を提出 https://info.hr-party.jp/2019/9857/ ◆【幸福実現NEWS号外】自衛隊を派遣して香港の自由を守れ(改訂版)香港デモへの「弾圧」が激化 https://info.hr-party.jp/2019/9831/ ◆香港の民主活動家の逮捕について(党声明) https://info.hr-party.jp/press-release/2019/9790/ 「逃亡犯条例」改正案の「撤回」発言は真実か? 2019.09.04 「逃亡犯条例」改正案の「撤回」発言は真実か? 幸福実現党 政調会外交部会副部会長 彦川太志 9月4日、香港特別行政府のキャリー・ラム長官が「逃亡犯条例」改正案の完全撤回を表明し、大きなニュースとなりました。 現状では香港の民主活動家勢力が掲げていた「五大要求」の一部が実現する形に見える事から、「これでデモは鎮静化するのでは」と期待する見方も出てきておりますが、それほど楽観的に捉えるべきではないと考えます。 ◆「『逃亡犯条例』改正案は生きている」南華早報が専門家の意見を引用(※1) 事実、「逃亡犯条例」改正案の撤回について報じたサウスチャイナ・モーニングポスト紙の記事には、政府筋や議会手続きに関する専門家の意見として、「(「逃亡犯条例」改正案は)技術的に生きており、理論的には政府から立法評議会議長への直接通知によって再導入できる」との指摘※が掲載されています。 ※香港立法議会(国会に相当)の任期である2020年7月までは立法議題として存続しているという内容。 つまり、香港政府にとって「逃亡犯条例」改正案はすでに7月上旬の段階で「死んだ」のであり、今回の撤回発言は10月1日の中国建国記念日に向けた「見せかけの譲歩」に過ぎず、本質は何も変化していない。と捉えることが出来ます。 私たちは引き続き、香港の自由を守るために声を上げ続ける必要があるのです。 ◆今後、中国はどう出る?――民主派「分断」工作の可能性(※2) 一方の中国政府はどのような動きに出るのでしょうか。それを考えるに当たり、中国政府の香港・マカオ弁公室の楊光報道官の発言を紹介したいと思います。 楊光報道官は、「逃亡犯条例」改正案の撤回に先立つ9月3日、香港デモについて「一部の暴徒が正常なデモや集会を過激なものとした」と批判し、「彼らの目的は逃亡犯条例の改正とは全く無関係であり、外国勢力や反中国、香港の混乱を目的とする勢力の尖兵となることを厭わない」と主張しました。 さらに「一部の暴徒」の目的は、「一国二制度」に挑戦し、有名無実化することにあると指摘し、「暴力犯罪の背後で策動している者、主催者や指揮者は徹底して追求し、手を緩めてはならない」と述べているのです。 こうした論調を見れば、「逃亡犯条例」改正案の撤回で事態が鎮静化する、と言った見方をすることはできないでしょう。 今後、中国や香港政府は香港デモの中心的メンバーを「外国勢力と結託し、一国二制度に挑戦する暴徒」として扱い、民主活動グループの分断を図ってくる可能性があると考えられます。 「中国政府も譲歩したのだ。だからデモ隊も過激な抗議は控えたらどうか―」そのような見方に同調してしまったら、香港の自由を守ることはできません。 今立ち上がらなければ、手遅れになってしまう。そうした危機感があるからこそ、香港デモはあれだけの広がりを見せたのです。 ◆「一国二制度」は成立しない。中国に「自由・民主・信仰」の思想を打ち込もう そもそも、事の元凶は「返還以降、50年間は香港の高度な自治を守る」とした約束を中国政府が「反故」にし、民主活動家の弾圧を可能とするような条例改正を押し進めようとしたことにあります。 今回、香港の若者が立ち上がったことで、香港の「自由と民主主義」と中国政府の「全体主義」と両立することはできないと言う事が、誰の目にも明らかとなりました。 中国政府が全体主義の体制を続ける限り、「一国二制度」は成立不可能なのです。 たとえ一時期、譲歩したように見えても、中国政府は香港の自由を奪う野心を一ミリも後退させることはありません。 そうであるならば、中国政府が自由、民主、そして信仰の価値を認めるところまで、私たちは活動を進めるべきだと考えます。 香港のデモ活動を率いたアグネス・チョウ氏やジョシュア・ウォン氏も、「改正案の完全撤回」のほか、「警察と政府の、市民活動を『暴動』とする見解の撤回」「デモ参加者の逮捕、起訴の中止」「警察の暴力的制圧の責任追及と外部調査実施」「林鄭月娥の辞任と民主的選挙の実現」の5つの要求が実現するまで戦い続ける覚悟を訴えています。 香港の自由を守り、台湾やアジア諸国の平和を守るためにも、幸福実現党は引き続き、「幸福実現NEWS特別版」(※3)の配布を始めとした活動を展開して参ります。 多くの皆様のご支援、ご賛同を賜りますことを心よりお願い申し上げます。 (※1)SCMP 2019/9/4 Hong Kong leader Carrie Lam announces formal withdrawal of the extradition bill and sets up a platform to look into key causes of protest crisis (※2)新華網 2019/9/3 国務院港澳弁:已到維護“一国両制”原則底線和香港繁栄穏定重要関頭 (※3)「幸福実現NEWS特別版」 https://info.hr-party.jp/files/2019/08/27170229/g7r389ol.pdf すべてを表示する