Home/ 2015年 November 2015年 November 琉球新報編集長の発言を正した幸福実現党・沖縄県本部 2015.11.28 文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆沖縄に忍び寄る中国の魔の手 今回は、沖縄の情勢と沖縄を守るために活動を展開する幸福実現党・沖縄県本部の成果を紹介します。 今、沖縄では、日本国民が知らないところで、大変なことが起こっています。それは「琉球独立」へ向けた動きです。 その裏には中国の工作があります。 中国の属領化戦略は、第一段階として沖縄を独立させ、米軍を追いだすことです。 第二段階として経済交流を通して大量の漢民族を沖縄に送り込み、最終的に政治的に沖縄を乗っ取ることです。 沖縄が中国の手に落ちれば、日本全体も国防上大変な危機に瀕します。何故なら、最終的に沖縄が軍事拠点になれば中国は西太平洋に出ることができます。必然的に日本は中国の影響下に置かれます。 「沖縄を守ることは日本を守ること」、沖縄の問題は、日本の問題です。ですから日本国民全体が、沖縄の情勢についてもっと関心を持つ必要があります。 ◆国連における翁長知事と琉球新報編集長の「問題発言」 中国は、巧みに沖縄県民の中から独立の声を上げさせることから、沖縄独立へ向けた工作を行っています。 その一つが去る9月22日(日本時間)、ジュネーブで開催された国連人権理事会における翁長雄志沖縄県知事の演説です。 この中で、翁長知事は、米軍や日本政府から「沖縄の人々は自己決定権や人権をないがしろにされている」と述べ、あらゆる手段を使って辺野古への米軍基地移設(翁長知事は、「辺野古新基地建設」と表現)を止める覚悟を示しました。 (参考)こんなにキケン!翁長知事の国連演説【沖縄最前線#08】 https://www.youtube.com/watch?v=RmoCP2wtNKs また、今回の国連のサイドイベントとして開催されたシンポジウムでは、琉球新報社の潮平編集局長が「沖縄はアメリカの領土でもありませんし、日本の領土でもありません」と発言しました。ここには翁長知事も同席しています。 ◆沖縄県民に知ってほしい「自己決定権」の言葉の危険性 翁長知事が国連で発言した「自己決定権」という言葉は「自分の地域のことは自分たちで決める」という、ある意味当たり前に聞こえる言葉です。 しかし国連で翁長知事がつかった、「自己決定権」という言葉は、英語で、「self-determination」と訳されています。 「self-determination」とは、国際法上の権利用語であり、「植民地や従属地域からの分離、独立」を意味しています。 つまり、翁長知事は、国際社会に対して「沖縄県民は独立民族であり、沖縄は日本から独立する権利がある」と宣言したものなのです。 この流れの中で、琉球新報社の潮平編集局長は、沖縄独立を前提に「沖縄はアメリカの領土でもありませんし、日本の領土でもありません」と発言したことがわかります。 ◆琉球新報編集長の発言を修正させた幸福実現党・沖縄県本部 今回の問題について、いち早く対応したのが、幸福実現党・沖縄県本部でした。沖縄県本部は、翁長知事に対して、「自己決定権」発言の真意を問う質問状を渡しました。 同様に琉球新報社の潮平編集局長に対しては、「沖縄はアメリカの領土でもありませんし、日本の領土でもありません」と発言した真意を問う質問状を渡しました。 これが10月8日の事です。 翁長知事と琉球新報社編集局長への質問状はこちらから 金城タツロー氏のブログから http://ishin0507.ti-da.net/e8060067.html 翁知事からの返答はありませんでしたが、琉球新報社からは、10月14日に「貴本部のご指摘を受け、潮平の発言を確認したところ、言い間違えてご指摘のような発言をしていることを確認しました」との返答がありました。 これについて、質問状を提出した翌日9日、琉球新報は、ホームページ上でも「おことわり 本紙編集局長の国連内シンポ発言について」を掲載し、その詳細を説明しています。 『おことわり 本紙編集局長の国連内シンポ発言について』(琉球新報) http://ryukyushimpo.jp/pages/entry-152982.html (抜粋)「沖縄は米国の領土でなければ、米国の植民地でもありません」と記述した部分を、時間切れ間際の発言で「沖縄は米国の領土でなければ、日本の領土でもありません」と間違えたものです。言い間違いについては修正します。」 ◆再度の琉球新報社への申し入れ しかし国際社会に沖縄は日本ではないかのような誤解を発言であるため、沖縄県本部は、再度訪問して、琉球新報に対して、ホームページだけでなく、当日シンポジウムに参加された国際機関や個人の方々に「沖縄は日本である」と文書で訂正を加えるよう要望致しました。 マスコミの偏向した報道に対しては、国民を間違った方向へ導かない様、公正な報道がされなければなりません。これが報道機関としての正しいあり方です。 幸福実現党は、沖縄県民を守るため、日本国民の生命財産を守るためにも、何が本当に沖縄県民の利益に適うのかを追求し、今後もマスコミには公正で適正な報道姿勢を求めて参ります。 消費増税を許すな! 2015.11.27 文/幸福実現党石川県本部副代表 宮元智 ◆重税にあえぐ国民 昨年4月から消費税が5%から8%に上がり、昨年暮れの衆院選では、安倍政権は消費増税の先延ばしを掲げておりました。 「今はまだ十分景気回復していないから増税しないけど、2017年には景気に拘らず必ず上げるけど、いいね?」ということを問うた選挙でもあったのですが、自民党は圧勝し、安倍政権は一応、この増税路線は信任を得たと思っていることでしょう。 しかし、中曽根内閣は売上税の導入に失敗後退陣しています。 竹下内閣も消費税導入後退陣。他にも退陣の要因はあったとはいえ、増税は政治生命を賭けてやるぐらいの覚悟が必要なことです。 しかし、安倍内閣は前回の増税からわずか3年後に、2回目の消費税増税を決めています。こんなことがあっていいのでしょうか? すでに国民の間では重税感が半端ないものになっています。消費税だけではなく、国民に十分知らされないまま様々な税金や保険料が上がっています。 年金の支給額は減り、介護保険料は増えてしっかり天引きされています。 また、ガソリン代の半分近くは税金で、ガソリン税(揮発油税)と石油税(温暖化対策税)、しかも消費税がこれらの税金に対しても(つまり二重に!) 課せられています。 先年起業して小さな会社を営んでいる私の後輩は、 「いろんな税金がかかって、簡単に黒字が出せないようになっています。こんなに税金がかかるなら、フリーランスでやっていた方がマシだったと思うこともありますよ。」 「起業して少しでも世の中の役に立ちたいと思ったが、これでは稼ぐ気力も失せてきます。安倍さんも口では『景気回復最優先』と言いながら、本当はお金を稼ぐことが悪いことだと思ってるんじゃないですかね。」 と怒りをあらわにしています。 ◆消費税の誘惑 平成10年から25年の税収を見ると、合計では38.7兆円から51兆円の間を上下しています。 [財務省] 一般会計税収の推移 https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/010.htm 税目別に見ると、消費税が9.8兆円~10.8兆円。法人税は6.4兆円~14.7兆円、所得税は12.9兆円~18.8兆円。 [財務省] 主要税目の税収(一般会計分)の推移 https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/011.htm 法人税と所得税は、景気により激しく変動しますが、消費税は、景気に拘らず10兆円前後と安定しています。景気に拘らず、安定した税収が見込める。財務省が消費税を増税したいという誘惑にかられるのも非常にわかりやすいですね。 でも、景気が悪い時でも同じ額の税金を納めなければならない国民の身にもなってください。 消費税は、お金持ちも貧しい人も平等に、同じ税率がかかるものですから、貧しい人の負担が重くなります(これを「逆進性」と言います)。弱者救済の観点からも、消費税は上げるべきではなく、むしろ下げるべきだと思うのです。 「軽減税率」も議論されていますが、どれを対象にし、どれを除外するか、とても難しくなります。 生鮮食品と加工食品に分けようと言っても、麺類は良くて、加工前の粉ならば対象となるのかならないのか、冷凍麺は加工食品となってダメなのか、刺身の盛り合わせは良くて、フルーツの盛り合わせはどうなのか、それは果たして公平なものなのか否か、政治家や官僚が決められるものなのでしょうか。 消費者も、売る方も税務署も大変です。みんなが大変な軽減税率などやめて、みんな平等に、スパッと減税すれば「三方良し」です。 ◆幸福実現党は庶民の味方! 税金は元は人様のお金です。自分のお金ならばいざ知らず、人様のお金をとって他の人にバラまけばそれは「鼠小僧次郎吉」の世界です。 いかに「義賊」と言われようと、泥棒は泥棒です。富裕層からたくさん税金を収奪してバラまくという行為は、政府の名の下に、合法的に泥棒をしているのと同じことではないでしょうか。 幸福実現党は、お金をバラまくようなことはいたしません。減税と大胆な金融緩和と規制緩和、そして未来産業への積極的な投資によって、国富を増大させます。 国富が増え、世の中全体が豊かになって、成功し豊かになった人が、利他・愛他の精神をもって、弱い人や力のない人、若い人に手を差し伸べる。そして可能な人には、自助努力の精神を促して自立し成功していけるように導いていく。これが健全な「福祉」の未来像であると考えます。 まずは、庶民を苦しめる消費税を5%に戻しましょう。そうすれば、高齢者や貧困層の負担が軽くなります。そして、国民の可処分所得(自由に使えるお金)が増えます。 ◆「自由の大国」へ 安倍総理が消費増税を先送りしたのは、それまでにアベノミクスが奏功し、景気回復したら国民も税負担に耐えられるだろうと思ったからだと思いますが、残念ながら、うまくいっていません。 そもそも、消費税を8%に上げたのが失敗だったのです。日銀総裁が「異次元」と自賛するほどの金融緩和をやりながら、一方で増税しては、アクセルを踏みながらサイドブレーキを引くようなものです。 結局、このままではお金は市中に回らず、デフレ脱却も景気回復も夢に終わってしまいます。 安倍首相は、「最低賃金を千円にせよ」と社会主義国家並みに介入してきています。無理矢理賃上げを要求するより、あっさり消費税を減税した方が、個人消費は活発になります。 自民党内には「企業の内部留保に課税せよ」という共産党並みの案もあるとか。安全保障関連の政策は評価したいと思いますが、この政権には、少し「国家社会主義」を好む傾向性があるように思われます。 幸福実現党は、この国が国家社会主義化しないように、国民の自由を守り、「自由からの繁栄」を目指します。 北京軍事パレードから見えてくるもの【後編】 2015.11.26 文/HS政経塾3期卒塾生 幸福実現党・新潟県本部副代表 横井もとゆき 9月3日北京で行われた軍事パレードから、早2ケ月が経としています。 パレード後、国際的にもまた、国内のメディアの取り上げ方にも変化が生じてきたように感じられます。 前回の投稿では、パレードの目的は、対米親露の軍事路線を強調するものであり、世界に中国共産党の正当性をアピールする外交手腕であることを述べました。 『北京軍事パレードから見えてくるもの【前編】』(2015.10.08掲載)参照 http://hrp-newsfile.jp/2015/2438/ ◆気付いた時にはもう遅い!?中国共産党の政治工作 抗日歴史戦を世界展開する理由は、日本を踏み台にすることで、国際世論から「お墨付き」をもらい、平和協調路線のもと世界中で展開する中国共産党の政治工作を有利に進める狙いがあります。 ゆくゆくは、他国を内側から崩壊させ、「いつの間にか」その国の実権を中国共産党が握る、中華思想から発する政治工作そのものです。 この点に関し、具体的でわかりやすい例を、『辺野古反対の背景にある中国反日運動の黒い影』(執筆者:服部まさみ2015.11.25掲載)にて指摘しております。 http://hrp-newsfile.jp/2015/2508/ ◆間違ったことに反論する強さが必要 当然、中国共産党がとる外交戦略とそれに賛同する国々に対しては、幸福実現党は明確に反論を行っております。 まず1点目として、大東亜戦争後とは、正当な日本の防衛戦争であり、かつて欧米列強の植民地支配にあった有色人種の国々を独立へと向かわせた功績を持つ戦争であったことを主張してきました。 つまり日本悪玉論の戦争史観は大きな間違いであり、これを払拭しなければ、「国際正義」 を見失うこととなり、人類全体の未来に禍根を残すことになると訴えています。 2点目としては、民主主義に「正しさ」の判断基準が必要であると訴えています。 多数決の原理に正当性の根拠をおくことは民主主義の原則ですが、一部の利益を求めることや、内憂外患により国を衰退させる方向に向かうことは、是とせず、最大幸福の実現と国の発展のため、正しさという物差しが必要であると訴えています。 ◆中国共産党の2枚舌 さて、去る9月3日、軍事パレードにおいて、習近平氏は、平和を守り、侵略せず、兵の30万人削減などを宣言し、パレードの最後には多くの鳩を空に放ち、軍事パレードは平和を目的としたことを強調しました。 しかし9月15日の人民網日本語版によれば、中国外交部は南シナ海での滑走路建設について、スプラトリー諸島の滑走路建設について、その海域は争う余地のない主権を有していると主張しています。 さらに、責任ある大国として、地域と国際社会に一層の公共財および公益サービスを提供するということをうたっていました。 中国としてこれらの行為は、侵略には当たらず、かえって国際貢献をしているというから驚きです。 中国とは国境問題では議論はできません。過去にさかのぼって、いとも簡単に都合のいい歴史に書き換えることを行うからです。 この話を米中会談に持ち込み、オバマ大統領に冷遇されたあたりから、中国共産党外交のほころびが出始め、中国経済衰退を含めた中国バッシングが盛んになった印象を受けます。 ◆中国の軍事的脅威からの守るための防衛政策 常識的に見ても、中国共産党は、言っていることとやっていることがあまりにも違い過ぎ、日本国民の生命と安全と財産をまもり、東アジア地域の安定のためにも、戦争を起こさないための抑止力の強化が必要だと訴えています。 幸福実現党は、このような中国共産党の力による状態変更や国際秩序への挑戦に対して、以下の国防政策を掲げております。 (1) 日米同盟を強化しつつ、「自分の国は自分で守る」体制の構築 (2) 国民の生命・安全・財産を守るために憲法9条を改正し、防衛軍を組織する (3) インド、オーストラリア、東南アジア諸国、台湾、島嶼国などとの連携強化 (4) 対中包囲網形成に向け、ロシアとの関係を強化し、平和条約の締結を目指す この前提として、ロシア極東地域への投資を活発化させ、北方領土の返還を実現させます。 ◆メンツにこだわる中国人 先月26日には、スプラトリー諸島で中国が埋め立てた人工島の12カイリ内を、米海軍のイージス駆逐艦「ラッセン」が航行しました。中国人に聞いたところ、中国人が一番嫌うのはメンツをつぶされることです。 このオペレーションで航行の自由は確認できましたが、中国人の感情はくすぶっているものと思われます。 この不満が軍部で火をあげるか中国国内の暴動となって現れるか、習近平氏が最も恐れる、共産党に対する国内の暴動につながる可能性は十分に考えられます。 もし中国全土で暴動起こり始めた時、中国共産党が行うのは、情報統制、すなわち携帯電話やインターネット網の制限です。 この点を中国共産党の崩壊の予兆として、注視してゆく必要があります。それまでに、日本人が日本国内外で行える努力をしてゆかねばなりません。 幸福実現党は真の平和をめざし正論を発信し、活動を続けます。 辺野古反対の背景にある中国反日運動の黒い影 2015.11.25 文/HS政経塾2期卒塾生 服部まさみ ◆地方議会で相次いで可決される辺野古反対意見書 フィリピンで行われたオバマ大統領との会談で、米軍普天間飛行場移設問題について安倍首相は「辺野古が唯一の解決策。確固たる決意で進める」と日米合意を堅持し、対抗措置を取って工事を再開していることを説明。 オバマ大統領が謝意を示すなど順調に見える日米関係ですが、その背後に何やら怪しい影が潜んでいます。 産経新聞によると、全国の地方議会が移設反対や建設工事中止を求める意見書を相次いで可決しているというのです。 そのうち25件が衆院に提出され、その他にも首相宛ての意見書が39件、防衛相、外相にも多数の意見書が提出されています。 沖縄県の市町村議をはじめ、菅直人氏の地元でもある東京都武蔵野市や国立、小平市議会、長野県の4町村議会、愛知県岩倉市議会など左派の政党や無所属会派が多い自治体で「地方自治体の尊重を求める意見書」が可決されています。 意見書は「基地強化は、沖縄県民を再び戦争の惨禍に巻き込む危険性を高める。沖縄の民意を踏みにじって基地建設を強行することは地方自治の侵害と言わざるを得ない」とし、地方自治を尊重するよう求めています。 また、大阪府吹田市と兵庫県尼崎市議会では名護市の建設反対意見の尊重を決議しています。 このような意見書にあまり拘束力はありませんが、政府や国会に圧力をかけて政策変更の流れをつくろうとする手段として使われています。 ◆慰安婦問題の既成事実化と同じ構造 さらに、この動きが慰安婦の既成事実化につながったことと極めて似ているのです。 2007年米国議会において、マイク・ホンダが中心になって、従軍慰安婦問題で日本を非難する決議案が採択されましたが、このマイク・ホンダを下積み時代から支援していたのは「世界抗日連合会」という反日団体です。 「世界抗日連合会」は主要30カ国以上の中国系、韓国系、日系団体が結集し、世界中に網の目のようなネットワークを持つ巨大な組織です。『ザ・レイプ・オブ・南京』の著者アイリス・チャンもメンバーでした。 もちろん中国共産党とは深い関係にあります。 この反日団体が2007年に米国議会で日本を非難する決議案を採択した次に行ったことは、日本の地方議会で、慰安婦問題で政府に国家賠償や公的謝罪を求める意見書を数多く提出するということだったのです。 2008年から2013年にかけて全国の地方議会で意見書が提出され、そのうち民主党や共産党などの左派が多い42市議会で可決されています。 反日団体が地方議会に意見書を提出させる目的は、「日本の地方議会も政府に対応を求めている」などと国際舞台で利用できる法的論拠をつくるためです。 米国における従軍慰安婦像設置でもこの論拠を利用し、既成事実化されてしまったのです。 従軍慰安婦問題の場合、河野談話の存在もありますが、もし、新しい談話が発表されても地方議会で認めておけば、「国民の声をきかない政府」というレッテル貼りができ、プロパガンダとして十分に使えるからです。 そのため、辺野古反対の意見書も地方議会だけの動きだとあなどってはいけません。 ◆背後で操る中国共産党 しかもこの「世界抗日連合会」は、世界の反日組織の一部でしかありません。 中国の呼び掛けで2003年、韓国、北朝鮮、アメリカ、日本、フィリピン、オランダの反日グループのリーダーが上海に集まり、国際反日ネットワーク「日本の過去の清算を求める国際連帯協議会」が結成されました。 巨大なこれら世界の反日組織のまとめ役になっているのが中国政府のシンクタンクとして4200名の研究者を擁し大きな影響力をもつ「中国社会科学院」なのです。 「世界抗日連合会」は国際反日ネットワーク「国際連帯協議会」のアメリカ支部という位置付けでしかありません。 そして、従軍慰安婦問題と同じように米国でも辺野古移設に反対する地方議会が出てきました。 カリフォルニア州バークレー市議会は今年の9月15日、米国議会で初めて辺野古移設計画の中止を米政府に求める「沖縄の人々を支援する決議」を可決しています。ちなみに「世界抗日連合会」の本部はカリフォルニア州にあります。 また、今月19日には、辺野古移設計画に反対する沖縄県の地元財界人や有識者の団体が訪米し、ワシントンの米議会で説明会を開催し「民意を反映していない」として計画を見直すように求めています。 中国共産党は戦前から、「用敵」という「敵の手を使って、敵を打て」という考え方で日本を攻略しようとしているといわれていますが簡単に言えば「工作」です。 日本の中枢に入り込み、メディアを使った世論誘導や経済的利益、外交、観光などを通じて国民がコントロールされているのです。 今後の研究課題ではありますが、東京裁判やGHQの占領政策だけではなく、日本では戦前から中国共産党の対日工作が始まっていたという意見もあります。 知らない間に何となく世論を動かされ、指導者層の意思決定能力を奪われ、何となく現状を変えられ、最後に非正規軍によって制圧されてしまう。すでにこのような「戦争」が仕掛けられているのです。 「平和憲法を護れ!」、「沖縄の海を守れ!」と声高に叫ぶ人たちは中国人にとっての「平和」とは、「和を持って平らげる」(仲の良いふりをして、支配する。相手を滅ぼす)という意味だということを知るべきでしょう。 ◆本当の敵を知り行動する 米国における従軍慰安婦問題は、一部の活動家と有権者が日本を非難することを強く望み、他の多数派が黙っていたことが、結果的にいかにも全体の「総意」として望んでいるように映ってしまった点があります。 日本を守り、本当に勝つためには政府は場当たり的な対策ではなく、的確な情報を集め、分析し、重要人物や要所、要所を攻略していく必要があります。 辺野古移設で従軍慰安婦問題と同じ失敗を繰り返さないように、私たちはマスコミの世論誘導や「空気」に支配されることなく、本当の敵を知り、行動していかなければなりません。 「自由」を基盤とした経済政策の必要性 2015.11.24 文/HS政経塾5期生 水野善丈 ◆最低賃金決定に異例の政権介入 企業の最低賃金の水準は毎年夏に、労使の代表が厚生労働省の「中央最低賃人審議会」という場で議論され決められています。 この議論に歴代の政権は口を出すことはありませんでしたが、今夏、安倍首相は「賃金の大幅な引き上げ」を要求、そして、来年度賃金を3%増やすように企業に要請しました。 ◆企業の内部留保に課税? さらにこれだけに止まらず、最低賃金引上げの為に、企業の内部留保への課税も政府・与党内で議論が進められています。 内部留保とは、企業の最終利益から配当などにお金を回した後に残る企業が自由に使えるお金のことをいい、企業にとっては体力の部分といえます。 そこに対して、政府は内部留保に課税することによって、企業に投資や賃金を増やさせる狙いを考えているのです。 ◆目的は個人消費を上げるため? では、なぜ政府はここまでして市場に介入し賃金を強制的に上げようとするのでしょうか。 その狙いとして政府は、「最低賃金を上げることによって、落ち込み傾向にある個人消費を増やすこと」を考えています。 なぜなら、安倍首相は2020年までにGDPを600兆円に増やすという目標達成を目指しており、それを達成するためには、GDPの6割を占めている個人消費を増やしていかなければならないと考えているからです。 ◆矛盾した政策 しかし、ここまででちょっと考えてみれば、政府が矛盾した政策をしているのが分かると思います。 そもそも、安倍首相がGDPを増やしていく上で大切だと考えている個人消費が冷え込んでしまったのは、今年、消費税が5%から8%の増税されたことが原因であることが明らかです。 そして、それに懲りず、2017年には10%へのさらなる消費増税をしようとしています。 この状況をみるにつけても、自分たちで立てた目標(GDP600兆円)に対して、答えの道(個人消費の活性化)を知っているにも関わらず、そこに自ら障壁(消費税増税)を持ってきて通れなくし、国民に更なる負担を強いる政策をしていることが分かると思います。 ◆消費減税ですべて解決 つまり、安倍首相が本当にGDP600兆円を目指しているならば、国民生活を縛り経済成長を押しとどめている消費税増税を止めて、消費減税をすることが先決なのです。 その結果、政府が心配している「GDPの6割を占める個人消費」が回復し、真にGDPを増やすことができ、財政赤字も縮小することができるのです。 ◆徴税強化策は自由を奪う また一方で、政府が増税ありきの政策を実行する時は、必ず国民の自由が阻害される方向に行くということも知らなくてはいけません。 今年に入り消費増税だけでなく、所得税・相続税の最高税率の引き上げも行われ、徴税強化が進められています。 それに伴い、政府による市場介入が増え、マイナンバー制度の導入による国民の私有財産の監視強化も進められ、ますます国民の自由が狭まっているのです。 ◆「自由からの繁栄」が大切な理由 幸福実現党はこうした「自由」の観点からも、現在の政府が進めている「国民から税金をいかに取り、それを使うか」という「大きな政府」の体制に対して、警鐘を鳴らしています。 政府が勘違いしてはいけないのは、国家の主役が「政府」ではなく「国民」であるということです。 幸福実現党がなぜ「自由からの繁栄」を訴えているのかというと、「一人一人の国民を最大の価値・主役として、それぞれに与えられた天性や才能を発揮させる方向に向かってこそ国家が繁栄する」からなのです。 政府は、政府中心の徴税強化の考えを白紙に戻し、減税政策・規制緩和といった国民の自由を広げる方向で経済政策を考えるべきだと思います。 容積率規制の緩和で、安全で新しい都市づくりを【3】(全3回) 2015.11.21 文/HS政経塾第二期卒塾生 曽我周作 前回の「提言(2) 容積率制限の緩和で経済活性化を図る」の続きからお送りいたします。 ◆提言(2) 容積率制限の緩和で経済活性化を図る(つづき) 私の前職での経験でも、老朽化したビルオーナーが、そのビルの建設当時の容積率規制の中で立てたビルが、現在の容積率規制では、その規制上限を上回っており、建て替えをした場合、現状の建物よりも容積率の低い、つまり小さなビルしか建設できないため、建て替えを断念し、既存のビルの改修をするしかないということがありました。 老朽化し、設備的に明らかに劣るため新しくビルを建て替えたくても、既存のビルより小さなものしか建てられないならば、それを断念せざるを得ない場合もあり、これは投資を抑制する効果を出してしまいます。 ですから、容積率の緩和を行い、そのような不利を生むのではなく、さらに現状よりも大きな建物を建てられるようにすることで投資意欲を高められれば、それも大きな経済効果を期待できるでしょう。 また、東京の人口が増え、その人たちが郊外に住むと、職住が離れた人たちが増加し、現状のようにある一定の時間に集中的に都心に向けて移動をすると、その人たちを輸送するための輸送力強化をはかる投資が必要にもなります。 それは必ずしも鉄道会社にとって望ましいものとは言えません。 容積率の緩和がなされて職住接近型の都市開発が進めば、その分都心の都市交通の発達が図られるでしょう。それは新しい投資になります。 したがって容積率の緩和で都心の都市開発をすすめ、職住接近型の都市開発を進めていくことは、経済効果は非常に高いことが期待できる政策であるといえるでしょう。 ただし、経済成長率が極めて低いことが東京の都市としての魅力を落とす大きな原因です。法人税の税率が世界的に見て非常に高いことがビジネス上の大きなリスクであるとも見られています。 したがって、法人税率を下げ、適切な経済政策のもとで経済成長を実現し、日本国内のみならず、世界から東京に進出したくなる環境づくりを行って、東京に「人」が集まる魅力を高めなければなりません。 ◆提言(3) 共同化と高層化のメリットを出す 土地は限りあるものですので、容積率を緩和していく中で職住接近型の都市にしていくということは、共同化を進めるということです。 つまり、これまでよりも高層の建物(マンション)にもっと多くの人が居住する方向で開発をすすめていく必要があります。 したがって、建物の共同化を図る場合にインセンティブを働かせていく必要があります。 例えば「敷地規模の大きさにより与える容積率を変えて、大きな敷地としてまとめて利用する程大きな容積率が与えられる仕組みが考えられる。」(『都市と土地の理論』p111)と、岩田規久男氏が指摘するように、何らかの条件で容積率緩和という形でインセンティブを働かせるなど、開発事業を行うメリットを出す政策が求められます。 2014(平成26)年2月28日に閣議決定された「マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案」では耐震不足のマンションの建替え時に一定の条件のもとに容積率を緩和する特例をつける案になっています。(『都市のチカラ 超高層化が生活を豊かにする』森ビル都市再生プロジェクトチーム) これにより、建替え時の費用負担を減らそうとするものです。 つまり、緩和された容積率を用いてより大きなマンションを建設し、その部分を新たな入居者に売却することで、前から住む住人の建替え費用負担の軽減を図るわけです。 これが、もし容積率が緩和されないなどで、住民だけで建替え費用等を負担するのは非常に厳しいことになります。この法律案そのものには私はまだまだ課題も多いと思いますが、要は事業へのインセンティブを働かせるということが非常に重要になるということです。 これは共同住宅から共同住宅の例ですが、戸建て住宅地を再開発事業で共同住宅化する場合にも、同様に容積率緩和はメリットになります。 共同化する際に容積率を緩和し共同住宅を建設することで、新たな入居者に向けて緩和された容積を有効活用し大型の共同住宅等を建設し、事業にかかる費用に充てることで住民負担を軽減することができます。 民間事業者にとってもインセンティブが働き、再開発事業等の後押しをすることもできます。 いずれにせよ、容積率の緩和だけにとどまらず、様々な方法でインセンティブを働かせ、民間の活力を引き出す方向で政策を組み立てるべきです。(完) 容積率規制の緩和で、安全で新しい都市づくりを【2】(全3回) 2015.11.20 文/HS政経塾第二期卒塾生 曽我周作 前回は、東京都心の容積率利用がまだまだ低く、発展の余地があること。また現在の容積率制限については何かの明確な理論的根拠に基づいたものではないことをお伝えしました。 今回からはいくつかの提言をさせていただきたいと思います。 ◆提言(1) 容積率制限の緩和で、床面積当たりのコストを下げる 職住接近型の都市を建設するには、都市部に多くの人が暮らすことを可能にする必要があります。 また、同時に経済の発展のためには、多くのビジネスチャンスがある都心部に進出したい企業が、もっと都心部に進出できるようにすることも必要です。 ここにおいて目指すべき方向は床面積当たりのコストを下げることです。 岩田規久男氏は、下記のように指摘しています。 「容積率の上昇はそれによって土地単位面積当たりの地代(土地所有者自身が使用する場合は、帰属地代)収入を増大させるから、地価を上昇させる可能性がある。」 「しかし、地価が容積率の上昇に比例して上昇しないかぎり、床面積当たりの地価は必ず低下する。…人々は一般的に、同じ床面積であれば共同住宅よりも一戸建て住宅を好み、共同住宅であれば容積率の低いそれをより好む傾向がある。」 「そうであれば、地価は容積率が上昇しても比例以下でしか上昇しないし、容積率の上昇とともに地価上昇率も低下する。」(『都市と土地の理論』p41) 床面積当たりのコストを下げるには、供給量を増やす政策が必要です。 現在よりも容積率を緩和し、都市計画を見直し、高容積率の建築物を建てられるようにすることで、土地当たりの床面積供給量増加させる方向に政策誘導をすべきです。 もちろん、そうすることによって、土地にさらに大きな建物が建てられるようになれば、土地の価値が上昇します。都心部で利用可能容積率が1%上昇すると地価が0.77%上昇するという説もあります。(『容積率緩和型都市計画論』p139) 土地の地価が上昇するということは土地に対する固定資産税の税収増加にもつながり行政側にもメリットはあります。 当然、整備されたインフラにあまりにも見合わない容積率制限や、整備予定のインフラがあまりにも設定された容積率に見合わないものであるならば問題でありますが、方向としてはインフラという都市の「器」を大きくし、高層都市に耐え得るものにしていくべきです。 ◆提言(2) 容積率制限の緩和で経済活性化を図る【1】 岩田規久男氏の指摘は続きます。 「企業が集積する都市の中心部は容積率を高くして高度に利用しなければならない。土地を高度利用すれば、企業はそれだけ相互に近接した場所に立地できるから、交通時間と交通コストを節約できるし、交通量も抑制できる。」 「また車道と歩道を含めた道路の幅もゆったりとれる…職住近接を図って通勤混雑を緩和するためにも、朝が早かったり、夜が遅かったりする職業に従事している人たちのためにも、都心部から30分以内といった地域にも住宅が必要であろう。」(『都市と土地の理論』p39) 以上のように、容積率の緩和を行い、土地を高度利用できれば、非常に経済的な効果が高いといえるでしょう。 企業間の距離を縮めることは、問題対応に要する時間も非常に節約できることになります。「移動」によって失われる時間を減らし、付加価値創造のための時間を生み出すことにもなります。 さらに、岩田氏が指摘するように、これからさらに土地の高度利用を図っていくとすると、それにともない都心の交通需要も自然と高まることになるわけですが、職住の接近をはかれば、郊外から都心への通勤ラッシュ時の交通需要増加の抑制にもつながります。 現状のような職住が離れた状況の下で失われる時間を減らし、ある意味において時間を創造します。職住の接近が図られれば人々の心身への負担も抑えられますし、職住接近型の都市建設にむけた新しい投資も進むでしょう。 (次回につづく) 南シナ海をめぐる米中の今後 2015.11.19 文/幸福実現党・岡山県本部副代表 たなべ雄治 ◆南シナ海の人工島の落としどころ 先月末のことですが、南シナ海で中国が埋め立てた人工島の12カイリ内を、米海軍のイージス駆逐艦「ラッセン」が航行しました。 緊張の高まりをニュースが伝えていましたが、この事件は今後どういう方向で落ち着くのでしょうか。 カーター米国防長官は、「埋め立てと軍事化への行動の永続的中止」を要求し、「航行の自由の原則を守り、国際法が認めるあらゆる地域で飛行・航行させる」と決意を示しています。 そして今月の12日にはB-52戦略爆撃機2機に付近を飛行させました。 ◆アメリカの姿勢の変化 現在アメリカは南シナ海の航行の自由に対して強い姿勢を見せていますが、ここに至るまではいたって消極的でした。 米国防総省は半年も前から、艦艇を派遣すべきだとオバマ大統領に進言していました。しかし、米中の交流を重視するオバマ大統領は受け入れませんでした。 偵察機を侵入することすらできず、ただ中国への批判を強めるだけでした。 そんなオバマ大統領を試すかのように、大統領がアラスカ州を訪れている9月22日のタイミングを狙って、中国海軍の艦艇5隻がアラスカ沖の米国領海内に通過しています。 しかしこれに対してもアメリカは、「国際法には違反していない」と説明するのみでした。弱腰なのか関心がないのか、失望していたところ、今回アメリカは態度を変えて南シナ海に強い関与を始めました。 南シナ海の周辺諸国にとっては良いニュースです。その背景には、10月初旬のTPPの妥結が影響しているのかも知れません。 ◆中国を分析する 中国の姿勢も変化しており、近年アメリカに対して大胆になってきています。 中国の態度を解き明かす一冊としては、マイケル・ピルズベリー著『China 2049 秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦争」』が秀逸です。 CIAや国防総省を歴任した中国専門家の著者は、中国を理解した結果、親中派から反中派に転向するのですが、大変示唆に富んだ内容になっています。 元親中派だった著者が自戒を込めて、中国分析の専門家が誰しも中国に上手に騙されていたことを告白しています。 ピルズベリーによると、中国は無能なふりをして、アメリカを油断させることを徹底してきました。 そして、米中は協力することが可能であり、中国は民主化と自由化の過程にあり、アメリカの助けを必要とする弱い国であると、アメリカの政府関係者に信じ込ませることに成功してきたのです。 そのうえで中国は、アメリカからの経済的・技術的・軍事的な協力を引き出してきました。米ソ冷戦の最終局面を迎えたレーガン政権以降では、継続して兵器と軍事技術の提供すら受けていたのです。 さらに悪いことに、武器輸出と技術供与は、冷戦が終わった今でも続いており、しかも現在トータルでいくら使っているかを把握できていないというのです。 著者は、中国支援の各機関には毎年の報告義務を負わせるべき、と主張しています。 中国の軍事開発は、米軍を安価で効果的に退ける分野に特化して、空母キラーや衛星破壊兵器、電子機器を破壊する兵器に力を入れています。 軍事費の対GDP比はアメリカの1/4に過ぎず、その分を国営企業に多額の資金援助として回して、国際競争力を支えています。 経済でアメリカを抜けばおのずと覇権が握れる、という戦略なのです。そして肚の中ではアメリカを敵視しながら、中国に覇権が移る日を夢見て、ひたすら耐えてきたのです。 その中国が、大胆にもアメリカに挑戦するような態度を露わにし始めました。 中国の自信の表れなのか、資源確保への危機感からなのか、注目すべき点です。 ◆人工島の決着はどうなるか 中国が人工島の開発を中止して放棄したならばアメリカの勝ち、のらりくらりと開発を続けることができたら中国の勝ち、と言ったところでしょう。 アメリカが強く出てきた以上、中国は再び態度を改めて、柔らかく出てくる可能性があります。しかし、中国の本音、世界覇権の夢は変わるものではありません。 物腰の柔らかくなった中国に油断することなく、南シナ海の航行の自由を守るべく、私たちも人工島の今後に目を光らせなくてはなりません。 容積率規制の緩和で、安全で新しい都市づくりを【1】(全3回) 2015.11.18 文/HS政経塾第二期卒塾生 曽我周作 ◆東京都の容積率利用の実態 東京都心部の利用容積率は、山手線内で236%、東京都心4区332%(千代田区563%、中央区480%、港区302%、新宿区230%)になっています。 対して、ニューヨークのマンハッタン区の利用容積率は、ミッドタウン平均値1429%で、最高に至っては2621%も及びます。 高級住宅街であるアッパーイーストサイドでも平均631%の容積率を誇ります。(参考『都市のチカラ 超高層化が生活を豊かにする』森ビル都市再生プロジェクトチーム) たしかに、東京のデータは2002年のデータであり、その後様々な開発事業が都心でも進められておりますので、若干容積利用は増加しているものと思われますが、それでもまだまだニューヨークマンハッタンの容積利用率には遠く及びません。 容積率利用の小ささの裏には、このように、そもそも容積率規制が強いという現状があります。 ◆高さ制限から始まった容積規制 日本において容積率にあたるものは、1919年、建築基準法の前身の市街地建築物法と、都市計画法が制定されたところからはじまっています。 これは高さ制限と建蔽率制限の組み合わせで、建物容量のコントロールが行われるものでした。 住宅地域では高さ65尺(20メートル)、それ以外の地域では100尺(31メートル)の高さに規制され「当時の31メートルの絶対高さ制限のもとでも(容積率)1000%は実現できた」(『容積率緩和型都市計画論』p15)といわれていますが、この数値自体には明確な根拠はなかったようです。 また、その後時代を経て高さ制限と建蔽率制限による建物容量のコントロールから、正式に容積率を導入とする流れのなかでも、容積率の設定については意見が分かれていたようであり、とてもその数値に明確な根拠があるとは思えないものです。 容積率規制が容積地域性の形で導入されたのは1963年(昭和38年)で、東京区部環状6号線の内側に最初に指定されました。 そして1968年の都市計画法制定と1970年の建築基準法改正によって全国適用の一般制度となっています。 この背景に木造の低層建築物が主流だった日本において、建築技術の発達によって高層・超高層建築も可能になり、土地の高度利用を進めるという目的がありました。 ◆明確な根拠のない容積率規制 しかし、この容積指定については明確な根拠がなかったということを日端康雄氏は次のように指摘しています。 「容積地域制は比較的新しい制度であり、制度の成立経緯からして、容積規制はきわめて大雑把な規定で、建築敷地に対する建築延床面積の総量規制であると同時に用途地域別の総量規制でもある。」 「もとより規制の限界までの空中権、つまり未利用容積率は所有権の対象にならない。道路などの都市インフラストラクチャーに与える負荷も厳密な一義的対応の検証に耐えられるものではない。」 「たとえば、未完成の部分も含めて都市計画道路との均衡が考えられているとか、発生交通量が建物の用途や機能によって大きく異なるし、さらに経済社会の変化によってそれらの原単位も変わってくるが、そうしたことが容積限界を定める際の条件として、どのように配慮されているのかが明確にされていない」(『都市再生を目指して』p6) 大前研一氏も、そのことを、具体事例をあげて指摘しています。 「現状、容積率は都市計画で用途地域ごとに制限が定められているが、そもそもそれらの数値自体、根拠に乏しい。」 「たとえば、大阪・中之島の再開発で建て替えが予定されている朝日新聞の大阪本社ビル。同地域の容積率は1000%だが、朝日新聞相手で国土交通省が日和ったのか、特区(都市再生特別地区)認定という訳のわからない理屈で1600%という突出した容積率が認められた。横車を押したはずの朝日新聞も静観を決め込み、竣工すれば(2013年完成予定)、日本有数の容積率の建築物になるだろう。」 「もともと中之島は、堂島川と土佐堀川にはさまれた中州地帯であり、地盤が脆弱な埋め立て地。つまるところ、容積率の基準値に厳密な安全性や耐震性の確固たる裏づけがあるわけではなく、役人のさじ加減一つで決まるような恣意的な代物なのだ。そんな意味不明な縛りがあるから、日本の都市開発は一向に進展しない。」 容積率制限については「用途地域による容積率制限は、建築物の密度を規制することにより公共施設負荷を調整するとともに、空間占有度を制御することをつうじて、市街地環境を確保することを目的として導入された」(『容積率緩和型都市計画論』p179)と言われています。 しかし経済審議会の『経済審議会行動計画委員会・土地・住宅ワーキンググループ報告書』で「床面積とインフラ負荷が比例するという前提自体、証明がなされたことがないのみならず、直観的にもこれを信じることは困難である」ともいわれています。 そして「多くの都市では、容積率制限の導入に際して、すでに市街化が進展した区域における建築物の状況に応じて、いわば後追い的に容積率制限が指定され、必ずしも理論的な根拠にもとづいて指定されたわけではないという実態も」(『同』p188)あると指摘されています。 さらに、『容積率緩和型都市計画論』の著者、和泉洋人氏は「建築用途別の床面積当たりで、公共施設に対してどれだけの負荷を与えるか、どこまで公共施設を整備すればこれを処理できるのかについて、より詳細な実証研究が必要」(『同』p188)だということ、「容積率制限に関する基礎的研究」(「密度規制としての容積率制限の重要性、合理性の研究、建築物の床面積と発生交通量との関係に関する研究等の基礎的研究」)。 また「用途地域による容積率制限の指定に関する実証的研究」(「具体の都市計画における、用途地域による容積率制限の指定の考え方、根拠、妥当性等に関する実証的な研究」)という「膨大かつ実証的な研究が不可欠で、時間も費用もかかる」研究が「極めて低調」(『同』p184~185)だと指摘しています。 結局、現状では、「なぜその地域に、その用途地域と、その容積率制限が適用されているのかについては、理論的根拠がない」ということです。 そして、そもそも「どのような用途の建物が、容積辺りどれだけのインフラ負荷をかけるのかという理論的もあいまいである」ため、現状の容積率制限は根拠そのものが薄弱だと言わざるを得ないわけです。 (次回につづく) もんじゅ見直し勧告、資源小国日本としての受け止め方 2015.11.17 文/HS政経塾 第5期生 表 なつこ ◆原子力規制委による、「もんじゅ」見直し勧告 11月13日、原子力規制委員会は、福井県にある高速増殖炉「もんじゅ」について、今の日本原子力研究開発機構に代わる運営主体を探すように、文部科学大臣に対して異例の勧告をしました。 回答期限は半年後です。文科省は新たな運営主体を検討するとしていますが、見つからなければもんじゅは廃炉を含めて抜本的な見直しを迫られることになります。 もんじゅは研究段階ですが、日本のエネルギー問題の救世主になりえる存在なので、この問題についてはよく考える必要があります。 ◆「高速増殖炉もんじゅ」についておさらい もんじゅは、使用済み核燃料を再利用しながら増やし続ける「核燃料サイクル」の中核を担う研究開発施設です。 原子力発電の燃料はウランですが、じつはウランのうち発電に使えるのは0.7%だけで、99.3%は燃えなくて発電には使えません。 しかし、この99.7%のウランに中性子を一つ加えると燃えるプルトニウムに変わり、発電に使えるようになるのです。 この技術によってウランを今より60~70倍も有効に利用できるので、日本は数世紀にもわたって使えるエネルギーを確保できることになります。 もんじゅはこの技術を実用化するために研究しています。 「国家の血液」と言われるエネルギーの96%を海外からの輸入に頼っている日本にとって、自国の生命を他国に預けずに済むようになる、まさに「夢の技術」です。 しかしもんじゅは95年12月にナトリウム漏れ事故を起こし、核燃料の安全性自体には問題がなかったもののその情報を隠ぺいしたことが批判され、運転を中断。 組織の改革を経て2010年に運転を再開しましたが、装置の落下事故があり、おととし原子力規制委員会が試験運転を禁止する命令を出しました。 その後も多数の点検漏れが見つかるなど安全管理上の問題がある、というのが規制委の主張です。 ◆もんじゅが廃炉になると何が問題なのか? 今回の件で、もんじゅが廃炉になった場合の問題点を2つ挙げてみます。 (1)核廃棄物処理への高い可能性を放棄することになる 昨年政府は、もんじゅを高レベル放射性廃棄物を減らすことに主眼を置いた減容炉と位置づけ、「高速炉」の研究をすることにしていました。 もんじゅは原子力エネルギーで問題とされる廃棄物を減らしてくれる可能性があるのです。地層処理の研究は進んでいますが、さらに処理問題を前進させたいなら、この技術の開発にこそ注力すべきだと考えます。 安易なもんじゅの廃炉は、見えている廃棄物処理の可能性を一つ潰すことになります。 (2)平和主義国家としての地位が揺らぐことになる 日本は、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理ができる、唯一の非核兵器保有国です。 日本はすでに約50トンものプルトニウムを保有しており、高速増殖炉という核燃料サイクルがなくなれば、国際社会から核兵器への転用を疑われかねません。 また逆に、使用済み核燃料の再利用がないのなら、日米原子力協定でのアメリカとのつながりに陰りが差し、日本の安全が揺らぐ可能性があります。 ◆もんじゅ運転は日本人全員に必要 原子力エネルギーは、経済、政治、外交、軍事と多岐にわたる問題です。とくに日本にとっては、最初に指摘した通り、現時点で「国家の血液」を自分で生み出せる唯一のエネルギーです。 民間企業に高速増殖炉の運転経験はなく、求められる技術レベルの高さを考えると、日本原子力機構以外に運営を担える主体はいないのではないでしょうか。 原子力機構の児玉理事長は「非常に幅の広い仕事をしており人材が豊富。しかしシナジー(相乗効果)がない。情報とか設備のシナジーをもっとやれば、1+1が2以上になる。ただ実行が追い付いていない」と発言しています(2015.10.22産経ニュース)。 誇り高く、自立した国として核の平和利用を主導していける国になるために、もんじゅ運営の問題解決について、官民両方の視点から日本全体で考えていく必要があるでしょう。 ≪参考文献≫ The Liberty Web「もんじゅ」の見直し勧告はなぜ理不尽なのか? http://the-liberty.com/article.php?item_id=10449 産経ニュース 2015.09.11「日米原子力協定 継続は安倍首相の課題だ」 http://www.sankei.com/politics/news/150911/plt1509110005-n1.html 産経ニュース 2015. 10.22「『もんじゅ』でまたも不祥事 「極めて異常」と規制委は怒り心頭 ついに廃炉カードもちらつかせ…」 http://www.sankei.com/premium/news/151022/prm1510220004-n4.html すべてを表示する 1 2 Next »