Home/ 記事配信 記事配信 日露平和条約に向けて:今こそ東京―モスクワリニア構想の提案を! 2016.11.06 HS政経塾一期卒塾生 逗子市政を考える会 彦川太志 ◆領土の帰属よりも、ロシアとの関係強化を狙う安倍政権 プーチン大統領の12月訪日が近づくにつれて、日本国内では平和条約締結に伴う日露関係の前進が大きく期待されています。 安倍首相はロシア側との交渉に当たって、総額1.7兆円に上る経済協力を提示すると共に、北方領土問題については二島(歯舞、色丹)「引き渡し」、二島(国後、択捉)棚上げと言った着地を模索していると見られています。(11/5現在) 特に北方領土の引き渡しに対する姿勢は、従来の「四島一括返還」を求めていた姿勢から、「二島」の「引き渡し」へと大きく変化しており、この部分の譲歩をもって「新しいアプローチ」と称していた事が指摘されています。 【参考】鈴木宗男氏による解説 「Japanese expert proposes to sign peace treaty with Russia on basis of 1956 declaration(10/16タス通信)」 http://tass.com/world/904482 もしこの通りの交渉がなされるのであれば、「そもそも北方領土はロシア(ソ連)が不法占拠しているだけなので、日本に返すべきだ(返還)」という日本政府の従来の主張から、「第二次大戦後に領有権はロシアに移っているので、平和条約締結を機に二島を日本にプレゼント(引き渡し)するだけだ」というロシア側の立場に日本が譲歩したという事になります。 つまり、そもそもの領土の帰属にこだわるよりも、領土が返ってきて、しかもロシアとの関係を前進させることに国益を見いだしたと言えるでしょう。 南シナ海はおろか、日本海でも合同演習を行う中露両国の接近に楔を打ち込むことを優先している点、ある程度評価できると考えられます。 ◆ロシア側の評価は必ずしも高くない? しかしながら、ロシア側の反応を見てみると、必ずしも「二島引き渡し」と「経済協力」の平和条約パッケージが高い評価を得ているとは言い難いようです。 それは結局のところ、安倍政権による平和条約交渉の視野が北方領土からサハリン、ウラジオストク辺りの「極東」に集約されているほか、日露関係をいかなる方向に発展させて行きたいのかという、具体的な長期ビジョンが欠如していることに原因があると考えられます。 プーチン大統領は以前、ブルームバーグのインタビュー記事で「中露関係並みの高度な信頼関係」を日露で築くことが、領土問題進展の条件だと発言しています。 この記事の中で、ロシアは昨年「ハイレベルの信頼関係」を持つ中国と636億ドルの貿易を行い、1000億ドルの規模までこれを拡大しようとしている事を明かしています。 一方、同年度の日本とロシアの貿易総額は213億ドルであり、今回の経済協力1.7兆円を加味しても376億ドルと、中国の半分程度にしかならないことも指摘されているのです。 ◆発想を大きく、ロシアとの中長期的な経済協力ビジョンを掲げよ 例えば長期的に「ロシアとの貿易総額を1000億ドル規模まで拡大する」という構想を打ち出すと共に、東京からモスクワまでリニア新幹線を走らせるようなプロジェクトを提案すべきではないでしょうか。 もちろん、北方領土は全島返還を求めて行くべきとは考えますが、視野が狭くなってはいけないと思います。 中国の覇権主義による危機が高まっている現在、日露平和条約の締結は、中露接近に歯止めをかけ、中国にアジアでの安保、外交上のフリーハンドを与えない、と言う戦略目標を達成するような構想のもとに組み立てられるべきではないでしょうか。 富山市議会の政務活動費不正問題が問いかけるもの 2016.11.04 幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆10/30(日)富山市議補選が告示! 10/30(日)、富山市議補選が告示されました。 報道でもご存じのとおり、議員定数40人の富山市議会議員の内、12人の現職議員が政務活動費の不正による議員辞職という異例の状態となったために、補欠選挙が告示されました。 ◆自民・民進で組織ぐるみの不正が発覚 一連の問題について、当初は一部の自民党議員だけにとどまるものと思われていました。 しかし地元の北日本新聞による徹底的な追及のキャンペーンが続き、9月はほぼ毎日、一面に現職議員による不正問題が掲載され、報道された議員の多くが辞職に至りました。 その中で、不正は自民党議員だけでなく民進党議員にまで及んでいることが明らかになりました。 こうした多くの現職議員による半ば組織ぐるみの不正について、共産党・社民党は報道が出始めてから一気に批判を行っていますが、今まで富山市議会に議席を持っていながらこの件を追求できていなかった事にも大きな責任があると言わざるを得ません。 さらに、「維新の会」についても、根拠地とする関西で、現職大阪市議の妻が自家用車のリース代に充てていたことが分かり、こちらも大きく取り上げられています。 上記のとおり、既成政党を中心に地方議員のモラルが大きく低下していることが表面化し、政治への不信感が高まっています。 ◆なぜ、北陸で問題が起きたのか さらに、この問題は富山市だけでなく隣接した高岡市等でも発覚しています。 北陸では、浄土真宗を信仰される方が多いのですが、この開祖でもある親鸞は「悪人こそ救われる」という、悪人正機説を唱えました。 これは、一面、自分は「悪人でも仏や神に愛されている」という救いの原理になっていますが、一方「悪い事をしても、最後は救われるのだ」という教えです。 大川隆法党総裁は、今年の3月17日に高岡市民会館で行われた講演会「夢を実現する心」でこうした点について以下のように述べました。 「阿弥陀様の慈悲がいくら深いからといって、今世においてでたらめな生き方をし、他人様に迷惑をかけ、ほかの人が後始末をしなくてはいけないような生き方をしたのでは、ちょっと考え違いがあるのではないか」(『世界を導く日本の正義』P.100より) この点からも今回の政務活動費不正問題を放置してしまうということがあってはならないのではないでしょうか。 ◆必要なのは「正しき心の探究」を行う宗教政治家の輩出 今回の不正問題の責任は、まず半ば組織的に不正を行った自民党、民進党にあることは当然ですが、そうした実態を見過ごし続けてきた共産党、社民党にも全く責任がなかったとは言えません。 残念ながら、一連の報道を通じ、富山市の有権者の多くは政治への信頼を失いかけています。 そうした意味では、今回の補選が問いかけるものは、本来の政治にあるべき善悪の基準をしっかりと打ち出している政党と政治家の登場が望まれているということではないでしょうか。 私たち幸福実現党は、こうした政治不信が高まっている時期こそ、「正しき心の探究」を通じ、徳を身につけた政治家の輩出が大切であると訴え、実現することを目指しています。 こうした新しい選択としての幸福実現党の躍進が今、望まれているのではないかと思います。 今後、全国各地の地方選においても「正しき心の探究」を目指す議員の輩出に向けて、さらに取り組みを加速化させていく所存です。 国民の皆さまのご支援を心よりお願いいたします。 「保守」とは何か? 2016.11.03 幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆そもそも保守とは何か? そもそも保守とは何でしょうか? 幸福実現党も、「保守」ですが、日本の保守派から一部批判を頂戴することがあります。 日本では、天皇を尊崇する人たちを保守と呼ぶことが多いと思います。しかし外国には天皇のご存在はありません。でも外国にも「保守」は存在しています。 ◆アメリカの保守――「伝統の保持」「普遍的価値」 アメリカの「保守主義」について、産経新聞の古森義久氏は次のように定義しています。 「トランプ候補はイデオロギー色ゼロ…米保守主義は空洞化したのか?」(産経10./23)より http://www.sankei.com/column/news/161023/clm1610230005-n1.html 【ごく簡単にいえば、保守主義とは政府の民間介入を最小限にする「小さな政府」、社会的な価値観では伝統の保持、対外的には強固な軍事力を含めての普遍的価値の投射、そして介入などを求める思想である。】 ここで指摘されている「伝統の保持」「普遍的価値」とはどんなものなのでしょうか?そこに「保守の本質」がありそうです。 ◆イギリスの保守――「歴史の縦軸、国家の連続性」 また「そもそも保守主義とは何か」という問いに、八木秀次氏は、「保守主義の父エドマンド・パーク」を取り上げ、イギリスの保守について次のように述べています(『保守はいま何をすべきか 』(著者/中西輝政・八木秀次/PHP研究所)。 【「国家は、現に生存している者の間の組合たるに止まらず、現存する者、すでに逝った者、はたまた将来生を享(う)くべき者の組合である」(エドマンド・バーク著『フランス左翼についての省察』)――「なるほど、(保守が何かは)過去、現在、未来という時間軸に着目すれば、わかるじゃないか」と。(保守とは)歴史の縦軸、国家の連続性ということですね。】 次のようにも述べています。 【常に祖先の面前にいるかのように振る舞うことで、われわれの自由が高貴な自由になる、彼(エドマンド・バーク)はキリスト教徒ですが、われわれ日本人でも良くわかる。「ご先祖様が見守っている」という思いの中で、日々のわれわれの言動が高貴な洗練されたものになっていく。】 つまり、「歴史の縦軸、国家の連続性」に保守の由来があるということです。 ◆保守のもう一つの視点――「国民の生命・財産を守る」 保守には、「縦軸(時間)」と「横軸(空間)」があります。 エドマンド・パークが言う「国家の歴史の連続性」が「縦軸」です。 「横軸」は、「現在生きている国民」です。これが保守政党では「国民の生命・財産を守る」という政策になります。 ◆日本の保守――「天皇」 先に述べた通り、日本の保守は、天皇を尊崇することを主眼に置いています。 「天皇」の本質は、「日本神道の神々をお祀りする『神官の長』」(『保守の正義とは何か』/大川隆法著/ 幸福の科学出版)であり、国民の先頭に立って、神々に国民の安寧と世界の平和を祈る最高位の神官というご存在です。 ◆保守の本質とは何か 以上、イギリスの保守、アメリカの保守、日本の保守に共通するものは何でしょうか?ここに保守の本質を紐解く鍵があります。 それは、ずばり「神への信仰」です。保守の本質には、「信仰」があるのです。 イギリスやアメリカにはキリスト教の「信仰」があり、イスラム教にも「信仰」、日本神道にも「信仰」があります。 いくら保守と言っても、「神への信仰」がなければ「保守」ではありません。幸福実現党が、「宗教政党である」という理由は、「神への信仰」があるからです。 ◆保守の性質 保守の本質には「信仰」があると述べましたが、その性質には、「愛」「正義」「自己責任の原則」「自立」の精神があるのではないでしょうか。 西郷隆盛の「敬天愛人」は、信仰や愛を表し、吉田松陰の「僕は忠義をするつもり、諸友は功業を為すつもり」などの言葉には、忠義(信仰)や公憤が表れています。 福沢諭吉の「一身独立して一国独立す。(『文明論之概略』)」は、自立・自己責任を表しています。 ◆保守と左翼の違い ここで、保守をさらに明確にするために、左翼との違いを比較しておきましょう(あくまで私見)。 保守は、「信仰心」 左翼は、「唯物論」 保守は、「与える心」 左翼は、「奪う心」 保守は、「足ることを知る」 左翼は、「欲望の拡大」 保守は、「無我」 左翼は、「我欲」 保守は、「公憤」 左翼は、「私憤」 保守は、「愛による革命」 左翼は「暴力のよる革命」 保守は、仏神の「真理」を基とする 左翼は人間の「理性」を基とする 保守は、仏神から降ろされた「法」によって国を治める 左翼は、人間がつくった「法」で国を治める 保守は、「自由」を求める 左翼は、「隷属」を求める 保守は、「自立」 左翼は、「依存」 保守は、「自己変革」を迫る 左翼は、「他者変革」を迫る 保守は、「結び付ける力」 左翼は、「分け隔てる力」 保守は、「信頼」 左翼は、「不信」 保守は、「調和」を生む 左翼は、「不和」を生む 保守は、国家や全人類の「幸福」を追求する 左翼は、自分の組織(労働組合)だけの「利益」を追求する。… 新しい企業誘致の考え方で地方の活性化を! 2016.11.01 HS政経塾六期生 坂本麻貴 ◆リニア開通で地方の人口はどうなる? リニア中央新幹線の開通が、2027年に品川―名古屋間、その10年後には、大阪までが開通する予定です。 それに向けて、国土交通省は先月24日、経済効果などを高めるインフラ整備や制度設計を目的とした調査プロジェクトを年度内に立ち上げることを決めました。 リニア開業は移動時間の大幅短縮に伴う新たな人やモノの流れだけでなく、ライフスタイルそのものにも変革を起こす可能性があり、国交省は早期に青写真を示し、地方との意思統一も図っていく考えのようです。 リニア中央新幹線は、品川-名古屋間をおよそ40分で結びます。(大阪まで67分)そうすれば地方へ人口を集めることができ、地方の活性化が見込まれます。 一方、逆に都心部に地方の労働人口が吸い上げられ、格差が一層深まるのではないかと言った懸念も指摘されています。 地方を元気にするためには、地方に住む若者を増やすことが課題だとして、政府は「まち・ひと・しごと創生本部」を設置し、「地方における安定した雇用の創出」、「地方への新しいひとの流れをつくる」といった目標のもとに政策を講じています。 ◆「亀山モデル」にみる企業誘致の成功と陰り 三重県は全国に先駆けて大規模な企業誘致を行ってきました。クリスタルバレー構想として、シャープ㈱を亀山市に誘致した例で、『亀山方式』とよばれるほど一時期大きな注目をあびました。 『亀山方式』とは、大型の補助金や助成金によって企業にインセンティブを支払うというもので、当時シャープの誘致に県と市が投入した補助金は135億円でした。 また、用水や道路のなど受け皿の準備にも力を入れ、企業のニーズに合った立地条件をつくりました。 県によると、その成果は大きく、関連企業も含めて、2004年の創業から2011年には雇用者数は2.8倍の7100名に増え、税収も315億円になり、投入した補助金以上の効果があったとしています。 しかし、家電業界では工場閉鎖や売却が増えているのが現状です。 例えば、愛知県一宮市に立地していたソニーのテレビ工場は2009年に閉鎖されました。また2012年には大阪府貝塚市のパナソニックの工場も閉鎖しています。 前述のシャープに関しても、今年8月12日には台湾の鴻海精密工業によるシャープ買収の手続きが完了しました。 家電工場中心の誘致政策にも陰りが見えつつあるのが現状です。 ◆新たな産業誘致を 今まで企業を地方に誘致する際、『亀山方式』のような、補助金・助成金でのバックアップや、「企業立地促進法」 による税制面での優遇などの処置がとられることが一般的でした。 その際は、地方税収の中で約25% をしめる固定資産税の減免です。固定資産税は地方税ですが、海外を見ると国税である法人税を減免する国も多いのです。 例えばシンガポールは新規企業の法人税は最長15年間免除、タイ王国では8年間免除、その後5年間は5割減免という優遇策がとられています。 外資系企業を誘致するにしても、こうした状況から日本へ誘致するメリットは少ないということが言えます。 工場中心の企業誘致に行き詰まり、外資系企業も見込みが少ないとなると今後、どういう分野の企業を誘致するのかということが非常に重要です。 ◆地方が活性化するためには 現在、成長産業と言われる分野には、「航空宇宙産業」、「医療」、「食」が挙げられます。 航空宇宙産業では、既に愛知県の旗振りで「アジアNO.1航空宇宙クラスター形成特区」が行われています。また、医療分野についても「あいち医療イノベーション推進特区」をすすめています。 三重県を例にすると、同県は井村屋製菓㈱(上場)や㈱柿安(上場)、㈱おやつカンパニー(非上場)など、食分野の企業が多く立地しています。また、和牛や海産物にも恵まれ、茶業でも全国3位のシェア を持っています。 今後、三重県において一つの可能性として、食産業を誘致し集積地をつくることで新たな集積地をつくり、世界的な人口増加に伴う食糧問題に取り組んでいくことが上げられます。 地方の活性化の問題は、国内の人口をどう呼び寄せるかという「パイの奪い合い」から視点を変え、「世界で問題になっていることは何か」ということに目を向けることが解決の鍵なのです。 小さな政府の使命を再度問う 2016.10.30 幸福実現党・岐阜県本部副代表 加納有輝彦 ◆中古住宅やエコリフォームに対する支援の開始 麻生政権時、省エネ性能の高い家電を購入した国民に、他の商品と交換できるエコポイントを付与する家電エコポイント制が導入され、総額約6900億円の補助金が投入されました。 CO2対策、経済の活性化、地上デジ対応テレビの普及を図るのが目的で、環境省、経済産業省、総務省が中心となって取り組まれてきましたが、その後、国土交通省でも省エネ住宅の新築やエコリフォームの普及を図る住宅ポイント制度も実施されてまいりました。 去る10月11日、平成28年度第2次補正予算が成立し、「住宅ストック循環支援事業」(国土交通省)として中古住宅やエコリフォームに対する支援が実施されることになりました。 ※住宅ストック循環支援事業について http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000121.html 全国9つのエリアで、国土交通省主催の住宅リフォーム等に関する支援制度説明会が順次開催されました。 中部エリアでも10月26日に名古屋市公会堂大ホール(1990人定員)で開催され、多くの事業者が参加し関心の高さ、期待の大きさを示しています。 主な補助内容は、 (1)住宅のエコリフォームに最大30万円/戸 (2)40歳未満の者がマイホームとして中古住宅を取得する際に、インスペクション(建物状況調査)+エコリフォーム費用に対して50万円/戸 (3)耐震性のあるエコ住宅に建替えるに際し、50万円/戸 (1)(2)については、耐震性を持たせる場合、それぞれ15万円上乗せされます。 新築住宅の着工件数が減少しつつあるなか、特に地方においてリフォーム工事への補助金は、工務店等の建設事業者にとって仕事を頂くための「必要不可欠」なインセンティブ(誘導)となりつつあります。 地方における建設業界の仕事の創造は、国の補助金に期待するところ大であり、今回の国土交通省主催の住宅リフォーム等に関する支援制度説明会に多くの事業者が参加したことは、期待の大きさを示すものと考えます。 ◆消費税増税と補助金 エコポイント等の補助金を必要とする理由として、そもそもお客様の財布の紐が固くしまっており、大きな値引きが「消費を喚起する」「消費を誘引する」そのことに尽きます。 国は一方で、消費税の増税で消費者の財布の紐を締め上げ、一方で補助金で緩める、マッチポンプ(マッチで自ら火事を起こして煽り、それを自らポンプで消す)と揶揄される所以です。 地方の事業者が、補助金制度を利用して仕事を頂くことは、当然の行為です。 しかしながら、事業者の仕事を国の補助金が創造するという姿は、本来の姿とは思えません。国が、税金を吸い上げ、税金を使って仕事を創造する、この方向は「大きな政府」へと真っ直ぐに繋がっています。 私たちは、現行の制度を利用して仕事を創造しつつ、マクロの目を持たなければならないと思います。エコポイント制度から始まったエコ住宅への補助金の原資は、「税金」です。 ◆大きな政府と小さな政府 わが国が立ち戻る原点は、2009年8月21日に放送された幸福実現党大川隆法総裁の政見放送です。この内容に、立ち戻るべき原点が凝縮されています。 税金に関しては、「皆様方の選択は二つに一つです。『大きな政府』を選ぶか、『小さな政府』を選ぶか、どっちかです。」 小さな政府を明確に訴えているのは幸福実現党のみであり、小さな政府とは、国民の生命安全財産を守るための必要最小限の機能を国が担い、それ以外は、企業や各人の創意工夫によって未来を切り開いていける国がよいとされました。 大きな政府は、多額の税金を国民から取って、ばらまく。民主主義の最大の欠点。ばらまいて票を頂くことであると喝破されています。 最後は、「少ない予算の中で、国民の生命安全財産を守りきるために闘う。」これが小さな政府の使命であると結ばれました。 本来、企業や各人の創意工夫によって未来を切り開いていくべきものが、国のばらまき政策である「エコポイント」という補助金にぶら下がることは、一事業者・個人としては現状やむを得ないものの、その方向性は限りなく肥大していく大きな政府であるということをしっかりと認識しておく必要があると思います。 幸福実現党は、小さな政府を明確に訴えている唯一の政党として、「少ない予算の中で、国民の生命安全財産を守りきるために闘う。」を使命として精進してまいります。 生活保護制度について考える 2016.10.29 幸福実現党 大阪府本部副代表 数森圭吾 ◆生活保護制度とは 生活保護制度とは社会福祉六法の一つである生活保護法に基づいて施行される福祉制度の一つです。 生活保護法の目的は、「日本国憲法第25条(生存権)に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長すること」(第1条)とされています。 つまり生活保護とは「一時の」最低限度の生活を保障しながら自立を促すための制度であり、また障害を抱える方など働きたくても働くことのできない方々の生活を保障するためにも、現状において重要な制度であるといえます。 しかし他方、この制度が抱える様々な問題をみていくと、この制度が人の弱さを助長している側面があるということも明らかになってきます。 ◆生活保護受給率 平成26年の厚生労働省発表データによると、都道府県別に見た生活保護受給率は以下の通りとなっており、受給率の最も高い大阪府と最も低い富山県の差は10倍以上となっています。 大阪市の発表によると、大阪府がトップとなっている背景には「失業率」「離婚率」「高齢者の割合」が高水準になっていることや、全国最大の日雇い労働者のまちへの多亜府県からの流入が多いことなどがあげられていますが、他方で行政側の審査の甘さなども指摘されています。 1 大阪府 3.35% 2 北海道 3.11% 3 高知県 2.79% 4 福岡県 2.56% 5 沖縄県 2.41% 6 京都府 2.31% 7 青森県 2.28% 8 長崎県 2.20% 9 東京都 2.16% 10 鹿児島県 1.93% 47 富山県 0.32% ◆生活保護制度が抱える問題点 2015年度生活保護費の予算は約3兆円。今後も増加していくとみられており、制度が抱える数多くの問題も議論の対象となっています。 ・外国人への保護費支給問題 外国人への生活保護費の支給です。2010年のデータで総世帯数と被保護世帯数の割合を比較すると、日本国籍世帯の受給率は2.6%であるのに対して外国籍世帯の受給率は3.6%となっています。 特に韓国・朝鮮籍世帯の受給率は14.2%と非常に高くなっています。また外国人受給者の場合、海外に資産を持っていても、調査に限界があるという点も問題となっています。 実際に資産や所得を海外に隠して生活保護を不定受給していたという事件も起こっています。 ・貧困の連鎖 生活保護世帯で育った子供が、大人になって再び生活保護を受けることを「貧困の連鎖」といいます。 関西国際大学の教授が行った実態調査によると、貧困の連鎖の発生率は25.1%というデータも出ています。この実態をみると自立を助ける制度として生活保護が役立っているのか疑問に感じざるをえません。 ・国民年金とのバランス問題 また、生活保護で給付される金額が、国民年金の老齢基礎年金よりも多い事が指摘されています。… 日本に、迫りくる南シナ海危機への対策はあるのか 2016.10.27 HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆ドゥテルテ氏の反米外交で、領土喪失の歴史が繰り返される? 先般、訪日したフィリピンのドゥテルテ大統領は、東京都内の講演で、「2年以内に、私の国から外国の軍部隊がいなくなってほしい」「行政協定の見直しや破棄が必要ならば、そうするつもりだ」と述べました(ドゥテルテ比大統領、米軍は「2年以内に撤退を」AFP通信、2016/10/26)。 そして、ドゥテルテ大統領に同行したヤサイ外相も記者会見でアメリカとフィリピン両軍の定期合同軍事演習が「中国側の疑念を高めることにつながりかねない」と述べ、現政権による中止の可能性をほのめかしています。 フィリピンの新政権は、南シナ海進出を目指す中国の野心を止めるために米国や近隣諸国と連携するのではなく、この問題を中比間の「話し合い」で解決しようとしています。ヤサイ外相は、米比軍事演習がその妨げになると見ているわけです。 ドゥテルテ大統領もヤサイ外相もアメリカとの同盟(米比相互防衛条約)を維持すると述べましたが、南沙諸島の問題は米比同盟の対象外としました。もし、今後、フィリピンが「米軍」を国外に追い出したら、90年代前半の米軍撤退後にミスチーフ礁を中国軍に奪われた時と同じ事態が繰り返されかねません。 米軍を抜きにしたフィリピン軍は旧式の駆逐艦や旧世代の戦闘機が主力なので、中国海軍の近代化された護衛艦や潜水艦、戦闘機等には、とうてい、対抗できないからです。 ◆「人権問題」でそりが合わないドゥテルテ政権とオバマ政権 フィリピンではドゥテルテ氏が大統領に就任してから2カ月余りで1000人以上もの麻薬取引の容疑者が警察官に殺されたとも言われています。これを問題視したオバマ米大統領に対して、ドゥテルテ比大統領は「我々に敬意を持たなければならない」と憤り、フィリピン国内記者会でオバマ大統領を罵倒しました。 ドゥテルテ氏は、植民地の統治者のように上から目線で説教をしてくる米大統領が我慢ならないのですが、9月5日にラオスを訪問したオバマ氏は、その暴言を聞き、翌日に予定した米比首脳会談を取りやめました。 そして、米比関係が冷え切るなかで、ドゥテルテ氏は10月に訪中します。そして、南シナ海を巡る中国の領有権主張を違法と断じた国際仲裁裁判の判決を棚上げまでして、ドゥテルテ氏は中国のインフラ投資を国内に呼び込もうとしたのです。 親中外交はインフラ投資を呼び込むためのポーズなのかもしれませんが、結局、米比関係は修復が難しくなったので、日比首脳会談では、同盟国の日本を通してフィリピンを日米側に取り込むための布石が打たれました。 現状では、フィリピンが日米寄りに一歩近づきましたが、11月以降、人権問題を重視するヒラリー・クリントン氏が大統領となれば、「暴言大統領」が政治を司るフィリピンとアメリカとの関係は、うまくいかなくなりそうです。 ◆高まりつつある南シナ海での地域紛争勃発の危険性 26日の日比首脳会談後の共同声明では「両国の種々の友好関係および同盟関係のネットワークが、地域の平和と安定、海洋安全保障を促進する」とうたわれました。基本的に、今の日本は「外交」で紛争を抑止することを目指しています。 しかし、フィリピンの新政権は「頼みの綱」である米軍追い出しに肯定的ですし、米大統領選でヒラリー氏が当選した場合は、人権問題を巡って米比関係が険悪になる可能性が極めて高いのです。 アメリカとフィリピンとの同盟関係にひびが入れば、中国にとってまたとないチャンスなので、今後、南シナ海では地域紛争が起きる危険性が高まっていくでしょう。 ◆日本に、南沙諸島をめぐる地域紛争への対策はあるのか しかし、今の日本では、その有事に対応する準備はできていません。 南沙諸島近辺を通る海上交通路(シーレーン)は、日本とアジアの米軍にとって重要な物資の運搬経路ですが、この防衛のために日本がどこまで動けるのかは、いまだにはっきりしません。 集団的自衛権の行使の要件の中には、「わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること」と記されていますが、果たして、南シナ海のシーレーンの防衛というのは、前掲の「明白な危険」の中に含まれているのでしょうか。 フィリピンという国は、「わが国と密接な関係にある他国」の中に含まれているのでしょうか。 今の日本では次の選挙のための国内政策の議論が盛んですが、南シナ海の情勢が変わりつつある今こそ、有事に適切な判断を下すための準備を進めなければなりません。 そのため、集団的自衛権や防衛法制に関する議論を国防強化に結びつけるべく、幸福実現党は今後も力を尽くしてまいります。 規制緩和で医療を輸出産業に 2016.10.25 HS政経塾 第6期生 野村昌央 ◆問われるこれからの社会保障制度 21日に行われた経済財政諮問会議で、安倍首相は「医療費抑制の改革の具体化に向けた検討を加速する」よう、塩崎恭久厚生労働相に指示しました。(10月22日付・日経新聞より) 増加する社会保障費のなかでも医療費の伸びは著しく、平成27年度の医療費は41.5兆円となっており、前年度に比べ1兆5000億円増となりました。医療費の抑制策としては、最近では高額がん治療薬のオプジーボが緊急的に薬価を引き下げる方針となったことが話題となりました。 医療制度改革はこれまでにも行われていますが、その中身は給付額の削減や、保険料や医療機関窓口での自己負担の増加といった、今ある制度の枠組みの中での対応策であり、今後、安倍首相がどこまで医療改革を断行できるかが注目されます。 ◆日本の医療産業は規制だらけ 日本の医療は国民皆保険とフリーアクセスを特徴とし、全ての国民が等しく、どこでも医療を受けられる制度となっています。 どの医療を保険の効くものとするかは、中央社会保険医療協議会(中医協)によって定められ、保険収載を認められた医療行為が保険医療機関(病院等)で医療サービスとして受けられるようになっています。 また、一つひとつの医療行為に対する診療報酬(保険会社から医療機関へ支払われる保険給付)や薬の価格(薬価)も、中医協の議論を踏まえて厚生労働大臣が決定する制度が採られています。 様々な規制があるため、例えば混合診療の禁止(保険の効く医療サービスと、保険の効かない医療サービスを一緒に受けた場合、保険が効く医療サービスも全額自己負担となる)などから、海外では既に実用化されている先進医療を受けたくても、それを受けるためには様々な障壁があるのが現状です。 医療には高度に専門的な知識や技術が必要であるため、医療提供者と患者の間に医療に関する知識の差(情報の非対称性)が生じます。そのため、自由競争に任せると、本当は必要でない医療サービスであったとしても、それが不必要なのかどうかが患者にはわからないまま、医師の勧める医療サービスを受ける(モラルハザード)などの問題が起きる可能性があります。 これらの問題を防ぐことを目的として、日本の医療産業には様々な規制があるのです。 ◆医療制度改革で医療を成長産業へ しかし、平等に医療を受けられる社会を守るという目的のためとはいえ、採算のとりようがない今の枠組みのままでは、増税と国債発行による社会保障費の補填に頼り、将来世代にツケを回すだけです。 また、規制にがんじがらめでは医療資源の効率配分も難しく、ムダが生じます。このままでは、最短5年で医療制度は破綻するとする専門家もいます。「医療費抑制」という考え方のままでは、結局は医療保険の適用範囲の縮小などが行われることになると考えられます。 ただ制度の縮小を待つのではなく、「どうすれば医療産業が活性化するか」という視点を持ち、個人の選択の幅が広がり、より質の高い医療サービスを受けられるようになり、世界の人達が日本の医療を受けに来られるような輸出産業にしていく方向にシフトしていくべきではないでしょうか。 そうした改革に向けて、動き出している自治体もあります。愛知県では「国家戦略特区」への提案として「あいち医療イノベーション推進特区」というものがあります。 これは、名古屋大学医学部付属病院を国際医療拠点として「病床規制の特例」「外国人医療従事者の受け入れ」「保険外併用療養の拡充(混合診療の推進)」「医療機器分野への新規参入の促進」などの提案をするものです。 これらの規制緩和によって、愛知県は医療を国際競争に耐えうるものとし、優れた医療や医療機器の新たな市場を創造する「医療イノベーション」を推進しようとしています。 医療費抑制を目的とした今までの枠組みの中での医療改革ではもはや対応しきれなくなってきていることをしっかりと認識する必要があります。愛知県の医療イノベーションの提案のように、医療産業を成長産業としていく道を拓いていくことが、日本の医療を守ることにもつながっていくのです。 「いじめ」は解決できる!【3】 2016.10.23 幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆いじめ解決のステップ 「いじめ解決のステップ」で最初に大切なことは、保護者が子供を守る覚悟を固めることです。 そして担任に相談。担任に指導力があれば解決しますが、解決しない場合は、学年主任⇒校長⇒教育委員会、最後は第三者機関等の順で申し入れを行うことです。 今回は、お母さんの知り合いに元児童相談員の役職を務めた方がおり、その方が校長にいじめを解決するよう話しに行ってくれるとメールがありました。 私は、その結果を待つことにしました。 ◆校長への要望書提出 しかしその結果は、皮肉なものでした。校長先生の返答は「その件は、担任に任せている」だったのです。 私にとっては、それも想定内だったので、次の「いじめ解決のステップ」に入ることにしました。 お母さんの覚悟も決まったし、母に対するA君の信頼も出来てきたので、第三者機関からの「学校への要望書」を出す判断をしました。 お母さんには、A君が「いじめを受けた経過」をまとめてもらっていたので、私の方で校長宛に、お母さんの要望を反映させて「教育者として、いじめを解決してほしいというお願いと、学校に対する具体的要望」を書き上げました。 学校への要望書提出の際には、私も同行しようと思っていましたが、お母さんが自らが一人で面会し、3月18日に校長先生に提出しました。 校長先生は、いろいろ話を聞いてくださったようですが、後で要望書も読んでおくとの解答でした。 翌日、校長先生は再度事情を聴く場を設けてくださり、いじめた生徒に謝罪を設ける場をつくること、再発しない具体的な処置もしてくれることになったのです。 当初、「謝ってもらわなくてもよい」と相手方に伝えてしまっているので、お母さんも、そこをどう言ったらいいかという相談もありました。 私は、暴力で登校拒否寸前になっていることや、相手から自宅に電話があったり、訪ねてきたりしている状況が続いているので、謝罪はしてもらわないと解決しないとアドバイスしました。 最後に、一つだけ不安だったのは、謝罪の場が、話し合いの場になってしまい、「いじめられた側も悪い」と相手側が言ってこないかということです。 要望書には、そうならないように、「暴力と脅しの事実」に対して謝罪してもらうことを加えました。 いじめ解決のノウハウを持つ「いじめから子供を守ろうネットワーク」からの協力もいただいたことで、当日は相手側も謝罪し、スムーズに終わることができたとお母さんから報告がありました。 「学校に来ないと殴る」とA君を脅していたC君は、B君から言われてやったことで悪気はなかったと語ったそうです。 C君にとっても、これでいじめに加担させられるしがらみから解放されることになったのではないかと思います。 学校側は、指導力のある先生を担任にすること、いじめた生徒と階を別にすること、同じマンションの面倒見の良い子を紹介して登下校できるようにすることなど、再発防策を打ってくれることになりました。 いじめた側からの謝罪を受けることで、お子さんも笑顔が戻り元気に部活にも出るようになったそうです。ただ3ケ月、半年は、注意してくださいとお母さんに伝えました。 こうして1月初めに相談を受け、3月25日、解決することできたのです。 ◆いじめた側の生徒の指導 いじめを扇動していたB君は、孤独で友達がなく自分の子分を持つこと、暴力の力でしかコミュニケーションを図れないということです。 おそらくは親子関係にも何らかの問題を抱えているはずです。B君に関しても誰かがしっかりと相談に乗り、指導してあげなければならなかったのです。 最後に、担任や校長への批判めいた話も書きましたが、決して学校を責める気持ちはありません。なぜなら、私自身も教壇に立っていた立場で、思うようにいじめを解決できなかったからです。 アメリカには、「いじめを解決するプログラム」などもありますが、日本の学校にはそうした指導が遅れています。学校にも、「いじめを解決するプログラム」が必要なのです。 私がいじめ解決が出来たのは、下記の団体からのアドバイスがあったからです。 ■いじめ解決率9割!「いじめから子供を守ろうネットワーク」とは!? http://thefact.jp/2016/1427/ 「いじめ」は解決できる!【2】 2016.10.22 幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆クラス担任の対応 A君が暴力を受けてケガをした日の夕方、お母さんは担任の先生に電話を入れました。 すぐに担任の先生は自宅に訪ねてきて、翌日A君を休ませましたが、翌々日の朝から担任の先生が自ら迎えに来るようになったそうです。 私はそれを聞いて、担任の先生はいじめを解決しようとしているのかと思ったのです。ところがよくお母さんから話を聞いてみるとそうではありませんでした。 担任はA君の登校の時間をずらして、自分のクラスではなく特別教室で自習させていました。おまけに休み時間もずらして取らせていたのです。 つまり、「いじめているB君とC君」が「いじめられているA君」が会わないように、A君を特別教室に隔離したのです。 お母さんに尋ねてみるとA君の他にも特別教室には10名の生徒がいることもわかりました。 結局、学校のいじめ対策は、「いじめられている生徒を隔離する」という方法だったのです。 いじめを受けている生徒を隔離して、いじめている側の生徒に適切な指導がなければ、この学校からいじめがなくなることはありません。 そして、明らかにいじめを受けている側の生徒の授業を受ける権利を奪っています。 ◆解決へ進展したと思ったが・・・ 1月初めに私が相談を受けた時、お母さんの希望は、A君を特別教室ではなく「自分のクラスで授業を受けられるようにしてあげたい」というものでした。 2月に入って少し状況が落ち着いたころ、お母さんから「担任との話で子供が好きな教科だけ授業に戻るということになった」との連絡がありました。 その際、担任は、お母さんにこう言ったそうです。 「いじめた生徒もかわいそうだから、他の人にその生徒の名前を話さないようにしてください。」 これを聞いた時、「担任の先生は本気でいじめを解決しようとはしていない」と確信しました。 担任は、いじめが外に知られないように、お母さんとA君にいじめを受けていることを話さないよう口封じをしただけです。 ◆転機 その直後、事件は起きました。 A君が、B君に、自分が授業に出る際、「自分と接触しないでくれ」と直接、電話を入れたのです。 これに激怒した担任の先生が、「なぜ、いじめていた生徒と接触したのか」とすごい剣幕でA君を叱りました。 担任の先生は、お母さんにも電話を入れこう言いました。 「いじめた生徒と会わないように努力をしているのに、A君自身が相手に電話をして接触するとは何事ですか!だったら全授業、出ればいいじゃないですか!」 ピンチはチャンスです。この事件が、逆にお母さんとA君の絆を深めるチャンスになると私は思いました。 私はお母さんに、こうアドバイスしました。 「A君は、B君の方から自分に接触してくるので、『授業の時にのぞきに来ないでね』(いじめたB君は別クラス)と電話を入れたのです。相手に接しようとしたどころか、接してこないように勇気を出して電話したのだから、担任から責められる理由はありません。逆に、電話した勇気を褒めてあげてください。」 「むしろいじめた側が、お子さんに電話をしてきたり、自宅に訪ねてきたりしているのだから、担任は、いじめた側を指導しなくてはならないのです。」 さらに大切なこととして私はお母さんに重ねてアドバイスしました。 「クラスに戻ることを優先して、無理に授業に戻したらお子さんを追いつめることになります。無理はさせないでください。」 もしお母さんも担任に言われるままに、A君を責めてしまったら、A君は居場所がなくなります。 その後、お母さんから「あなたは間違っていない、よく相手に勇気を出して電話したねと話してあげたことで息子はだいぶ楽になったようだ」と電話がありました。 これがきっかけで、A君に「母が自分を守ってくれる」という信頼が生まれ、お母さんにいろんなことを相談するようになりました。 (つづく) すべてを表示する « Previous 1 … 82 83 84 85 86 … 252 Next »