Home/ エネルギー政策 エネルギー政策 鹿児島県・川内原発2号機と日本の原発再稼働に前進を!【前編】 2015.10.01 文/幸福実現党 鹿児島県本部 副代表 兼 HS政経塾 4期生 松澤 力(まつざわ・いさお) ◆2012年 衆院鹿児島3区補選から訴え続けた「原発再稼働」 九州電力は、既に再稼働している鹿児島県の川内原子力発電所1号機に続き、2号機についても、今後の検査や作業で問題がなければ、10月15日に原子炉を起動し再稼働させる方針です(10/4 朝日新聞)。 川内原発は、福島第一原発の事故後に作られた新しい規制基準の審査に、昨年、全国の原発で初めて合格し、1号機が8月11日に再稼働しました。 2号機でも、9月13日に原子炉に燃料を入れる作業が終わり、再稼働に向けた準備は最終段階に入っています。 私は2012年衆院補選から、川内原発を抱える鹿児島3区で「原発再稼働」を主張してきました。当時は脱原発の論調が非常に強く、脱原発を訴える方々との激しい論戦もありました。 しかし、全国の幸福実現党の同志の方々と支援者の皆様に支えられ、日本の将来を見据えた「原発再稼働」の必要性を一貫して訴え続けることができました。 その後、今年8月に新規制基準下で初めて川内原発1号機が再稼働し、2号機もほぼ再稼働の見通しが立つようになりました。これまで御支援くださった全国の皆様に心から感謝申し上げます。 ◆日本の存立を脅かす「火力発電依存」 東京電力の福島第一原発事故を受け、原発に代わって液化天然ガス(LNG)や石油、石炭を燃料とする火力発電がフル稼働し、電源全体の9割近くを火力発電が占めています。 この状態は1973年の第1次石油危機時を上回る高水準です(4/19 産経ニュース)。第1次石油危機では石油価格が4倍に上がり、日本がエネルギー供給の大半を中東に依存している危うさに気づかされることになりました。 当時の日本は一次エネルギー供給の約4分の3を石油に依存し、石油による発電の比率は1973年で74%に高まっていました(資源エネルギー庁)。 日本はその後、豪州・米国・カナダなどの石炭への燃料転換や原油備蓄などの対策も講じてきましたが、東日本大震災後の原発停止により、エネルギー安全保障の脆弱性が再び高まりました。 現在の日本は、石油の約85%、天然ガスの約30%を中東から輸入しています。日本の全エネルギー割合では、44%が中東から供給されており、この大半はホルムズ海峡を経由して輸送が行われています(WEDGE infinity)。高い中東依存率を引き下げることは、安全保障を強化することになります。 脱原発を訴える方々の中には、太陽光発電・風力発電などの再生可能エネルギーの推進を訴える方も多くいらっしゃいますが、気象状況に左右される再生可能エネルギーを安定した電源として活用することには無理があり、膨大なコストがかかります。 (つづく) 今こそ、『神のある民主主義』へ移行すべき時! 2015.09.25 文/幸福実現党・北海道本部副代表 森山佳則 ◆日本は神々が育んできた「世界史の奇跡」 古来より日本は、神々に護られて、2700年以上、統一国家として繁栄してきました。 孔子や老子の時代よりも古い時代に「神武天皇の東征」が行われています。その神武天皇から現在の今上天皇まで連綿と続く世界最古の歴史を持っているのが、私たちの国です。 日本は、神々が育んできた「世界史の奇跡」でもあるのです。 先の大東亜戦争においても、同じアジアの国々が、欧米諸国の植民地支配を受け、隷従の身となって、迫害・搾取を受け苦しんでいるのを解放するために戦いました。 戦争には、アメリカ合衆国には敗れましたが、その後の歴史を見れば、アジア・アフリカにおいても植民地がなくなり、ほとんどの国が独立を果たしました。 日本の神々が目指した、植民地支配を終わらせるという大義が成就したのであります。 しかしながら、戦勝国によって、戦後、日本は、侵略をした悪い国であるというレッテルを貼られ、戦後70年たっても、それを覆すことができず、日本の正当性を世界に訴えることができておりません。 これでは、戦争中に、わが身を捧げて、自国の防衛、そして、植民地解放のために、戦った先人に対し、子孫として申し訳ない限りであります。 ◆日本は祭政一致が国体 古来より日本では、神の心を受けた政治が行われてきました。 日本の歴史を見る限り、神と政治は一体化していて、いつも「神の心を受けて政治をやろう」としていたのが、昔からの伝統で、「神に向かって、みんながまとまろう」としてきた国でありました。 わたしたちは、何よりも「信仰心」と「愛国心」を持って、この国を護り繁栄させ、神々の意思を地上で実現する義務と権利を持っているのです。 ◆新憲法制定こそ神々の意思 現行憲法が最高の法ではありません。国民の平和と繁栄と幸福のために、その時代の現状に合わせ時々刻々と変えていくべきものが地上の憲法です。 憲法の上には、神の意思、もしくは、地球的正義があります。それを無視して、一国の利得のためだけに、法体系を創るべきではありません。 また、成文法のほかに、不文法があり、日本の国体、国としての連続性を護るために、法解釈をして、三千年近い国体を護る必要があるのです。日本の歴史は、戦後の70年だけではありません。 ですから、現行憲法は、敗戦後のどさくさの中で、日本の歴史・文化にも無知で、法律に素人の占領軍の一部の人が創ったもので、当然、日本に真の繁栄をもたらすものではありません。 日本の文化伝統を受け継ぎ、国際社会で日本が果たすべき使命も含めて、新しい憲法を制定しようと思うことが、本来の国民の姿であり、日本の神々の意思でもあります。 ◆霊性革命――霊言は日本を守る神の詔 今、数多くの霊言が、幸福実現党大川隆法総裁より、神々の世界、霊界から降ろされています。実際に、神々の言葉によって、良き方向へと日本を導こうとしているのです。 今回の安保法制においても、あれだけ、マスコミや野党から反対の論陣を張られ、ゆさぶりをかけられたとしても、今回、法案が通ったのは、安倍総理の信念が崩れなかったことと、自民党が割れなかったことが大きな要因です。 これは、大川総裁の霊言を通して神々の意思はここにあるのだと、神様を信じている人たちが信念を曲げなかったことが根本にあります。 また、安保法制反対の運動や、沖縄県知事の国防を揺さぶる動きが、左翼陣営やマスコミ等を通じて盛り上がった時は、東日本大雨や大洪水、火山噴火など、数多くの天変地異が起きました。 この謎解きは、日本の神々が、この国は価値があるので、護りなさいと言っているのであります。 ◆信仰革命の成就へ、今こそ、『神のある民主主義』へ移行すべき時 われわれは、そうした神々の意思を慮り、良心と良識で考えて決めていく、「神のある民主主義」に、入っていかなければなりません。 そうしなければ、日本を取り巻く危機的な混迷を打破し、その先に広がる世界の平和と繁栄の時代に移行することはできません。 現代の日本の神となっているマスコミが主導する「神のない民主主義」「人間のみの民主主義」の行く先は、他国に植民地化され、隷従する日本の姿しかないのです。 今こそ、本来の日本を取り戻すべく、「神のある民主主義」を進めていくべき時であり、不惜身命の精進を誓います。 原発の安全性を高め、再稼働推進を! 2015.09.23 文/幸福実現党スタッフ 荒武 良子(あらたけ・りょうこ) ◆9月10日川内原発再稼働 9月10日、九州電力川内原発が再稼働しました。東日本大震災後の新基準下で、全国初の再稼働となります。 国内の電源構成について政府は、2030年度のあるべき比率を「原子力20~22%」とし、原発の稼働を進めていますが、元首相の小泉氏は、福島第一原発事故で原発の危険性について認識したことから、脱原発を唱えるなど、原発反対の声も根強くあります(2015年9月17日産経ニュース)。 ◆福島第一原発事故とチェルノブイリ原発事故の比較 原発事故で有名なものに、1986年、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故があります。 この事故では、規則違反の試験運転を行ったことで、核反応が暴走し、原子炉自体が爆発しました。その結果、大量の放射性物質が放射され、急性放射性障害で30人が死亡しました。 一方、福島の原発事故は、チェルノブイリ原発事故のように、核反応によって起きた核爆発ではありません。 津波によって、冷却装置が故障したため、冷却できなくなった炉心が損傷して水素ガスが発生し、水素爆発が起きました。 原子炉内の水が分解して発生した水素ガスが漏れてガス爆発が起き、壊れた格納容器から、原発内の放射性物質が1%程放出されました。 福島第一原発は、一定以上の地震波を感知すると、1秒で核反応を停止する設計になっていました。東日本大震災の地震を感知して核反応を停止しています。 福島第一原発での水素爆発は、この核反応停止後、24時間以降に起きており、爆発が起きた時の放射能は、核反応停止直後の1000分の1以下になっていました。 こうした理由から、放出された放射線の量は少なく、福島第一原発事故では、急性放射性障害で死亡した人はいません。 ちなみに、チェルノブイリ原発の原子炉は、「黒鉛炉」と言って、核分裂を起こしやすくするために必要な減速材に黒鉛を使用しています。 事故当時、この黒鉛が火災を起こし、災害を拡大ましたが、日本の主な原子炉は、「軽水炉」と言い、減速材に水を使用しています。そのため、黒鉛による火災の心配はありません。 また、福島第一原発事故では、放射線被ばくによる後障害のガンの発症も起きていません。 チェルノブイリ原発事故では、放射能に汚染された牛乳が出荷され、それを知らずに飲んでしまったため、多数のガン患者が発生しました。 しかし福島第一原発事故では、そもそもの放射線量が少ないことに加えて、事故後には、福島県産の牛乳に出荷停止の措置がとられています。そのため、がん発生も防止できました。 事故当時の報道では、福島の放射線量はチェルノブイリと同程度などというものもありましたが、札幌医科大学教授 高田純氏の調査によると、実際に福島県民が受けた放射線量は、CTスキャン1回分程度だったようです。 むしろ、誤った報道による放射能への過剰な恐怖や、政府の対応の遅れよって、本来可能なはずの復興が、遅くなっているようです。(2015.9.12HRPニュースファイル「原発事故から5年―福島安全宣言!」参照) ◆原発稼働は、国防上も重要 日本のエネルギーの9割は火力発電で、火力発電のための石油や石炭の大部分は、中東などから輸入されているものです。現在、日本のエネルギー自給率は約4%です。 こうした中、仮に、中東から石油が輸入できなくなる場合や、中国によって石油輸送のシーレーンが遮断される事態が発生した場合、日本の経済や国民の生活が立ちいかなくなる可能性も出てきます。 エネルギー自給率を高めることは、日本が他国の言いなりになることなく、国の主権を守ることにもつながっています。 資源が少なく、太陽光発電等の自然エネルギーでは、火力発電や原子力発電の代替となるほどのエネルギーを得られないことからも、現状、原発によって電力が供給できることは重要なことです。 ◆日本は原子力比率を「40~50%に」――世界原子力協会事務局長発言 9月18日付、産経新聞によると、世界原子力協会のアニエッタ・リーシング事務局長は、日本の電源構成における原子力の比率を、長期的に「40~50%」まで高めるべきとしています。 政府が定めている、2030年度の「原子力20~22%」を、リーシング氏は、「長期的に見て低すぎる」と指摘しています。日本は、エネルギー自給率を高めて、安全保障を強化するためにも、原子力が重要との見方を示しました。 ◆原発の安全性を高め、再稼働推進を 震災後も、世界の各国は原発を推進する流れにあります。また、原発によってエネルギーを得られることは、国の独立を守ることにもつながっています。 原子力発電に代わるエネルギー源が見つからない以上、福島原発事故を契機として原発をゼロにするのではなく、より安全な原子力の活用を考えるほうが良いでしょう。 実際、福島原発事故の教訓を生かした新しい原子炉の開発の事例もあります。川内原発の再稼働を皮切りに、各地の原発も再稼働を進めるべきです。 参考: 「天使は見捨てない」大川隆法著/幸福の科学出版 「放射能・原発、これだけ知れば怖くない!」高田純著/幸福の科学出版 「決定版 福島の放射線衛生調査」高田純著/医療科学社 今こそ「空気」に支配されない原発推進論を! 2015.04.27 文/幸福実現党 神奈川県本部副代表 HS政経塾第4期生 壹岐愛子 ◆2015年は「原発再稼働元年」となるか 鹿児島地裁が22日、九州電力川内原子力発電所の再稼働を差し止める仮処分申請を却下し、川内原発の再稼働がいよいよ見通せるようになってきました。 しかしその反面、「反原発」の主張を訴える手段として首相官邸に放射線を発するドローンが侵入する事件も発生しております。 日本の全ての原発が停止してから早くも3年。原発問題はイデオロギー化しており、冷静さを欠いた議論が一部で横行しています。 幸福実現党は責任政党として一貫して「原発推進」を掲げ、今回の川内原発の再稼働にあたっても大きく世論を牽引してきました。 再稼働元年を足場として、私達はより現実的な課題に踏み込んでいかなければなりません。 ◆絵に描いた餅になっている電源構成比 政府は2030年時点の望ましい電源構成「エネルギーミックス」について、原子力の比率を20~22%とする原案を提出しました。 福島第一原発の事故を踏まえ、原子力の比率を東日本大震災前の約30%から減らす一方で、再生可能エネルギーの比率は原子力よりやや高い22~24%としています。 さらに、この電源構成に基づく温室効果ガスの削減目標を、2013年度比で26%とする方針を固めたと各紙が報道しています。 政府が決定する電源構成比は、これを基に様々な分野に影響がでるものでありますが、今回の構成比に関しては「絵に描いた餅」になっているのが実状です。 民主党政権時代に決めた原発40年廃炉規定があるため、既に関西電力美浜原発1、2号機(福井県)など、4基の廃炉が決定しています。 日本の原発の約4割は30年以上経過しており、40年廃炉を厳格に適用すれば、全ての原子炉が再稼働したとしても、原発の新増設を行わない限り20~22%の原発比率の達成も困難です。 また、政府は再生可能エネルギーの導入に意欲的ですが、太陽光や風力など不安定な電源については、バックアップ用に火力発電所を待機させる必要があるため、火力発電所の稼働率が下がり、ドイツのように電力コストが上昇したり、英国のように火力発電所への投資が進まず電力不足が起きる可能性が指摘されています。 ◆忘れてはいけないエネルギーと経済成長との相関関係 政府は、上記のエネルギーミックスを達成するために、石油危機並み以上の大幅な省エネ対策が進むことを想定しています。しかし、経済活動に伴ってエネルギー消費量は必ず増加します。 経済成長率(実質)とエネルギーの増加率はほぼ等しい、と見るべきです。 GDPが増えれば、伸びに対して電力使用量は増えます。経済発展とエネルギー消費、電力消費には強い相関があるため、過度の省エネを強制すれば、経済活動に制限をかけることになりかねません。 ◆発展繁栄の道を目指すならば、正々堂々と原発推進を! 本当は原発が必要なことがわかっているのに「空気」に支配されて、自らの国を消滅させる道に向かっている現状を打破しなくてはなりません。 原発40年廃炉ルールの見直し、再稼働の早期実現、新増設に踏み込むべきです。政府は、国家として安全保障と経済性を重視したエネルギー政策を策定していくべきです。 幸福実現党はGDP 世界ナンバーワンの国家を掲げています。国家の発展繁栄を実現していく高い理想のもと、必要な電力需要を見据えた電力構成の議論を進めていかなければなりません。 政府は今一度「空気」に流されることなく、正々堂々と原発推進を発信し、日本が世界をリードする国として貢献していくべき道を示すべきです。 高浜原発3・4号機の再稼働差し止め仮処分 疑わしい司法判断 2015.04.15 文/HS政経塾3期卒塾生 森國 英和 ◆高浜原発の再稼働差し止めの仮処分を認めた福井地裁・樋口裁判長 福井地方裁判所(樋口英明裁判長)はこのほど、関西電力高浜原発3、4号機の再稼働差し止めの仮処分決定を出しました。 樋口裁判長は決定文の中で、原子力規制委員会の設けた新規制基準は、「緩やかにすぎ、これに適合しても本件原発の安全性は確保されていない。新規制基準は合理性を欠く」と断じた上で、「(住民らの)人格権を侵害される具体的危険性即ち被保全債権の存在が認められる」として、差し止め仮処分を認めました。 高浜原発3、4号機は、原子力規制委員会が設けた新規制基準をクリアし、15年内に再稼働する可能性も高まっていました。 関西電力は今後、不服申立てをするようですが、「最終的な司法判断が出るには1年以上かかる」との見方もあり、今回の仮処分決定で、再稼働は大きくずれ込むことになりそうです。 ◆今回の仮処分決定に対する反応 この地裁決定について、新聞各紙は1面で大きく報じ、社説で次のような反応を示しています。 ○判決の“偏向”に疑問を持つ産経・読売・日経 産経(社説・2面):「負の影響」計り知れない 読売(社説・3面):規制基準否定した不合理判決 日経(社説・2面):福井地裁の高浜原発差し止めは疑問多い ○判決の“画期性”を愛でる朝日・毎日・東京 朝日(社説・16面):司法の警告に耳を傾けよ 毎日(社説・5面):司法が発した思い警告 東京(社説・5面):国民を守る司法判断だ 当事者の関西電力については、この仮処分決定を「想定内」と見立てているとも報道されており、抗告して裁判官を変えれば、関西電力側の主張が認められると考えている節もあります(4/15朝日2面)。 また、安全審査に携わる原子力規制委員会も「審査への影響もない」として、審査の手続きをそのまま進める予定です。 とはいえ「仮処分」の決定は、すぐに法的な拘束力を発します。つまり、今回の仮処分に対する不服申立てが認められるか、本体の訴訟が確定するなどして、今回の司法判断が覆されない限り、高浜原発は再稼働することができないことになります。 ◆この司法判断は妥当とは言いがたい 今回の判決は、裁判官個人の思想によるところが大きかったのではないかという指摘が有力です。 森嶌昭夫・名古屋大学名誉教授は、「仮処分は具体的な危険が迫っていると認められる場合に下されるものだ。大地震や大津波が襲うような具体的な危険が本当にあるかについての論拠に科学的な根拠は乏しい。法律家としてではなく、一市民としての個人的な感情に触れすぎているのではないか」と述べて、今回の地裁決定を批判しています(4/15日経)。 昨年5月の大飯原発に関する訴訟(現在、高裁で係争中)において、原発の運転に「ゼロリスク」を求めた樋口裁判長は今回、原子力規制委員会が設けた規制基準について、踏み込んだ判断を示しました。 しかし、それが行き着く結論は、「原発稼働の基準は、どのような内容であれ、定められない(定めさせない)」「原発再稼働は絶対に許さない」ということです。 池田信夫氏は自身のブログで、今回の決定について、「これは原子炉等規制法違反である。(今回の地裁が取り上げている)基準地震動は各地域の地質調査をもとにして、公聴会や事業者のヒアリングが行なわれた上で委員会が決定する。これが『緩やかすぎる』というなら、それを示す地質データを出して異議申し立てを行なうことは可能だ。そういう手続きを全部すっ飛ばして『史上最大の地震は基準地震動より大きい』などという理由で規制基準を否定することはできない」と述べています。 専門技術的な判断をほとんど顧みることなく、「人格権」を名目として、ズカズカと基準の中身に踏み込むところには、独善性を感じずにいられません。 今後、不服申立ての後の判断や、本体の訴訟がどのように推移するかは、国家の原子力政策に大きな影響を与えるので、注目にしておかねければなりません。 ◆「仮処分カード」が濫用されるおそれ 今後、脱原発派の「仮処分カード」が濫用されるおそれがあります。それについて、3点指摘しておかなければなりません。 1点目としては、「仮処分」が認められることで、原発再稼働が遅れた場合、電力会社を財務的に圧迫し、電気料金の値上げという形で補填される可能性があるということです。 今回の原告は、福井、京都、大阪、兵庫の住民9名でしたが、それをもとにして出される仮処分が、関西電力圏内の家庭や工場、企業全体の電気代の値上げにつながることも考えられます。それが、司法判断の帰結として許されるのか、熟考すべきです。 2点目としては、「仮処分」が認められた後、仮処分の内容が覆された時、仮処分を申し立てた人が損害賠償を求められる可能性があるということです。今回だと、高浜原発の再稼働が今後、法的にも問題ないとみなされ場合、今回の原告9名は、大きな額の損害賠償を求められることにもなりかねません。 ちなみに、鹿児島の川内原発について、同様の仮処分申し立てをした原告約10名が、損害賠償の可能性を理由に申請を取り下げています。(この時九州電力は、仮処分の審尋で「再稼働が遅れれば、1日当たり約5億5千万円の損害を被る」との準備書面を提出していた。) 3点目としては、憲法上の権利として「環境権」が盛り込まれた場合、この手の訴訟が多発するおそれがあるということです。今回初めて、原発の稼働の差し止めの仮処分決定が出されましたが、憲法上の権利への「格上げ」がこのような流れを助長することもありうるでしょう。今回の司法判断を、憲法議論をする上での教訓にもすべきだと考えます。 いずれにせよ、今回の高浜原発についての仮処分決定は、やっと再稼働しようとしていた原発政策に大きな衝撃を与えました。2014年度は原発稼働がゼロで、その状態から本格的に脱皮しようとしていた矢先の司法判断でした。 今度は、九州電力・川内原発の再稼働についての再稼働差し止め仮処分の判断が、4月22日、鹿児島地裁で下されます。 その判断に注目を集めつつ、鹿児島地裁では、誤った司法判断が下されないことを期待したいと思います。 政府は高浜原発再稼動に全力を尽くせ! 2015.04.14 文/幸福実現党・山形県本部副代表 城取良太 ◆オドロキの高浜原発再稼動差し止め 14日、福井県や関西の住民ら9人が関西電力高浜原発3、4号機の再稼働差し止めを求めた処分の申し立てに関し、福井地裁(樋口英明裁判長)は住民側の主張を認める決定を出しました。 2月には再稼働の前提となる原発の新規制基準に基づく「審査書」を決定し、先月20日には、地元の高浜町議会が再稼働に同意していた矢先の司法判断となります。 今回、仮処分の手続きによって原発の運転差し止めが認められたのは初めてのこととなります。 関西電力側としては高浜3、4号機の再稼働を今年11月と見込んでおりましたが、差し止め決定の取り消し・変更や仮処分の執行停止がない限り、再稼働することができず、日本で原発再開の灯がまた遠ざかってしまいました。 ◆福井地裁の差し止めに対する不服の声 運転差し止めを認めた福井地裁の樋口裁判長は、決定理由として「基準地震動を超える地震が高浜原発に来ないというのは根拠の乏しい楽観的見通しにすぎず、現実的で切迫した危険がある」と指摘しています。 また、原子力規制委員会の規制基準については、「深刻な災害を引き起こす恐れが万が一にもないといえるような厳格な内容を備える必要があるが、基準は緩やかすぎて、適合しても安全性が確保されていない」と規制基準自体に合理性がないと判断しています。 これに対し、関電側は「準備ができ次第、速やかに異議の申し立てと執行停止の申し立ての検討をしたい」と述べ、裁判所に理解してもらえない不服の念を表しました。 更に、地元の高浜町では住民らが戸惑いを口にし、高浜町商工会の田中康隆副会長も「原子力は国家事業で、共存共栄を図ってきた。原発が再稼働すれば町の経済が活性化すると思っていたので、決定に驚いている」と述べています。 ◆「法律の遡及適用」は法学の大原則に反する 周囲の不服の声からも推測できる通り、今回の福井地裁による仮処分は、日本の未来を根底から狂わせかねない「トンデモ判断」と言わざるを得ません。 まず、原発の安全性を評価する基準としては「世界一厳しい」とされている日本の新規制基準を「緩やかすぎる」と判断したこと自体、客観性が著しく欠如しているとしか言えません。 また、そもそも既存の原発に新基準を当てはめるという「法律の遡及適用(バックフィット制度)」自体が、事後法の禁止などと並び、「法律不遡及の原則」として、法学の大原則に反するということを知らねばなりません。 原発の場合、安全性に関わり、社会に及ぼす影響が極めて大きいという理由で、遡及適用を行なうことになっておりますが、こうしたバックフィットの考え方は、本来は極めて慎重に適用していかねばいけない「例外」であるのです。 ◆エネルギー安全保障の見地から政府は高浜原発再稼動に全力を尽くせ! ただでさえ、原発の停止を補うため、火力発電の燃料に使う天然ガスなど化石燃料の輸入額は年3.7兆円増え、電気料金(全国平均)は東日本大震災前と比べ、家庭向けで約2割、企業向けで約3割高くなっており、日本の産業競争力に与える影響は甚大です。 中東に目を向ければ、現状イランを筆頭とするシーア派と、サウジアラビアに代表されるスンニ派との宗派対立の激化、核開発を嫌悪するイスラエルとイランの有事など、今後更なる混迷が待ち受けているでしょう。 そんな中、日本は原油を8割以上、天然ガスを3割近くを中東に依存状態にあり、もし中東有事により化石燃料の確保が立ち行かなくなれば、日本のエネルギー安全保障の根幹が崩れることになり、国家存亡の危機に陥るということは、妄想や空想ではなく、極めて現実的な議論といえます。 是非とも、日本政府としては、大局観なき左翼的な司法判断に断固負けず、高浜原発の再稼動こそ、日本のエネルギー事情の今後を占う試金石であるという強い意思を持って、全力を尽くしていただきたいと願っております。 電源構成――原発の新増設に道をひらけ! 2015.03.29 文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 3月30日に、2030年時点の日本のエネルギーミックスを決める政府の有識者会合「長期エネルギー需給見通し小委員会」(以下、小委)が開催され、原子力・火力等の電源構成に関する審議が行われる予定です。 小委では1月末から、エネルギー需要や省エネルギーの見通し、再生可能エネルギー導入量などが検討されてきましたが、いよいよ“本丸”である原発の議論が始まります。 ◆「空白」が続く日本のエネルギー政策 民主党政権下の2009年9月に鳩山元首相が国連総会で「日本のCO2排出量を2020年に1990年比25%削減」と表明したことを受け、2010年6月に発表された第3次エネルギー基本計画では、2030年に原発比率53%を目指すこととしました。 しかし、2011年に発生した東日本大震災・福島原発事故を経て原発推進から一転、民主党政権は脱原発へと方針転換しましたが、結局、新しいエネルギー基本計画を策定することはできませんでした。 その後、2012年12月に自公連立政権が復活し、脱原発の方針は見直されたものの、2014年4月に発表された第4次エネルギー基本計画では、政治的な理由で具体的な原発比率に言及することができず、将来の電源構成の見通しを示さないまま現在に至っています。 他方、国連気候変動枠組条約に基づく国際交渉により、各国は2020年以降の地球温暖化対策の「約束草案」の提出を求められています。 日本は6月のG7サミットまでに削減目標を表明すると見られ、CO2排出量の根拠を示すために、原発比率を含む電源構成の見通しを速やかに決定する必要に迫られています。 ただ、4月に統一地方選挙を控え、原発の議論を前面に出したくない与党の事情もあるため、原発比率の提示は4月末以降となるようです。 ◆経済成長にはほど遠い需要見通し 小委は2月の会合でエネルギー需要の将来見通しを示しました(※1)。これによると、2030年における電力需要(省エネ対策前)は1兆1,440億キロワット時で、2012年の約1.2倍に増加するとしています。 ※1 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 長期エネルギー需給見通し小委員会(第3回) 資料1「エネルギー需要見通しに関する基礎資料」(資源エネルギー庁) その前提となる経済成長率(実質)は1.7%とされ、実質GDPは711兆円(約1.4倍)に増加すると説明しています。 しかし、実質GDPの増加とエネルギー・電力需要の増加との間には強い相関があり、2000~2010年の電力需要の増加率と経済成長率はほぼ等しい(電力需要のGDP弾性値≒1)という実績が認められる(※2)ことから、実質GDPが約1.4倍に成長するなら電力需要も約1.4倍、つまり、約1兆3,000億キロワット時に増加すると考える方が自然です。 ※2 「RITEモデルによるエネルギー・環境会議選択肢の分析と代替案の提案」(地球環境産業技術研究機構) また、政府の経済成長率1.7%という想定はかなり消極的で、政策次第でもっと高くなる可能性は十分にあります。 過小な電力需要の想定では、電力不足が制約となって将来の経済成長の機会が奪われるとともに、相対的な国力の低下によって安全保障を脅かされることが懸念されます。 将来の日本周辺の安全保障環境を十分に考慮し、もっと高い経済成長を前提としたエネルギー政策のオプションを用意しておく必要があります。 ◆非現実的な省エネルギー見通し さらに小委は、省エネ対策を推進することにより、2030年の電力需要を約9,370億キロワット時まで削減できるとしています(※3)。 ※3 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 長期エネルギー需給見通し小委員会(第3回) 資料2「省エネルギー対策について」(資源エネルギー庁)より換算 これは、小委の電力需要見通し(1兆1,440億キロワット時)に対して約18%削減、経済成長率とほぼ等しい増加を想定した場合の電力需要(約1兆3,000億キロワット時)に対して約30%削減という、非常に過大で非現実的な省エネを前提とした数字です。 このような省エネを無理に実現しようとすれば、国民に厳しい節約を強要することになり、「ケチケチ型」の社会になってしまいます。 また、製造業における省エネは多額の投資を必要としますが、その投資が回収できるだけの経済成長が実現できない可能性があります。 過大な省エネは、民主党政権が導入した再生可能エネルギーの固定価格買取制度と同様に、莫大な国民負担をもたらす結果となります。 小委が想定する過大な省エネは、実際には不可能であり、政府や有識者の一部は「絵に描いた餅」であることを理解しているようです。 ◆今こそ、正々堂々と原発新増設の議論を 実は、過小な需要想定や過大な省エネ想定の背景には、「原発依存度の低減」と「再生可能エネルギーの最大限の導入」を公約してしまった自公連立政権の、政治的な事情があると言われています。 再エネ比率を大きく見せつつ、供給に支障がない見通しを描くためには、需要を少なく見積もり、省エネに頼るしかないのです(3/24産経)。 しかし、実際には需要が想定に比べて大幅に増加し、結局はその増加分を火力発電で供給することになるでしょう。その結果、化石燃料の輸入に一段と依存することになり、エネルギー自給率の低下と電力コストの増大を招きます。 したがって、適切な経済成長シナリオと需要想定に基づいて、安全保障と経済性を重視したエネルギー政策を決定することが極めて重要であり、電源構成の議論の中で、正々堂々と原発の新増設を打ち出していくべきです。 既存の原発を最大限に活用するのはもちろんのこと、安全性に優れた最新型の原発の新増設を視野に入れて、化石燃料への依存度を下げ、安くて安定した電力を大量に供給できるようにすることが、日本の産業の国際競争力を高め、国民の生活を豊かにし、国力を高め、他国の侵略を受けない強靭な国家をつくることに繋がります。 幸福実現党は、日本が2030年代にGDP世界一となることを目指し、国民の自由と繁栄を守るため、理想的なエネルギー政策の策定に向けて提言を行ってまいります。 緊迫する中東情勢――日本文化・教育の輸出で中東の平和と安定に貢献を! 2015.03.26 文/HS政経塾 第1期卒塾生 彦川だいし ◆「イスラム国」騒動の影で拡大するイランの影響力 3月25日、イラク政府の要請により、米軍など有志連合が北部ティクリートの奪還に向けた空爆支援を開始しました。 ティクリートはイスラム国の拠点であるモスルと首都バグダッド結ぶ交通の要衝であり、イラク治安部隊が戦闘を展開する上で重要な地域です。 米国防総省のウォーレン報道部長は、ティクリート奪還作戦はイラク治安部隊が主導しており、同作戦の成功は「米軍が最も頼りになる連携相手だとイラク側が理解することが重要だ」と指摘しています。 この発言は、対「イスラム国」戦争の影でイランがイラクに対する影響力を拡大していることを念頭においたものと思われます。 というのも、3月2日にティクリート奪還作戦が開始された当初、シーア派民兵約3万人を含むイラク治安部隊の戦闘指導が同じシーア派国家であるイランの軍人が行っており、米軍に対してイラク政府側から支援要請がなかったという経緯があったからです。 イラク戦争後、「民主的な」プロセスを経て成立した政府がシーア派系イラク人による政権だったとしても、それが対「イスラム国」戦争を通じてイランの息のかかったシーア派系国家に変質することは、イランの核開発を問題視する米国として、とうてい受け入れられる事態ではないと言えます。 ◆イエメン内戦に見る、「イスラム世界」の厳しい覇権争い イランの影響力が拡大することを受け入れられないのは、米国だけではありません。イランが中東で影響力を拡大するとなれば、サウジアラビアなどスンニ派諸国との緊張が高まる恐れがあります。 例えば、先ごろからシーア派反政府組織による内戦が激化していたイエメンを見ると、同国のハディ暫定大統領がサウジアラビアなど湾岸諸国に軍事介入を要請したため、3月26日よりサウジ軍などからシーア派反政府組織「フーシ」に対する空爆が開始されています。 イランはこのような湾岸諸国による軍事介入に対して、「イエメンの主権侵害に当たる」として非難すると共に空爆の即時中止を求めました。 当のイランは今年、「フーシ」が内戦で優位に立つとすぐに経済使節団を交換していたほか、「フーシ」支配地域と航空機の定期便を就航させるなど、実に「手際の良い」対応をとっています。 イランはイエメンの「フーシ」に対する支援を公には認めていませんでしたが、水面下の支援なくして、とうていありえない対応だと言えるのではないでしょうか。 仮にイエメンとイラク、二つのイラン系シーア派国家が誕生したとしましょう。その時一番困るのは、これら両国に直接南北を挟まれることになる、サウジアラビアだと考えられます。 サウジアラビアは、かつて2011年にトゥルキ・ファイサル王子がイラン、イスラエルと二つの核武装国に囲まれた場合、自らも核武装のオプションを検討せざるを得ないと発言していることから、イランの勢力伸長に対して強い警戒心を持っていることが伺われます。 対「イスラム国」の戦争を通じてイランの影響力が増し、緊張が過度に拡大しないよう、米国としても神経を尖らせているのではないかと推察します。冒頭のウォーレン報道部長の発言からは、そうした印象が伺えます。 ◆中東の平和と安定のために、日本ならではの貢献を 中東情勢が不安定になった場合、原油価格・資源価格の上昇という形で我が国の経済は打撃を受けてしまいます。遠い中東の地であったとしても、中東の混乱を放置するわけにはいきません。 エネルギー安全保障の観点から、シーレーン防衛を固めるのはもちろん必要ですが、重要な点はイスラム圏の意識改革です。イスラム文化の良さを壊すことなく、経済と社会の発展を実現できる日本的な「和の精神」を広めていく仕組みをつくることが必要だと考えます。 具体的には、イスラム圏でも評価の高い日本型の学校教育を輸出し、日本にあこがれを持つ若者を育てること。さらにそのような若者を、留学生として日本の大学に迎え入れ、日本と本国の架け橋となる人材として送り出すという仕組みを作ることです。 戦前、日本が多くの若者の留学を受け入れ、母国を発展させる人材として送り出したことを、もう一段大きなスケールで実行するわけです。 日本経済を発展させた、日本人の商道徳。多様な文化を受け入れ、新たな価値の創造を可能にする和の精神。それらの根本にある日本人の倫理観や宗教観。 こう言った有形無形の文化体験を通じて、日本と中東の架橋となり、母国の発展を後押しできる人材を育てることが重要だと思います。 福島の「沖縄化」が始まった!? 2015.03.16 文/幸福実現党・総務会長兼出版局長 矢内筆勝 ◆3.11の福島に1000人の左翼が結集 3月11日は、2万人もの死者・行方不明者と未曾有の大被害を生んだ東日本大震災から、4回目の慰霊の日となりました。 被災地となった東北各県はもちろん、東京の国立劇場では政府主催の4周年追悼式が行われ、天皇陛下がご臨席される中、多くの国民が犠牲者に思いをはせ、復興への祈りを捧げました。 そんな中、東京電力福島第一原発事故に見舞われた福島では今年、これまでとは違う「ある動き」がありました。 「原発いらない! 再稼働反対! 原発事故が故郷奪った! 戦争する国、絶対反対!労働者を被ばくさせるな!」--この日、福島県の郡山市内では、追悼の思いに満ちた静寂を壊す大音響で、左翼の活動家によるシュプレヒコールが響きわたりました。 https://youtu.be/pIQ6SVCjCrI デモ行進は、「原発再稼働阻止 未来のために立ち上がろう 3・11反原発福島行動」。参加人員は主催者発表で約1100人。 掲げる横断幕や幟旗には「怒 福島」などの言葉と、「動労水戸」「全国農民会議」「自治労倉敷市職員組合」「日本学生自治会総連合(全学連)」「沖縄大学」「福島大学」「広島連帯ユニオン」といった所属団体が書かれています。 http://yanai-hissho.hr-party.jp/files/2015/03/DSC_6720.jpg http://yanai-hissho.hr-party.jp/files/2015/03/DSC_6711.jpg ◆過激派と沖縄の左翼活動家も そうです。この追悼の日に合わせて全国から左翼の活動家団体が結集したのです。 その中には、かつて「内ゲバ」で100人もの死者を出した過激派組織の「中核派(革命的共産主義者同盟全国委員会)」と成田の「三里塚闘争」を戦っている左翼のプロ活動家、そして沖縄で反米基地闘争をしている左翼グループが含まれています。 こうした反原発のデモは、東京では頻繁に行われてきましたが、実は福島県内で1000人を超える規模で行われたのは、私が知る限り、おそらく初めてでしょう。 デモに先立って行われた主催者側の総会では、主催者らが盛んに「福島県民の怒りと不安」をてこに「反原発と反核、反戦争」、そして「自民党と安倍政権の打倒」を訴えていました。 しかし、会場に一般の福島県民らしき参加者はおらず、大部分が県外から集まった「活動家」です。その中には、わざわざ沖縄から駆け付けた左翼の活動家も含まれていました。 ◆福島に狙いを定める「中核派」 しかも、主催者側で司会をしていたのは、今年2月に福島大学のキャンパス内で「反原発」のチラシを配り、暴行の現行犯で逮捕された「中核派」の活動家であり、参加団体の中にも、公安調査庁が「中核派系」医療機関と認定している「ふくしま共同診療所」という団体も名前を連ねています。 この診療所は、あいまいな診断によって「放射線の影響によって甲状腺がんになる福島の子供たちが増えている」と発表し、県民の不安を煽っていることで知られ、今年1月に公安調査庁が「中核派拠点」と認定しています。 このように、今、福島には左翼の過激派、そして活動家らが多数入り込み、福島を「反原発」と「反政府」運動の活動拠点にする動きが始まっているのです。 こうした動きを、公安関係者は「成田空港など政治闘争のテーマが希薄になったいま、原発反対が格好のテーマ」となり、「過激派が存在感拡大へ福島に狙いを定めている」と指摘しています。(産経新聞3月9日付) 過激派、福島にターゲット 不安あおり浸透図る?(産経新聞3月9日付) http://www.sankei.com/smp/affairs/news/150309/afr1503090002-s.html ◆沖縄の左翼活動の隠された目的 この構図は、沖縄の反米・反基地闘争、オスプレイ反対闘争、そして現在行われている普天間基地の辺野古移設反対運動と同じです。 沖縄の左翼活動を主導しているのは沖縄県民ではなく、その大部分は本土から来た左翼活動家です。そしてその中心メンバーの中に過激派が紛れ込み、「共産革命」という名の「政府転覆」を目的に、過激な思想と行動によって、運動を扇動し拡大化させています。 沖縄の左翼活動家が主張する「反米・反基地」「日米同盟破棄」、そして「辺野古基地建設反対」の延長には、そうした隠された目的が含まれているのです。 そして、彼らの「目的」である、「沖縄からの米軍の撤退」や「日米同盟破棄」などを最も望んでいるのは、虎視眈々と沖縄侵略を目論む隣国・中国に他なりません。 ◆福島を「沖縄」にしないために これを福島に当てはめれば、左翼・過激派の求める「反原発」は、日本の防衛力(原発が存在することで、日本がいつでも核武装が理論的に可能であることによる核抑止力)やエネルギー安全保障(万が一、石油や天然ガスが輸入できなくなっても、原子力によって電気の供給が可能であること)の脆弱化であり、電気料金高騰による経済を含めた、日本という国の国力そのものの弱体化です。 そうした左翼運動の裏に、沖縄同様、水面下で中国の意向が働いている可能性は否定できません。今こそ、私たちはそうした危機感に基づき、日本が隣国の脅威から守られ、豊かに発展する道を拓き、未来を構築していかなければなりません。 そのために一人ひとりが、今起きている様々な出来事に目を開き、真実を知り、自らの政治的な選択に、責任と自覚を持つ必要があります。 それが、民主国家の主権者としての有権者の義務であり、日本が世界の平和と発展のために貢献できる国家となるための、日本人の責務でもあると考えます。 近づきつつあるイラン・イスラエル有事――中東には今すぐ新たな「調停者」が必要だ 2015.03.03 文/幸福実現党山形県本部副代表 城取良太 ◆シーア派・イランの伸長、アメリカ・イスラエルの隙間風 世界中から「イスラム国」が注目を集める中、イランを巡る動きが慌ただしくなっています。 まず、イエメンで事実上のクーデターを起こし、政権を転覆させた同じシーア派系勢力であるフーシ部族に対して、イランは衣料品や食糧、民間定期便の就航に合意するなど、本格的な支援を開始しました。 また、フーシ部族を主体としたイエメン政府の使節団をテヘランに受け入れ、更に踏み込んだ関係強化の協議も始まっており、イエメンにおけるシーア派の影響力強化を着々と進めています。(読売3/3) 一方、イランが進める核開発に対して、オバマ政権は3月末下旬までに外交的解決を目指していますが、その融和路線を危険視するイスラエルのネタニヤフ首相がオバマ大統領との調整なしに訪米するという異例の事態が起こっています。 ネタニヤフ首相は3日の議会演説に先立って「米国イスラエル公共問題委員会(AIPAC)」の年次総会で演説を行い、「イランと結ばれようとしている合意はイスラエルの存続を脅かしかねない」と訴えました。 それに対し、オバマ大統領は同日、「10年以上はイランの核開発を制限する必要がある」との認識を示し、イスラエルの理解を得るスタンスを取りつつも、核問題解決に向けての手法は「イスラエルとは異なる」という姿勢は崩しておりません。 任期がわずかとなった米大統領は、得てして議会の抵抗の少ない外交分野でレガシー(政治的業績)を残そうとしますが、ノーベル平和賞を受賞し、アメリカに「世界の警察官」をやめさせたオバマ大統領としては、話し合いと協調をベースにした不介入路線をより強めていくことが予想されます。 ◆「イスラム国」の台頭に繋がったオバマの消極主義 しかしながら、そうしたオバマ大統領の不介入路線が、各地で混沌の種を撒きつづけてきたことも現実です。 「イスラム国」の台頭に関しても、オバマ大統領のイラク、シリアにおける2つの消極主義が主な原因になったと言えるでしょう。 一つは、2011年にイラクから完全撤兵したことです。 ペトレイアス将軍の元、2008年のサージ(大規模派兵)以降、地元のスンニ派を上手く取り込みつつ、宗派間のバランスを上手く保っていましたが、米軍が撤退したことでスンニ派は後ろ盾を失い、シーア派政権に虐げられていたため、新たな後ろ盾として登場した「イラク・イスラム国」が急拡大したと言えます。 二つ目には、シリア内戦にアメリカが不介入主義を採ったことです。 シリア・アサド政権の早期打倒を行わず、内戦を長期化させたことで、「イラク・イスラム国」がシリアに勢力を拡大するチャンスを与え、結果として「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」が出来上がったのです。 ◆イスラム国の台頭で「漁夫の利」を手にしたのはどの国か? 一方、「イスラム国」の台頭で漁夫の利を得ていたのはシーア派・イランであったという見方も出来ます。 というのも、イランは「イスラム国」掃討の大義名分を掲げ、同じシーア派が政権側のイラク、シリアに対する後方支援を行いながら、欧米側とも共闘姿勢を見せ、核開発交渉で見返りを求めつつ、時間稼ぎを行ってきました。 今後、「イスラム国」の弱体化が予想されますが、イラク・シリアに生ずる力の空白に対し、シーア派が今まで以上に伸長し、イランからレバノン、そしてイエメンにより強い影響力を持つ可能性が強いと言えましょう。 その結果、サウジアラビア等、スンニ派国家を包囲しながら、イスラエルの喉元に刃を突き付ける格好となるのです。 ◆予想されるイラン・イスラエル有事は日本に大打撃を与える このような展開が現実化することで、オバマ大統領のイランに対する融和路線は結局、平和と安定はおろか、大規模な戦争を招きかねません。 なぜなら、時間の限られたイスラエルにとって、頼りにならないオバマ政権を見限り、最も警戒しているイランを始めとするシーア派勢力の伸長に対し、核攻撃を含めた実力行使は厭わないからです。 そしてイラン・イスラエル間で有事が発生した場合、中東へのエネルギー資源依存度が90%近い日本にとって、国家存亡の根底を揺さぶるようなエネルギーショックの到来も、近い将来の現実かもしれないのです。 だから、中東で起こっている一連の有事に対しても、日本は関与すべきでないと考えるのは無責任なのです。 ◆アメリカに代わる「調停者」は日本しかいない 元々は、第一次世界大戦後にヨーロッパとイスラム世界の「調停者」として期待されてきたアメリカでしたが、約1世紀経った今、イスラム圏からの信を失い、もはや「調停者」としての耐用年数は過ぎたと言えるでしょう。 しかし、スンニ派とシーア派の宗派対立、イスラム圏と欧米圏の歴史的遺恨、イスラム教とユダヤ・キリスト教の一神教対立など、多層的な対立構造の中で、いまそこにある深刻な危機を抱える中東地域には、新たな「調停者」が必要なのです。 その非常に難しい役割を担えるのは世界中を見渡しても、日本しかないでしょう。 そのためにも、経済・文化的のみならず、日本は安全保障面においても、しっかりと貢献できる体制を整えるべきです。 自国の国益をしっかり守るためにも、中東の平和と安定を保つためにも、新たな「調停者」として両者を納得させるような「自立国家」となる必要があるのです。 すべてを表示する « Previous 1 … 6 7 8 9 10 … 17 Next »