Home/ 教育 教育 「教育再生実行会議」は教育を再生出来るか?――教育改革の根本に「宗教教育」を! 2013.01.12 安倍首相は衆院選後、国会召集を待たず、復興・経済・外交・教育など、隙の無い対応を進め、民主党政権で失われた3年半を急ピッチで取り戻すべ努力をしています。 「経済財政諮問会議」による緊急経済対策を取りまとめ、1月10日には「教育再生実行会議」の委員を内定し発表しました(1/10 産経)。強力な保守系識者をバランスよく配置しており、安倍首相の熱意が現れています。 政権公約において第一優先とする「経済再生」に続き、二番目に掲げていた「教育再生」は、2006年に「教育基本法改正」を実現した安倍首相にとって思い入れの強い分野となります。 「教育再生実行会議」においては、幸福実現党が立党以来訴え続けてきた教育政策、(1)「規制緩和・自由競争による世界一の学力」(全国一斉学力テスト、バウチャー制、6・3・3・4制を見直し飛び級導入、科学技術立国など)、 (2)「毅然とした責任ある教育行政」(いじめ問題への毅然たる態度、首長の権限強化、教育委員会制度の改革、教員の資質向上など)、 (3)「国益を増進させる保守教育の推進」(教科書検定基準・近隣諸国条項の見直し、自虐史観の払拭、道徳教育の拡充など)が主要テーマになると考えられます。 しかし、日本を再建し、未来を切り拓くための「教育再生」を実現するにはこれだけでは不十分です。 安倍首相が目指す「教育再生」は、英国で断行された「サッチャー改革」がモデルになっています。 「英国病」と揶揄された当時のイギリスと同様、現在の日本においては「不登校児童十万人」「いじめ問題の陰湿化」「教員の質の低下」「道徳観・倫理観の欠如」「ニートの拡大」「生活保護世帯の急増」「家庭崩壊」「自殺者の増加」など、様々な深刻な問題が起こっています。 実は、これらの社会問題はバラバラのものではなく、根でつながっています。 それは「なぜ勉強するのか」「なぜ働くのか」「なぜ生きていくのか」と言った「根源的な価値の喪失」であり、それは戦後、GHQによって徹底された「占領政策」によって、国力の源泉である「宗教」を骨抜きにされたままであることを意味しています。 日本には、本当の意味における国家としての自主独立、善悪を判断し正義を押し進める国是、国家の背骨となる精神的支柱が無いということです。このまま日本が日本であり続けることは出来ません。 サッチャーが行った改革においては、日本と同様、深刻な「宗教そのものへの無関心」「自虐史観の蔓延」「左翼教職員組合の抵抗」があり、様々な教育行政が制度設計なされました。 その根本には、「人はなぜ産まれ、なぜ生き、なぜ死んでいくのか」と言う人生観・世界観を立て直し導くための「宗教の復権」があり、「宗教教育」がありました。 サッチャー自身「現在の問題の解決が要求する実際的な方法で、社会を再道徳化するのに必要な徳目を、キリスト教以外に何かあるとは想像しがたい」「イギリスの『美徳』とは、わが国誕生のよりどころとなった聖書の規律から生まれるものだと私は信じています」と信念を語りました。 すなわち、サッチャー氏は、キリスト教こそが英国の道徳的価値を支えるものであるとの確固たる姿勢で、国民に訴え、説得していったのです。(中西輝政監修『サッチャー改革に学ぶ教育正常化への道英国教育調査報告』PHP出版) そして、サッチャー改革は今なお受け継がれ、2004年には「宗教教育フレームワーク」が導入され、英国における宗教教育は拡充され続けています。 キリスト教が必須科目とされ、「宗教知識教育」として世界六大宗教に関する知識を身につけさせることで、他宗教への理解と寛容の態度を育み、国際社会において諸外国といかに共存していくのかという課題を克服しようとしています。 また、宗教知識にとどまらず、「生命の神秘性や天地万物に対する畏敬の念」「正義や人道のために命を捧げる生き方に対する敬意」などを育む「宗教的情操教育」も導入され、「魂の開発」を重視しています。 例えば、11歳から14歳生徒用の宗教教科書『世界の中の宗教』では、六大宗教それぞれの視点から、生徒に自分の人生や生き方について深く考えさせる題材が数多く掲載されています。 一例として、ノーベル平和賞を受賞したマザー・テレサが最も敬愛した聖フランシスコによる「平和の祈り」も紹介されています。 このように、宗教がいかに大切なものなのかを理解させることが、宗教教育の大きな意義と位置づけて、魂の世界にまで踏み込んだ「宗教教育」が行われています。(同書) 21世紀の今、全人類が抱える大きな問題は、無神論国家による覇権の脅威、宗教の無い世界の悲惨さであり、民族・宗教の争いを乗り越える問題です。 「教育再生実行会議」においては、単なる財界の人材要求に応える「学力向上」だけではなく、国家の精神的基盤を磐石にすると共に、グローバル化する国際社会における人類の課題を解決する道筋として、「宗教教育」を本格的に導入し、具体的に実施していく提言をまとめていくことが求められます。 幸福実現党は、国家の精神的基盤となる宗教界全体の地位向上に貢献し、宗教の復権と宗教教育の推進を推し進めていきたいと思います。(文責・小川俊介) 腰砕けになった『デフレ退治』への決意~未来ビジョンこそ未来を拓く鍵~ 2012.11.27 自民党の安倍総裁は今月7日、都内で講演し、同党が政権を獲得した場合の金融政策について「日銀と政策協定(アコード)を結んでインフレ・ターゲットを設けたい」と述べました。 日銀の金融緩和をめぐっては「金額で制限を置くのではなく、目標を達成するまでは基本的に無制限に緩和する必要がある」と指摘しました。(11/7日経) 安倍氏は日銀の国債引受けにも言及。安倍発言後、一気に相場は円安、株高に動きました。 これに対し、日銀白川総裁は、安倍総裁の発言は現実的ではないと一蹴。「積極的な緩和は既にやっている。日銀の強力な金融緩和策を反映して金融環境は緩和した状態にある」と述べ、自民党の安倍総裁ら積極緩和を求める動きに真っ向から反論しました。(11/20毎日) 米倉経団連会長も安倍発言を「大胆な金融緩和というより無鉄砲」と批判し、相場が円安、株高に動いたのは、日銀の緩和策の成果だとコメントしました。(11/27朝日) これらの批判を受けて安倍氏は一気にトーンダウン、自らの発言を修正し始めました。日銀に対する建設国債の引き受け要求を事実上撤回し、前年比2~3%としていたインフレ目標を自民党の政権公約では2%に見直しました。(11/27岐阜) しかし、安倍発言の後、相場が円安、株高に動いた事実を素直に見るとき、少なくとも市場は、安倍発言に期待感を持ったことは事実でしょう。 金融緩和で積極的にデフレを退治しようとする安倍氏への期待感、これが相場を動かしました。日銀の緩和策の成果とは考えにくいと思います。 デフレ退治への決意、しかしここにもう一つ足らないものがあったとすれば、それは日本と世界についての未来ビジョンです。安倍氏に確固たる未来ビジョンがあれば、少々の批判でトーンダウンすることはなかったと思います。 確固たる未来ビジョンの無さが、信念を貫けない、政策を断行できない弱さになっています。 今、日本という国家そのものに未来ビジョンがありません。ゆえに、「現状維持」が唯一の動機となり、デフレ経済、低迷する日本という現状そのものを維持しようと、変化を嫌う風潮が蔓延しています。 変化を嫌うということは、チャレンジ精神をも喪失してしまいます。 ケインズの有名な言葉「嵐の最中に経済学者が言えることが、嵐が過ぎ去れば波は静まる、ということだけなら、経済学者の仕事は他愛もなく無用だ」から敷衍すれば、デフレ不況という最中に、デフレ退治さえしようとしない、それが政府、日銀の姿かもしれません。 日本のデフレ脱却のためにインフレ・ターゲットを導入すべきと主張してきたノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏は、与謝野馨財務大臣兼経済財政担当大臣(当時)とのTV対談(2009)において、「日本の政治家、官僚等がインフレに対する恐怖を誇張しすぎている、それは水害の最中に火事の危険を叫ぶようなものだ」と痛烈に批判しています。 また同氏は「何が有効かなんて誰にもわからない。とにかくボタンを押してみることが大切なんだ」とデフレ退治のために何もしようとしない日本の政府、日銀を批判しています。 今、総選挙を目前に控え、昨日新党が結党されたかと思えば、今日には解党、そのような政治家の離合集散の姿が報道されています。 安倍氏の金融緩和に対する発言も、月初、「日銀国債引受け」を言ったかと思えば、月末にはその発言を撤回するという体たらく。 幸福実現党が2009年立党当初より訴え続けてきた政策(インフレ・ターゲット等)をほとんどそのままお使いになったところまではよかったのですが、結局、未来ビジョンの欠如により腰砕けになってしまいました。 安倍氏はかつて首相時代に、持論の靖国神社参拝、河野談話見直し、従軍慰安婦の否定等について、近隣諸国等から強い反発を受けて、棚上げしてしまいました。 どうか、国防政策等についても同じ轍をお踏みになられないよう切に願う次第です。(文責・加納有輝彦) 国民の領土・領海意識向上のために正しい教育を! 2012.10.25 10月23日午後、韓国の国会議員15名が島根県の竹島にヘリで上陸しました。 韓国議員の行動は、実効支配を強調し、竹島の領有権が韓国にあることを強くアピールする狙いがあると思われます。 一方、日本政府は、韓国外交通商省に中止を要請していたものの、結局不法上陸を止められず、いつものように「極めて遺憾であり強く抗議する」と言うのみです。 竹島をめぐる問題における両国のアピールを見ると、明らかに韓国に軍配が上がります。 これは、日本人の領土意識の低さとも無関係ではありません。そこで、今回は領土問題を教育の面から考えてみたいと思います。 2011年に日本青年会議所が、全国の高校生400人を対象に、地図上で北方四島、日本海、東シナ海の3つの場所に境界線を引かせる調査を行ったところ、すべてを正しく答えられたのは、わずか7名(2%以下)に過ぎませんでした。 特に、日本海において、竹島とウルルン島の間に境界線を引く問題の正答率は低く、正解者は全体の37人(9.3%)でした。 本年9月には、同様の調査を東京都内の学生534人を対象に行いましたが、全問正解率は28名(5.2%程度)と相変わらず低い数字でした。 領土や領海についての正しい知識と理解なくして、領土を守ろうという意識が生まれてくるはずはありません。 日本は、自国の領土についてどのように教えているのでしょうか。 文部科学省作成の、中学の社会科の指導要領は「北方領土が我が国の固有の領土であることなど、我が国の領域をめぐる問題にも着目させるようにする」というあいまいな表現で示されており、竹島については明確に出てきません。 実際、2005年までは、竹島について記述した中学教科書は扶桑社のみでした。 島根県が「学校教育で竹島問題を積極的に扱ってほしい」と要望したこともあり、2006年からは、中学の公民教科書3社、地理教科書2社が竹島について触れました。 しかし、「竹島、尖閣は日本の領土です」としか書かれておらず、韓国や中国の主張や、日本領土である根拠や歴史的事実については十分に学べる状況にありません。 それは、現在においても大きくは変わりません。 2012年度から実施された新たな指導要領の解説書には、初めて「竹島」という文言が入りましたが、「我が国と韓国の間に竹島をめぐって主張に相違があることなどにも触れ…」と、非常に回りくどい表現を使っています。 なお、この解説書を発表した2008年当時、韓国は駐日大使を一時帰国させたり、民間の交流事業でも中止や延期を行ったりなどの措置を取りました。 そうした韓国の感情に配慮してか、高校の地理歴史科の教育指導要領には、解説書も含めて未だに「竹島」の文言が盛り込まれていません。 一方、韓国の教育方針は、非常に具体的で明確です。中学の国史教科書では「日本は一方的に独島(竹島の韓国名)を、日本の領土に編入した」と記述し、高校では「日本は独島を「竹島」と呼んで、自国領土のように歪曲する」などの主観に満ちた書き方をしています。 更に2011年3月、韓国教育科学技術省は、韓国が竹島の領有権を持っていることを理解させるため、小・中・高校別に体系的な教育指導書を作成しました。 小学校では地名の由来などを通じて「独島(竹島の韓国名)がいかに韓国にとって重要か」を強調し、中学校では、日韓の資料を引用しながら韓国領である根拠を示すと共に、実効支配の現状などを説明するなどの力の入れようです。 教科書だけ見ても、両国の領土に対する意識やスタンスの違いが明らかに現れています。 こうした教育を受けた韓国の大学生は「96.5%が『独島』を韓国領として認識し、そのうち93.5%が就学前、もしくは小学校から認識していた」という調査結果もあるようです。 日本の弱腰外交は、国民が自国の領土について正しい知識を持たず、愛国心が育っていないことにも起因するのではないでしょうか。 竹島も尖閣諸島も、私たちの先人たちがフロンティア精神を持って切り拓いてきた場所です。日本は当時の国際法に則って平和裡に領有を開始し、経済活動を営み、繁栄を築いてきました。 こうした真実を教える教育こそ、国家繁栄の基礎です。日本を導いてくださった方々の努力の跡を教え、先人への感謝と自国への誇りを持てる歴史教育を行っていくことで「竹島、尖閣、北方領土は、日本固有の領土である」と確信を持つ国民が増えていきます。 これが、領土を守る抑止力向上にもつながっていくはずです。(文責:小川佳世子) 日本を変える教育の要点① 2012.10.17 前回の私の論考では、山中伸弥京都大学教授のノーベル医学物理学賞受賞に関連して、科学立国日本の未来について論じましたので、今回はもう少し大きな視点で「日本復活」をキーワードに、幸福実現党の政策から導かれる教育改革の論点を補強しておきます。 義務教育で徹底して原子力や放射能の性質を教える 日本は先の戦争で広島と長崎に原子爆弾を投下された被爆国です。そのため、日本には核アレルギーがあるのも事実です。 ただし、今回主張したいのは核兵器の恐怖や放射能の悲惨さではありません。原発や放射能に関する正しい知識を学ぶ重要性です。これは、科学立国を目指す日本においては外せない論点です。 2011年の震災によって引き起こされた原発事故により、日本国中が放射能恐怖症に陥りました。現在も、国会周辺で脱原発の反対集会やデモが行われているばかりではなく、原子力発電所を廃炉にするための住民投票を起こそうという動きもありました。 ただし、マスコミをはじめとして放射能の恐怖ばかりを煽る記事や政治的メッセージばかりが横行し、エネルギー安全保障の観点や法律的観点の視点から分析された意見は無視されているのが現実です。 基礎知識に関しては現在、文部科学省が作成した資料からは、放射線と放射能の違いなどが図解つきで学ぶことができます。→http://bit.ly/TsVkfq また、札幌医科大学の高田純教授のような専門的見地からの研究が一般向けにも出されていますので、次のような視点を教育の中に入れていく必要があると考えます。 日本が唯一の被爆国と言うのならば、やはり、原爆と原発の違いを認識すること。そして、徹底して放射能の知識を義務教育レベルでしっかりと教えていくべきです。 正しい知識を知らず、単に感情論で原発に反対しているだけでは住民投票や国民投票など偏った結果しか出てきません。原発=悪という単純でステレオタイプな議論をしているレベルでは、「科学立国・日本」は夢のまた夢と言わざるを得ません。 ただし、一方では、ベトナムやトルコなどから日本の原発受注があったように、震災にあっても日本の原子力技術は海外から高い評価を得ています。 故に、日本は原子力に関しての教育を通じて実用性と安全性を両方学べるさらなる「原子力超先進国」を目指し、世界中から研究者や技術者が集まる国に変えていくべきです。原爆と原発事故を両方経験している日本だからこそ、この分野にアドバンテージを見出していく意義は十分にあります。 東京裁判史観を糾す 次に必要なのは歴史認識です。 先の戦争に敗戦したからといって、一方的に「日本が悪い国」と断罪するのは公平性を欠きます。 1980年代以降は、中国や韓国などに媚を売る政治家の行動や発言が外交カードになってしまいました(例:1982年の歴史教科書の近隣諸国条項や1985年以降の首相の靖国神社参拝問題など枚挙にいとまがない)。 南京大虐殺や従軍慰安婦問題は、歴史学者によって論破されているにも関わらず、いまだに中国や韓国から言いがかりをつけられています。そして、日中平和友好条約や日韓基本条約が締結されているにも関わらず、慰安婦や旧日本軍の遺棄兵器処理などの賠償問題なども存在します。 さらに言えば、尖閣諸島、竹島、北方領土に見られる領土問題は歴史認識問題が強く関連しています。しかしながら、日本政府は「遺憾」を連発して具体的な抗議や対策が後手に回っている有様。現在の日本は、歪曲された他国の歴史認識問題に明確な批判と議論をさけてきたために、外交カードとして悪用されています。これでは「害交」であり、国益を損じているのは明らかです。 この背景には、日本を戦争犯罪国として裁いた東京裁判の影響があります。いわゆる「東京裁判史観」が政治家や官僚、マスコミなどに染み込み、その結果として長らく左翼言論が優位に立ってきました。最近になって、保守派の盛り返しと尖閣諸島や竹島の不法上陸問題によって愛国心や国防強化が言いやすくなってきましたが、まだまだ国民レベルまで浸透していません。 東京裁判を正しく理解するためには、小堀桂一郎氏の「東京裁判 幻の弁護側資料」(ちくま学芸文庫)やパール判事の判決文などを読むことが必要です(特に、日本側の清瀬一郎弁護人の陳述は必読に値する。また、上智大学の渡部昇一名誉教授は、外交官の採用にはパール判事の判決文を課すことを提案も一考する価値はあるだろう)。 いずれにしても、義務教育レベルで日本の近現代史を見直さない限り、世界と対等以上に伍していく誇りある日本人をつくることはできません(日の丸と君が代を当然のごとく尊崇することも含めている)。 自虐的な歴史認識と原子力に対する誤解が複雑に絡み合っている日本。 中国や韓国、ロシアの行動は許しがたいとはいえ、長年こうした重要な問題に真剣に取り組まなかった日本にも責任があります。それ故に、日本はこうした「悪しき洗脳」から目覚めなければなりません。科学立国を目指すにも、愛国心の涵養なしでは無意味です。そのためには、どうしても教育改革が重要になります。(文責:中野雄太) 犯罪化するいじめ事件――教育再生は教育者の遵法精神守から 2012.08.27 大津市で中学2年生の男子生徒がいじめを苦に自殺した問題で、市が設置した再調査のための第三者委員会が先日25日、初会合を開き、スタートしました。(8/25 NHK「中学生自殺 第三者委が初会合」) この第三者委員会は、これまでの学校や教育委員会による調査が杜撰(ずさん)だとして設置されたもので、学校および教育委員会の自浄作用を実質的にあきらめたことを意味します。 企業においても、不祥事などが発生した場合、告発者と対象者双方の関係のない第三者に調査を依頼するケースがありますが、今回の大津市のケースも、教育界に、民間で求められるレベルの透明性を確保する新たな取り組みとなります。 大津市の問題を受け、鳥取県の平井知事は、県内でいじめによる自殺などの重大事態が発生した場合に備えて、教育委員会とは切り離された知事部局内に、第三者による「いじめ問題調査委員会」設置する考えを示しています。(8/25 日本海新聞「第三者の調査委設置 いじめ問題で平井知事」) 今回、大津市の問題で明らかになった「犯罪化するいじめ事件」の深刻さ、そして学校現場での教育委員会を巻き込んだ「隠ぺい体質」は単に大津市だけの問題ではなく、氷山の一角に過ぎません。 実際、7月以降、わずか一か月余りの間だけでも学校等でのいじめに関する警察への被害届は少なくとも全国で15件提出されています。警察当局も被害届を原則として受理する姿勢を取っており、すでに加害者が逮捕されたケースも3件あります。(8/24 読売「大津いじめ後、被害届15件…警察『原則受理』」) 大津いじめ事件がきっかけとなって、次々といじめ事件が顕在化していますが、「ハインリッヒの法則」によれば、一つの重大な事故の背後には29の軽微な事故、300の事故寸前の潜在的問題が存在すると言われています。 したがって、まだまだ全国の学校現場において、同様のいじめ事件や隠ぺい事件が存在している可能性は大いにあります。 こうした事態は、国家が日本国憲法26条(教育を受ける権利及び義務教育)に基づく、「安全かつ適切な教育」の提供義務を果たしていない違憲状態だと言えます。 また、憲法99条により、憲法の遵守義務を負っている公務員(この場合は特に学校関係者などの教育公務員)がその義務を果たしていない状態にあります。 生徒の立場に立って考えても、犯罪が黙認されている学校に通わなくてはいけないことは、憲法11条の基本的人権、憲法25条の生存権が侵害そのものであり、地獄以外の何物でもありません。 また、公務員には遵法義務が課せられているにも拘わらず、学校内の犯罪を黙認・隠ぺいする行為は、刑事訴訟法で定める「公務員は職務執行にあたり犯罪の事実を知ったときは告発しなければならない」義務にも違反しています。 したがって、誠に残念ながら、日本国内の公立学校の多くで、公務員が法律遵守義務を果たさず、学校内に法と正義が存在していない状況にあります。 犯罪が起こっていても見過ごされ、発見されても隠ぺいされるとしたら、子を持つ親ならば、これほど恐ろしい場所に大切な子供を一日も通わせたくないと思うのが本音です。 幸福実現党は現在、「いじめ防止法」制定を進めており、いじめ加害者のみならず、いじめを隠ぺいした教員や校長などがいた場合は厳罰に処す方針です。 これらは、税金で雇われている国民の下僕たる公務員達が本来、負っている憲法遵守義務、遵法義務を果たさせるための当然の内容です。 生徒達に法や正義を教える立場であるならば、まずは教員自身が法律を守り、正義を実践すべきです。 毅然として正義を実現し、「子供達を守る」という気概は、国防・安全保障・領土問題等においても不可欠な精神です。 幸福実現党は、国防においても、教育においても、「善悪を分ける」「悪の増長を許さず、正義を貫く」「筋道を通す」という毅然たる精神を貫き、日本国民すべてを守り抜いて参ります。(文責・宮城県第4区支部長 村上 善昭) 情報開示されない公教育の闇――生徒一人あたり税金100万円投入の価値を検証せよ! 2012.08.13 8月8日、文部科学省が今年4月に実施した全国学力テストの結果を公表しました。 全国学力テストは、自民党・安倍政権時代に全校実施が始まり、政権交代後、長年、学力テストに反対して来た日教組の反対圧力により、民主党政権が見直しを表明しました。 民主党政権は2010年度から全校実施から抽出方式に変更し、サンプル抽出率も、行政刷新会議の事業仕分けで3割に削られました。その他は自主参加という方式が取られています。 今年は自主参加を含めた参加率は小学校・中学校とも8割を超えており、実質的に生徒の学力を図る指標の一つとして現場では定着して来たと言えます。 しかし、問題は学力テストの情報公開のレベルが低いせいで、実態は生徒の学力向上に繋がっていないことにあります。 なぜなら、文科省方針により、学力テストの市町村別結果や学校別結果の公開を認めておらず、また、平均点のみで偏差値が出ないため、生徒や保護者にとっては成績の客観的な指標とならないからです。 学校側にとっても、保護者から学力テストの結果を受けて突き上げを受けないため、学力テストの結果は教員それぞれの自主的対策にとどまり、現実的な学力向上には繋がらない(または繋がりが検証不可能)と言えます。 余り知られていないことですが、実は公立学校の教育には、生徒一人あたり、平均で年間100万円前後もの税金が投入されています。 例えば、生徒30名の小学生クラスだとすると、担任教員は年間3000万円の税金の支出に見合った成果責任を負っています。 ごく普通の民間企業なら、その成果責任は様々な視点から厳しくチェックされ、査定されます。 また、仮に自営業者なら、他業者との熾烈な競争の中で、サービスの質や価値が高い場合は生き残り、そうでない場合は淘汰されます。 しかし、残念ながら学力テストという数値データが公開されない公立学校現場では、そうしたチェックやフィードバックが、学校や教員に対して、まだ働いていません。 昨今のいじめ問題によって、学校現場が教育委員会も含めた隠ぺい体質が明らかになっていますが、本来、学校の役割は「学力向上」にあります。 いじめ問題の隠ぺい体質と同様、学力テストの情報公開がされていない現状も、学校現場における内部改革や外部によるガバナンスが及ばず、学校の非効率性が放置されています。 したがって、まずは全国学力テストの結果は最低限、全都道府県において市町村別・学校別の結果を公表すること(一部県・市は自主的にすでに実施)、そして次にはさらに踏み込んで、「クラス別」結果の公表すべきです。 こうした情報公開を行わなければ、教員一人ひとりの指導力の検証が厳密にできません。 更には、学力テスト結果と学校や指導教員の評価・人事考課・給与との連動も検討すべきです。 こうした改革の中で、より優秀な人的資源の流動化が起こってくるでしょう。現行の教員免許制度の見直し、規制緩和による優秀な民間人の教員登用も検討すべきです。 いじめにしても、学力にしても、現在のように情報公開がされず、学校が「聖域」として治外法権化され、教室という密室で大切な子供たちが何をされているか分からない状態がいつまでも続くなら、日本の公教育は前述のような税金投入の価値を疑わざるを得ません。 幸福実現党は、学校への競争原理の導入、情報公開、学校設立や教員登用の規制緩和等により、徹底的な教育改革を進めて参ります。(文責・村上よしあき) ヒッグス粒子の夢――未来科学を牽引する国際学術研究都市建設を東北に! 2012.07.30 今年7月4日、自然科学の研究者たちを歓喜させるニュースが流れました。 現代素粒子物理学で最大の謎と言われていた「ヒッグス粒子」とみられる新粒子が発見されたと、欧州合同原子核研究機構(CERN)が発表したことです。 「ヒッグス粒子」とは、現代素粒子物理学の「標準理論」で考えられた17種の粒子の内、未発見だった最後の一つで、他の粒子に質量を与える働きをします。 宇宙の始まりであるビッグバン直後に発生した素粒子に質量を持たせ、それから物質が成立し、星や生命が生まれたと考えられており、通称「神の粒子」と呼ばれています。 今回の発見については、今後、更に研究データを検証して年内にも結論が出る見通しですが、これにより現代物理の「標準理論」が完成、物理学の歴史に残る大発見になると言われています。 今回、新粒子発見に用いられたのは、スイス・ジュネーブ郊外のCERNにある世界最強の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)です。 こうした加速器と呼ばれる実験機器で、粒子を光速に近い速さまで加速し、衝突させることで生まれる様々な素粒子を観測するものです。 実は、こうした素粒子発見の歴史は「いかに巨大な加速器を作って実験するか」という競争でもありました。 今回のヒッグス粒子らしき新粒子発見は、次の科学の発展を約束する大発見ですが、同時に、新しい科学の進歩の出発点ともなります。 なぜなら、この「ヒッグス粒子」で完成する「標準理論」によって解明できるのは、この宇宙全体の物質のわずか4%で、残り96%は依然としてよくわからないからです。 その意味で、今後は次世代の加速器建設(国際リニアコライダー)をどこが誘致して作るのかが世界中の物理学者の重大な関心事になっています。 実は被災地・東北の人達も、次世代の加速器建設について期待を持って受け止めています。 数年前から東北の岩手県を中心に、国際リニアコライダー(ILC)を誘致しようという動きがあります。(7/5 岩手日報「ILC本県誘致に光 ヒッグス粒子発見」⇒http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20120705_2) そもそも、2009年より、東北経済連合会、東北大など産学官31団体が「東北加速器基礎科学研究会」を発足し、次世代加速器建設誘致を推進しようとしていました。 昨年の震災後、こうした施設を中心にして、岩手・東北に国際的な学術研究都市を創り、「復興の象徴」としようという動きが活発化しました。 実際、こうした誘致が成功した場合、野村総研の試算によれば、経済効果は5兆円規模とも試算され、ILC建設段階から運用段階に至る30年間で、約25万人分の雇用機会が創出される予測が立てられています(ILCプロジェクト・ホームページより)。 また、ILC周辺には長期的に関連産業の企業立地が促進され、先端科学技術産業の集積が加速、日本の再生に向けた次世代の未来産業の土台作りにもなります。 さらには、アジア地域にこうした国際研究所が建設されることは、中国、韓国、インドやベトナム、フィリピンをはじめとしたアジアの若い研究者にとって大きな飛躍の機会となりますし、宗教や人種を超えて世界中の人が集う世界的な科学拠点となります。 まさに東北の復興の象徴としても新たな文明発信の地になります。 現在は地元での誘致運動が活性化してきておりますが、まだ国として正式な誘致判断がなされていません。東北の復興はもちろん、日本全体として世界をリードする科学技術や未来産業振興のためにも、積極的に取り組むべきだと考えます。 幸福実現党は、日本の繁栄は日本のためだけでなく、世界の繁栄のためでもあると考え、世界をリードする科学技術の発展を積極的に推進して参ります。 東北復興の視点も取り入れつつ、基礎科学の分野においても、未来産業の基盤づくりに取り組んで参ります。(文責・宮城県本部第4区支部長 村上よしあき) 学校の治外法権を許すな――今こそ、教育再生を! 2012.07.16 先週9日のHRPニュースファイルで、大津市のいじめ隠ぺい事件をとりあげました 事件はその後も、各メディアでも大きく取り上げられ、「男子2人が(自殺した生徒に)死んだ蜂やごみなどを無理やり食べさせた」「文化祭や体育大会のとき手をロープで縛られる」といった地獄的ないじめの内容も明らかになって来ました。⇒http://goo.gl/g7m75 「実際にはカエルまで食べさせられていたみたいです。あるとき、親戚の家に遊びに行ったとき、もうすごい下痢をしたみたいで…。きっと変なものを食べさせられたから、お腹を壊したんでしょうね…」といった証言も出ています。⇒http://goo.gl/EcECS この事件は、アメリカ三大ネットワークの一つ「ABC」のヘッドラインに掲載されるなど、国際的なニュースにもなっています。⇒http://goo.gl/JQNn8 さて、11日、滋賀県警が「強制捜査でないと全て(資料が)出ないと判断した」として、学校と教育委員会に対する家宅捜索を行いました。 教職員の汚職などで学校や教育委員会を捜索した例はあっても、いじめ自殺をめぐって警察が家宅捜査に踏み切ったことは極めて異例です。 警察には事件の真相をしっかりと解明、処罰することを期待しますが、警察の介入は余りにも遅すぎました。もはや取り返しがつきません。 男子生徒の父親は自殺後、大津署に「処罰できる方法はありませんか」と三度も被害届を出しましたが、署は加害者の生徒が14歳未満であることなどから「犯罪事実の認定は困難」と受理していなかったことが明るみになっています。 また、滋賀県警の家宅捜索について、大津市教育委員会の澤村憲次教育長が現場で抗議していたことも明るみになりました。(7/13 FNN「滋賀・いじめ自殺 澤村教育長、警察の強制捜査に現場で抗議」⇒http://goo.gl/S1GyX) 澤村教育長は依然として「自殺との因果関係については、私どもは分からない、判断できない」「いじめがすべてではない。別の要因もあったはずだ」と、自殺の原因をいじめと認めようとしません。(7/12 J-CAST「大津市教育長 まるで他人事!『自殺はいじめ以外にも要因。資料スーと見た程度』」⇒http://goo.gl/dSJKT) 澤村憲次教育長の言動からは、いじめ自殺事件や市教育委員会の隠ぺいに対する反省は全く見られず、ただただ学校と教育委員会、自身の保身しか考えていないことが伝わってきます。 さて、今回注目したいのは14日、問題発覚後、初めて記者会見した校長の発言です。今になっての会見は遅すぎることはもちろん、誠に歯切れの悪い会見でした。 自殺前の昨年9月30日と10月5日の二回、男子生徒へのいじめに関する情報が女子生徒から担任に入り、自殺6日前の10月5日、担任、学年主任、生徒指導担当ら5、6人の教師が協議をしていたことが分かりました。 その結果、「生徒同士のけんかで、いじめはない」と結論付けたといいます。 記者の「いじめがあったと疑わなかったのか」との質問に、校長は「疑っていなかったというより気づいていなかった。認識がなかった」と釈明。あくまでも「けんか」と判断したということで通しました。(7/15 読売「中2自殺、校長『いじめ認識せず』市教委とズレ」⇒http://goo.gl/N8YPU) この会見で分かることは、学校側の初動のミス、初動判断の誤りです。いじめを指摘する複数の生徒達の報告を見過ごしたこと。そして、再度いじめ情報が寄せられ、教師たちで話しあう場を持ったにもかかわらず、双方の聞き取りだけで終わってしまったこと。 教師ならいじめを強く疑うのは当然のこと、情報が上がった段階で、いじめを指摘し、通報してきた女子生徒にも事情を聞くべきでした。そして加害者を早期に調査していれば迅速な対応ができたはずです。悲劇は防げたかもしれません。 この事件は教育現場における、戦後民主主義の非常に弱い部分の象徴です。正義を引っ込め、「なあなあ」で仲良くさせ、話し合い路線で片付けようとする学校の戦後民主主義がいじめを増幅させていると言えます。 また、もし一教師が責任から逃れたい保身が働いても、教頭や校長が正義感の塊で「絶対に悪は許さない」という気持ちがあれば、学校現場でいじめが黙認されることはありませんでした。 幸福実現党は「いじめ防止法」の制定を公約として掲げていますが、加害児童生徒に対しては、いじめの悪質さに応じて、退学、転校、停学、短期出席停止、厳重指導、注意処分等を行ない、いじめ行為に加担、黙認、参加した教員は厳罰に処す法案を目指しています。 大津いじめ事件の悲劇を繰り返さないためにも、「いじめ防止法」を制定し、「学校の自治」の名のもとに教室を聖域化、密室状態にしておかないこと。そして、前回のニュースファイルでも書きましたが、「道徳教育」「宗教教育」の復活が不可欠です。 善悪の基準とは、つきつめれば仏神の教えに行きつきます。その意味でも、いじめ対策の根本は、仏神の善悪の価値基準、「愛」や同悲同苦の心、「天国・地獄」といった因果応報について教えることは大事です。 戦後、GHQの政策や日教組により、公教育の現場から宗教教育を排除した結果、学校から聖なる部分、尊い部分、威厳のある部分が失われました。 学校が荒れてきたのは戦後、学校から道徳や宗教を追い出した当然の結果と言えるでしょう。 いじめは決して許してはなりません。「正義の支配」を子供の世界で教えなければ、やがて子供たちが大きくなった時、それは犯罪につながっていきます。 失われた「学校の尊厳」を取り戻す時は今をおいて他にありません。(文責・竜の口法子) 大津いじめ隠蔽事件「先生は一緒に笑って見ていた」――教室に正義を!学校に善悪の価値観を! 2012.07.09 昨年10月、大津市で中学2年生の男子生徒が自殺しました。 自殺直後、市教委が全校生徒(859人)を対象に行ったアンケートで、男子生徒が「暴力」「いじめ」をうけていたとする回答が計227件あったことが分かりました。しかし、市教委は詳しい調査を行わず、約3週間で打ち切りました。 アンケートには「自殺の練習をさせられていた」「毎日殴られていた」「(いじめたとされる同級生が)『家族全員死ね』と言っていた」など生々しい記述がありました。 また、男子生徒が同級生から金を脅し取られていたと複数の生徒が答えていたことが分かりました。アンケートには「同級生が男子生徒を脅して銀行の口座番号を聞き出し、金を取っていた」「銀行の番号を無理やり言わせて遊ぶためにお金を使っていた」と書かれていました。(7/7 NHK⇒http://goo.gl/w8i63) このように、全校生徒の4分の1以上が、男子生徒が「暴力」「いじめ」を受けていたことを認識していたにもかかわらず、追跡調査を行わなかった市教委の対応が問題となっています。(7/7 産経⇒http://goo.gl/GNges) これは「責任から逃れたい」という学校側や市教委の保身であり、明らかな「隠ぺい行為」です。今回の事件では、自殺前に学校側がいじめを見逃していた(黙認していた)可能性が強まっています。 学校側は自殺した生徒の家族から「お金遣いが荒くなった」ことについて相談を2度も受けていたといいます。また、自殺した生徒の父親が「暴行があった。何か処罰はできないか」と3回にわたり大津署に相談したのに被害届は受理されませんでした。 実際、多くの生徒も「先生は見て見ぬ振りをしていた」「先生は一度注意をしたけど、その後は一緒に笑っていた」と回答をしています。(7/6 J-CASTニュース⇒http://goo.gl/mjwC1) 自殺した生徒が暴力を振るわれているのに、担任の教師は「隣にいたが止めなかった。笑ってた。『やりすぎんなよ』って」「周りにほかの教師もいた」と証言する生徒もいます。(7/6 朝日⇒http://goo.gl/iN5kE) どうして、日本の公立学校には、学校・教師ぐるみでいじめを黙認、隠ぺいする体質が根深くあるのでしょうか? 日本のいじめが大きく変化したのは1992年、新・学習指導要領の実施年です。日教組の主張である「子供に価値観を押し付けない」教育指導がより強調され、道徳の授業でも善悪を明確に教えなくなりました。 教師側の倫理観や正義観、善悪の考え方が弱まると、いじめが発生しても、「話し合いで解決しよう」となります。 しかし、「いじめから子供を守ろう!ネットワーク」(http://goo.gl/QoppJ)代表の井澤一明氏は、「学校側に『悪を正そう』という強い意志があれば、いじめは一日で止まることもある」と言います。 いじめを解決できないのは、善悪の判断ができず、教室に「正義」が無くなっているからです。 飛び降り自殺をした男子生徒は階段を使って自殺の練習をさせられていたこともアンケートで分かりましたが、市教委も学校も「いじめは認識できていなかった」と繰り返し、自殺前にいじめ情報が生かされることはありませんでした。 結局、多少の波風が起こったとしても「正義」「価値観」を掲げて問題を解決しようとするのではなく、「なあなあ」にしようとする「戦後民主主義」の悪しき部分が、いじめを増殖させていると言えます。 それは戦後、公教育の現場から宗教を排除したことの結果です。「善悪の基準」とは、突き詰めれば宗教に行き着くからです。 1966年に中央教育審議会会は宗教教育について「生命の根源すなわち聖なるものに対する畏敬の念が真の宗教的情操であり、人間の尊厳と愛もそれに基づき、深い感謝の念もそこからわき、真の幸福もそれに基づく。」と文部大臣に答申しています。⇒http://goo.gl/qNb36 しかし、公教育の現場においては、日教組によるタブー視もあり、戦後、宗教教育はおざなりにされて来ました。その意味でも、日本は、宗教教育の重要性をもう一度、見直す時期に来ています。 「いじめ対策」の根本は、道徳では足りません。仏神や天国・地獄について教える必要があります。善悪の判断をしなければ一見、全て平等になるように見えながら、実は悪に加担していることになるからです。 幸福実現党は教育政策として「いじめのない学校づくり」「宗教教育の復活」を掲げています。 「大津いじめ隠蔽事件」で明らかになったように、学校や教育委員会による内々のお手盛りの調査やチェックでは、とても教育界を浄化することはできません。 外部からのチェックが全く入らない「聖域」としての学校に、「不正がないか」をチェックし、是正していく必要があります。 幸福実現党は「いじめ防止法」の制定により、学校の善悪を明確にし、是正する枠組みをつくって参ります。そして、その善悪の根拠となる「宗教教育」を、教育の現場に取り戻して参ります。 「教育は国家百年の計」です。教育とは人生を切り拓く魔法のような力があります。教育界の浄化は、日本の未来を切り拓く鍵であります。(文責・竜の口法子) 「言語鎖国・ニッポン」からの脱却こそ、「リーダー国家」へのカギ 2012.06.28 日本では若者を中心に、日本を離れたくないという「内向き志向」が進んでいます。 産業能率大学の「新入社員に対するグローバル意識調査」を見ると、「海外で働きたくない」と答えた新入社員は、2001年の29.2%から、2010年度には約半数の49%に急増し、この10年で日本の「内向き志向」は加速しています。 この「内向き志向」とシンクロして、日本の「英語力」も低迷を続けています。 世界的な英語指標であるTOEFLの国際ランキングでは、日本は世界163か国中135位、アジア30か国の中では最下位グループである27位に甘んじています。 また、スイスの経営開発国際研究所によるビジネスにおける語学力のランキングにおいて、調査対象の59カ国・地域のうち58位という悲惨な結果が出ています。 近年、英語教育に力を注いでいる近隣国(台湾29位、韓国31位、中国41位)と比較しても、日本は相応しい語学力を有していないと「対外的」に認定を受けています。 この「内向き志向」と「英語力の低迷」は「日本が海外から学ぶものが少なくなっている」という積極的な捉え方もありますが、実質的には、あらゆる局面において日本にマイナスの影響を及ぼしています。 第一にビジネスにおいてです。海外と円滑なコミュニケーション能力が欠如していることで生じる「見えない機会損失」は甚大です。 また、日本国内のビジネス環境においても、英語をベースとするグローバル企業が活動するのに十分な言語インフラが整っておらず、それが日本への積極的参入を止め、日本経済が低迷する要因となっています。 第二に、日本国内への留学生の減少が挙げられます。韓国から日本に来る留学生は昨年、1万7640人と前年比で13%減っており、「震災と円高の影響よりも、日本経済の低迷による日本留学への意義低下が原因」と指摘されています。(6/23 日経) また、教育熱が高く、留学志向の強いシンガポールにおいても、日本には昨年5月時点で186人しか来ていません。 日本の理工系分野への関心が高いにも関わらず、「英語で学べる環境」が用意されていないことが原因で、日本の大学は世界中の優秀な学生を集めることに失敗しています。 第三に、日本の国際的発信力の不足が挙げられます。2010年、英語による情報発信を担当する「国際広報室」が首相官邸に新設されましたが、その約半年後の東日本大震災において機能不全を起こしたことで、日本政府の英語による情報提供能力の低さを露呈しました。 同時に、日本のマスコミ関係者は、中国人などに日本の震災状況や経済報道などの英語報道を「委託」している有様です。逆にCNNやBBCなどが発信する世界情勢は、日本国内ではほとんど報道されず、海外の情報が断絶されている状況です。 早稲田大の飯野公一教授が「首脳同士がよく耳元で話をしているが、日本の首相は蚊帳の外。東南アジアの閣僚級政治家の多くは海外で教育を受けている」と述べている通り、日本政府のトップ層の英語の運用能力は国益をも左右するということを知るべきです。 以上のように、日本人の「言語鎖国」が国際社会との断絶をあらゆる局面で加速させ、日本の国益を著しく損失させています。 「言語鎖国」からの脱却を図るためには、第一には、日本の英語教育の抜本的改革が求められます。具体的には、英語教育において、実践的に英語を活用できる民間人を登用することです。 また、日本の英語教育の強みである「読む」「書く」という文法スキルを維持しつつも、「聞く」「話す」というコミュニケーションスキルを発達させるためには、世界で広く取り入れられている「イマージョン教育(没入法)」を初等教育から広く導入することです。 第二に、英語を準公用語にし、生活やビジネスの場において実質的に幅広く活用し、生活やビジネスにおける「言語障壁」を無くすことです。 「日本人が自国で英語を使わざるを得ない状況」を作りだすことこそ、日本の「内向き志向」を払拭し、実践的な英語力を養う最大の解決策となるからです。 更に、「言語鎖国」から脱却し、情報受発信能力が高まることで、日本語を世界言語化させる道が拓かれます。 なぜなら、今の日本には新興国にとって喉から手が出るほど欲しい「国家発展のカギ」は数多くあり、それらを完全に吸収するには日本語の習得が不可欠だからです。 アジア・アフリカでは、教育の質を担保することは国家としての命運を占う生命線であり、特に中東においては、全体的なレベルの向上を成し遂げた日本型の初等教育が注目されています。 また、日本語は最難関言語で、「一般的な普及は難しい」と考えられておりますが、同様に難関と言われているアラビア語もイスラム教の聖典「コーラン」の広がりによって、爆発的な勢いで世界言語となりました。 日本が持っている真の実力が世界的に広く認知されたならば、世界中の人々はこぞって日本語を学び始めるはずです。 そのためには、日本の宗教や伝統文化、技術力、ソフト力などが既に世界を救い、繁栄させる力を持っていることを私達自身が改めて評価し、確固たる「自信」を持つべきです。 そのためにも、まず日本人が自国で英語を使い、国を開く「勇気」をもつことです。この「自信」と「勇気」こそ、日本を真に世界に貢献できる「リーダー国家」へと押し上げていくのです。(文責・HS政経塾1期生 城取 良太) すべてを表示する « Previous 1 … 14 15 16 17 18 Next »