Home/ 経済 経済 安倍首相に「消費税増税中止」の最終決断を求める 2013.08.27 ◆消費増税の是非を問う「集中点検会合」が始まる 政府は26日から、消費税率を2014年4月から予定通り8%へ引き上げるかどうか、最終判断するための集中点検会合を開始しました。(8/27 産経「消費増税、最終判断へ賛否聴取 集中点検会合始まる」) 会合では、6日間にわたり、60人の有識者からヒアリングを行う予定となっています。 安倍首相は、クウェートで記者団に対し、「帰国したあと、報告を受ける。議論をふまえて、最終的に私が決めていく。その判断材料を提供していただく」と述べました。(8/27 FNN) 安倍首相が「集中点検会合」の開催の指示を出したこと自体、「消費増税への迷い」が現れていると言えます。 しかし、同会合の人選を見ると、官僚による「ヤラセ色」が強く、初日(26日)の「総論」の会合に出席した7人のうち、5人が予定通りの増税実施を求めたのに対し、慎重派は2名に過ぎず、財務省の「シナリオ通り」に終わりました。 ◆消費増税の是非はこの秋、最大の関心事 安倍首相は早ければ9月中にも消費税増税の是非について決断を示す見込みです。 安倍首相がどう決断するかが、マスコミの今秋の最大の関心事となっています。 このような政策の是非を問う報道は、本来、国政選挙前に行われるべきですが、選挙前は政局報道に終始していたことを残念に思います。 報道の中には増税反対論も散見されますが、どちらかと言えば、財務省の意を汲んだ報道が多い印象です。 財務省主導の典型的な増税必要論の中に、マスコミが指摘しない、おかしな点があります。 ◆論理の飛躍が見られる増税論 「増税しなければ国債の信用が低下し、長期金利が上がり、資金調達コストがかさむ企業は設備投資を抑える。運転資金に困る企業も出るだろう」という典型的な増税必要論があります。 「消費税を上げなかった場合は大変な影響がある」と語る麻生財務相はこの急先鋒であります。 しかし、「増税しなければ長期金利が上がる」という根拠が全く示されていません。この論理では、国の借金が1000兆円もあるのに、長期金利が低い水準にある現状を説明できません。 また、今夏、米連邦準備理事会(FRB)が長期国債を大規模に買い入れて長期金利を抑制したように、日銀による長期金利の抑制手法もあるにもかかわらず、「増税による長期金利の抑制」しか語らないのは、なぜでしょうか? 更に、長期金利上昇に伴う「資金調達コストの上昇」を問題にしていますが、では、なぜ、消費増税を実施した場合の「資材調達コストの上昇」には触れないのでしょうか? まさしく、財務省の主張は論理が破たんしており、「増税のための議論」に過ぎません。 ◆IMFに代弁させ、増税誘導する財務省 今夏8月5日、IFM(国際通貨基金)が、日本経済について「予定通り、消費税率を10%まで引き上げる増税を実施すべき。景気への影響は無い」とするレポートを発表しました。 高橋洋一氏は、財務省のIMFへの出向者による、「財務省の息がかかった数字」だと断言しています。(8/8 JCAST「IMF『日本の消費税15%が必要』報告 実はこれ財務省の息がかかった数字なのだ」) 田村秀男氏も産經紙上(8/26経済講座)で、安倍首相が消費税率引き上げについて問うべき相手は、「外部でなく政府内部で虚報・デマを流し続ける官僚たちである」と痛烈に批判をしています。 田村氏は「デマ」とは、「消費税率10%でも財政再建できない」「増税しても税収が増えデフレにならない」「増税しないと国債が暴落する」という3点に尽きると指摘しています。 ◆安倍首相の「勇気ある決断」を求める 27日の「集中点検会合」で、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの片岡剛士氏は、景気の現状は「本格回復」ではなく、消費増税すれば、2014年度の実質GDP成長率はゼロ%台と試算、対外経済が悪化した場合、「容易にマイナス成長となる」と危機感を示しました。(8/27 ロイター) 多くの民間調査機関も、消費増税をすれば、ゼロ成長、マイナス成長に陥ると予測しています。これは、幸福実現党が立党以来、主張して来た経済理論そのものです。 幸福実現党は現在、全国47都道府県で大々的な署名活動を展開しており、政府に対して「景気条項」に基づき、国民生活や日本経済に深刻なダメージを与える消費増税を中止するよう強く求めています。⇒http://info.hr-party.jp/2013/1971/ どうか、安倍首相におかれましては、「集中点検会合」の報告に際しては「財務省バイアス」を排除し、国民の声に耳を傾け、国民生活の安寧のために「消費税増税中止」を決断して頂きたく思います。(文責・岐阜県本部 加納有輝彦) LCC苦戦に見る、日本の空の問題点――空の「交通革命」の実現を! 2013.08.25 ◆日本の空をより身近に――LCC時代の到来 2012年、日本の空に新たな形態の航空会社が参入しました。 日本の既存の航空会社においては、手荷物受託サービスや機内ドリンク等、様々な付帯サービスが含まれることが一般的でした(一部の航空会社では、機内ドリンクサービスなどが有料の場合もありました)。 しかし、その分、日本の航空券の代金は世界的に見ても割高であると言われていました。 そうした中、「LCC(Low Cost Carrier)」と呼ばれる格安航空会社3社(ピーチ、ジェットスター・ジャパン、エアアジア・ジャパン)が日本の空に登場し、空の交通をより身近なものにしました。 「LCC」とは、サービスの簡素化や業務の徹底的な効率化によって、既存の航空会社よりも低費用を実現し、低価格の運賃で航空輸送サービスを提供する航空会社を指します。欧米やアジア諸国ではメジャーな航空会社です。 日本においても2010年、国際線において、日本と中国を結ぶ格安航空会社である「中国春秋航空」の参入が話題となりましたが、こうした航空会社も「LCC」と呼ばれる航空会社の一つです。 国内線にもLCCが登場したことで、日本の空がより一層、身近になったと言えます。 ◆格安なLCC運賃 このLCCは、従来の日本の航空会社、特に大手航空会社と言われるANAやJALの運賃と比べて、三分の一から十分の一程度の価格で搭乗することができます。 例えば成田―新千歳線は約5千円程度と、長距離バスや新幹線等とも価格的に勝負でき、従来の日本の航空運賃と比べれば「破格」と言っても差し支えない価格です。 LCCの運賃は予約時期や季節等によって大きく変動し、「バーゲン運賃」では更に安い価格となっています。 ところが2013年に入り、日本に就航した3社のLCCの内、2社については思ったよりも業績が芳しくなく、その内の1社であるエアアジア・ジャパンについては、本国マレーシアのエアアジアが撤退を決め、ANAとの提携を解消しました。 その後、ANAが完全子会社化し、新ブランド「バニラ・エア」として路線の見直しを含めて再出発することとなりました。(8/20 産経「新ブランドは『バニラ・エア』 ANAHD傘下のLCC」) LCCは価格の安さが最大のポイントですが、LCC就航後一年を経て、低価格を維持するのが容易ではない現状が見えて来ました。 そこには大きく2つの問題点があると言えます。 第一は、航空に関わる税金等の問題。第二は、LCCの拠点とする空港の問題です。 ◆航空に関わる税金等の問題 日本は欧米等と比べて、航空における税金が高い水準にあると言われています。 航空券の価格には、航空会社が政府に納める税金が含まれており、この税金が「公租公課」と呼ばれるものです。 この公租公課にあたるものは、主に空港使用料や航空機燃料税等です。 中でも、空港使用料の中に含まれる着陸料は、国際水準の2~3倍と言われ、航空会社の大きな負担になっています。 こうした課税は「利用者負担の原則」によって、利用者が支払う航空券代に上乗せされています。 この原則は、航空機の利用がまだ一部の富裕層に限られていた時代の名残と言われており、航空利用者のための設備費用は、利用者自身が拠出すべきとする考えに基づいています。 こうした税金等は、安い価格を維持して運航しているLCCにとって、経営を圧迫する「死活問題」であると言えます。 ◆LCCの拠点とする空港の問題 現在、国内線に就航しているLCCは、ジェットスターとエアアジアは成田空港を拠点に、ピーチは関西国際空港を拠点としています。 いずれも都心に近い、羽田空港や伊丹空港ではなく、少し離れた場所にある空港を利用していることが特徴です。 こうした都心に近いメイン空港ではなく、「セカンダリー空港」と呼ばれる都心から離れた空港を利用するのがLCCのビジネスモデルです。 LCCがセカンダリー空港を選択する理由として、空港での駐機時間の問題があります。 航空機の駐機時間を短くし、多頻度で航行した方が空港使用料のコスト削減、並びに一機あたりの稼働時間を長くすることで無駄な費用を減らすことができるためです。 ところが、成田空港などは騒音の問題等から、24時間、空港を使用することができません。 すると、空港の使用可能時間内に飛行機が到着できない場合、着陸できないため、LCCのコスト削減法でもある「多頻度航行」ができません。その他、代替便の保証の問題等も発生します。 紙幅の関係上、詳しく述べることはできませんが、大きくは以上のような問題点が存在します。 ◆空の「交通革命」の実現を! しかし、海外においても、日本においても、LCCは今まで航空機を利用してこなかった層を新たな顧客として開拓しているとされています。 幸福実現党は、航空分野の更なる活性化を含めた「交通革命」の実現を経済成長政策の柱の一つに掲げています。 その実現には多くの方々が気軽に利用できる「空の交通」が必要であり、そうした土壌を作ることが喫緊の課題であります。(HS政経塾3期生 瀬戸 優一) 日本は大きなビジョンを持ってTPP交渉に臨むべし! 2013.08.24 ◆TPPの本格的交渉が始まる 日本やアメリカなど12カ国が参加する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の閣僚会合が23日、ブルネイで閉幕し、「年内妥結に向け、交渉を加速する」という共同声明が出されました。 ここから月末まで事務レベルでの協議が本格化しますが、各国の利害が一致しない知的財産や農産品、工業製品に関する関税撤廃など、3分野における協議を前進させられるかが焦点となります。 7月のマレーシア会合から途中参加した日本にとって、初めて全日程に加わる本格的な交渉となります。 交渉参加が遅れた日本に対する風当たりは強く、日本にとって厳しい交渉が待っていることは間違いありません。 ◆自民党内で揺れるTPPへの思惑 安倍政権はTPP参加を推進していますが、そもそも政権与党である自民党の中には未だにTPP参加に対して慎重派や反対派の議員が多いのも事実です。 ブルネイでの交渉が始まる前の20日、自民党本部で開かれた「TPP交渉における国益を守り抜く会」の会合には約50名の自民党議員が出席し、交渉内容が開示されないTPPに対して、「情報がない中で議論しろというのか」(上杉光弘元自治相)などといった怒りや嘆きの声、批判が相次いだそうです。 この「国益を守る会」は、もともと「TPP参加の即時撤回を求める会」が前身で、安倍首相の交渉参加表明を受け、3月に名称変更した経緯があります。 今月6日の会合では、会員が240人から参院選を経て256人になったと報告され、衆参党所属議員410人の約6割に上り、「監視役」として影響力を強めるため、さらに会員を増やす方針にあるとのことです。 ◆TPP慎重派が多い理由(1)―選挙対策と実際の政権運営の乖離 野党はともかくとして、なぜ与党内にもこれほどまでにTPPへの慎重派、反対派が多いのか。 一つには既得権益の「聖域」を守ろうとする政治家が多すぎる点が挙げられます。 代表的な事例としては、TPP参加で国内農業が崩壊するという農業界を中心とした主張に迎合する農村地域選出の政治家の姿であります。 現に農水省が2010年11月に公表した試算では、TPP参加によって現在10兆円の農林水産業の生産額が4兆5000億円まで半減し、現在40%の食料自給率は13%まで低下するという悲観的な試算が出されており、それを真に受けた農協を中心に「TPP断固反対」の旗を掲げています。 そうした農協からの選挙で応援を得るために、昨年の衆院選で「聖域なき関税撤廃を前提にする交渉参加に反対」と訴え、参院選でも「守るべきものは守る」と公約に盛り込み、農村票を納得させてきた経緯があります。 このように、情報開示もなくTPP交渉が政府主導で進んでいく実際の政権運営と、「このままでは地元に説明がつかない」という選挙対策の狭間に立たされているポピュリズム政党の矛盾が垣間見れます。 ◆TPP慎重派が多い理由(2)―根強いアメリカ陰謀論 また、TPPを通じてアメリカがアジア太平洋地域で好き勝手にやろうとしているというような「アメリカ陰謀論」がTPP慎重派の議員らの中で根強いことも挙げられます。 確かにアメリカがTPPを通じてアジアへの輸出拡大を目指しており、その背景にはオバマ政権は来年秋の中間選挙を控え、オバマ政権の公約である輸出倍増計画の達成に向けた実績としてアピールしたい思惑があることも事実です。 こうした「アメリカ陰謀論」を唱える人は1989年~90年の日米構造協議などで日本に高圧的な要求を突きつけたアメリカの姿勢が記憶に残っている人も多く、特に国防強化や正しい歴史認識の重要性を訴える保守系の言論人が非常に多いことも特筆すべき点です。 以上のように、TPPを取り巻く環境はまだ不安定であり、今後の交渉次第で、野党のみならず政権与党内からも反発が強まり、TPP交渉自体がとん挫する危険性があることを知らねばなりません。 ◆「経済成長」+「国防強化」を一挙に推し進めるTPP 一方、幸福実現党は経済的観点、更に安全保障的観点という両面から見てTPPへの参加は必要不可欠であると一貫して訴えてきました。 経済成長の観点で見ても、関税撤廃の効果のみで10年後のGDPを2.7兆円押し上げる効果があると言われておりますが、それ以外の効果も含めれば、その試算を遥かに超えた経済効果が短期的に現れてくるはずです。 反対意見の強い農業においても、TPP参加による農業崩壊はあり得ません。 関税はすぐに撤廃されるわけではなく、その移行期間に日本が持つ世界トップクラスの農業技術力を活かして、農業を本格的に成長産業に変え、「金のなる木」に変えていくことだってできます。 また、日本の歴史認識を巡って米中が接近するような構図も出来ていますが、TPPに関しては「中国覇権主義に対する包囲網」であるという意味合いは原則変わっておらず、日本の国益に大きく資する点を忘れてはなりません。 更に「アメリカ陰謀論」への反駁として付け加えれば、二国間であると国力の差が交渉力の差に繋がってしまいますが、逆にTPPのような多国間交渉になれば、日本にとって交渉余地が大きくなります。 なぜなら、アメリカ以外の参加国と利害が一致すれば、対アメリカで連携して交渉に臨むことが可能となるからです。 アメリカの要求を抑制するためにも、多国間の枠組みが有効なのです。 ◆TPPは日本が世界のリーダー国家となるための登竜門 最後に、日本政府には「聖域を守ること」をもって「国益」と呼ぶのかという点を今一度考えて頂きたいと思います。 「聖域を守れるかどうか」という小さな目的達成のためではなく、「TPPへの参加を通じて、日本の新しい未来を創る」という大きなビジョンで交渉に臨んで頂きたいと思います。 TPPに参加する他のアジアやオセアニア諸国と自由貿易という枠組みで良好なパートナーシップを育み、相手国を成長させながら、共に発展していくという理想を描くことこそ、日本が将来世界のリーダー国家への道を歩むために必要なことだからです。(文責・幸福実現党山形県本部 城取良太) 景気は本当に回復しているのか?――「統計のウソ」に騙されるな! 2013.08.16 ◆4-6月GDP統計速報値で「消費増税」に傾く安倍政権閣僚 8月12日、安倍首相が来年4月からの消費税増税の判断材料にするとしていた、4-6月期の国民所得(GDP)統計の速報値が発表されました。 速報値によると、実質GDPは前期比プラス0.6%、年率換算でプラス2.6%となりました。 1-3月の年率プラス3.8%から減速したものの、2期連続で2%以上の成長を達成し、安倍首相は「政権発足以来、順調に景気は上がってきている。」と語りました。 また、速報値を受けて、甘利経済再生担当相は「(消費増税の)判断材料の一つとしては、引き続きいい数字が出ている」と述べ、消費増税に前向きの意向を表明しています。 更に、麻生財務相は15日の閣議後の記者会見で「極めて順調な数字ではないか」「消費税を上げる方向では、いい影響を与えたのではないか」と述べました。(8/15 産経「『消費増税にいい影響』4~6月GDPで財務相」) 安倍首相は、今回の速報値が消費税率引き上げの判断に与える影響については言及していませんが、安倍政権の閣僚が消費増税に前のめりになっていることは明らかです。 ◆景気は本当に回復しているのか? しかし、果たして、本当に景気は回復しているのでしょうか? 私は選挙活動を通じ、多くの国民の皆様のお声をお聴きしましたが、「景気が回復している」と実感されている方はほとんどいらっしゃいませんでした。 速報値の数値を押し上げた主因は、アベノミクスの「第一の矢(大胆な金融緩和)」と「第二の矢(政府の財政出動)」によるものであり、また、株高の恩恵を受けた富裕層による個人消費の拡大です。 したがって、政府が宣伝する「景気回復」は、大部分の国民の生活実感からはかけ離れたものとなっています。 統計はウソをつきます。消費増税を断行すべく、本年上半期の「景気回復」が演出されているのではないか、疑ってかかるべきです。 ◆消費増税導入は「時期尚早」 実際、今回の速報値で、年率換算でプラス2.6%の成長となりましたが、市場の事前予測(3.4%)を大きく下回りました。 特に、景気回復のメルクマールとなる企業設備投資は依然、マイナス0.1%と引き続き水面下に沈んだままで、2012年1-3月期以降、6・四半期連続でマイナスとなっています。 住宅投資の実質成長率もマイナス0.2%と、5・四半期ぶりに減少に転じました。 また、一人当たりの給与水準を示す4-6月期の現金給与総額は依然、横ばいのままです。(8/13 東京「GDP2.6%増 物価高先行 賃金増えず」) 厚生労働省が7月31日に発表した毎月勤労統計調査を見ても、所定内給与は前年比0.2%減で13カ月連続で減少を続けています。 国民の収入が増えないまま、消費増税に突入すれば「消費不況」が起こり、経済に大打撃をもたらすことは避けられません。 実際、明治安田生命の試算によると、現行通り、消費税を増税すれば、増税を見送る案に比し、「2014年度の実質成長率が▲0.5%、2015年度は▲0.8%押し下げられる。」と結論づけています。(「経済ウォッチ」2013年8月第2週号) こうした状況に鑑み、内閣官房参与の本田悦朗・静岡県立大学教授は12日、「予定通りの消費増税の環境が整ったとは言えない」と指摘。 同じく内閣官房参与を務める浜田宏一・米エール大名誉教授も、「増税のタイミングを1年先延ばしにすることも一案」と語っています。(8/12 ロイター「4-6月期GDPは設備投資など伸びず減速、『名実逆転』は解消」) ◆安倍首相は「景気条項」に基づき、消費増税を停止せよ! 消費増税については、「もう決まったことでしょ!」と言われる方もいらっしゃいますが、消費増税法には「景気条項」という“ストッパー”が用意されています。 「景気条項」、すなわち、消費税増税法の附則第十八条2項には、消費増税の「施行前に、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前項の措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。」とあります。 この条項の主語は曖昧ですが、消費増税法関連法案成立時の民主党、自民党、公明党の「3党合意」に基づく「税関係協議結果」には、附則第18条について「消費税率(国・地方)の引上げの実施は、その時の政権が判断すること」とあります。 すなわち、安倍政権が経済指標を確認し、「経済状況の好転」に至っていないと判断すれば、消費増税を停止することは法律上、可能なのです。 「消費税増税をするか、しないか?」の最終判断は、安倍首相に委ねられています。 現状、国民の実感としても、統計を詳細に分析しても、まだまだ「経済状況の好転」に至っているとは言えない状況にあります。 消費増税の最終判断は9月中旬頃と見られていますが、安倍首相には、日本経済を再び転落させる消費増税を停止し、歴史に名を残す英断を行った総理となって頂きたいと思います。(参考:JTR 日本税制改革協議会「安倍総理を納税者のヒーローにしよう!」⇒http://www.jtr.gr.jp/015webtsusin/001150.html) (文責・政務調査会長 黒川 白雲) 「メタンハイドレート革命」でエネルギー自給の道を創れ! 2013.08.10 ◆エネルギー自給は日本の長年の課題 日本が近代化する過程で抱え続ける未解決の課題、それが「エネルギー資源の自給」です。 戦前、産業発展によって強国化する日本を恐れたアメリカが、石油の対日禁輸等の措置を取り、日本は「自衛」のために戦争に追い込まれた―― これこそが「欧米の植民地主義からのアジア解放」という目的と共に、大東亜戦争開戦の背景にあります。 現在も、中国が南シナ海の実効支配を着々と進めており、いつシーレーンが分断され、日本の石油輸入が断たれるか、予断を許さない状況です。 しかしながら、日本は相も変わらず、エネルギー資源のほとんどを他国からの輸入に依存し続けているのが現状です。 ◆メタンハイドレートとは? そんな中、日本にエネルギー革命をおこすと言われる「メタンハイドレート」が近年、脚光を浴びています。 「メタンハイドレート」とは、「燃える氷」と呼ばれ、天然ガスの主成分であるメタンガス(メタン分子)を水分子が低温・高圧状態で結晶化したものを指します。 水とメタンを分解すれば、今すぐ天然ガス火力発電所で燃やして発電することができ、また都市ガスとして各家庭で使うことも出来ます。 日本の周辺海域で既に天然ガス国内消費量の100年分以上はあるだろうと言われています。 自給体制が整えば、現在のように輸出国の言い値で資源を輸入し、高い電気代やガス代を払う必要がなくなります。 電気・ガスのコストが格段に安くなることで日本経済を下支えし、更に日本が天然ガスの輸出国になることも夢ではありません。 ◆探査が進むメタンハイドレート 実際、太平洋側を中心にメタンハイドレートの実用化に向けた探査が着々と進んでいます。 2013年3月には、愛知県沖の南海トラフ海域において、海底下の地層の圧力を下げ、メタンガスを水から分離して取り出す「減圧法」によって産出試験が成功。世界初の快挙となりました。(8/7 フジサンケイビジネスアイ) 一方、日本海側でも2013~15年度に海底調査が計画されており、7月まで新潟県、石川県沖合の2カ所の海域で音波を使って水深500~2000メートルの海底を探査し、資源量などの調査が行われています。(8/8 建設工業新聞) また、今まで発見されている場所以外にも、メタンハイドレートは日本海海域全体に存在する可能性が高く、「日本海側のメタンハイドレートこそが日本にとって大きな希望となる」という説が近年、有力となっています。 ◆日本の希望――日本海側のメタンハイドレート 青山千春氏は著書『希望の現場メタンハイドレート』(ワニプラス)の中で、太平洋と日本海のメタンハイドレートの違いについて次のように述べています。 「太平洋側のメタンハイドレートは主に、深い海底の更にそこから300~700メートル掘っていって、ようやく見つかります。 しかもメタンハイドレートが分子レベルで砂とまじりあっている。当然、見つけにくく採りにくく、更に砂と分けるのにコストがかかる。」 「対照的に日本海側は主に、太平洋側よりずっと浅い海底にメタンハイドレートがそのまま露出しているか、せいぜい100m以内を掘れば存在し、純度90~99%の白い塊で存在しています。」 要するに、日本海側の方がコストは格段に安いということです。 更に日本海側は熱分解起原のメタンハイドレートであるため、地球が動いている以上、日々、新しく生成される可能性があります。 まさに「無尽蔵」に湧き上がる宝物が、日本海側の海底に膨大に眠っているのです。 ◆メタンハイドレート実用化を阻む大きな壁 しかし、日本海側のメタンハイドレート開発を阻む大きな壁が存在します。それは「既得権益」の壁であります。 2001年に組織された官民学共同のMH21が中心になって研究開発が進められています。 その研究対象である太平洋側に予算を付けたことで、その後、新たに確認された日本海のメタンハイドレートが有望であっても、MH21に関係する官僚や民間業者、学者等の既得権益が頑強に抵抗し、長年、進展を見せなかった経緯があると言われています。 実際に、太平洋側には今まで500億円を超える予算がついていますが、日本海側の開発には2013年に入ってようやく11億円の予算がついた状況です。 ◆実用化の道を拓く気概ある民間分野 一方で、日本の民間部門は、メタンハイドレートの実用化に向けて積極的です。 例えば、清水建設は日本海側と同じ表層型メタンハイドレートの採掘方法をロシアと共同開発しています。 また、大林組のプロジェクトチームは、メタンハイドレートと大陸棚を活用した「地底黄金郷建設構想」といった壮大な地下都市開発を首都圏沿岸部の大陸棚をモデルに本気で検討しています。(『俺たちに不可能はない』中経出版) ◆メタンハイドレートの本格実用化によって日本は大きく変わる! 民間には、メタンハイドレートの本格実用化に向けた大きな構想力と高い技術力が既にあります。 後は、日本政府がリーダーシップを取り、メタンハイドレート開発の領域で世界ナンバーワンを採る大きなビジョンで民間を主導する姿勢が必要です。 原発再稼働と共に、メタンハイドレートの本格実用化が早期に実現すれば、日本にとっては「鬼に金棒」であり、経済成長の大きな原動力となるでしょう。 「メタンハイドレート革命」は、日本を取り巻く外交・安全保障環境を劇的に変化させ、日本を「世界のリーダー国家」へと押し上げる推進力になります。 あとは政治家がどれだけ既得権益のしがらみにとらわれず、一刻も早くメタンハイドレートの開発を断行するかにかかっています。 しかし、現状、既得権益や官僚などのサボタージュ、日本のエネルギー自給を疎む海外の圧力等に、安倍自民党が絶えられるかどうか、はなはだ疑問を感じます。 今こそ、日本の国益のため、未来のために、しがらみにとらわれず、チャレンジしていく力が必要です!(文責・幸福実現党山形県本部 城取良太) 増税容認論を斬る!安定政権を目指すなら、増税の十字架から国民を解き放て! 2013.08.05 今回の参院選挙では都議選に続き、自公圧勝の結果となり、デフレ脱却からの経済再生を最優先課題とする安倍政権に国民からの信認が与えられた形となりました。 しかし本来、経済論戦の主戦場となるべきであった消費増税に関しては、かろうじて野党第一党の民主党も賛成であったためか、選挙の争点としてはいまいち盛り上がりに欠いた印象です。 そこで消費増税中止を訴える急先鋒の幸福実現党として、改めて増税容認論の問題点を指摘したいと思います。 ◆増税しなければ財政収支は改善しない!? 政府は2日、中長期財政計画の骨子案を公表し、15年度までに基礎的財政収支の赤字額を17兆円程度圧縮する必要があることを示しました。 一方、日経・読売を中心に新聞各紙は、財政収支改善の「最も有力な手段であるはずの消費税増税」(8/3 日経)の実施が明記されなかったとして批判しております。 果たして、「増税しなければ財政収支は改善しない」――この主張は事実に照らして正しいのでしょうか? 実は03年度から07年度までの「実感なき好景気」と言われた期間、日本の基礎的財政収支は約22兆円も圧縮しております。もちろん増税は1%もしていません。 しかもこの間、日本の平均的な名目経済成長率はたったの1.1%。もしも先進国平均の5%程度の成長を持続していれば、基礎的財政収支の黒字化は間違いなく達成していました。 ◆97年不況の原因はアジア通貨危機!? 財政収支を改善させるのに1%の増税もいりません。必要なのは日本経済の活性化、すなわち名目GDPを拡大させることです。 実際、日本の名目GDPは97年の523兆円をピークに、同じく政府の税収も97年の54兆円をピークに、97年の水準を超えて成長・回復したことがありません。 97年の3%から5%への消費増税が重くのしかかり、日本経済は十字架に掛けられたが如く、成長と回復を止めてしまいました。 しかし、このように主張すると、財務省からレクチャーを受けた政治家は「97年不況の原因は増税ではなく、アジア通貨危機だ」と言い逃れします。 確かに、97年夏、タイの通貨暴落に始まったアジア通貨危機は新興アジア諸国だけでなく、ブラジルやロシアの政府債務危機にまで拡大し、日本経済、世界経済もダメージを受けたのは事実です。 しかし、当の新興アジア諸国は、その後1~2年で経済を回復させました。しかもアジア危機の鎮圧に最も貢献したのはアメリカでもなければ、IMFでもなく、当時の日本です。 1~2年で収束したアジア通貨危機で、97年の水準をその後15年以上も超えられない日本の低迷を説明するのは土台無理な話です。 ◆安定政権を目指すなら、増税の十字架から国民を解き放て! 歴史認識の転換や憲法9条の改正を始め、安倍首相が志す「戦後レジームからの脱却」を実現するには、確かに安定政権は不可欠です。 かつて岸信介元首相の後を継いだ池田勇人元首相は「所得倍増計画」を打ち出すことで左派勢力を分断し、長期政権を実現したと言われます。 その観点から、政権の安定化のために「デフレ脱却・経済再生」を最優先課題に位置付けた第二次安倍政権の狙いも理解できないわけではありません。 しかし、97年4月に実施された消費増税は、国内での金融パニックの引き金となり、日本は戦後世界で唯一の長期デフレに突入。失業者や就職にあぶれる若者を作り出し、経済不安は政治の不安定化につながりました。 97年の失敗を省みず、予定通り2014年4月に消費増税を強行するならば、安倍政権の最優先課題である「デフレ脱却・経済再生」が頓挫するだけではありません。 経済危機が政権不安に転化し、憲法改正や歴史認識の転換など「戦後レジームからの脱却」がいっそう遠のいていくことが容易に予想されます。 増税の十字架は国民の生活を苦しめるだけでなく、政権の十字架となって政治を不安定化させ、引いては外交・国防・国家存亡の危機を引き起こしかねません。 安倍首相が真に「戦後レジームからの脱却」を目指し、安定政権を望むならば、増税の十字架から日本の繁栄を、国民の自由を解放すべきです。(文責・HS政経塾2期生 川辺賢一) 日本の岐路を左右する2つのねじれ 2013.07.31 過日の参院選は、衆参のねじれ解消が最大のポイントでした。 幸福実現党は、参院選中において「本当に議論しなければいけないのは衆参のねじれではなく、自公のねじれ」だと主張してきました。 つまり、自民党と公明党は連立相手ではありますが、憲法改正問題や歴史認識問題で決定的な違いを有しているからです。これを便宜上、「第一のねじれ」と呼ぶことにしましょう。 自民党自体は、党是に憲法改正を明記している「改憲政党」ですが、公明党は「護憲政党」であり、特に憲法9条の改正反対、集団的自衛権の行使に対しては断固反対と主張しています。 普通に考えたら連立を組むべきではありませんが、なぜか両党は今回の選挙でも蜜月関係に入り、筆者の地元である静岡県でトップ当選した自民党現職議員は「安定は希望である」と当選後にコメントしています。 この標語は自民党ではなく公明党のものなので、筆者は一瞬耳を疑ったほどです。 ◆靖国参拝問題が第一関門か これから8月にかけて公明党の存在が影響力を増していくことは間違いありません。 8月15日は終戦記念日ですが、必ず問題視されるのが首相や閣僚による靖国神社参拝です。公明党が自粛を呼びかけるのは火を見るよりも明らかであり、安倍総理らが同党を配慮して参拝を自粛する可能性は高いでしょう。 また、現政権が、中国や韓国からの反発や左派系のマスコミからの批判を恐れることも容易に想像されます。そうなれば、公明党の山口代表は笑いが止まらないでしょう。 その結果、中国や韓国からの歴史認識問題の言いがかりが加速。国内の民主党や社民党、共産党などの左派勢力の活性化によって安倍総理は憲法改正を口にすることもできず、日本の誇りを取り戻すことは一層困難になります。 自民党が圧勝したから日本が保守化すると思ったら大間違いで、公明党と組んでいる以上は、かえって左傾化が加速する可能性があることも想定しなければなりません。 安倍総理が政局を気にされるのは仕方ありません。ただ、日本が置かれている東アジアでは、尖閣危機や台湾海峡沖での日米中の衝突、あるいは朝鮮半島での戦争か紛争の可能性があります。 幸福実現党が、立党以来「自衛隊の軍隊化と集団的自衛権の行使」などを明記した憲法9条改正や緊急対応としての憲法前文の解釈変更を主張しているのは、こうした国際情勢を鑑みての現実的な政策提言です。 要するに、現在の自公のねじれは、日本を国防の危機に陥れる危機を孕んでいるため、決して無視できない問題なのです。 ◆日銀内のねじれ 「第二のねじれ」は、日銀総裁と副総裁の間に存在する増税に関する認識ギャップです。 この論点はまだマスコミでは使用されていません。筆者のみが便宜上使っていることをご了承下さい。 7月29日、黒田総裁は都内での講演において消費税の引き上げが「日本経済の成長は大きく損なわれない」と発言しています(7月29日 Bloomberg 配信記事)。 また、同総裁は日銀政策委員会メンバーも同じように考えているとも言っています。黒田総裁の狙いは、「異次元緩和」を通じてデフレ脱却をなし、2年で2%の物価上昇率を実現していれば名目成長率も高まるので、増税の効果を打ち消すということでしょう。 果たして本当にそうなのでしょうか?少なくとも、岩田規久男副総裁は、現時点での消費税引き上げについて否定的です。岩田氏が副総裁に就任する前に出版されている『リフレは正しい』などでは、成長による税収増を強く主張しています。 つまり、消費税増税は税収を減らし、デフレ脱却を不可能にするということ。今やるべきは、増税ではなく経済成長だという論点であり、幸福実現党の経済政策と同じ主張です。 2015年までに二段階に分けて行われる増税は、どう考えても成長を阻害します。そして、せっかくの金融緩和の効果も打ち消してしまいます。 筆者には、黒田総裁の意見が日銀政策委員会全員の総意とは思えません。黒田総裁が財務省出身で、前職で培われた文化が強く影響しているのでしょうが、あまり軽率な発言をしては困ります。 ◆増税法案は予定通り実行されるのか 今回の自公圧勝により、消費税増税法案は計画通り実行される可能性が高まりました。 秋口に安倍総理が景気の動向を鑑みて判断を下すわけですが、日銀総裁の増税容認発言が強く影響しなければ良いことを願うばかりです。僅かな希望としては、内閣官房参与の浜田宏一イェール大学名誉教授は、岩田副総裁と同じ見解を出していることです。 以上、二つのねじれについて語ってきましたが、政権運営を間違うと、日本が国防と不況を招くシナリオが訪れます。従って、衆参ねじれ解消に浮かれている暇はありません。 日本の豊かさと誇りを取り戻す戦いは、参院選が終われども続いているのです。そこに、幸福実現党が戦い続ける意義もあるのです。(文責:党静岡県本部幹事長 中野雄太) 元気な経済あっての年金制度――消費増税は年金破たんへの道 2013.07.25 ◆受給開始年齢引き上げだけで、公的年金の問題は解決するのか? 政府の社会保障国民会議が、公的年金の受給開始年齢の引き上げを、中長期的なテーマとして8月上旬の報告書に盛り込む方向で調整に入ったことが報じられています(7/25 朝日朝刊7面)。 年金の受給開始年齢の引き上げだけが論じられていますが、これだけで果たして、年金制度の抱える問題が解決するのでしょうか? 年金制度については、年金制度として独立に考えられがちですが、年金と経済の関係もしっかりと考えるべきです。 ◆景気好調で、運用益11兆円の公的年金積立金 日本の年金制度は、賦課(ふか)方式という、現役世代が高齢者世代の社会保障を支える仕組みとなっています。 ただし、現役世代が納めている保険料がそのまま全部使われているわけではなくて、一部は積み立てられており、その積立金の大部分を、GPIFという独立行政法人が運用しています。 積立金は、国内外の国債や株式で運用されていますので、景気が良くなると、株価が上がり、その結果、運用益も上がります。 昨年末、自民党政権となり、幸福実現党が2009年の立党以来、主張し続けていた金融緩和政策や財政政策を採用した結果、景気は好転しつつあり、株価も大幅に上昇しました。 そして、約120兆円もの公的年金の積立金を運用する、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、2012年度の運用実績が約11兆円の黒字であり、自主運用をはじめた2001年度以降で最高になりました(7/3 読売朝刊2面)。 ◆「元気な経済」という土台があっての年金制度 経済に元気がなければ、年金積立金を運用しても、利益が出るどころか、損失まで出かねません。 GPIFが自主運用を開始して12年間のうち、5年度は損失を計上しています(平成24年度業務概況書:)。 安心の年金制度を維持するためにも、元気な経済は不可欠なのです。 土台がぐらぐらしているのに、柱だけを丈夫にしても、根本的な解決策とはなりません。健全な経済という土台に、社会保障という柱が立っているのです。 そして、経済が活発になるからこそ、意欲のある高齢者の方々が働ける雇用の創出もできるのです。 経済成長を抜きに、社会保障制度だけを充実することはできません。 だからこそ、幸福実現党は、経済成長政策を前提とした上で、生涯現役社会の推進を訴えているのです。 ◆景気に水を差す消費税増税は、年金制度を更に不安定にする そう考えると、今の消費増税の議論も違った切り口から見えてきます。 1997年4月1日から消費税を3%から5%に増税して以来、経済全体のパイは縮小しました。 1997年度は53.9兆円あった税収は、2012年度は43.9兆円です(財務省「一般会計税収の推移」)。 差額の10兆円はどこにいったのでしょうか? それは景気後退によって、税収が減ってしまったのです。ちなみに、消費税1%分で約2兆円ですから、減少分の10兆円は消費税5%分に相当します。 景気回復を続け、法人税収・所得税収を上げていけば、税収を回復させることは可能です。 社会保障の財源を名目として、消費税を増税しようとしていますが、経済が元気でなくなれば、税収も減り、年金積立金も早く枯渇することになることは明らかです。 そろそろ、「年金詐欺」とも言える詭弁はやめて頂きたいものです。 ◆守られるべき国民の財産権 政治は、国民の最大幸福のために、国民の生命・安全・財産を守るのです。 日本国憲法29条1項に「財産権は、これを侵してはならない」と記されています。年金詐欺は「国民の財産権」の侵害です。 安倍首相は、麻生副総理の増税容認論に負けずに、国民の財産を守るためにも、消費増税の中止を決断するべきです! (HS政経塾部長 兼 政務本部部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ) 増税しても税収は増えない――経済成長すれば税収は増える! 2013.07.16 ◆増税しても、税収は増えない! 自公政権は「消費増税で税収を増やし、社会保障費の増大に備える」と訴えていますが、本当に増税すれば税収は増えるのでしょうか? 国の税収は、名目GDP×税率×税収弾性値で概算することができます。 ここ20年間、税収は、増減を繰り返してきましたが、基本的に名目GDP値に連動しています。 1997年の消費増税(消費税3%⇒5%)の際にも、政府は税収が増えると喧伝していました。 しかし、消費増税が消費不況を招いた結果、名目GDPは523兆円(97年)→512兆円(98年)→505兆円(99年)と減少し、その結果、税収も54兆円(97年)→49兆円(98年)→47兆円(99年)へと大幅に落ち込みました。 ◆経済成長すれば、税収は増える! 産経新聞の編集委員兼論説委員の田村秀男氏は、先ほどお伝えした計算式の「税収弾性値」について解説しています。(7/14 産経「【日曜経済講座】アベノミクス効果で税収増 消費増税なしの財政再建可能」) 「税収弾性値」とは、GDP伸び率1%に対して、どのくらいのパーセントで税収が増えるかを示す数値です。 財務官僚は弾性値を1~1・1程度と見ていますが、多数の民間の研究者は、弾性値は少なくみて2.5、平均で3、特に現在のように景気の回復期には4に達すると算出しています。 すなわち、経済成長すれば、GDP伸び率の3倍前後の伸び率で、税収が増えるのです。 それを裏付けるように、先日、2012年度(11年4月~12年3月)の税収が、これまでの予想を1兆円上回り、43兆円台になる見通しが発表されました。(6/20 朝日「12年度税収、1兆円増見通し 景気回復で43兆円台に」) 2012年度は、法人税が30%から25.5%へ引き下げられたにもかかわらず、景気回復によって、法人税収が7千億円、所得税が3千億円、合計1兆円もの税収増となったのです。 2012年度税収に対するアベノミクスの影響は3ヶ月間程度に過ぎません。年間に直すと4兆円程度の税収増と推測されます。 田村氏は、2013年度で名目GDP成長率3%を達成すれば、税収は9%増え、約3兆9500億円増となり、2014年度もGDPが3%成長すれば、13年度に比べて4兆3100億円税収が増えると推測しています。 増税しなくても、景気回復すれば、相当な税収増を見込むことができるのです。 ◆社会保障問題の解決は「生涯現役社会」建設が鍵! 社会保障費の増大については、少子高齢社会が進む中で、現行の社会保障モデルでは必ず破綻します。 そのため、幸福実現党は、今後の日本社会の方向性として「生涯現役社会」を提言しています。 日本の平均寿命は世界最高レベルで男性80歳、女性86歳であり、更に、高齢者の肉体年齢は10年前より11歳若返っています。(参照:7月4日発刊 HRPブックレット『生涯現役社会~豊かな長寿社会を目指して~』幸福実現党発刊⇒http://info.hr-party.jp/2013/1497/) まだまだ働けるのに「高齢者」というレッテルで定年になってしまうのは、現役世代が減少していく日本社会にとって大きな損失です。 また、シニア世代が「社会に支えられる側」ではなく、「社会を支える側」になっていくことにより、増税によらず、高齢者の「知恵」や「経験」を生かして国を豊かにすることが可能になるのです。 ◆壮大な「未来ビジョン」を掲げた幸福実現党 すなわち、増税ではなく、経済成長こそが財政問題、社会保障問題を解決していく鍵なのです。 そのために、私、参院選大阪府選挙区候補者の森よしひろは、日本の新しい基幹産業となる「未来産業の育成」を掲げています。 関西という土地は、新しいことにチャレンジしていく気風、ものづくりの伝統と技術、重厚長大産業の生産設備があります。 関西を中心に、航空機産業や宇宙産業、さらには、ロボット産業など、日本が世界をリードしていく高付加価値の産業を創って参ります。 幸福実現党は、長期的な日本経済の目標として、GDPを現在おおよそ500兆円から2030年代に1500兆円という大きな目標を掲げています。 それは、政治家が「世界一のGDPを目指す」という明確な国家目標を持つと同時に、更なる大胆な金融緩和、積極的な財政投資、未来産業育成、聖域なき規制緩和等を徹底して行うことで可能になります。 経済成長を成し遂げることができれば、税収も現在の数倍の規模になり、財政問題も解決します。そして、世界のリーダーとして更なる建設的課題に取り組むことができます。 幸福実現党は「若者たちが未来に希望を抱ける国づくり」を進めて参ります!ご支援の程、何卒よろしくお願い申し上げます。(大阪府 幸福実現党公認候補 森よしひろ) 消費増税は止められる!――「自由の大国」を目指して 2013.07.15 ◆消費増税は民主主義を逸脱した暴走行為 私は大阪府参議院選挙区候補者の森よしひろと申します。日本の繁栄のために、ぜひお伝えさせて頂きたいことがあります。 7月21日投票となる今回の参議院選挙の大切な争点の一つに「消費税増税」の是非があります。 4年前の総選挙で政権を執った民主党が「増税はしない」と言いながら、昨年8月、消費税増税法を成立させました。 「増税については、事前に国民の信を問う(国民の承諾を必要とする)」というのが、「政府による税収奪の暴走」を食い止める民主主義のルールであり、財政学では「承諾説」と呼ばれています。 民主党・自民党・公明党の三党合意による消費増税は、国民の信を問わないまま断行されました。これは民主主義を踏みにじる暴走です。 今回の参院選で、国民が消費増税を承諾しなければ、消費増税は中止するのが、民主主義のルールです。 今回の参院選における幸福実現党候補者への投票数こそ、「消費増税反対」の民意であり、「消費増税ストップ」の最大の力となります。 ◆消費増税は止められる! 選挙活動で「消費増税中止」を訴えていると、「もう消費増税は決まったことでしょ?」「今更、消費増税は止められない」というあきらめや悲観論も聞こえて来ます。 しかし、消費増税法では、2014年4月の消費増税(8%)の実施半年前になる今年10月に景気の動向も見て、消費増税を行うか、行わないか、最終決断がなされることになっています。 だから、本当にこの選挙は大切です。安倍首相や自民党も消費増税をすべきかどうか、迷いが見られます。しかし、参院選で自民党が圧勝すれば、安倍政権は消費増税に突っ走るでしょう。 参院選における幸福実現党の勝利こそ、消費増税ストップの道であります。 ◆共産党の本質は「増税政党」 ちなみに、共産党も、消費税増税反対を主張しています。都議選でも共産党は躍進し、「消費増税反対票」の受け皿となっていると報道されています。 しかし、共産党の「消費増税反対」の主張の裏には、大きな危険性があることを指摘しておきます。 日本共産党は2012年2月7日、「消費税大増税ストップ! 社会保障充実、財政危機打開の提言」を出しています。 その提言には、消費増税に代わる財源として、「大型開発や軍事費をはじめ税金のムダづかいの一掃と、富裕層・大企業優遇の不公平税制を見直すとともに、新たに『富裕税』『為替投機課税』『環境税』などを導入することでまかないます。」と述べられています。 防衛費削減は「国難」が深まる今、中国の侵略を招くだけであり、財政投資の削減は民主党政権時代と同様の地方の不況を招きます。 さらに、富裕層・大企業への課税強化、「富裕税」「為替投機課税」等は、景気の悪化、株価の暴落を招きます 日本共産党中央委員会政策委員長(政策責任者)の小池晃氏は、「具体的には所得税を強化(増税)する改革を提起しています。この所得税の課税所得に対する負担は、例えば年収四〇〇万円の夫婦片働きの世帯では、課税所得は一五〇万円で現在の所得税は七万五〇〇〇円ですが、これが二万円程度増えます」と述べています。(『前衛』2012年4月号 小池晃「消費税増税ストップ!社会保障充実と財政危機打開の財源提案」) ここから、共産党の言う「富裕層」とは、年収400万円以上の世帯を指しており、共産党は、これらの「富裕層」への所得税強化を目指していることが分かります。 共産党の基本的な考え方は「富裕層から富を奪い取り、政府が所得を再分配する」ということであり、その根底には、「大きな政府(全体主義国家)」「全体主義国家」というマルクス主義哲学があります。 共産党の本質は「増税政党」であり、日本経済を破滅させる危険性があることを指摘しておきます。 ◆なぜ、幸福実現党は消費増税に反対するのか? 幸福実現党も「消費増税中止」を訴えていますが、その哲学は共産党と正反対で、「小さな政府」「自由の大国」「景気向上」を目指しているからこそ、消費増税に強く反対しているのです。 消費増税は消費不況をもたらし、結果として税収を減らします。(消費税増税前の1996年の税収52.1兆円⇒2013年の税収43.1兆円) だからこそ、幸福実現党は「増税ではなく、景気回復を優先すべき。それこそ、税収増の道である」と強く訴えているのです。 消費税をストップし、「自由の大国」を目指すべく、皆さまのご支援、何卒よろしくお願い申し上げます。(明日に続く) (文責・幸福実現党大阪府公認候補 森よしひろ) すべてを表示する « Previous 1 … 64 65 66 67 68 … 78 Next »