Home/ 経済 経済 iPhoneの新経営戦略の行く末――成長戦略としての「起業家の輩出」を! 2013.09.15 ◆ついにDoCoMoでもiPhone販売開始! ついにNTTドコモが9月20日よりiPhone販売を開始することになりました。この日を待ちに待った方も多いかと思います。 私もiPhoneユーザーでありますので、さらに多くのユーザーが増えることを嬉しく思います。 日本では、元々Softbankのみで販売されていたiPhoneが、やがてau、NTTドコモへとその販路が広がると共に、新たに低価格タイプの新機種を販売することになりました。 故スティーブ・ジョブズ氏が経営を行っていた時のアップル社の戦略は、ハイエンドに的を絞り、商品力で勝負し、高付加価値路線をとっていました。 その象徴がiphoneであり、その本体価格は、通常の携帯電話と比較してもかなり高額でした。 ◆アップル社経営陣の決断 本来のアップル社の強みは、常に新しく革新的な商品開発にあり、その独特な美しく、機能的な商品が全世界的に愛好者を生んできましたが、現在は現商品のマイナーチェンジ、低価格化が中心になるなど、変化がみられるようになりました。 9月20日に販売開始になるiphone5cはアメリカでは100ドルを切る価格帯で、携帯電話の中で最も競争の激しい部分に参入することになります。 アップル社は従来、シェアよりは利益を優先させて来ましたが、その戦略を変更し、シェア獲得の競争の渦の中に飛び込むようであれば、今後の業績は決して明るいとは言えないでしょう。 アップルには、ジョブズ時代のように、常に新たな商品を開発していくことが求められているのではないでしょうか。 ジョブズ氏は「マウス」の実用化から始まり、パソコン「マッキントッシュ」シリーズの大ブレーク、「ipod」の開発により音楽業界に革命をもたらした後、iphone、ipadの販売で世界中の人々の生活を変えました。 創業者の偉大な業績を継承しつつ、新たな変化を起こすには大変な勇気が必要ですが、現実はなかなか難しいようです。 ◆成長戦略としての「革新的な起業家の輩出」 さて、私たち日本としても、ジョブズの如き、世界を変えるような革新的な経営者・企業家の輩出が求められます。 明治期から戦後を通じて、日本経済が奇跡的な発展をとげたのは、勤勉な日本の国民性に加えて、岩崎弥太郎、渋沢栄一、松下幸之助などの偉大な経営者が連綿と輩出してきたからです。 現在の高度に情報化した日本社会では、少しでも頭角を現そうとすると、「けしからん」などと一部バッシングに走ることもありますが、現在、必要なのは、革新的な発想を実現する起業家の輩出です。 民主党政権時代の経済的停滞で明らかになったように、「子ども手当」に象徴される、社会主義的な「富の分配」では、決して国民は豊かになれません。 起業家を輩出し、「富の創造」「新しいマーケットの創出」がなされなければ、国富は決して増えないのです。 「幸福実現党は、国家としての『新しい富の創造』に全力で取り組む。未来に富を生むような、産業あるいは発明・発見に対して、積極的に支援する」ことを宣言しております。(大川隆法著『未来創造の経済学』幸福の科学出版) ※参考:ユートピア活動推進館 渋沢栄一霊指導「富国への道」研修(10/26新開示)⇒http://www.shoja-irh.jp/utopiakskan/ ◆起業家の輩出を国家目標とせよ! 日本経済の更なる繁栄のためには、偉大なる経営者・起業家の輩出が必要です。 今回、2020年東京五輪の開催が決定しました。官民ファンドを活用したリニア新幹線の早期開業等、産業にイノベーションをもたらすインフラ基盤投資に加え、「起業家の輩出」を国家の成長戦略の柱の一つにすべきです。 例えば、国家目標として「1兆円企業の創業者を100人輩出する」ということも、国富増大に直結します。 しかし、現状は、世界の大学・研究機関でつくるグローバル・アントレプレナーシップ・モニター(GEM)が世界69カ国・地域で実施した2012年度版「起業家精神に関する調査」では、日本人の起業意識は世界最下位となっています。(5/16 日経「日本の起業意識、世界最下位 挑戦促す環境づくり重要」) こうした現状を反省し、教育においても、明確に「偉大な経営者の輩出」を目標として掲げるべきです。 例えば、大学教育においても「産業報国の精神」――産業を起こし、国富を増大させることが素晴らしいことだと教えたり、偉大な経営者の生涯を教え、優秀な若い人材が志を立てることを支援すべきです。 また、マスコミも、新進気鋭の起業家を叩くのみならず、世の中の役に立っている人が財を成すことを積極的に評価することも大切です。 いずれにしても、幸福実現党は、起業家の輩出を支援し、「富の創出」をなし、日本を「世界のリーダー国家」にすべく国政を変えて参ります。(文責・政務調査会 こぶな将人) 消費増税でGDPがマイナス6%に!――消費増税は「大不況」をもたらす 2013.09.13 ◆マスコミを使った消費増税工作か 9月12日、読売新聞朝刊が1面トップで「消費増税 来年4月8% 首相、意向を固める」というスクープ(?)記事を掲載しました。 同記事では「安倍首相は11日、消費税率を来年4月に現行の5%から8%に予定通り引き上げる意向を固めた」「3%の増税分のうち約2%分に相当する5兆円規模の経済対策を合わせて実施する考えだ」と具体的数値まで報じており、驚かれた方も多かったのではないでしょうか。 これを受けて、毎日や共同通信が後追いで記事を掲載したものの、日経、朝日、産経等は追随する記事を掲載しておりません。 こうした増税決定報道に対して、菅官房長官は12日の記者会見において、「安倍首相が消費税率を予定通り2014年4月に8%に引き上げる意向を固めた」との一部報道に関して「首相が決断したという事実はない」「首相が種々の経済指標をしっかりと見極め、首相自身が10月上旬に判断する」との従来方針を改めて強調しました。 また、消費増税を念頭に置いた経済対策についても、「規模や中身の具体的な数字は全く出ていない。」と全面的に否定しました。(9/12 日経「官房長官、消費増税『首相が決断した事実はない』」) こうした恣意的な世論操作報道は、消費増税を既成事実化すべく、マスコミ等を用いて、安倍首相の外堀を埋める工作がなされている証左です。 ◆幸福実現党が内閣府に「消費増税の中止を求める要請書」を提出 こうした政治的駆け引きが活発に進む中、9月13日、幸福実現党の加藤幹事長と黒川が内閣府を訪れ、安倍首相宛てに「消費増税の中止を求める要請書」を提出しました。⇒http://info.hr-party.jp/2013/2166/ 内閣府が9日に発表した4~6月期実質GDP改定値は、年率3.8%増となり、甘利経済財政・再生相は、消費増税判断に向けて「好材料が1つ追加された」と述べています。 しかし、民間設備投資の先行指標である機械受注(船舶・電力を除く民需)は、6、7月と減少。現金給与総額はボーナス増などを受けて上昇していますが、基本給は14カ月連続で減少しており、国民の大半が景気回復を実感しているとは言えない状況にあります。 国民の多くが景気回復を実感しているとは言えない状況下で消費増税に踏み切れば、日本経済の復活は遠のくばかりであり、幸福実現党として、安倍首相に対して、慎重な決断をなすよう要請致しました。 ◆幸福実現党に13万を超える「消費増税反対署名」が集約! また、幸福実現党は全国で消費増税中止を求める署名活動を展開し、13万6147名の方々から署名が寄せられました!(同上リンク先に写真を掲載) 皆様の署名集約へのご協力、ご尽力に心より感謝申し上げます。 13万6147名の増税反対の熱き思いは、同じく署名活動を行っているJTR(日本税制改革協議会)の署名と合わせ、9月18日に内閣府を通じて安倍首相に提出する予定です。 ◆消費増税で大不況到来!GDPがマイナス6%に! 8月末に行われた消費増税の是非を有識者に聞く「集中点検会合」では、総勢60人が消費増税の是非に関する意見を述べましたが、大半は「増税やむなし」という意見で、財務省のシナリオ通りでした。 その中で、元経済企画庁審議官の宍戸駿太郎 筑波大名誉教授は、「消費税を今上げれば将来の成長が腰折れになる。当面(増税を)凍結するべきだ」と、引き上げに反対しました。 宍戸教授は「いま増税すれば、経済成長の腰折れを招くのは自明の理。私は経済学者として当然の意見を言っただけで、今回の有識者たちの意見が『増税賛成』に傾いているのは信じられません。結局、政府が都合の良いメンバーを選んだに過ぎず、専門家の総意は反映されていないのです」と述べています。(8/31 日刊ゲンダイ「出席の有識者が暴露『消費税ヒアリング』のフザけた実態」) 宍戸氏はマクロ経済計量モデルであるDEMIOSを活用し、消費増税が10%に引き上げられた場合、名目GDPへのマイナス効果は5年目でマイナス6%以上になることを明らかにしています。(宍戸駿太郎著『奇跡を起こせ アベノミクス』より) 同氏は、消費増税すれば「いかに財政出動しても、成長戦略を展開しても、アベノミクス効果は帳消しになります」「消費増税によって税収は少しは確保できるでしょうが、所得税、法人税が激減するので、元も子もありません。税収はかえって悪化してしまうのです」と述べています(同上著)。 この件について、更に詳しくは、マスコミが報道しない「事実」を伝えるネット番組『The FACT』において、9月14日(土)20時より、「消費増税で大不況到来!GDPがマイナス6%に!」と題し、宍戸駿太郎教授の衝撃的インタビューも交え、放映致します。是非、ご視聴ください。(出演:幸福の科学広報局 里村英一、幸福実現党政調会長 黒川白雲)⇒http://www.youtube.com/user/theFACTtvChannel 内閣府は消費税が10%に引き上げられても、名目GDPへのマイナス効果は5年目で1%程度と予測しています。これは消費増税を決行せんがための恣意的な統計操作と言わざるを得ません。 内閣府以外の民間シンクタンクの経済予測では、多くがマイナス6%以上と試算しており、消費増税が日本経済に未曾有の深刻な損害をもたらすことは避けられません。 幸福実現党は、最後の最後まで粘り強く、日本経済を奈落の底に突き落とす消費増税中止を安倍首相に求めて参ります。(文責・政務調査会長 黒川白雲) 五輪招致成功で増税。五輪が終了しても増税? 2013.09.11 ◆東京五輪招致成功で増税? アルゼンチンの首都・ブエノスアイレスで2020年の夏季五輪開催場所が東京に決定されました。幸福実現党としても釈量子党首の声明を発表。第二の高度成長に向けた起爆剤とする旨を表明しています。 実際、公共投資で景気が活性化することは間違いありません。加えて、遅々として進まないリニア新幹線建設を組み合わせることで交通インフラが拡充する可能性は極めて高いと言えるでしょう(『日本経済再建宣言』第4章参照)。 短期的な財政赤字は増えるかもしれませんが、幸福実現党としては、成長を高める新しいインフラ投資は必要だと考えます。 しかしながら、五輪招致決定のさなかにおいても消費税増税は進められています。安倍総理が言及された通り、本来は五輪招致と消費税増税は別問題です。にもかかわらず、上記のインフラ整備にも財源が必要なので増税をするべきだという論理がまかり通っています。 これは社会保障の財源確保のために増税をするのと同じ構図です。そうであるならば、集めた財源は右から左へと流れるだけで、財政再建には役立ちません。 五輪招致と同時に増税を進めるもう一つの理由は、増税の国際公約の存在です。 日本政府は2015年までに国債の利払費などを差し引いた基礎的財政収支の対GDP比を半分に、2020年までに黒字化することを国際公約しました。 IMF(国際通貨基金)の一部の方は、日本に15%の消費税増税を要求していますが、ラガルド専務理事とO・ブランシャールチーフエコノミストは日本の早急な財政再建と増税を要求はしていません(ちなみに、IMF副専務理事の篠原尚之氏は元財務官僚)。 むしろ、P・クルーグマンJ・スティグリッツなどのノーベル経済学者は消費税増税に反対しています。彼らは、財政規律を守るための増税など一言も言及していません。むしろ、金融緩和や適度な財政出動を要求しています。 特にスティグリッツは、財政規律や国債の信用などに言及する金融関係者に対して「失業を増やし生産を減らすことにつながる政策では信頼は取り戻せない。信頼は成長につながる政策によってしか取り戻せない」と、緊縮財政主義者を厳しく批判しています(『世界の99%を貧困にする経済』p.337) そもそも、どれだけ増税したら財政規律が保たれ、国債の信任が守られるのでしょうか。正確な定義は存在しないのです。ましてや、長期金利は低位安定しており、今すぐ国債価格低下=長期金利上昇ということは考えにくいのが現状です。 むしろ、増税をして景気が腰折れするリスクの方が高いと思わざるを得ません。 そして、ロンドンオリンピック前に増税をして景気悪化と税収の伸び悩みを経験したイギリスの例もあります。 同じ過ちを繰り返さないためにも、東京五輪成功に向けて増税を回避するのが正しい選択です。 ◆五輪後にも増税が待っている? 現在は、財政規律と社会保障の財源確保を気にしている政府が増税を持ち出していますが、五輪終了後にも増税を持ち出してくる可能性はあります。理由は二つです。 一つ目は、短期的に国債を発行するので財政赤字が拡大すること。そのためには、増税が不可避であるという理屈です。 現実には、国債の償還は長い年月をかけて行われます。通常、国債は60年で返済するようになっていますが、その間に何度も借り換えを行っています。 日本独自の制度で決して褒められたものではありませんが、年間新規発行が40兆円、財投債が15兆円、借換債が100兆円ほど発行されているので、直ぐに破綻することはありません。 歳出削減や景気回復による税収増など通じて、国債発行を抑えていくことが大事であって、国債増=増税だというのはあまりにも早計すぎるのです(『日本経済再建宣言』第3章参照) 二つ目は、もっと現実的な問題です。 東京都は一年当たり80兆円を叩き出す日本一の都市とは言え、五輪で使用する施設は、年間に何度もイベントで使用できるわけではありません。 施設を民間に開放しても、高い利用料を徴収しなければならないでしょう。逆に、施設を国か東京都が運営する場合は税負担をしなければなりません。そこで出てくるのが増税です。 但し、国債を発行して作られたインフラは、国の資産にもなります。有形固定資産の項目にもなるので、借金の額だけで評価はできません。 また、公会計の原則を国に適用し、「更新引当金(将来更新に伴う費用の発生を見越して、必要経費または損金として計上する制度)」を積んで新規の国債発行や増税をすることなくインフラの補修やメンテナンスをすることができます(現在はまだ国には適用されていない)。 このように、智慧を使うことで都民や国民への増税を回避することができるのです。単に「作りました。でも維持できませんでした。だから増税させて下さい」では有権者は納得しません。すなわち、能力のない者に税金を預けてはならないのです。 以上、五輪に伴う増税論を概観してきましたが、幸福実現党は、安易な増税論と徹底的に戦い、国民の自由と繁栄を守り抜く唯一の減税政党として、今後とも様々な政策提言を発信していきます。(文責・静岡県本部幹事長 中野雄太) これがホントの攻めの農業だ!(2)――「農業先進国・日本」へ 2013.09.10 前回は、日本のコメの国際競争力の確認と、生産数量目標制度を廃止するべきと述べました。 今回は、コメの価格設定、農地集約とコメの品種改良により、コメの国際競争力をつけることを提言致します。 ◆市場主導のコメの価格設定を! 市場主導のコメの価格設定に向けて、今月初旬にコメ先物の試験上場の2年延長が決まりました。 従来、農協はコメの値決めに絶対的な影響力を持ってきましたが、先物取引市場を通じ、コメ市場に信頼できる価格指標を置くことで、コメ離れを防ぐことが狙いです。(8/29 日経「コメ卸、全農価格に『ノー』先物に期待」) 今までコメ卸業者は全農による高く、一律的な卸向け価格によって、仕入れ高・販売安の厳しい経営環境に置かれて来ました。 先物取引市場の導入成果は一目瞭然で、今年の6月時点で、全農が示した相対価格は横ばいの16,500円/60kgだったのに対し、先物価格は13,500円/60kgとなりました。 新米入荷直前で、昨年のコメの小売価格が下がる今の時期は、先物取引の指標が大いに役立つといいます。 また、生産コスト削減の目標としても先物取引を活用することができます。 春にコストを見込んで15,000円/60kgで取引し、豊作やコスト削減に成功して12,000円/60kgで出荷できたとしても、春時点の15,000円/60kgで買ってもらえるので、秋の時点で契約するより3,000円の収入増になります。 当然、先物取引にはリスクは伴います。個人が参加するには心細いところがありますが、ここに知識と経験のある経営力、企業の力が求められます。 国内コメ市場に「自由の風」を吹かせることが、コメの国際競争力の向上に繋がるでしょう。 ◆農地集約に向けた構造改革を! 日本において、コスト削減の鍵である農地集約が今まで成功しなかった理由は4点あります。 1点目はゾーニング(土地利用計画)政策の甘さです。 簡単に農地を(地価の高い)宅地に転用できるので、資産保有の意味合いで農地を手放さない農家が多く、日本では、意欲のある農業の担い手に対する土地の集積は進んで来ませんでした。その結果、膨大な耕作放棄地が生まれたのです。 2点目は、減反政策をして米価を高く維持し、所得保障を行なっているため、生産コストの高い農家も農業を続けていることが原因です。 3点目は、株式会社の農地取得を阻んでいる「農地法」です。 現場の農家の中にも、「土地を集約し、コストを削減したい」という声はあるものの、法人でも企業でも良いので、誰かに来て取りまとめてもらいたいという声があります。現場も経営力を求めているのです。 4点目は農業収益の向上です。ゾーニングが行われた農地で耕作放棄地が出るのは、収益が上がらないからです。 一定規模以上の主業農家に耕作面積に応じた直接支払い(生産者に直接支払われる補助金)を行い、集約して借りている土地代の支払能力を補強すれば、農地は耕作放棄されずに主業農家に集まり、規模は拡大し、コストが下がります。 直接支払いのメリットは、起業家的な主業農家にターゲットを絞って、補助金政策を実施できることです。 しかし、政治家にとっては、広範な「バラマキ」ができなくなるため、実施されて来ませんでした。ここも安倍政権に攻めて頂きたいところです。 なお、「集約して大規模農業」と聞くと、地平線まで広がる農地と超大型の農業機械を想像しますが、日本の場合、10ha規模の運営が「最も経済的」と言われています。 地域で3~5人集まり、法人化して共同作業し、農業機械も共有することで、大幅なコストダウンを図ることができます。 共同出資により、最新の農業機械を購入する負担も減らせます。しいては、農業機械メーカーにも経済効果が波及します。 ◆日本の農業技術でコメの品種改良を! 収穫量を上げるための品種改良を行うべきです。日本のコメはなんと13,000種類以上もあります。 美味しい、寒さに強い、病気に強い、収穫時期が早い、風などで倒れにくく育てやすい、炊いた時の見た目が美しい等の改良は行われましたが、減反制度以降、収穫量を増やすための品種改良は行われて来ませんでした。 品質はそのままで収穫量を増やす品種改良を産官学で進め、品種改良を行った稲は「知的財産」として登録します。 「農業技術先進国・日本」として様々な気候でも育てられる稲を作り出し、土木、灌漑、治水、上下水道、発電技術等のインフラ技術と共に農業技術を輸出することで、発展途上国に自国で食糧を生産する力をつけて頂きたいと思います。 人口増加率と世界のコメの消費量増加率は一致しています。「世界人口100億人時代」の食糧危機が引き起こす、飢餓や貧困による無用な争いを少しでも減らす方向に進めることが必要です。 ◆「努力が必ず報われる農業」を! 私は農政を考える上で、「美味しいものを食べて頂きたい」という生産者の方々の思いを自由経済に乗せ、「努力が必ず報われる農業」に向けた環境をつくっていきたいと考えています。 また、コストを削減し、コメが安くなったからと言って、茶碗にご飯粒を残すようなことは絶対にしません。 一粒への感謝の心を子や孫の代へと伝えるのも、「農業先進国・日本」が世界に発信すべき精神文化であると思います。【祈豊穣】(HS政経塾第3期生 横井 基至) これがホントの攻めの農業だ!(1)――日本のコメに国際競争力はあるか? 2013.09.09 ◆コメの関税引き下げ・撤廃に備えよ 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で焦点となっている農産品等の関税について、政府・与党内では自由化率(10年以内の関税撤廃率)90%超を軸に調整を進めています。(9/5 日経「関税撤廃9割超で調整 TPP、政府・与党が本格協議」) 現在の米の関税率は778%。この関税を撤廃するのは、自由化率99.4%以上になった時とあります。 これこそが、日本農政がどうしても崩されたくない「聖域」、すなわち「最後の砦」です。 しかし、TPP交渉において関税撤廃率100%を掲げる国が出て来たことからも、日本は更に高い関税撤廃率を求められることを念頭に置かねばならないでしょう。 米の関税も撤廃された時のことを考えて対策を取るべきです。これこそが安倍政権の掲げる「攻めの農業」の本質であるべきではないでしょうか。 しかも、関税は品目ごとに一気に撤廃する必要はありません。例えばコメも10年かけて段階的に関税をゼロにする計画を立て、その間に国際競争力をつけることの方が現実的です。 関税の交渉は秘密裏に行われておりますが、「聖域」に関するオール・オア・ナッシングの報道姿勢(「聖域なければTPPに参加せず」等)にも疑問と恣意的なものを感じざるを得ません。 ◆日本のコメに国際競争力はあるのか? コメの自由化の段階に入った場合、重要になってくるのは、日本米の価格と品質を比べての国際競争力です。 コメには大きく分けて3種類ありますが、ここでは日本や中国、アメリカで栽培され消費されている短粒種について取り上げます。これは世界の米の生産量の2割にあたります。 以下に掲げる価格は、現地での日本人が食べても美味しいとされる高級米の値段です。現地米の該当国での国内販売価格1kg(平成21年)を挙げます。 ・香港259円(12.3円=1HKドル)[日本米1,300kg、中国米2,400kg、タイ米1,700kg、アメリカ米500kg] ・アメリカ471円~740円(100円=1ドル)[日本米1トン、アメリカ米406トン] ・日本236円~455円 ※[]内は現地のある店での年間販売数量を示す 狙うは富裕層や高級食材扱いですので、日本国内での価格400円(参考:魚沼産以外の新潟コシヒカリ)の米を輸出したとして、関税(香港はナシ、アメリカは1.4セント/1kg)、諸経費、30%の小売店の儲けを入れて、香港では780円、アメリカでは795円で商品棚に並びます。(農水省『日本産米輸出ハンドブック』平成21年度版より) 味の差別化については、カリフォルニア米の最高品種と新潟コシヒカリを日本人が食べ比べた場合、全員が正解したという結果も出ています。 香港では現地米と3倍の価格差がありますが、他の輸入米同様、高い売れ行きを示しています。 日本の絶対的な品質の優位と現地で売り込む努力をすれば、十分に原地米と勝負が可能です。 更に、生産数量目標(減反)をやめれば、コメの価格はさらに下がり、国際競争力が向上します。 ◆コメの価格を高止めしている生産数量目標(減反)を廃止せよ! 平成24年度は、国の示した米生産目標は793万トン/150万haに対し、収穫量が852万トン/158万haありました。 ちなみに、日本全国の田の面積は246.9万haであるので、田の面積の46%は生産調整地、耕作放棄地、転作か他の利用をしていることになります。(耕作放棄地は平成22年には39.6万ha農水省統計) 既に他に利用されている農地を除き、耕作放棄地を含め、残り全てで米を作ったとすると、220万haの田で1,188万トン(24年収穫量より5.4トン/haで計算)の収穫が見込まれます。(参考:山下一仁著『フードセキュリティ―コメづくりが日本を救う!』日本評論社) 日本国内で食べる米は790万トンですので、残りの398万トンは輸出が可能となります。 輸出量398万トンと言えば、アメリカの米輸出量325万トンよりも多く、3位ベトナムの640万トンに次ぎ、日本は世界第4位の米の輸出国となります(2012年試算ベース)。 生産調整廃止により、日本米の卸価格は9,500円/60kgまで下がることが見込まれています。(※6月の国内卸値12,500円~16,500円) 国内に安い米が多く出回り、国内の米の消費量が増大すれば、価格は下げ止まる方向に働きます。 また今後、中国の米価格が人件費の高騰によって卸価格10,000円/60kgまで上がって来ますので、市場原理が働いて価格が下げ止まり、米価の暴落は起こらないでしょう。(参考:同上著) それと共に、輸出先における日本米の価格競争力も格段に向上していきます。 今回は、日本のコメの国際競争力を確認すると共に、生産数量目標制度(減反)を廃止すべきことをお伝え致しました。 次回は、コメの価格設定、農地集約とコメの品種改良により国際競争力をつけることにいてお伝え致します。【祈豊穣】(HS政経塾第3期生 横井 基至) 祝・東京五輪招致決定!――リニア開通と消費増税撤回で「ゴールデン・エイジ」を築こう! 2013.09.08 ◆祝☆2020東京オリンピック招致決定! 2020年のオリンピック・パラリンピック東京開催決定、誠におめでとうございます! 東京五輪の招致活動に関わられた皆様の並々ならぬご尽力に対しまして、心より感謝と敬意を表します。 幸福実現党と致しましても、東京五輪開催を機縁として、バブル崩壊以降の停滞ムードを一掃し、日本に再び活気と目標を取り戻し、2020年代を日本の「ゴールデン・エイジ(黄金期)」にして参りたいと存じます。 釈量子党首も早速8日に声明「2020年夏季五輪の東京開催決定を受けて」を発表し、東京五輪開催を日本経済の「第二の高度成長」に向けた起爆剤とするための提言を行っております。⇒http://info.hr-party.jp/press-release/2013/2132/ 特に重要なポイントは「2020年の東京五輪開催に合わせたリニア新幹線の開通」と「消費増税中止」の二つです。 ◆2020年、リニア新幹線の開通を! 1964年の東京オリンピックは、国家を上げた一大プロジェクトとして、東海道新幹線、東京モノレール、首都高速道路等の交通インフラが整備され、高度成長を成し遂げる基盤ができました。 東海道新幹線は、東京オリンピックの開会式(昭和39年10月10日)の9日前に開業しました。 東海道新幹線は昭和34年4月に着工しており、工事期間はわずか5年半という突貫工事で行われました。 3800億円の巨費と当時の最高の技術の粋を集約した新幹線は「世界初の高速鉄道」として、世界中の注目を集め、日本の高度経済成長のシンボルとなりました。 現在、リニア新幹線は来年2014年度中に着工予定で、東京から名古屋までの開業が2027年、大阪までの開業は2045年を予定しています。 新幹線と比べて建設期間が異常に長いのは、新幹線と違ってリニア新幹線の建設は国家予算に頼らず、JR東海が自己負担で開業を目指しているためです。 巨額の資金調達(東京―大阪間の建設工事費は約9兆円)については、「リニア新幹線ファンド(仮)」等を立ち上げ、政府や日銀、政策金融機関等の出資や融資を募り、2020年の東京五輪開催に合わせた早期開業、最低でも部分開業を目指すことを提言します。 リニア新幹線の開業は「日本経済復活の象徴」とも言うべき事業であり、2020年代を日本の「ゴールデン・エイジ」となすための第一歩となるでしょう。 ◆「オリンピック景気」に水を差す消費増税 しかし、ここで懸念すべきは、オリンピックの景気に水を差す消費税率のアップです。 東京で五輪が開催された場合の経済波及効果は約3兆円を見込まれているため、増税推進派からは「消費増税による景気悪化を相殺できる」との論調も出ています。(8/27 ロイター「『東京五輪』招致成功なら3%増税に青信号との見方も」) すなわち、増税推進派としては「東京オリンピック決定!増税するなら今でしょ!」というわけです。 しかし、日本はロンドン・オリンピックを経済浮上の好機に出来なかったイギリスの教訓に学ぶべきです。 イギリスは2008年9月のリーマン・ショック後、日本の日本銀行にあたる中央銀行のイングランド銀行が量的緩和政策として米国を上回る速度でお札を大量に刷り続け、市場のお金を増やすことでポンド安に成功しました。 それによって2010年秋までに景気が回復基調にあったのです。これは、長年デフレが続いてきた日本で安倍政権が量的緩和政策によって市場にお金を投入したことで景気が浮上してきた現在の日本と同じ状況です。 ところが、2012年のロンドンオリンピックでイギリスに経済効果が出なかった理由は、キャメロン政権が「緊縮財政路線」を決め、「付加価値税」(日本の消費税に相当)を17.5%から20%へ引き上げたからです。(【参考】2012/7/29産経「景気無視の増税は必ず大失敗する 五輪効果不発の英国の教訓」田村秀男) 個人の消費意欲を示す「消費者信頼度指数」は、2010年後半から急速に悪化し、皮肉にもロンドン五輪聖火リレーが始まるころから再び下落します。 その後、イングランド銀行がリーマン・ショック時の3.7倍の量的緩和を行っても、英国経済は浮上しなかったのです。 このように、イギリスはロンドン・オリンピックと金融緩和で景気が回復基調に入ったにもかかわらず、「付加価値税」の引き上げで消費が落ち込み、再び景気が停滞しました。 ◆ロンドン・オリンピック景気回復失敗の轍を踏むな! もし、日本が消費税税率をアップさせる方向に舵を切った場合、イギリスと同じように、オリンピックの経済効果が出ないばかりか、その後に再び金融緩和を行っても景気が回復する見込みがなくなる可能性があります。 つまり、安倍首相が消費税率の引き上げを行えば、オリンピックの経済効果に水をさすことになりかねません。 増税で「オリンピック景気」のチャンスを潰したイギリスの教訓から日本は十分に学ぶ必要があるのです。 東京オリンピック招致決定は、その景気浮揚効果から消費増税の後押しになると見る向きもありますが、消費増税が景気の後退を招くことは明らかです。 幸福実現党は安倍政権に対して最後まで消費増税中止を断固として求めて参ります。(文責・政務調査会 佐々木勝浩) 消費増税は「金の卵を産む鶏を殺す」――増税撤回なくしてデフレ脱却なし 2013.09.05 ◆浜田宏一氏が「消費増税は歳入にマイナス」と表明 増税判断についての有識者会議は「7割賛成」という結果で8月末に終わりました。 しかし現在、内閣官房参与の浜田宏一氏(イェール大名誉教授)や本田悦朗氏(静岡県立大教授)らが急激な3%増税に反対しており、安倍総理は増税の最終判断を10月1日まで引き延ばしています。 浜田宏一氏は、9月4日に都内で行なった講演で、「税率を引き上げても景気が減速して歳入面ではマイナスになる」と指摘。税率引き上げの1年延長か、税率を来年から毎年1%ずつ引き上げる案を改めて主張しました。(9/4 フジサンケイビジネスアイ「『消費増税は歳入にマイナス』浜田内閣官房参与、改めて主張」) 浜田氏は、先日の有識者会合でも、「まだGDPギャップが2%ぐらいは存在するので、設備が余っている。設備が余っているところに投資が大きく生まれるはずがない」と述べています。(8/27 第2回「今後の経済財政動向等についての集中点検会合」議事要旨) 内閣府の発表によれば、本年の4-6月期の時点で日本経済全体の「供給力」と「需要」との差(※マイナスのGDPギャップ)が約1.9%あり、「年換算すると10兆円程度の需要不足となる」とも言われています。(8/22 日経ネット版) 浜田氏の基本的な考え方は、日本がまだデフレから抜け出していない状況での増税は「金の卵を産む鶏を殺すことになる」というものです。 ◆増税の悪影響をどう見るか 8月9日の日経(ネット版)では、14年4月の増税後の実質経済成長率の見通しが、以下のように報道されていました(13年度と比較した場合の実質経済成長率の見通し)。 ・日銀は14年度に1.5%低下を予測(2.8%→1.3%) ・政府は14年度に1.8%低下を予測(2.8%→1%) ・日本経済研究センターがまとめた40人の民間エコノミストの平均値では、14年度に2.26%低下するという見通し。(2.82%→0.56%) 実質経済成長率は、来年の消費税3%増税の後に2%前後下がると見られていますが、97年4月の2%増税の時には、98年度に2.8%(実質)下がりました。 今回の3%増税の悪影響は低めに見積もられていますが、97年にはアジア金融危機にあったにせよ、たった2%の消費増税で2.8%もの実質成長率の低下があったことを決して忘れるべきではありません。 ◆日本はまだデフレから脱却していない 浜田宏一氏が指摘したように、日本経済全体では約1.9%(年換算で10兆円程度)の需要不足があると見られていますし、日本の消費者物価も低い水準にあります。 総務省が発表した7月の「消費者物価指数(生鮮食品を除く)」では2010年の平均値を0.1%上回ったことが、8月30~31日に各紙で報道されていました。 これはデフレ下にあった2010年と同じ水準に物価が戻っただけであり、日本経済がデフレから脱却したわけではありません(元々、2010年の消費者物価指数の平均値は08年の平均値よりも約2%低い)。 そして、諸外国が金融判断の指標として使う消費者物価指数(食品とエネルギーを除く)で見た時には、今の物価水準は2010年の平均値から1.7%ほど下回っています。 甘利明経済財政・再生相は「総合的に勘案するとデフレから脱却しつつある」と発言しました(8/30)が、変動の激しいエネルギー価格と食品を引いた消費者物価指数で見ると、実際は、地を這っていた数値がやっと上がる兆しを見せた程度の状態なのです。 ※消費者物価指数には1%ほど高めに出る傾向があるので、マイナスからプラスになった状況では、本当はデフレ脱却はなされていない。また、原発停止による原油価格や電気料金の上昇が家計と企業を圧迫している現状では、諸外国と同じようにエネルギーと食品を除いた「消費者物価指数」を見ないと、金融緩和がもたらすデフレ脱却の進行状況を適正に判断できない。 ◆米格付け会社のエコノミストも「増税先送り」を推奨 首相の増税判断を前にして、増税派のエコノミストや新聞記者、政治家からは「増税がなされず、財政再建が遅れれば日本政府は国債の信任を失う。外国人投資家による日本売りが始まる」という主張が出されています。 しかし、それとは真逆の見解を持つ海外の金融関係者もいるのではないでしょうか。 例えば、過去の報道を見ると、格付け大手のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)主任グローバル・エコノミストのポール・シェアード氏は、時事通信社の7月23日のインタビューに応え、増税先送りを推奨していました。(シェアード氏は、日本などの格付けそのものには関与していない) 同氏は、消費増税は消費減退につながることから、「来年4月の実施はデフレ脱却に好ましくない」と述べ、デフレ脱却に失敗すれば、日本の株高を主導した外国人投資家が日本市場から引き揚げ、株価急落などで日本経済は「非常に深刻な逆風」に見舞われると警告しています。(7/24 時事「消費増税、先送りを=デフレ脱却に逆行」) こうした「増税の強行によるデフレ脱却の失敗」のリスクについて、増税派は口をつぐむか、過小評価するかのいずれかで済ませています。 しかし、この本当のリスクに真正面から立ち向かう政党こそが日本経済を甦らせるのです。 幸福実現党の訴える消費税増税の撤回こそが、デフレ脱却のために必要なのです。(文責・HS政経塾 遠藤明成) 増税が万能の解決策ではない。増税を回避するミクロ政策の議論を! 2013.09.04 ◆有識者会議で増税にGOサイン? 現在の日本経済に関する最大の問題点の一つが、来年4月に消費税増税が実施されるか否かでしょう。 政府は有識者会議なるものを開き、8月31日に終了。当会議で7割に当たる44名(増税反対派は6名のみ)が予定通り来年4月に消費税8%引き上げに賛成をしたわけです。 加えて、日銀の黒田東彦総裁は、消費税増税が日本経済の成長を妨げないとの見解も示しており、財務省の増税を支持することを表明しています(7月29日 日本経済新聞参照)。 言い換えれば、増税をすることで国債市場の信任が守られること。金融緩和の効果が増税効果を打ち消すので成長を妨げることはないということです。 黒田総裁の見解は、典型的な財務省の主張ですが、同氏が元財務官僚出身であることを考慮すれば、当然の結論であります。 このように、増税包囲網が完成に近づいており、今回の有識者会議が増税へのGOサインになったと言っても過言ではありません。 増税を延期ないし中止させる最後の望みは、浜田宏一名誉教授のような「増税慎重派」の意見と安倍総理が判断する最新の経済指標しかありません。 ◆「合法的強盗」 増税問題が語られる時は、どうしても経済成長や失業率などのマクロ経済政策ばかりが議論をされますが、それ以外のミクロ的側面も触れておきましょう。 日本国憲法第30条では、納税の義務が定められています。私たちの納めた税金は、道路や港湾などのインフラや一般的な行政サービスに使用されます。国家を維持していくための税金は誰もが否定できません。 しかしながら、増税とは、合法的に国民の財産を巻き上げる「合法的略奪行為」だという側面があります。 私案の段階ではありますが、死亡消費税(東京大学の伊藤元重教授発案)や教育目的税(文科相の下村博文氏の私案)などの導入が検討されているなど、新しい税金が今後も増えていくことが予想されます。 既に、国と地方を合わせて70種類近くの税金が日本に存在します(『増税亡国論』参照)。私たち国民は、年金保険料などを含めると、相当の資金を政府に支払っています。 したがって、これ以上の税負担増は、日本国憲法第13条の「幸福追求権」と第29条の「財産権の侵害」に抵触する可能性もゼロではありません。 アメリカ第29代大統領のカルビン・クーリッジは、「必要以上の税を集めるのは合法的強盗である」という名言を残しました。同大統領の言葉を借りるならば、現在の日本政府は「合法的強盗」行為をしていることになります。 本物の強盗が、盗んだものを遊興で使い果たすように、「強盗」政府が増税で得た資金を正しく使用する保証はありません。例えば、復興税が沖縄に流用されていたように、何に使われるかは極めて怪しいと言えましょう。 ◆「税と社会保障の一体改革」に欠けている論点 2012年8月10に可決された消費税増税関連法案には、税と社会保障の一体改革が盛り込まれていました。基本的には、所得税や相続税の最高税率引き上げ、地球温暖化対策税などが盛り込まれているため、「増税ラッシュ法案」と見て間違いありません。 社会保障などの人命に関わる領域であるため、莫大な税金を使用するのが当たり前と思われています。毎年、社会保障費は一般会計予算で30兆円近く支出されており、年当たり1兆円を超えるペースで増加するとも言われていますが、ここにはカラクリがあります。 社会保障は社会保険方式と呼ばれ、本来ならば社会保険料で運営されなければなりません。年金、医療、介護はほぼ全てそうです。 しかしながら、日本では保険料収入は約7兆円に対して実際の支出は約27兆円です。つまり、不足分は税金が投入されているわけです(拙著『日本経済再建宣言』参照)。 したがって、社会保障のリストラが必要なのです。専門的には、「選択と集中」と呼ばれています。 政策パッケージとしては、保険料の引き上げ(厚生年金の保険料は引き上げられた)と拠出額の引き下げ、年金支給年齢の引き上げなどを上手に組み合わせることです。 最後の論点は、幸福実現党が主張している「生涯現役構想」そのものです。 さらに言えば、社会保障分野は、現役世代が納めた保険料をもとに、リタイア世代に拠出される賦課方式から積立方式(将来の年金給付に必要な原資を保険料で積み立てていく方式)への移行も検討課題として入れるべきでしょう。 ただ、どれも政治的に難しい課題を抱えているために、短期政権では着手できるものではないことも事実です。 要するに、増税が万能の解決策ではなく、上記の政策を上手に組み合わせて増税を回避することができるということです。 日本国憲法には、主権は国民にあると書いてあります。言い換えれば、課税権を乱用する政府を牽制できるのは、納税者である国民側にあるということを思い出すべきです。 したがって、消費税増税の反対署名や地元政治家への陳情は、消費税増税を止める最後の希望となるのです。幸福実現党は、最後まで消費税増税中止を諦めません!(文責・静岡県本部幹事長 中野 雄太) 消費増税中止を求める署名にご協力を!⇒http://info.hr-party.jp/2013/1971/ 北極海航路開拓への挑戦と北の守りの強化を! 2013.08.31 ◆新たなるフロンティア、北極海航路 北極海の夏季の氷が年々薄くなっています。 アメリカ連邦政府は3~5年後の夏季には、北極海が全く氷結しなくなる可能性があるという予測をしてます。 現在は、北極海航路が利用できるのは7月から10月までの4ヶ月前後というのが定説ですが、古い氷が積み重なった多年氷に代わり、砕きやすい一年氷が増えれば、通年の航行も可能となるとも言われています。 これにより、アジアとヨーロッパを結ぶ最短ルートが注目を集めています。 こうした地政学的変化を受け、各国はロシア沿岸の北極海を横断する「北極海航路」の重要性を位置づけ直し、新たな戦略を作成しています。 ロシアのプーチン大統領は、北極海航路をスエズ運河に比肩する世界の大動脈に発展させる方針を示し、インフラ整備に力を入れるよう、2年前から関係当局に発破をかけています。 さらに、ロシアは原子力潜水艦の建造を急いでいます。北極海の海上アクセスを活用したロシアの北方艦隊強化の動きに警戒が必要です。 また、アメリカは「融氷した北極海における海軍作戦」の立案を急いでいるようです。 ◆日本にとっても重要な北極海航路 8月16日、ナフサ(粗製ガソリン)を積んでノルウェーを出発したタンカーが水島コンビナート(岡山県)に到着しました。実際にナフサタンカーが北極海を航海したのは初めてのことです。 スエズ運河を通る南回り航路では40日かかるところ北極海航路では25日程度で、日程を4割短縮しました。 運航コストにおいて砕氷船のチャーター料金は発生しますが、「スエズ運河の通航料や海賊対策の武装コストと変わらない」(旭化成ケミカルズ)とし、運航日数が短い分、2割程度安くなっています。(8/16 日経「北極海航路資源に『近道』旭化成など、北欧からナフサ 機動的調達可能に」) 現在使われている南回り航路には、不安定要素が数多く存在します。 ソマリア沖の海賊問題をはじめ、エネルギー輸入の大部分を頼る中東の不安定な政治情勢、中国の覇権拡張主義に脅かされる南シナ海、併合へのカウントダウンが始まろうとしている台湾近海などです。 ただ、日本は現在、原発を再稼働できないことから、石油や液化天然ガスなどほぼ全てのエネルギーをタンカーで輸入せざるをえません。 中国によるシーレーン封鎖などに対するリスク分散として、北極海航路の更なる活用は当然であり、ナフサのほか、液化天然ガス輸入も検討されています。 国としては国交省が昨年8月に北極航路の利用に向けた検討会を立ち上げましたが、諸外国と比べてあまりに後れを取っている状態です。 ◆東シナ海、南シナ海に続いて北極海を狙う中国 特に中国は、自国が「北極に近い国」であると称し、北極海での権益確保にかなり積極的に乗り出しています。 北極評議会(米・露・カナダ・デンマーク・ノルウェー・アイスランド・フィンランド・スウェーデンの北極圏に関して直接的な利害を得るとされている8カ国で構成)がOKを出した会議にしか参加できないアド・ホック・オブザーバーの立場であった中国は、オブザーバーの地位を狙って外交を展開。 例えば今年4月アイスランドとFTAを締結し、自国への輸出を前年の40%以上増加させ、友好国を増やす外交を展開。 その結果、今年5月に行われた北極評議会の会合で、カナダやロシアの強い反対にもかかわらず、中国は閣僚級会議以外のすべての会議に参加できるオブザーバーの地位を得ました(日本、韓国も同様)。 現在は、世界最大の砕氷観測船「雲龍」を保有。過去5回にわたり北極観測航海を行っている他、新たな砕氷観測船を建造中です。 また、ノルウェーに観測所を設けており、アイスランドにもオーロラ観測基地をつくる計画があり、相当の先行投資を行っています。 東シナ海、南シナ海に続き、世界の未発見のガスが30%、原油が13%眠るとされる北極海を手に入れるため、着々と計画を進めているのです。 ◆今後、熱くなる北極海航路に伴う守りを十分にせよ 一方で日本には中国、韓国が持っている砕氷船すらまだありません。今後は、砕氷船の建造・取得と共に、北極海航行用船舶の整備や専門技術を持つ船員の育成の課題なども出てきます。 また、北極海航路の利用が増えるにしたがって必要となるハブ港に、中国の大連港や韓国の釜山港が名乗りを上げていますが、本来であれば、北東アジアで一番北極海航路に近い位置の日本の苫小牧港がその役割を果たすべきです。 更には「北のシーレーン」防衛の問題が発生します。中国は20年には海上貨物の最大15%を北極海経由にする計画を持つとされています。 今年7月、中国海軍の艦艇5隻が宗谷海峡を通過したのが初めて確認されましたが、宗谷海峡は中国が海運拠点として有望視する北朝鮮の豆満江(とまんこう)から北極海に向かう「北のシーレーン」上にあります。 「北極海航路の重要性が増すにつれ、日本北方海域での各国海軍の動きはますます活発になる」と日本の防衛省関係者は指摘しています。(8/28 日経「『航路の利用進む北極海』=軍事機密、共通海図阻む=」) 中国は今後日本の宗谷海峡、加えて北極海への最短ルートである津軽海峡を頻繁に通過するようになるでしょう。津軽海峡の真ん中は、現在、公海となっています。 公海を通行しても日本が何もしてこないということを知っている中国が、この海峡を重要かつ脆弱なポイントとして認識していることは明らかです。 日本は今後、これら公海を含む海峡の定義の見直しと管理を強化し、中国を牽制しつつ国防を強化すると共に、新たなフロンティアである北極海航路開拓に向けて、積極的に打って出る必要があります。(文責・湊 侑子) 財務省の「つぶれるつぶれる」詐欺 2013.08.30 ◆財務省の脅し――増税しなければ、株価・国債大暴落? 麻生財務相は30日の記者会見で「消費増税を見送れば、日本は財政再建を先送りしたとして株価や国債価格が下落する可能性がある」と懸念を表明しました。(8/30 ロイター「消費増税見送り、財政再建先送りと取られかねず=財務相」) 麻生財務相は「消費増税をしなかった場合、日本は財政再建をする気はないと取られて、株を一斉に売り浴びせられる」「国債が下がることも考えられる」と語り、消費増税しなければ「財政破たんリスク」が高まり、株価や国債が暴落する危険性があると警告しました。(同上) この「消費増税しなければ、財政破たんを懸念する海外投資家が株や国債を売り浴びせ、暴落する」というのは「悲願の消費増税」を強行しようとする財務省の常套句です。 財務官僚は、政治家やマスコミが「財政破たん」や「国債暴落」といった“脅し文句”に弱いことを熟知しているのです。 ◆財務省の「つぶれるつぶれる」詐欺 このことについて、産経新聞社特別記者・編集委員兼論説委員の田村秀男氏は、「オオカミが羊を襲いに来たぞ~!」と大声で脅す「オオカミ少年」に喩えて、財務省「オオカミ少年」論を展開しています。(田村秀男著『財務省「オオカミ少年」論』産経新聞出版) 田村氏は同著で「『増税しなければ財政破綻』は真っ赤なウソ」「経済というものは『財源がないから増税する』といった単純な“北風の論理”だけではうまくいくようにできていない。」 「経済は生き物である。増税すればその分、人々はおカネを使わなくなり、日本の産業は衰退し、企業業績は落ち込み、従業員の給料も減って、いくら増税しようが税収自体が減ってしまう」と批判しています。 そして、「税収自体を増やすために何をすべきかは明々白々である。景気をよくするしかない」「政府が税収を上げる最も効果的な方法は増税などではなく、景気を浮揚させ、名目GDPを増やすことである」と結論付けています。 田村氏の主張は、まさしく幸福実現党が立党以来、主張し続けて来た「消費増税すれば、景気が悪くなって税収が減る」「増税ではなく、経済成長を!」という経済政策と軌を一にするものであります。 ◆景気が良くなって税収が増えている! 実際、2012年度の国の税収は43兆9314億円となり、アベノミクス効果によって、見積もり額より1兆3244億円も上回りました。(7/3 産経「12年度の税収1.3兆円上ぶれ アベノミクスで法人税収増」) 税収が上ぶれた理由は、アベノミクスに伴う円安によって企業業績が改善し、法人税収が増加したことや、株高によって、所得税収が増えたこと等によります。 事実上、2012年度内で「アベノミクス効果」が影響したのは、第4四半期(2013年1~3月)の3ヶ月間のみです。年間に置き換えれば、単純計算で税収が5兆円も上ぶれる計算です。 名目GDPの伸びで税収がどれだけ増えるかを示す値として「税収弾力値」というものがあります。 元大蔵官僚で、嘉悦大学教授の高橋洋一氏は「直近の10年間の税制改正なしの税収弾性値は3.13である」と算出しています。(8/19 現代ビジネス「消費税増税の前に政府が抱える巨額な金融資産と天下り先特殊法人を処分すべきだ」) すなわち、名目GDP成長率3%を達成できれば、税収は3.13倍の9.4%、約4兆円増えると試算できます。3%成長が3年間続けば、今よりも税収は約12兆円増えます。 消費税を10%に増税すると、消費税収は約10兆円増えると見積もられていますが、消費増税せずに、3%成長を3年間、堅持した方が税収がはるかに多くなるのです。 前出の田村氏は「税収が減る恐れのある消費増税よりも、名目成長率を引き上げるアベノミクスを徹底することのほうが、財政再建見通しを確かにする」と述べています。(田村秀男著『アベノミクスを殺す消費増税』飛鳥新社) 幸福実現党は、豊かで強い日本を築くべく、増税ではなく、経済成長により、財政再建を実現して参ります。(文責・政務調査会長 黒川 白雲) 参考:「ストップ!消費増税」特設ホームページ⇒http://special.hr-party.jp/stop-tax-hike/ すべてを表示する « Previous 1 … 63 64 65 66 67 … 78 Next »