Home/ 経済 経済 成長戦略インサイト(3)「中国国内外を揺るがす新型ウイルス」 2020.02.07 本日は、成長戦略インサイト(3)「中国国内外を揺るがす新型ウイルス」(2020年2月7日号)をお送りします。 成長戦略インサイト(3)「中国国内外を揺るがす新型ウイルス」(2020年2月7日号) http://hrp-newsfile.jp/2020/3813/ 幸福実現党成長戦略部会長 西邑拓真 ――新型コロナウイルス感染症が中国を中心に感染が拡大している 6日9時時点で、感染者数は合計で28,248人に及び、そのうち中国国内の感染者数は28,018名(そのうち死者は563名)、日本国内の感染者は21名となっています。 中国湖北省・武漢市では連日、新たな患者が1,000人超規模で確認されていますが、現地では、病床、医療人員の不足など、医療体制が追いつかない状況が続いています。治療が十分に行われていないこともあり、武漢市での感染者の致死率は4.9%と、中国本土全体(2.1%)に比べて倍以上に及んでいます。 ウイルスの感染拡大をめぐっては、中国当局による情報統制により、拡大阻止への初動が遅れたと見られています。 肺炎の危険性にいち早く警鐘を鳴らしていた武漢市の医師・李文亮氏が、自らも感染症に感染し、7日、同肺炎のため亡くなりました。 李氏は昨年末、SNS上のグループチャットにおいて、「海鮮市場で7件のSARS(重傷急性呼吸器症候群)に似た肺炎が確認された」との書き込みを行ったのに対し、武漢市の公安当局が「事実でない情報を流布した」として、李氏に訓戒処分を言い渡していました。 その他、李氏の事案以外にも、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」へのウイルス感染に関する書き込みについて、投稿の削除が相次いで確認されており、このことからも当局が情報統制に躍起になっている状況が伺えます。 先月20日、習近平国家主席はようやく「重要指示」を出し、「迅速な情報開示」などを命じましたが、これをかけ声倒れに終わらせては、国際社会が許さないでしょう。これを機にして中国政府は、言論に対する統制のあり方そのものを根本的に見直すべきであり、国際世論も喚起されるべきです。 武漢市内では今、駅や高速道路等を封鎖する措置がとられていますが、武漢市にいる1100万人のうち、500万人はすでに、武漢市外へ移動したとも言われています。今後の感染拡大は予断を許さない状況です。 ――中国経済への影響も大きい 中国はまさに、米中貿易戦争と新型コロナウイルス感染症のダブルパンチを受けて人・モノの動きに制限がかけられ、経済的に大きな打撃を受けた状況にあります。 こうした中、中国人民銀行は3日、金融市場に対し1兆2千億元(約18兆7千億円)を供給する公開市場操作を実施しました。ただ、経済活動そのものに制限がかけられている以上、資金供給を行ったとしても、効果は限定的とも見られます。 中国経済の不調は今後、世界経済へも大きく波及すると懸念されています。 韓国の現代自動車は4日、中国からの部品供給が滞ったことが原因となり、韓国国内にある全工場の稼働を停止すると発表しました。このように、中国に生産拠点を置く企業は今、サプライチェーンのあり方について、方針転換を迫られているのです。 翻って日本政府はこれまで、インバウンド消費の拡大を推進してきましたが、感染症の拡大で、その流れに影を落としています。いずれにせよ、これを機に改めて「チャイナリスク」を見つめ直し、日本政府としても内需拡大と、製造業の国内回帰を推進すべきでしょう。 ――太平洋の島嶼国であるミクロネシア連邦とツバルは、日本からの入国を制限する措置を取った 日本が「感染国」との烙印を押されたのは、日本政府による対策の不徹底によるところがあると言わざるをえないでしょう。 日本政府はすでに、在留邦人のうち希望者に対し、チャーター便で帰国させる措置を取っていますが、第一便での帰還者のうち2人が一時、検査を拒否するなど、水際対策の不徹底が露わとなりました。 それに対して、米国政府は先月31日、同感染症をめぐって「公衆衛生の緊急事態」を宣言し、湖北省から帰還する米国人を2週間隔離したり、中国に滞在歴のある外国人を入国拒否とするなど、徹底した対策を行っています。 日本政府は1日、同感染症を「指定感染症」とする政令を施行しましたが、その指定は、患者の強制入院等を可能とする「2類」に留めています。本来は、「無症状病原体保持者」に対して「検査」や「隔離」措置などを行える「1類」指定を行うべきでしょう。 いずれにしても、今回の感染症に対する日本政府の対応は、危機管理能力の脆弱性が改めて浮き彫りとなった形です。 また、中国・習近平国家主席の国賓待遇での訪日が、同感染症の流行によって延期されるとの見方もありますが、「延期」では本来十分ではありません。 習氏の国賓待遇については、日本政府として、中国政府による強まる人権弾圧、覇権主義に鑑み、全面見直しをすべきです。 (参考)高橋洋一「新型肺炎、対応が遅すぎる日本政府! 頭使わぬ厚労省に呆れ…遅すぎた『感染症指定』の施行日 中国配慮?のWHOの動きも鈍く」(夕刊フジ, 20年2月5日付) 以上 成長戦略ナレッジ(2)「地方独自としての消費減税の可能性」 2020.02.04 政調会成長戦略部会は、地方独自としての消費減税の可能性について、「成長戦略ナレッジ」として論点整理を行いましたので、皆様にご紹介いたします。 成長戦略ナレッジ(2)「地方独自としての消費減税の可能性」(2020年2月3日) http://hrp-newsfile.jp/2020/3810/ 幸福実現党成長戦略部会長 西邑拓真 〇地方消費税の仕組み ・現在、消費税の標準税率は10%(軽減税率は8%)ですが、そのうち国税部分が7.8%(同6.24%)、地方消費税分が2.2%(同1.76%)となっています。現在の税制では、原則として地方消費税の税率は一律となっており、各自治体が独自に税率を設定できるわけではありません。 ・消費税は、負担者が消費者で、納税者が事業者と、負担者と納税者が異なるという意味で「間接税」と位置付けられます。事業者は消費税を国税分と地方税分を併せて税務署に一括して納付し、その後地方税分については各自治体(都道府県、市町村)に払い込まれる仕組みとなっています。 ・「消費税の最終的な負担は消費者であり、税収は最終消費者に帰属すべき」との考えにより、自治体に払い込まれる地方消費税額は、小売販売額や人口、従業者数などを基準に「精算」した上で配分されます。(*) (*)「地方消費税の精算基準の概要」(https://www.soumu.go.jp/main_content/000481794.pdf)参照 〇地方自治体が独自として消費減税するには課題もある ・ここでは、地域活性化策として地方消費税の減税を実施するにあたっては、どのような状況が起こりうるか議論していきます。まずは、税制を変更して、地方自治体が独自に地方消費税の税率を変更することができるようにした状況を想定します。 ・地域ごとに税率が異なることになれば、消費者や事業者などにとってもそうですが、消費税は小売段階だけでなく製造、卸売など中間段階にもかかることも考えれば、現状の「精算」機能を据え置いた場合などは、複雑な状況が起こることは避け難いと思われます。税率設定の自由化を行う際には、周辺の制度設計を見直す必要性が生じるなど、クリアすべき課題が多いというのが実際のところです。 ・欧州や北米では、国家間や国内の州・地方政府間で付加価値税、あるいは売上税の税率に差が生じている時、自身が属する地域ではなく、あえて税率の低い地域に足を運んで商品を購入するという「クロスボーダー・ショッピング」が生じることが観察されています。これは、税を含めた商品の価格差が、移動に伴う様々なコストを上回る際に生じるものです。 ・消費が行われる場が、税率が高い地域から低い地域へ移ることになれば、税率が高い地域はクロスボーダー・ショッピングが生じるのを避けるため、税率を低くしようとするでしょう。こうした動きが全国に広がれば、地域間で税率引き下げ競争が生じることも想定されます。 ・税率が下がること自体は喜ばしい面が大きいですが、税収減が伴わざるをえない部分も否定できません。国の財政状況を考えれば、現状では地方交付税交付金を大きく増額することは考えにくいため、地方自治体が減税策を行う際には、公共サービスの提供のあり方を見直すなど、地方行政のスリム化を図らなければならないでしょう。 ・また、地方消費税にかかる税率設定のあり方については現状のまま据え置くとした場合は、例えば、全国数カ所に「地域活性化のための特区」を設け、特区内の消費税は低く抑える、という方策も考えられます。ただ、人口減少に喘ぎ、地方活性化を急ぐべき地域は多く存在するほか、クロスボーダー・ショッピングが行われて特区周辺の消費が減退して不公平な状況が生じる可能性を含むため、特区の選定に向けては、一定の根拠が求められることになるでしょう。 〇地域活性化に向けて ・以上、様々な検討課題は残されてはいるものの、消費税の減税策については、「消費税の5%への減税を目指す」のを前提としながらも、当面の代替案として、「(a)地方消費税は地方が独自に設定できるようにするなど一連の制度改正を行い、地方消費税や交付税交付金に頼らない地方自治体(地方行政のスリム化や、企業や住民の誘致など他の地方活性化策による税収アップ)を目指しながら、地方自治体として消費税の地方税分を引き下げる、もしくは(b)全国に数カ所、地域活性化のための特区を設け、特区内で独自の消費税率(例えば5%)を設ける。」とするのも一つでしょう。 ・その他、地域活性化に向けては、農業分野や都市開発などにおける規制のあり方の見直し、都市・地方間における物流・人的交流の活性化に向けたリニア新幹線の整備をはじめとしたインフラ整備、観光資源の最大限の活用など、様々挙げられるでしょう。 ・地方を中心に少子高齢化が急激に進行するわが国にあって、地方独自として消費減税を実施するとの可能性を含めて、有効な地域活性化策の実施が急がれます。 (参考) 鈴木将覚「地方消費税の役割と課題」(みずほ総合研究所)(2015年2月4日) 深澤映司「地方消費税を巡る税制立設定の自由化に伴う経済的影響」(国立国会図書館レファレンス)(2014年4月) 以上 メガバンク・地銀の大淘汰時代が始まった!【後編】 2020.02.03 本日は、「メガバンク・地銀の大淘汰時代が始まった!【後編】」をお送りいたします。 (広報本部) メガバンク・地銀の大淘汰時代が始まった! https://www.youtube.com/watch?v=HiAu89u1Urw 幸福実現党党首 釈量子 ※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。 ◆銀行の海外投資拡大でリスク高まる 海外リスクも高まっています。 国内金融機関の対外債権の伸びを見ると、マイナス金利の影響で、国内では収益が増えない日本の銀行は、ここ数年、収益確保のため、海外投資を拡大してきました。 背景には、日本の銀行はリーマンショックの際に悪影響が少なく、海外投資の余力が大きかったことがあります。 特に、メガバンクなどの大手行は海外ビジネスを拡大することによって海外金融機関との関係が深まっています。 しかしその反面、海外で金融危機が発生した場合、リーマンショックの時に比べ、影響が及びやすくなっています。 日銀が定期的に出している「金融システムレポート」で昨年10月、海外のリスク資産の中からCLOという金融商品を取り上げて注意喚起をしています。 CLOというのは、「ローン担保証券」(Collateralized Loan Obligation)の略で、「高リスクの債権をパッケージ化した金融商品」なのです。 2008年にリーマンショックを引き起こした「サブプライム住宅ローン」は、アメリカの低所得者のローンを集めた商品でしたが、CLOはアメリカの企業のローンを束ねた金融商品です。 これを日本の金融機関が買っていることが昨年わかり、話題になりました。 日銀のレポートでは、リーマンショック級の経済危機が起きると、アメリカ企業の破綻などでCLOが下落し、日本の銀行も大きな損失を被る可能性があると警告しています。 また差し迫ったリスクとしてはアメリカとイランの「戦争リスク」、そして「中国バブル崩壊」の可能性もあります。 ◆「銀行」対「テクノロジー企業」の戦い さらに銀行にとって、全く違う業界からライバルが現れました。それがハイテク企業です。 GAFAに代表されるようなハイテク企業です。 例えば、ネット通販最大手のアマゾンは「アマゾンレンディング」というサービスを2014年に始めました。これは、アマゾンに出品している販売店向けの金融サービスです。 普通、銀行から融資を受けるためには、事業計画に加えて担保も必要。さらに、銀行が融資を決定するまで数週間、時間かかります。 ところが、アマゾンは、マーケットプレイスでの実績があれば審査なしで一定額の融資を受けることができます。 ポイントは、これまで銀行のような「担保至上主義」ではなく、事業の本質により近い「商売の流れ」つまり「商流」を見て判断している点にあります。 こうしたハイテク企業の挑戦を受け、先日、三菱UFJフィナンシャルグループは4月1日付けで、デジタル化を担当する亀澤宏規副社長が社長に昇格しました。 記者会見では、「(銀行が持っている)信頼やブランドはうかうかしているとなくなってしまう。 これらが保たれているうちにイノベーションを作っていかないといけない」と危機感を露わにしています。 ◆日本政府がなすべきことは? 最後に、日本政府ができることを考えてみたいと思います。 まず、「戦争」や「中国バブルの崩壊」といった海外リスクにより国内で混乱が起きるような時は、断固、金融機関を潰さないという腹を据えるべきです。 98年に北海道拓殖銀行がつぶれましたが、私たちは「日銀特融すればよかった」を考えています。金融機関は信用がすべです。断固たる決意で守るべきです。 そして、「マイナス金利」の見直しを始める必要があると思います。 「マイナス金利」の副作用として、銀行の収益が低下、リスクの高い海外投資を増やさざるを得ない現状を見ると、政策効果よりも弊害の方が大きくなっているように思います。 マイナス金利継続の理由が「デフレ脱却」にあるならば、「金融緩和や財政出動」とは真逆の「デフレ政策そのもの」である「消費増税」を止めるべきだったと言いたいところです。 恒久的に国民の懐から税金を召し上げる以上のデフレ政策はありません。 そして、アメリカのトランプ政権で実証されている「減税」や「規制緩和」を中心とした新しい成長戦略で、日本経済を成長させる方向に舵を切ることが、確実に銀行の収益力を高めることになると思います。 銀行の原点は、新しい企業を黒字型で発展させ、その結果、融資も預金も増える共存共栄型の成功にあると思います。 その結果、国や地方の税収を増やすことができます。いくらテクノロジーが発展しても、銀行と企業の二人三脚で企業を成功させる仕事は残るはずです。 銀行が新たな付加価値を生み出す源泉になるような社会を創っていくべきだと思います。 メガバンク・地銀の大淘汰時代が始まった!【前編】 2020.02.02 本日は、「メガバンク・地銀の大淘汰時代が始まった!【前編】」をお送りいたします。 (広報本部) メガバンク・地銀の大淘汰時代が始まった! https://www.youtube.com/watch?v=HiAu89u1Urw 幸福実現党党首 釈量子 ※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。 ◆マイナス金利と消費増税の影響 今回は「メガバンク地銀の大淘汰時代が始まる!」というテーマでお話したいと思います。 アベノミクスが始まってから、異次元と呼ばれる大規模な「量的緩和」を行い、デフレ脱却の指標である「物価目標2%」を目指してやってきました。 ジャブジャブにお金を流せばインフレになって物価が上がる、という考えです。 ところがそれでも効果はなく、2016年、政府日銀は、次の手に出ました。それが「マイナス金利政策」です。 民間の銀行は、いざという時のために、お客様からあずかった預金残高のうち一定額(所要準備額)を、日銀の当座預金に預けないといけない決まりになっています。 これまで、その一定額を超える金額を預けると(超過準備額)、0.1%の金利が得られました。だから銀行は、日銀に資金を預けたままにしておきました。金利がついて、銀行の利益になるからです。 しかし4年前、黒田総裁が預けると逆に金利を取りますよ、という「マイナス金利」を導入しました。 民間銀行に「寝かせておいたら駄目ですよ、損になるよ!」ということで、日銀としては「銀行は資金を市中に回して景気もよくなるだろう」という目論見だったわけです。 ところが、それでも資金需要は上がらず、物価も2%になりません。 それは消費税を増税してしまったからです。 強制的に懐から奪われるのでみんなお財布を絞める。金融緩和のまさに真逆です。その結果、企業の売上もあがらないし、給料も上がりません。 ◆「マイナス金融」のあおりは銀行に 「マイナス金融」のあおりを食っているのが銀行です。 銀行の本業のもうけを示す「コア業務純益」(一般企業の営業利益に近いもの)は、メガバンクを含む大手と地銀のどちらも右肩下がりです。 「マイナス金利」という超低金利のまま何年も経ち、いま、銀行は収益が圧迫されて瀕死の状態に陥っています。 21日の「政策決定会合」の記者会見で、黒田総裁はスウェーデンのマイナス金利を打ち切ったことについて記者から質問され、「日本は政策効果が副作用を上回っている」と答えていました。 黒田総裁としては、デフレ脱却の指標である「物価目標2%」を実現するまで、マイナス金利を解除するつもりはないということです。 ◆地銀は大淘汰時代へ では、銀行はどうなるのでしょうか。 メガバンクはマイナス金利の影響を受け、今後、三菱UFJが9,500人、三井住友4,000人、みずほ19,000人。合計3万人以上の「事実上のリストラ」を既に発表しています。 地銀はというと、メガバンクよりも儲ける手段が限られているのでもっと厳しいです。 政府の方針はというと、「地銀の再編」を後押ししているようです。 昨年6月、政府は成長戦略を話し合う「未来投資会議」で、地銀の経営統合を促すため、独占禁止法の特例を認める方針を盛り込みました。 仕組みを簡単に言うと、経営が危ない地銀Aと、健全経営の地銀Bを合併させようとした場合、これまでは「公正取引委員会」に申請して認可を受けていたのですが、特例法では監督官庁である金融庁の判断で、認可が出るようにしたわけです。 銀行の二大コストは人件費と物件費です。こうした地銀再編の環境が整うと、生き残りをかけて、コスト削減を目指した統合合併が加速すると思います。 地銀の統合合併により人員整理、店舗の統廃合などで収益力の改善が期待できます。 そして金融庁も、「アメ」と「ムチ」で再編圧力を強めようとしています。 「アメ」とはなにかというと、銀行は、経営破綻に備えて、顧客の預金を保護するため「預金保険法」という法律に基づいて「預金保険」というのに強制加入することになっています。 預金保険機構という政府日銀出資の機構に収めるのですが、預金の量に応じて決まる料率を、業績が改善した地銀には料率を下げますと言っています。 一方「ムチ」として、収益悪化が著しい地銀には「要注意リスト」に入れると、再編を含む経営改革を迫ります。 今後、地銀大再編が起こるのは避けられません。 (つづく) 成長戦略インサイト(2)「安倍政権に残る『レガシー』はあるか」 2020.01.26 政調会成長戦略部会は、「成長戦略インサイト」を発行しました。今回は、1月25日号「安倍政権に残る『レガシー』はあるか」をお送りします。 ———————————– 成長戦略インサイト「安倍政権に残る『レガシー』はあるか」(2020年1月25日号) http://hrp-newsfile.jp/2020/3799/ 幸福実現党成長戦略部会長西邑拓真 ――20日、安倍晋三首相は、衆参両院の本会議で施政方針演説を行った 今回は東京五輪・パラリンピック関連の話題が前面に出た内容となり、ここで「今大会を成功させる」との決意も述べられました。 第2次安倍内閣が発足して現在、8年目に入っています。自民党総裁任期の満了まで残り1年9カ月となる今、昨今の情勢を踏まえ、本来はどのような政権運営が行われるべきか、改めて問われる必要があるでしょう。 ――演説でも触れられた「全世代型社会保障改革」について 「全ての世代が安心できる制度」というのは名ばかりなのが実態です。 国の財政がひっ迫する状況の中で、政府はこれまで、「全世代型社会保障」と称して教育の無償化を進めてきましたが、国の財政がひっ迫する状況を考えても、これは合理性を欠如したものと言わざるをえません。 国の債務はいまや約1,100兆円にものぼる状況です。安倍政権でも増税・バラマキが繰り返しされ、政府の肥大化を進展させてきました。 そもそも、少子化対策の一環として進められてきたはずの「社会保障の充実」ですが、これは少子化対策にとって真逆の結果を生み出しかねないというのが事実でしょう。 子供がいなくても老後は国家が面倒を見てくれるのであれば、子供を持たなくても良いという人も出てくるでしょうし、度重なる増税で経済が上向かないばかりか、社会保障の充実が将来的な増税を想起させるものと捉えられれば、若者世代の経済的不安はますますかきたてられ、子供を産みたくても産めないという事態に陥ることにもなるでしょう。 また、今回、高齢化が今後一層進展するのを踏まえ、「(社会保障に関する)現役世代の負担上昇に歯止めをかけることは待ったなし」との考えも示されました。 ただ、実際のところ、今の「社会保障改革」は、弥縫策が繰り返されているとの印象です。年金の積み立て方式への移行や、医療分野の規制分野を大胆に進めるなど、税金の無駄を徹底的に排除するための本質論に迫ってほしいものです。 第二次安倍政権が誕生してからこれまで、アベノミクスは「三本の矢」のうち「成長戦略」が不在であると言われ続けてきました。「景気対策」を繰り返すのではなく、今は、いかにこの国を持続的に成長させるかを考えるべき時です。 総じて、長期的な国の発展に向けては、少子高齢化からの脱却や将来的な移民の積極的な受け入れを念頭にしながら、起業家含め各企業が事業を成功しやすくするための、国としての環境整備が必要です。 こうした意味でも、政府のスリム化とともに大胆な減税策を実施しながら、規制緩和など歳出をできるだけ要しない成長戦略を行うことも肝要です。 ――さて、施政方針演説で「台湾」に言及されたことも話題となった 演説では、東京五輪・パラリンピックにおいて、岩手県野田村が台湾のホストタウンになる旨述べられました。 首相の施政方針演説で、日本と国交がない状態にある「台湾」に触れられることは異例のこととされています。 これについて、台湾の蔡英文総統は自身の公式ツイッター上で、「実に嬉しい」としています。しかし、安倍首相にはもう一歩踏み込んだ発言もして頂きたかったとも思います。 遡って12日、台湾総統選で蔡英文総統が再選を果たしました。過去最多となる800万票超の得票となり、対立候補を圧倒する結果となりました。 日本にとって台湾は国防面で見ても運命共同体の存在と言えます。 日本は、国防・経済の両面において台湾と手を携え、政府として中国の覇権主義を止めるとの立場を明らかにしなければなりません。中国・習近平国家主席を国賓として日本に招くなどもってのほかです。 ――今月19日、日米安全保障条約が改訂されて60年となった 安保条約を根幹とした日米同盟による抑止力が、戦後日本の平和に対して大きな役割を果たしてきました。 ただ、同条約に関しては、トランプ米大統領が不満を示す通り、片務性があるのは確かでしょう。こうした意味でも、自主防衛体制の強化を急ぐべき状況に置かれています。憲法9条第2項の削除など9条を全面改正することにより、この国を守り抜くための体制整備が必要です。 安倍政権下での憲法改正が実現するには、残された時間は少なく、既に、拙速な議論は許されない状況にあります。「次の世代へタスキを渡した」で終わってしまうのであれば、それは「レガシー」とは断じて言えません。 まずは、憲法改正の本格議論に入ることを急ぐべきです。 以上 トランポノミクスは革命的モデルとなるか?GDP5%成長を実現する経済政策の秘密【後編】 2020.01.23 本日は、「トランポノミクスは革命的モデルとなるか?GDP5%成長を実現する経済政策の秘密【後編】」をお送りいたします。 トランポノミクスは革命的モデルとなるか?GDP5%成長を実現する経済政策の秘密 https://www.youtube.com/watch?v=P78IV4HzuyM 幸福実現党外務局長 及川幸久 ※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。 ◆「サウジアメリカ」の時代 「トランポノミクス」の具体的な内容はとして「大型減税」「規制撤廃」「自前のエネルギー源」「フェアな貿易協定」の4つあり、前編で「大型減税」と「規制撤廃」について述べました。 次に「自前のエネルギー源」ですが、世界で最も石油を輸出している国はサウジアラビアですから、米国は同盟国として関係を重要視し、石油を輸入し続けてきました。 しかし、シェールオイルの開発、自前の石油と石炭という大きなエネルギー源を米国は持ったことによって、中東から石油を買う必要がなくなってきました。 書籍「トランポノミクス」の中で、トランプ大統領が自前のエネルギー確保に力を入れている様を「サウジアメリカ」と、中東産油国に頼る時代ではないことを表現していましたが、日本にとっても重要な教訓だと思います。 ◆双子の赤字を遺したレーガノミクス また、米国の大型減税政策で有名なのは「レーガノミクス」で、所得税を15%と28%の2段階とし、大胆な減税で米経済を復活させたといわれていますが、一方でレーガノミクスは「貿易赤字の削減」が出来ませんでした。 確かに減税政策によって、米国人の賃金収入は増えたのですが、当時の日本製品をはじめ、海外の物を買うようになり、結局貿易赤字は増加したわけです。 また、ソ連との冷戦構造における軍拡競争によって、政府の負債が増え、双子の赤字となりました。 ◆レーガノミクスの教訓を踏まえたフェアな貿易協定 この教訓が「トランポノミクス」には入っていて、トランプ大統領は自由貿易協定の見直しをしており、それがフェアな貿易協定です。 具体例として、USMCAという米国とカナダ、メキシコの自由貿易協定に最近ようやく米議会が批准しました。 以前は、同3か国の間ではNAFTAと呼ばれる自由貿易協定が存在しましたが、米国の大企業は人件費の安いメキシコ等に工場を移転したため、大企業にとってはメリットが大きかったのですが、貿易赤字が増え、米国内の労働者にとっては職がなくなり賃金は下がりました。 トランプ政権はこの見直しに3年間もの期間をかけ、米国内の労働者によって有利になるような自由貿易協定USMCAを作りました。 そして、これと同時にトランプ政権は中国とフェアな貿易をやるために米中貿易戦争と言われるものを繰り広げています。 それ以外にEU、日本、韓国、またEUから離脱するイギリスとも、自国の労働者にとってフェアで、新たな自由貿易協定を作っていこうとしています。 以上がトランポノミクスの全容であり、GDP5%成長を目指すという革命的な目標を掲げています。 ◆日米で年率5%経済成長を実現する実行力 昔の高度経済成長の時代ならともかく、現代の先進国が年率5%の経済成長というのは常識では考えられない数値です。 実際、トランプ大統領が就任して3年が経過し、株価は史上最高値を更新し続けていますが、GDP5%成長はまだ達成出来ていませんが、トランプ政権は引き続いて、この達成を狙っていくでしょう。 このトランポノミクスについて、大川隆法党総裁の新刊書『鋼鉄の法』の中で「大川総裁が作った幸福実現党の考え方はトランポノミクスとそっくりで、幸福実現党もGDP5%成長を目指すべきだ」と述べております。 我々も、トランポノミクスのような革命的な経済政策を、日本において推し進め、GDP5%成長を実現する実行力となるべく頑張って参ります。 トランポノミクスは革命的モデルとなるか?GDP5%成長を実現する経済政策の秘密【前編】 2020.01.22 本日は、「トランポノミクスは革命的モデルとなるか?GDP5%成長を実現する経済政策の秘密【前編】」をお送りいたします。 トランポノミクスは革命的モデルとなるか?GDP5%成長を実現する経済政策の秘密 https://www.youtube.com/watch?v=P78IV4HzuyM 幸福実現党外務局長 及川幸久 ※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。 ◆ワシントンDCでトランプ氏当選を見抜いた数少ない人物 今回は米トランプ大統領の経済政策「トランポノミクス」をテーマにお伝えします。 トランプ氏が大統領になってから、米国内の株価が上がり続けており、一部では2020年辺りにバブルが弾けるのではないかと言われていますが、「トランポノミクス」は果たして正しいのかという事を含めて、検証してみたいと思います。 トランプ氏が大統領候補として現れた時、米国政治の中心ワシントンでは一様に「トランプ氏が大統領になるなんてありえない」という雰囲気を感じました。 しかし、その中でトランプ氏が大統領になることを明言していたのが、減税を推進している全米税制改革協議会(ATR)の会長、グローバー・ノーキストでした。 その理由は「今の米国に最も必要な経済政策は減税。法人税15%への引き下げを柱に、大型減税を公約しているトランプこそ、今の米大統領に相応しい」という内容でした。 ◆小さな政府の実現が「トランポノミクス」の本質 また、リー・エドワーズという米ヘリテージ財団のベテラン研究員にお会いする機会があり、その際、「トランプ大統領のやろうとしていることは減税なのか」とお聞きしたら、「いやそれだけではない。トランプ大統領の経済政策の本質は『小さな政府』だ」と答えていたのが印象的でした。 また、「減税によって経済を発展させると同時に、規制を撤廃し、米政府の予算の無駄を省き、官僚や政治家の権限を制限し、『小さな政府』を実現することで、初めてアメリカはもう一度偉大な国として蘇るだろう」と語ってくれました。 まさにその後はその通りの展開になりましたが、減税政策を柱に「小さな政府」を志向する経済政策をパッケージとして、大統領の名前に因んで、「トランポノミクス」と呼ばれています。 ◆トランプ大統領の経済政策ブレーンが書いた「トランポノミクス」 そして、トランプ大統領の経済政策をまとめて発刊されたものが、スティーブン・ムーア、アーサー・B・ラッファーという2名の著名な経済学者によって書かれた、「トランポノミクス」という書籍です。 トランプ氏は候補者として選挙に臨む際、この2人を自分の陣営に呼び、減税という公約を政策として練り込みました。 その内容が「トランポノミクス」という書籍に書かれており、日本語版を幸福の科学グループの出版部門が発刊しました。 『トランポノミクス アメリカ復活の戦いは続く』 https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=2300 著者:スティーブン・ムーア/アーサー・B・ラッファー/藤井幹久 訳 出版社:幸福の科学出版 この書籍に書かれている「トランポノミクス」の具体的な内容は、「大型減税」「規制撤廃」「自前のエネルギー源」「フェアな貿易協定」の4つです。 ◆「トランプ減税」は中間層、低所得者のミカタ まず、減税に関して言えば、「トランプ減税」は金持ちと大企業優遇だという風に見られがちですが、実は低所得者から中間層こそ、主な対象になっていることを多くの方が知りません。 実際に議会でも、中間層への減税が十分じゃないという事で、共和党の議員から反対が出て、更に中間層、低所得者への減税を踏み込んだ内容に修正して、法案を通したこともありました。 実際に19年度の賃金成長率を所得層毎に比較してみると、富裕層2.7%に比べて、中間層は3.4%、低所得者層では5%の賃金伸び率を見ることが出来ます。 ◆「規制撤廃」による石炭産業の大復活 また、減税以上の大きな影響があったと言われるのが「規制の撤廃」で、これによって米国の石炭業界で奇跡の復活劇が今起こっています。 元来、米国は石炭の国であったにもかかわらず、オバマ前大統領が地球温暖化対策のため、CO2を多く排出する石炭を目の敵にし、石炭業へと次から次へと規制が設けられました。 この規制によって、石炭業界で雇用が減り、数万人が失職しましたが、トランプ氏が大統領になるやいなや、大統領令によって石炭業界の規制を撤廃し、一気に業界は活況を取り戻し、雇用も戻ってきました。 ◆爆発的な経済浮揚効果を持つ「規制撤廃」 トランプ大統領はあらゆる領域で規制緩和に取り組んでいますが、その結果、米国のNYダウの株価はトランプ大統領就任の翌日から1本調子で現在も上がり続け、現在も史上最高値を更新し続けています。 特に、まだ減税政策が行われる前の17年の伸びが著しいのですが、それは大統領令で不要な規制を外していったため、直接的に実体経済にプラスの効果を生み出したと考えられます。 「規制撤廃が経済にとってどれだけ有効なのか」ということをAEIという米シンクタンクの研究者が「米国の過去50年間の法規制が年2%のGDPを押し下げるだけの力があった」と興味深いことを言っています。 年平均3%成長を続けてきた米国経済にとって、もしこの規制が無ければ年5%成長、現在の米経済の4倍規模にまで成長していたと推測が出来るくらい、規制というのはものすごいマイナスの力を有しているのです。 (つづく) 緊迫対談!2020年大予想!令和大恐慌、米大統領選、香港最新情勢、台湾総統選 2020.01.18 本日は、対談「緊迫対談!2020年大予想!令和大恐慌、米大統領選、香港最新情勢、台湾総統選【後編】」(1月元旦収録) をお送りいたします。 (広報本部) 緊迫対談!2020年大予想!令和大恐慌、米大統領選、香港最新情勢、台湾総統選 https://www.youtube.com/watch?v=un3F1S4K8VQ (1月元旦収録) 幸福実現党報道局長 里村英一 × 幸福実現党外務局長 及川幸久 ※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。 ◆米国大統領選挙の行方 里村 今年、世界的に注目されるイベントは東京オリンピックをはじめ目白押しですが、何といっても米国大統領選挙の行方は気になります。及川さんの予想は如何ですか。 及川 メディアはトランプ大統領の選挙不利を喧伝していますが、私はそうではないと思います。また、今月から民主党の候補者選びが本格化してきます。 その先駆けが2月頭のアイオワ州予備選で、ここで誰が勝つかというのが重要になります。 ジョー・バイデン氏というオバマ政権の副大統領を筆頭に、前回も出たバーニー・サンダース氏、エリザベス・ウォーレンの3人が有力候補と言われていますが、3人の特徴は70代という高齢です。 ただ、最初のアイオワ州の予備選で勝ちそうなのはこの3人ではなく、ピート・ブーテジェッジ氏という37歳の男性で、インディアナ州サウスベント市長です。この人が大統領選挙に出てきて、グングン伸びています。 民主党の大統領選挙の候補者選びの特徴ですが、彗星の如く出てくる無名の人が大統領候補になっていくケースがあります。 典型的な事例では、オバマ前大統領、ビル・クリントン元大統領もそうでした。新たな候補が出てくると、トランプ大統領は危ないかもしれません。 トランプ大統領には熱狂的な支持者はいますが、数が限られています。民主党の候補者が今の有力候補3人になれば多分勝てますが、意外な候補が出てきたというのが正直なところです。 里村 トランプ大統領がもし落選したら、中国情勢等を含めて、日本には大きな影響がありそうですね。 及川 大変なことになるでしょう。ただ政治は何が起こるか分かりませんからね。 ◆トランプ大統領の当落と日本の選択 里村 今、トランプ大統領が経済・軍事両面で中国をどんどん攻めていて、かなりボディーブローのように効き始め、中国経済の失速につながっています。それ自体は中国の覇権主義を食い止める大きな仕事には間違いありません。 万が一、トランプ大統領が落選して、米国が方針を変えてしまったら、日本は自衛体制を作らない限り、どんどん中国にのみ込まれていくことになるでしょう。 及川 仮に、トランプ大統領が再選すれば、2期目からは中国に対して更に強硬に出るはずですが、日本に対しても強硬に取り組むと私は思います。トランプ大統領から見ても「自分の国くらい自分で守れ」が本音でしょう。 里村 当然のことです。日本は「思いやり予算」という言葉を使って、米国に無理難題を吹っかけられているように言いますが、自分の国を守る分を他国に委ねて、自分たちはお金も出さないのは、フェアじゃないですよね。 及川 トランプ大統領は日米間の貿易赤字を減らすために、米国産の農産物を売りつけようとしていますし、イージス艦、最新鋭ジェット機を買わせようとしています。 言われることを鵜呑みにしていたら日本の製造業は潰れてしまうかもしれません。米国の物を買うばかりになってしまったら日本のモノづくりの技術は終わってしまいます。 幸福実現党はトランプ大統領の考え方とは、基本的にほぼ同じですが、日本としては主権を持たなくてはなりませし、言うべきことは言わなければなりません。 里村 そこで間違ってはならないのは、トランプ大統領は別に日本の主権を否定しているわけではなく、むしろ「主権国家として振る舞え」と言っているということです。 及川 日本が自国の防衛をちゃんとやるようになれば、その分米国の軍事費が減るので、トランプ大統領からすると大歓迎です。トランプ大統領は軍事費を増やしている訳ではなく、オバマ前大統領が大きく減らしたものを、元に戻しているだけです。 元に戻している間に、日本や韓国、欧州の同盟国等の軍事費を増額させ、その後、自国の軍事費を大きく削減するつもりです。最終的には米国をより「小さな政府」にもっていこうとしています。 里村 なるほど。 ◆香港情勢の行方と世界の動き 最後に、昨年からデモが続いている香港情勢がどうなっていくのか。民主派が訴える普通選挙の実施という要求が通るのか、または共産党の大弾圧が始まるか、及川さんはどのように考えますか。 及川 今までの常識でみたら、あの丸腰の若者達が中国共産党政権に勝てるわけありませんが、いま自由と民主を求める反政府デモは香港だけでなく、南米、中東、アフリカなど世界中で起きています。 そんな中、成功例も出始めてきました。例えば、アフリカのスーダンです。スーダンでは長年、非常に独裁的な大統領が君臨し、政府に反対する部族があったらその部族を虐殺していました。 非武装の市民が反対デモで戦い続けてきましたが、ついにクーデターが起きて、政権が失脚します。 その後、新しい首相が先日訪米し、米政府はスーダンを支援するということになりました。何か時代が変わろうとしている兆しなのでしょう。 ◆台湾情勢の行方 里村 後は何といっても、1月11日に投票が行われる台湾総統選挙です。香港の情勢もあって、現職の蔡英文総統の支持率が上がっていますが、結果はどうなるか予断を許しません。(1月11日に蔡英文総統が再選) 蔡英文総統が勝てば、自由と民主主義の波が今世界中を大きく覆おうとしている流れが見えてきますね。 及川 里村さんは昨年台湾に行かれましたが、肌感覚としては如何でしたか? 里村 やはり蔡英文氏の支持が多かったです。しかし台湾マスコミはほとんどが対立候補の韓国瑜氏の応援に回っていました。 韓国瑜氏の演説シーンは頻繁にTVで放映されていましたが、蔡英文氏についてはイベントに20分遅刻したとか、そういうマイナスイメ―ジが強調されていました。 なぜかと言えば、台湾マスコミの9割が国民党系で、中国本土出身の人たちがメディアを作ったからです。 この台湾総統選は、2020年、世界の流れを占う上で非常に重要な選挙となりますが、同時に恐慌に対しても、どういう判断をしていくのかは2020年の大きなポイントです。 及川 中小企業の倒産が相次ぎ、失業者が溢れるかもしれない。まさに恐慌ですよ。これに対して、倒幕するしかありません。 里村 2020年は良くも悪くも、大きな変革な年になることは間違いなさそうです。 大きな変革の中で、自由と民主主義の風を吹かすのが、我々自身の力であるということを胸に、幸福実現党は第1党獲得を目指して頑張ってまいりたいと思います。 緊迫対談!2020年大予想!令和大恐慌、米大統領選、香港最新情勢、台湾総統選 2020.01.17 本日は、対談「緊迫対談!2020年大予想!令和大恐慌、米大統領選、香港最新情勢、台湾総統選【前編】」(1月元旦収録) をお送りいたします。 (広報本部) 緊迫対談!2020年大予想!令和大恐慌、米大統領選、香港最新情勢、台湾総統選 https://www.youtube.com/watch?v=un3F1S4K8VQ (1月元旦収録) 幸福実現党報道局長 里村英一 × 幸福実現党外務局長 及川幸久 ※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。 ◆世界恐慌の要因 里村 はじめに「2020年がどんな年になるか」について、及川さんが注目しているポイントについてお伺いしたいと思います。 及川 2020年は世界恐慌がくる年だと思います。歴史的に100年に1回くらいの周期で起こると言われており、前回は1929年に世界大恐慌が起こりました。 そういう意味で、当時と現在の経済状況は非常に似ていて、世界の先進国は軒並み超低金利になり、経済が長期停滞状態にあります。 第一の要因は、消費税10%への増税です。 第二としては「銀行の大倒産時代」の到来です。「地方銀行をはじめメガバンクも危ない」ということを大川隆法党総裁も言及されています。 第三はマイナス金利が最悪の段階に入ってくる可能性です。 ◆金融庁が経営指導する地銀の今後 里村 なるほど。まず二点目の銀行の大倒産について、色々なところから驚きの声を聞きますが、なぜ今銀行がダメなのか、お聞かせ下さい。 及川 日本の銀行は利益構造が非常に「薄利多売」ですが、そもそも、銀行としての役割を果たしていないのが最大の問題です。 高視聴率ドラマ『半沢直樹』でも悪役的な存在として「金融庁」が出てきましたが、金融庁が日本のすべての銀行を取り仕切って、経営指導をしています。 しかし、指導の内実は、「リスクは取るな!」です。要するに、「貸出先の資産と担保が不足していたら、金は貸すな」というのが金融庁のマニュアルなのです。 ただし、財務諸表に出ている資産と担保が示すものは企業の過去で、未来ではありません。 成長性や将来性という要素は一切見ておらず、これでは「バンカー」とは言えません。これならばAIでも出来ます。金融庁のような政府機関が、銀行を経営指導している国は日本だけです。 もし金融庁がなくなったら、銀行はもっと自由に自分で判断出来るようになるはずです。 里村 ということは、やる気のある銀行ほど、金融庁は「そんなことをするな」と規制をかけるということですね。 及川 そうです。一部では金融庁のマニュアルに従わずに業務を行っている気骨ある地銀もあります。そうしたところは今後も生き残るでしょうが、金融庁の言いなりになっているような地銀は厳しいでしょう。 ◆マイナス金利の危険性 里村 もう一つのマイナス金利についてはどのような感じでしょうか。 及川 これからは日銀から取られているマイナス金利分の手数料を、預金者から取ることになっていくでしょう。それが一部のメガバンクが言い始めている口座管理料です。 この点について、大川党総裁は著書『富の創造法』で「10年前に金融危機を引き起こしたサブプライムローンはねずみ講と同じ仕組みで、負債を次の人に振り分けていくうちに恐慌になりかけましたが、同じようなことがマイナス金利で起こるかもしれない」と述べていました。 ◆消費増税の弊害 そして最後に、昨年10月から10%になった消費増税によって、いま大変なことになっています。 世帯(2人以上)あたりの家計消費額ですが、10%に上がった10月には‐5.1%というあり得ない数値が出たようです。衝撃的な統計です。 里村 例えば、1日1,000円しか使えないとしたら、100円は消費税で取られるから、実質900円となり、自然と100円消費を控えるようになりますよね。 及川 これを日本全国で示し合わせたわけではなく、自然とみんながやっています。 里村 10%は計算しやすいから、そういう効果も高くなるかもしれません。 及川 20年前の世帯当たりの年間家計消費額の平均が約320万円ですが、今はこれが半分に減っています。日本人はお金を使わなくなっていますが、これからはもっと下がるはずです。 里村 個人でも、企業でも結局、銀行にお金を借りてでも設備投資や従業員を増やすという資金需要は極めて起きづらい状況になっています。 及川 まず、とにかく消費税の減税は急務です。また、前述したマイナス金利は止めなくてはなりません。 ◆必要なのは徹底的な大型減税 里村 「未来は明るい」と思えば資金需要が生じてきます。そして「未来は明るい」というシンプルな指標が実は減税なのです。「税収が増える見込みがあるから安心してください」というメッセージを送ることになります。 ところが今は「これから景気が厳しくて税収が足りなくなります」という逆のメッセージを送り続けています。「減税」「増税」というのは「未来が明るいか」「暗いのか」を指し示す重要な指標なのです。 及川 日本が恐慌になるのを止めるには、幸福実現党が政権を取って、日本のかじ取りを行うしかないと本気で考えています。なぜなら、日本には増税政党しかないからです。 大川総裁の新刊『鋼鉄の法』には、「日本はGDP成長率5%を目指すべきだ」言われていますが、個人的にはこの「5%」という数値は極めて重要だと考えています。これを実現するためには、徹底的な大型減税なのです。 里村 是非ともそこを目指しましょう。そこを目指さなければ日本は恐慌に入ってしまうと言っても過言ではありません。 (つづく) 成長戦略インサイト(1)「令和日本の行く末は」 2020.01.16 政調会成長戦略部会は、「成長戦略インサイト」を発行しました。今回は、1月14日号「令和日本の行く末は」をお送りします。 成長戦略インサイト「令和日本の行く末は」(2020年1月14日号) http://hrp-newsfile.jp/2020/3787/ 幸福実現党成長戦略部会長 西邑拓真 ◎先月18日に閣議了解された政府経済見通しについて 政府は、2020年度の実質国内総生産(GDP)成長率の見通しを1.4%としています。民間消費、民間設備投資の成長率はそれぞれ、1.0%、2.7%成長としており、10月の消費増税前よりも改善するとの見通しになっています。 消費増税の影響をもろに受け、自動車や家電など小売が軒並み低調となっているほか、製造業で10月の有効求人倍率が前年同月比15.6%減と、前年同月比で9か月連続のマイナスを記録しています。 日本経済の足腰が弱い中、政府による経済見通しは、国民の実感からはあまりにも乖離していると言わざるをえないでしょう。 ◎先月20日に閣議決定された、令和2年度税制改正大綱について 今回の税制改正は、次世代通信規格「5G」の整備を加速、ベンチャー企業への出資を促進するなど、企業向けの政策減税が目玉となっています。 その背景には、昨年度時点で実に450兆円以上も積み上がった企業の内部留保を、少しでも成長投資に向けさせるとの狙いがあります。 こうした政府の狙いもわからないわけではありませんが、企業の立場から言えば、先行き見通しに不安がある以上、企業が自らの防衛策として内部留保を溜め込むこと自体、筋が通ったことと言えます。 税制面での優遇措置だけでは効果は限定的なものにならざるをえないというのが実際のところであり、経済見通しを良くしなければ、設備投資や研究開発、賃金などへと向かう流れが形成されることはないでしょう。 日本を成長軌道に乗せるためには、増税などもってのほかであり、減税するにしても小手先ではなく、本来は思い切った税制改正が必要です。 1980年代の米国では、レーガン元米大統領の下、レーガノミクスと呼ばれる経済政策が実行され、規制緩和などとともに、3年間、毎年所得税を一律10%引き下げるといった大胆な減税が実施されました。それが、その後の米国の長期的な経済成長に大きく寄与することになったのです。 現在の米国でも、トランプ大統領の就任以来、米国の実質GDPは毎四半期(前期比年率)でほぼ2%を上回るペースで伸びており、好調を維持し続け、再度成長軌道に乗り出しています。 その背景にあるのがやはり、大型減税や規制緩和などからなる経済政策「トランポノミクス」です。 法人税率を当初の35%から21%へと大幅に引き下げたり、環境規制を見直すといった、米国企業が活性化し新たな雇用を生み出す政策が実行されてきています。 それとともに、10年で総額2兆ドルのインフラ投資を行うとしています。政府がすべきことは政府で行いつつも、原則として「小さな政府」「減税」「規制緩和」とするトランプ大統領の哲学は、実に明快です。 翻って日本はどうでしょうか。日本は戦後、高度成長期等を経て米国はじめ他の先進国に「キャッチアップ」したのち、バブル崩壊とともに低迷が続きました。度重なる増税と歴代政権によるバラマキが繰り返され、ゼロ成長が30年もの間続くとともに、国の債務1,100兆円が積み上がっている状態です。 今の日本にはまさに成長戦略が求められていますが、いまだ明確なビジョンが提示されておらず、第二次安倍政権発足後のアベノミクスにおいても、大胆な金融緩和、機動的な財政に続く、「成長戦略」が不在となっていることが叫ばれ続けています。 バラマキが常態化し、政府にぶら下がってお上に頼り、怠け者で溢れかえるような国は、必ず衰退に向かうと言っても過言ではないでしょう。 自助努力の精神や勤勉の精神など、健全な経済倫理を取り戻す必要があると同時に、偉大な企業家が数多く輩出されるよう、どのような道からでも成功できるような環境を整えることこそ、本来の政治の使命であり、成長戦略を整える上での大原則であると思えてなりません。 日本は今こそ、トランポノミクスを一つのモデルとして「小さな政府」に回帰していくべきです。 以上 すべてを表示する « Previous 1 … 14 15 16 17 18 … 78 Next »