Home/ 国防・安全保障 国防・安全保障 伊豆大島台風災害に見る、積極的な安全と防災列島構築の必要性 2013.10.21 10月16日の台風26号により被害者となられた方々、特に伊豆大島の大島町の土石流災害で亡くなられ方へのご冥福をお祈りいたします。 また未だ行方不明の方々の早急なる安否の確認を願いご家族様の心中をお察しいたします。 ◆明らかになった防災計画の不備 台風26号で大規模な土石流被害が出た東京都大島町(伊豆大島)の地域防災計画は、気象庁が土砂災害警戒情報を出した際、「住民に伝えて自主避難を促す」「避難勧告の判断に活用する」と定めていました。(10/18朝日新聞デジタル) しかし土石流が起こる約9時間前、気象庁が15日午後6時5分にこの情報を出しても、自主避難を促したり、避難勧告を出していませんでした。 またその日、町長は出張中で、町長への報告がなく、かつ町長本人が警戒情報を掌握していなかったことも明らかになっています。 取材に対し町役場職員は「伊豆大島全体に警戒情報を出されても、どの地域を避難させればいいか分からないから」(10/18東京新聞 夕刊)との解答からも地域防災計画の早急な見直しが求められます。 ◆自衛隊の災害派遣 10月16日午前10時20分に東京都知事は、陸上自衛隊第1師団長(練馬駐屯地)に対し災害派遣を要請しました。人員約1,200名、車両約140両、航空機約25機(以上、延べ)により、行方不明者の捜索等を継続しています。 また第1師団、第1施設団等の部隊(ドーザ、油圧ショベル等の施設器材を含む、人員約130名、車両・施設器材等約50両)が新たに捜索活動等に加わっています。 この部隊の輸送は、東日本大震災の際にも派遣され、高い輸送能力に加え、広いヘリの離発着甲板や手術室・集中治療室(ICU)など自衛隊艦船の中でも最高の医療設備を完備している海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」が担いました。 さらに小野寺五典防衛相は20日、救援活動を強化と新たな台風の被害拡大に備えるため、陸海空3自衛隊を一体化させた「統合任務部隊」を設置したと発表しました。 災害派遣での同部隊設置は、2,011年3月の東日本大震災直後に続いて2例目です。また、21日午後には陸自を中心に約500人を新たに派遣し、計1000人態勢で活動を行っております。 ◆ひとりでも多くの命を救うために 多くの災害派遣を行ってきた自衛隊ですが、派遣された自衛官の権限は限られております。(参照:災害派遣活動における自衛官の権限) 知事及び各防災機関の長は、自衛隊の活動が他の災害救助復旧機関と競合重複しないような作業分担となるよう配慮することが災害派遣部隊の受入体制として東京都地域防災計画に明記されております。 起用される災害派遣部隊長は、高い判断力と数千人規模を指揮することができる能力を持ち、派遣されている隊員は日々訓練を重ねたスペシャリスト達です。 よって、自衛隊の優れた災害対応力を生かし、ひとりでも多くの命を救うために、さらなる効率的な運用を行うためにも制度の見直しが必要ではないでしょうか。 ◆積極的な安全の構築へ 21日、安倍総理は「安全保障と防衛力に関する懇談会」に参加し、世界の平和と安定、そして繁栄の確保に、これまで以上に積極的に寄与していく旨の「積極的平和主義」の姿勢を再度明示しました。 その一つとして島嶼防衛の強化があげられています。当然ながら島嶼防衛には島嶼部での自衛隊による訓練が必須となり、実はこれが離島での災害派遣時の即応態勢の強化にもつながります。 今後離島の市町村行政は、積極的に自衛隊と協力して防災訓練を行うことで、万が一の災害時における地方自治体と自衛隊との連携強化と、さらには島嶼防衛力の基盤づくりとを一石二鳥で行うことができます。 台風26号に続いて、またもや台風27号と28号が日本に接近しています。「藤原効果」(2つの熱帯低気圧が接近した場合、それらが干渉して通常とは異なる進路をとる現象)により進路が複雑になることが予想されています。 さらなる台風被害と前回に引き続き土砂災害に注意が必要です。防災意識を高め、助け合いの精神で台風被害を極減させてゆきましょう。(文責・HS政経塾 第3期生 横井基至) 防災・国防に万全の備えを! 2013.10.18 はじめに大型の台風26号は、特に伊豆大島の大きな被害をもたらしました。このたびの台風で被害にあわれた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。 ◆まやかしの平和 天変地異や覇権国家侵略の足音が迫ってきています。まやかしの「平和」の中にある今、日本は、本当に備えはできているでしょうか。 未だ自衛隊が“危機”に即応できない法的な未整備(集団的自衛権等)、又、それをさせない社会主義的勢力がこの愛する日本を跋扈(ばっこ)しています。 ◆日常の防災教育訓練の実施を! 日本人の心は天変地異「東日本の3・11大地震・大津波」で目が覚めたようでもあります。あれから3年、人の記憶が薄らいできています。 しかし、南海トラフと首都圏直下型地震への備えを急がねばなりません。人類を育み続けてくれた自然・地球への感謝の思いを忘れてはなりませんが、しかし現代の人々の心には唯物的な考えが蔓延しています。 どの様な時にも人類の未来に希望を持ち、わがふるさと日本の未来を創造しなくてはなりません。そして国民が神仏への信仰を持つ国家を創り、日本の再建に生きる人材を育て未来へとつながねばなりません。 3・11を教訓にしながら、各地での防災対策、防災教育の徹底と人の命の大切さを語り継ぐことは大切なことです。国や地方自治体が防潮防波堤対策を万全に行い大津波の対策を講じることが急務となっています。 また各自治体が高台への避難経路確保を前提にした街づくりを行い、近隣の絆を深め避難困難者への対応、地域中高校生の救助ボランティア精神の育成、防災無線の整備、公共施設の高層化と耐震化、緊急避難場所としての機能整備、日常の防災避難教育訓練など行う必要もあるでしょう。 ◆自衛隊にオスプレイ配備を! また、震災避難後の傷病ケガ人の対策として自衛隊・米軍(友達作戦)のご協力を頂くと同時に日本の防災機能のレベルアップを図る必要があります。 米軍のオスプレイ配備反対を叫んでいる一部の人がいますが、防災対策としては自衛隊にもオスプレイを配備する必要があります。近隣諸国を刺激するからなどと言う理由では尊い命を救えません。 ライフラインが破壊され交通網がズタズタに遮断されたことで緊急を要する多数の被災患者を搬送する、自衛隊配備を現実のものにする必要があります。 ◆日本国民の救助は自らの手で! 万が一、中国や朝鮮半島での騒乱で避難民になった日本人救出の為、救済能力を持っているのがオスプレイです。 さらにオスプレイが離発着でき、病院機能を備えた航空母艦の配備も必要になります。3・11時に三陸沖の停泊した米軍(病院船)は得難いものがあったと聞いています。 自分の国を自分で守るのは当然ですが、言葉だけでなく国防強化!防衛整備計画に立って日本国民の命を救済する必要があるでしょう。 ◆防衛装備品調達は日本企業で行えるシステム造りを! 我が国の防衛予算が限られている中で海外の割高の防衛装備品を購入するのではなく、日本独自の技術、生産活動によって防衛装備品を整える必要もあります。それは防衛抑止力の機能アップにもなります。 それによって防衛産業の育成が出来れば、景気回復、雇用確保が可能となり力強い日本再建につながります。 景気回復、防災・防衛対策の為にも防衛産業の育成を図り、愛してやまない日本、日本を愛する国家観を育成してまいりましょう!(文責・群馬県本部副代表 安永陽) 安倍政権、「核の不使用」に署名へ――日本の国防は如何にあるべきか 2013.10.16 ◆政府が「核の不使用」署名へ 安倍政権は、国連総会第1委員会で今週発表される予定の「核兵器の廃絶を求める共同声明」(「核の不使用」)に署名する方針を先週11日に固めました。(10/11朝日) 同声明には、スイスやニュージーランドなど16カ国が参加する予定ですが、「核兵器使用が人道上、破壊的な結果を招く」として、廃絶を訴える内容になっています。 4月の核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けた第2回準備委員会で発表された声明では、スイスなど70カ国以上が署名しましたが、日本は「米国の核抑止力に頼る政策と合わない」と判断し、署名を見送っていました。 ◆「核の不使用」署名の背景 政府が一転して「核の不使用」署名する方向に転換した理由は、核廃絶を求める広島や長崎の反核団体から4月の署名を見送ったことに対する激しい抗議があったからです。 反核団体は、来年4月に広島で軍縮・核不拡散をテーマに開催される外相会議や、2015年の原爆投下70年にあたり開催される国際会議で、日本から「核廃絶」の声を挙げる絶好のチャンスと睨んでいるのでしょう。 安倍政権としては、日本から提案して「核の抑止力を否定しない」内容に声明が修正できれば、安倍首相が掲げる「積極的平和主義」とも沿うと判断しているわけです。(毎日10/12) 10月3日の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で、拡大抑止(核の傘)を巡る米国の日本防衛の関与を確認しており、「核の不使用」に署名しても防衛政策の基本に変わらず日本を縛る法的拘束力もありません。 つまり「核の抑止力を否定しない」声明に変更させて「条件つきの署名」にしようとしています。ある意味では、核抑止力の可能性を残して、広島をはじめ反核団体の反発をかわす「アリバイ的署名」と見えなくもありません。 ◆世界に拡散する「核」 しかし、今回の「核の不使用」署名の大きな問題は、アメリカ・中国・ロシアなどの「核保有国」や核保有をほのめかす北朝鮮が加わっていないことです。 核を持っていない国がたくさん集まって「核廃絶」を訴えても「核保有国」が核を放棄することはありません。核軍縮交渉は、核保有国同志が話し合って始めて成立します。ただし過去の「米ソ軍縮交渉」などみても、核保有国同志の交渉すらうまくいかないのが現実です。 かつて中国は、数千万の餓死者を出しても、お金を核兵器の開発につぎ込み核保有国の地位を確立しました。米国は中国の核兵器輸出を阻止しようとしましたが、中国は米国を騙してパキスタンに核を拡散したのです。 中国から学んだ北朝鮮も、餓死者を出しても罪意識すらなく、米国を騙して核開発を行っていました。既に北朝鮮内には、原子力発電所や原子炉、ウラン濃縮施設など15の核施設が確認されています。(10/14 TBSニュース「北朝鮮に15の核施設確認、韓国議員が明らかに」) したがって核保有を国家の最大の命題としている北朝鮮が「核廃絶」などの声明に参加する可能性はゼロです。 ◆日本を守る道 日本を核で脅すような「平和を愛しない諸国」が近隣に存在する中で、日本の安全を守るためには、いまのところ米国の「核の傘」に頼る以外にはありません。 日米同盟を維持し、「集団的自衛権」を行使すれば、北朝鮮や中国は、簡単に日本を攻撃することは出来なくなります。 つまり日本を攻撃した国は、軍事力で圧倒的に上回る米軍から「ドラマ・半沢直樹」のように「倍返し」の攻撃を受けることになります。 これが「集団的自衛権」であり「抑止力」というものです。日本の戦後の平和は、「平和憲法」のおかげだったのではなく、米軍の「核の傘」のおかげだったのです。 ◆まだ核を持っていない日本が「核の不使用」? まだ「核」も持っていない日本が「核の不使用」署名をすることもおかしな話ですが、安倍政権に署名を迫った反核団体の最大の目的は、米軍に「核兵器」を使用させないことです。 日本を守っている米軍の「核の傘を無力化」して喜ぶ国はどこでしょうか… 日本を取り巻く国際情勢は、オバマ発言にみられるように、米国が世界の警察を放棄しかねない時代に突入したことです。「平和を愛さない諸国」から日本を守るためには、日米同盟を維持しつつも、自主防衛を整備すべき時は既に来ているのです。(文責・政務調査会 佐々木勝浩) 「集団的自衛権」への批判に答える 2013.10.08 ◆「集団的自衛権」見直し反対が強まる 現在、安倍政権が「集団的自衛権」の見直しを進めようとしていることに対しての批判が強まっています。 ノーベル賞作家の大江健三郎氏らは「集団的自衛権が拡大されて、自衛隊が米国が戦う戦争の後尾で何でもやるということになれば、九条がなかったのと同じことになる」として強い反対活動を展開しています。(10/8 東京「『憲法 断崖絶壁に』集団的自衛権の解釈変更反対」) 連立与党の公明党も慎重姿勢を崩しておらず、集団的自衛権の行使容認に向け、年内に報告書の提出を予定していた有識者会議の報告が来年に先送りされました。(10/6 産経「集団的自衛権の安保法制懇 年末報告見送り 公明に配慮」) 今回は最近、強まっている集団的自衛権批判に対して、答えていきたいと思います。 ◆「集団的自衛権」見直しは、憲法9条に違反するか? 大江健三郎氏ら護憲派は「日本国憲法では、集団的自衛権を行使できないことになっているから、政府見解で安易に変えるのは、憲法違反である」と批判を強めています。 「戦争、武力の行使または威嚇の放棄」という憲法の規定について、政府は「わが国は専守防衛のための必要最低限度の自衛力は認める」との解釈を展開しています。 すなわち、「必要最低限度の自衛力」に「集団的自衛権」が含まれるかどうかが解釈の争点となります。 結局、「集団的自衛権」も憲法解釈の問題であり、頭から「集団的自衛権」は憲法違反だと決めつけることは間違っています。 必要なことは、国連が国連憲章第51条で、加盟国に明確に認めている「自衛権」のひとつである「集団的自衛権」について、現憲法の理念に沿って、その内容を法律で定めていけば良いのです。 これが政府が進める「国家安全保障基本法」の必要性でもあります。 ◆日本は侵略国家になるか? また護憲派は、「集団的自衛権」の行使を認めれば、「日本が海外へ派兵できるようになってしまう」「日本が侵略国家になる」「日本が戦争に巻き込まれる」といった批判を展開しています。 例えば、共産党の新聞「赤旗」は「ソ連は同盟国への集団的自衛権を口実として、ハンガリー(1956)、チェコスロバキア(1968)、アフガニスタン(1979)に軍隊を投入した」と批判しています。(2003年12月25日(木)「しんぶん赤旗」) しかし、日本は旧ソ連のような侵略国家ではありませんし、日本政府が進めているように、「国家安全保障基本法」によって、「集団的自衛権」の中身を規定し、平和国家であることを明確にすれば良いのです。 私は元自衛隊員として、自衛隊の名誉にかけて明言致しますが、「集団的自衛権」が、外国に進軍できる口実になるなどと真面目に考えている防衛省・自衛隊関係者は一人もいません。 これと似たものに、「アメリカの戦争に日本が巻き込まれてしまうのではないか」という批判もあります。 例えば、イラク戦争では、当時のブッシュ大統領はイラク戦争を行いましたが、日本は「集団的自衛権」の行使を認められていなかったために、補給や輸送に限定して、戦闘に関係ない形でイラク戦争に参加しました。 もし、「集団的自衛権が行使可能だったならば、日本は海外派兵というアメリカの要請を拒否できただろうか?」という批判です。 しかし、集団的自衛権は、「権利」であって「義務」ではありません。したがって、当然ながら集団的自衛権の拒否も可能です。 そのためにこそ、曖昧な日米安全保障条約の内容を詰める必要があります。 安倍首相が「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の再改定を進めようとしているのもこうした背景があるのでしょう。(10/3 NHK「日米『2+2』ガイドライン見直しへ」) 日米同盟が「集団的自衛権」と一体のものであるからこそ、必然的な作業としてガイドラインの見直しを進めていくべきです。 しっかりとガイドラインを定めれば、「集団的自衛権」の行使を認めることによって、日本が戦争に巻き込まれる心配はありません。(文責・岐阜県本部副代表 河田成治) イラン核開発問題の新展開に日本はどう対応すべきか 2013.10.04 ◆アメリカ・イランの歴史的和解? 毎年9月のニューヨークには、国連総会のために世界各国の首脳が集結します。今年の国連の主役は、日本の首相でも、アメリカ大統領でもなく、イランのロウハニ新大統領でした。 昨年までは、イランの核開発問題でアメリカとイランが緊張関係を高める中、強硬派のアフマディネジャド大統領が過激な発言を繰り返し、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃の可能性が高まっていました。 ところが、穏健派のロウハニ大統領に代わり、アメリカとイランの緊張が一気に緩和され、歴史的な和解が起きるような状況が突如現れたのです。 ロウハニ大統領は、アメリカ滞在中に安倍総理を含む各国指導者に次々と会い、イランは核兵器を製造する意思はないと伝え、イランのザリフ外相はアメリカのトーク番組に出演し、「われわれは核兵器が社会にとって有害であると確信している」と語りました。 オバマ大統領は、ニューヨーク滞在中のロウハニ大統領と電話で15分間話しました。アメリカとイランの首脳が話をしたのは、1979年のイラン革命以降初めてになります。 イランが核兵器を開発しているのは間違いないと国際社会が確信していた中で、昨年頃からイランの核開発は平和利用目的であり、どうもイランはアメリカとイスラエルに「濡れ衣」を着せられていたのではないか、という見方が広がりつつありました。 その中で、前任者と全く違って笑顔あふれるロウハニ大統領に国際社会は注目したのです。 一方、この状況に狼狽したのはイスラエルです。ネタニヤフ首相は、オバマ大統領と9月30日、ホワイトハウスで会談し、アメリカがイランの核開発問題について軍事力ではなく外交交渉による解決を目指すのはいいが、イランに対する経済制裁は強化すべきだと主張しました。 イランは外交を「隠れ蓑」に使って核兵器開発を続けるだけだということです。ネタニヤフ首相はさらに10月1日の国連総会演説で、イランが核兵器開発の意図を否定していることについて、「ロウハニとアハマディネジャドとの唯一の違いは、アハマディネジャドは『狼の皮をかぶった狼』だったが、ロウハニは『羊の皮をかぶった狼』だという点だ」という表現で、イランはウソをついていると反論しました。 ◆アメリカの指導力の低下 ここで気になるのは、ロウハニ大統領の言葉の真実性よりも、アメリカの指導力の低下です。 ノーベル平和賞受賞者であるオバマ大統領の平和外交路線によって、イランの核開発問題が急速に沈静化するのを見ている、秘密裏に核兵器、科学兵器の大量破壊兵器を持っている国、これから持とうとしている国は、何をやってもアメリカの軍事報復はないと判断するでしょう。 現実に、国連総会の直前に起きた「シリア空爆騒動」で、ロシアによるシリアの科学兵器廃棄案にアメリカがあまりに簡単に乗ったことで、アサド政権は科学兵器を隠すための十分な時間を得ることができました。 また、シリアの内戦は何も変わりなく続いているので、アメリカの攻撃の心配せずにアサド大統領は、通常兵器での攻撃を激化させることができるようになったのです。 同時に、アメリカと戦ってきたアルカイダ等のテロ組織も、アメリカの凋落を見逃さないはずです。 さらに、東アジアでは、シリア、イランと軍事的につながっている中国、北朝鮮が暴走することになるかもしれません。 これが、「警察官がいなくなった世界」です。世界全体がまるで映画「バッドマン」の舞台である犯罪都市、ゴッサムシティになったようなものです。 ◆日本はアジアのリーダーとしてイラン問題を考えよ では、日本はどのように考えるべきでしょう。イスラエルは、イランが核開発をやめるはずがないと考えています。 そして、アメリカが動かなくても、イスラエル単独でイランの核施設に攻撃すると言っています。なぜなら、イランが核兵器をつくっているとしたら、もう完成間近であると判断しているからです。 幸福実現党が昨年発刊した書籍『イラン大統領vs.イスラエル首相-中東の核戦争は回避できるか』(大川隆法著)には、イランの核兵器完成まで「あと二年」と書かれていて、イスラエルの見方と一致しています。 もしイスラエルが実際にイラン攻撃を開始すると、イランは即時にホルムズ海峡を封鎖します。日本はサウジアラビア、クウェート、カタールから原油、天然ガスを輸入していますが、日本に輸送する原油の9割がホルムズ海峡を通過しています。 原発が止められたままの日本経済にとって致命的な事態になります。日本は、「イランとイスラエルの戦争が現実にあり得る」という前提で物事を考えなければなりません。 イランの問題は日本の危機に直結しています。一見柔軟姿勢に変わったイランを安易に受け入れようとしているオバマ大統領に対して、世界全体が暗黒街にならないために、アジアのリーダーとして日本が警告すべきであります。(幸福実現党外務局長 及川 幸久) 北朝鮮の核攻撃を抑止するために、日本は「敵基地先制攻撃能力」を保有せよ! 2013.10.03 ◆北の核攻撃に「先制攻撃」-米韓の抑止戦略 アメリカと韓国は、北朝鮮の核ミサイル攻撃を察知した場合、先制攻撃をおこなう方針を固めました。 訪韓中のヘーゲル米国防長官と金寛鎮(キム・グァンジン)国防相がソウルで会談し、北朝鮮の核攻撃の対応を協議した結果、合意に達しました。 10月3日付けの読売新聞(7面)によると、韓国は、北朝鮮の核ミサイル発射を探知した場合、30分以内に攻撃するシステム「キル・チェーン」を使い、巡航ミサイル「玄武3」などで、ミサイル基地を破壊します。 それと同時にアメリカ軍も原子力潜水艦から巡航ミサイルを使用して基地を攻撃します。先制攻撃に失敗した際は、韓国独自のミサイル防衛システム(KAMD)での迎撃を試みます。 ただし、キル・チェーンとKAMDが完成するのは「2020年頃」(韓国国防省)となる予定で、北朝鮮が先に、核の小型化に成功し、核ミサイルを保有してしまう可能性もあります。 ◆北はすでに核ミサイルを製造することができる(?) それだけでなく、北朝鮮はすでに、核の小型化に成功しているとの見方もあります。 今年4月11日、「弾道ミサイルで運搬可能な核兵器を北朝鮮が保有していることについて、一定の確信を持っている」という、米国防情報局(DIA)の機密文書が、米会員軍事委員会で暴露されました。(朝雲新聞社「北朝鮮、核弾頭開発に成功か」) その後、アメリカ政府は、この発表を否定しましたが、それに先立つ、4月3日、ヘーゲル国防長官は、国防大学の講演で、「北朝鮮は今や核能力を保有しており、ミサイル運搬能力も持っている」と発言しています。 今回、アメリカが韓国と北朝鮮の核ミサイル発射の先制攻撃に合意した背景には、「すでに、北朝鮮が核の小型化に成功しているかもしれない」「アメリカまで届く核ミサイルを北朝鮮が保有するのはおもったよりも早いかもしれない」というアメリカ政府の危惧があるのです。 ◆二度と、日本への核攻撃は許さない 言うまでもなく、日本は過去、2回、広島と長崎で核攻撃を受けています。この悲惨な体験を二度と繰り返さないためには、日本を核攻撃から守る態勢を整えなければなりません。 本年4月のHRPニュースファイルでは、巡航ミサイルを配備し、北朝鮮の核ミサイルに対する「拒否的抑止力」を持つべきだと提言しています。(「対北朝鮮:今こそ巡航ミサイルによる抑止力強化を!」)⇒http://hrp-newsfile.jp/2013/697/ 北朝鮮も核ミサイルを撃つと他国を脅かせば、逆に自国が攻撃を受けると悟れば、簡単には、核ミサイルは撃てなくなります。それが「抑止力」という意味です。 目的は、今回の韓国、アメリカと同じく、北朝鮮が日本に核攻撃を行おうとした場合に、北朝鮮の核ミサイルの発射を抑止することにあります。 世界唯一の被爆国であるからこそ、「二度と、日本への核攻撃は許さない」強い決意が必要です。 幸福実現党は、日本が巡航ミサイル等を配備し敵基地先制攻撃能力を持つことによって、北朝鮮の核ミサイル攻撃を抑止する国防強化策を提言いたします。(文責・伊藤希望) 尖閣諸島に公務員を常駐させ、尖閣で「聖火リレー」を迎え入れよう! 2013.09.29 ◆元寇を防いだ神風 鎌倉時代、元寇の襲来を防いだのは、二つの台風だったと言われています。 その影には、鎌倉武士が勇敢に戦い元寇に立ち向かった事実があります。 鎌倉武士の気概が神風を呼び寄せ、元寇を海の藻屑にしたのです。 ◆神風が守る尖閣諸島 実は現代の「神風」は、昨年、そして今年になって吹いています。 昨年は台風のほとんどが沖縄、尖閣諸島を通過し、中国に向かいました。中国に上陸した台風が習近平氏の事務所を水浸しにしたことも報じられています。 民主党政権下の昨年8月、残念ながら華人の魚釣島上陸を許してしまいましたが、あたかも台風に意志があるかのように、いくつもの台風が尖閣諸島を通過し、華人の接近を阻止しようとしました。 また昨年は、赤道付近で発生するはずの台風が沖縄近海で突然発生し、その影響で左翼陣営が沖縄で開催しようとしていた「オスプレイ配備反対沖縄県民集会」が延期になったこともあります。⇒http://hrp-newsfile.jp/2012/430/ 今年に入ってからは、尖閣・魚釣島に昨年上陸した香港の民間団体「保釣行動委員会」が8月中旬に抗議船を再び尖閣海域に派遣する方針を明らかにしていました。(7/8 時事「『民兵』1000人で尖閣占領を=中国弁護士が志願者募集」) しかし、8月中旬にも台風が日本海を通過し、同月20日に広東省や東北3省、湖南省などに大きな被害をもたらしていたのです。 結果的には、中国当局の許可が下りず、尖閣行きは中止されたのですが、台風は絶妙のタイミングで中国本土に向かい、上陸したのです。 9月に入ってからは、今度は中国・香港・台湾の「世界華人保釣(釣魚島防衛)連盟」の船が、尖閣を目指して26日にも中国・福建省アモイ市から出航する予定でした。(9/24 RecordChina「中国・香港・台湾合同の抗議船が出航へ」 ところが、今度も台風19号の影響で、10月7日以降に尖閣への出航を延期させると中国人幹部が発表しています。(9/25 時事「来月7日以降の出航目指す=『尖閣』抗議船、中国アモイから」) こうして《意志》があるかのように、台風が中国の尖閣上陸を阻止していますが、日本の海上保安庁の皆様も、毎日のように尖閣諸島に接近する中国の海警局の公船の侵入を防いでいます。 「神風」が鎌倉武士の気概に応えたように、尖閣諸島を必死に守ろうとする海上保安庁の方々に呼応して、台風が起こっているのです。 ◆尖閣諸島への公務員常駐を! しかし、いつまでも「神風」だけに頼っている場合ではありません。 日本の為政者が尖閣を守るために、どのような努力をしているのか、天は注目しています。 尖閣諸島の国有化から1年を迎えた9月10日、菅官房長官は記者会見で、尖閣への公務員常駐について「選択肢の1つだ」と述べています。(9/10 産経「領海に中国船8隻侵入日本『公務員常駐、選択肢の1つ』」) 10日には、4月23日と並び過去最多の中国海警局船8隻が尖閣周辺の日本領海に侵入。中国外交部は「決して許さない」と主張しており、日本の尖閣への公務員常駐を強く警戒しています。 中国の異常な警戒心は、日本の公務員常駐による尖閣諸島の実効支配を恐れていることを意味します。 つまり日本が尖閣に公務員を常駐させることは、中国に対して、「本気で尖閣を本気で守る」という日本側の強い意思表示になるのです。 ◆尖閣諸島に東京オリンピックの聖火を! ここで提案したいのは、2020年の東京オリンピック際に尖閣に常駐している公務員が、アジアから巡ってきた「聖火」を受け取ることです。 これによって、オリンピックの「聖火」が入った日本の最初の地は、尖閣諸島であったことを世界にアピールできます。 この後、尖閣から与那国、石垣、沖縄本島へ「聖火」をリレーすれば、最近では尖閣諸島ばかりでなく沖縄までも日本の領土ではないと主張している中国を黙らす最高の舞台を演出することが出来ます。 このようにして、世界が注目するオリンピックの「聖火」を日本人が常駐する尖閣諸島から沖縄を通って東京に迎え入れることを提案します。 もちろん中国は猛反発するでしょうが、「尖閣諸島は日本領であり、領土問題は存在しないため、日本から国際司法裁判所に提訴することはありませんが、もし文句があるなら、中国は国際司法裁判所に提訴すれば良いでしょう。その時は受けて立ちます。」と、オリンピックで世界が注目する場で宣言すれば良いのです。 それでも中国は反発し、国際裁判所に提訴することはないでしょう。 この時に尖閣諸島の領有を日本は堂々と主張し、世界に向けて日本はこう宣言すれば良いでしょう。 「中国が提訴しない理由は、自分たちに勝ち目がないことがわかっているからです。だから中国は国際ルールも守らず、ただ身勝手な尖閣や沖縄は自分たちのものだという主張を繰り返すことしかできないのです。」 「寸土を守れぬ国家は、全土を失う」のが歴史の法則です。 いつまでも台風に国土を守ってもらっているようでは、天もいつか呆れてしまうことでしょう。 まずは、日本政府こそが尖閣諸島を守る「士の気概」を示し、尖閣諸島の公務員常駐化を早急に実現した後、オリンピックの「聖火」を尖閣諸島で受け入れることを提案致します。(文責・政務調査会 佐々木勝浩) 真なる「積極的平和主義」の実現を! 2013.09.28 国連総会出席などのために米国とカナダを訪れていた安倍晋三首相は28日夕方、政府専用機で羽田空港に到着しました。 今回の安倍首相のアメリカ国内での講演は、2020年の東京オリンピック開催の決定や、アベノミクスによる経済成長が続いていることなどから来る自信を感じさせる内容でしたので、一部を紹介します。 ◆Japan is back 日本時間26日の未明、ニューヨーク証券取引所で行った演説では、日本経済復活の可能性から始まり、リニアの売り込みと原発の安全技術の再確認、そして規制改革と減税を断言しました。 最近の安倍首相の英語演説では、短い言葉で印象づけるフレーズがよく登場します。 この日は、日本は20年近くデフレに苦しみ、経済は低迷してきたが、「日本がもう一度儲かる国になる。Japan is back(日本は戻ってきた)ということを話すためにやってきた」と始めました。 そして、日本が本来持つポテンシャルを発揮すれば復活できること、日本に帰ったら投資を喚起するため、大胆な減税を断行すると発言しました。 ◆世界経済回復のためには3語で十分 Buy my Abenomics! 更に、講演の最後には、世界経済回復のためには「Buy my Abenomics!(アベノミクスは『買い』だ)」と言い、2020年の東京五輪招致成功で日本は7年後に向け大いなる高揚感にあり、投資は今がチャンスだ、ということを強調しました。 この演説に関して、米国では好感する反応が多く、米ブルームバーグ通信は「首相が日本が世界経済を引っ張る存在になることを約束した」と伝えたようです。(9/27読売「『安倍カラー』米で全開」) 安倍首相の語った日本経済の可能性、リニアと原発の売り込み、規制改革と減税の推進、そしてアベノミクスのアイデアの元は、全て幸福実現党が経済政策において主張し続けてきたことばかりです。 ただし、これらは消費税増税はしてはならないことが前提です。 景気の腰折れを起こさせ、経済を芯から冷え込ませる消費税の増税は決して行ってはなりません。 ◆もし右翼と呼びたいのならどうぞ 同日、講演を行ったハドソン研究所では「集団的自衛権」を巡る解釈見直しの意義を説明し、理解を求めました。 防衛費に関しては、日本の今年の防衛費の伸び率は11年ぶりのプラス0.8%。それに対し、「すぐそばの隣国」は「毎年10%以上の伸びを20年以上続けた」と言い、中国の脅威を強調しました。 米左翼新聞や中国・韓国が安倍首相を「戦争の道を目指す右翼」と批判していることの矛盾を暗に指摘し、反論。これには会場から拍手が起きたようです。 これらを踏まえ、それでも「みなさまが私を右翼の軍国主義者と呼びたいのならそう呼んでもらいたい」と発言し、日本の首相として気概をみせたように思います。 ◆「積極的平和主義」のネック ただ一方で、国連の演説においては、明言をすれば「国際公約」になってしまうということで、公明党に配慮し、表現が抑制されたものとなっていました。 特に「集団的自衛権」に関しては踏み込みませんでした。公明党が「集団的自衛権」の解釈変更に慎重姿勢を示しているためです。 首相周辺は「公明党を怒らせたら元も子もない」と語り、連立内のねじれに頭を悩ませています。(9/27 読売「国連演説は表現抑制」) ◆経済繁栄と世界の平和は表裏一体 安倍首相は、ハドソン研究所の演説の最後で「私に与えられた歴史的使命は、日本に再び活力を与えることによって、『積極的平和主義』の旗の誇らしい担い手となるよう促していくこと」と述べました。 経済的な繁栄と自国を含めた世界の平和を守ることは表裏一体です。 日本が没落したら、「やはり、資本主義、自由主義の未来は没落しかない」と、中国や北朝鮮は必ず考えるので、日本は絶対に繁栄しなければなりません。 そのネックが、消費税増税であり、連立与党の公明党です。 安倍首相にはなんとか消費税増税を思いとどまって頂くと共に、「真なる保守連立政党」を実現すべく、幸福実現党は今後とも努力精進してまいりたいと思います。(文責・HS政経塾1期生 湊侑子) 中国人民解放軍の大規模な軍事演習「使命行動-2013A」を分析する 2013.09.26 2013年9月11日から、中国人民解放軍の「使命行動-2013A」という大規模な軍事演習が始まりました。 今回は、この演習について、中国軍の機関紙「解放軍報」から分析を試みます。 ◆演習の全体像と、中心となる軍区について 「使命行動-2013」演習は、A、B、Cの三段階に分けて実施される、大規模な演習です。 今回の「2013A」演習では、南京軍区の陸軍第31集団17,000名以上を中心として、海軍の東海艦隊と南海艦隊、そして南京軍区に属する空軍が主要な兵力として参加しています。 南京軍区は安徽省、江蘇省、上海直轄市、浙江省、江西省、福建省の6つの行政区を管轄する軍区です。 今回の演習の主役とされる陸軍第31集団は、南京軍区の中でも台湾の対岸にある福建省に司令部を置いており、その前身は金門島砲撃事件に参加した部隊としても有名な部隊です。 演習参加者は南京軍区、広州軍区の陸空軍を中心に、総計4万人以上となることが見込まれています。(9/10 解放軍報「我軍将挙行 使命行動-2013演習」、9/11 同「使命行動-2013跨区戦役演習拉開序幕」) ◆過去にも実施されている「跨区演習」 中国軍は現在、このような既存の軍区を超えた演習に力を注いでいます。 2009年には瀋陽軍区、蘭州軍区、済南軍区、広州軍区が参加する「跨越-2009」という「実兵系列演習」が実施され、2010年には北京軍区、蘭州軍区、成都軍区が参加する「使命行動-2010」という「集団軍跨区機動演習」が実施されています。 今年の「使命行動-2013」は「戦区戦役演習」とも呼ばれ、上陸演習の実施を含む、より実戦を意識した訓練が行われた可能性があります。 ◆演習の狙いと、その実態について この演習の狙いは、どこにあるのでしょうか? 演習が始まる前日の9/10付の解放軍報によれば、「多次元の立体輸送・情報火力運用・共同動作組織・軍と地方政府の連合保障など」を「重点的に研究する」と報道されています。これについて解説していきたいと思います。 (1)戦力投射能力の獲得 本演習の目的の一つには、陸路、海路、空路などのあらゆる輸送手段を動員し、内陸部の陸軍部隊を軍区を跨いで沿岸部に集中投入する体制を整えることがあったと考えられます。 戦地から遠い部隊を前線に投入する能力は、一般に「パワープロジェクション能力」と呼ばれ、中国軍は本格的構築に取り組んでいるものと考えられます。 ちなみに、9月16日付『解放軍報』の1面には、厦門航空の民間機に陸軍部隊が乗り込む写真が掲載されています。 戦時には民間航空会社も解放軍の指揮下に入り、後方支援に従事する事を端的に示していると言えます。 (2)陸海空軍の統合運用能力の獲得 さらに二点目の目的として、陸海空軍で共同作戦を行う能力の獲得が挙げられます。 戦闘において陸軍、海軍、空軍という全く性質の異なる組織を指揮し、運用できることは、現代の戦闘に欠かせない条件ですが、これを実現するには非常に高度な情報通信能力が必要となります。 この点について、『解放軍報』は「連合決策、連合作業、連合指揮を実施する、新しい連合作戦体系を構築した」と報じていることから、中国軍は三軍の統合運用能力を高めていると考えられます。 この「統合運用能力」の獲得については、我が国でも以前から議論が進められてはいるものの、議論が一向にまとまらない状態にあります。安倍首相のリーダーシップ発揮を望みます。(9/16 産経「自衛隊で内紛勃発 対中有事めぐり四分五裂」) (3)精密攻撃能力の獲得 最後に挙げられるのが、米軍のトマホークミサイルのような精密攻撃を可能とする攻撃兵器の獲得です。 中国軍がこうした兵器を獲得する事ができたのも、国を挙げて実施した宇宙開発の結果であるということを忘れてはなりません。 三軍の統合運用能力も、精密攻撃能力も、全て織り込み済みで、中国は宇宙開発を加速させているのです。(9/18 解放軍報「近千名指揮員接受大考」,9/19 同「立体突撃、多維力量握指成拳」) ◆政治家には「教養としての軍事知識」が必要 以上、3点に絞って「使命行動-2013A」演習の内容をお伝えいたしましたが、このような演習の目的を一言で言うとするならば、中国軍が「いつでも戦争ができる態勢を整える」ことにあります。 習近平主席が年初に「部隊は、招集されれば直ちに駆け付け、駆け付ければ戦争できる状態にし、戦えば必ず勝利するよう確保しろ」と発言した通り、中国は戦時体制にいつでも入れるよう、意図的に訓練を重ねているのです。 演習の成果を報告する記事が一段落すると、9/20の解放軍報一面で「領土と主権の維持に、中国は決心と自信がある」という記事が掲載されました。 記事の内容は尖閣諸島問題を中心に、近年の日中関係の悪化が日本の「右傾化」にあると非難するものでした。(9/20 解放軍報「維護領土主権、中国有決心有信心」) かつてクラウゼウィッツは「戦争は政治の延長である」と戦争の本質を喝破しました。 外交的発言の背景には軍事的な裏付けがあることが多く、この記事の発言も軍事演習の成果を背景としたものである可能性があります。 軍事力の強化と外交上の姿勢の相関関係について、今後の中国の動きを注視すべきです。(文責・HS政経塾第一期生 彦川太志) 「集団的自衛権」はなぜ重要か?(2)日本の空が危ない! 2013.09.24 ◆「集団的自衛権」行使容認もトーンダウンか? 安倍首相は22日、集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈見直しの結論について、「いつまでにではなく、議論がまとまるのを見守りたい」と述べ、年内の見直し表明にこだわらない考えを示しました。慎重論が強い公明党に配慮した形です。(9/22 産経「首相、公明配慮と中朝対応ジレンマ 集団的自衛権」) 公明党への配慮も必要なのでしょうが、9月以降も尖閣周辺で、中国による挑発行為が激化しており、日米同盟を強化し、日本の守りを固めるためにも「集団的自衛権」の行使容認は急務です。 私は、前回のHRPニュースファイル「『集団的自衛権』はなぜ重要か?(1)」で、米軍の存在は「日本防衛の一部」であり、「集団的自衛権」は、憲法9条の「わが国を防衛するための必要最小限度の範囲に入る」と解釈するのが筋だと述べました。 ◆日本の空が危ない! ここで、最近の状況を見ておきたいと思います。 昨年2012年は、22年ぶりに自衛隊機の緊急発進回数が500回を突破しました。その内、中国機への対応が約半数で、他の国を引き離しています(計567回の内、中国は306回)。 しかも、一昨年に比べて対中国は2倍に増加しました(2011年は計425回の内、中国は156回)。中国の挑発行動はますますエスカレートしているのです。 今年の4月には、監視船が尖閣周辺の領海に、8隻で押し寄せました。 これだけでも大きな脅威ですが、これと連動して、中国軍の最新鋭戦闘機が40機以上も尖閣近辺に飛来し、海空連携の示威行動を行いました。 航空自衛隊那覇基地のF15戦闘機が緊急発進(スクランブル)で対処しましたが、自衛隊のパイロットの疲弊を狙って絶え間なく押し寄せたことに、防衛省は「前代未聞の威嚇だった」と述べています。(4/27 産経) ちなみに、尖閣諸島は沖縄本島の那覇から約420キロ(魚釣島)も離れていますので、戦闘機でも発進してから30分程度かかります。往復で1時間です。ですから、尖閣上空に留まれる在空時間は、どうしても短時間となります。 私はこの事件を見て、米軍の空母がなければ、沖縄方面の防衛は難しいと実感しました。 また、中国軍の戦闘機が、米海軍の海上パトロール任務につくP3C哨戒機と空軍のC130輸送機を執拗に追尾した事件がありました。 さらに9月8日には、中国の「H-6爆撃機」2機が、沖縄本島と宮古島の間を飛行。翌9日には、中国の無人機が、尖閣諸島に接近し、いずれも航空自衛隊の戦闘機が、緊急発進しました。 ◆「集団的自衛権」を行使できなければ、日米同盟が根底から揺らぐ 米空軍は、尖閣諸島を守るために、空中警戒管制機(AWACS:エーワックス)でパトロールしてくれています。 これらの日本防衛任務についている米軍に対し、現状では、自衛隊は米軍を守ることが出来ません(例えば、米軍の輸送機を自衛隊のF15がエスコート、防御するケース)。 前回も述べましたが、米軍を見殺しにすれば、日米同盟が根底から揺らぐ危機になるかもしれないのです。 ここに面白い調査があります。昨年の12月の総選挙の後、毎日新聞が行った当選した国会議員へのアンケートは、大変興味深いものでした。 なんと国会議員の78%が集団的自衛権の容認に賛成したのです。 この結果からも、国会議員も本音では「集団的自衛権」は、極めて重要であることを、よく理解しているものと思います。 ◆尖閣や沖縄を護る日米合同訓練 わが国の防衛は、現状、日米の共同作戦を抜きには考えられません。 今年6月には、尖閣や沖縄などの離島が占領されたことを想定した、日米合同の奪還・防衛訓練が行われました。 これは日本の陸海空の3自衛隊が合同参加する初の演習として非常に注目された演習でした。(防衛省「米国における統合訓練:ドーン・ブリッツ13」) この日米合同演習は、中国からしっかり中止の要請があったことを付け加えておきます。 この演習で、日本のヘリ空母にアメリカのオスプレイが着艦するという歴史的訓練もありましたが、この訓練の重要性は「日米で共同して尖閣を護る」という強力な意思を内外に示したことです。 もはや「集団的自衛権」を前提としなければ、作戦が成り立たないのです。 例えば、日本のヘリ空母に向かっている米軍のオスプレイに、中国からミサイル攻撃を受けたらどうでしょうか? オスプレイに自衛隊の隊員が乗り込んでいる場合もありますし、沖縄の民間人の救助、避難のためにオスプレイに同乗させていることだってあり得ます。 こうした様々なケースを想定しても、「集団的自衛権」行使容認がなぜ必要なのかご理解頂けるのではないでしょうか。(文責・岐阜県本部副代表 河田成治) すべてを表示する « 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