Home/ 国防・安全保障 国防・安全保障 「海洋大国・日本」―新たな国家ビジョンと安全保障【連載第2回】 2014.01.17 文/幸福実現党総務会長兼出版局長 矢内筆勝 《日本海域に眠る莫大な海洋資源》 前回、総論として、日本は「国連海洋法条約」の成立によって、広大な海域を持つ「海洋大国」としての権益を手にしたことを明らかにしました。今回の2回目は、日本海などに眠る海洋資源を詳しく紹介します。 ◆尖閣諸島周辺の海底油田 この日本の領海及び排他的経済水域内には、海底油田などの膨大な天然資源が存在しています。よく知られているのが、尖閣諸島周辺の海底油田の存在の可能性です。 1969年に国連アジア極東経済委員会は、沖縄県の尖閣諸島近海の海底に、膨大な石油が埋蔵されている可能性を報告しました。その推定埋蔵量はイラクやクエートの石油埋蔵量に匹敵する約1000億バレルを超えると試算されています。 現在の原油価格の1バレルで100ドル前後で計算すれば、埋蔵量は10兆ドル分、現在の1ドル100円換算では1000兆円となります。 また、東シナ海の中国や韓国の延長線上の大陸棚にも、サウジアラビアの10倍近い天然ガスと石油が埋蔵されているという報告もあります。 ◆海底に眠る「第四のエネルギー」と「鉱物資源」 近年は、「人類の第四のエネルギー」といわれるメタンハイドレート、レアメタルやレアアースなどの希少資源の宝庫である「海底熱水鉱床」や「コバルト・リッチ・クラスト」、「レアアース資源泥」の発見が相次ぎ、脚光を浴びています。 メタンハイドレートとは、主成分が天然ガスと同じメタンであり、海底の圧力と冷温によって氷状になったものです。日本近海には世界有数のメタンハイドレートが埋蔵され、四国、九州、西日本地方の南側の南海トラフ、北海道周辺と新潟県沖、南西諸島沖などに存在しています。 通商産業省の試算によると、メタンハイドレートは日本の排他的経済水域や大陸棚の海底には約7兆3500億立方メートル、日本の天然ガス使用量の約100年分のメタンハイドレートが存在するといいます。 メタンハイドレートは、燃焼によって生じる二酸化炭素が、石炭や石油、天然ガスと比較して少なく、環境に負担が少ない第四のエネルギーとして注目を集めています。 現在、日本においては2001年に設立された官民学共同の「メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム」(通称:MH21) が中心となって、メタンハイドレートの調査、発掘技術の開発が進められています。 ◆漁業資源の宝庫 さらに日本の周辺水域が含まれる太平洋北西部の海域は、「世界三大漁場」の一つであり、世界の漁業生産量の2割を占める約2000万トンが漁獲されている極めて豊かな海です。 水産庁によると、特に日本の排他的経済水域内の海域は、世界の海の中でも生物の多様性が極めて高い漁業資源の宝庫です。 現在、日本の漁業は、漁獲量の減少、漁業従事者の高齢化と後継者不足、消費者の魚離れ等で“衰退”が指摘されて久しくなります。 しかし、ノルウェーやニュージーランド、アイスランドなどでは、徹底した資源管理が行われており、その結果、漁獲高が増え、持続可能で生産性の高い漁業が実現しています。 三重大学生物資源学部の勝川俊雄准教授は、「魚や貝などの生物資源は、子を産んで再生産するので、十分な親魚を残しておけば、半永久的に利用できる」「(日本がノルウェーなどのように)国がやるべき漁獲規制をすれば、日本の漁業は必ず復活する。」と断言しています。 ※『惨憺たる日本の漁業 実は先進国では成長産業』 勝川俊雄 三重大学生物資源学部准教授 WEDGEInfinity(2013年8月19日) 今後世界は人口100億人時代に向けて、いよいよ食料問題が本格化していくでしょう。しかし世界有数の豊かな漁業資源を誇る海を日本は持っています。戦略的に活用し、育むことで、国内の食料を賄うだけでなく、海外に輸出する新産業へと発展させることも、十分可能であると言えます。 次回3回目は、その日本の資源を狙う中国について言及します。 2014年、中国の海洋進出と日本の対応(1) 2014.01.12 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆日本と中国のどちらが軍国主義か? 昨年末、安倍首相が靖国神社を参拝致しましたが、中国は米国やロシアまで巻き込んで日本に対して「軍国主義の復活の兆しだ」と批判しています。 首相の靖国参拝が「軍国主義の兆し」というなら、中国の近年の軍事拡大や海洋進出は「軍国主義そのもの」であり中国に日本を非難する資格はなく、日本は中国の覇権主義から防御する立場にあるだけのことです。 では、2014年新年早々から、日本を「軍国主義の兆し」と批判できない中国の海洋進出の事実を明らかにしてみましょう。 ◆新年早々から緊張が高まる尖閣海域 尖閣海域では中国は1月前半だけでも以下のような動きを取っています。 (1)6日、尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で、中国海警局の船4隻が航行。中国当局の船が尖閣周辺で確認されたのは、年末から9日連続。 (2)7日、中国国家海洋局の航空機1機が日本の防空識別圏に入り、尖閣諸島の領空から約140キロまで接近。空自がスクランブル。(1/7産経) (3)7日、尖閣諸島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)で、中国海警局「海警2113」が付近の中国漁船に乗り移り、「立ち入り検査」をした可能性。(1/7産経) ※中国公船が日本の排他的経済水域において、中国漁船の立ち入り検査を行った意図は、「尖閣諸島周辺の海は中国の海である」という「既成事実」を積み上げるためである。 (4)12日午前、尖閣諸島沖で中国海警局の「海警」3隻が約2時間、日本の領海を航行。中国公船の領海侵入は今年初。(1/12時事通信) ◆南シナ海での中国の横暴 1月1日から中国は、南シナ海で「外国漁船に対する管理強化」を開始しました。これは、指定区域に進入する外国漁船に、中国側の許可を得るよう要求するものです。(1/10産経) 詳細を記すと、昨年11月末、「中華人民共和国漁業法」の実施規則を改訂し、同規則35条で「海南省の管轄水域に進入し、漁業生産や漁業資源調査を行う外国人、外国漁船は、国務院(政府)の関係部門の許可を得なければならない」と規定しました。 さらに漁業法46条で「違法」に管轄水域に進入した外国船舶の追放や、漁獲物・漁具の没収、50万元(約870万円)以下の罰金の徴収を認めています。 中国の英字紙、チャイナ・デーリーは、「警察当局が船内に乗り込み、航路の変更や航行の停止を命じることが可能になる」と報じています。 中国メディアによると、中国海軍は昨年、フリゲート艦など17隻を新たに配備し、外国船を取り締まるため南シナ海を管轄する南海艦隊には最も多い軍艦7隻を投入する予定です。 南シナ海は、ベトナムが領有を主張するパラセル諸島とフィリピンが領有を主張するスプラトリー諸島を含んでいますが、すでに中国は2007年一方的にこの海域に「三沙市」を設けています。 この海域は「200万平方キロメートルの海域で適用され南シナ海の大半を占めており(1/11朝日)、当然、南シナ海の領有を主張してきたベトナム、フィリピンは反発を強めています。 ◆今後、東シナ海で起こること 今後、尖閣諸島を含む東シナ海で起こることは、南シナ海で起こったことをみれば予測できます。 なぜなら中国は日本列島とフィリピンを結ぶ「第一列島線」の内側、つまり「東シナ海」と「南シナ海」を同様に位置づけ、支配の触手を伸ばそうとしており、その中国の戦略は「南シナ海」の方が先行しているからです。 上述の「南シナ海」で起きていることから今後、1年2年以内に東シナ海で起こることを予測してみましょう。その前にもう一度、中国が南シナ海で行ったプロセスを整理してみます。(参考2014.1/8産経) (1)南シナ海の領有を一方的に宣言(「三沙市」の設置) (2)領有の根拠となる国内法整備(「中華人民共和国漁業法」) (3)海洋調査の実施・中国漁船の出没 (4)公船による法の執行(立ち入り調査・漁獲物・漁具の没収、罰金の徴収) (5)軍艦の出動 (6)占領と実行支配の既成事実化 前述通り、尖閣海域で中国公船が中国漁船に対して「立ち入り調査」を行い、中国の海にしようと既成事実化しています。現在、東シナ海の尖閣海域においては、(4)の段階であると分析できます。 今後1~2年後には、日本漁船の拿捕や臨検など中国公船による管轄権執行、そして次の段階の(5)軍の出動に進むことは間違いありません。 次回は今年東シナ海、西太平洋で中国が計画している海洋軍事訓練を明らかにし、日本は如何に対処すべきかについて言及します。 次世代スパコン開発――「世界一」を目指す未来ビジョンを示せ! 2014.01.11 文/HS政経塾3期生 和田みな ◆世界のスパコン事情 日本のスーパーコンピュータ(スパコン)開発は、民主党政権下で2009年11月に行われた「行政刷新会議」による“事業仕分け”において、蓮舫議員から「2位じゃダメなんでしょうか?」と詰め寄られ、予算計上見送りに近い大幅な予算縮減をうけたことで、逆に注目を集めました。 その後、理化学研究所と富士通の共同開発によってスパコン「京」の開発が進められ、2011年6月にはスパコン処理能力ランキング「TOP500」で、ついに世界1位となり、日本の技術力の高さを世界中に示したのです。 最新の2013年11月に発表されたスパコン処理能力ランキングでは、1位は中国人民解放軍国防科学技術大学が開発した「天河2号」、2位は米のオークリッジ国立研究所の「Titan」、3位も米のローレンスリバモア国立研究所の「Sequoia」、そして4位が日本の「京」という順になっています。 ◆国の発展・防災・防衛に欠かせないスパコン スパコンを簡単に説明するならば「超大型の計算機」です。「京」は毎秒約1京(1兆の1万倍)回の計算能力があります。 このような計算能力を使用することで、実際には起こっていない、解明されていない未知のものをシミュレーションし、スピーディーに、より正確に予測・研究することが可能になります。 具体的には、生命科学・医療・新薬、化学・新物質・エネルギー、気象予報・防災・減災、宇宙・航空など、さまざまな分野の進歩発展に役立ちます。 近年の中国における目覚ましい宇宙開発にはスパコン「天河1・2号」も大きく影響しています。世界一のスパコンで目指すのは、世界一の研究によって、最先端の技術や素材を生みだすことにより、国を発展させることなのです。 また、各国政府がスパコン開発に力を入れているもう一つの理由は、国防・軍事においてスパコンが重要な役割を担っている点にあります。 軍事作戦に欠かせない気象予報、ミサイルや核兵器の予測・シミュレーション・管理、最新兵器や航空機の開発、宇宙技術、サイバー攻撃への防衛など、あらゆるところで使用されています。世界一のスパコンは国の安全を強力に守るのです。 ◆再び「世界一」を目指す日本の挑戦 昨年12月24日に閣議決定した平成26年度予算案には、新規事業として次世代スパコンの開発予算が12億円計上されました。2018年には製造を開始し、2020年の運転を目指す「ポスト京」は、約1000億円の予算で「エクサ(100京)」級の計算速度を目指します。 一方、米国や中国などライバル国も次世代のスパコン開発をすでに始めています。 現在1位の中国の「天河2号」は、「天河1号」の改良版で、米インテル社製のコアを使用しており、まだ純国産スパコンとはいえませんが、「天河1号」開発からわずか2年で、CPU、OS、ソフトウェアツールなどの大半の構成要素を中国製で独自開発してきたことは、日本や米国にとって大変な脅威です。 ◆トータルで「世界一」を目指す未来ビジョンを 世界No.1のスパコン大国アメリカは、処理速度1位の座は現在、中国に明け渡してはいるものの、「TOP500」入りしたスパコンを国内に265台持ち、各地で最新の研究が盛んに行われています。(2位は中国で63台、3位は日本で28台とその差は歴然としています) アメリカのコンピューター開発が成功している理由は、金田康正東大教授によると「コンピューター技術の周囲にカネとヒトが集まる環境づくりに成功している点」にあると言われています。 次世代スパコンで「No.1」を目指すことは重要です。しかし、これまでのような処理速度のみを追求するスパコン開発ではその効果は半減します。 米国のように、国家が開発プロジェクトを直轄管理せずに、支援する仕組みづくりで多くの企業がスパコン開発・使用に参加できること、スパコンを真に使える人材づくり(「それで何をしたいのか」「どのように社会に貢献するか」という視点を持った理系人材の育成)という環境も整えなければ、次世代スパコンで真に「世界一」を目指し続けることは不可能です。 そして何より、そのスパコンを使って、日本がどのような国を目指し、世界を発展させていきたいのかという政府の明確な「ビジョン」があって初めて、「志」を持った優秀な人材・企業がスパコン事業に参加し、開発事業が永続性を持ったものになるのだということを忘れてはいけません。 スパコンはあくまで道具です。私たちは世界一のスパコンを使って、世界に一番幸福を与えることができる日本を目指して参ります。 参考文献:金田康正著『スパコンとは何か?』(ウエッジ 2012) 「海洋大国・日本」―新たな国家ビジョンと安全保障【連載第1回】 2014.01.10 「海洋大国・日本」―新たな国家ビジョンと安全保障【連載第1回】 文/幸福実現党総務会長兼出版局長 矢内筆勝 本日から連載で、「『海洋大国・日本』―新たな国家ビジョンと安全保障」 と題して、日本が今後、いかに中国の侵略から国家を守り、アジアのリーダー国家としてアジアと世界の平和と繁栄に貢献するか――そのための具体的国家ビジョンと安全保障政策について、提案します。 《総論》 日本は四方を海に囲まれ、6852という膨大な数の島によって構成される「海洋国家」です。その範囲は、北は択捉島から南は沖ノ鳥島まで、東は南鳥島から西は与那国島まで、それぞれ約3000キロに及びます。 これまで日本人は、日本を国土面積世界第61位の狭い国であり、エネルギーや鉱物資源に乏しい資源小国と考えてきましたが、そうしたイメージを大きく転換させ、大国としての自覚を迫る時代が到来しました。 その契機が1982年に採択され、1994年に発効した、「国連海洋法条約」です。これによって、沿岸国の領海の12海里と排他的経済水域の200海里における生物・鉱物資源へ主権的権利が認められることになり、日本は世界で6番目の広さの海を持つ「大国」となりました。 この連載では、その海洋国家・日本の持つ、鉱物やエネルギーなど、海洋資源の可能性と、その富を奪取せんと拡大する中国の覇権主義と脅威を明らかにしつつ、その危機を乗り越え、日本が「海洋大国」としてアジアと世界をリードするための、あるべき安全保障政策と、海洋戦略を明らかにします。 ◆21世紀の「海洋大国・日本」 これまで日本は経済大国ではあっても、領土的には世界61番目、地球の陸地の0・25%(377930平方キロメートル)に過ぎない「狭く、小さな国」でした。 そうした日本に、大きな転機をもたらす国際的な法律の枠組みが、国連において誕生しました。それが1982年に採択され、1994年に発効した「国連海洋法条約」(日本は1996年批准)です。 この条約は、各国の主権が及ぶ領海、接続水域、排他的経済水域、大陸棚、深海底などの範囲と権益権利を定めたもので、「海の憲法」とも言われています。 特筆すべきは、同条約において、新しく各国の沿岸から200海里(約370キロメートル)までの範囲を、「排他的経済水域」と設定することが認められたことです(国連海洋法条約第56、57条)。 これによって日本は、その広大な排他的経済水域において、 (1) 石油や天然ガス、メタンハイドレートや海底熱水鉱床など、海底に眠る全ての資源を調査し開発する権利 (2)海中を調査し、海水中に浮遊する資源などを利用する権利 (3)漁業管轄権を有する権利 以上が、国際法において認められたのです。 領土面積において、世界で61番だった日本は、主権の及ぶ領海と排他的経済水域をあわせた海域の面積において、世界の6番目。 また、従来の海域の二次元的な「縦、横」に加えて、「深さ」という三次元的な観点を加えると、日本の「海の大きさ(=海水の体積)」は、約1580万立方キロメートルで、世界の4番目の「大国」になりました。 つまり、この国連海洋法条約の成立によって、日本は、広大な海域を持つ「海洋大国」としての権益を手にしたのです。 (第2回に続く) 靖国問題―A級戦犯は存在しない 2014.01.07 文/幸福実現党岐阜県本部政調会長 加納有輝彦 ◆パール判事の予言 先の日本の戦争について日本無罪論を主張したインドのパール判事は、以下のような趣旨の発言も残しています。 「『悪魔の侵略戦争』と断罪した東京裁判は、国際法に違反するのみか、法治社会の鉄則である法の不遡及まで犯し、罪刑法定主義を踏みにじった復讐裁判に過ぎない。だから全員無罪である」 さらには「東京裁判の害は、原爆より永く日本を害するだろう」とも述べています。戦後70年にもなろうとする今、ますますパール判事の言葉が真実性を帯びてくるのを感じます。 特に、昨年末の安倍首相の靖国参拝以降のマスコミの喧騒を見るにつけ、その感を深くいたします。パール判事が憂えた通り、戦後日本のマスコミの論調は、基本的に「侵略戦争を起こした日本が全て悪かった」という東京裁判史観に支配されてきました。 靖国問題もその淵源は28人のいわゆるA級戦犯を裁き、7人を絞首刑にした東京裁判史観にあると言ってもいいでしょう。 ◆いわゆるA級戦犯合祀問題 靖国問題の主要論点は二つに絞られます。 (1)先の大戦を指導した「いわゆる」A級戦犯が合祀されていること。(中日新聞は、昨年12月27日の朝刊紙面で「いわゆる」を付けず「先の大戦を指導したA級戦犯が合祀されている」と表現しています。 (2)首相参拝は、憲法が定める政教分離に違反する恐れがある。 政教分離については、昨日の、小松ゆか氏がこのHRPニュースでも考察していますが、私はA級戦犯合祀について事実関係を振り返り整理したいと思います。 勝者による敗者へのリンチという喩えもあるほど、徹底的な復讐裁判であった東京裁判が終わってから二年もたたない1950年(昭和25年)に、朝鮮戦争が勃発しました。 すると突如として講和条約締結の話が持ちあがり朝鮮戦争が継続する中、1952年4月28日、サンフランシスコ講和条約は発効されました。 ◆異例の条項:サンフランシスコ講和条約第11条 この講話条約は非常に特殊なものでした。通常の場合、講和条約締結後は、国家間におけるそれ以前の問題は全てなかったことになります。 しかし、このサンフランシスコ条約には第11条において「東京裁判において下された判決を、日本政府は講和条約締結後も継続する(28人に対する法廷が課した刑を執行する)」という異例の条項が付きました。 この条項は当時の国際常識に反する異例なことでしたので、それを無効とする条件も同時に記されています。 「日本政府が発議して、裁判に関係した過半数の国が同意すれば判決を変えてもいい」という趣旨の一節が11条に加えられたのです。 ◆戦犯の名誉回復 そして1952年6月9日の参議院本会議に「戦犯在所者の釈放等に関する決議」が提出されなんと社会党代議士の賛成弁論もあり全員一致で可決されたのです。 その後1955年7月19日の衆議院本会議で「戦争受刑者の即時釈放要請に関する決議」がなされました。国民からも4千万もの署名が集まりました。 これを受けて戦争犯罪人の釈放要求が日本政府から提出され、関係諸国(11か国)の過半数の賛成を得て、1956年に収監されていたA級戦犯が全員釈放されました。(7人は絞首刑によりすでに他界) このようにサンフランシスコ講和条約の第11条を忠実に解釈して、A級戦犯の名誉が回復されたのであります。対外的にも対内的にも正式な手続きを経て、A級戦犯なる存在は合法的に無くなったのであります。 よって、現段階で存在しないA級戦犯に言及する際は、「いわゆる」を付しているのです。「いわゆる」を付していない中日新聞の報道は、歴史的事実に不誠実と思います。 ◆正しき歴史認識の探求 「『いわゆる』A級戦犯が合祀されている靖国神社に参拝することは、悪魔・日本の侵略戦争を正当化する行為であり断固として認められない」とする中国や韓国に対しては、サンフランシスコ講和条約を忠実に履行して戦犯の名誉を回復した歴史的事実を、政府は説明すべきではないでしょうか。 東京裁判史観に立脚する左翼言論は、日本だけが悪さをしなければ平和が実現するという平和主義(戦後体制)を一貫して守ろうとしています。 幸福実現党は、今まさに左翼の牙城を無血開城する時期が来ていると確信し、個々人・人間の正しき心の探求の文脈の中で、正しき歴史認識を探求し、日本の誇りを取り戻すべく活動してまいります。 参考文献:『「東京裁判」を裁判する』渡部昇一・著 2014年、輝く国日本へ ―日本の繁栄は絶対に揺るがない― 2014.01.05 文/HS政経塾1期生 湊 侑子 ◆日本を輝ける国にするため全力を尽くす 「日本を輝ける国にするため全力を尽くす」1月4日に安倍首相は父の故安倍晋太郎氏の墓参りを行い、そう誓ったそうです。 一度は自ら放棄した総理大臣の椅子でしたが、運命の巡り合わせで二度目のチャレンジが許された2013年。年末に「痛恨の極み」と心残りであった靖国神社参拝を果たしました。 また、辺野古の埋め立て許可を沖縄県知事から取りつけました。尊敬する吉田松陰先生や天照大神はじめ日本をお守り下さる神々からも、及第点をもらえたのではないでしょうか。 二度目のチャレンジが許された奇跡を無駄にしないために、日本を真なる“輝ける国”に導いていかなければなりません。 ◆東南アジアの盟主に向けて 安倍首相の靖国参拝に対しての、中・韓と台湾、シンガポール以外の東南アジア各国の反応はおおむね良好です。インドネシアのコンパス紙は、靖国問題で「自らを被害者と位置付ける中韓の主張は一面的な見解」「靖国には戦争の犠牲となった(各国の)約250万人も祀られている」と報道し、日本のマスコミよりも冷静です。 ベトナム外務省のルオン・タイン・ギ報道官は「日本が地域の平和と安定、協力のために、問題を適切に処理することを希望する」とコメントしました。 東南アジアは、大東亜戦争で日本が白人を相手に戦った姿に勇気づけられ、また実際に力を貸してもらい独立を果たした国が多くあります。今また、中国の覇権主義政策に危機を感じており、日本に期待する声は日に日に高まっています。 岸信介総理は戦後日本が生んだ最も偉大な総理の1人です。彼は総理就任後、「孤立した日本ということではなしに、アジアを代表する日本にならなければいけない」 と考え、東南アジアを回ってから訪米しました。 極東の安全を守る責務と自負を持ち、総理としてアメリカに渡った上で、政治生命を賭して、日米安保改定に取り組みました。実際に命を賭けて安保改定を成し遂げ、戦後70年の日本とアジアの平和を守り抜きました。 安倍首相も、その祖父の姿に倣い、就任一年でアジア太平洋15カ国を2回に分けて歴訪しています。アメリカが世界の警察官から辞退しようとしている中で、再度世界に引っ張り出すためには、東南アジアの総意をアメリカ国民の心を動かす形で伝えなければなりません。 ◆アメリカから明るいニュース 「テキサス親父」ことトニー・マラーノさんが米カリフォルニア州グレンデール市に設置された慰安婦像の撤去を求めた請願活動において、署名数が正式受理に必要な10万件を超えたのです。 1か月の期限内に集めきることは難しいと思われていましたが、日米だけでなく、欧州にも支持が広がったことで目標達成されました、 請願が受理されても、連邦政府が地方自治体の案件に介入する可能性はほとんどないそうですが、2月から慰安婦碑設置の可否を審議するカリフォルニア州クパチーノ市議会への牽制になります。 中・韓は国家予算をつぎ込み、国家戦略として「反日運動」を行っています。中国人事業家の陳光標氏によるによるNYタイムズ買収騒ぎも出ています。そのためにも今すぐにでも国家戦略として、先の大戦の意義を整理しなおし、トップ外交をはじめロビー活動など正しい形で世界に情報発信しなければなりません。 ◆世界のヒーローを目指して 新素材や新製品の開発により、近い将来「アイアンマン」や「スパイダーマン」のようなヒーローが、日本から登場するかもしれません。 パナソニックが世界初で量産化を決定したのは、「アイアンマン」で主人公が身につけていたパワードスーツです。身体に装着することで筋力の限界を引き出すことができるもので、短期的には災害救助や原発作業での使用、将来は宇宙服の下に着ることも検討されています。 「スパイダーマン」で使われていたクモの糸と全く同じ構造の人工繊維を量産する工場も世界初で稼働します。鋼鉄よりも強く、ナイロンよりもしなやかなこの素材は、将来的に石油化学製品を代替する素材となります。 日本がロボット・宇宙産業分野の最先端技術で大きな産業を立ち上げると共に、世界に広めることで貧困国を助けるヒーローになることができるのではないでしょうか。 「積極的平和主義の下、世界の平和と安定に貢献する。国民の生命・財産、美しい海と領土・領空、日本人の誇りを断固守る」 安倍首相の国防・安全保障に対する思いです。このたび政府は、領海の範囲を決める基点となる離島のうち、所有者がいない280を国有化する方針を決めました。 今年こそは、尖閣諸島の防衛確立、集団的自衛権の容認、そして安倍首相のライフワークである憲法9条改正にまで踏み込み、自分の国だけでなく世界に対して貢献できる強くて優しい国になりたいと切に願います。 この輝ける日の本の国から、世界の希望となる大きな太陽を昇らせるという大義のため、安倍首相の援護射撃をしつつ、今後も弊党は日本の繁栄をしっかり確立してまいります。 最新鋭輸送機MV-22オスプレイの配備の重要性を問う(2) 2014.01.04 文/幸福実現党山口県本部 政務調査部長 石橋 昇 前回に続き、オスプレイの性能やオスプレイが安全保障に果たす重要な役割について述べてまいります。 ◆懸念に過ぎないオスプレイ配備の不安 昨年、オスプレイ配備について左派マスコミは、様々な憶測を報じましたが、結局は「最初からオスプレイ反対ありき」の報道で騒音や事故率など不安を煽るだけのものでした。 まず騒音については、水平飛行ができるオスプレイはヘリコプター特有のブレードスラップ音が少なく原理的に従来のヘリコプターよりも静かです。 昨年8月に普天間基地に配備するためオスプレイ12機が岩国に一時駐機いたしましたが、そのとき岩国市に寄せられた苦情10件のうち9件はオスプレイではなく報道のヘリコプターへの苦情でした。 安全性についても、10万飛行時間あたりの事故件数を示す事故率についてMV-22オスプレイは1.93にとどまり、海兵隊所属のヘリを含む航空機の平均事故率2.54より低いと報じられています。 昨年8月には、オスプレイによる大統領補佐官、シークレット・サービスおよび記者の輸送が行われました。安全性には格段の配慮が要求されるホワイトハウスのスタッフの移動で運用されたのは初めてのことです。 オスプレイの配備にあたっては、地元沖縄の反対により普天間基地への直接配備が難しかったため、岩国基地に一時駐機させた後に普天間基地に移動させるという配慮が取られました。 配備の経緯は、当時の防衛大臣であった森本 敏氏が著書「オスプレイの謎。その真実」(海竜社刊)のなかで詳しく述べられております。 岩国市の福田市長も「オスプレイの一時駐機は基地機能強化に当たらない」と述べ、駐機を事実上認めておりますし、岩国市議会も先般議会に上程された「オスプレイの低空飛行訓練に反対する議案」を21対10の大差で否決しております。 いま岩国には、普天間基地にある空中給油機能をもった輸送機KC-130を岩国基地に移設すべく交渉が進められております。 既述の通り空中給油により、オスプレイの展開半径が朝鮮半島まで及ぶ性能を考えた場合、岩国市に企案された本計画は安全保障上きわめて妥当です。 ◆認められつつあるオスプレイの重要性 オスプレイの初の配備から一年ほど経過しましたが、沖縄の基地負担の軽減のため、オスプレイの訓練の一部が本土でも行われるようになり、昨年10月には滋賀県高島市の饗庭野演習場での訓練が行われました。訓練にあたって高島市長も特に大きな異議を唱えませんでした。 また台風のため中止にこそなりましたが、高知県での日米共同の防災訓練でも、南海トラフ巨大地震による津波被害を想定し、オスプレイが山口県の岩国基地と高知県内の自衛隊施設との間で物資輸送などをする予定でした。 オスプレイ配備の話が出た当初は配備に疑問を呈する報道も多かったものの、結局一年ほどが経過し、最新鋭輸送機MV-22オスプレイの重要性が着実に認識されつつあると感じております。 先般起きたフィリピンでの未曾有の台風被害の救援活動にあたっても、オスプレイが救援活動のため派遣されました。 ◆日米同盟のいっそうの深化を 2011年の東日本大震災の被災地では、大規模な救援活動が展開されました。自衛隊は10万人を動員し、人命救助や物資の輸送、炊き出しなど幅広い支援活動にあたりました。 米軍も支援活動を「トモダチ作戦」と名づけ、1万8千人を派遣。日米同盟の真価が発揮されました。先般のフィリピンでの台風被害の救援活動にあたっても、米軍や自衛隊が活躍しております。 当時の民主党政権下で普天間基地移設問題が暗礁に乗り上げたことにより、日米同盟は冷え込みましたが、もしオスプレイの配備までも頓挫するようなことがあったとしたら、日米同盟に致命的な亀裂を与えるところでした。 中国による不法侵入がエスカレートしている今、また朝鮮半島情勢の緊張が高まるなか、子どもたちの未来を守るため、我が国の領海や主権を守るため、東アジアの平和を守るためにも日米同盟の深化が不可欠です。 集団的自衛権の行使容認など自衛隊関連法案の見直しも含めて、いっそうの日米同盟の深化を図るべきです。 最新鋭輸送機MV-22オスプレイの配備の重要性を問う(1) 2014.01.03 文/幸福実現党山口県本部 政務調査部長 石橋 昇 年末、沖縄県の仲井真知事は、名護市辺野古沿岸の埋め立て申請を承認しましたが、その中で知事は、オスプレイについて24機のうち、12機程度を県外に移転することを求めていたことが報道されました。 昨年11月8日のHRPニュースファイルで、山口県本部・副代表のかわい美和子より、東アジアの安定と国防上の要である沖縄県と山口県の重要性についてオスプレイが果たす役割を述べましたが、今回、あらためて最新鋭輸送機「MV-22オスプレイ」配備の重要性について考えてみたいと思います。 ◆既存ヘリの代替として普天間基地に配備されたオスプレイ 核ミサイル保有を急ぐ北朝鮮、特に中国は尖閣諸島を「核心的利益」と再三にわたり表明してきましたが、去年6月に行われた米中首脳会談でもオバマ大統領に主張しました。 中国の言う核心的利益とは「利益を守るためなら、武力行使も辞さない」という意味です。 12月22日にも尖閣諸島沖で、中国海警局所属の公船「海警」4隻が領海に侵入しましたが、こうした日本の領海に対する度重なる侵犯行為は、侵略を企図していると言わざるを得ず、私たちや子どもたちの安全と未来を確実に脅かそうとしています。 こうした中でMV-22オスプレイが、従来のヘリコプターCH-46の後見機として普天間基地に一昨年12機、昨年12機の計24機が配備されました。 オスプレイの配備を「基地機能強化」や「負担増加」だとするの報道も一部ありましたが、配備に併せてCH-46も退役になったため正しくありません。 CH-46は輸送機として我が国でも長年災害救助にも活躍しましたが、配備から実に半世紀も経った老朽したヘリでもあったためオスプレイと替える必要がありました。 ◆中国から沖縄・尖閣諸島を守るためオスプレイは不可欠 尖閣諸島はじめ島々の多い沖縄では、海兵隊を迅速に広い範囲に派遣できることが重要です。 オスプレイは、CH-46ヘリコプターと比較して最大速度が約2倍、搭載量が約3倍と優れ、有事の際の米軍の海兵隊の迅速な行動範囲も、沖縄本島から410km離れた尖閣諸島はもちろん600km離れた台湾にまで広がります。 しかも一回の空中給油を行うことによって1,100kmまで広がり、フィリピンも含めた東シナ海全域の安全保障にも寄与します。 ちなみにCH-46の展開範囲はたった140kmです。空中給油機能もないため航続距離が足りず、行動範囲を広げるには船で運搬しなければならず、時間を要します。したがって万一の尖閣諸島の有事に迅速な対応ができません。 沖縄の基地負担軽減のため訓練の一部を本土に移そうという動きもあります。 負担軽減は歓迎すべき話ですが、中国の驚異から沖縄や日本の領土を守るため沖縄米軍基地の「地理的な位置関係が国際関係に与える影響」、つまり「地政学的な重要性」は変わるものではありません。 私たちが住んでおります山口県にも岩国基地があり、普天間基地と同様に海兵隊の基地がありますが、岩国基地を中心としたオスプレイの展開範囲である半径1,100kmの円を描くと朝鮮半島が入ります。 以上のことから朝鮮半島有事の際に対応できる岩国基地の「地政学的な役割」は、沖縄と同様に重要であることが理解できるでしょう。 (つづく) 2014年にこそ、国防政策の確立を! 2014.01.02 文/HS政経塾 遠藤明成 ◆元旦から「中国軍」を取り上げた読売新聞の危機感 本年の元旦の各紙の1面記事のテーマを見ると、朝日は「教育」、日経は「科学」、東京は「東電」、産経は「歴史観」、そして、毎日と読売は「中国軍」を取り上げており、その中に各紙の問題意識が映し出されていました。 その中でも特に目を引くのが、読売1面の「中国軍 有事即応型に」と書かれた大見出しで、中国が陸・海・空軍を一体化させ、ハイテク兵器を用いた戦争を可能にする「軍の機構改革」を進めていることを危惧した記事です。 その中の「運用の近代化が実現すれば、日本や米国の脅威となるのは必至だ」という記述からは、あえて正月にこの記事を一面に出してきた危機感が伝わってきます。(読売7面にも関連記事あり) 毎日新聞は、「防空識別圏」の問題を取り上げていますが、読売新聞のように「海洋強国」をつくってアメリカに対抗しようとする中国の野心までは論じていません。 ◆「有事即応」体制の確立を目指す中国軍 その主たる内容は、 1:国内に設置している地域防衛区分である「7大軍区」を、有事即応可能な「5大戦区」に改編 2:従来の陸上防衛中心の「軍区」を、東シナ海や南シナ海等の「海洋権益」を含めた「戦区」に変える(→近隣諸国の領土・領海までを自国の「海洋権益」と見なして“防衛”する体制になる) 3:陸軍主導の体制を改め、陸・海・空軍とミサイル部隊を一体化し、戦力の相乗効果を高める。 という3点が中心であり、同記事は中国軍が2020年までに軍の近代化を完成させ、3つの空母機動部隊の編制を目指していることも取り上げています。 その中には、中国軍が03年比で人員(非戦闘員中心)を30万人削減するという構想も入っていますが、これは削減した人件費分の資金を装備やハイテク機器、研究開発に投資するための措置です。 人員削減=軍縮と誤解する人もいるかもしれませんが、削減した人件費分の資金を軍の近代化のために使うのは、鄧小平が百万人の人員削減を行って以来、その後継者たちが用いてきた手法なのです。 ◆年初から「中華民族の偉大な復興」を説く習近平 こうした改革案は、中国軍の研究者には既に知られている話ではありました。 (例:『軍事研究2013年2月号』〔P28~43〕では09年9月に中国の軍事雑誌『鏡報月報』に掲載された改革案を分析している) しかし、こうした中国の軍事戦略を大手の新聞社が正月から一面で取り上げるのは珍しいことです。これは世の中にも「中国の覇権主義の危険性」が認知されてきたことの一例だと言えるでしょう。 こうした中国の覇権主義は本年の習近平氏の新年挨拶(1月1日付「人民日報・日本語版」HP記事)にも見て取ることができます。 習氏は、「中華民族の偉大な復興」や「中国の夢」の実現を訴え、地球70億人の人々は、「共に困難と幸福を分かち合い、共に発展していくべき」であると述べていますが、彼らは日本に向けた核ミサイルを廃止しませんし、台湾や尖閣諸島、南沙諸島などへの野心を放棄することもありません。 それは、この「中国の夢」が平和の夢ではなく、アジアの覇権獲得を目指す一党独裁国家の野望にすぎないことを端的に示しているのです。 ◆「危機認識」なくして「国防政策」の実現はありえない こうした状況の中で、安倍首相は本年1月1日の「年頭所感」(官邸HP)にて、「『積極的平和主義』こそが、我が国が背負うべき『21世紀の看板』である」「国民の生命と財産、日本の領土・領海・領空は、断固として守り抜く」「憲法についても……国民的な議論をさらに深めていくべきである」と訴えていました。 しかし、自公連立政権では集団的自衛権の解釈変更も先延ばしにされており、国防政策を確立する歩みは、目的地である九条改正までの距離を考えると、進展してはいるものの、遅々たる歩みが続いています。 昨年秋から冬にかけての一部マスコミによる「特定秘密保護法」反対の大合唱と、その後の政権の支持率の低下を見れば分かるように、国防政策の前提である「危機認識」そのものが、今の日本には十分に根付いていないのです。 安倍首相は国防政策を重視してはいますが、本年4月の消費税増税が経済の失速をもたらした場合には失脚の危険性がありますし、充分な能力を備えた人材が後継者になる保証もないことを考えると、今の日本の政治は、「国民の生命と財産」を守るに足りる水準であるとは言えません。 そのため、危機認識を欠いた世論に警鐘を鳴らし、弱腰になりがちな安倍政権に向けてあるべき国防政策を示す幸福実現党が2014年に台頭しなければならないのです。 今年は「日本の誇りを取り戻す」一年にしよう!! 2014.01.01 文/政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆正月は、日本人の「信仰の本能」が現れる いよいよ、2014年が幕を明けました。年末は慌しい日々をすごされた方も、正月は初詣に行き、その一年の無病息災を神々に対して祈願されることと思います。 普段、あの世を否定する方であっても、正月は、神仏を無視するわけにはいかないようです。松下幸之助氏は、「人間には信仰の本能がある」といっていますが、この時期は、そうした言葉をしみじみと感じます。 ◆靖国参拝に対して予想以上の反響 去る12月26日(木)、安倍総理は靖国神社への参拝を行ないました。幸福実現党はこの参拝に対して、歓迎する旨の声明を発表いたしました。これは日本人として、当然の行為であります。 ところが海外からは、この参拝に対して疑問の声が上がっています。中国・韓国からの批判の声は想定内と言えるところはありましたが、在日米大使館のウェブサイトから、その後、米国務省より正式に「近隣国との関係を悪化させるような行動に失望している」とのコメントが発されました。 ここでは米国は、靖国参拝自体の是非には言及していないものの、小泉総理の時には沈黙していたことを考えると、今回の米側の反応は異例とも言えるものです。 さらに国連事務総長の報道官からも「過去の緊張が今でも(北東アジア)地域を苦しめているのは非常に遺憾だ」との異例のコメントが発表され、この状況に拍車をかけています。 私個人としては、日本が国連に対して支払っている莫大な分担金のことを考えると、来年からは大幅な支払いの減額を考えてもよいのではないか、とも考えてしまいます。 ◆靖国神社を参拝してどこがいけないのか 靖国神社には、明治維新以降の戦没者が祀られています。そこに参拝するということは、国のために生命を投げ出した先人たちの魂に対して尊崇の念を捧げるということであります。こうした行為のどこがいけないのでしょうか。 ここで、戦艦大和が1945年(昭和20年)4月7日に広島県呉港から、沖縄へ向けて最後の攻撃(水上特攻)を行なった際のエピソードをお伝えいたします。 1945年当時、海軍はほとんど戦力がなくなっており、戦艦は大和など数隻を残すのみとなっています。一方の陸軍は、中国大陸での優位もあり、海軍と比較して戦意は強く、本土決戦へ向けての立案も出来上がっていたと言われています。 そうした中、海軍としても必死の戦いをするため考えられたのが戦艦大和の水上特攻と言われています。これは、米艦隊がひしめく沖縄へ向けて、「大和」が突撃するという、今から考えると全く理解できない作戦でした。 実際にこの作戦を聞いた「大和」艦長の伊藤整一中将は、その場で反対をしたそうです。当時の状況を考え、貴重な乗組員たちの生命を無駄にしたくなかったのだと思います。一人の人間として、当然の判断であったといえます。 しかし、最後の最後には、自らが犠牲となることを了承し、作戦は実行されました。この出撃については、現場の将官の間でも、その是非について激論が戦わされました。2005年に大ヒットした映画「男たちのYAMATO」でもこうした場面がありましたが、これは実際にあったのです。 彼らが自らの命を捧げることを、最後の最後に決断したのは、自らが犠牲となって、この日本が素晴らしい国家となることを強く願い、信じたからに他なりません。 そして、彼ら戦没者の魂たちが、自分が生命をかけて戦ったことに、意味がなかったとは、絶対に認めるわけにはいかないのです。そうした魂が集うのが、靖国神社でもあるのです。 後世の日本に生きる私たちが、そうした魂に対して尊崇の念を持って、一体なにがいけないのでしょうか。 ◆産経新聞のスクープ「河野談話は日韓の合作」 そうした中「従軍慰安婦問題」に関して、1日の産経新聞は一面で「河野談話 日韓で“合作”」との見出しで、1993年の河野談話について、原案の段階から韓国側の指摘に沿って修正するなど、実質上の合作だったことが明らかになっています。 本来、政府が公式に「従軍慰安婦」の存在について調査する以上、客観的なものでなければならないにも関わらず、河野官房長官をはじめとする日本政府が韓国側の意向を取り入れる結果になったことは、許すことのできない大罪であります。こうした方々は、本来、韓国の税金で議員活動をすべきではないでしょうか。 ◆「河野談話」の白紙撤回を実現し、日本の誇りを取り戻す一年 昨年より、幸福実現党は、正しい歴史認識を持つため「日本の誇りを取り戻す」キャンペーンを行なっております。上記に述べましたとおり、先の大戦で戦った英霊に尊崇の念を持つことが決して間違っていないこと、いわゆる「従軍慰安婦」が存在しなかったことを一人でも多くの方にご理解いただくべく、活動を続けてまいりました。 その結果として、冒頭に申し上げました安倍総理の靖国参拝につながったものと思います。今年は、さらに踏み込んで、河野談話の白紙撤回を実現し、真の意味で「日本の誇りを取り戻す」ため、署名活動を行なってまいります。 『河野談話』の白紙撤回を求める署名 http://info.hr-party.jp/2013/2524/ ぜひ、今年2014年を実りある一年とするためにこの署名活動へご理解・ご協力をいただきますよう、お願いいたします。 すべてを表示する « Previous 1 … 68 69 70 71 72 … 101 Next »