Home/ 国防・安全保障 国防・安全保障 「海洋大国・日本」―新たな国家ビジョンと安全保障【連載第8回】 2014.02.14 文/幸福実現党総務会長兼出版局長 矢内筆勝 《海洋国家日本の国家戦略と安全保障》 ◆「報復的攻撃能力」の具体策 前回は、日本に向けられた中国のミサイルから、日本を守るために必要なものが「抑止力」であることを述べました。 その中でも最も確実なものは、中国が日本を攻撃すれば、それ以上の損害を与えることができる「報復的攻撃能力」であることを明らかにしましたが、今回は、その「報復的攻撃能力」について具体的に論じます。 前回ご紹介した社会科学者の北村淳氏は、中国のミサイルから日本を守るために必要なものは、「中国の戦略要地をピンポイント攻撃できる長射程ミサイル(中距離弾道ミサイル・長距離巡航ミサイル)の配備である」と提言しています。 「具体的には、アメリカから各種トマホーク巡航ミサイルを必要数購入すれば、それらを海上自衛隊艦艇に配備した瞬間から、強力な報復攻撃力すなわち抑止力を、自衛隊が独自に保有することになる」 日本がもし独自に巡航ミサイルを開発するには膨大な時間と予算がかかりますが、「トマホークミサイル」なら、現有の日本の艦船や潜水艦への装着が可能です。 すでにイギリス海軍がアメリカから輸入しているため、日本も調達は可能であり、国内外の理解も得やすいからです。 日本は中国の長射程ミサイルへの抑止力強化のため、まずトマホークを米国から数十基程度購入し、ミサイル駆逐艦や潜水艦に配備すべきです。 価格は一基200万ドル(約2億円)程度で、射程も1250キロから最大3000キロと、日本を狙う中国の基地を攻撃するのに十分です。 それによって、時間を稼ぎ、その後、国産の弾道ミサイルや長距離巡航ミサイルを開発し、合わせて原子力潜水艦や空母の建造を進め、より強固な抑止力と防衛体制の強化を進めればよいのです。 特に、日本近海や東シナ海には、水深1万メートルもの深い海溝があります。 長期間、燃料補給なしで稼動できる原子力潜水艦を3隻程度所有し、そこにトマホークを積んで潜航させておくだけで、中国への強力な抑止力となります。原子力潜水艦だけなら一隻1500億円程度で配備できるのです。 ◆「核保有」の国民的議論を さらに日本が最も警戒しなければならないのは、中国が数百発から数千発保有しているとされる核兵器を背景に、日本を恫喝するシナリオです。 今の中国共産党や中国軍の幹部の中には、長年の反日教育によって、「日本に対する核攻撃を躊躇しない」という空気すら確実に存在しています。 日本は今、中国の核攻撃への抑止力を真剣に考えなければならない時を迎えていると言わざるを得ません。その選択肢の一つとして、私は、日本も「核保有」を真剣に議論すべきであると考えます。 日本が「核保有」に関する国民的議論を喚起するために、わが国が選択可能な核抑止力の選択肢を、3つ提示してみましょう。 (1)非核三原則の撤廃 この原則は日本の「国是」のように受け止められているが、そもそも国会答弁に基づく政策方針にすぎず、現行憲法も核保有を禁ずるものではありません。この非核三原則を撤廃すれば、日米同盟が強固であれば、それは自動的に、米軍による在日米軍基地への核持ち込みが「潜在化」します。 これは、日本への核攻撃がすなわち、米軍への核攻撃となり得るがために、アメリカとの全面核戦争を望んでいない中国にとって、大きな核抑止力として機能するでしょう。 (2)核(ニュークリア)シェアリング すでに北大西洋条約機構(NATO)加盟国のベルギー、ドイツ、イタリア、オランダが、アメリカとの間で行っているもので、平時はその国に駐留するアメリカ軍が保管している核兵器を、有事の際に必要に応じて配備国へ譲渡し、使用権限を与えるというものです。 (3)核の独自開発 国内世論に加え、国際的にも国連の核不拡散条約に加盟しているため、現在ではハードルが高いといわざるを得ません。しかし、第一と、第二の方策を選択した上で、常に核の独自開発の可能性と選択肢を残しておくことが、国家戦略上有効です。 その意味で、2013年9月 国産ロケットは「イプシロン・ロケット」(宇宙航空研究開発機構が開発)の打ち上げ成功は、安全保障上も大きな成果と言えるでしょう。 衛星ロケットの打ち上げ技術と弾道ミサイルの技術は、ほぼ同じであり、これによって日本は一基わずか38億円のコストと一週間の時間で(イプシロンのコストと組み立て日数)打ち上げられる、いつでも弾道ミサイルに転用が可能な技術を手に入れたことになります。 以上、日本の国防面を論じましたが、次回は、外交面から海洋開発と「太平洋自由連合」構想について紹介します。 なぜ江沢民氏は国際手配されたのか 2014.02.13 文/HS政経塾スタッフ・遠藤明成 ◆闘牛の国からの挑戦状? 靖国参拝や慰安婦、先の大戦への謝罪要求など、中国・韓国のいわれなき反日キャンペーンが続いていますが、「過去の戦争」ではなく、「現代の大量虐殺」の容疑者として、江沢民氏ら5名の中国人が注目されています。 スペインの全国管区裁判所は11月19日に江沢民氏や李鵬氏、喬石氏ら5名を、80~90年代チベットでの大量虐殺に関わった容疑者と見なし、2月12日にICPO(国際刑事警察機構)加盟諸国へ逮捕を要請したからです。 この逮捕状は06年にチベット人の救済を求める人権団体からの刑事告発に対処したものです。(これ以外にも、10月9日には、同種の容疑で胡錦濤氏も告発されている) ◆告発と国際手配の背景にある「普遍的管轄権」という考え方 スペインでは、大量殺戮等の重大犯罪の当事国で裁判が行われない場合に、第三国が裁判をする権利を認める「普遍的管轄権」が定められているため、同国の裁判所は海外の事件に関しても人道的犯罪などの訴訟を受理しています。(※一定の条件はありますが) 98年には、スペインから大量虐殺の容疑で告発されたチリのピノチェト元大統領が、98年にロンドン滞在中に、同国からの要請を受けて逮捕されました。(その後、チリの抗議を受けて釈放) こうした告発は人権団体から評価されましたが、外交問題が増えるので、近年のスペイン政府は海外の人道的犯罪訴訟の条件の厳格化を進めています。今回はスペイン国籍を持つチベット僧がいたので、こうした告発が可能となったのです。 (※ICPO加盟諸国は普遍的管轄権に対して自国民を引き渡す義務を負わないので、前述の5人は中国国内にいる限り裁かれることはなく、この逮捕要請は政治的メッセージと見られる) ◆矛盾する正義と利害関係――普遍的管轄権の活用は可能か 今のスペインでは、法律家の正義と国家間の利害関係が矛盾しています。この状況を、2月12日付の毎日新聞朝刊(9面)が報道していました。(以下、要旨) ・中国はフランスに次ぐスペイン国債保有国であり、対中貿易を経済再建の切り札にしたい現政権は、司法と外交の間で板挟みとなっている。(スペインを訪れる中国人観光客も激増している) ・同国の国民党は、1月に虐殺などの人道的犯罪の訴追対象について、改正案を提出した。この案では訴追対象はスペイン人とスペイン定住外国人などに限られ、「犯罪発生時点」での被害者のスペイン国籍所持が条件化される。これが成立すれば、今後、96年に国籍を取得したチベット仏教僧らの告発は認められなくなる。 こうした「普遍的管轄権」の行使には現実の壁だけでなく、国際法における「内政不干渉の原則」との矛盾という課題もあります。これが多くの国で司法の原則として認められた場合は、自国裁判所における他国指導者の訴追が頻発し、多くの外交問題が発生するからです。 今回のスペインの司法判断には正当性がありますが、この考え方を悪用すれば、人権侵害や大量虐殺の事件を捏造し、他国の政治指導者を自国の裁判所で訴追することもできるでしょう。 そのため、最後は力関係がものを言う国際社会で、「普遍的管轄権」が有効に活用されるか否かは、今後、自由と民主主義の側に立つ国々の努力次第で決まると言えます。 ◆世界に北朝鮮、中国の人権侵害の実態を知らせるべき 今回のスペインの司法判断は、中国の軍拡と人権弾圧を放置してきた各国に対して、一石を投じる試みでした。拉致の事実を認めたにもかかわらず、金正日を訴追できなかった日本は、この毅然たる姿勢を見習うべきではないでしょうか。 人民を飢えさせながら、一年分の食糧費に相当する国費をミサイル実験に注ぎ込んできた金正恩も、「人道に反する罪」を犯しているからです。 09年に、幸福実現党・大川隆法総裁が「金正日を東京地裁で裁判にかけます」(『幸福維新』http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=107)と訴えたように、日本には悪を抑止し、東アジアに自由の領域を広げる力が必要なのです。 日本は、憲法九条改正(もしくは解釈変更)や日米同盟強化、自衛隊の強化を図るべきですが、これと並行して、「現代の大量虐殺」に抗議する外交活動の展開が必要です。今回のスペインの国際手配要請に関しては、同種の活動の命脈が絶えないよう、日本はICPO加盟国として支持すべきでしょう。 拉致問題に関して、ジェンキンス氏(拉致被害者である曽我ひとみさんの夫)は、76~77年頃に、北朝鮮の立石里(リプソクリ)招待所にて、巡回医師が「スペイン人の女性を治療した。とてもきれいな女性だった」と話していたことを明かしていますが(産経ネット版2013.2.10)、日本は、被害者に14カ国の外国人が含まれている事実を広く訴え、欧米諸国とも連携して、北朝鮮の包囲網を強化しなければなりません。 日本は、今こそ、防衛・外交政策を見直し、第二の冷戦を終わらせるための一歩を踏み出すべきなのです。 【ご案内】 2月15日(土)HS政経塾第3期生による政策研究発表会(http://hs-seikei.happy-science.jp/2014/4252/)が開催されます。 気軽にご参加ください。 ●HS政経塾第3期生による政策研究発表会 【日 時】日時 2月15日(土) 14:00~16:00 【場 所】ユートピア活動推進館 3階大会議室/東京都港区赤坂2-10-8 東京メトロ 溜池山王駅9番出口・徒歩3分 TEL 03-6277-6937 (受付時間:10:00~18:00) 【参加費】 一般1000円、学生500円 【発表者】田部雄治、和田美奈、横井基至、瀬戸優一、森國英和 価値観外交を考える――民主主義と核不拡散条約 2014.02.12 文/HS政経塾 三期生 田部雄治 ◆中国の脅威 現在、アジアにおいて最も大きな不安定要因の一つは、間違いなく中国の軍事的な拡張でしょう。 急激な軍拡を進め、南シナ海の島々の実効支配を進めています。尖閣諸島の領有権を主張し、防空識別圏を設定し、南シナ海の漁業を一方的に制限するなど、日本をはじめ、フィリピンやベトナムなどに脅威を与えています。 先日フィリピンのアキノ大統領は、中国をナチスになぞらえて批判をしました。 またアメリカも、防空識別圏の設定や尖閣諸島の領有権主張に対し、国際ルールを順守するよう、中国を非難する声明を出しております。 南シナ海は、日本の原油の90%が通過する重要なシーレーンであり、中国に支配されることは日本にとって致命的です。 ◆日印外交 日本とインドは、民主主義国家であり、歴史的にも大変友好的な関係にあります。 またインドは、インド洋にも進出を図る中国に対しとても脅威を感じており、中国の侵略を食い止めたいという点でも利害が一致します。 先月26日から、安倍首相は訪印してインドのシン首相と首脳会談を行いましたが、日本とインドで、様々な協力関係の構築について話し合われ、大きな成果が得られました。 ところが一点、インドの抑止力としての核実験を認めるかどうかで、折り合いが付きませんでした。 ◆インドの安全保障 1962年、インドは中国から一方的に侵略を受けました。この通常兵器による戦争において、インドは大敗北を喫しました。 しかもその2年後に中国は原爆実験を成功させ、さらに3年後には水爆実験も成功させました。 以上のような背景から、インドが核武装をせざるを得ないと判断したのも無理もないことでしょう。 核実験の実施後、インドは一時経済制裁も受けましたが、核実験を自主制限し核拡散も行わないという宣言をして、国際社会に復帰しました。 インドの核実験は自主規制であり、中国に対して一定の核抑止力が認められた形となりました。アメリカもこの前提で、米印原子力協力協定を結んでいます。 ところが上記の日印首脳会談では、日本がインドの核実験を認めなかったために、日印原子力協力協定は結べませんでした。 慢性的な電力不足に悩むインドに、原発の輸出が出来ないということを意味します。インド経済にとってはマイナスです。 ◆核不拡散条約(NPT)の矛盾 インドの経済の発展は、インドの軍事力を支えます。インドの軍事力は、インド洋の安定のための大きな要因であり、インドと日本のシーレーンにとっても重要です。 核不拡散条約によって、世界最大の民主主義国家であるインドが損をして、世界最大の専制国家である中国が得をすることになります。 核不拡散条約を厳格に守ることが自由と民主主義を危機に陥れる、という矛盾が発生しているのです。 ◆核不拡散条約を疑え 核不拡散条約は、核兵器が広がることを防ぐことに一定の役割は果たしてきました。しかしここにきて、限界が現れてきました。 そもそも核不拡散条約は、大変不平等な条約です。1967年1月1日までに核兵器を保有した米・露・英・仏・中の5か国にのみに核兵器保有と核実験の権利を認め、その他の国には認めないという条約なのです。 このうち米・露・英・仏の4か国は核実験の自主制限をしていますが、中国はしていません。また、中国がインドに隣接するパキスタンに核技術を供与したことは、公然の事実と言って良いでしょう。 核不拡散条約は、核兵器を作り続ける中国を止めることが出来ません。しかもその中国によって危機にさらされている民主主義国家・インドの安全保障にとって障害となっているのです。 国際ルールを守らず、自国の都合で好き放題する専制国家・中国をのさばらせるだけの核不拡散条約であるならば、改めなければなりません。 日本としては、アメリカ同等の条件でインドと日印原子力協力協定を結び、互いの経済発展を実現させるべきです。そのうえで、シーレーンの共同防衛を図るべきでしょう。 自由と民主主義という価値観を広げることを目的として、積極的に国際社会に働きかける外交をするべき時が来たのです。 「建国記念の日」特集(2)――「国歌・君が代」 2014.02.10 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆国歌とは何か 世界のどの国でも多くの人が集まる行事や重要な儀式、現在はソチオリンピックの最中ですが、必ず国の国歌を、演奏、斉唱します。 また外国の代表を迎えた場合には、相手国の国旗を揚げると共に国歌を演奏して敬意を表すのが国際的な慣例です。 世界中で国旗のない国が一つとして存在しないように、国歌がない国もありません。つまり前回説明した国旗と同じように国歌もその国のシンボルなのです。 また国歌もその国の歴史、建国や政治のあり方、文化の中で生まれたもので、国民の感情や共感を歌に表したものです。 ◆世界の国歌 世界の国歌は3つに分類できます。 (1)戦争の中で生まれた国歌 ●アメリカの国歌…1819英米戦争の際、米軍の勇敢さを讃えた歌 砲弾が赤く光を放ち宙で炸裂する中 我等の旗は夜通し翻っていた ああ、星条旗はまだたなびいているか? 自由の地 勇者の故郷の上に ●中国 最大の危機に際し ひとりひとりが最後の鬨(とき)の声をあげるときだ 起て! 起て! 起て! 我ら万人心を一つにして 敵の砲火をついて前進しよう! 他にはフランスの国歌は、フランス革命時の対プロシア・オーストリア戦争のさなかの進軍可歌です。 (2)自然や神を歌った国歌 ●ロシア 南の海より極地の果てへと 広がりし,我等が森と草原よ 世界に唯一なる汝、真に唯一なる汝 神に守られた祖国の大地よ! 他には、スイスの国歌、大韓民国の国歌があります。 (3)王室の御代の永遠を歌った国歌 ●イギリス 神よ、我らが慈悲深き女王を守りたまえ 我らの気高き女王よ、長命であれ 神よ、女王を守りたまえ 他にはスウェーデン、デンマークの国歌も王室を讃える国歌です。 ◆世界で最も古い起源をもつ日本の国歌「君が代」 君が代は 千代に八千代に さざれ石の 巌(いわお)となりて 苔(こけ)のむすまで 日本の国歌「君が代」も天皇を中心としてきた日本の国がいつまでも栄えますようにと願った歌です。 「君が代」の歌詞は世界で最も古い起源を持ち、1000年前の平安時代の和歌が由来です。2番目の古い国歌は16世紀後半のオランダ国歌「ウィルヘルム」ですが、『君が代』はオランダ国歌よりも600年も古いものです。 その後鎌倉時代になって、「君が代」は神事や宴席の祝歌として身分に関係なく一般的に歌い継がれ、文明開化の1880年(明治13年)、宮中の雅楽で現在のメロディーがつけられ天長節に初めて演奏されました。 また『君が代』は、1903年(明治36年)にドイツで行われた「世界国歌コンクール」で一等を受賞したこともあり、そのメロディの美しさ、荘厳さが評価されたのです。 一部には、「君が代」の「君」とは、天皇であるので国歌としてのふさわしくないという批判もありますが、日本は古来から、「天皇のもとに家族」であるという伝統的な意識があり、「支配する側と支配される側」という立場とは異なっていたのです。 歴代の天皇は「国民」を『おおみたから』と呼んで、国民を宝として、その幸せをお祈りしてきた御存在です。 天皇と国民は一つであり、「君が代」とは、日本の国が過去から未来のまで、末永く永遠でありますようにという祈りが込められた歌であるのです。 国歌「君が代」の歌詞については、幸福実現党・大門未来広報部長が詳しく解説しています。 ◎幸福実現党広報本部長・大門未来「ミキチャンネル」 http://www.youtube.com/watch?v=-qoQsannp0k&feature=youtu.be バックナンバーはこちらから ◎幸福実現党広報本部長・大門未来「ミキチャンネル」 http://www.youtube.com/user/mikichannelTV 高速増殖炉“もんじゅ”視察を通して 2014.02.08 文/HS政経塾1期生 湊 侑子 ◆日本は“もんじゅ”の実用化を諦めてしまうのか? 日経新聞が2月7日の第一面で、高速増殖炉“もんじゅ”に関して、「実用化に向けた目標を白紙に戻す」と報じました。 これに関して 菅義偉官房長官は「新たなエネルギー基本計画は現在検討を進めているところ」「方向性を決めた事実はまったくない」と否定しましたが、“もんじゅ”実用化のめどがたっていないことから、高レベル放射性廃棄物の量を減らす「減容化」の研究に転用する案が浮上しているようです。 そのため、2月中に閣議決定を目指すエネルギー計画で“もんじゅ”の位置づけが見直される可能性は大いにあると考えられます。 ◆高速増殖炉“もんじゅ”とは? ウランは、燃えるウラン(ウラン235)と燃えないウラン(ウラン238)の二種類で構成されています。燃えない部分の方が圧倒的に多く、燃える部分を1とすると、燃えない部分がその142倍も存在しています。 現在、一般の原発は燃えるウランを濃縮して燃料としています。そのウランの可採年数はあと100年であり、限りある資源です。 そこで、この燃えないウランを効率的に利用するための研究開発をしているのが高速増殖炉なのです。 高速増殖炉では、燃えないウランをプルトニウムに変えることで、発電しながらも使った以上の燃料を産み出し続けることができます。実用化できれば、未来永劫数千年のエネルギーを確保できます。それが、奇跡の施設である“もんじゅ”なのです。 ◆“もんじゅ”はどうして動かないのか? “もんじゅ”は1991年に完成し、1995年8月から発電を始めました。しかしその4か月後にナトリウム漏れの火災事故を起こし、停止。 事故対応に対するマスコミ批判や左翼住民による訴訟が起こったため14年半かけて運転再開しましたが、再稼働から3か月後の2010年8月に炉内の中継装置落下事故を起こして再度停止。 原子力規制委員会から事実上の運転禁止命令が出され、福島第一原発事故の影響もあり、現在は停止しています。 ◆“もんじゅ”を取り巻く組織の問題点 2月5日、“もんじゅ”とその周辺の原発を視察しましたが、今回、行政の問題点を多く感じました。 まず、“もんじゅ”を運営する独立行政法人である日本原子力研究開発機構には、やはり詰めの甘さやお役所仕事の部分があったと感じました。 ただしマスコミは混同して本質を分からなくしがちですが、組織の内部の問題と“もんじゅ”の重要性は関係ありません。 組織改革を進めながらも、管轄する文部科学省は腰を入れて、高速増殖炉の必要性を国民とマスコミに訴える必要があると感じました。 ◆原子力規制委員会と政治家の問題点 更に、原子力規制委員会を構成する委員の偏向性や一方的な意見の押し付けにも疑問を感じました。 一日も早く原発を動かすためには、原子力規制委員会の安全基準を通過しなければなりません。 そのため例えば、福井県のある原発においては、耐震設計上考慮すべき活断層かどうかを調べる敷地内の破砕帯(断層)問題に、自社費で10億円以上をかけて用地を掘削させられています。 しかし原子力規制委員会は、一般的な理論を振りかざし、現場の意見には耳を貸さず、現場も一度しか見に来ていません。 具体的な判断基準も根拠も明確に示さない上で判断するとのことでしたが、それらは評価ではなくイチャモンのレベルであると考えます。 これが真に科学的、理論的な審査であるのか大いに疑問を持ちました。 この原因は、一つには原子力規制委員会が「三条委員会」と呼ばれる庁と同格の独立した行政組織で、独自に規則を制定したり告示を発出する権限を持つ組織であるところにあります。余りにも権限が大きすぎるのです。 また権限の大きさにも関わらず、取るべき責任が小さすぎるとも感じます。ただ、その根本には国の根幹であるエネルギー政策を、原子力規制委員会の判断に任せ、判断から逃げている政治家の弱さがあると感じました。 ◆夢の原子炉“もんじゅ”の実用化を諦めてはいけない! 世界は再び、高速増殖炉の研究に力を入れ始めています。フランスは2020年頃をめどに商業化一歩手前(実証炉クラス)の高速増殖炉を再び建造する動きがありますし、ロシアの研究も日本の先を行っているようです。 その他中国やインドでも開発が進んでいます。日本だけ遅れるわけにはいきません。 世界の人口は、2050年に約90億人に達すると考えられています。その中では、資源を巡っての争いが必ず起こってくるはずです。高速増殖炉が日本にあれば、将来のエネルギーを確保することが可能です。 ただし、“もんじゅ”の実用化を諦めれば、エネルギー自給率を上げて安定的なエネルギーの供給を行うことを諦めることになり、ひいては日本の発展を諦めることにつながります。その結果、他国に未来をゆだねることにもなりかねないのです。 日本は発展し、世界にその発展の基となる技術や思想を伝える使命があります。夢の原子炉“もんじゅ”の実用化は、絶対に諦めてはいけません。 「海洋大国・日本」―新たな国家ビジョンと安全保障【連載第7回】 2014.02.07 文/幸福実現党総務会長兼出版局長 矢内筆勝 《海洋国家日本の国家戦略と安全保障》 今回と次回二回にわたり、迫りくる中国の軍事的な脅威に対して、日本はどのように防衛予算を使い、防衛力を強化すればいいのか――具体的政策について提案致します。 ◆日本に向けられた中国の長距離ミサイル群 ズバリ、日本防衛の核心は、「中国の『長射程ミサイル』への抑止力強化」にあります。 なぜなら、中国軍の日本に対する「核心的戦力」は、戦闘機などの通常の戦力ではなく、実は人民解放軍第二砲兵部隊(ミサイル部隊)と、海軍、空軍の中距離(核)弾道ミサイル、そして長距離巡航ミサイルであるからです。 つまり、もし中国が日本と本格的な軍事衝突に突入する意思を固めた場合、中国は戦闘機や潜水艦、軍艦などの従来の兵器を使った戦闘よりも、「(核兵器を含む)長距離射程ミサイルによる攻撃」によって日本を恫喝、または実際に攻撃する可能性が極めて高いからです。 その状況を、軍事戦略コンサルタントとして、アメリカ海軍等へのアドバイザーなどを務める社会科学者の北村淳氏は、日本のマスコミはほとんど報道しない、極めて重要な分析を次のように分析しています。 「中国軍は、日本全土を射程圏に収める中距離弾道ミサイルと長射程巡航ミサイルが(2012年時点で)少なくとも合計600~700基以上あり、日々、保有数は増加し続けている」 「長射程ミサイルは、中国本土の陸上からでも、上陸や海上や海中からでも、日本各地の戦略目標(たとえば原子力発電所、火力発電所、変電所、石油精製所、石油・天然ガス貯蔵施設、空港、港湾など)を破壊する攻撃能力を持っている」 「もちろん、中国の長射程ミサイルがすべて核弾頭を搭載した、いわゆる核ミサイルなら、実際に日本に向けて発射する際のハードルは極めて高いだろう」 「しかし、対日攻撃用の中距離弾道ミサイルには、核弾頭だけでなく非核弾頭も搭載されるし、各種長距離巡航ミサイルの主流は、非核弾頭搭載となっている。だから、こうした長射程ミサイルによる対日攻撃のハードルは、核ミサイルとは比べ物にならないくらい低い」 「さらに、長射程ミサイルによる対日攻撃では、東シナ海を舞台に軍艦同士がミサイルや魚雷などで撃ち合う艦隊決戦や、尖閣諸島上陸奪還戦といった水陸両用強襲上陸戦のように敵味方が正面衝突する」 「伝統的な戦闘とは違って、どんなに接近したとしても1000キロメートル以上の遠方から、通常は2000キロメートル前後あるいはそれ以上離れた地点から、日本各地の戦略目標を攻撃して破壊できる」 ◆自衛隊の兵器装備の課題 「現在の自衛隊は、訓練が行き届いた隊員を擁し、高性能な正面装備(潜水艦、駆逐艦、フリゲート艦、戦闘機、戦車、重砲など)を保有していても、中国本土の軍事目標に対して反撃を加える能力はまったくといってよいほど持ち合わせていない」 「したがって、中国軍が仮に日本各地の戦略目標を狙って弾道ミサイルや長距離巡航ミサイルで攻撃したとしても、中国本土が自衛隊による攻撃や反撃を受ける恐れはまったくない」 「このように、中国軍の長射程ミサイルによる対日攻撃は、中国軍側の損害ゼロとなる一方的攻撃ということになる」 このように、日本における中国の軍事的脅威の核心は、通常兵器ではなく、核弾道ミサイルを含めた長射程ミサイル群(中距離弾道ミサイルと長距離巡航ミサイル)であることを、踏まえなければなりません。 であるならば、日本がとるべき国防政策は、中国が核及び長射程ミサイルで日本を攻撃できなくなるような、「抑止力」を持つことです。 「抑止力」の中でも最も確実なものは、中国が日本を攻撃すれば、それ以上の損害を与えることができるのが「報復的攻撃能力」です。 以上、次回は、中国の長距離ミサイル群から日本を守るための、この「報復的攻撃能力」について具体的に論じます。 「建国記念の日」特集(1)――国旗「日の丸」 2014.02.05 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆国旗・国歌に敬意を表すこと 国旗が掲揚され、国歌が演奏される、そんな時、あなたはどうしますか? 国旗の掲揚、国歌の演奏の際には、国民は起立して姿勢を正し敬意を表します。これが世界の常識です。 もちろん自分の国の国旗・国歌だけではなく、外国の国旗・国歌にも同じように尊重し敬意を表すのが世界の常識なのです。 下記の話は神奈川県の某高校の校長先生にお聞きした話です。 アメリカに短期留学した日本の高校生が、米国の記念式典に参加した際、米国の国旗掲揚と国歌が流れた際、アメリカ国民は起立しました。しかし日本の高校生は座ったままでどうしていいかわからなかったのです。 日本では国旗・国歌に敬意を表す人はあまりいません。なぜなら戦後教育で、軍国主義の象徴であるとして国旗・国歌の本当の意味を教えてこなかったからです。 では、国旗や国歌にはどのような意味があるのでしょうか。今回は、「国旗」に焦点を当ててみましょう!(「国歌」は次回解説します。) ◆国旗は独立国家のシンボル 国旗とは、その国を象徴する旗、つまり国のシンボルです。国連に加盟している国は約180か国ありますが、独立国家として国旗がない国はありません。 国を代表して国際的な会議やオリンピックなどに参加する場合は、自国の国旗を掲げて参加の証としています。 国際法上でも外国で航行する船は、必ず自国の国旗を掲げることを義務づけされています。それによって安全に航行できるのです。 ◆国旗は国の成り立ちを表す 国旗は、その国の歴史、伝統、宗教、文化の中から生まれたもので、建国の理想や国民の願いが込められています。 例えば、国の成り立ちを表している国旗としては、アメリカの星条旗で、州が増えるごとに星の数を増やしてきました。 宗教的伝統を国旗に表現した国としては、例えば、ヨーロッパ諸国の国旗に多く見られる十字の印は、キリスト教を表しています。また中東の諸国の国旗に見られる三日月はイスラム教のシンボルです。 色にも意味があり、フランスの国旗は三色旗と呼ばれ青が自由、白が平等、赤が博愛を意味しています。このように国旗には、その国の宗教や伝統、文化、国民の願いなど深い意味が込められているのです。 国旗に敬意を払うということは、まさにその国そのものに敬意を払うことです。それは自国に対してだけではなく、外国の国旗に対しても同様です。 ◆日本の国旗「日の丸」の歴史 では日本の国旗「日の丸」はどのように生まれたのでしょうか。そこには、日本の国の成り立ち、日本の国の役割、使命が込められています。 日の丸は「日章旗」と呼ばれ、「太陽」を表しています。この日の丸のルーツは、いまから約1300年前、文武天皇の時代に朝廷の正月の行事で金色に輝いた太陽を描いた「日の丸」の旗を用いたところにあります。 日本人は古くから太陽の象徴でもある天照大神を信仰し、自らの国を「日出ずる国」、つまり「太陽の昇る国」と呼んでいました。そして八世紀には、「日本」という国名が使われるようになったのです。 豊臣秀吉の時代から徳川時代には、東南アジアと貿易をした際に朱印船にも「日の丸」が掲げられました。 幕末には、日本の船として初めてアメリカに渡った咸臨丸に「日の丸」が掲げられ、こうして明治以降、「日の丸」は日本の国旗として引き継がれてきました。 ◆「日の丸」に込められた日本の使命 アラビアの言い伝えに「世界が戦乱状態に陥るとき、星の国旗が武力で世界を統一し、月の国旗がそれに対抗し、最後に太陽の国旗が平和をもって統治する」という言葉があります。 日本は、「大和(やまと)の国」として世界を「丸く」まとめる役割があります。私たちの祖先は、太陽のように世界を照らしていく使命を「日の丸」の国旗に表したのです。 その理想を実現すべく日本を輝く太陽にして世界を照らす国をつくってまいりましょう! 【紹介】幸福実現党広報本部長・大門未来「ミキチャンネル」 幸福実現党・大門未来広報本部長が世界の国旗と比較しながら日本の国旗「日の丸」についてわかりやすく説明します。 ◎幸福実現党広報本部長・大門未来「ミキチャンネル」 http://youtu.be/QxwxOXdIjnA ※バックナンバーはこちらから 毎回3分間で、時事問題や政策などをわかりやすく解説 ◎幸福実現党広報本部長・大門未来「ミキチャンネル」 http://www.youtube.com/user/mikichannelTV 「海洋大国・日本」―新たな国家ビジョンと安全保障【連載第6回】 2014.02.02 文/幸福実現党総務会長兼出版局長 矢内筆勝 《海洋国家日本の国家戦略と安全保障》 前回まで「海洋大国・日本」に眠る海洋資源、それを狙う中国の軍事力と海洋戦略、そして日本のシーレーンの重要性を述べてきました。 今回より、そのような情勢を踏まえ、日本は21世紀以降の未来に向けて、どのような国家戦略を持たねばならないのかについて、安全保障、外交、経済の観点からその方向性を論じたいと考えます。 ◆アメリカが「世界の警察」を放棄する可能性 日本の防衛戦略の要が「日米同盟」であることは論を待ちません。しかし、その同盟関係が今、アメリカの国内問題によって大きく変化しつつあります。 2013年3月から始まった政府の歳出強制削減によって、アメリカは向こう10年間で3兆9000億ドル、日本円にして390兆円の歳出削減を迫られ、それに伴って国防予算は大きく削減されることになります。 その額は実に10年間で約5000億ドル(約50兆円)、一年間で日本の防衛予算(平成25年度4・68兆円)に匹敵する規模です。 これによって、アメリカは「世界の警察」であることを放棄し、アジア太平洋地域における戦力や運用も、縮小せざるを得ない事態に追い込まれているのです。 ゆえに日本は今後、自らの力で中国の軍事的脅威と対峙できる体制を構築すべく、全力を尽くさなければなりません。 ◆防衛費の倍増と、自主防衛体制の確立 すなわち「自分の国は自分で守る」――「自主防衛体制」の確立です。それは明治維新以降、日本が一貫して歩んできた道でもあり、独立国家としては当然の姿勢です。 しかし、そのためにはそれ相応の防衛予算が必要で、最低でも日本は防衛予算を現在の5兆円弱から10兆円規模に「倍増」すべきであると考えます。 出来うるならば、中国が海洋戦略の完成を目指している2040年までは、「3倍」にまで増やすのが望ましいと考えています。 ストックホルム国際平和研究所(SIPRI) が発表した2010年の世界の主要国の軍事費のGDP比ランキングによると、日本は最低の1%に過ぎません。 サウジアラビアが、10・1%と突出していますが、イスラエル6・5%、米国4・8%、ロシア3・9%あり、韓国とインドが2・7%で並び、イギリス、トルコ、フランスが2%台で続いています。 世界のGDPに占める国防費の割合の世界平均は約2%。中国も、表向きに発表している数字ではありますが、ほぼこの数値となっています。 世界の平均である国防費のGDP比2%は、独立国が国民の生命と安全を守るための「必要最低限の経費」と、日本国民は理解しなければなりません。 いくら国民の福祉のためといって社会保障費を増やしても、国が滅んでしまっては、元も子もないのです。 そうした意味で現在中国は本気で、日本の海洋権益を奪い、あわよくば日本を属国化したいと考えています。そうした国家存亡と民族消滅の危機に直面する今、出来うるならばGDP比3%のコストは必要であろうと考えます。 次回は、日本に向けられた中国のミサイルについて明らかにし、それに対してどう対処していけばよいのかについて論じます。 「海洋大国・日本」―新たな国家ビジョンと安全保障【連載第5回】 2014.01.31 文/幸福実現党総務会長兼出版局長 矢内筆勝 《日本の安全保障の要となるシーレーン防衛》 前回は、中国の海洋進出と軍事的脅威の一端を概観してきましたが、今回は、日本のシーレーン防衛の重要性についてお送りいたします。 ◆「中華民族の偉大な復興」と「海洋強国」 トウ小平政権時代の改革開放による中国の経済的発展の目的は、軍事力の増大と強化にありました。その理由は、中国共産党による独裁体制の維持と強化にあります。 人民解放軍は中国共産党の軍隊であり、国家や国民の軍隊ではない。経済発展の富を使って、権力と軍事力を強化し、さらに多くの富を独占して特権と権益拡大を図る、そうした「中国共産党の権力と欲望の無限連鎖的拡大」こそが、現代の「中華帝国」の本質です。 その過程で制定されたのが、国連海洋法条約です。 この国連海洋法条約によって確定した日本の領海と排他的経済水域の面積は、4.479.358平方キロ で世界6位の広さを持っています。それに対して中国の領海と排他的経済水域の面積は、日本のわずか19.6%、877.019平方キロで、世界15位に過ぎません。中国の「自国の海洋」は、日本のわずか5分の1で、一人あたりの面積は約50分の1しかないのです。 つまり、その中国が謳う「中華民族の偉大な復興」のための「海洋強国」と「海洋進出」とは、日本を含む周辺国の領海及び排他的経済水域への「軍事的な進出」以外のなにものでもありません。 ◆シーレーンの重要性 日本は資源やエネルギーの大部分を海外からの輸入に頼っています。「シーレーン」の安全を確保することは、日本にとっては死活問題です。 中でも、日本にとって最も重要なシーレーンが、日本本土から沖縄、台湾とフィリピンの間のバシー海峡、台湾海峡、南シナ海を経て、マラッカ海峡、インド洋、中東に抜けるルートです。このシーレーンが日本の石油輸入、アジア貿易、中東貿易、アフリカ貿易、ヨーロッパ貿易の全てを担っています。 もし中国が、前回紹介した「接近阻止・領域拒否戦略(A2/AD)によって、第2列島線内の制空権、制海権を握り、空母や原潜を自在に就航させる事態となれば、日本のシーレーンは中国の軍事的な管理下となり、「日本の生命線」が中国に握られることになります。 それは、日本がチベットやウイグルのような中国の属国や植民地となることを意味しています。 つまり、中国の「接近阻止・領域拒否戦略(A2/AD)は、中国による南シナ海、東シナ海、西太平洋の覇権戦略であると同時に、日本のシーレーンを支配する、「日本属国化戦略」であると見なければなりません。 日本が先の大東亜戦争で、アメリカ、欧米列強と戦火を交えることになった理由も、また日本がその戦争で敗れた原因も、この生命線を止められ、その攻防に破れたからに他なりません。シーレーンこそが、島国・日本の命綱であり、アキレス腱でもあるのです。 シーレーン防衛の観点抜きに、経済活動も、国民の生活も、自由も人権も存在し得ないということを、私たちは知らなくてはならないのです。 以上、【連載第1回】より「海洋大国・日本」に眠る海洋資源、それを狙う中国の軍事力と海洋戦略、そして今回は日本のシーレーンの重要性を述べてきました。 それでは、中国の軍事的脅威からこの日本をいかに守るべきか、その具体策として、次回より「海洋国家日本の国家戦略と安全保障」をテーマにお送りいたします。 (つづく) NHK籾井新会長の発言は問題なのか?――果たすべきマスコミの役割とは 2014.01.30 文/HS政経塾部長兼政務本部部長 東京第9選挙区支部長 吉井としみつ ◆NHK籾井会長発言の是非 NHK籾井勝人新会長の就任会見での発言の是非について、議論が分かれています。1/25の就任会見の発言で、取り上げられている主な論点は次の通りです。 1.慰安婦問題 日本だけが強制連行したみたいなことを言っているから、話がややこしい。日韓条約で全部解決している。なぜ蒸し返されるのかおかしいと思う。(1/28朝日朝刊・東京朝刊を参照) 2.尖閣諸島 日本の明確な領土だから、きちっと国民に理解してもらう必要がある。 3.靖国神社参拝 総理が信念で行かれたということで、それはそれでよろしい。 公式の場で、議論が分かれる話題について、個人的見解を述べたということが問題視されているようですが、内容自体に問題があるとは思えません。 ◆籾井会長への政府のスタンス この発言について、安倍首相は、「政府としてコメントする立場にはない」とした上で、NHKは政治的圧力にも屈することなく、中立、公平な放送を続けて欲しいという主旨のコメントを述べ、籾井会長の辞任の必要はないとしています(1/29産経)。 ◇批判側のポイント 朝日新聞、東京新聞では、籾井会長は「政府の立場に寄り添う発言」を繰り返しており、公平性を定めた放送法に反するという批判を展開しています。 また、英国放送協会BBCが、かつてフォークランド紛争やイラク戦争で政府を必ずしも支持せず、客観的な報道を続けたことで、国際的な評価が高まったと主張しています(1/28朝日朝刊社説)。 しかし、「政府の立場に寄り添う発言」をすること自体が、報道の「政治的中立」を揺らがすことに直結するかといえば、それは言い過ぎではないでしょうか。 ◇過剰すぎる反応は、マスコミが果たすべき役割を見誤る 一連の批判もあり、NHKの最高意思決定機関である経営委員会では、籾井会長への厳重注意をするということになりました。これ以上の過剰な反応をとるべきではありません。 ◇見識ある報道基準こそ議論されるべき 確かに、自社の報道基準を持つことなく、ひたすら政府の成果だけを報道するなら、それは問題かもしれません。同様に、政府の行うことに何でも反対することにも問題があります。 なぜなら、そこには見識がなく、国民をミスリーディングしかねないからです。 本来、問われるべきは、マスコミ各社が、その良心の下に報道を行い、政府の政策に対して、是々非々で報道する見識があるか否かではないでしょうか。 一面をあげつらい、「政府に迎合している」・「報道の公平性が損なわれる」という批判自体が、マスコミ本来の役割を見失なわせかねません。 従軍慰安婦問題や靖国参拝問題について言えば、日本の立場からではなく、中国や韓国側の立場から安倍政権を批判している日本のマスコミが未だ少なからず存在しますが、それこそが「中国や韓国に迎合」していることであり「報道の公共性」が損なわれています。 マスコミは自らの良心と国民に対する責任を果たすだけの見識をもってこそ、健全な民主主義に貢献できるのです。 すべてを表示する « Previous 1 … 66 67 68 69 70 … 101 Next »