Home/ 国防・安全保障 国防・安全保障 核抑止力の必要性 2015.06.09 文/HS政経塾5期生 水野善丈(みずの よしひろ) ◆国際社会における核保有国の立場 先月5月23日、5年に1度行われる核不拡散条約(NPT)再検討会議は、最終文書に合意されず閉幕しました。 イランやアラブ諸国が強く主張していた「中東地域の非核化」問題での合意が成立しないだけでなく、「核禁止条約」構想も同文書より削除されました。 日本においては、広島・長崎が求めていた被爆地訪問も中国の反発で盛り込まれない結果に終わりました。 日本は非核保有国の中でも、唯一の被爆国として広島・長崎を中心に核兵器廃絶を訴えてきてはいるものの、核なき国際社会を実現するのは困難であるのが現実です。 なぜなら、日本自身もアメリカの「核の傘下」に守られているように、核兵器を持つことで自国や同盟国を安定的に守ることができ、それゆえ核保有国にとっては国際社会における発言力を増すものとなっているためであるからです。 ◆核保有を背景に覇権を拡大する中国 現在の中国や北朝鮮を見るにつけても、日本やアメリカに対して発言力を増している背景には、明らかに核兵器を保有していることが発言力に繋がっていると言えます。 特に中国は、アメリカの財政悪化による軍事費の削減が続く中、軍事支出をこの20年間で22倍にも増やし、国防とは考えられないほどの軍事拡大も強めています。 また、近年では「一帯一路」構想を提唱しているように、ユーラシア大陸すべてに覇権拡大を狙っており、その勢いは世界各国を中国の傘下に置こうとしているようにも見えます。 現在の中国は、20年前には考えられないような大国となっており、経済成長とともに軍事力を増強し、核兵器を保持することにより国際社会においても存在感を強めています。 ◆共産主義圏が核兵器を持つ怖さ また、自由主義圏が持っている核兵器と共産主義圏が持っている核兵器とでは、意味あいが少し違うということも認識する必要があります。 自由主義圏の核兵器の使用に関しては、国民の世論によるチェックが効き、さらには国際世論によるチェックも効くため、核実験すら行うには厳しい目が向けられ核兵器使用の抑止となっています。 実際に過去フランスで核実験が行われた際は、国際社会に予告もされ、それに対して国際世論から非常に非難を受けています。 自由主義圏では、核に関して、こうした透明性があるのです。 しかし一方で、共産主義圏である中国は、国家主導で情報遮断が行われ、国内においては言論の自由、出版の自由など国民の自由が制限されているので、国民が戦争や核兵器に反対することができません。 このように共産主義圏では核兵器の透明性は皆無に近いのです。 実際に、中国は1995年5月のNPTの無期限延長に署名をした数日後に、新型の核弾頭の実験を行い、自国のアジア・太平洋における力を誇示させ国際社会を驚かせました。 同様に独裁国家である北朝鮮も本年2015年、日本海に向けてのミサイル発射を行っており、日本やアメリカに向けて脅威を示しています。 これをみても独裁者の一声で核実験やミサイル発射が行われる中国・北朝鮮が核兵器を持つことは、自由主義圏が核兵器を持つことよりも一層恐ろしいことを認識する必要があるでしょう。 ◆日米同盟強化だけで日本は安全といえるのか 現在、中国のアジア・太平洋における覇権拡大に備え、安倍政権では安保法制の見直しがなされ日米同盟は強化されています。 しかし、2020年代になると中国の実質経済規模と軍事予算規模はアメリカを凌駕し、世界一の規模になると予想されています。 もし中国の経済力・軍事力が世界一になったときに、アメリカが日本を守ってくれるか保障はありません。 米政治学者のミアシャイマー教授も著書で「中国の経済規模がアメリカよりも大きくなれば、中国は巨大な軍事能力を獲得し、アメリカに対して数多くの屈辱を与える能力を持つ国になる」と分析しています。 中国がアメリカを超えるパワーを持ったとき、日本人の命を守るためアメリカ人が犠牲になることはまずないと考えられます。 つまり、現在進めている日米同盟強化は重要なことではありますが、それで日本の防衛が十分であるかは別の話であるということなのです。 ◆日本は精神的脱藩し自主防衛体制を整えるべき アメリカの「核の傘」で守られてきた日本でありましたが、これからは真剣に「自分の国は自分で守る」ということを考えていかなければいけません。 日米同盟を堅持しつつも、中国・北朝鮮の核兵器の恫喝に屈しないため必要最小限の自衛能力として「自主的な核抑止力」も持つべきであるでしょう。 しかし、この核兵器の保有の議論は長らくアメリカや日本国内における反発により進んでこなかったのです。 こうした現実に則した国防の議論を進めていくためにも、アメリカに頼りっぱなしの精神、そして、戦後70年間、日本国民が持ち続けてきた自虐史観から精神的脱藩をしなければならないときが来ているのではないでしょうか。 横田基地「オスプレイ配備反対運動」への疑問 2015.06.07 文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆安倍総理米議会演説に合わせ、反対運動 去る5月11日、東京都の横田基地に新型輸送機「オスプレイ」配備の検討がされている、との報道がありました。 菅官房長官、中谷防衛大臣ともに「日米同盟の抑止力を向上させる」と説明している所から、中国の太平洋進出に対しての対抗措置である事が伺えます。 特に、同じ「東京都」である小笠原諸島近辺では、中国船によるサンゴ密漁事件が多発していました。 これも尖閣諸島での事件同様に、安全保障上、注目すべき問題で、米軍も対策に乗り出している事が分かります。 このことは、日本の安全保障上、歓迎されるべきことなのですが、報道では「周辺自治体の対応はいかに」「住民たちも反対」などと言った、配備決定に対して疑問を持たせる報道が続きました。 まさに、「普天間基地の移設問題」と同じトーンでの報道で、安倍総理が米議会で歴史的な演説を行い、日米同盟にとって、さらなる強化の方向が出てきた中だけに、そうした流れに水をさすような印象を与えるものでした。 極端な形になると、普天間基地と横田基地の航空写真を並べて掲載し、「最後に被害を受けるのは、基地周辺の住民」というイメージづくりがはっきりと分かります。 ◆オスプレイ事故の一番の被害者は米兵自身 さらに、オスプレイ関係のニュースは続きます。 5月18日に、ハワイでの訓練中に事故が発生し、2人の海兵隊員が死亡しました。沖縄県は、このニュースに敏感に反応し、翁長知事及び沖縄県議団がハワイを訪問し、事故の実態を調査しています。 しかし、実際に事故が発生した場合、確実に被害者となるのは、乗っている米兵です。常識のある人間であれば、新型の航空機の安全性について、これを最大限に向上させる事を第一に考えるはずです。 特に米国は、民主主義国であり、兵隊の生死について、大変敏感に反応する国柄です。当然、軍用航空機の安全性についても最大限の配慮をするはずです。 現在、航空機の安全性は「事故率」という指標で判断されています。これは、10万飛行時間当たりの重大事故件数を示したもので、オスプレイは、1.93という数字が記録されています。 これは、米軍航空機の平均値である2.45より低い数字で、「オスプレイが危険」という報道は、正しいものではありません。 ◆なぜ、「オスプレイ」が横田基地に配備されるのか さらに、「オスプレイ」と、日米で運用されている代表的なヘリコプターであるCH-47との比較をみれば、なぜオスプレイが横田基地に配備されるのかが、分かります。 1、最大速度「オスプレイ」 565キロ/時 →「CH-47」 315キロ/時 2、航続距離「オスプレイ」 3,590キロ → 「CH-47」 2,252キロ 上記のとおり、小笠原近海で中国海軍による軍事的な紛争があったとしても、オスプレイを導入することで、より早く現地に到着することができるのです。 報道で、これらの事について全く触れていない事が、公平を欠いていると思いました。 ◆横田基地周辺の市民は本当に反対しているのか また、気になるのが「周辺自治体の住民が反対している」という話です。 報道では、市民が周辺自治体の庁舎を巡り、「オスプレイ」配備について、反対の意志表示をするよう要請している映像を流すと共に、要望を出した市民の方へインタビューを行っていました。 その中では、「なぜオスプレイ反対なのか」について合理的な理由が欠けており、やや感情的な議論になっていると感じました。 私には、基地周辺の自治体である「福生市」「瑞穂町」「武蔵村山市」に、今回のオスプレイ配備の「被害者」となる知人・友人がおります。 さらに、実際に私も、福生市へ行ったのですが、報道とは異なり、オスプレイ配備についての危機感を持っている市民はほとんど見受けられませんでした。 確かに明確な推進の意思表示をする方はいませんが、かと言って、反対の声を挙げている市民もほとんどいないのが実態です。 また、昨年、横田基地で行われたイベント(横田友好祭)で、「オスプレイ」の展示が目玉となり、多くの訪問者たちが喜んだことも事実です。 ◆日米同盟の強化を基本とした判断を このように、日本の安全保障上、オスプレイの配備は、反対すべき理由はほとんどないにも関わらず、「周辺自治体の住民」の声なるものが実態以上に報道されているのが実情です。 沖縄では、普天間基地移設問題が暗礁に乗り上げています。現時点では、米軍は日米同盟に基づき、基地を維持しておりますが、米国では、オバマ大統領の財政政策が厳しい状態にあり、軍事費についても削減の方向が打ち出されています。 このまま沖縄や、今回の横田基地での市民運動が勢いを持つようになると、在日米軍の撤退という判断もありえる事は考えておくべきです。 従いまして、中国の脅威が日に日に増している現在、日本は、日米同盟の更なる強化という方向に基づき、「オスプレイ」配備も、反対する必要はなく、本来、歓迎すべきことなのです。 皆さまのご理解を賜りますよう、お願いいたします。 沖縄――視野を広げることで「真実」は見えてくる 2015.06.05 文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆沖縄からの抗議の電話 先日5月17日の「沖縄県民集会」ですが、下記の動画がインターネットにアップされました。 「オール左翼」の5.17沖縄県民大会【沖縄最前線!】 その直後、沖縄から抗議の電話がかかってきたのです。 「自分は、5月17日の沖縄県民集会に参加したが、なにが『オール左翼』だ!自分は左翼でもなんでもない。なんで沖縄県民を『オール左翼』だと決めつける!」 声の主は相当、怒り心頭で、確かに、沖縄に住んでいる人からすれば「オール左翼」と言われるのは、心外かもしれません。 どう返そうか、一瞬迷いましたが、これも「対機説法」です。 「私も当日参加しましたが、沖縄県民の方だけでなく、大阪、北海道、三重、千葉など、全国の労働組合の人たちが参加していました。それを『オール左翼』と言っているんです。」 「でも自分は左翼でもなんでもない!」 「そうですね。あなたは沖縄の方であり純粋に参加したのでしょう。」 「そうだ。だから左翼ではない!」 「私たちが言いたいは、翁長知事が前から『オール沖縄』という言葉を使い、あたかもオスプレイや米軍の辺野古移設に対して沖縄県民の全てが反対であるかのような印象操作をしているので、それを打ち消す意味で『オール左翼』という言葉を使い批判しているんです。」 「いや沖縄県民は、約80%が米軍反対だ。」 「私がつかんでいる感覚では、米軍反対は半分ですね。米軍を認めるような発言をするとすぐ左翼が攻撃し言論を封殺するので米軍反対派の声しか聞こえていないだけです。だから『オール沖縄』ではありません。」 「そんなことはない。米軍反対派がはるかに多い。」 他にも、普天間基地の辺野古移転が出来ない理由など話したのですが、ずっと平行線は続きました。そこで私は視点を変えました。 ◆沖縄を思う気持ちは同じ 「ところであなたは沖縄をどうしたら幸せにできるかを考えて頑張っているのですよね。それは私も同じです。私だって沖縄県の人たちに幸せになってもらいたいから活動しているのです。その思いは同じです。」 日本を中国に差し出そうとする確信犯は別にして、お互いに「沖縄を愛している」という「同じ原点」に立つと、相手も自然と声を和らげ、聞く耳を持つようになりました。 「米軍がない方が沖縄にとっては良い、それはわからないわけではありません。しかし1980年代にフィリピンは、米軍を追い出した後、中国がそれまでフィリピンが領有していた海域をどんどん取ってしまいました。最近は人工島を造って軍事基地にまでしています。」 「う~ん!?」 「中国は台湾だって2020年くらいまでに取ろうとしているし、沖縄だって中国のものだと最近は言っています。」 「台湾を2020年までにとると言ってるの?」 「邪魔な米軍がなくなれば、中国は沖縄だって取りやすくなります。中国だって頭が良いですから米軍に弾丸は撃ちません。国連に働きかけ米軍を沖縄から追い出す画策をしているんですよ。」 【参考】――「中国、アルゼンチンなど少なくとも6カ国が沖縄の米軍基地に関し、沖縄の人々の自己決定権や土地権、環境権、女性の人権などが侵害されているとし、米国に改善を勧告したことが19日分かった。(5/20琉球新報)」 私は続けました。 「チベットやウイグルだって中国の自治区になり、人権侵害しています。このままでは沖縄も同じようになる方向に向かっているし、だから私は沖縄を守りたいと真剣に考えています!」と確信を込めて伝えました。 その後、「原発は賛成か、反対か」の質問を受け、「日本の経済を考えれば原発は、再稼働すべき」とはっきり申し上げましたが、最初のような反発は返ってきませんでした。 試しに「また沖縄に行きますから会いますか?」と聞いてみると、「それはごめんだ」という様子で、最後は「いろいろと教えていただきありがとうございました」と電話は切れました。 ◆視野を広げることで「真実」は見えてくる 今回の教訓は、沖縄の「閉ざされたマスコミ報道」の中で生きていると、知らず知らずに左派の感化を受けてしまうということです。 「世界観が沖縄だけ」であれば、それは米軍がない方が良いに決まっています。しかし「もっと広い視野」で世界を見れば、沖縄を狙っている国の存在が見えてきます。 沖縄という空間から視野を広げることができれば、どんな選択をすべきか自ずと見えてくるのです!こうした啓蒙活動が沖縄には必要なのかもしれません。 国防で自由を守ろう!――アジアと日本の危機 2015.06.03 HS政経塾第5期生 表なつこ ◆中国軍幹部が、埋め立てている人工島は「軍事目的」と公式表明 今年のアジア安全保障会議が、5月31日に終了しました。 最大の焦点は、中国による南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島の埋め立て問題でした。 アメリカのカーター国務長官が5月30日に埋め立ての即時中止を求めましたが、中国人民解放軍の孫建国副総参謀長は、最終日の31日、岩礁埋め立てや施設の建設は「中国の主権の範囲内の問題」とし、中止要請には一切応じない姿勢を公に明らかにしました。 さらには、埋め立てと施設建設について「軍事防衛上の必要性を満たすため」と明言。岩礁埋め立てについて、中国軍幹部が公の場で軍事目的だと表明したのは初めてとみられます。(5/31産経ニュース) また中国は5月26日発表の国防白書で、海上戦力を強化する戦略を改めて明確に打ち出しています。 中国軍では、習近平国家主席から、海洋の要衝を先んじて押さえる「占領海洋」の内部方針も出ており、埋め立て以外の軍事拠点設置にも乗り出しています。(6/1読売新聞) ◆強まる中国の脅威 さらに中国は、南シナ海で領有権を争うベトナムやフィリピンに対して、「小国は挑発的な行為を取るべきではない」と強圧的な批判をしました。(6/1朝日新聞) 軍事的・経済的に巨大となった中国のこれらの発言から、アジアの海洋諸国にとっては、中国以上の軍事的な抑止力を持たない限り、中国による軍事進出という危機が避けられない状況が迫っていると言えるでしょう。 これは日本でも同じことです。日本で一番中国に近い県は沖縄で、沖縄県の尖閣諸島を中国が自国領だと言っているのは皆様ご存じのとおりです。 中国の方針が現状のままならば、沖縄に中国以上の軍事的抑止力がない限り、中国は沖縄県でも南シナ海と同じことをすると予想されるのです。 ◆日本を守る抑止力としての駐沖縄米軍 日本は、世界第6位の海洋国家です。石油を運ぶシーレーン、海上の防衛はとても重要な要素です。これまで、日本の広い海を日本だけで守ることは難しく、アメリカの力に頼ってきました。 駐沖縄米軍の主な役割は、北朝鮮による朝鮮半島有事、中国による台湾海峡有事・尖閣諸島有事への抑止と対処とされています。 沖縄からなら、米軍がこれらの地域へ1日で駆けつけることができるためです。 ◆日本の防衛体制の現状は? このように在日米軍は、アジアの紛争に対する抑止力となっていましたが、現在はテロとの戦いで力が弱まったため、中国の力による一方的な現状変更の試みを許してしまったというのが、現在の南シナ海埋め立て問題の原因だと言えます。 これらの状況を踏まえ、日本では現在、自国を応分の負担で守る形、力の弱まったアメリカを補う形という双方の観点から、安全保障の法整備が進められています。 頼るばかりではなくアメリカと一緒に自国を守り、アジアの平和を脅かす者への抑止力になろうというのが、今の日本の考えでしょう。 ◆地方自治の範疇を超えた翁長知事の動き ですがその一方で、沖縄県の翁長雄志知事は、5月27日から6月4日の間、米軍普天間基地の辺野古移設反対を直接伝えるため、アメリカを訪問中です。 在日米軍については住民の方に十分なご納得をいただくことは必要でしょう。そのために、国が誠意ある意見交換を繰り返し、住民の皆様と相互理解を深めることが重要です。 ですが国民全員がかかわる問題である安全保障で、国同士が約束した取り決めについて、県知事が相手国まで反対表明しに行くというのは知事の分限を越えていると言わざるを得ません。 ◆オールジャパンで自由を守ろう! 中国国内では政府への批判は認められず、もちろん対外的にも自国の主張以外を受けとめるという民主主義的考えがありません。今回のアジア安全保障会議でもその態度は変わりません。 沖縄に米軍がいなくなれば喜ぶのは中国で、その中国は多様な意見を認めない国家体制を取っているのです。 沖縄の米軍移設反対を民意としてそれが通ったとしても、その結果は「民意を抑えつける中国の政治体制に組み込まれてしまうこと」になりかねません。 「国防で一人ひとりの自由を守る」ことを多くの方からご理解いただき、オールジャパンで国防に取り組みたいと考えます。 アメリカの撤退を補完し、日本はアジアの平和に責任を持て 2015.06.02 文/幸福実現党・山形県本部副代表 城取良太 ◆その瞬間は突然やってくる 5月29日、鹿児島県屋久島町の口永良部島で大規模な噴火が発生しました。 現在、噴火活動は停止していますが、噴煙は新岳の火口の上空約1200メートルに達し、噴火による火砕流は火口の西側を中心に全方位に流れ、島全体の約2割の範囲に及んでおり、規模の大きさを伺わせます。 また翌30日には、小笠原冲を震源としたM8.1の地震が起き、震源が682Kmと非常に深かったため、大きな被害は出ませんでしたが、47都道府県全てで震度1以上を観測することは史上初だと言われています。 東日本大震災以降、全国で火山・地震活動が活発化しておりますが、共に正確な予知は難しく、今回も前兆は観測されなかったそうです。 ◆ながらく「割れ窓理論」を実践してきたアメリカ 世界的に見ても、このような「天災の頻発」と「軍事的な対立や紛争」が比例的に増加傾向にあるというのは注目すべきことではありますが、両者の最大の違いを挙げるとすると、後者の場合、ある程度の前兆が現れ、事前のきめ細かい対応と配慮によって、未然に防ぐことが出来る点でしょう。 戦後70年間を振り返ってみて、極東はもちろん、世界中でこの役割を担ってきたのは、紛れもないアメリカでありました。 国際社会においては、ソ連との冷戦構造の中で、世界規模で多くの衝突を未然に防ぎ、また賛否両論はつきものでしょうが、冷戦終了後も世界各地での紛争や内乱などの広がりを最少化しようと積極的に介入するアメリカの姿があったことは確かです。 アメリカ国内の治安においても、地道なパトロールや、無賃乗車、窃盗、物乞いといった軽犯罪の取締りなどの警察機能の強化、また割れた窓の修復や落書きの除去など外観保全の強化を徹底して行うことで、90年初頭には世界でも有数の凶悪犯罪都市のひとつであったニューヨークを全米で最も安全な大都市へと激変させた経緯もあります。 まさに、そうした「割れ窓理論」の効用を国内外で実証してきたと言えるでしょう。 ◆アメリカの無力さを露呈したアジア安保会議 しかし、先月末シンガポールで行われたアジア安全保障会議の場においては、近年のアメリカの無力さを露呈する結果となりました。 近年、当会議における課題は、南シナ海の南沙諸島での人工基地建設を象徴とした、アジア広域での中国の自分勝手な拡張主義についてですが、軍事力で劣り、対話では中国の海洋進出を止められないASEAN諸国としては、アメリカ頼みは否めませんでした。 その期待に応えて、カーター国防長官は5月31日の演説で「地域における緊張の原因だ」と中国を強く非難し、日本、オーストラリアなどと足並みを揃え、中国への圧力を強める意向を明らかにしました。 しかし一方、中国の孫副総参謀長は同日、「中国の主権の範囲内の問題だ」と述べ、アメリカに対しては「自らの主観に基づく無責任な発言をするのは控えるべきだ」と一蹴し、更に「軍事防衛の必要を満たすためだ」と軍事利用を前提としている事を堂々と認めました。 この発言から見ても、国際的枠組みを尊重し、対話重視を心がけるオバマ政権は決して強硬な手段を採ることが出来ないと足元を見ている中国の思惑が覗えます。 ◆アジア諸国の期待に応える安保法制実現を! 先月行われたNPT再検討会議の決裂は記憶に新しいところですが、イラン核開発の6か国協議も然り、こうした国連型の国際協調主義における対話路線は機能不全を起こしていることは明らかです。 むしろ「無秩序」を生もうとする勢力の時間稼ぎにしかなりえない事をもっと認識するべきです。 そんな中、ASEAN諸国でも、最も中国の軍事的拡張に危機感を募らせているフィリピン・アキノ大統領は今週訪日し、安倍首相との会談、国会での演説を行い、経済、安全保障での相互協力の重要性を訴えることとなっており、日本への期待感の強さを感じさせます。 また、これはフィリピン一国ではなく、ベトナムやマレーシアなど、他のASEAN諸国民広くの共通の考えであり、我々はその期待に応える責任を負うべき時が眼前に迫っていると自覚すべきです。 今国会においても、安保法制の前進が「戦争を招く」といった議論が横行しておりますが、そうした中国の肩を持つような左翼政治家の亡国的言説に負けず、大改革を成し遂げることで、退潮傾向にあるアメリカとの同盟関係を最適化し、中国による新帝国主義の脅威からアジア諸国を解放させる、戦後70周年に相応しい日本の安保法制が実現できるのです。 だだっ子「中国」を育てる「やまとの心」【後編】 2015.05.30 文/幸福実現党・三重県本部副代表 野原 典子 ◆地球の大きな「だだっ子」 中国は、軍事だけでなく、経済でも、また国際支援すらも領土拡大に利用しています。ほしいものは、なんとしてでも手に入れていこうとする、なりふり構わない姿は、恐ろしくもありますが、まるで幼い子供のようです。 増長させてから叩き潰すよりは、なんとか成長の手助けをしてやりたくもなります。 考えて見れば、中華人民共和国は、1949年、それまでの中国の正統な継承国である中華民国を内戦で痛めつけ、台湾に追い出してできた国です。今年で66才だから、まだ100才にもならない赤ちゃん国家です。 そういえば、敗戦後、マッカーサーに「民主主義的には12才の子供」と言われた日本ですが、頑張って働き、学び、貢献しながら、立派な先進国となった「成功者」が私たち日本です。 中国は、隣人として、近々の歴史問題で、だたをこねるのをやめて、皇紀2675年の歴史的な大先輩に学んで損はないはずです。 日本人としても、なんとか中華人民共和国という幼い国の成長に手助けをしたいものだ、と考えてはいけないのでしょうか。 視野狭窄に陥っても仕方がありません。1986年には、沖縄県与那国島の海底で、少なく見ても1万年以上前の高度な文化遺跡が発見されています。 気絶しそうな古代からのメッセージは、琉球王国よりも前の沖縄と日本の大和朝廷を結ぶ鍵となる可能性が大きいものだといいます。そのことは、中国に再び、文明を伝える役目を日本が担うということでもあるのではないでしょうか。 ◆共産主義の檻から出る民衆 20世紀に失敗が証明された、時代遅れな「共産主義」の檻に、中国の人々をこのまま閉じ込めておくことは、中国人だけでなく、日本の私たちにとっても、アジアにとってもなにも良いことなどありません。 中国は、せめて経済で先進国に追いつき追い越したくて、軍事拡張もなりふりかまわなくなっているのでしょうが、精神文化のない政治や経済は、糸のきれた凧のようなもので、すぐに墜落するでしょう。 ◆自由な発想 中国は、サイバー空間でも、宇宙空間でも、子供っぽい発想を、じつに見事に、現実にやってしまうという、でたらめだけれど、スゴいパワーを持っています。 だからそれに振り回されて《破壊獣》になってしまうのでなく、うまくコントロールして活用すれば、自国や回りの国々を幸福にする力となるに違いありません。 中国は、「世界のだだっ子」を卒業して、そろそろ、地球の未来に責任を持つ大人の国に成長するための学習をしなければいけないころです。 大人にとって必要な「ルール」や「品位」や「心のよりどころ」を持ち、自分の国が、他の国々にどのような貢献ができるのか、どんな世界を描いて生きることが、国民の幸福になるのか。そうした精神性の高さを、求めなければいけないころなのではないでしょうか。 ◆日本は最高の友人になれる 天安門事件や雨傘革命は、まだ「易姓革命」には至っていません。けれども「自由と、民主主義と、基本的人権、市場経済」といった、この世界の「大人のルール」を学び、回りに敬意を持って、仲間になろうと努力するとき、中国は野蛮な殻を自ら破って、大切なものを得ていくでしょう。 その時、私たちは、一緒に夢を実現していく仲間になれると思います。日本は、その努力を誠実に続けていくことも必要です。 中国の間違った思想の檻に閉じ込められた人々が、自らの手で、錆びた時代遅れの檻をねじ曲げて、自由で、明るい世界に出てくることを手助けしたいのです。 アジアにおける白人優位の植民地を解放したいと立ち上がった先人達は、「自由と誇りをすべての人が持つべきだ」と考えていたはずです。 その心が「やまとの心」ではないでしょうか。 世界のだだっ子「中国」を育てる「やまとの心」【前編】 2015.05.29 文/幸福実現党・三重県本部副代表 野原 典子 ◆中国の軍備拡張はずっと続いている 5月27日の衆院特別委員会で、安倍首相が「安保法案を夏までに可決したい」と米議会で発言したことについて、野党から「急ぐ理由はなにか」「そんなに危機が近づいているのか」との質問があり、安倍首相は、ホルムズ海峡の石油航路などを上げて、「可能性としてはある」と答えていました。 国名は避けましたが、「中国」の軍事的侵略が懸念されていることは明らかです。 「朝雲」新聞によると、中国の「公表防衛費」は、アジア地域の4割を占めています。(ちなみに日本の防衛費は1割) 2014年版の「日本の防衛」(防衛白書)は、中国の国防費は「過去26年間で40倍」「過去10年間で4倍」と異常に急増し続けて来たことを記しています。 4月に日米両政府は「防衛協力のための指針(ガイドライン)」で「中国による海洋進出など安全保障環境の変化」をあげ、「アジア太平洋を越えた地域での協力」を前面に打ち出しました。 それに対して、5月26日に発表された、中国の「国防白書」では、「データ類の記載」がすっぽり抜けており、国防費の内訳も公表されず、ますます透明性が低下しています。 方針として「陸上のみならず海洋も重視」とするなど、まるで「旧約聖書」に描かれた、怪獣ビヒモスと海獣リヴァイアサンのそろい踏みといった不気味さが漂います。 そのうえで「地域外の国の南シナ海への介入」「海上軍事闘争への準備」などと、明らかに米国を「仮想敵」と見なした表現が使われました。 そして5月20日、南シナ海の中国埋め立て地に接近した米軍機が、中国海軍より「退去警告」を受けていたことを、CNNが放映したのです。 ◆迷惑なお隣さん 中国が勝手に造成している人工島の滑走路は3000メートル級で、軍事使用ができるサイズです。2017年ごろ完成するようです。 ところで、我が国の自衛隊の去年の緊急発進(スクランブル)は去年943回ありましたが、うち半分の464回は中国機が原因の発進でした。 日本は領空侵犯されても、そう簡単に撃墜できませんが、こうしたことが国防の隙となっていることは間違いなく、それだからこそ、自国の領空上に「防空識別圏」を勝手に設定されたりするのでしょう。 あれも単発では終わるものではなく、次のステップへの準備のはずです。 ◆「超限戦」というすごい戦略 軍事だけではありません。経済圏でも、中国の主導するAIIB(アジアインフラ投資銀行)の創設メンバーに、先進国を含む57カ国が参加しましたが、明らかに米ドル基軸通貨体制に対抗して「元」を国際通貨として広げる意図があります。 英独仏にとって、ロシアは「近攻」ですが、中国は「遠交」です。危機感が薄いのも仕方がありません。しかしロシアと中国は地中海で軍事合同演習をやってのけました。 中国は、中東、アフリカ、ヨーロッパのハブ港であるギリシャのピレウス港の買い占めも進めています。ヨーロッパも警戒が必要なのではないでしょうか。 ◆一帯一路 「一帯一路」という「砂の万里の長城」と「海のシルクロード」で、石油の航路であるシーレーンを挟み込んだ計画は壮大です。その航路上に、軍事的寄港地や独占的使用を認めさせる港湾、陸路、空港などのインフラを作っていくのですから。 AIIBは、そうした中国に利便の良い設備を「投資や支援」の姿を取って作ろうとしているのではないでしょうか。中国国内の余剰生産物や、落ち込んだ企業の売り込み先を、中国はAIIBを利用して押しつけたいだけではないのでしょうか。 さまざまな疑問が浮かびますが、やはり浮かんでくるのは「超限戦」という見事なまでの「戦略」です。 (つづく) 「戦争する国」という風潮は、新しい時代の戦争を引き起こす 2015.05.27 文/HS政経塾2期卒塾生服部まさみ ◆国会でのズレた議論 集団的自衛権の行使を柱にした安全保障関連法案の国会審議が26日から始まりました。 野党は、自衛隊の活動範囲や戦闘に巻き込まれるリスクばかりを追求し、「戦争法案だ」という声まで飛び出しました。 国会前には900人が詰めかけ、「戦争する国、絶対反対!」と抗議の声を上げました。参加者は、「再び戦争になるのでは。黙って家にいられない」と危機感をつのらせました。 同じ日に、中国政府は国防白書を発表し、海洋進出を本格化させる戦略が打ち出されました。 今回の安保法制の背景には、急激に軍備を増強してきた中国の脅威があります。 その脅威に対して、国民の生命・安全・財産を守り抜くために何が必要かを真剣に議論されなければならないはずです。 しかし、「戦闘に巻き込まれるリスクがある」「日本は戦争をする国になってはいけない」などピンぼけした議論が行われています。 「戦争」というと軍事兵器を使って、戦闘を行うことばかりをイメージしているのかもしれませんが、21世紀型の戦争は新しく変化してきています。 ◆ロシアのハイブリッド戦争 例えば、ロシアがウクライナのクリミア半島に非正規軍を送り込んで制圧し、併合した手法を新しく「ハイブリッド戦争」と規定されました。 日本語で「複合型」と訳されますが、ロシアは、目標達成の為にメディアを通じたプロパガンダを使い、工作員や武器を送り込んで、静かに友好的に国論を変え、一気に非正規軍によって制圧してしまいました。 ◆中国の三戦 このロシアの手法をじっと注目してみているのが中国です。 中国人民解放軍は、工作活動である「三戦」を戦略として用いることを公式に発表しています。 三戦とは、「世論戦」、「心理戦」、「法律戦」の三つのことをいいます。 世論戦は、様々なメディアを使って、国際世論を中国に有利な方向へ導いていきます。友好的な雰囲気を醸し出して、国内外の大衆の支持を生み出すことが目的です。 心理戦は、敵側の士気や国民の結束力を低下させます。外交的圧力や、噂、嘘の情報を流して、敵国内の指導者層への疑念や反感を作り出し、敵の意思決定能力を遅らせたり、撹乱させることが目的です。 法律戦とは、敵の行動を不法なものだと主張しながら、自国の行動を法律的に合法なものだと正当化することです。 例えば、琉球王国が歴代の中国王朝に対して朝貢を行う「冊封国」だった経緯を説明した上で、「琉球王国は中国の属国だった」と主張したり、「尖閣諸島の国有化は、中国の主権を侵し、世界の反ファシズム戦争の成果を否定し、国連憲章に挑戦している」などと自国の軍事行動を正当化しています。 ◆進化する戦争 このようなロシアのハイブリッド戦争や中国の三戦のように、軍事力を直接行使する戦争以外に、平時からメディアを使った世論誘導や、経済的利益、外交、観光などを通じて国民がコントロールされる新しい戦争が仕掛けられる時代なのです。 知らない間に何となく世論を動かされ、指導者層の意思決定能力を奪われ、何となく現状を変えられ、最後に非正規軍によって制圧されてしまう。 しかし、相手が非正規軍であるために、一度、制圧されてしまうと、正規の軍隊を使って武力で取り戻すことが難しくなるという、まさに「戦わずして勝つ」戦法なのです。 ◆日本が「普通の国」になることが戦争を抑止する 「戦争する国」、「憲法9条を守ることが平和を守ることだ」と表現する人たちは、その主張が、戦争を止めているのではなく、新しい時代の戦争に加担しているという事実を知るべきです。 米軍基地をなくしたり、憲法9条を守ることが日本の安全や世界の平和を守ることにはなりません。 中国は、軍事力を直接行使する戦争に備えるための軍備増強と並行して、自国に有利な環境を作り出す三戦を着実に実行しています。 「敵に10倍する規模をもって、戦わずし敵を屈服せしめよ」という孫子の兵法を地でいく国に対して、私たち日本に必要なのは、軍事的な能力の備えと政治的な工作に屈しない精神的な備えの両方なのです。 具体的には、速やかに集団的自衛権を始めとする安全保障関連法案を成立させること。そして、憲法改正が必要だという世論をつくっていくことが防衛力を高めます。 憲法9条を改正し、自分の国は自分で守れる体制を築き、日本が「普通の国」になることが戦争をなくす、最大の抑止力になるのです。 沖縄を守る覚悟は誰にも負けない! 2015.05.26 文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆沖縄県辺野古へ 5月16日~18日まで沖縄に行ってきました。 米軍の移転反対派は、名護市辺野古にある米軍基地キャンプシュワブの正門前を占拠して居座り続けています。 初日の16日は、その反対派に抗議するため辺野古に住んでいる青年の皆さんが中心になってデモをするというので私も合流し参加しました。 マスコミが流す報道を聞いていると沖縄県民の住民の皆さんのすべてが米軍反対だと言う印象を受けますが、実際には違います。それは地元の青年の方と話してみても分かります。 辺野古の住民の皆さんは、米軍の辺野古移設は賛成と言うと、反対派から執拗な嫌がらせを受けるので、移設賛成と言えない空気があります。つまり言論が封殺されているのです。 ◆基地反対派の中に入ってみる 実はデモに合流する前に時間があったので、米軍基地反対派の中に入ってみました。 中に入って分かったことは、沖縄県民の方が一部いることはいますが、沖縄県外から動員されてきた労働組合員が多いと言うことです。 実際にテントから少しは離れたところで労働組合員がバスに乗り込み帰るところを目撃しました。バスの表示は某鉄道会社の名前でした。 ◆琉球独立学会シンポジウム デモが終わると、場所を変え沖縄の大学で行われた「琉球独立学会」結成2周年の講演シンポジウムに参加しました。正式には「琉球民族独立総合研究学会」といい、日本から沖縄を独立させるために活動をしている団体です。 以前のニュースファイルでも書いたように、沖縄は日本であり同じ民族です。これは間違いがありません。 だから私はかつて先人たちが沖縄を守ろうとしてきたと同じように、同じ同胞である沖縄を守りたいという強い思いがあります。 今回参加して分かったことがあります。主催者や参加者は、純粋に沖縄を日本から独立させることが沖縄のためになると信じていることです。 「米軍基地があるから沖縄がまた戦争に巻き込まれてしまう」「沖縄を非武装中立にすれば戦争に巻き込まれない」「中国は沖縄を取りにこない」と信じています。 要するに問われているのは、琉球独立学会の考えを進めたら沖縄県民を幸福にするのか、それとも幸福実現党が考えていることを進めたら沖縄県民を幸福にできるのか、競争しているのだと思いました。 琉球独立学会は、「沖縄の世界観しか持っておらず国際情勢の視野が狭い」ので真実が見えていません。米軍を追い出しても中国を甘く見れば沖縄は簡単に飲み込まれてしまい、県民を不幸にしてしまいます。 今後、どこかで琉球独立学会とは議論をする機会があるでしょう。 沖縄を中国に差し出したい確信犯は別にして、彼らも同じく沖縄を愛しています。問題は「国際情勢の認識が狭い」ということです。この部分が分かれば変わる可能性はあります。 ◆5.17沖縄県民大会【沖縄最前線!】 翌日17日は、幸福実現党・矢内筆勝総務会長(兼)出版局長と合流し、沖縄セルラースタジアムで開催された「米軍の辺野古への移設計画阻止を訴える県民大会」の開場前で地元の有志の皆さんと、中国の脅威を訴えるチラシを配布しました。 矢内局長ブログより「オール左翼」の5.17沖縄県民大会【沖縄最前線!】 http://yanai-hissho.hr-party.jp/etc/2525.html チラシは驚くほどの受け取り率でしたが、時には「なんで幸福実現党がここでチラシを配ってんだ!」「幸福実現党は米軍賛成だろ!」と怒りチラシを破り捨てたり、丸めて捨てたりされました。 そうした方には迷いなく私の執拗な追っかけが始まります。「反対の意見も聞いてみるのも勉強になりますよ。」 2枚目のチラシが目の前に差し出されると、中には根負けして受け取っていく人もいます。 3日目の18日は、朝6時半出発、普天間基地前で「米軍出て行け!」とヘイトスピーチを行う人たちに対して「ハートクリーン運動」を行いました。 「ハートクリーン運動」とは、左派の「口汚い言葉」を浄化するように米軍の皆さんへの感謝の言葉を伝える運動です。 その際に車を基地近くの駐車場に止めたのですが、管理人さんは、最初はヘイトスピーチがうるさくやめるように促したそうです。それでもやめないので、そのうち注意をあきらめたそうです。 5.17沖縄県民大会では、「屈しない」のゼッケンや、プラカードをたくさん見ました。つまりどんなことがあっても「屈しない」、それが彼らの合言葉です。 本当は保守こそが、この「屈しない」という言葉を取り返す必要があります。それが出来ていないから沖縄は、今の状況に追い込まれているのです。 ◆辺野古での街宣 その後、矢内局長ら有志と辺野古へ。辺野古を占拠する反対派の前で街宣を決行するためです。 キャンプシュワブ ゲート前での幸福実現党街宣【矢内筆勝】 https://www.youtube.com/watch?v=cHGZWeWZgnw#t=14 この後、那覇に戻り、地元に住む方々との懇談の時間を持ちました。これが3日間の主な活動です。 この3日間で感じたことは、今回は対反対派でしたが、最終的に本当に私たちが相対するべきは、「5.17沖縄県民大会」の左翼や「辺野古に居座る左翼」ではなく、「一般の沖縄県民のみなさん」であることです。 つまり沖縄県民の皆さんに真実を伝えることです。そして共に沖縄を真に守る活動を起こさなければなりません。これが私たち幸福実現党の使命です。 2015年――香港で天安門事件追悼式典、まもなく開催! 2015.05.24 文/幸福実現党・兵庫県本部副代表 湊 侑子 ◆雨傘革命後、初の大規模集会開催まであと10日 今年も天安門事件の追悼式典が6月4日香港のヴィクトリアパークで行われます。 昨年の追悼式典では、過去最大人数の18万人を集め、雨傘革命120万人へとその勢いは受け継がれました。 9月から12月に行われた雨傘革命以降、初の大規模な集会である本年の式典開催に関し、中国共産党と香港政府は警戒を強めています。 ◆香港における、選挙権と被選挙権の問題 雨傘革命のきっかけとなったのは、2017年の行政長官選挙制度に対する香港市民の怒りでした。 香港のトップを決定する行政長官の決定方法ですが、今までの選挙では香港一般住民には選挙権、被選挙権のどちらも与えられていませんでした。 720万人の香港市民のうち、1200人からなる「選挙委員会」によって密室で決定されていたのです。この選挙委員会の構成員の5分の4は親中派であるため、中国政府の意向によって決定されていたとも言えます。 この制度を変更し、2017年からは選挙権が18歳以上の香港市民に与えられる予定です。これをもって中国や香港政府は「普通選挙」と言います。 しかし実は、“被選挙権”が制限されています。 立候補者は、中国政府の息がかかった業界団体からなる「指名委員会」によって絞られることになっているため、民主派の立候補は実質ありえません。 そのため、この選挙方法を「ニセ普通選挙」と現地の人たちはよんでいます。 民主派は、選挙権を持つ1%以上が支持すれば立候補できる住民指名方式や、直近の立法会(国会)選挙において得票率5%以上を獲得した政党による候補者推薦方式によって、立候補者を出せるように訴えていました。 しかし香港におけるミニ憲法とよばれる香港特別行政区基本法45条に「指名委員会が実質的指名権を持つ」と書かれていることを根拠に、これらの意見は否定されています。 ◆「香港独立禁止法」制定か 昨年の雨傘革命が世界中に広がったことを恐れる中国と香港政府は、民主派市民リーダーの取り締まりを考えています。 今年の4月、香港の与党である民建連などの親中派政治団体が反中活動を規制する「香港独立禁止法」の作成を進めているという報道がなされました。(2015.4.9 産経新聞) 法案は大きく4つの部分で構成され、 (1)香港の独立を求め、国家の分裂を企てた者は10年から無期懲役の刑 (2)香港の完全な自治を求める者は最高で懲役20年 (3)中国大陸から来た観光客などを攻撃したり、買い物などの経済活動を妨害したりした場合は最高で懲役3年 (4)香港独立を求める団体や組織に資金援助などをした場合は最高で無期懲役 という内容です。 行政長官の梁氏は「そのような計画は今のところはない」と否定していますが、香港議会に占める議員の割合は、親中派が民主派を上回るため、議会に提出された場合は法案が通過する可能性もあります。 ◆香港の自由を、私たちも守り続けたい 実は、ミニ憲法である香港特別行政区基本法には2007年以降に行政長官選挙を普通選挙にする可能性が示されており、民主化活動が盛り上がった時期がありました。 しかしこれに関しては、全国人民代表大会常務委員会の判断と解釈変更により、実施が延期され続けてきたのです。 ミニ憲法が存在しても、その憲法の上に存在するのが中国共産党であることは、中国本土も香港も変わりないのが実情なのです。 雨傘革命が終わり、日本人の意識から香港は遠く離れていますが、危機はすぐそこにまで迫っています。 しかし香港の人たちが、自由を守るために闘うことを諦めない限り、中国共産党が力で抑え続けることができなくなるであろうことは、歴史が証明しています。 私たち日本人は、自由と民主化を求め天安門事件で散っていった若者たちのためにも、香港から目を離してはならないと思います。 すべてを表示する « Previous 1 … 48 49 50 51 52 … 101 Next »