Home/ 国防・安全保障 国防・安全保障 日本は、日韓関係にどう立ち向かう? 2015.11.03 文/HS政経塾4期生 窪田 真人 ◆日韓首脳 3年半ぶり会談 2日午前、韓国訪問中の安倍首相はソウルの青瓦台にて、パク・クネ大統領と初めて個別に会談しました。 二国間の首脳会談は約3年ぶりであり、旧日本軍による従軍慰安婦問題について年内を含め早期妥結を目指す方針、また経済、安全保障の面で協力を強化する方針で一致しました。 なお会談時間のほとんどは、慰安婦問題についての話し合いに使われましたが、見解は平行線のまま、具体的な解決策が提示されることなく、終了しました。 ◆現在の韓国の状況 これまで従軍慰安婦問題を前面に出し、反日外交を進めてきたパク・クネ大統領が、なぜこのタイミングで安倍首相との個別会談を受け入れたのでしょうか。 その背景には経済・外交の両面における韓国の苦しい事情があります。 現在の韓国は、同盟国である米国と安全保障面でより強い関係を構築したい一方で、日本に対して歴史認識をめぐり共闘し経済の結びつきも強い中国と関係を維持せざるを得ない状況に置かれています。 すなわち米国、中国の間で大きく揺れ動いている、それが現在の韓国の状況です。 先月27日、米国政府が南シナ海での中国による人工島から12カイリ以内の海域に、アメリカ海軍のイージス艦を派遣し、航行させた件について、日本は米国の行動を支持する旨を表明していますが、韓国は、中国との経済的な繋がりを重視する姿勢から、自身の立場を表明していません。 しかしその中国は経済が悪化しており、先月10月の韓国の輸出額は前年比15.8%減少しました。輸出依存度が高いことで知られる韓国にとっては大きな打撃です。 こうした状況を踏まえ、韓国は日本との関係改善による経済活性化、また中国への経済依存の軽減を目指す目的で、今回の日韓首脳会談は行われました。 ◆元慰安婦への財政支援拡大!? 日韓首脳会談を受け、日本政府は対応策の検討に入っています。 特に慰安婦問題については、2007年に解散したアジア女性基金のフォローアップ事業の拡充を通し、元慰安婦への財政支援拡大を進めようとしています。 皆様ご存知の通り、1965年日韓国交正常化にあたって結ばれた日韓請求権・経済協力協定にて、日本は韓国に5億ドル(当時の韓国国家予算のほぼ2年分)の経済協力等を行い、日韓の賠償問題については完全かつ最終的に解決されています。 日本政府もその見解を持ちながらも、今回の会談を踏まえ、「基本的人権を踏みにじられた女性への人道的支援の充実」と称して、元慰安婦への財政支援拡大を行おうとしているのです。 こうした姿勢は「日本が従軍慰安婦問題を認めた」と諸外国に発信することに繋がりかねない為、絶対に実行されるべきではありません。 日本は、「従軍慰安婦問題はデタラメである」という正しい歴史観を世界に発信し続けるべきです。 そもそも現在の韓国の一番の問題点は歴史認識ではなく、経済における中国依存度があまりに大きいために、外交上中国に強く出ることができない状況、すなわち経済面にこそ大きな問題があります。 そのような状況下において、元慰安婦への財政支援拡大など日本にとって何もプラスに働きません。 ◆日本が目指すべき日韓関係の在り方 ただし、中韓の関係が更に強化される事態は避けなければなりません。 目指すべきは、日韓の経済的な繋がりが強化されることで韓国の対中国依存度を軽減し、日米韓における東アジアにおける安全保障体制を強化することです。 では日本はこの状況を踏まえ、何ができるのか。 その1つとして、韓国のTPP参加の後押し、協力を積極的に行うことが挙げられます。 特に韓国がTPPに正式に参加する場合、既に参加した12か国から厳しい市場開放などを求められることになりますが、韓国にその点を大きな負担と思わせることなく参加に導けるかが、日本に求められる役割となるでしょう。 日本が積極的に韓国のTPP参加に働きかけ、多くの輸出先が韓国に開かれれば韓国の対中国依存度を減らすことができます。 そして韓国は経済と外交の間で揺れ動く、現在の状況を一歩改善することができるでしょう。 日本は、こうしたアジアのリーダーとしての役割を果たしていくべきであると考えます。 豊かで神の恵みを受けた日本としての義務を考える 2015.10.28 幸福実現党・兵庫県本部副代表 みなと 侑子 ◆米軍重い腰を上げ、南シナ海にて行動 南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島に中国が建設する人工島の12海里(22キロ)内で、アメリカのイージス艦が「航行の自由の確認行動」をとったニュースが新聞の一面をにぎわしました。 島の周りの12海里はその島を所有する国の領海と認められていますが、「海洋法に関する国際連合条約」(UNCLOS)の第60条では、人工島はこれにあたらないとされています。 今回のイージス艦の自由航行は、「人工島を建設しても、その周囲は中国の領海と認められない」ことを示すためのものであったと言えます。 先日のアメリカ訪問でボーイング機などの爆買いを行い、中国の経済力と友好性をアピールした習近平主席でしたが、顔に泥を塗られた形となってしまいました。 ◆南シナ海における中国の蛮行 これまで中国は、南シナ海に於いて傍若無人な行動をとり続けていました。 中国人民兵を岩礁に住ませながら、埋め立てによって人工島を建設し、自分たちの領土としてきました。 南沙諸島や西沙諸島を含む地域を三沙市と勝手に制定し、自らの理論に基づき南シナ海に「中国の赤い舌」と呼ばれる九段線を引き、豊富な漁場・石油や天然ガスなどの資源をむさぼってきたのです。 このような行動をとり続けることができた理由は、中国を止める国がなかったことにあります。 フィリピン・ベトナム・マレーシア・インドネシア・ブルネイなどは中国と領有権問題を抱えていますが、軍事力の差が圧倒的であり、一国で対応することは不可能です。 海上戦力を比較しますと、中国が892艦船持っているのに対し、ベトナムは94、フィリピンは80です。トン数は、中国が142万トンであるのに対し、ベトナムは3.7万トン、フィリピンは4.7万トンで足元にも及びません。 航空戦力においてはさらにこの差は広がります。 今回のアメリカの行動は大変遅いものでありましたが、中国とは圧倒的な戦力差でありながら領土を護るために奮闘してきた国々にとっては心強いニュースであります。 ◆私たちには南シナ海の航海の自由を護る義務がある しかし、南シナ海が中国に浸食されて本当に困るのはアメリカではなく、先述した国々であり私たち日本です。日本は輸出入のほぼすべてを南シナ海経由で行っています。 南シナ海のほぼすべてが中国のものとなってしまえば、航行の自由が奪われ、食料や燃料などの命に直結するものが入ってこなくなる危険性が十分に考えられるのです。 リスク分散として、他の経路の配分を増やしつつも、やはり南シナ海の航行の自由を守るための努力は欠かせません。 具体的には、海上自衛隊の艦船が米艦と「共同演習」として南シナ海を遊弋したり、P3C哨戒機などが空から監視活動したりする平時のパトロールが求められます。 今回の安保法案の改正により、自衛隊が米軍と共に行動し米軍が攻撃を受けた際には、米軍を守るための行動をとることができるようになりました。 また、南シナ海で米中の武力衝突が発生した際には、いくつかの条件付きではありますが米軍への後方支援が可能となります。 日本は東シナ海を護るので手一杯だという説もあるようですが、どうすれば南シナ海も護れるようになるのかを考え、手を打つべき時期が既にもう来ているのです。 9月29日付のWSJ(ウォールストリートジャーナル)では、「世界秩序を守る日本の責任」と題して、“豊かで神の恵みを受けた国としての義務は何か”を日本は問うべきである、との論説が載っていました。 今回の件で、一時的に左翼勢力が盛り上がりを見せたようになりましたが、一国平和主義思想は世界の潮流から完全に外れています。 世界秩序を護るという意思を明確に発信しながら、実績を確実に積み重ねていくことが求められています。 1985年、トルコ政府がイラン駐在の日本人を救った理由 2015.10.24 文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆イラク・フセイン大統領が突然、「48時間後に撃墜宣言」! 前回は1890年、紀伊半島沖で発生したトルコ船の海難事故、そしてその救助に当たった日本人の対応に、多くのトルコ国民が感動をしたエピソードをお伝えしました。 今回は、映画「海難1890」に関して、事故からおよそ100年後、1985年(昭和60年)に中東テヘランで実際に起きた出来事についてお伝えいたします。 1985年当時、中東ではイラン・イラク間の戦争が長期化していました。当時、石油ビジネス関連の商社マンを中心に約二百数十名人がイランの首都テヘランに居住していたと言われています。 さて、イラクのフセイン大統領は、戦争の膠着状態を打破する事を意図したのか、1985年(昭和60年)3月17日、突然、以下のような宣言を公表しました。「今から48時間を過ぎれば、イラン上空を通過する全ての航空機を無差別に攻撃する。」 日本人を含め、テヘラン駐在の外国人にとって、この「宣言」は寝耳に水でした。諸国の駐在員は、制限の期日までに帰国の途に就こうとします。 しかし、当時、日本・イラン間の航空便が就航していない日本人には、帰国の手段がありません。駐イラン大使は日本政府に対して緊急に、飛行機の手配を依頼しました。 ◆日本政府が日本人を救出できなかった理由 依頼を受けた日本政府(当時は中曽根首相・安倍外務大臣)は、まず自衛隊機の派遣を検討しましたが、自衛隊法の制約で海外に飛ぶことが不可能ということが分かりました。 [その後、自衛隊法は改正され、現在では同様の事態が発生した時には、自衛隊機による救助は可能] そこで、直ちに日本航空に臨時便を要望しました。 イラン行きを志願するパイロットも出て、順調に出発する準備が進められたのですが、なんと、当時の労働組合が「乗務員の安全が確保されない状態では出発できない」という理由で、出発を拒否したのです。 戦争の中、しかも48時間後には撃墜される可能性がある危険な空域を飛ぶことには、大きなリスクがあります。 組合としての判断は「安全第一」というものでしたが、これも戦後一貫して「平和憲法」を奉じてきたために、リスクを冒すという発想がなかったのかもしれません。同じ日本人として、実に残念な判断でした。 ◆頼みの綱、トルコの判断は? イランに駐在する日本人達が脱出する手段は、他の国の力を借りるしか手段が残されませんでした。 それも極めて望みの薄いもので、時間がどんどん経過していく中、日本人たちの絶望がいかに大きなものであったのかが推測されます。 まず、欧米諸国の航空機会社に依頼して、一人でも多くのチケットの確保を目指しますが、相手は欧州人優先の判断で、ごくわずかに入手できたにすぎませんでした。 そこで、当時の野村豊駐イラン大使は、最後の頼みとして、トルコのビルレル大使を訪れ、トルコ政府に緊急便の依頼をしました。当時イランには、600人あまりのトルコ人がおり、とても日本の支援ができる状態ではなかったので、もともと諦めていたのです。 一方、トルコ政府に対しても、「商社」のルートを通じて、当時のオザル首相にも同様の依頼を行いました。日本人にとっては、ほとんど可能性のない希望でした。 しかし、トルコ側は、日本人が直面した事態の深刻さを理解し、直ちに臨時便の手配を承諾したのです。 その時にトルコのビルセル大使が日本を助ける理由として語った事が、「これは、エルトゥールル号の恩返しなのです」というものでした。 トルコでは「エルトゥールル号の海難事故」については、教科書にも掲載されるなど、100年前に日本人が心を尽くしてトルコ人を救助した逸話を忘れていなかったのです。 そして、先人たちが日本から受けた恩を返す機会だと、快く救助の手を差し伸べてくれたのです。 このように、トルコ政府の決断によって、「緊急の」旅客機1機が出発しましたが、1機だけでは、すべての日本人を救助することができないことが分かりました。 そこで、トルコ側は、もう一機の「定期便」も、日本人のために使ってもらう事を提案しました。 当時、イランに駐在していたトルコ人は、自らが乗り込む予定だった飛行機を諦め、自動車に分乗して、母国トルコに向かったのです。 かれらもこの決定について、「100年前の恩を返そう!」と一致し、ほとんど異論は出なかったと言われています。 このトルコによる救助によって、制限時間以内に、帰国を希望する全ての日本人が無事に日本に帰ることができました。 国際政治の判断には、国益と国益とのぶつかり合いの中で、冷徹な判断が求められるものですが、今回のエピソードのように魂と魂がふれ合う温かみがあることも分かりました。 そうした意味で、日本人として、先人たちの偉業を再認識し、日本人としての誇りを取り戻す一方、日本人を誇りに思っている国もあることを忘れない事も大切だと感じました。 ラグビー日本代表の快挙に感じたこと 2015.10.09 文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆過去7大会1勝のみ→今大会、すでに2勝! 現在、イギリスで開催されているラグビーワールドカップでの日本チームの快挙が伝えられています。 特筆すべきは、過去優勝経験をもち、強豪として知られている南アフリカチームに34対32という歴史的な勝利を挙げたことでしょう。 試合そのものも、互角に戦い、最後の土壇場で逆転のトライを挙げたことで、世界のラグビー界でも大きな驚きを持って見られています。 さらにサモアにも勝利し、過去の7大会で通算1勝だったのが、10月9日現在、すでに2勝を重ねています。今後の成績によっては、グループリーグ突破の可能性もでてきました。健闘を祈りたいところです。 ◆「外国人選手」に対する疑問 さて、こうした快挙の裏で、ネット上では「日本代表」の有り方に疑問が投げかけられています。それは、ラグビーの代表選手の出場条件についてです。 現在、ラグビーの国際ルールでは、以下の3つの条件のうち、1つでもクリアしていれば、外国籍の選手でも帰化することなく、日本代表として出場することができます。 1、本人の出生地が日本である 2、両親または、祖父母のうち、1人以上が日本生まれ 3、本人が3年以上継続して日本に在住している 今大会、登録できる選手は31人になりますが、外国人選手がどのくらいいるかというと、 ・日本国民として帰化した選手が5人 ・外国籍をもったまま上記「3」が適用され登録された選手が6人 合計11人です。 言うまでもなく、これらの条件は他の出場国にも適用されるのですが、出場国20か国の中で、「外国人選手」(帰化+外国籍のまま出場)の占める人数は、以下の通りです。 13人:サモア 12人:トンガ、ウェールズ 11人:日本、スコットランド 10人:フランス 9人:オーストラリア、イタリア、アメリカ 上記の数字を見る限り、日本チームは、国際的に特に突出した状況ではないことが分かります。 サッカーや、野球など、国際試合に出場する選手は、その国の国籍を取得していることが条件となっています。過去にも、他国籍の選手がサッカーワールドカップに出場するために、日本国籍を急遽取得したケースもありました。 しかしながら、特にラグビーについては、国籍にとらわれることなく、その国に一定期間住んでいたという記録があれば、自由に出場国を選択することができるのです。 こうした制度について「やはり日本国籍の選手だけにするべきではないか」等、違和感を持った方も少なからずいらっしゃるようです。 ◆日本の看板を背負った勇気に感謝 しかし私は、そのような声に対し、疑問を持つものです。 ラグビー日本代表チームは、過去7回のワールドカップで1勝しかできなかった「弱小チーム」でした。 少なくとも、そうしたチームに加入し、「何とか日本の勝利の為に頑張ろう!」、とひと肌脱いでくれた外国人の選手たちへの敬意を忘れてはいけないのではないでしょうか。 私も、南アフリカ戦を後に観たのですが、スクラムなどでも全く押されていなかったところなど、堂々とした戦いぶりでした。外国人選手なしに、今回の快挙はあり得ませんでした。 「外国人選手」たちは、元々愛国心を強く持ち、自分自身が生まれ育った祖国のユニフォームで戦いたかった気持ちもあったはずです。 しかし、それを越えるだけの「日本に対する強い愛情」があったがゆえに、「日の丸」を背負って出場するという決断ができたのではないでしょうか。これは、自分の人生を左右する大きな決断になったはずです。 逆に私が「外国人」の立場になった時、他の国のユニフォームを着て出場することができるか、を考えると、簡単に決まるものではないと感じました。 従って、日本人選手同様に、外国人選手に対してもまた、私としては最大限の賛辞を送るつもりです。 ◆日本、世界のさらなる繁栄のために さて、今後、このような局面が様々な場面で見られることになります。 日本にとって、スポーツのみならず、経済などでも更なる外資との協調、外国人労働者の受け入れが大きな課題になってきます。 幸福実現党は、特に中国・北朝鮮の覇権主義の危険性など、国際政治の部分で国防の大切さを訴えてきました。 また、外国人参政権なども国家の安全保障に関わる問題とも言え、慎重な対応が必要であることは言うまでもありません。 こうした国防上の備えを第一に進めつつ、日本のさらなる繁栄のためにも外国人との関係について、改めて考える時がきているのではないでしょうか。 すでに日本は、世界の経済大国です。自国だけではなく、世界のリーダーとして、自由の価値を広めつつ、さらなる繁栄に向けたメッセージを発信する義務があります。 スポーツと経済を安易に結びつけるべきものではないかもしれませんが、今後の日本の繁栄の条件について触れさせて頂きました。 北京軍事パレードから見えてくるもの【前編】 2015.10.08 文/HS政経塾3期卒塾生 幸福実現党・新潟県本部副代表 横井もとゆき ◆北京市内全域が厳戒態勢 この度私は、幸福実現党矢内筆勝総務会長とともに、9月3日に北京で行われた軍事パレードの様子を現地で視察するまたとない機会を得ることができました。 当日は、メイン会場である天安門前から約2キロ南東にある北京駅周辺でパレードが行われている市内の様子などを視察しました。 当日の北京駅周辺はとても混雑していました。警官や武装警察の警備は厳重で、監視台がいたるところに設置してあり、そこから自動小銃を構えた警戒員が周囲に目を光らせていました。 駅広場に入るだけでも身分証のチェックが行われていましたが、外国人である我々はパスポートを見せるだけですぐに通されました。 警戒対象は中国人によるテロや暴動であることが明白でした。市内のいたるところで厳重な警備が行われていました。 ◆スマホ片手にパレード観賞 周辺の歩道は駅の利用者の他にパレードの飛行機を見ようとする多くの人で混雑しており、歩道脇の植え込みのブロックに腰を下ろし、みなスマートフォンでパレードの実況中継を見ていました。 近年中国ではスマートフォンの普及率が爆発的に伸びており、インターネット利用や「微信」という中国版LINEにより、比較的自由な情報交換を行っているようです。 パレードの航空機が北京駅上空に差し掛かった時には、みな一斉にスマホで撮影を始めました。またその直後には、「微信」で遠く離れた友人と動画の共有を楽しんでいる人々の姿も目に付きました。 中国のインターネット環境は中国共産党の統制下にあるのは周知の事実ですが、それにも関わらずこの急激な情報化の流れは、必ずや中国国内に変化をもたらすであろうと感じました。 今回で15回目となる北京での軍事パレードから読み取れることをいくつかあげてみたいと思います。 ◆「平和」の陰に隠された「歴史戦」の刃 これまでの軍事パレードは、10月1日の国慶節といわれる毛沢東により建国が宣言されたという日に行われていましたが、戦後70周年の今年は、「対日戦勝記念日」である9月3日に、抗日戦争ならびに世界反ファシズム戦争の勝利をテーマにパレードが行われました。 中国外交部によれば、この軍事パレードで中国が発しているメッセージは平和であり、中国は世界平和と地域の安定を維持するために自らの貢献を果たすことを伝えたものとされています。これは表向きの目的でしょう。 また、特定の国、特に日本や日本人を対象としたものではないとのことですが、我々日本人や大東亜戦争での日本軍の功績を知っている国々が釈然としないのは当然です。 確かにパレードに参加した最新兵器は、対日本が主でないようですが、抗日戦勝利を記念する軍事パレードの基にある歴史認識は、当時の日本人と日本の歴史、戦後の日本の歩みを悪の権化とし、中国共産党の正当性を主張するものです。 また近年の日本政府が「右傾化」していると反日教育に加え、日本に対しより一層の反省とお詫びを求めていることからも、パレードの裏の目的は、中国共産党主導による「歴史戦」を優位に進めることであり、その矛先は確実に日本に向いています。 ◆軍事パレードは国内に向けたメッセージ 現在進行形で中国共産党による反日歴史教育は行われており、熱心な父兄は、幼い子供に戦時中の惨殺死体の写真を見せて、「鬼子日本人」がやったことだと刷り込んでいるのを今回の視察で目の当たりにしました。 この軍事パレードは、平素より中国国内で行われている反日教育を基礎として、戦後70年という世界共通の節目を利用した人民の愛国心や中国共産党の求心力を高めるための催しものであったと言えます。 このパレードに人民の注目を集めるため、英雄的模範部隊という軍人の中にヒーローをつくって称え、女性儀じょう部隊には現役美人モデルを起用するなど、パレードを何とか活路としたい思惑が伺えました。 中国国内では1日平均500件以上のデモや暴動が起きているとされています。中国経済の低迷も加わり、このあたりに習体制の焦りが伺えます。 ◆核ミサイルで米国をけん制 すでに多くの識者が指摘しているとおり、パレードに参加した兵器を見れば、米国を強く意識したものとなっています。 今回初めての試みとして、作戦体系に基づき装備隊列を組みパレードを行いました。国内の暴動鎮圧のための特殊車両から、戦車や各種ミサイル、尖閣諸島占領作戦を想定した海軍の水陸両用車、無人偵察機、最終的にはアメリカ合衆国全土を射程にとらえた核搭載大陸間弾道ミサイルなど、リアルタイムな情報ネットワークを駆使した最先端の組織的かつ広範囲にわたる戦闘ができることをアピールしました。 DF-21D「空母キラー」と言われる対艦弾道ミサイルの初展示により、人民解放軍がかねてより対米作戦として掲げていた、米軍をグアム島より西側に近づけない、いわゆる「A2AD作戦」が完成したことを示し、アメリカの全都市を核の標的にしたことにより、大国になったと自負しているものと思われます。 武力があれば何でもやっていいという「中国ルール」が今後ますます世界で猛威を振るいそうです。 次回は、中国共産党の2枚舌政策から日本がとるべき防衛政策を考えてゆきます。 国防体制の確立を――安保法制成立から「憲法9条改正」へ 2015.10.03 文/幸福実現党岩手県本部副代表 石川幹子 ◆安保法制の意義 幸福実現党は立党以来、集団的自衛権の行使容認を急ぐべきと訴えてきましたので今回の成立には大賛成です。 今回の安保法案の成立で安倍政権の支持率が38.9%と低迷しました。低迷した原因をマスコミは、安保法案に関する審議が少なかったのではないかと指摘しています。 安倍首相は集団的自衛権行使の具体的例として原油輸送の大動脈である中東のホルムズ海峡が機雷で封鎖された場合を想定し自衛隊による掃海活動のためと言っています。 日本では、マスコミを中心にイランの機雷によるホルムズ海峡の封鎖は起こり得ないという見方が多かったのも事実です。 しかしイランは、実際に米国の想像を超える最新鋭の機雷を2000~3000個備えており、敷設に使う高速ボートは200~300隻保有しているとされ、今年2月にホルムズ海峡付近で、大規模な軍事演習を行い、機雷敷説の演習も公開しています。(9/27読売「変わる安保・ホルムズ海峡警戒解かず」) また8月には朝鮮半島で韓国と北朝鮮の間で緊張が高まり、北朝鮮は前線地帯に「準戦時状態」を宣言したこともあります。 韓国には、3万人の日本人がおり、南北の一触即発の事態は、多くの国民が目覚めるきっかけとなったのではないかと思います。 ここまで至るまでのテレビ、マスコミは安保法制に反対するグループや違憲とする憲法学者、知識人を朝から深夜まで放映し、安保法制廃案を扇動するかのように見えました。 同時に原発反対、特定秘密保護法反対、沖縄の米軍基地反対と類似したリベラルな国民感情が運動のエネルギーになったのは確かです。 ◆日米同盟が日本を守ってきた 日本は、戦後の荒廃から立ち上がる時に、一生懸命、国の立て直しに尽力しました。その努力が実り、高度経済成長してから後は、安定した生活を営む事が出来るようになりました。 そうしたこともあり日本は安全に暮らせるいい国であると信じ込んでいます。 戦後70年の平和は、「平和憲法」がもたらしたのではなく、現実は自衛隊と日米同盟によりアメリカが日本を護ってくれていたからです。 日本も一方的にアメリカに頼ってばかりでは真の友情を維持することはできません。アメリカの現状は、経済が低迷しているため国防費を削減し日本を守る余裕がなくなっています。日本も自立する意志を示し、自国による国防強化が重要になっています。 ◆アジアを取り巻く情勢 国際軍事専門誌IHSジェーンズ・ディフェンス・ウィークリーは25日、中国が南シナ海の埋めたてを進めていた人工 島で、滑走路1本が完成したとの分析結果を明らかにしています。 中国は複数の人工島に計3本の3千メートル級滑走路を建設しスプラトリー諸島周辺での航空機による偵察活動も始まる可能性があるとしています。 北朝鮮では、来月10日の朝鮮労働党創立70年に合わせ「人工衛星打ち上げ」と称する長距離弾道ミサイルの発射を示唆しているため政府は、海上自衛隊のイージス艦や航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオットの展開、配備を検討している状況です。 ◆有事に対する備えを 中国の軍事基地、そして北朝鮮のミサイル発射の可能性を考える時、沖縄辺野古基地反対運動により、万が一、アメリカ軍が撤退し沖縄の独立運動が高まったとき、その隙をついて他国から侵略されかねない危機に瀕しています。 政府として予期せぬ事態に備えて、確実に領海や国土、国民の生命を守るために憲法9条の改正に踏み切るべきと幸福実現党は2009年の立党より訴え続けています。 そうした状況を受け止め、安保反対運動ではなくミサイル発射阻止運動、南シナ海埋め立て抗議に我々一人一人が立ち上がり平和を守るために結集をすべき時ではないかと思います。 私達は、真の平和を守るために国民の皆様にご理解頂けるよう声を上げて参ります。 米国大統領候補、ドナルド・トランプ氏の主張する「日米安保論」 2015.09.26 文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆すでに始まっている米国大統領選挙 来年2016年は、年初に台湾総統選挙、7月に日本で参院選挙が行われると共に、11月に米国大統領選挙が予定されており、国際政治上でも重要な一年となります。 特に米国大統領選挙は、すでに共和・民主両党の候補者選びが進んでおり、各地から候補者が名乗りを上げ、マスメディアによる討論会も開催されています。 オバマ氏が2期目であるため、新たな候補者を擁立する民主党は、ヒラリー前国務長官と、「社会主義者」を自称するバーニー・サンダース上院議員の二人に絞られつつあります。 一方、8年ぶりに大統領の奪還を目指す共和党は、ジェフ・ブッシュ元フロリダ州知事、カーリー・フィオリーナ氏(元ヒューレットパッカードCEO)などが名乗りを上げていますが、現時点で米国民の話題をさらっているのが、ドラルド・トランプ氏です。 この方は1980年代から「不動産王」と知られ、現在40億円を超える資産を持っている「大富豪」です。 彼が、8月末時点の共和党候補者の中で40パーセント近い支持率を集め、9月下旬の段階ではやや低下しているものの、依然として人気を得ている原因は、その「放言」にあり、いわば米国版「ハマコー」(浜田公一)のような方であることです。 米国でも、ときおりこうしたタイプの候補者が出るのですが、従来の政治家、あるいは政治的な手法に対する不満の受け皿になっているのかもしれません。 ◆物議をかもしたトランプ氏放言の数々 さて、その物議をかもしてきたトランプ氏の放言の数々を以下にお伝えさせていただきます。 〇「(金正恩氏について)彼は頭がおかしいか、さもなければ天才だ。」 〇「オバマ大統領は、アフリカ生まれではないか。」 〇 オバマ氏主導の医療改革(オバマケア)について「俺が大統領になったら、すぐやめる。」「俺にはもっとすごい案がある。」 〇 ヒラリー氏について「わが国の歴史上最悪の国務長官だった。」「彼女は負ける。そして負かすのは私だ。」 〇「メキシコ人はアメリカに犯罪に麻薬をもたらすし、メキシコ人は犯罪者だ。もちろんいいヤツもいるが。」「メキシコ人が来ないように国境に万里の長城を築いたらいい。」 こうした方が自国の大統領にふさわしいか否かについて、最終的に米国民は、良識をもって判断されると思います。 またトランプ氏自身は、ビジネス界出身であり、共和党の考えを直接代表しているわけではなく、一見、品性のかけらもないような発言が続いていますが、それに関わらず、一定の支持を集めている理由も考えなくてはならないと思います。 ◆日本に関する米国民の本音? 同様に、トランプ氏は、日本・アジアに関しても以下のような「放言」があります。 〇(安保法成立前の8月25日の発言)安保条約について「日本が攻撃されたら我々は直ちに助けに行かなければならないが、米国が攻撃されても日本が我々を助ける必要はない。公平だろうか。」 〇「米国は軍隊を送って韓国を守る態勢だが、得られるものは何もない。これはクレイジーだ。」 9月19日の未明に混乱の中、安保法が参院で可決成立しましたが、時を同じくして、一定の支持を集めている大統領候補者から、上記のような発言が行われたのです。(上記の「日米安保論」は、後に修正されました。) 一方、民主党は、伝統的に親中的で、ヒラリー氏のご主人、クリントン前大統領は、中国へ大きく傾斜し、結果として日本経済は大打撃を受けました。 要するに米国内では日米同盟についての懐疑的な議論がこれまでもあったし、今後も議論され続けているのです。 ◆やはり安保法制は必要。 安保法制反対の市民運動は、60年・70年安保闘争の再来を狙ったようですが、沖縄でも基地反対闘争が激化し、翁長知事は普天間基地の辺野古移設に関わる県の許認可を白紙にする方向も表明しています。 こうした状況を最も喜んでいるのは、中国・北朝鮮です。 特に中国は、フィリピンとの国境に当たる南シナ海で岩礁を埋め立て、巨大な軍事基地の建設を進めているほか、日中中間線での石油掘削事業をさらに展開させ日本との国境線を自国に有利に進めようとしています。 中国は、解放路線を進め自由の雰囲気も見えますが、実情は決して政府の批判はできず、共産党による一党独裁を改めることもできない状況で、国家による厳しい統制の中にあります。 安保法の反対派には、ゆくゆくは中国の支配下に入ってもよいのではないか、と考えている方もいるかもしれませんが、それが実現した時にくるものは平和ではなく「隷従」であることを忘れてはなりません。 一方、米国内でも中国が進める覇権主義に対し、日米同盟強化による徹底抗戦が必要だと考えている人達もいます。 そうした層の信頼を裏切らない意味で、また、トランプ氏のような国粋主義的な発言に説得力をもたせないためにも、今回の安保法制は絶対に必要であったのです。 幸福実現党は立党以来、誰が正しいかではなく、何が正しいかという観点から、党利党略にとらわれず国の進むべき方向を指し示してきました。 今回の安保法制も、やはり必要であると訴えてきました。マスコミは「戦争法案」と名付け危機を煽っていますが、実際は「戦争抑止法案」であると、現実を正直に見据えるべきです。 今こそ、『神のある民主主義』へ移行すべき時! 2015.09.25 文/幸福実現党・北海道本部副代表 森山佳則 ◆日本は神々が育んできた「世界史の奇跡」 古来より日本は、神々に護られて、2700年以上、統一国家として繁栄してきました。 孔子や老子の時代よりも古い時代に「神武天皇の東征」が行われています。その神武天皇から現在の今上天皇まで連綿と続く世界最古の歴史を持っているのが、私たちの国です。 日本は、神々が育んできた「世界史の奇跡」でもあるのです。 先の大東亜戦争においても、同じアジアの国々が、欧米諸国の植民地支配を受け、隷従の身となって、迫害・搾取を受け苦しんでいるのを解放するために戦いました。 戦争には、アメリカ合衆国には敗れましたが、その後の歴史を見れば、アジア・アフリカにおいても植民地がなくなり、ほとんどの国が独立を果たしました。 日本の神々が目指した、植民地支配を終わらせるという大義が成就したのであります。 しかしながら、戦勝国によって、戦後、日本は、侵略をした悪い国であるというレッテルを貼られ、戦後70年たっても、それを覆すことができず、日本の正当性を世界に訴えることができておりません。 これでは、戦争中に、わが身を捧げて、自国の防衛、そして、植民地解放のために、戦った先人に対し、子孫として申し訳ない限りであります。 ◆日本は祭政一致が国体 古来より日本では、神の心を受けた政治が行われてきました。 日本の歴史を見る限り、神と政治は一体化していて、いつも「神の心を受けて政治をやろう」としていたのが、昔からの伝統で、「神に向かって、みんながまとまろう」としてきた国でありました。 わたしたちは、何よりも「信仰心」と「愛国心」を持って、この国を護り繁栄させ、神々の意思を地上で実現する義務と権利を持っているのです。 ◆新憲法制定こそ神々の意思 現行憲法が最高の法ではありません。国民の平和と繁栄と幸福のために、その時代の現状に合わせ時々刻々と変えていくべきものが地上の憲法です。 憲法の上には、神の意思、もしくは、地球的正義があります。それを無視して、一国の利得のためだけに、法体系を創るべきではありません。 また、成文法のほかに、不文法があり、日本の国体、国としての連続性を護るために、法解釈をして、三千年近い国体を護る必要があるのです。日本の歴史は、戦後の70年だけではありません。 ですから、現行憲法は、敗戦後のどさくさの中で、日本の歴史・文化にも無知で、法律に素人の占領軍の一部の人が創ったもので、当然、日本に真の繁栄をもたらすものではありません。 日本の文化伝統を受け継ぎ、国際社会で日本が果たすべき使命も含めて、新しい憲法を制定しようと思うことが、本来の国民の姿であり、日本の神々の意思でもあります。 ◆霊性革命――霊言は日本を守る神の詔 今、数多くの霊言が、幸福実現党大川隆法総裁より、神々の世界、霊界から降ろされています。実際に、神々の言葉によって、良き方向へと日本を導こうとしているのです。 今回の安保法制においても、あれだけ、マスコミや野党から反対の論陣を張られ、ゆさぶりをかけられたとしても、今回、法案が通ったのは、安倍総理の信念が崩れなかったことと、自民党が割れなかったことが大きな要因です。 これは、大川総裁の霊言を通して神々の意思はここにあるのだと、神様を信じている人たちが信念を曲げなかったことが根本にあります。 また、安保法制反対の運動や、沖縄県知事の国防を揺さぶる動きが、左翼陣営やマスコミ等を通じて盛り上がった時は、東日本大雨や大洪水、火山噴火など、数多くの天変地異が起きました。 この謎解きは、日本の神々が、この国は価値があるので、護りなさいと言っているのであります。 ◆信仰革命の成就へ、今こそ、『神のある民主主義』へ移行すべき時 われわれは、そうした神々の意思を慮り、良心と良識で考えて決めていく、「神のある民主主義」に、入っていかなければなりません。 そうしなければ、日本を取り巻く危機的な混迷を打破し、その先に広がる世界の平和と繁栄の時代に移行することはできません。 現代の日本の神となっているマスコミが主導する「神のない民主主義」「人間のみの民主主義」の行く先は、他国に植民地化され、隷従する日本の姿しかないのです。 今こそ、本来の日本を取り戻すべく、「神のある民主主義」を進めていくべき時であり、不惜身命の精進を誓います。 原発の安全性を高め、再稼働推進を! 2015.09.23 文/幸福実現党スタッフ 荒武 良子(あらたけ・りょうこ) ◆9月10日川内原発再稼働 9月10日、九州電力川内原発が再稼働しました。東日本大震災後の新基準下で、全国初の再稼働となります。 国内の電源構成について政府は、2030年度のあるべき比率を「原子力20~22%」とし、原発の稼働を進めていますが、元首相の小泉氏は、福島第一原発事故で原発の危険性について認識したことから、脱原発を唱えるなど、原発反対の声も根強くあります(2015年9月17日産経ニュース)。 ◆福島第一原発事故とチェルノブイリ原発事故の比較 原発事故で有名なものに、1986年、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故があります。 この事故では、規則違反の試験運転を行ったことで、核反応が暴走し、原子炉自体が爆発しました。その結果、大量の放射性物質が放射され、急性放射性障害で30人が死亡しました。 一方、福島の原発事故は、チェルノブイリ原発事故のように、核反応によって起きた核爆発ではありません。 津波によって、冷却装置が故障したため、冷却できなくなった炉心が損傷して水素ガスが発生し、水素爆発が起きました。 原子炉内の水が分解して発生した水素ガスが漏れてガス爆発が起き、壊れた格納容器から、原発内の放射性物質が1%程放出されました。 福島第一原発は、一定以上の地震波を感知すると、1秒で核反応を停止する設計になっていました。東日本大震災の地震を感知して核反応を停止しています。 福島第一原発での水素爆発は、この核反応停止後、24時間以降に起きており、爆発が起きた時の放射能は、核反応停止直後の1000分の1以下になっていました。 こうした理由から、放出された放射線の量は少なく、福島第一原発事故では、急性放射性障害で死亡した人はいません。 ちなみに、チェルノブイリ原発の原子炉は、「黒鉛炉」と言って、核分裂を起こしやすくするために必要な減速材に黒鉛を使用しています。 事故当時、この黒鉛が火災を起こし、災害を拡大ましたが、日本の主な原子炉は、「軽水炉」と言い、減速材に水を使用しています。そのため、黒鉛による火災の心配はありません。 また、福島第一原発事故では、放射線被ばくによる後障害のガンの発症も起きていません。 チェルノブイリ原発事故では、放射能に汚染された牛乳が出荷され、それを知らずに飲んでしまったため、多数のガン患者が発生しました。 しかし福島第一原発事故では、そもそもの放射線量が少ないことに加えて、事故後には、福島県産の牛乳に出荷停止の措置がとられています。そのため、がん発生も防止できました。 事故当時の報道では、福島の放射線量はチェルノブイリと同程度などというものもありましたが、札幌医科大学教授 高田純氏の調査によると、実際に福島県民が受けた放射線量は、CTスキャン1回分程度だったようです。 むしろ、誤った報道による放射能への過剰な恐怖や、政府の対応の遅れよって、本来可能なはずの復興が、遅くなっているようです。(2015.9.12HRPニュースファイル「原発事故から5年―福島安全宣言!」参照) ◆原発稼働は、国防上も重要 日本のエネルギーの9割は火力発電で、火力発電のための石油や石炭の大部分は、中東などから輸入されているものです。現在、日本のエネルギー自給率は約4%です。 こうした中、仮に、中東から石油が輸入できなくなる場合や、中国によって石油輸送のシーレーンが遮断される事態が発生した場合、日本の経済や国民の生活が立ちいかなくなる可能性も出てきます。 エネルギー自給率を高めることは、日本が他国の言いなりになることなく、国の主権を守ることにもつながっています。 資源が少なく、太陽光発電等の自然エネルギーでは、火力発電や原子力発電の代替となるほどのエネルギーを得られないことからも、現状、原発によって電力が供給できることは重要なことです。 ◆日本は原子力比率を「40~50%に」――世界原子力協会事務局長発言 9月18日付、産経新聞によると、世界原子力協会のアニエッタ・リーシング事務局長は、日本の電源構成における原子力の比率を、長期的に「40~50%」まで高めるべきとしています。 政府が定めている、2030年度の「原子力20~22%」を、リーシング氏は、「長期的に見て低すぎる」と指摘しています。日本は、エネルギー自給率を高めて、安全保障を強化するためにも、原子力が重要との見方を示しました。 ◆原発の安全性を高め、再稼働推進を 震災後も、世界の各国は原発を推進する流れにあります。また、原発によってエネルギーを得られることは、国の独立を守ることにもつながっています。 原子力発電に代わるエネルギー源が見つからない以上、福島原発事故を契機として原発をゼロにするのではなく、より安全な原子力の活用を考えるほうが良いでしょう。 実際、福島原発事故の教訓を生かした新しい原子炉の開発の事例もあります。川内原発の再稼働を皮切りに、各地の原発も再稼働を進めるべきです。 参考: 「天使は見捨てない」大川隆法著/幸福の科学出版 「放射能・原発、これだけ知れば怖くない!」高田純著/幸福の科学出版 「決定版 福島の放射線衛生調査」高田純著/医療科学社 安保法の次のステップ――「憲法9条改正」を急げ! 2015.09.22 文/HS政経塾4期生 西邑拓真(にしむら たくま) ◆新安保法の成立 与野党の激しい攻防の中、19日未明、集団的自衛権行使を限定的に容認する安全保障関連法が、参議院本会議で可決、成立しました。これを受け、幸福実現党は党声明を発表しています。 「安保関連法の成立を受けて(党声明)」 http://info.hr-party.jp/press-release/2015/4718/ ◆集団的自衛権とは何か この「安全保障関連法制」は、自衛隊法など10の既存法をまとめて改正する一括法の「平和安全法制整備法」と、国際平和のために活動する他国軍を後方支援することを可能にする「国際平和支援法」からなりますが、この安保法制の柱は「集団的自衛権行使の容認」です。 この法案が成立したことにより、アメリカなど「密接な関係にある他国」に対する武力攻撃が発生した場合、わが国の「存立危機事態」と認定されれば、集団的自衛権の行使が可能になりました。 集団的自衛権とは、同盟国などが攻撃されたとき、自国への攻撃と見なし、共同で攻撃に対処できる権利のことを言います。 この行使については、国連憲章第51条に自衛権の一種として認められており、国際社会では集団的自衛権を行使できるのは当たり前であると捉えられています。 尚、新安保法制が必要に迫られた背景には、「中国の軍事力拡大」と「北朝鮮の核問題」があります。安全保障環境の悪化傾向が著しい中で、日本は自国の防衛力の拡大の必要性に迫られているわけです。 ◆新安保法制の意義 1960年に岸内閣の下で改訂された新日米安全保障条約の第5条には、わが国に対する武力攻撃があった場合、日米両国が共同して対処することが定められています(米国の日本防衛義務)。 この条約下では、日本側は必ずしもアメリカを防衛することは必要ない状態となっていますが、それは、これまで日本は憲法上の解釈の制約により、個別的自衛権の行使に限定されるという方針を採ってきたからです。 このことに対し、アメリカでは、「費用面において軍事的負担がアメリカ側に多くなりすぎている」「アメリカが日本を防衛する義務のみ定められた状態では、日本がアメリカにとっての潜在的な敵対国と協調を採る余地が残っている」などといった批判も一部で存在していました。 日本が今回、憲法解釈の変更を下に、新安保法制を成立させ集団的自衛権の行使が可能になったことによって、上のような安保法制に対するアメリカ側の懸念を緩和することができ、日米の信頼関係の醸成を期待することができるわけです。 つまり、この新安保法制は、東アジアの安全保障環境の悪化を背景に、日米が互いに守り合う関係を築いて日米同盟を深化させることで中国・北朝鮮に対する「抑止力」を強化し、戦争を未然に防ぐための基盤を整えたところに、大きな意義を見出すことができるわけです。 ◆次のステップとして、「憲法9条の改正」へ 安保法の成立に対し、米国防総省のアーバン報道官は18日、「日本が日米同盟を強化し、地域と国際社会の安全保障に、より積極的な役割を果たそうと努力し続けることを歓迎する」という声明を発表しています。 また、オーストラリアや、中国と南シナ海において領有権を争っているフィリピンなどといった国々も、同法案の成立に対し歓迎の意を表明しています。 こうした声を鑑みても、「日本が国際平和により積極的に貢献する」ということに対し、世界から大きな期待が寄せられていることがわかります。 日本は、こうした期待に応えて協力関係にある各国と手を携え、侵略的な意図を持つ国家から「自由」を守り抜くために、更なる防衛力強化のための環境を整える必要があります。 そのためには、憲法解釈議論から脱し、堂々と「憲法9条改正」を行うことが今後必要となっていくでしょう。幸福実現党は、「憲法9条改正」の実現に向け、「信念」を持って取り組んで参ります。 すべてを表示する « Previous 1 … 45 46 47 48 49 … 101 Next »