Home/ 国防・安全保障 国防・安全保障 日本防衛戦略「核抑止編」【第1回】―「危機に立つ日本」を護る核装備 2016.04.29 文/幸福実現党・茨城県本部副代表 中村幸樹 ◆危機に立つ日本 「水爆」実験や長距離弾道ミサイル発射で、核ミサイル保有を進める北朝鮮ですが、28日にも午前と午後に、中距離弾道ミサイル「ムスダン」を一発ずつ発射しました。 韓国軍は、いずれも「発射直後、数秒以内に墜落した」と分析しています。ちなみに「ムスダン」は、射程3000~4000キロメートルのミサイルです。 また軍事的に膨張する中国(2016年度の中国国防費は、公表分だけで約16.7兆円、28年間で約44倍)、日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しています。 朝鮮半島、尖閣諸島・沖縄、台湾海峡、ベトナムやフィリピン近海等は、紛争の発火点として、いつ起きておかしくない状態にあります。 幸福実現党は、日本を護り抜き、「世界の正義」を推し進めるために、以下を取り組みます。 〈1〉「言論・思想戦」 〈2〉「外交戦」=「日米同盟」を強化(「米中同盟」を阻止)し、インド、ロシア、台湾、オーストラリア、モンゴル、東南アジア諸国、島嶼国などと友好を促進、経済・安保両面で連携強化を図り、中国や北朝鮮の民主化・自由化を促すための外交 〈3〉「強靭な防衛力」の構築 ◆正当防衛としての核装備 中国や北朝鮮からの「核を使っての恫喝や侵略」を思い止まらせる抑止力強化へ、正当防衛としての核装備も進めます。 核兵器の最大の効能は、「他の核兵器保有国に核兵器を使わせない」ということです。 「中国や北朝鮮が核兵器を使った場合には、日本からも核兵器を使われる可能性がある」ということが最大の抑止力になるわけです。 以下、核抑止の理解を深め、日本の核抑止戦略、防衛戦略を考察するために、3回に分けてと論を進めて参ります。 第1回は、核兵器の種類、核兵器の特性、抑止戦略の種類 第2回は、アメリカの核戦略の変遷と教訓 第3回は、核装備プラス日本版SDI(私案) ◆核兵器の種類 核兵器の種類には大別して「戦略核兵器」と「戦術核兵器」があります。中間に「戦域核戦力」(後に「中距離核戦力」)と改称)はありますが、詳述は省きます。 「戦略核兵器」は、敵国の戦略核戦力や政治・経済中枢に対する攻撃に用いられ、戦争の決をつける核兵器であるため、「戦略」の名が冠せられます。 対ソ冷戦期の米国の「戦略核戦力」の態勢は、同時に一挙に破壊されないよう(「抗堪性(こうたんせい)」の保持)、次の「三本柱」で成り立っていました。 〈1〉「大陸間弾道ミサイル(ICBM)」 〈2〉「潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)」 〈3〉「戦略爆撃機」 「戦略爆撃機」は、空中待機から命令を受けて目標に向かい、途中で呼び戻すことが可能という特性があります。「ICBM(大陸間弾道ミサイル)」は、発射すれば呼び戻せません。 「SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)」は、核戦争の最終段階まで温存が可能で、終結交渉の後ろ盾や最後の一撃を担えるという特性があります。 「戦術核兵器」は、彼我接近した戦場で用いられる核兵器です。 「戦術核兵器」は、登場時には、破壊力と使用効果が戦場に限定できる、使用可能な兵器と考えられ、1949年に創設されたNATOの防衛には、通常戦力の不足を補うため、多くの戦術核兵器が配備されました。 しかし、後に、「核兵器の特性」から、戦闘力として戦術核兵器を考えることは難しく、「戦術核戦争」と「戦略核戦争」の線引きは困難と考えられるようになりました。 ソ連軍事ドクトリンには「戦勝に必要な最大限の軍事力行使」がうたわれ、どんな形の核使用でもNATO軍が核を使用すれば、核の全面的な反撃をもって応じる方針があったのです。 ◆核兵器の特性 核兵器のもっとも顕著な特性は、きわめて大きな「瞬時の大破壊力」です。 広島、長崎の惨状をみれば、その威力は一目瞭然です。 北朝鮮が、原爆の数百倍から数千倍も威力を持つ水爆を東京に落とした場合、一千万人から三千万人ぐらいの被害を出す可能性があります。 さらに、特性として超高温の熱、衝撃波や爆風、放射線、電磁パルスがあげられます。 電磁パルスは、強度や機器の遮断程度によっては、電子機器に重大な影響を与え、戦争遂行に重大な支障を来します。これは今日のハイテク兵器の大きな弱点です。 「瞬時の大破壊力」という特性から、核兵器が「実戦に使える決戦打撃兵力(対処力)」なのか、「敵国の先制核攻撃を抑止する」だけの兵器なのか、よく論争の的になってきました。 しかし日本に2つの原爆が落とされた以降の歴史において、核兵器は使われていないという現実があります。 ◆抑止戦略の種類 抑止戦略には、「戦勝戦略による抑止」と「抑止戦略による抑止」があります。 前者は、戦えば我が勝つことを敵に事前に認識させて、侵略を思い止まらせるものです。 主として通常戦争の抑止に使われますが、ソ連は、核戦略においてもこの戦略を採りました。 後者は、戦って我が勝つことまでは目指さないが、敵に侵略目的の達成が不確実か、侵略に伴う損失が利益を上回ることを事前に認識させて、侵略を思い止まらせるものです。 主として核戦争の抑止に使われます。 米国は、冷戦終末期に、ソ連の「戦勝戦略」から生まれた先制攻撃の脅威を抑止するため、核戦争遂行能力が必要と考え、ソ連に似た戦略への転換を図りましたが、冷戦期の大部分は、後者の戦略でした。 核抑止は、核兵器を撃たれたら報復として撃ち返す「報復型抑止」(懲罰的抑止)が中心ですが、飛んでくる弾道ミサイルを撃ち落とす等の「拒否型抑止」もあります。 核の傘(拡大抑止)という同盟国への抑止力提供は、信頼性は疑問としても「報復型抑止」です。 スタンダードミサイル(SM-3)、パトリオットミサイル(PAC-3)、サード(THAAD)ミサイルなどのミサイル防衛(MD)は、「拒否型抑止」です。 「報復型抑止」が効果を発揮するには、「抑止の三原則」を満たす必要があります。 「抑止の三原則」 〈1〉(敵にとって耐え難い)報復を行う「実力」(能力)があること 〈2〉報復を行う「意志」があること 〈3〉我の実力と意志を平時から敵が「認識」していること 抑止には、戦争の生起を押し止めることだけではなく、いったん戦争が起こっても、戦争のエスカレーションを押し止める抑止=「交戦間の抑止」もあります。 以上、今回は【第1回】として、「核兵器の種類、核兵器の特性、抑止戦略の種類」について述べて参りました。 【第2回】では、「アメリカの核戦略の変遷と教訓」について論じます。 (つづく) 熊本の迅速な復興と首都の災害対策の強化を! 2016.04.28 文/HS政経塾第2期卒塾生 曽我周作 ◆今回の熊本地震 4月14日以降に発生した熊本・大分における震災において亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。 また被災地の迅速な復興と、被災された方々の生活が一日も早く再建されますよう心よりお祈り申し上げます。 幸福実現党では「平成28年熊本地震 被災者支援募金」を募っております。被災地復興にむけ、皆様のご協力を賜れれば幸いです。(http://info.hr-party.jp/2016/5455/) 今回発生した地震のうち、震度6弱以上を記録した地震は、なんと7回も起きております。 27日に確認された時点で、49人の方が亡くなられ、1人が行方不明、怪我をされた方は重軽傷併せて約1450人となっています。 また家屋の被害は熊本県内で、全壊が2102棟、半壊が2297棟、一部破損が7731棟に上ります。 現在避難されている方は熊本県で約3万6800人、大分県で224人と報道されています。16日の地震の発生後には約20万人近くの避難者が発生していました。 ◆もし首都圏で同じ規模の地震が起きたら 今後、もし首都圏で今回のような規模の直下型地震が発生した場合、その被害は甚大なものになります。 中央防災会議の首都直下地震対策検討ワーキンググループが作成した『首都直下地震の被害想定と対策について』の最終報告はつぎのようなものです。 ・揺れによる全壊家屋 約175,000棟 ・建物倒壊による死者 最大約 11,000人 ・揺れによる建物被害に伴う要救助者 最大 約72,000人 ・地震火災による焼失 最大 約412,000棟、 倒壊等と合わせ最大 約610,000棟 ・火災による死者 最大 約16,000人、 建物倒壊等と合わせ最大 約23,000人 など、おびただしい数の人と建物の被害想定がなされています。 また、避難者数もおびただしい数に上り、避難所は収容能力を超えることも予想されています。 今後、政府は民間とも協力して、今回の地震から教訓を得て、備えを進めるべきだと思いますし、いざという時には民間企業等の手助けも、とても重要になるものと考えられます。 ◆災害対策上も重要な原発再稼働 このような大きな地震が起きた時に、電気・ガス・水道のインフラへの被害を少なくし、いち早く復旧する事は当然大切なことになります。 ただし、例えば、送電線の設備が普及しても、もし電力供給そのものが不足していた場合、東日本大震災で経験したような「計画停電」を余儀なくされる可能性があります。 前述の報告書によると、「多くの火力発電所が強い地震動で緊急停止したり被災した場合、充分な電力供給が確保できなくなることから、電力使用の自粛要請が行われるが、被災量が大きい場合、計画停電を実施せざるを得ない可能性がある」と指摘されています。 被災直後は約2,700 万kWまで供給能力が落ち込み、夏場のピーク時の51%程度の供給能力まで落ち込む可能性があります。 直下型地震で大きな被害を受けながら、さらに計画停電が実施されるとなると、その影響は計り知れません。 大災害時の電力供給の不足を防止するためにも、やはり、柏崎刈羽原発の再稼働を早く進めるべきではないでしょうか。 今回の地震に際しても、ネット上ではデマや嘘が出回っていると言われていますが、原発関連の情報について、政府やマスコミが積極的に正確な情報発信を行う姿勢が大切だと思います。 ◆空の交通網を活かせるように また、地震発生後には「深刻な道路交通麻痺が発生し、消火活動、救命・救助活動、ライフライン等の応急復旧、物資輸送等に著しい支障等が生じる可能性がある」ことが指摘されており、そういう事態に陥った場合、ヘリコプターなどの空の交通に大きく依存せざるを得ない状況になるものと考えられます。 今回の地震においては輸送支援にオスプレイが利用されており、それに対して批判の声も上がっているものの、被災地の方に迅速に必要な物資を届けたり、人員の輸送をするうえで有利であるならば、オスプレイも含めて積極的に活用すべきではないでしょうか。 それを、政治問題にして不安を煽り、政府批判をするのはお門違いであると思います。 いずれにしても、いざという時に使用できるように、ヘリの離着陸ができる場所を確保することなど、政府や東京都等の自治体は協力して、空を使った輸送を積極的に活用できるための備えを進めるべきだと思います。 AIIBから透けて見える中国覇権の危険性 2016.04.26 文/HS政経塾6期生 須藤有紀 ◆「台湾の主権は中国にある」?台湾、猛反発 4月13日の産経新聞に「台湾 インフラ銀不参加」と題した記事が掲載されました。台湾のAIIBへの加盟交渉が、事実上決裂したことを報じたものです。 御存じの方も多いと思いますが、AIIBとは、中国が主導するアジア太平洋地域のインフラ整備を支援する国際金融機関のことです。 アジア太平洋地域には、深刻な投資資金不足からインフラ整備の遅れに悩む国が多いため、AIIBの創設メンバーはアジア太平洋地域だけでも25カ国に及んでいます(現在57カ国が加盟)。 そのAIIBには申請者が主権国家でない場合、「その国際関係に責任を負う加盟国」が同意するか、申請手続きを代行する必要があるという規定があります。 これに基づいてAIIB総裁、金立群(ジン・リーチュン)氏が、「台湾の主権は中国にある」としたうえで、台湾はAIIBに直接申請するのではなく、「中国財政省を通じた申請が必要だ」と明言しました。 「台湾に主権はない」「台湾は中国の一部である」。そう言われたのも同然の出来事に、「台湾の尊厳を損ねる」と台湾財政部は猛反発し、交渉は決裂しました。 ◆台湾の反発はもっともです そもそも台湾と中国の問題は、1949年、共産党と国民党の内戦が終わり、国民党が台湾に敗走したことから始まります。 台湾に渡ってきた国民党(外省人)は、独裁政権を敷き、台湾人(本省人)を迫害しました(白色テロ)。 台湾は国民党独裁政権下にありましたが、1991年に元台湾総統の李登輝氏が「動員戡乱時期臨時条款」を廃止したことにより、憲政が回復し、その後に民主化します。 こうしてやっと民主化に成功した台湾が、今さら中国共産党一党独裁体制の下に入ることなど容認できるはずがありません。 「台湾の主権は中国にある」という中国側のスタンスに反発するのはもっともなことです。 ◆AIIBの隠れた意図 ジャーナリストの櫻井よしこ氏は、AIIBは融資基準が不明確なうえに、中国が30.34%の融資比率(議決権の26.06%)を有することを受けて、次のように、その危険性を指摘しています。 「(AIIBの運営では)中国共産党政権の利益のための融資が行われる危険性が高い」 「AIIBを中国はまず何よりも自国の経済強化のために活用し、それによって共産党の求心力を維持しようとする」 参考:月刊正論 2015年6月号記事『中国AIIBと対峙する日米の「剣」』 http://ironna.jp/article/1432?p=1 中国によるAIIBの恣意的運営は、台湾と香港の扱いからも覗えます。 AIIBは主権国家としての台湾の正式加盟は認めず、香港の正式加盟は「非主権国としての申請なら問題ない」として承認する方向です。 台湾を、香港と同様に中華人民共和国の中の一地域とみなしているのです。 ◆台湾は国家だ! しかし、アメリカが台湾関係法において台湾を国家に準ずる扱いをしていることや、台湾がWTO(世界貿易機関)、ADB(アジア開発銀行)に正式加盟をしていることなどを見ても、台湾には明らかに独立国家としての実体があります。 一行政特区であるかのように台湾を扱い、主権国家としての台湾のAIIB加盟を退けたのは、中国の政治的思惑が背景にあるためです。 中国は、近い将来台湾を併合しようと考えており、AIIBを利用してその布石を打とうと画策しているのです。 国際金融機関であるはずのAIIBが、そうした中国の覇権主義に基づいた運営をするのであれば、信頼性は大きく失われます。 軍事拡張だけでなく、経済的にも覇権を握ろうとする中国を、何としても食い止めなくてはなりません。 ◆日本が今なすべきこと AIIBは、投資資金額の大きさと比較的簡単に融資が行われることを強調しています。 日本は、日米主導のADB(アジア開発銀行)の融資条件を緩和するなど、AIIBを通じた中国の経済的な覇権主義の拡張を抑えねばなりません。また、軍事面での覇権拡大阻止も重要です。 そのためには、地政学的に重要な位置にある台湾との協力を強化する必要があります。 日本は台湾を主権国家として認めなければなりません。 その道筋をつけるために、台湾にTPP加盟をすすめたり、日台の経済関係を強化したりするなど、協力関係を強化していくことが大切です。 国家安全保障体制の整備を急げ! 2016.04.22 文/HS政経塾3期卒塾生 幸福実現党・新潟県本部副代表 横井もとゆき 幸福実現党では、国家安全保障に関する法律の整備を提言しています。 参照:幸福実現党政務調査会政策提言集2016 Ⅱ外交防衛 http://publications.hr-party.jp/files/policy/2016/002/origin/all.pdf ◆国家安全保障法とは 国家安全保障法とは、国家安全保障に関する基本理念や基本方針など定めるものです。 この法律は、平時からのわが国の安全保障体制を盤石にして、国民の生命・安全・財産を守るのはもちろんのこと、国土・領海・領空を守り、日本の国益を守り増大させるのが狙いです。 現在は内閣に国家安全保障会議(NSC)を置いています。 現在掲げられている国家安全保障の目標は、次のように定められています。 「我が国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために、必要な抑止力を強化し、我が国に直接脅威が及ぶことを防止するとともに、万が一脅威が及ぶ場合には、これを排除し、かつ被害を最小化すること。」 つまり、抑止力強化と脅威の排除を謳い国防は盤石化と思いきや、例えば北朝鮮のミサイル対処も、あくまでも攻撃された場合、または攻撃が予測された場合にしか対処できないのが現状です。 ◆高まるミサイル危機 少し前まで北朝鮮のミサイルは5分~数分で東京に着弾すると計算されていました。 しかし現在は、以前よりもっと高高度(宇宙空間)まで打ち上げてからの着弾が予想されており、東京への着弾まで約10分とされています。 これは北朝鮮のミサイル技術が進歩しており、日本のミサイルで撃ち落とす「ミサイル防衛」がさらに難しくなったと言えるでしょう。 ◆国家理念の欠如が国民を危険にさらす なぜ、我々は北朝鮮のミサイルが飛ぶまで待たなければならないのでしょうか。 憲法9条を「改正」、または「適用除外」にして、自衛の範囲内で敵基地攻撃能力が持てるように法改正をするべきです。 そもそも他国への打撃力を持たない日本のような「専守防衛」では、抑止力は生まれないとされているのが世界の通説です。 さらには現在進行形で進む北朝鮮の水爆実験と最新の大陸間弾道ミサイル「KN08」開発は日本の防衛にとって重要な日米安保をも揺るがそうとしています。 本来ならば、日本からミサイルの部品や技術、資金が流れないように、国際基準をさらに引き締め、北朝鮮やイランと日本との間での人や物や金の移動をストップすることも必要だったはずです。 しかし日本に国家安全保障の理念がない状態では抜け道ができてしまいます。 ◆国の守りを固めずして繁栄はなし 日本は国家を総動員させて安全保障を考えることを避けてきたため、東アジアの軍事的状況の悪化を数十年間放置してきました。 ミサイルから日本を守るのは、防衛省自衛隊だけではありません。各省庁や民、学が国家安全保障の理念のもと、一致団結しなければ、現代のから日本を守ることはできません。 そこで、今後の日本は、国を守るための各省庁にまたがる法律を制定する、国家安全保障の体制づくりが必要となります。 この法律は、各省庁、自治体に対して国益の増大と国家存続をいかに行うかという考え方を、平時から有事まで持たせることが可能になり、国民の国を守る義務も明記するべきです。 国全体の危機管理意識を高めることが、国家の存続と国益増進、そして平和を維持してゆきます。 ◆さらに平時の自衛権行使 現在は有事の際しか持つことができない自衛権を、平時から使用できる、平時の自衛権の行使も必要となります。 これにより武器の使用基準を緩和し領海・領空侵犯対処能力を強化し、領域警備・グレーゾーン対処を可能とします。 現在は日本の領海や領空に入ってきても、相手が武器を使うか犯罪を犯すまで、こちらは武器を使用できません。 しかし国境警備にあたる法執行活動従事者が、平時の自衛権を行使できるようにすることで、警察権の延長により、中国の公船や軍艦に手出しできない現在の状況を打開してゆきます。 自衛隊が平時の自衛権行使により活動の幅が広がってはおりますが、すぐに自衛隊を投入しては相手にも相手国の軍隊を出動させる口実をつくってしまいます。 ですから衝突から戦争を避けるためは、海上においては海上保安庁が、陸においては警察が、空においては航空自衛隊がはじめは法を執行し、必要ならば自衛権の行使を行います。 今までより一つ次元が上がった領域警備を可能とすることで、ある一線を越えてきた場合、段階的に武器を使用して侵入を阻止できます。 こうして国境を守るために主権国家として当然制定されるべき国内法を、ようやく日本も持つことができるようになります。 「熊本地震」と「北朝鮮のミサイル発射」――政治家の責任 2016.04.16 文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆熊本地震 4月14日に起きた熊本地震は、翌日15日未明にも本震があり、また低気圧が迫っている中で、今も崖崩れなどが心配されています。 あらためて大地震の被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。また、この度の被災により亡くなられた方々に衷心よりお悔み申し上げ、哀悼の意を表します。 そして一日も早く、この地震が収まり被災した皆様が平常な日常生活を取り戻されることをお祈りいたします。 幸福実現党は、今回の災害の被災地・被災者の支援のため、「平成28年熊本地震 被災者支援募金」の口座を設け、支援募金の受付を開始いたしました。ご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。 「平成28年熊本地震 被災者支援募金」へのご協力のお願い http://info.hr-party.jp/2016/5455/ ◆災いは為政者の責任 古来より歴代の天皇は、災いは自分の責任と感じ、神が反省を迫っていると考えてきました。 たとえば平安時代、清和天皇は、熊本地方で起きた洪水の際に、「災いは偶然に起きるものではない。みな朕の不徳の致すところからである」として、国を治めるために心を正されました。 また、鎌倉時代の元寇襲来の際に亀山天皇は、次のような御製(ぎょせい――天皇がお詠みになられた和歌)を詠まれました。 世のために 身をば惜しまぬ 心とも 荒ぶる神は 照らし覧るらむ (元冦から何としても日本を守るために、自分の身すら惜しまずに祈る心を荒ぶる神はきっと叶えてくださるに違いない) 他には、明治天皇が次のような御製を詠まれています。 ちはやぶる 神のこころを 心にて わが国民を 治めてしがな (神の心を心としてわが国民を治めたいものだ) ◆神から授かった国民を大切にする天皇 歴代天皇方は、日本の国を治めるになぜ厳粛な心を持っておられるのでしょうか?その理由は、神武天皇の建国までさかのぼります。 神武天皇が日本の国を治めるにあたっての建国の理念を表したのが、「橿原建都の詔(みことのり)」です。 「橿原建都の詔」(明治神宮より) http://www.meijijingu.or.jp/shiseikan/yamato/037b.html 天照大神から託された日本の国は、「神の国」であり、民は「おおみたから」として大切にして謙虚な気持ちで治めていこう。正しい道(義)に従い、恭しい心で天皇の位に即き、民の安寧と幸福とをはかろう。 そして正しき国家をつくり、正しい心を養成し、その徳を広めて一つの家族のように平和な世界を建設して行こう。これが「八紘一宇」(はっこういちう)の精神です。 これは、イエス・キリストの言葉、「まず神の国と神の義を求めよ」と通じるものがあります。 この神武天皇の建国の志を日本は約2800年も受け継いできました。しかし、戦争に敗けて70年、その「神の義」を忘れてしまったのです。 なぜ、「熊本地震」は起きたのか、政治を預かる者は歴代天皇のように自らの心を顧みる必要があるのではないでしょうか。 自民党政府は、選挙票を集めるために合法的買収で金をばら撒き、お金が無くなればまた税金を国民に課してきました。 積もり積もってつくった財政赤字は1000兆円。これは「国の借金」です。自民党の国家経営の失敗でありながら、その責任をも顧みずに「国民の借金」としてさらに税金を取ろうとしています。 ここにきて消費増税をさらに上げれば、国民はまた苦しむことになります。しかし消費増税をするかどうか、それを自分の判断で決めることもできず、安倍首相は国民に問う選挙まで考えているようです。 神から預かった国を治める神聖な責任感、国を治める謙虚さはどこにいってしまったのでしょうか。 ◆同時に起きた「熊本地震」「北朝鮮のミサイル発射」 熊本地震があった翌朝15日、北朝鮮は、中距離弾道ミサイル「ムスダン」(射程3千キロ)を発射しました。 先に紹介した清和天皇の時代の熊本地方で起きた災害と亀山天皇の時代の元寇が一緒に起こったようなものです。 ミサイルは、途中で爆破し失敗したようですが、発見されにくい移動式とみられ北朝鮮のミサイル開発は確実に進歩しています。 北朝鮮が15日の金日成の誕生日にミサイルを発射することは新聞でも報道されていたので自民党政府は知っていたはずです。 ちなみに5月には36年ぶりの朝鮮労働党大会を控えており、その際にも祝砲のミサイルを発射する可能性があります。現代の「元寇」はまだやってきます。 ◆神の正義を樹立すべき時 今回、北朝鮮のミサイル発射は失敗しましたが、ミサイル防衛策を考えていたとは思えません。 熊本地震の対策に自衛隊を派遣したことは良いとしても、必ずやまた国防の無策を問われる時が必ず来るでしょう。 財政赤字が増え、外敵にも対応できない姿は、まるで幕末の江戸幕府にそっくりです。 この国を守り、アジアの平和を守るためには、もはや核装備の研究を検討したほうがよいところまで来ています。 今こそ神より国を預かった厳粛な使命観を持って、国民の幸福、世界の平和を実現するための謙虚な姿勢を取り戻す必要があるのではないでしょうか。 幸福実現党は、「自民党幕府」に変わり「救世の党」として、日本の国に「神の義」を実現して参ります。 【参考文献】 幸福の科学出版『熊本震度7の神意と警告 天変地異リーディング』大川隆法著 http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1664 広島宣言の欺瞞――理想と現実 2016.04.14 文/幸福実現党・岡山県本部副代表 たなべ雄治 ◆ヒロシマへの歴史的な訪問 広島で主要7カ国(G7)による外相会合が行われ、その中で核兵器なき世界を支持する「広島宣言」が採択されました。 ケリー米国務長官は、原爆を投下した米国の閣僚としては初めて広島平和記念公園を訪問し、原爆死没者慰霊碑に献花しました。「歴史的」との報道がされています。 ◆文言の変遷と発言を振り返る ここで、「広島宣言」の変遷を振り返ってみましょう。 日本は当初、核兵器による惨状について「非人道的」と表現しようとしていました。 ところが核兵器保有国が、国際法の「人道に対する罪」に当たると取られかねないと懸念したため、「非人間的な苦難」という表現に変更されました。 とすると、民間人への原爆の使用は「人道に対する罪」に当たらない、とでも言いたいのでしょうか。 次に、米国関係者の発言にも注目してみましょう。 米国務省高官が「米国務長官が謝罪のため広島に来たのかと尋ねられれば、答えはノーだ」「深い悲しみを覚えるかと言えば、答えはイエスだ」と語ったとCNNが伝えています。 不幸な出来事ではあったが米国が悪いわけではない、と言いたいようです。 ケリー氏はというと、今回の広島訪問について、「過去についてではなく、現在や未来についてのものだ」と岸田外相に対して語っています。 謝罪する気はさらさら無いようです。 ◆米国の立場としては当然の姿勢 オバマ米大統領の「核兵器なき世界」の宣伝のために「広島宣言」を利用することはあっても、米国は戦争犯罪を認めないでしょう。 この対応は、現代の外交においては常識的です。 というのも謝罪すると、賠償が発生しかねませんし、若者の愛国心を損なうかも知れません。米国の国益に沿わないからです。 また、仮に謝罪したくてもできない、民主主義特有の事情があります。 それが世論です。ピュー・リサーチ・センターの調査によると、米国では広島・長崎の原爆投下について、過ちだったと考える人34%に対し、正しかったとする人が56%もいます。 謝罪は、野党共和党を利することになるわけです。 ◆事実としての米国の戦争犯罪 とは言え、米国の行為は過ちであり、その主張には嘘があります。 まず何をおいても、非戦闘員を狙って原爆を投下したという戦争犯罪を見過ごすわけにはまいりません。これこそ「人道に対する罪」です。 「早く戦争を終結させるため」という原爆投下の正当化も嘘です。原爆投下以前にすでに日本は戦争継続能力を失っていました。 さらに、終戦後には米軍が被爆者の診察をしていましたが、実際の治療は一切行わずに実験体として観察していたという説もあります。 このような欺瞞が、正当な人類の歴史として認められて後世に伝わることを、黙って見過ごすわけにはまいりません。 「何を正義とするか」という価値観の積み上げこそ、人類の未来を築いていく基礎になるからです。 ◆一方、現実を見ると とは言え、日本の最大の同盟国は米国です。米国との協力なくして、中国の軍拡と侵略には対抗できません。 ですから、一方的に米国を断罪して日米関係を悪化させることは良策とは言えません。 さらに北朝鮮は、核実験とミサイル実験に成功しました。 日本に核ミサイルが飛んでくるかどうか、これが北朝鮮の若き独裁者、金正恩に委ねられているという悲しすぎる現実があります。 皆様は、金正恩という人物の理性を信用できますか。私にはできません。 金正恩に核攻撃を思いとどまらせる唯一の方法は、「やられたらやり返される」と判断させることです。 ◆どうする日本!? 「核兵器なき世界」をめざすオバマ大統領には強く共感します。 しかしそれでも今の日本は、被爆国でありながら核武装の議論を迫られる国際情勢の中にあります。 したがって、理想と現実を整理する必要がありましょう。 まずは足元、短期的には現実的な政策を進めなければなりません。 中国・北朝鮮を抑止するには、日米同盟を堅持しながら、集団的自衛権の運用と、核武装まで視野に入れた国防の見直しが必要です。 併せて、理想に向けての長期的なプランと行動が求められます。それは、未来に残すべき価値の探求と具現化です。 上述、米国における原爆投下の是非に関する世論調査を紹介しましたが、30歳未満の若年層に限れば、逆転して原爆投下を否定する意見が上回っています。 日本の発信によっては、いずれ米国の理解が得られるのではないでしょうか。 歴史に対する適切な評価は、後世への遺産となり得るものです。 この仕事も幸福実現党の責任として担ってまいります。 愛してるから。大切な人が笑って過ごせる国をまもれ! 2016.04.12 文/HS政経塾6期生 坂本麻貴(さかもと・まき) ◆身近に迫る、「ホームグロウン・テロ」の脅威 ここ数年、イスラム過激派組織(ISIS)によるテロが、非常に大きな国際問題になっています。 このISISはアメリカやフランスを中心とした有志連合をテロの標的としており、その中には日本も含まれています。 4月5日から読売新聞で『テロ 日本の備え』という特集が組まれています。その記事では、日本国内で日本人がISISに共鳴し、国内でテロを起こすという「ホームグロウンのテロリスト」が大きな脅威となっていると書かれています。 ホームグロウン・テロは、インターネット上の国際テロ組織等による主張等に感化されて過激化していきます。 そのため表面化しにくく、また外国のテロ組織の関係者などと直接接触せずにテロを実行するため、把握が非常に困難です。 同時に、テロリストとして把握・識別することも難しく、犯罪歴などがない当該者だと、国内で目立たず自由に活動できるため、テロの準備・実行が非常に容易になるなど、その脅威が指摘されています。(公安調査庁ホームページ参照) ◆伊勢志摩サミットにむけて、国内テロ対策の必要性 日本でも、2014年に北海道大学の学生がISISの戦闘員になる目的でシリア渡航を計画し、断念したという事件がありました。 昨年、首相官邸にドローンを侵入させた男のブログには、『(原発の)再稼働を止めるためにはテロをも辞さない』などの書き込みがありました。(4/5読売新聞) 日本国内でも、イスラム国に共鳴する日本国籍のテロリストが現れる可能性は否定できません。今年5月には三重県で伊勢志摩サミットが開催されます。さらに2020年には東京五輪、パラリンピックが開催されます。 この際にも、テロは大きな懸念事項となっています。 このようなテロを未然に防ぐための対策として、政府は昨年12月に外務省の管轄下に「国際テロ情報収集ユニット」を発足し、海外機関との連携強化を図っており、また、今秋からテロリストらの顔画像と瞬時に照合できる「顔照合システム」の運用を国際空港で開始します。(4/6読売新聞) さらにこれらと併せて、ホームグロウン・テロに対しては、教育や失業対策、人的交流の拡充など、長期的な対策が必要です。(参照:外務省ホームページ 我が国の国際テロ対策) ◆大川隆法総裁が提言する「正義観」 幸福実現党大川隆法総裁は、著書『正義の法』(幸福の科学出版)の中で、何が正義かという判断基準として次のように述べられています。 『個人としては、「神仏の子としての自覚」に目覚められるような努力ができる世界が望ましい。』 『全体としては、(中略)いろいろな状態にある人が、目指すべきユートピアに向かって、夢を持ち続けられる社会をつくっていくことが大事である。』 このような正邪に対する判断力を、教育や社会の中に拡充させていくことが、ホームグロウン・テロリスト発生の抑止にもなります。 ◆幸福実現党の考えるテロ対策 これまで政府で講じられてきた防止策としては、出入国審査の強化、高性能の偽変造文書鑑識危機の導入やTRT-2(国際テロリズム緊急展開班)による情報収集体制の強化などがあります。 (参照:公安調査庁/国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部/平成16年『テロ未然防止に関する行動計画』・警察白書・防衛白書) また、昨年組織された「国際テロ情報収集ユニット」は、外務省総合外交政策局内に設置され、北アフリカ、中東、アジア各国の大使館に職員が赴任して情報収集を行うというものです。 内部からは、国際情報統括官組織との違いがなく、機能しないのではないかという声もあります。これらも大事な施策ではありますが、国際情勢が緊迫している今、その場しのぎの政策では不十分です。 そう考えると、今後は日本でもCIAのような情報機関の創設が必要ではないでしょうか。 また、幸福実現党はサイバー攻撃防衛にも取り組み、事案によっては自衛権を発動し、サイバー攻撃による反撃を可能とすること、SAT(特殊急襲部隊)拡充などを提言してまいります。 参考:「幸福実現党政務調査会政策提言集2016」 http://publications.hr-party.jp/files/policy/2016/003/origin/all.pdf 北方領土返還への道筋 2016.04.08 幸福実現党・北海道本部副代表 森山よしのり ◆北方領土を臨んで 先日、本土最東端の納沙布岬(北海道根室市)から、北方領土を臨み、地元の皆様のご意見等もお聞かせ頂いて参りました。この北方領土返還への道筋について考察させて頂きます。 まず、北方領土は、日本固有の領土であり、択捉島、国後島、色丹島、及び歯舞群島で、構成されており、戦前、約1万7000人の同胞が住んでいました。 北方領土全体の面積は、沖縄県の約2倍、福岡県、千葉県、愛知県に比肩する大きさで、古くから世界三大漁場の一つに数えられてきた豊かな漁場を持つ地域です。 北方領土は、約500キロの長さがあり、東京大阪間とほぼ同じ距離になります。 ◆ソ連の北方領土占領 終戦の際、ソ連は、1945年8月9日当時まだ有効であった日ソ中立条約を無視して対日参戦してきました。 8月14日に日本がポツダム宣言を受諾した後、8月18日カムチャッカ半島から第二極東軍が進撃して千島列島の占領を開始し、31日までに千島列島の南端であるウルップ島の占領を完了しました。 これとは別に樺太から進撃した第一極東軍が、当初、北海道の北半分(釧路留萌ライン以北)と北方四島の占領を任務として侵略を開始したのです。 しかし米軍の強い反対があったためこれを断念し米軍の不在が確認された北方四島に兵力を集中して8月28日から9月5日迄の10日弱の間に、択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島の全てを占領してしまいました。 これは、連合国側の、領土不拡大を定めた大西洋憲章(1941年)、及びそれを確認したカイロ宣言(1943年)に反した行為であり、日本として到底是認することはできません。 戦後、北方四島の返還と平和条約締結に向けて、営々とした交渉が続けられてきましたが、長い期間が過ぎ去ってしまいました。 これまで、御尽力された関係各位のみなさまには心からの敬意と感謝を捧げるとともに、戦争で失われたものを取り戻すためには、何らかの新しい考えが必要であるように思います。 ソ連共産党政権の崩壊、中国共産党政権の台頭、米国の国力低下という国際関係の大きな変化のなかで、日本の国益と、世界に対してどのようにイニシアチブを取るかという観点で新たな新思考外交を始めなくてはならない時期にきています。 ◆中国と北朝鮮を牽制するために 現時点で、日本に軍事的脅威を与えている国は、中国と北朝鮮であります。 安全保障上の観点からすると、これらの国々の脅威を減らすためには、その背後にあるロシアとの関係をあらゆる面から強めていくことが必要です。 もちろん、世界最強国である米国との同盟は保ちつつも、日露協商を締結し、経済的なる結びつきを強めることが、日本を護ることに直結します。 その関係の深まりの中で、北方領土返還平和条約締結に向けた粘り強い努力が功を奏してくると考えます。 現時点において、ロシアは、ウクライナ危機から経済制裁を受けており、経済的には大変厳しい状況であり、これに対する支援は最も望んでいるところであります。 ◆ロシアとの友好関係を築け もっと、長期的に、日本とロシアの関係を強めて、ユーラシア大陸の東の日本から、シベリア地域の再開発を日本が請け負って、大規模な投資をかけて、ロシアの経済的危機を支援しつつ、長期的な友好関係を築き上げることも最善の方法の一つであると考えます。 また、このシベリア地域に新しいフロンティアとして、その繁栄に向けて、意欲溢れる日本人が参画し、将来の日本シベリア繁栄圏のようなものを確立することも、中国を抑え込むために大変効果的ではないでしょうか。 シベリアは天然ガス等のエネルギーも豊富であるので、中東からの石油のみに頼らない安定したエネルギー供給を確保するという観点からも日露双方にとって良策であります。 ここをしっかりと抑え切れれば、北朝鮮からの核ミサイルの脅威も消失させることができます。そして、中国共産党の日本を属国化するという野望を抑えることにもなります。 ロシアのことを悪くいう方々もおられますが、それは多分にソ連共産党政権下、スターリンという悪魔的な独裁者のもと、卑怯極まりない対日参戦や、日本兵のシベリア抑留などから、そうなっていると思います。 御遺族や関係者の皆様の無念の思いはそう簡単に消えるものではないと思いますが、ソ連共産党政権が倒れ、ロシア連邦が登場し、思想信条の自由、信教の自由も回復され、ソ連時代に抑圧されていたロシア正教が復活しております。 そして、ロシアには親日的な方々が多いという事実もあります。日本人のことを好きで信頼している方々も多数おられます。そうした観点から、また、考えてみることも大切なのではないでしょうか。 北朝鮮 終わりの始まり――憎しみを超えて、愛を取れ 2016.04.07 文/幸福実現党・青森県本部副代表 HS政経塾第7期生 三国ゆうき ◆北朝鮮、韓国、アメリカ間で繰り広げられる熾烈な超限戦 3月26日 北朝鮮は、潜水艦発射核ミサイルが、アメリカの首都であるワシントンを壊滅に追い込む様子を写した「最後の機会」という新しいプロパガンダ映像を公開しました。 さらに、4月4日には、韓国にある青瓦台の大統領府を、次々に爆撃する様子を描いた映像も公開しています。 毎日のように、核実験や、日本に向けてのミサイル発射のニュースが報道されていますが、その裏では、熾烈な超限戦(広報戦、心理戦、サイバー戦等、あらゆる手段を駆使して戦う、制約のない戦争)が繰り広げられています。 ◆北朝鮮 終わりの始まり 2014年12月24日にアメリカで公開された、金正恩暗殺を描いた映画「The Interview」(ソニーピクチャーズ作成)が、アメリカ全土331館の劇場で公開され、ネット公開されるやいなや、瞬く間に世界中に広がりました。 映画「The Interview」によって、金正恩が精神的に打撃を受けたのは間違いありません。 また、現在進行中の、史上最大規模の米韓合同軍事演習「斬首作戦」も相まって、金正恩自身が暗殺の恐れを感じ、これまでにない程激しく反発しています。 父殺しの疑いをかけられた独裁者に未来はありません。 北朝鮮の悲劇は、2016年で、何としても終わらせなくてはなりません。20万人以上の方々が奴隷として収監されている強制収容所は、この世の地獄そのものであり、神仏の目から見て、決して許されるものではありません。 ◆主権国家としての自立が求められる日本 北朝鮮のような非人道的国家には、外交や対話は成り立ちません。日本の国益を守り、アジアの平和を守るためには、核武装も含めた、抑止力としての軍事力が必要です。 将来的に、地球上から核兵器が廃絶されることは究極の理想ですが、現時点では、何の武力も無しに日本を守れる程、世界は平和ではありません。実行力の担保があってこそ、北朝鮮のような国には交渉が成り立ちます。 日米同盟によって、日本は戦後の平和を享受してきましたが、経済衰退を起こしているアメリカが、日本をこれからも永久に守ってくれる保障はどこにもありません。 また、アメリカにおいても、原爆を日本に落としたことが、人類史における罪であったと認め、反省しない限り、これ以上の繁栄は望めません。 日本は、主権国家として自立し、東洋と西洋を繋ぐ架け橋として、もっと積極的に、世界の平和と繁栄に貢献していく役割が求められています。 ◆南北朝鮮の民主化は、宗主国としての日本の使命 北朝鮮を「無血開城」させるためには、軍事的に勝ち目がないことを悟らせると同時に、南北朝鮮が平和裏に統一され、民主化された世界が、どれだけすばらしい世界であるのかを、具体的な映像にして、「The Interview」の100倍、日本から世界に向けて「撃ち込んで」いくことです。 単純にすると、ベルリンの壁が崩壊し、東西ドイツが統一されたように、朝鮮半島の三十八度線の国境が破れ、板門店で、生き別れになった親子が、飛びついていって、抱きついていって、再会と喜びの涙を流し合う姿です。 リアリズムの視点を持ちつつも、理想を絶対に捨てないことが大事です。憎しみの連鎖でもっては、永遠に世界が平和になることはなく、愛によってのみ、私たちは恐怖に打ち克つことができます。 「憎しみを超えて、愛を取れ」 それが、2016年、神仏から頂いた人類に対するメッセージです。 【参考】 『正義の法』 『北朝鮮 終わりの始まり』 大川隆法著/幸福の科学出版刊 「急がば回れ」は、世界に通用するのか!? 2016.04.05 文/HS政経塾6期生 野村昌央(のむら・まさてる) ◆オバマ大統領が安倍首相に懸念を示す 4月1日午後、北朝鮮は日本海に向けて地対空ミサイル1発を発射しました。 これは3月31日午前(日本時間3月31日深夜)、ワシントンで行われた安倍晋三首相、米国のオバマ大統領、韓国の朴槿恵大統領との首脳会談で、北朝鮮の脅威に結束して対応する協議に入ると確認をした事への、けん制の意味も込められていると考えられます。 会談では中国の海洋進出についての問題意識も共有され、今後の動きが注目されます。 他にもオバマ大統領は安倍首相に対して、沖縄県宜野湾市にある米軍普天間飛行場の移設について「工事がどのくらい遅れるのか。大きな支障のないようにしてもらいたい」と懸念を示しています。 これに対して安倍首相は「『急がば回れ』の考えの下、和解を決断した」と説明しました(4月1日毎日新聞)。 また、日米韓の首脳会談に先立って、韓国の朴大統領は米通信社ブルームバーグの書面インタビューで日韓関係について、「歴史問題が依然、未来志向の両国関係発展の障害になっている」と指摘しています。 未来志向の関係を築くために昨年末に交わされた日韓合意だったはずですが、結局は「歴史認識を正せ」と主張する韓国側に利用されています。 ◆改めて沖縄という地の重要性を考える 米軍普天間飛行場の移設については国が翁長知事を訴えた代執行訴訟の和解が先月4日に成立しており、これを受けて中谷防衛相は名護市辺野古での移設工事中止を指示しました。 しかしながら、先月23日に開かれた普天間飛行場移設をめぐる政府・沖縄県協議会において、日本政府は同飛行場の名護市辺野古への移設を「唯一の解決策」としています。 これに対して沖縄県側は辺野古移設反対を貫いており、2019年2月が期限となる普天間飛行場の「5年以内の運用停止」を求めています。 改めて米軍普天間飛行場の辺野古移設の重要性を考えると、2点挙げることができます。 ひとつは、米軍再編による沖縄の基地負担の軽減です。 普天間飛行場の返還をはじめとし、嘉手納基地以南の米軍基地を含めた約1000ヘクタールが沖縄に返還されるため、辺野古移設によって沖縄の基地負担は軽減されます。 もうひとつは、東アジア地域における有事の際、日米双方が最も迅速かつ適切な行動を取るために普天間飛行場の移設は沖縄県内でなくてはならないということです。 「国防」によって国の危機を回避することは、国家全体の利益です。そこには当然ながら沖縄の方々にとっての利益も含まれます。 つまり、県内の米軍基地の存在で日本と沖縄自身が守られます。さらには、沖縄は東アジアの紛争を抑止し平和を維持するという大きな使命を果たしているのです。 そして、日米同盟を堅持しつつ、米国に頼りきりではなく、日本は独立国としての自主防衛体制を整えていかねばなりません。 ◆本当に「急がば回れ」でいいのか 安倍首相は、「辺野古移設が唯一の解決策の立場は不変」であり、工事の中断を「急がば回れの考え」だと述べておりますが、このタイミングでの工事中止は、結論を後回しにする選挙対策と取られても仕方ないのではないでしょうか。 やるべきことを後回しにし続けるような政治の非効率をこそ、正していかねばなりません。 今年はオバマ大統領の任期最後の年でもあり、現在の北朝鮮の核開発や南シナ海での国際情勢を見る限り、尖閣諸島においても、いつ有事が起きてもおかしくありません。日本は自主防衛の意思を固めなくてはならない時期にきています。 そして、日本は現在の世界の流れの中において、民主主義の下で自由を守り、全ての人が幸福を目指していける社会を推進する側に立つべきです。 そのためにも「沖縄県に基地があることは、最終的に沖縄県民のためにもなる」と説明できる政治家こそが今、必要なのです。幸福実現党は、日本の未来を守っていくために「国防の必要性」と「正しい歴史認識の発信」を訴え続けてまいります。 すべてを表示する « Previous 1 … 40 41 42 43 44 … 101 Next »