Home/ 国防・安全保障 国防・安全保障 金正恩の再訪中と李克強首相の初来日 2018.05.10 金正恩の再訪中と李克強首相の初来日 HS政経塾担当チーフ 古川裕三 ◆金正恩が再訪中 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が7日から8日にかけて中国の習近平国家主席と大連で再び会談しました。 3月26日に初の中朝首脳会談が行われたばかりでしたが、なぜこの短期間で金氏は再び中国を訪れたのでしょうか。 背景には、米朝首脳会談に向けた事前協議がもつれていることがあげられます。 トランプ大統領は、5月4日時点で首脳会談の「日時と場所は決まった。すぐに発表できる」としていましたが、発表はなされず、6日には北朝鮮外務省報道官が「圧迫と軍事的威嚇を引き続き追及するなら問題の解決に役立たない」と述べてアメリカへの反発を強めました。 トランプ大統領は、非核化が達成されるまで最大限の圧力を続ける姿勢を崩していないため、米朝首脳会談前に改めて中国の後ろ盾を得る必要があったのでしょう。(5/9読売新聞) トランプ大統領には、引き続き、融和ムードに流されることなく、北の核開発施設、実験基地、長距離・中距離・短距離弾道ミサイル基地、施設、装備の完全放棄ないし、壊滅、さらには化学兵器、生物兵器、攻撃機、潜水艦、戦車、大砲、電磁パルス攻撃システムにいたるまで完全破壊すべく、断固たる覚悟をもって米朝会談に臨むよう期待します。 ◆李克強首相が初来日 一方、日本では9日、日中韓首脳会談や、日中首脳会談、中韓首脳会談などの日程をこなすため、中国の李克強首相が8日に初来日しました。 来日に先立ち、5月8日付の朝日新聞に李氏が寄稿した記事が掲載されました。 それによると、本年が日中平和友好条約締結40周年にあたることなどに触れ、日本との関係改善に向けて、具体的には「人民元適格国外機関投資家」(RQFII)の投資枠を日本に付与することをはじめ、日中通貨スワップ協定締結を目指すことなどが明らかにされました。 日本との関係改善に向けた李首相の発信を受けて朝日新聞は好意的に報じました。 ただし、朝日新聞への今回の李氏の寄稿の全文には、「近代に入ってから、日本軍国主義が起こした侵略戦争は中華民族に深刻な災難をもたらし、日本人民も大きな被害を受けた。」と記されている箇所もありました。 しかし、それを言うならば、中国国内において民主化を求める学生たちを解放軍が粛清した「天安門『大虐殺』」について、国際社会に説明責任を果たすべきです。 ◆中国のチベット侵略 そもそも、中国の歴史は侵略の歴史です。中華人民共和国が建国した1949年の翌年には、チベットを侵略しました。 中国は、当時チベットには外国人がほとんどいなかったにもかかわらず、「人民解放軍の基本的課題は、本年中にチベットを帝国主義者の手から『解放』することである」と宣言しました。 この「解放」を名目に、1950年10月には中国の人民解放軍が数万人規模で侵略軍を組織し、東チベットに侵攻しました。 時あたかも、朝鮮戦争開戦当時で、中国は火事場泥棒的にチベットを奪い取ったわけです。 侵略後、チベットは「自治区」とされましたが、民族の自治、信教の自由は認められず、貴重な仏教寺院は破壊され、多くの僧侶、尼僧が残酷な拷問の末に処刑されました。 ◆日本への警告 『犠牲者120万人 祖国を中国に奪われたチベット人が語る侵略に気づいていない日本人』の著者ペマ・ギャルポ氏は、日本人に警鐘を鳴らします。 侵略され始めた当時、チベット全土が標高4000メートル以上の高地にあり自然要塞として外的から守られてきたことで、ある種の「平和ボケ」があったことや、世界情勢への無知、さらに決定的だったのは、国防のための近代的な軍隊の必要性をチベット人が重要視しなかったことなどが侵略を許した原因とペマ氏は指摘します。 同書には「現在の日本国の憲法前文、そして第九条と、それを守るべきだとする日本の知識人、政治家の発言は、私には、かつてのチベットを滅ぼした言説とまるで同じ幻想にとらわれたもののように思える」と書かれています。 日本も、今が正念場です。自分の国は自分で守る当たり前の国になるか、中国あるいは統一朝鮮の属国になるのか、選択が迫られています。 参考文献:『犠牲者120万人 祖国を中国に奪われたチベット人が語る侵略に気づいていない日本人』ペマ・ギャルポ著 『China 2049秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」』マイケル・ピルズベリー著 『李克強 次期中国首相本心インタビュー 世界征服戦略の真実』大川隆法著 『文在寅守護霊VS金正恩守護霊 南北対話の本心を読む』大川隆法著 『司馬遼太郎 愛国心を語る 天国からの緊急メッセージ』大川隆法著 早められたイラン核合意離脱の真意――トランプ大統領はイラン・北朝鮮の核を許さない 2018.05.09 早められたイラン核合意離脱の真意――トランプ大統領はイラン・北朝鮮の核を許さない 幸福実現党・山形県本部統括支部長 城取良太 ◆早められた合意破棄の発表 米国・トランプ大統領は8日午後、イランと欧米関係6カ国が締結した核合意から離脱することを発表しました。 その会見の中で、トランプ大統領はイランとの核合意を改めて辛辣に批判したうえで、最高レベルの経済制裁を科すと表明。 そして、イランが核開発計画を放棄しなければ「今までにないほどの大問題に見舞われる」と警告を投げかけました。 また、金正恩委員長の名前も挙がり、来たる米朝首脳会談の内容を想起させる言及や、日中韓との協力という言葉が出てきました。 予定されていた12日の発表を大幅に早め、日中韓首脳会談の日に合わせてきたトランプ大統領の意図があるようにも感じます。 ◆イランとの「核」対話路線が中東の混迷を助長させた さて、「核なき世界」を提唱し、就任早々にノーベル平和賞を受賞したオバマ前大統領が、自身の集大成の「レガシー」として注力したのが、このイラン核合意です。 この合意はイランが核開発を大幅に制限する代わりに、国際社会は経済制裁を解除するという取引でしたが、合意に至るまで「イランは未だかつて一度も核兵器開発を目指したことはない」という前提条件で協議されてきました。 しかし、イスラエルは4月末、イランが密かに核兵器開発を推進してきた「アマド計画」に関する証拠文書の存在を公開し、イランの虚偽に基づいた核合意を改めて批判しました。 トランプ大統領も昨日の会見の中で「イランの約束が嘘だという決定的な証拠がある」と述べていますが、当の本人は2016年の選挙戦の最中から、この合意内容の真偽や実効性に対し、既に強い不信感を露わにしており、再協議、または破棄すべきだという事を公言してきた経緯もあります。 オバマ氏は一貫してイランとの融和・対話路線を採ってきましたが、これが皮肉なことにイランの野望を増長させ、シリアを中心に中東全域の混迷を助長する結果となりました。 オバマ氏の8年間で更に複雑に絡み合ってしまった中東情勢を正常化させる第一歩として、トランプ大統領による核合意離脱は歴史的な分岐点と言っても過言ではありません。 ◆核合意離脱は北朝鮮に大きなインパクトを与える また、この核合意離脱は今後の米朝首脳会談の動向にも大きな揺らぎを与えることは間違いなく、少なくとも北朝鮮にとっては大きな衝撃であったはずです。 もともとイランと北朝鮮は80年代からつながりが深く、近年では核ミサイル開発で協力関係にあることは公然の事実であり、トランプ大統領は両国の深いつながりについて明確に認識し、言及もしています。 また、両国が国際社会から経済制裁措置を受けている間も、独自のルートを活用した武器弾薬等の取引が横行し、実際に中東・アフリカの戦場で多くの北朝鮮製の武器弾薬が使用されている痕跡もあります。 要するに、どちらかが核ミサイル開発を完全に成功させれば、どんなに厳しい制裁が引かれていても網の目をかいくぐって、直ちに核兵器が拡散する可能性は極めて高いということになるでしょう。 メディアの中には「イランに対する厳しい核合意離脱に比べ、北朝鮮との非核化の合意形成については楽観的すぎる」という批判的な見方もありますが、核弾頭の開発においてイランを先行している北朝鮮に対して、トランプ大統領が手を緩めるとは考えられません。 「完全なる核廃棄、それが出来なければ先制攻撃を正当化」が持論のボルトン氏の起用、直後のシリア攻撃を両国へのメッセージと考えれば、今回の離脱は北朝鮮に対して「時間稼ぎの対話と秘密裡の開発はこれ以上許さない」という明瞭な一線をトランプ大統領は示したと言えるでしょう。 ◆イスラエル、サウジアラビアから考える日本のあるべき姿 そんな最中、日中韓首脳会談を迎えましたが、日本はどうあるべきなのでしょうか。 シリア、レバノン等でのイランの勢力伸長に大きな危機感を募らせてきたイスラエルは同盟国の判断に完全なる支持を表明する傍ら、国境付近でイラン系勢力との一触即発の状態が続く中、自国防衛のために、米国に依存することなく先制攻撃を辞さない姿勢を示しています。 サウジアラビアも米国協力のもと原子力開発に着手し、核保有の可能性に言及するなど、イラン核保有となった際には、直ちに自国と中東の安定を守る体制を確立しようとしています。 翻って、日本の国会審議では野党のボイコットや国家の一大事とは程遠い枝葉の議論で終始し、憲法改正の議論は遅々として進まない状況です。 北朝鮮の完全なる核廃棄を米国が確実に実現すべくバックアップしながらも、イスラエルやサウジアラビアの姿勢に倣い、いざという時には自分の国は自分で守れる体制を構築すべく、憲法改正を推し進めていく使命が日本の政治家にはあるのではないでしょうか。 北の核の裏で進む中国の軍拡――日本に国家戦略はあるのか 2018.05.08 北の核の裏で進む中国の軍拡――日本に国家戦略はあるのか 幸福実現党 外務局長 及川幸久 ◆問題は北朝鮮だけではない 5月9日、東京で日中韓首脳会談が開かれます。 首脳会談では、中国の李克強首相と韓国の文在寅大統領が出席し、安倍首相は北朝鮮情勢を最重要課題として協議しようとしています。 北朝鮮との対話路線に日本を引き込む目論見が見える韓国と中国に対して、日本は開催国として成果を出すことはできるのでしょうか? 確かに、北朝鮮の核の脅威は日中韓の共通の問題です。しかし本当の問題は北朝鮮のバックにいる中国です。 北朝鮮の核に注意を奪われているうちに中国はアメリカを倒すほどの軍事拡大を進めています。 現在の世界の問題は北朝鮮だけではありません。 中国が自治区にしたウイグルでは、中国への異常な同化政策が行われています。(注1) まず、「ウイグル語が禁止」され、学校では中国語を強制しています。 家でもウイグル語が禁止され、全家庭に盗聴器と監視カメラがあり、完全な監視社会になっているのです。 女性は中国人と強制結婚させられ、ウイグル民族を消滅させようとしています。 そして、中国は徹底的な「思想管理」も行っています。 過去の言動を調査され、少しでも中国批判があると「再教育キャンプ」という強制収容所に送られ、拷問を受けます。その多くが虐殺されており、これは「現代のホロコースト」です。 さらに、一説によるとウイグル人たちの臓器が臓器ビジネスで売られています。中国では、年間6~10万件の臓器移植が行われていると言われています。 かつて、ヒトラーがユダヤ人600万人を虐殺しましたが、同じことが今の中国で起きているのです。 ◆中国が着実に進める軍拡 次に、「中国の軍拡」です。中国は、いよいよ台湾を本気で取る気でいます。その時期は2020年とも、2021年とも言われています。 空母「遼寧」だけでなく、次々と大型戦艦を保有して台湾海峡を支配する計画です。さらに、台湾側の海岸線には185機の無人攻撃機を配備しています。 ある自衛隊筋の情報では、日本に対しても最新鋭の戦闘機を930機配備していますが、これは350機の日本の航空自衛隊の3倍で、日本はもう守りきれない状況です。(注2) 地上軍を運ぶ能力も3万人に増強し、3個師団を同時に運ぶことができます。これは九州の自衛隊の1.5倍です。つまり台湾も日本の島嶼もいつでも侵攻できる能力を持っています。 そして、中国には最強のミサイル「東風」(注3)があります。 「東風」は、マッハ10で飛び、アメリカを攻撃できるミサイルです。これで、中国が台湾侵攻してもアメリカが介入できないようにしたのです。 幸福実現党の大川隆法総裁は、最新刊『司馬遼太郎 愛国心を語る』(幸福の科学出版)で、中国の戦略は「天下二分の計」である指摘しています。 「ハワイを境に米中で地球を二分しよう」という計略です。 ◆本当に大切なのは「国家戦略」 中国は、台湾に侵攻し、アメリカに手を出させないようにし、日米を分断しようとしています。その日本に足りないものが「国家戦略」です。 中国は2020年代後半には、GDPでアメリカを抜くと予想されています。 習近平主席は、「中華民族の偉大な復興」という夢の実現を掲げ、人民共和国の建国100周年となる2049年に、軍事力でアメリカを抜き、世界一の覇権国家になると宣言しています。 トランプ政権は防衛戦略を作り直し、中国を敵国であるとはっきり明記しました。 その中で、日本は相変わらず「防衛費はGDPの1%以内」「必要最小限の防衛力」「専守防衛」、そして「憲法9条」を守り続けています。 今回の首脳会談で、安倍首相は李克強首相と北海道まで同行します。日本は従来の日中関係を大切にしようとしていますが、本当に大切なのは、「国家戦略」ではないでしょうか。 なぜ、中国の首相が北海道に行くのか、世界の覇権国家を目指す中国は太平洋への出口を確保しようとしているからに他なりません。 日本の仮想敵国はどこかをはっきりさせねばなりません。 ◆中国には砲弾ではなく「自由・民主・信仰」を 中国は独裁国家です。独裁国家には砲弾ではなく「自由」と「民主」という考え方を入れるべきです。 今の共産主義と対立する考え方を入れて、国内に思想の自由競争を起こすことで、独裁国家は自動的に崩壊します。 もう一つ必要な思想が「信仰の自由」です。中国はウイグル人を粛清し、イスラムの信仰を奪っています。ウイグルの人権を守るためには、信仰の自由を守るという思想が必要です。 独裁国家として「信仰の自由」を認めず、人権弾圧を繰り返す中国に世界の覇権を持たせては絶対にあってはいけません。 そのために、まずは日本が憲法改正をし、日米同盟を強化することで中国に対抗できる防衛力を持つことが大事です。そして中国に「自由・民主・信仰」という価値観を撃ち込む必要があります。 自由で、民主的で、信仰に基づく人権が保障される国家を日本が世界に示すべきでしょう。 私達幸福実現党は、北朝鮮の核の問題のみならず、その裏で進む中国の軍事拡大から世界の平和を守るために頑張って参ります。 (注1) 【参考】中国のウイグル弾圧 ■2018.01.05 AIに顔認証……中国がウイグルで実験し始めた監視社会の実態 https://the-liberty.com/article.php?item_id=13986 ■2018.02.13 BBCが新疆ウイグル自治区での現地取材 映像が伝えるリアルな「監視社会」 https://the-liberty.com/article.php?item_id=14117 ■2018.01.27 中国で急増する臓器移植 その臓器は「無実の囚人」から摘出されている https://the-liberty.com/article.php?item_id=14077 (注2) 関連記事「世界の軍事費、冷戦後最高 アジア大洋州が伸び率トップ」(5/8「朝日」)… 日本を取り巻く国際情勢は激変――憲法改正で国防強化を 2018.05.02 日本を取り巻く国際情勢は激変――憲法改正で国防強化を HS政経塾 第6期卒塾生 野村昌央 ◆時代の要請に応じて改正されてきた主要国の憲法 本日は「憲法記念日」です。71年前の1947年5月3日、日本国憲法が施行されました。 憲法記念日は、「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」日として定められています。 国の成長を考える憲法記念日だからこそ、議論の渦中にある「今の憲法を守り続けるべきなのか、それとも、憲法改正を行うべきなのか」を皆様と考える機会にさせていただければと思います。 日本の憲法は施行された71年前から全く書きかえられていません。 確かに、憲法は国の規範であることは間違いありません。ですが、国家の存続のためにその規範を改めることが必要であれば、十分に議論すべきことだと考えます。 世界の憲法は時代の要請に応じた形で改正されていることを皆さんは御存じでしょうか? 主要国を見ても、戦後、アメリカで6回、カナダで19回、フランスで27回、イタリアで16回、ドイツで59回の憲法改正が行われています。 ◆北朝鮮の脅威、その先にある中国の覇権主義 実際に、日本が置かれている国際情勢は大きく変化しています。 4月27日に南北首脳会談が行われ、南北の両首脳は笑顔で握手、緊張緩和を演出し朝鮮半島の「完全な非核化」を目標とすると宣言されました。 しかし、いつまでに、どのような方法で実現するのか明確になっておらず、過去、何度も裏切られてきた北の非核化交渉の歴史を見れば、半島情勢が話し合いで解決するとは思えません。 また、5月下旬から6月には米朝首脳会談が実施されます。しかし、核ミサイルの脅威にさらされている当事者の日本が蚊帳の外にいるのが現状です。 金正恩委員長に任期はありませんが、トランプ大統領の任期は長くとも2期8年間です。 平昌オリンピックからの融和路線を東京オリンピックまで続け、トランプ大統領が支持率を落として最初の任期である4年間で退陣すれば、金正恩は、近い将来米国からの圧力をかわすことが可能になります。 さらには、北朝鮮の騒動は、中国の覇権主義の隠れ蓑となっていることを忘れてはいけません。 習近平氏は米中共同記者会見で「太平洋には中国とアメリカを受け入れる十分な空間がある」と発言しています。 中国は北朝鮮を抑える振りをしながら、その狙いは、米中で世界を二分する意図をもっています。 ◆現在の国内政治は週刊誌政治 日本は間近にその危険にさらされていますが、国内政治はまともな議論もできない状況です。 森友問題・加計問題・防衛省の日報問題と、同じ問題でもう一年以上も国の命運を決める国会が振り回され続けています。 そこには大局観はなく、スキャンダルをマスコミがつついて、それに乗じた野党が積み木崩しのように安倍政権を崩そうとしています。 まるでマスコミや野党が結託して国会で政治日程に乗りつつあった憲法改正の議論をつぶそうとしているように見えます。 まさに、週刊誌で政治が動く「週刊誌政治」と言えるのではないでしょうか。 ◆加憲ではなく9条の改正で国防を強化 そもそも憲法とは一体何のためにあるのでしょうか。 よく言われるのは、「権力を縛る」役割です。「国家権力の暴走を抑止し、国民の権利を守るために憲法がある」ということです。 しかし、国家から国民の安全を守る力をも縛ってしまえば、国は周辺国に翻弄され続けることとなります。それでは主権ある独立国家とは言えません。 また、「国防の強化」は、「日本国憲法の特徴のひとつである『平和主義・戦争放棄』をダメにする」という意見もあります。 日本が平和主義を謳っていても、もしも平和を脅かす相手が現れた場合には平和で居続けることはできません。国が滅びることを黙って見ているのも平和主義と言えるのでしょうか。 日本が国防のあり方を世界標準に合わせ、北朝鮮や中国に悪を犯させないようにしてこそ、本当の平和主義ではないでしょうか。 やはり、憲法において自衛権の保持を明確にするべきです。「自分の国を自分で守る」ことは主権国家として当たり前の姿なのです。 他国の脅威に国民の安全が脅かされるならば、国のリーダーは毅然とした態度で国家を守る気概を示さなくてはなりません。 憲法9条に第3項を付け加える安倍首相の加憲案は、憲法に政府解釈を書き込むだけで現状と何も変わりません。 これでは北朝鮮と中国の狙いを阻止し、平和を守り続けることはできません。 幸福実現党は、憲法9条を改正し、国民の生命・安全・財産を護るため、陸軍・海軍・空軍よりなる国防軍の組織を、明記すべきだと訴えています。 私達は今後とも一貫して国防の議論を喚起してまいります。今後とも幸福実現党へのご支援の程、よろしくお願い申し上げます。 南北首脳会談の行方と日本の防衛 2018.04.28 南北首脳会談の行方と日本の防衛 幸福実現党 小鮒将人 ◆南北首脳会談が開催 4月27日、朝鮮半島の韓国と北朝鮮の南北首脳会談が行われました。 朝鮮半島では、金正恩の独裁政治により、核及びミサイルの開発が進められてきました。 昨年は、日本側に向けてもミサイルが数発発射され、日本海や太平洋に着弾し、国防の大きな危機が迫りました。 しかし、2月の冬季オリンピックをきっかけにして、韓国と北朝鮮の緊張関係が大きく緩和され、今回の首脳会談に至りました。 ◆平和ムードに騙されてはいけない 今回の首脳会談においては、両国首脳が手をつなぐなど、友好の演出が行われました。 また、朝鮮半島の「完全な非核化」を目標とすると宣言されましたが、いつまでに、どのような方法で、実現するのかまったくわからないものです。 この平和ムードは、「金正恩の罠」であり、決して騙されてはいけません。 私たち幸福実現党は、2009年の4月に北朝鮮のミサイル発射という国防の危機をきっかけに立ち上がった政党です。 立党より9年間、国を守り、国民皆さまお一人お一人の生命、安全、財産を守るために活動を続けてまいりました。 そして、今回の首脳会談の平和ムードが、わが国に与える影響を考えると、決して安心してはならず、逆に国防の大きな危機であることを、ぜひ知っていただきたいのです。 ◆アメリカも騙されていないか アメリカのトランプ大統領も、一見、この朝鮮半島の平和路線を認めているように見えますが、北朝鮮に対する圧力を緩めてはいけません。 金正恩の本当の狙いは、融和路線が続く間に時間稼ぎをして、アメリカ本土に届く核兵器の開発を進め、アメリカと対等の立場に立つことです。 そして、このまま行くと、近いうちに、それが実現してしまうのです。 したがって、今回の南北首脳がどれだけ、きれいごとを言っても、その結論は、北朝鮮による東アジアの混乱、アメリカとの対立路線であり、わが国の国防の危機につながることを忘れてはなりません。 ◆日本が本来とるべき考え 私たち幸福実現党は、北朝鮮に対しては、さらに圧力をかけていくことが大切だと訴えています。 例えば、北朝鮮の非核化については、検証可能なかたちで即時実現することを求めていくことは当然のことです。 また、わが国が北朝鮮と対等の立場に立つために、「憲法9条の改正」「核装備の宣言」「拉致被害者の奪還」などの議論を進めてまいります。 そして、日米同盟のさらなる強化が必要ではありますが、将来は日本独自で、中国や北朝鮮の脅威に対抗できるための防衛体制を目指すことが必要です。 ◆日本を守るために 現在の政府・自民党は、安倍総理のモリカケ問題や、財務省高官のセクハラ問題等、いわゆる「週刊誌政治」の影響で、こうした国防の危機に対して、真剣に取り組もうとする体制にありません。 期待された安倍総理の訪米も、ほとんど成果がない形に終わっています。 私たち、幸福実現党は、真の「愛国心」を持ち、真剣に国防の危機を訴え続ける政党です。 そして、国民お一人お一人に寄り添う形で、皆様の生命、安全、財産を守るために今後も努力を重ねてまいります。 「北の武装解除なき「平和」は「悪との妥協」に他ならない」 2018.04.26 「北の武装解除なき「平和」は「悪との妥協」に他ならない」 幸福実現党・政調会外交部会 副部会長 彦川太志(情報分析担当) 4月27日の南北首脳会談の開催に注目が集まっています。 韓国では非武装中立地帯沿いの宣伝放送機器が撤去されるなど、対話ムードの演出が進められていますが、世界では、北朝鮮の姿勢に対して一定の警戒感をもって受け止める報道が多数を占めています。 今回は、南北会談、さらには米朝首脳会談に関する海外シンクタンクの批評を参考にしつつ、南北会談について整理していきたいと思います。 ◆北朝鮮の「笑顔」を信用してはならない まず、Atlantic Councilは韓国が南北会談で軍事的緊張の緩和を提案し、北朝鮮と「平和宣言」を発出するとの予測に対して、以下の様な論点を指摘しています。(注1) ・南北が完全武装したままでの平和条約である事 ・米ソ冷戦末期の様に具体的手続きが重ねられていない事 ・ソウル・東京を狙う北の軍備削減について、何等議論されていない事 ・北朝鮮側の「要求」が明らかでない事 つまり、いま南北が「平和」を宣言したところで、それは単なる「紙の上の平和」に過ぎず、北に対する警戒を解いてはいけないと論じているのです。 ◆停止したのは「実験」だけ。北は核開発を継続する とは言え、一部には「核を持ったんだから、これ以上の挑発は無いだろう」と楽観的な予測が出ている事も事実でしょう。 確かに4月20日、北朝鮮は朝鮮労働党中央委員会総会で「核実験・ICBM実験」を中止し、今後は社会主義経済建設に総力を集中するとの意向を表明しましたが、「核・弾道ミサイル関連技術」を放棄するとは一言も宣言していない事実を見逃してはなりません。 事実、米国の科学国際安全保障研究所(ISIS)レポートが言及する通り、核兵器製造に関連すると見られる施設の増設は継続されている(注2)ため、「経済建設に注力する」という北の発言は、そのまま核兵器増産の決意を意味するものと受け止めるべきだと考えます。 ◆北は、「韓半島からの米軍撤退」をあきらめていない また、北朝鮮は「韓半島からの米軍撤退」と言う長年の目標を放棄したわけではありません。韓国の文大統領は、「北朝鮮は韓半島からの米軍撤退を要求しない」との見方を示していますが、これを額面通りに受け取るべきではありません。(注3) たとえ北朝鮮が米軍撤退を要求しなくとも、南北会談の成果として「軍事的緊張の緩和」を宣言し、「半世紀以上続く戦争状態の終結」に向けた一歩を踏み出したと宣言する事が出来れば、中国やロシアは「アジアにおける米軍の役割は終わった」と主張し、米軍撤退を求める「国際世論」を形成しようとするはずです。 そのような声は、韓国や日本国内の左派からも声高に主張される事が予想されます。 ◆北の武装解除なき「平和」は「悪との妥協」に他ならない 結局、北朝鮮の大量破壊兵器が維持され、それを増産する能力が保持されたまま、一方的に「平和宣言」が行われるのであれば、つまるところ南北会談でもたらされるものは「平和」ではなく、「悪との妥協」に他なりません。 政府は、北朝鮮が保有する大量破壊兵器の「武装解除」なくして真の平和は決して達成されない事を強く主張すると共に、米に対しては北朝鮮政策から軍事オプションを除外すべきではない事を求めるべきでしょう。さらに、北朝鮮との安易な融和はトランプ外交そのものの破綻をもたらし、米国の威信を大きく傷つける事を強く説得するべきだと考えます。 (注1)Mike Pompeo’s Secret Mission to Pyongyang BY ROBERT A. MANNING Atlantic Council 2018年4月18日 (注2)Chongsu Nuclear-Grade Graphite Production Plant? North Korea may be proliferating controlled nuclear goods by David Albright The Institute for Science… ボルトン新大統領補佐官のインパクト! 2018.04.03 ボルトン新大統領補佐官のインパクト! 幸福実現党 外務局長 及川幸久 ◆トランプ政権のここ最近の動き トランプ政権のここ最近の動きを振り返ってみましょう。 3月8日にトランプ大統領が金正恩との会談を受けるという正式発表がありました。 3月11日、トランプ大統領はツイッターで、このようにつぶやいています。 「北朝鮮は2017年11月28日以来ミサイル実験を行っていない。そして、我々との会談まではやらないと約束した。彼らはこの約束を守ると私は思う」 【トランプ大統領のツイッター】 https://twitter.com/realdonaldtrump/status/972542173030879233 その後、3月13日、トランプ大統領はティラーソン国務長官を解任、後任にポンペオCIA長官を指名しました。 そして、3月22日、今度はマクマスター国家安全保障担当補佐官を解任し、代りに元国連大使のジョン・ボルトンを指名しました。 ボルトンは、その三日前にラジオ・フリー・アジアというラジオ局のインタビューを受けています。そこで、こんなことを言っています。 ◆2004年リビアの非核化 「北朝鮮の非核化は、2004年のリビアの非核化と同じスタイルにすべきだ」 当時カダフィ大佐のリビアは、秘密裏に核兵器をつくっていました。国際社会はリビアを非難し、厳しい経済制裁を課し、カダフィは白旗を上げて、核放棄に合意しました。 この時、アメリカはリビアに核兵器を出させ、アメリカはそれを全てアメリカ・テネシー州のオークリッジにある核施設に運搬したのです。カダフィはここまで合意しました。 トランプと金正恩の首脳会談が開かれた場合、議題は、北朝鮮の核武器を撤去するために飛来する「米軍の輸送機の着陸場所をどこにすべきか」というくらい具体的な内容にすべきだと、ボルトンは指摘しています。 「北朝鮮が非核化をこのレベルの内容で考えていないのであれば、この会談は短く終わるだろう」とボルトンはいっています。 ◆金正恩がアメリカの要求に従うか? では、もしボルトンが新・安全保障担当大統領補佐官としてトランプにこのようなことを進言し、トランプ大統領が金正恩にそのように要求したら、金正恩は従うでしょうか? 先ほどのリビアのケースでは、カダフィが核放棄したあとどうなったか? 2010年に「アラブの春」が起こると、アメリカのオバマ政権はこの混乱を利用して、2011年カダフィを暗殺しました。その時、現地で陣頭指揮をとっていたのが、当時のヒラリー・クリントン国務長官でした。 この年の12月に、北朝鮮の金正日が死去、金正恩が後継者になりました。 この時に、北朝鮮は「イラクのサダム・フセインとリビアのカダフィは、核を放棄したので殺された。核放棄は愚かな行為だ。我々は決して核を放棄しない」という声明を出しています。 ということは、金正恩が2004年のリビア核放棄のスタイルに従うとは考えられません。 ◆米国は妥協するか? トランプ・金正恩会談で、アメリカは何らかの妥協をするでしょうか? 一つの可能性は、北がアメリカ本土に届くICBMさえ放棄すれば、アメリカは中距離ミサイルと核は容認するということです。 この場合は、日本に届く数百発のミサイルは残り、日本にとって最悪のシナリオになります。 ボルトン新大統領補佐官は、この点について、このように言っています。 「北朝鮮に絶対に核を持たせてはいけない。なぜなら、北は核の技術をISIS, アルカイダ、イラン、エジプトに売るから」 ボルトンは、元々「対イラン強硬派」です。そして、イランと北朝鮮はつながっています。 これがトランプ政権の姿勢になれば、アメリカ本土に届くかどうかに関わらず、北の核完全廃棄を求めるはずです。 ボルトンは、こうも言っています。 「トランプ大統領には人気のない選択肢しか残っていない。そして時間も残っていない」「我々は道で空き缶を蹴っ飛ばすことがもはやできない。なぜなら、その道は行き止まりだから」 ◆会談が物別れした後はどうなるか? この米朝首脳会談が何も合意できず、物別れに終わったら、その後どうなるでしょうか? 湾岸戦争の時には、アメリカの国務長官とイラクの外相がスイスのジュネーブで会談し、物別れになり、その後アメリカ中心の有志連合による軍事制裁になりました。 トップの会談で交渉して、結果が出なかったら、その後に対話路線はありません。 ボルトンは以前から「海上封鎖」を提案していました。北朝鮮の港を完全に封鎖する。これは実質的な戦争行為です。もしトランプがそのような選択をした場合、5月の会談後に戦争が始まることになります。 そうなった場合、日本にはその前にやるべきことがたくさんあります。 絶対に必要なのは「難民対策」です。中国はすでに北からの難民収容所を作っています。 そして、日本人拉致被害者の救出です。アメリカは北に拘束されているアメリカ人の解放を交渉しています。その中に日本人拉致被害者を含めてもらうべきです。 【参考】 トランプ・チャンネル #62 ボルトン新大統領補佐官のインパクト! https://www.youtube.com/watch?v=GiSw_r_AM9w&t=42s 朝鮮半島の非核化――対話だけでは解決できない(後編) 2018.04.01 朝鮮半島の非核化――対話だけでは解決できない(後編) 幸福実現党 広報本部スタッフ 佐々木 勝浩 前編では、現在の北朝鮮や中国の軍事的な脅威について述べて参りました。 今回は、北朝鮮や中国の軍事拡大から、日本を守るためにはどうすべきなのか、その日本防衛の方策について述べて参ります。 ◆憲法を改正し国防を強化 第一にするべきことは、「憲法を改正することによって国の守りを強化」することです。 具体的には、国民の生命・安全・財産を守るために、憲法9条を改正し、国防軍をつくることです。 現在、安倍首相は、「憲法9条」はそのままに、新たに自衛隊を明記することを提案しています。 しかし、私たち幸福実現党は、戦力不保持を定めた憲法9条を正々堂々と改正した上で、国を守るための国防軍を明記すべきだと訴えています。 国防軍の組織は、世界では当たり前の常識です。それは自分の国を侵略する国に対しては断固戦う意思を示すものであって、決して他国を侵略するためではありません。 侵略する国に対しては、断固として戦う意思を示すことで、日本に簡単に手を出せなくなります。これが「抑止力」という考え方です。 憲法9条改正に反対する人の中には、他国が攻めて来たら逃げるという人がいますが考えてみてください。攻められたら逃げる国民が多ければ、そのような国は簡単に滅ぼすことができます。 国を預かる政治家は国民を守らなければなりません。国防軍がなければ国民を守ることはできないのです。だから軍隊を持つことは世界の常識なのです。 憲法の前文には「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」国を守るとありますが、独裁政権で人権を弾圧する中国や北朝鮮は「平和を愛する諸国民」とは言い難い国家です。 北朝鮮や中国の軍事拡大が続いていくならば、憲法改正が間に合わない場合もあります。 憲法改正がすぐにかなわない場合は、「平和を愛する諸国民」とは言い難い中国、北朝鮮に対しては憲法解釈の変更により「憲法9条の適用対象外」とします。 この解釈によって日本を侵略する国に対しては、断固戦う姿勢を示すことができます。 ◆北朝鮮への圧力強化と国内の法整備 第二に「北朝鮮の非核化へ向けた圧力の強化」を図ります。 オバマ前大統領は、北朝鮮の核やミサイル開発に対して何の対応策をとらないまま放置してきました。それが現在の朝鮮半島問題を悪化させたといっても過言ではありません。 しかしトランプ大統領は北朝鮮の圧力を強化しています。私たちは、その姿勢を支持します。 そして、韓国に滞在している邦人の救出、日本国内の核シェルター設置や避難訓練の実施、朝鮮半島からの難民対策なども含め対処するための法律を整備します。 また日本を守るために「敵基地攻撃能力を保有」します。「敵基地攻撃能力の保有」は誤解もあるかもしれません。 これは決して他国を侵略するためではありません。もし日本がミサイルで狙われた場合に、日本が敵基地を攻撃する能力を持っていれば、簡単に日本を攻撃できなくなります。 日本をミサイルで攻撃すれば、自分の国にもミサイルが飛んで来るからです。これが相手に悪を侵させない大きな抑止力となるのです。 加えて北朝鮮崩壊後は平和的な民主主義の体制へ移行できるよう支援することも忘れてはなりません。 ◆自分の国は自分で守る体制づくり 第三に、「自分の国は自分で守る体制」をつくります。 中国・北朝鮮の脅威の増大を受け、防衛費を国際水準となる現状の倍以上(10兆円以上)に引き上げます。 さらに、日米同盟を強化しつつ、インドやロシア、東南アジア諸国、オーストラリアなどと経済・安保両面で連携を強化して参ります。 以上が北朝鮮や中国から日本を守るための幸福実現党の政策です。 最後に、国会では森友問題で終始するのではなく、真剣に日本を守るための議論を活発化していただきたい、そのように願います。 私たち幸福実現党は今後も一貫して国防の議論を喚起して参ります。 【参考】「幸福実現ニュース」・March 2018 Vol.101 https://info.hr-party.jp/files/2018/03/23201018/t6m3ihxr.pdf 朝鮮半島の非核化――対話だけでは解決できない(前編) 2018.03.30 朝鮮半島の非核化――対話だけでは解決できない(前編) 幸福実現党 広報本部スタッフ 佐々木 勝浩 ◆北朝鮮問題――対話だけでは核はなくならない 3月26日に金正恩委員長が中国を訪問、習近平総書記と会談し、「朝鮮半島の非核化の実現、平和・安定の維持、対話・協議による問題解決を堅持している」と述べました。(産経新聞3月29日朝刊) 4月末には南北首脳会談や5月までには米朝首脳会談も行われる見込みです。北朝鮮が融和ムードを演出し、「非核化に尽力する」と表明したことで、対話による解決に期待が高まっています。 しかし、北朝鮮は過去にも「非核化」を口にしながら、その約束を破り核やミサイル開発を続けてきたことを忘れてはなりません。 ◆何度も裏切られてきた北の「非核化」 1986年、金日成国家主席は、平壌の国際会議で「核兵器の実験・製造・備蓄・導入をしない」と宣言しました。 ところが1993年、衛星写真によって北朝鮮の核開発疑惑が浮上し、国際原子力機関(IAEA)が北朝鮮施設を査察すべきだという声が上がります。 それに対して1993年3月、金日成は核拡散防止条約からの脱退を発表しました。 1994年、米朝の緊張が高まると北朝鮮は米国と核開発を凍結する代わりに軽水炉の提供を受ける「核枠組み」に合意。それに従い、北朝鮮は重油や食糧の提供を受けます。 しかし北朝鮮は、秘密裏にプルトニウム抽出やウラン濃縮などを行い、結局、枠組み合意は破棄されました。 2005年には、日米韓と中国、ロシア、北朝鮮が参加した6カ国協議で、北朝鮮が核放棄を約束する共同声明を採択。この時も北朝鮮は重油や食糧の提供を受けます。 北朝鮮は寧辺の核施設の一部を破壊したものの、後に合意の破棄を一方的に主張し、核施設の無能力化は実現しませんでした。 この時、金正日総書記は、訪朝した韓国の鄭東泳統一相に「朝鮮半島の非核化は先代の遺訓であり、依然有効だ」と述べていました。 そして2006年、北朝鮮は初の核実験を強行、2009年には、2回目の核実験を行いました。 2012年には、北朝鮮は米国と長距離弾道ミサイルの発射や核実験の凍結、ウラン濃縮を停止しIAEAの監視団を受け入れることなどで合意。 しかし、この時も北朝鮮はミサイル発射を強行し、国連からの非難声明を受けて北朝鮮は米朝合意を破棄したのです。(注1・注2) ◆北朝鮮が今後も核を放棄しない理由 2011年12月、金正恩が同年の12月に北朝鮮の政権を引き継ぎましたが、同年10月に北朝鮮と「反米」の同志関係にあったリビアのカダフィ政権が崩壊しました。 金正恩は、カダフィ政権崩壊の教訓として、西側に譲歩し核開発計画の放棄など武装解除すれば命取りになると判断し、金正日の「先軍路線」を継承して、核開発に拍車を掛けるようになったのです。 北朝鮮が核やミサイルの開発をやめない理由はここにあります。 私たちは「対話だけでは北朝鮮の核はなくならない」ということを教訓とすべきです。 でなければ、結局は北朝鮮に核やミサイル開発の時間的余裕を与え、今以上に世界が北朝鮮の核ミサイルに脅される時代がやってくるでしょう。 ◆北朝鮮包囲網の形成を 実際に、米国をはじめ世界からの経済制裁が効いているとみられ、北朝鮮の国内は相当堪えていることも事実です。 北朝鮮に核やミサイルの開発をあきらめさせるには、対話だけではなく、日米を中心に国際社会で圧力をかけ続ける必要があるのです。 幸いに今回の中朝会談で、トランプ米大統領は、北朝鮮の「非核化」の発言を受けて、「前向きな兆候だ」と評価しつつも、北朝鮮への圧力を継続する姿勢を強調しています。 4月には、米韓軍事演習が予定されていますが、北朝鮮への追加制裁の検討など、日本も北朝鮮の封じ込めに協力すべきです。 ◆中国の軍拡も忘れてはならない また、核保有国である中国もミサイルを日本に向けていることを忘れてはなりません。 習近平氏は、「太平洋には中国と米国を受け入れる十分な空間がある」(2017年11月の米中共同記者会見)と発言しています。 これは米中で太平洋を二分して支配しようという米国への提案です。つまり、太平洋の東側は米国に渡すけれども、太平洋の西側は中国が支配するということを意味しています。 日本は中国の支配圏に置かれるということです。 実際に「中国政府が発表した2018年度国防費予算案(約18兆4千億円)は日本の3・7倍。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は、2016年の中国の国防費が日本の5倍近くになった」と見積もっており、中国の軍拡には十分注意しなければなりません。(注3) ◆日本を守るために では、北朝鮮や中国の軍事拡大から、日本を守るためにはどうすべきでしょうか? 次回は、日本防衛の方策について述べて参ります。 (注1)「6カ国協議とは 北朝鮮、核放棄05年には約束 」 日経新聞2012/3/21付 https://www.nikkei.com/article/DGXNZO39742120Q2A320C1EE1000/ (注2)「【北朝鮮の非核化】裏切りの歴史」 日本経済新聞 3月6 日 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27787160W8A300C1EA2000/ (注3)「日本の国防費は横ばい 中国国防費は予算案で3・7倍、5倍近くの見積もりも」 産経新聞3月5 日 http://www.sankei.com/world/news/180305/wor1803050033-n1.html 【参考】「幸福実現ニュース」・March 2018 Vol.101 https://info.hr-party.jp/files/2018/03/23201018/t6m3ihxr.pdf 顕在化する米中覇権争い、潮目は台湾 2018.03.24 顕在化する米中覇権争い、潮目は台湾 幸福実現党・岡山県本部統括支部長 たなべ雄治 ◆「台湾旅行法」成立 アメリカと台湾の間の政府高官レベルの訪問を促進する法律「台湾旅行法」が、3月16日にアメリカで成立しました。 正式には国交のなかったアメリカと台湾の間で、準外交関係が成立することになりました。 アメリカからは3月20日に、国務省のウォン次官補代理が訪台しています。中国は反発しており、同日には中国海軍の空母「遼寧」が台湾海峡を通過しています。 ◆前哨戦は米中貿易戦争 「台湾旅行法」とは別に、アメリカは3月23日、幅広い国を対象とする鉄鋼とアルミニウムの関税引き上げを発動しました。国防産業の保護と対中貿易赤字の縮小が目的です。 さらにアメリカは、中国に対して知的財産権への侵害があるとして、米通商法301条に基づく関税引き上げなどの制裁措置も発動させる見通しです。 米通商代表部高官は、「中国に進出した米企業が不当な技術移転を求められたり、米企業の買収に政府の資金が使われたりするなどの『(知的財産権を侵害する)非常に明確な証拠がある』」と述べています。(3/23読売新聞3面) 中国の知財情報に詳しい専門家は、「中国の模倣活動は単なるモノマネではない。官民を挙げ計画的に実施してきたプロジェクトだ」と指摘しています。(3/23日経新聞2面) また米共和党議員3人が、中国政府が世界に展開している公的機関「孔子学院」などの監視強化を図る法案を議会に提出しました。(注1) 今年2月には、米連邦捜査局(FBI)のレイ長官が「孔子学院が中国共産党思想の政治宣伝や中国政府のスパイ活動に利用され、『捜査対象』になっている」と公聴会で証言しています。(3/23産経新聞3面) あらゆる手段を駆使して影響力を伸ばしてきた中国に対して、アメリカが本腰を入れて対抗し始めました。外交や貿易の分野で、米中の覇権争いの前哨戦はこれから激化してくるものと思われます。 ◆台湾の重要性 軍事的な面では、台湾が非常に重要です。 習近平中国国家主席は「広い太平洋は、米中両国を十分に受け入れる余裕がある」と述べて、西太平洋進出への野望を明らかにしました。 アメリカは反発しましたが、中国海軍が西太平洋に自由に出入りできるようになるかどうか、これを決めるのが台湾です。 現在は、日本列島・台湾・フィリピン(第一列島線)に米軍の影響があり、中国は南シナ海・東シナ海にやや閉じ込められているような状況です。しかし、もし台湾が中国に占領されるようなことがあったら、台湾を拠点に中国は自由に太平洋に出入りできるようになってしまいます。 また、台湾には米軍の「目」ともいうべき施設があります。 一つは、米国の戦略弾道ミサイル警戒用の早期警戒レーダーをベースに開発された高性能レーダーです。中国の奥地から発射される大陸間弾道ミサイル(ICBM)や、南シナ海の弾道ミサイル原子力潜水艦から発射される弾道ミサイル(SLBM)を早期に発見できると考えられています。(注2) もう一つは、南シナ海など海底に張り巡らされたソナー網(SOSUS)の基地が台湾にあることです。これにより、台湾近海を通過する中国海軍の潜水艦の動きを監視することができます。 台湾が中国に占領されることがあれば、これら「監視の目」も失うことになってしまいます。 ◆日本に迫る脅威 中国は台湾に対して、経済的にも軍事的にも非常に強い圧力をかけてきています。私達も危機を認識すべきです。 「軍事だけではない、台湾の主権弱体化を狙う中国の外交戦略」 2018年1月25日 HRPニュースファイル http://hrp-newsfile.jp/2018/3324/ 台湾を通過して中国海軍が自由に太平洋に出られるようになってくると、日本の貿易航路が危うくなります。中国が経済封鎖をほのめかして脅迫する恐れがあります。 日本のように天然資源の乏しい国が経済封鎖されると、座して死を待つか、撃って出て活路を見出すか、二者択一になってしまいます。大東亜戦争に突入せざるを得なかった状況と同じで、戦争の可能性が高まり、とても危険です。 以前にもこちらで言及されましたが、台湾防衛は日本にとっての死活問題です。 「台湾の独立を守れ」 2017年1月12日 HRPニュースファイル http://hrp-newsfile.jp/2017/3034/ 日本国内では、憲法9条の改正論議が与党の中で大詰めを迎えています。 台湾有事という日本の「存立危機事態」に対して、曖昧な「必要最小限度」ではなく、「十分かつ適切な」実力行使が取れる憲法改正となるかどうか、注視が必要です。 中国では基本的人権が著しく軽視され、報道の自由や言論の自由もありません。 国民の精神性を顧みない一党独裁の国家です。そのような中国がアジアの支配を広げるような事態は、各国の協力のもと全力をあげて防がなければなりません。 (注1)「米議員が『孔子学院』の監視強化法案を提出 ただの『文化交流機関』とは言えない」 3月23日 ザ・リバティWeb https://the-liberty.com/article.php?item_id=14278 (注2)「台湾山頂に聳える巨大レーダーの正体」 https://www.houdoukyoku.jp/posts/28331 すべてを表示する « Previous 1 … 28 29 30 31 32 … 101 Next »