Home/ 国防・安全保障 国防・安全保障 ウイグル人権弾圧、岐路に立つ日本外交と企業【前編】 2021.05.01 https://youtu.be/bbWJoSzrZus 幸福実現党党首 釈量子 ◆二股外交の元凶、親中派と公明党 4月16日、菅首相とバイデン大統領が会談し、共同声明を発表しました。 共同声明では約半世紀ぶりに「台湾」を明記しました。「香港」や「ウイグル」の人権も問題視し、中国を牽制しました。 欧米は中国の人権問題について制裁に動いており、「人権中国包囲網」が出来つつあります。 まず、今年1月、トランプ政権のポンぺオ国務長官がウイグルの人権弾圧を「ジェノサイド(民族大量虐殺)」に認定しました。同月、ウイグル産の綿やトマトの輸入を停止しました。 国連の「ジェノサイド条約」では、殺人のほか、集団構成員に重大な肉体的または精神的な危害を与えることや、意図的に出生を妨げることなどが含まれています。 最近、ウイグルから逃げ出した女性たちの勇気ある証言が出てきていますが、レイプや拷問に加え、不妊手術があったと証言しています。 日本はそもそも「ジェノサイド条約」を批准していません。加藤官房長官は、米国のジェノサイド認定を受けて、「懸念を持って注視している」という懸念表明を行いました。会見の中で「ジェノサイド」という言葉も使用しませんでした。 3月には、EUがウイグルの人権弾圧に関わった当局者に対する制裁を発動しました。天安門以来初の制裁です。 その後、米国、英国、カナダはEUに足並みを揃えて、制裁を課しました。 これで、G7(アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、フランス、イタリア、カナダ)の中で、制裁に参加していないのは、日本だけになりました。 公明党の山口代表は、「欧米に足並みを揃えるべきか」と質問を受け、「人権侵害の根拠がないのに、制裁を課せば、外交問題を引き起こす」と答えました。 こうした状況なので、日本の国会はウイグル人権侵害を非難する「国会決議」も行っていません。 そんな中、4月6日には「人権外交を超党派で考える議員連盟」が発足しました。自民党の中谷元・元防衛相と国民民主党の山尾志桜里・衆議院議員が発起人代表です。 発起人の一覧を見ると、共産党議員も参加し、まさに超党派です。しかし、なぜか公明党議員の名前が見当たりません。 共産党の志位委員長は、「毛沢東を一番礼賛したのは公明党」と皮肉を述べましたが、言い得て妙です。 このように日本の二股外交の元凶は自民党の親中派や公明党にあると言わざる得ないわけですが、これが欧米の不信感を生んでいます。 米国はウイグルの人権弾圧に加担した企業をブラックリストに載せ、米国企業の輸出先を失いました。米国は身を切って、中国の人権弾圧に対峙しようとしています。 しかし、米国は今、同様の覚悟が、日本政府にあるのかを問うています。 ◆世界に広がりつつある北京冬季五輪ボイコット 日本政府が躊躇っている間に、2022年2月に開催予定の北京冬季五輪をボイコットすべきかどうか、米国で議論が始まっています。そして、世界に広がりつつあります。 ボイコットの支持者は、ウイグルやチベット、香港の民主活動家弾圧、台湾への軍事的威圧を許してはいけない。北京五輪をボイコットし、中国を罰する必要があると考えています。 中国にとっては、北京五輪は国内支持を固め、世界中にプラスのイメージを広めるまたとないチャンスです。各国政府が難しい対応を迫られるのは間違いありません。 イアン・ブレマー氏が創業した米国のコンサルタント会社「ユーラシアグループ」は、ボイコットの方法を3つに分類し、どれほどの可能性があるか、算出しました。 (後編につづく) ~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 人民元・基軸通貨への挑戦VS日米豪印クアッド+欧州【後編】 2021.04.28 https://youtu.be/bhWYlKosh7M 幸福実現党党首 釈量子 ◆中東で人民元取引拡大。米ドル覇権への挑戦 中国が中東に接近する狙いの二点目は、中東での人民元取引拡大です。これは、米ドル覇権への挑戦を意味します。 3月30日の「ウォール・ストリート・ジャーナル」によると、中国とイランは「中国イラン銀行」も設立すると述べています。 現在、世界の貿易や金融は米ドルを中心に取引されています。 米国の力の源泉は軍事力や経済力に加え、このドルの支配力にあります。 米国が管理するドルの決済システムから、制裁対象の銀行や企業を排除すれば、その後の貿易決済などが出来なくなります。 中国やイランにとって、このドル支配を打ち破ることは大きな目標です。今回の協定により、人民元の取引を増やしていくはずです。 気になるのは、中国の最大の原油輸入国、サウジアラビアの動きです。 4月3日の香港の「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」は、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコが3月、「中国のエネルギー安全保障を確保することは、今後50年間で最大の優先事項である」と報じています。 同紙では、「この発言から、将来的に、中国のサウジアラムコから輸入する原油は、人民元で取引される可能性が高い。そうなれば、他の国に波及する可能性がある」と指摘しています。 少し背景を補足すると、トランプ前大統領は、サウジアラビアとの関係を重視していました。 しかし、バイデン大統領は2月、人権外交の一環として、「ムハンマド皇太子がサウジアラビア記者のカショギ氏殺害を承認していた」という情報機関の報告書を公表し、皇太子の警備隊など76人に制裁を課しました。 結果として、中国とサウジアラビアが接近することになったわけです。 原油取引にドルを使うことは、米国のドル覇権を維持するための重要な要素でした。 サウジアラビアが米ドル決済から人民元決済に移行するようなことがあれば、これまでの枠組みを破壊する、米ドル覇権への挑戦だと言えます。 ◆「日米豪印クアッド+欧州」で一対一路阻止へ 現在、中国が主導し、17カ国が「国連憲章を守るための友好グループ」を立ち上げ、米欧に対抗する勢力として、参加を呼び掛けています。 17カ国とは、中国、北朝鮮、ラオス、カンボジア、イラン、シリア、アルジェリア、パレスチナ、アンゴラ、エリトリア、キューバ、ベネズエラ、ボリビア、ニカラグア、セントビンセント・グレナディーン、ロシア、ベラルーシです。 参加国を見ると、北朝鮮やベネズエラなど、独裁色の強い専制国家が名を連ねています。今後、中東の国が参加する可能性があると思います。 これらの動きに対して、バイデン大統領は3月25日の記者会見で、世界の現状は「民主主義勢力と専制主義勢力の戦いだ」「近いうちに、米国で民主主義サミットを実現させたい」と述べました。 バイデン大統領は翌日の26日、イギリスのジョンソン首相との電話で、中国の一帯一路に対抗し、「民主主義国家で同様のイニシアチブを作り上げ、世界中の民主主義陣営を支援する構想」を提案しました。 現在、中国の一対一路に対抗する枠組みとして、日米豪印クワッドがあり、3月12日には、四カ国首脳のテレビ会議が開催されました。 しかし、主題が、新型コロナウイルスのワクチン供給になっていることに物足りなさを感じます。 海上自衛隊の発表によると、3月17日~18日、中東のアデン湾で、護衛艦「ありあけ」が、フランス海軍の原子力空母「シュルル・ド・ゴール」やベルギー海軍のフリゲート艦「レオポルド1世」と共同訓練を行いました。 3月19日~20日には、フランスとベルギーに加え、米海軍の強襲揚陸艦「マキンアイランド」とも共同訓練を行いました。 イギリスも5月に最新鋭空母「クイーン・エリザベス」を含む空母打撃軍を、ドイツも8月にフリゲート艦をインド太平洋に派遣する予定です。 日本にとって、これらの動きは歓迎すべきことですが、東シナ海や南シナ海、中東での中国の覇権拡大を抑え込むためには、もう一段踏み込む必要があります。 具体的には、日本はクワッドを軍事同盟である「アジア版NATO」として格上げすることを提案すべきだと思います。これは、中国が一番嫌がっていることです。 国内の親中派勢力は反対すると思いますが、今後は「クアッド+欧州」で中国の一対一路を阻止しなくてはなりません。 トランプ政権の中には、日米豪印のクアッドを「アジア版NATO」に発展すべきとの声が実際にありました。 今後は、主体的に、日本から声を上げていくべきではないでしょうか。 日本はウイグルや香港の人権弾圧を終わらせるためにも、正義を貫く「武士道の国」として生まれ変わらなくてはなりません。 ~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 人民元・基軸通貨への挑戦VS日米豪印クアッド+欧州【前編】 2021.04.27 https://youtu.be/bhWYlKosh7M 幸福実現党党首 釈量子 ◆中国王毅外相、中東6カ国訪問 3月24日~30日、中国の王毅外相は中東6カ国(サウジアラビア、トルコ、イラン、アラブ首長国連邦、オマーン、バーレーン)を訪問しました。 その狙いは、中国は経済協力や新型コロナウイルスのワクチンをテコに、中東との関係を強化し、ウイグルや香港の人権問題を巡る米欧の圧力に対抗することです。 3月27日には、中国の王毅外相とイランのザリフ外相が、25年間の「包括的戦略パートナーシップ協定」に署名をしました。 今回の公式発表では、協定の詳細は明らかになっていませんが、昨年夏にリークされた協定内容によると、中国は、原子力や港湾、鉄道などインフラ投資、原油・ガスのエネルギー開発、5G通信の科学技術協力などを行う見返りとして、イランの原油を安価で購入するというものでした。 中国は、約4000億ドル(約40兆円)の巨額投資を行う予定です。イランにとっては、安定した原油の買い手を確保したことになります。 中国外務省の発表によると、王毅外相は署名に先立ってロウハ二師と会談し、「世界がどのように変わろうとも、中国とイランの関係は変わらないだろう」と話しました。 また、外国勢力の介入や理不尽な制裁を非難し、米国のイランに対する経済制裁を牽制しました。 中国はイランと接近し、米欧の民主主義陣営への対抗軸をつくろうとしています。 ◆ペルシャ湾に中国軍駐留か このような動きをする中国は、具体的に何を狙っているのかでしょうか。 一点目は、中東での軍事的影響力拡大、エネルギー資源確保です。 中国は米中対立が激しくなる中、ここ数年、戦略的にイランへの関与を強めてきました。 例えば、2016年、習近平国家主席初となるイラン訪問を行いました。 今回の協定は、習近平氏のイラン訪問以降、水面下でずっと進めてきたものです。 イランの地元メディアによると、今回の協定で、中国はイランからペルシャ湾のキーシュ島を25年間借りて、中国軍の兵士が最大5000人駐留することができるようになります。 これは、ペルシャ湾に中国人民解放軍が駐留するという事態になります。 さらに、中国はホルムズ海峡の外側に位置する戦略的要衝のジャスク港(Jask Port)にインフラ投資し、軍事拠点化する可能性があります。 ジャスク港を押えればホルムズ海峡を押えることができます。 また、イラン以外でも、2015年、アフリカのジブチに中国人民解放軍の海外初の軍事拠点を設けました。 ジブチは「アフリカの角」と呼ばれ、バブ・エル・マンデブ海峡の南端にあり、アデン湾から紅海、スエズ運河へと船が通過する戦略的要衝です。 ジブチは中国に対してGDPの約70%の債務があります。債務の罠で、中国に掠め取られた国の一つです。 中国はすでにスリランカを「債務の罠」にかけ、スリランカのハンバントタ港を実質的に手に入れています。 スリランカ、パキスタン、イラン、ジブチの港をつなげると、中国の「真珠の首飾り」がより強固なものになることがわかります。 これらの動きを見ると、中国が中東やインド洋で軍事的影響力を拡大し、アメリカなどの影響力を排除しようとしていることがわかります。 (後編につづく) ブレグジットでよみがえる日英同盟、英国「脱中国」で「世界国家」回帰へ【後編】 2021.04.11 https://youtu.be/RHaT0q4F5jo (4月3日収録) 幸福実現党外務局長 及川幸久 ◆中国依存をやめ日本の方に舵を切ったイギリス 前編で述べたようにイギリスが「日本は最大のパートナー」と述べた、さらに深い意味とは何でしょうか。 イギリスの保守系新聞「The Daily Telegraph(デイリー・テレグラフ)」で、1年前の2020年4月1日、コラムニスト「コン・コフリン」氏が、「パンデミックを一つのきっかけとして中国を敵対的国家とみなすべきだ」と書いています。 続けて、「中国マネーに目がくらんだ親中政治家が、中国共産党に接近したため、自動車部品から医薬品に至るまで中国依存を招き国益に脅威を与えた」と親中政治家を厳しく批判しました。 例えば、キャメロン元首相は中国依存、親中派の政治家で習近平氏を国賓として呼んでいます。 この時、習近平氏をイギリスのエリザベス女王に会わせ、大きなニュースにもなりました。しかし、晩餐会でのエリザベス女王の習近平氏に対する印象は「無礼な人だ」と側近に漏らしたとされています。 この後、イギリスは180度変わるわけです。それが次のメイ首相の時です。 メイ首相は、中国依存をやめて日本の方に舵を切りました。メイ首相は訪日した際、安倍首相との首脳会談で「日本は最大のパートナーである」と言っています。 この時のメイ内閣の外務大臣が今のジョンソン首相です。 ジョンソン首相が外務大臣だった時から「グレートブリテン構想」が提唱され、まさに国家の指針を「大陸から海洋へ」と変えたのです。 ◆イギリス「香港人300万人受け入れ」の意味 貿易で成功するためには軍事力がいることをイギリスはよく知っています。 これまで欧州の安全保障に寄与してきたイギリスが、これからはインド太平洋の安全保障に貢献すると決めたのです。 インド太平洋でイギリスは経済繁栄させてもらう。そのためにこの地域の安全保障にイギリスが責任持ちますと言っているわけです。 その具体的な例として香港があります。香港の民主化を弾圧した中国政府に対して厳しく批判をしたのがイギリスです。 そして香港人300万人をイギリスが受け入れると言っています。これは実は大変なことで、そもそもブレグジットは移民反対から始まったものです。 EUに入っているから中東の移民を受け入れざるを得なかった。これがきっかけでEU を離脱するというのがブレグジットでした。 移民反対だったイギリスが300万人も香港の移民を受け入れることは、イギリスにとっては太平洋に貢献する点で特別なことなのです。 ◆脱中国の鍵 TPP11について、前出の「テレグラフ」のコラムの内容に戻ると記者がこう言っています。 「ベトナムなど製品の供給候補地がTPP11に加盟している。日本と協力しながらTPP11を活用し、サプライチェーンの脱中国を目指す」と。 ヨーロッパ各国にしても、アメリカにしても、日本にしても、なぜ中国経済に依存いているのか。それは製品の部品など、様々なサプライチェーンを中国に依存してきたからです。 これをやめない限り、脱中国はできません。 TPP11の国の中には中国に代わってサプライチェーンを移せる国がいくつもあり、その中で一番有望な国がベトナムです。 ◆あるべき日本の国家戦略 親中を止めて、グローバルブリテンの方向に完全に舵を切ったイギリスの国家戦略から学ぶものがあるとしたら、日本の国家戦略はどうあるべきなのでしょうか。 現時点で日本の国家戦略はアメリカが唯一の同盟国であるということです。しかし、もし日米同盟が何らかのきっかけで終わってしまった場合、日本は自分で守る力をもっていないので危険にさらされます。 100年前の日英同盟で、日本はロシアという敵からイギリスという世界ナンバーワンの国に守られました。 しかし、日英同盟が終わってから先の対戦に巻き込まれて、結局、甚大なる被害と多くの生命を失いました。 その歴史の教訓から、日本の国家戦略において複数の同盟国が必要であると言えると思うのです。 アメリカ以外にもう一つ、イギリスという同盟国を持つべきだと考えます。 アメリカ自身は、同盟国戦略を国家戦略の中心に置いています。アメリカにとっての同盟国は挙げられるのがイギリス、そしてイスラエル、カナダ、そして日本です。 日本はアメリカだけですが、これをやっぱり変えていく。こいう考え方を日本は持つべきではないでしょうか。 ~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 ブレグジットでよみがえる日英同盟、英国「脱中国」で「世界国家」回帰へ【前編】 2021.04.10 https://youtu.be/RHaT0q4F5jo (4月3日収録) 幸福実現党外務局長 及川幸久 ◆イギリスの新たな国家戦略 今回のテーマは、「ブレグジットでよみがえる日英同盟」です。 3月15日、「POLITICO(ポリティコ)」イギリス版で、ポリス・ジョンソン首相が「イギリスの世界戦略、アジアへ」という新たな世界戦略を発表したことを報じました。 この新たな国家戦略は「グローバルブリテン」と名付けられ、その中身は、これまでの「EU(ヨーロッパ大陸)」から「インド太平洋」に軸足を変更するものです。 そして、この「グローバルブリテン」には、イギリスが世界国家に回帰するというコンセプトがあるのです。 ◆「グローバルブリテン」を支える要素 しかし、今のイギリスはGDP も軍事力も大きいわけではなく、覇権国に戻るというわけではありません。 そうではなく、大陸から海洋の方に軸足を置き、それに伴って100年ぶりに日英同盟を復活させるというのが、グローバルブリテンの中心的な要素です。 3月17日、イギリスは空母クイーン・エリザベスを日本、東アジアに派遣することを決めました。 インド太平洋にあるオーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、インドは、イギリスの植民地だったところで、いわゆる英連邦です。 日本と縁の深い地域でもあり、インド太平洋は今や世界の経済成長の中心地でもあり、イギリスは経済がこれから伸びていく地域が中国やロシア側に回らないように先手を打って戦略を進めているのです。 ポスト・ブレグジット後にイギリスが最初に自由貿易協定を結んだ国も日本でした。 ◆伝統的「スエズ以東」戦略の復活 イギリスには元々伝統的な欧州大陸に依存しない「スエズ以東」と貿易をする外交戦略があります。 イギリスからしてみると、スエズ運河は大変便利な航路で、アフリカ大陸を回っていかなくてもショートカットでインド太平洋に行くことができるわけです。 スエズ運河を長年管理していたのはイギリスでしたが、アメリカをバックにエジプトにスエズ運河の管理権が移り、1960年代「スエズ以東」の戦略ができなくなりました。 それで仕方なく イギリスはEUに加わりました。しかし、ブレグジットで、欧州大陸に依存しない、伝統的な「スエズ以東」の戦略に帰ったのです。 イギリスは、TPP に参加することを決定しています。TPP 11カ国の中で6カ国は英連邦です。 さらにはインド太平洋には「クアッド」があります。 「クアッド」は、日本・アメリカ・オーストラリア・インドの4カ国による軍事協力体制ですが、本音は中国包囲網にあります。 イギリスが参加すると、「クアッド」ではなくなりますが、イギリスが参加すれば、まさに「太平洋版 NATO」になります。 ヨーロッパのNATOは対ロシアですが、「太平洋版 NATO」は、対中国です。 ◆イギリスにとって日本は最大のパートナー 私がイギリスのロンドンの150年ぐらいの伝統のある金融機関で仕事をしていた時、日本のビジネスにも精通していたイギリス人の上司に言われたことがあります。 「サムライ精神は、まさにイギリスの伝統のジェントルマンの精神と本質的には一緒だ」と。 イギリスという国はどこの国とも同盟関係を持たない国でしたが、世界で唯一同盟を結んだのが日本でした。よほど日本に対して信頼を置いたのだと思います。 2月27日、イギリスの保守系新聞「Daily Express(デイリー・エクスプレス)」が、ポリス・ジョンソン首相が学校の教室の机に座る姿を写真入りで記事にしています。 ここでジョンソン首相は、日本の国旗とフランスの国旗をバックに、グローバルブリテン構想という新たな国家戦略の下、「子供たちに縮小していくヨーロッパ大陸の言語を教えるよりも、偉大な国家の言語を教えるべきだ」と論じています。 この「偉大な国家」とは日本のことを指しています。 また、ジョンソン政権のドミニク・ラーブ外相やリズ・トラス国際貿易大臣も、「日本は重要なパートナーである」との旨を述べているのです。 ここには、さらに深い意味があります。 (後編につづく) ~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 中国にこれ以上日本の土地を侵させるべきではない(党声明) 2021.03.29 皆様、おはようございます。 3月27日、幸福実現党から下記の声明を発信いたしましたのでお知らせいたします。 ■中国にこれ以上日本の土地を侵させるべきではない(党声明) https://info.hr-party.jp/press-release/2021/11651/ 26日、政府は、自衛隊基地の周辺や国境離島など、安全保障上重要な土地の取得や利用を規制する「重要土地等調査法案」を閣議決定しました。 これまで、わが国では、外国人や外国資本による土地の取得に対する規制は実質的に存在しませんでした。近年は特に、中国をはじめ、日本と敵対する国が自衛隊の施設近くの土地などを買収する例が相次いでおり、安全保障上の脅威が高まっていました。 また、中国は日本の水源地近くの土地や森林、農地などの買収を進めています。北海道だけでも、外国資本等が保有する森林の広さは 2946ha と、東京ドーム 600 個超分にも及んでいる状況です。 本法案は中国の土地買収から日本の安全や資源を守るものと期待されていましたが、現時点では有効な規制がされるかは疑問が残ります。 例えば当初、土地取得前に届出が必要な区域として、原子力発電所や海上保安庁の施設などが入っていましたが、「自由な活動を阻害する」という与党・公明党の主張で対象から除外されました。 現時点での法案は、事前届出が必要な区域は自衛隊の基地周辺と、国境離島のうち特に重要性が高い区域に限られています。 また本法案では、水源地近くの土地や森林、農地などは、現時点では規制の対象外となっています。これでは、国家の安全や重要インフラ、水源や農地などの資源を守り切ることはできません。 経済活動の自由や所有権は本来尊重されるべきです。しかしながら、日本人の生命・安全・財産を守るために重要な土地を外国資本に取得されれば、重要な技術や機密情報の流出、重要インフラの占有につながり、国益を大きく損なうことになります。 幸福実現党は、より大きな自由を守るためにも、安全保障上の観点を踏まえた土地規制は必要であると考えます。 中国による覇権主義を食い止めるとともに、日本政府が国民の生命・安全・財産を守り抜くための然るべき環境を整備するよう、今後もわが党として、断固として声を上げていく所存です。 以上 3月27日 幸福実現党 ミャンマー軍の市民弾圧、黒幕は中国か?【後編】 2021.03.27 https://youtu.be/dhRCYc6nE38 幸福実現党党首 釈量子 ◆中国にとって生命線となるミャンマーからのパイプライン 米国防総省が昨年発表した「中国の軍事力に関する年次報告書」によると、中国の原油輸入先のランキングは、1位サウジアラビア、2位ロシア、3位イラク、4位アンゴラに続いて、中東諸国が名を連ね、中国が中東やアフリカの原油に如何に依存しているかということが分かります。 同報告書では、初めて、中国がミャンマーやタイ、シンガポール、インドネシア、パキスタン、スリランカなどのアジアの国々を軍事的な補給拠点として位置付けていると明記している点は注目すべきだと思います。 先ほどの中国がパイプラインの警備強化をミャンマー国軍に求めたという話を振り返っても、中国が背後にいることに反発した一部のデモ隊がパイプラインの攻撃を主張していたので、中国は相当警戒していたのだと考えられます。 3月14日、ミャンマーの中国企業の工場が放火されましたが、「中国黒幕説」を裏付ける証拠が続々と出てきて、ミャンマーの人々の怒りが頂点に達したことが背景にあります。 ◆「中国黒幕説」は中国民主派の仕業? 一方、中国は黒幕説を「荒唐無稽」と切って捨てています。 2月19日、中国の環球時報は「長年に渡り、西側諸国は中国を封じ込めるための戦略的要衝としてミャンマーを利用している」と指摘し、その上で、黒幕説を広めている二つの勢力があると述べています。 一つ目が、香港から英国に亡命した「デモシスト」初代主席ネイサン・ロー氏らの香港民主派で、彼らはフェイスブックやツイッターで中国黒幕説を主張しています。 香港・タイ・台湾・ミャンマーなどアジアの民主活動家が結束を示す、インターネット上の「ミルクティ同盟」にも呼び掛けています。 「ミルクティ同盟」というのは、香港や台湾、東南アジアで広がった若者たちの「反中同盟」のことです。 東南アジアやインドなどお茶を飲む時、よくミルクを入れて飲むのに対し、中国ではお茶にミルクを入れないことから、「東南アジアの人々から反中国連帯の象徴」と見なして言われます。 中国黒幕説を広めているとされる二つ目は、米国などから資金援助を受けているミャンマー国内の民主派団体で、香港の民主化運動と同じく、米国が内政干渉し、ミャンマーの民主化を促しているというわけです。 ◆「米中対立の縮図」としてのミャンマー問題 環球時報は、複数回にわたって「中国黒幕説」を否定する記事を掲載していますが、日米豪印のクアッドの動きが活発化し、ミャンマーの軍事クーデターをきっかけに、「中国包囲網」が強化されることを相当警戒しているように見えます。 このように、ミャンマーの問題を俯瞰しますと「米中対立の縮図」という大きな構図が見えてきます。 まず「全体主義VS民主主義」という価値観の対立軸です。 そして、アジアの地政学上の対立軸として「自由で開かれたインド太平洋戦略VS一帯一路構想」があります。 ◆ミャンマーの人々の間で広がる日本への失望、そして怒り ミャンマーの人々の間では、日本が局面打開のカギを握ると期待されたこともありましたが、現在は失望、怒りに変わっています。 原因は、日本政府が曖昧な態度を取り続けているからです。 米国やシンガポールでは、国のトップが直接ミャンマー軍を非難しているのに対して、菅首相は自分の言葉で非難をしていません。 また、ミャンマーの日本大使館は、ホームページで日本大使が軍と会談したことを報告し、その中で「日本大使が外務大臣と会った」と記載しました。 ミャンマーの人々は「日本政府が軍事政権を認めている」と失望し、それが怒りに転じています。 ミャンマーの人々の期待を裏切った原因は、ひとえに善悪の価値判断が弱いという一言に尽きるでしょう。 中国に対して「自由・民主・信仰」といった価値観ではなく、経済的利益に釣られて、中国の顔色をうかがうという姿勢が出てしまっています。 ◆アジアのリーダーとして日本はミャンマーの民主主義を守り抜くべき 日本は、米国や豪州と同じく、国軍からミャンマーの民主主義を守るという姿勢を明確に示すべきだと思います。 もしミャンマーが中国の傀儡政権になってしまったら、人権無視の全体主義が他のアジア諸国に広がる危険があります。 日本はASEAN諸国の中で、「自由の大国」としてリーダーシップを発揮し、中国発の全体主義がアジアに広がることを止めなくてはならないと思います。 幸福実現党としては、アウンサン・スー・チー氏の釈放を求めて声明を発表し、菅首相宛てに、アウンサン・スー・チー氏の解放を求めるための要望書を3月23日に提出して参りました。 今後とも、同じ仏教国ミャンマーとの精神的なつながりを大切にしつつ、ミャンマーの自由と民主主義を守るための活動を行ってまいります。 中台戦争の発火点!中国の台湾侵略は東沙諸島から始まる。【前編】 2021.03.04 https://youtu.be/F5fNmPxuGfc 幸福実現党党首 釈量子 ◆バイデン政権に対する4つの要求 2月22日、中国の王毅外相は、中国外交部が毎年実施している「藍庁論壇(ランティンフォーラム)」の開幕式で講演を行いました。 今年のテーマは「対話協力、相違点の管理・コントロール 中米関係の正しい軌道への回帰を推進」でしたが、ここで王毅外相は、習近平政権による「バイデン政権に対する4つの要求」を発表しています。 (1)台湾、香港、ウイグル、チベットへの支援を止めること。 (2)米中対話を再開すること。 (3)中国製品への関税や中国企業への制裁を止めること。 (4)孔子学院のような中国の組織や報道機関への規制を解除すること。 これらは全てトランプ政権が行ってきたことで、中国にとって本当に嫌だったことがよく分かりますが、今はバイデン政権の対中姿勢を試している状況でしょう。 ◆「台湾統一」は習近平の悲願 中でも、中国は4つの要求の筆頭に「台湾」を挙げています。 2022年10月に3選目を目指す習近平国家主席にとって、何としても手に入れたい政治的遺産が「台湾統一」だからです。 今年に入り、中国軍機が台湾の防空識別圏に入り、台湾も戦闘機を緊急発進(スクランブル)させるという事態が続いています。 1月23日、米空母「セオドア・ルーズベルト」がバシー海峡を通過しましたが、中国軍機は「セオドア・ルーズベルト」をターゲットにした軍事演習を行っていた模様で、台湾とバイデンへの試しが始まっています。 ◆急速に高まる「中台戦争」の可能性 中国による侵略行為急増について、オーストラリア戦略問題研究所(ASPI)は「中台戦争の危険性が急速に高まっている」と分析、軍事衝突のシナリオを予測しています。 中国が台湾本土侵略を強行する際、「接近拒否・領域拒否戦略(A2/AD)」によって、「いち早く既成事実を作り、米国が台湾を助けるには代償が大き過ぎると思わせるだろう」と指摘しています。 また、より現実的な選択肢として、「台湾領有の沖合の島を占領する可能性」を指摘し、具体的に「東沙諸島」を挙げています。 ASPIは「バイデン政権は米中対立が高まっても、大きな軍事衝突を引き起こすようなリスクを取らない」と中国が見ており、「限定作戦の東沙諸島占領ならば、米軍は反応しない」と読んでいるからです。 ◆中国の戦略的要衝にあたる東沙諸島 東沙諸島は台湾の高雄市から約460キロ、中国広東省から約260キロに位置し、中国大陸からの方が近くなっています。 そして、東沙諸島は南シナ海の入口で、中国海軍の基地がある海南島からバシー海峡を経て、太平洋へ向かうルート上にあるため、まさに中国軍が太平洋に進出する際の戦略的要衝にあたります。 海南島は、中国初の国産空母「山東」が配備され、また地下には中国海軍の潜水艦基地があり、原子力潜水艦が出入りする様子が衛星画像で確認されています。 中国が東沙諸島の上陸作戦を強行することは、台湾本土上陸作戦の予行演習という意味合いと共に、台湾統一への意思を見せつけることになります。 2020年5月、東沙諸島奪取を念頭においた上陸演習を8月に海南島で行う計画があると報道されましたが、9月10日、台湾国防部が大規模な空軍と海軍の訓練が東沙諸島と台湾の間で行われたことに抗議していることから、実際に行われたと見てよいでしょう。 また、台湾国防部は、2月19日・20日の2日間、中国軍機による東沙諸島周辺での演習実施を受け、緊急発進(スクランブル)したことを明らかにしています。 ◆中国から狙われる台湾領有の島々 前述のASPIは「もし米国が中国の侵略的行為を抑え込むことに失敗したら、東沙諸島の次に、金門島や馬祖列島(ばそれっとう)を狙ってくるだろう」とも指摘しています。 金門島は中国大陸からわずか2キロに位置し、1958年からの「金門砲戦」では中国から47万発もの砲弾が撃ち込まれています。 2018年からは、中国本土から水の補給が始まっており、ライフラインを中国に依存している状況です。 2020年3月、金門島周辺で違法漁業の取り締まりをしていた台湾の巡視船に、中国漁船が体当たりし、破損させています。 馬祖列島は、台湾からは211キロ、中国本土から24キロと本土により近接し、2020年10月から12月にかけて、馬祖列島周辺で、中国の約200隻の大船団が出現し、海底から砂を採取する作業を行ったと言われています。 このように、尖閣諸島周辺や南シナ海でも民間船を送り込んでいるのと同じく、台湾領海でも圧力を強化しています。 (つづく) ~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 新日英同盟で、中国包囲網強化へ。尖閣防衛、海警法施行、日米豪印クアッド+英独仏。【後編】 2021.02.11 https://youtu.be/0b0qzYu3knY 幸福実現党党首 釈量子 ◆中国への懸念が高まりつつあるフランス、ドイツ 前編では、対中面からアジア太平洋地域で深化する日英関係について述べましたが、英国以外のドイツやフランスも中国の牽制に動き出しています。 ドイツでは、昨秋に「インド太平洋ガイドライン」を閣議決定し、中国への懸念からドイツ海軍のアジア派遣を決めています。 フランスは、英国離脱後の欧州連合(EU)で、外交・安全保障のリーダー役を狙っており、「我々もインド太平洋国家」とフランス外務省報道官は強調していますが、いま中国の覇権主義を見逃せば、点在するフランス領が寸断される危機感があります。 これらが実現すれば、日本と米国、オーストラリア、インドによる連携の枠組み「QUAD(クワッド)」の4カ国と、イギリスとフランス、ドイツの海軍が、沖縄から台湾、フィリピンを経由してマレーシアに至る第1列島線が「海の長城」と化し、中国包囲網を構築することが出来ます。 日本にとっても、世界屈指の海軍と日本の自衛隊が東シナ海に集結し、尖閣諸島の防衛力強化の役割が期待されます。 ◆バイデン政権下で「米中経済逆転」が早まる? では「肝心かなめの米国はどうか?」ということです。 2月4日、国務省でバイデン大統領が行った初めての外交政策演説の中で、中国を「最も手ごわい競争相手」と位置づけ、「米国の繁栄と安全、民主的価値観は中国の直接的な挑戦を受けている」と非難する一方、「米国の国益に沿うのであれば、一緒に取り組む用意がある」と、含みを持たせました。 翌日、中国の「環球時報」では、「トランプ政権の全面対決姿勢よりも、中国にとって対応の余地がある」「バイデン大統領は中国との協力関係から利益を得ることを考えている」と報じています。 更に、バイデン大統領が中国との協力関係について話した直後、気候変動を取り上げたことから「バイデン政権の最優先事項は環境問題であり、中国と米国の協力関係は環境問題から再スタートする可能性が高い」という見通しを示している。 中国は今後、環境問題を足掛かりに、中国包囲網の切り崩しにかかってきます。 英シンクタンク「経済ビジネス・リサーチ・センター(CEBR)」は2020年12月26日、パンデミックが各国の経済に悪影響を与えたため、中国が当初予測よりも5年早く、2028年に米国を抜くことになると予測しています。 バイデン政権下で、「米中経済逆転」の流れが進んでいくと、アメリカによる中国牽制の力が弱まっていきます。 日本は米国の欠けた力を単に補完するだけでなく、日本自体が主体となって、自由や民主主義、法の支配の価値観を共有する国々と協力しながら、アジアの自由を守らなくてはなりません。 ◆新しい「日英同盟」で中国包囲網を構築せよ 最後に、日本はどうすべきかを考えてみます。 まず、米国に働きかけ、日米豪印の四か国の「クアッド」にイギリスを加え、「クインテット(5人組)」に拡大することを目指すべきですし、同時に「ファイブ・アイズ」への参加も、検討すべきです。 バイデン政権の対中政策が、親中路線に傾く懸念があるなか、国連安全保障理事会の常任理事国でもある英国としっかり手を結ぶことで、対中抑止の足並みを揃えることができます。 現在の準同盟関係から「日英同盟」に格上げすることも目指すべきではないでしょうか。 英国内の保守派からは、「台湾との関係を強化すべきだ」という声も根強く、日本と英国で、台湾のTPP参加や国際機関復帰を後押しすることも可能になります。 ◆武士道の国として「自分の国は自分で守る」覚悟を固める時 1月24日、岸防衛大臣とオースティン米国防長官の電話会談で、「尖閣諸島が日米安保第5条の適用対象になる」ことを確認しています。 しかし、日本は主権国家として「自分の国は自分で守る」という覚悟を固めることを忘れてはなりません。 尖閣諸島を守るためにも、日本としてやるべきことがあります。 海警局の大型船に対応できるような海上保安庁の警備体制強化や、中国の「グレーゾーン」戦略に対応する法整備、また尖閣諸島の実効支配強化を図るための公務員常駐、灯台や気象観測所の設置を考えるべきです。 そして何よりも、憲法9条改正を真正面から議論していく必要があります。 2021年は日本が立つべき年です。 20世紀初頭に結ばれた「日英同盟」が、当時の帝政ロシアと立ち向かう日本にとって、国難打破の大きな力となったのは紛れもない事実です。 日本が武士道の国として、英国と共にアジアの自由と平和を守る国として、しっかりと立ち上がっていきたいと思います。 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 新日英同盟で、中国包囲網強化へ。尖閣防衛、海警法施行、日米豪印クアッド+英独仏。【前編】 2021.02.10 はじめに、2月11日は「建国記念の日」です。 日本という国が 2681年目を迎え、これまで日本の国を守ってくださった先人に対し心より感謝を申し上げます。また皆様と共に日本の建国をお祝いさせて頂きたいと思います。 ■新日英同盟で、中国包囲網強化へ。尖閣防衛、海警法施行、日米豪印クアッド+英独仏。【前編】 https://youtu.be/0b0qzYu3knY 幸福実現党党首 釈量子 ◆中国海警法の施行で尖閣や南シナ海の危機迫る 中国の習近平国家主席は、バイデン政権の対応能力を試しながら、着々と海洋進出の準備を進めています。 2月1日、中国の「海警法」が施行され、中国の主権や管轄権を侵害する外国の組織、あるいは個人に対して、海警局が「武器の使用を含むあらゆる必要な措置」を取ることを、法律上認めました。 これにより、外国の軍艦や公船に対して、退去を命令したり、強制的な措置を取ったりすることができるようになり、例えば、海上保安庁の巡視船や海上自衛隊の艦船を、海警局の船が攻撃できるということも想定できます。 また、中国の主張する「管轄海域」で、外国が構造物を設置した場合、強制排除することもできます。かつて日本の政治団体が魚釣島に建てた灯台等が念頭に浮かびます。 ◆事実上の「第2海軍」となっている中国海警局 中国外務省の華春瑩(かしゅんえい)報道官は「海警法の制定は正常な立法活動であり、釣魚島(ちょうぎょとう:尖閣の中国名)は中国固有の領土だ。中国は領土主権と海洋権益を守る」と強調し、関連付けています。 既に2018年、海警局は、中国国内の治安維持を担う「人民武装警察部隊(武警)」に編入され、人民解放軍の最高指導機関である「中央軍事委員会」の指揮下に入り、軍との一体化が進んでいます。 昨年の米国防総省の年次報告書によりますと、海警局の排水量1千トン以上の船舶は、2010年以降、約60隻から130隻以上に急増し、新造艦の多くは1万トン級の大型船舶で、ヘリコプターの発着が可能で、30~76ミリの機関砲等の武器を搭載しています。 ちなみに、年次報告書は、中国海警局を、世界で圧倒的に最大の「沿岸警備部隊」になっていると分析しており、事実上の「第2海軍」となっていると言っても過言ではありません。 今回の海警法制定によって、日本の領土である尖閣諸島の危機は、最大級に高まっています。 ◆イギリスのアジア回帰戦略 こうした中国の海洋進出を牽制するために、注目したいのが英国です。 近年、英国は1968年以来の「スエズ以東からの撤退」という戦略を見直し、「アジア回帰戦略」に大転換し、50年ぶりに、安全保障と経済・貿易の両面でアジアへの関与を強めようとしています。 英国の路線変更を決定づけたのは、中国の新型コロナウイルスへの対応、そして昨年6月「国家安全法」を施行し、中国政府が香港を弾圧したことがあります。 2月3日には、日英の外務・防衛担当閣僚のテレビ会議(日英2プラス2)を開き、中国の海洋進出を念頭に、英国はインド太平洋地域に最新鋭空母「クイーン・エリザベス」を含む空母打撃軍を派遣、自衛隊との共同訓練に合意しています。 更に、中国海警法の施行について意見交換を行い、ウイグルの人権状況についても、重大な懸念を共有しています。 ◆アジア撤退後も残された英連邦の防衛協定 ここで「スエズ以東からの撤退」後の、英国とアジアの関係を振り返ります。 まず英国が引き上げた後のマレーシアとシンガポールの防衛、安全強化のために、1971年に「五か国防衛取極(FDPA)」が締結されました。 英連邦の5か国(イギリス、マレーシア、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド)による防衛協定です。 地道に役割を拡大し、1997年香港返還もあって見直され、中国の南シナ海への進出が世界の懸念となる中、安全保障面での役割を大きくしてきました。 また2019年、ウィリアムソン英国防相が「EU離脱後、アジアに新たな軍事基地を検討している」と明かし、シンガポールが候補ではないかと言われています。 そうすると、南シナ海からインド洋に抜けるマラッカ海峡の守りが強化されることになります。 ◆アジア太平洋地域で深化する日英関係 2020年12月、「五か国防衛取極(FDPA)」の外相で共同声明を発表し、通常戦争の抑止に注力することを確認しています。 英国は現在、機密情報を共有する「ファイブ・アイズ(アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド)」と「五か国防衛取極(FDPA)」の2つの枠組みを通じて、インド太平洋全域に影響を与える立場にあります。 また、日英関係についても、英国が2015年に策定した「国家安全保障戦略」の中で、オーストラリアやニュージーランドと同じく自由や民主主義の価値観を共有する「アジアで最も緊密な安全保障パートナー」と明記しています。 貿易面では、2020年10月「日英包括的経済連携協定(EPA)」が締結され、2021年1月に発効されており、世界のGDP3位の日本と6位のイギリスが自由貿易でつながることの意義は非常に大きいと言えるでしょう。 ボリス・ジョンソン首相は1月30日、「英国民に莫大な利益をもたらす経済連携を築く」「自由貿易の旗手となる野心を表している」という声明を発表し、翌日には「環太平洋経済連携協定(TPP)」への参加を正式に申請しています。 英国にとって、アジアの経済成長を取り込むことができるメリットは非常に大きいと思われます。 (つづく) ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 すべてを表示する « Previous 1 … 14 15 16 17 18 … 101 Next »