Home/ 国防・安全保障 国防・安全保障 北朝鮮の極超音速ミサイルが日本に落ちたらどうなる?日本の国防は大丈夫?【前編】 2022.01.29 https://youtu.be/k5tUpg_euLc 幸福実現党党首 釈量子 ◆2022年、頻発する北朝鮮ミサイル発射実験 今年に入って、北朝鮮は既に6回のミサイル発射実験を行っています。 1月5日、1発の極超音速ミサイル発射を皮切りに、14日には鉄道発射型イスカンデル、17日には北朝鮮版のエイタクムスを2発ずつ発射しています。 エイタクムスはもともと米国のミサイルで、今回のミサイルは大変酷似しており、韓国からの横流しではないかと囁かれています。 また今後、追加の核実験に踏み切る恐れも指摘されております。 ◆東京23区壊滅!? 衝撃の被害想定 ミサイルはあくまで運搬手段でありますが、ここに核を搭載したらどうなるのか。 こうした核攻撃の防衛に失敗するという最悪の事態をシミュレートしたNUKEMAP(ニュークマップ)というものがあり、これは中国の大陸間弾道弾「東風5号」が千代田区三番町に着弾した場合の被害を想定しています。 ※NUKEMAP(ニュークマップ)は、下記動画の映像よりご覧ください。 https://youtu.be/k5tUpg_euLc 風向き等、自然条件で変わるものですが、着弾する中心エリアは核爆発で生じた火球で蒸発してしまいます。 その外縁部は「爆風半径」と呼ばれ、大半の住宅が崩壊し、木造家屋の場合は圧死の可能性があると言われます。 さらに北はさいたま市、南は川崎市に至る範囲は「熱放射半径」と言い、皮膚や髪などを含めて木造の建築物が瞬時に燃え上がる恐れがある地域となります。 たった一発の核ミサイルで東京23区は壊滅し、死者は最大で約220万人、負傷者は437万人に上ると考えられています。 ◆極超音速ミサイルが日本の防衛体制を無力する? そのため、こうした核ミサイルが決して日本に落ちないように、これまでPAC-3やイージス艦を中心とするミサイル防衛のシステムを政府は構築してきたわけです。 しかし今、これを真っ向から揺るがす新しい兵器が登場しました。 それが、前述した「極超音速ミサイル」です。 今年に入ってからの北朝鮮のミサイル発射でも、6回中2回、1月5日、11日のものが極超音速ミサイルだったと言われています。 こうした極超音速ミサイルは、2兆円かけて作り上げた今までのミサイル防衛体制では迎撃できないと言われています。 ◆極超音速ミサイルは初代ウルトラマンより速く飛ぶ まず、極超音速ですが、「音の速さより極めて速い」ということで、具体的には音速の5倍以上になると極超音速と呼ばれるようになります。 このときに、「マッハ」という言葉がよく使われます。これは音速と比べて「どれくらいの速さなのか」を表したもので、マッハ1は音速と同じ速さで、マッハ5が音速の5倍の速さということになります。 ちなみに、初代ウルトラマンの飛行速度はマッハ5ですので、ウルトラマンより速く飛んでくるのがこの極超音速ミサイルになります。 野球の剛速球のように速度が上がれば上がるほど、迎撃は難しくなりますが、問題は、速さだけではありません。 ◆迎撃が極めて難しい極超音速ミサイル 通常のミサイルの軌道は放物線を描いて落下しますが、極超音速ミサイルは全く違った動きをとり、低い高度で、ものすごい速度で迫ってくるところに特徴があります。 通常のミサイルの場合、放物線を描くので落下地点を演算で出すことも比較的容易なのですが、極超音速ミサイルは軌道がくねくねと変動するので、動きが予想できず、迎撃が難しいのです。 例えば、発射段階では日本本土に落ちるのか、排他的経済水域(EEZ)に落ちるのか、それ以外に落ちるのかをミサイルの軌道だけで判断するのは難しいわけです。 さらに、1月11日に打ち上げたミサイルはもっと曲者で、縦方向の高度で動きを変えただけでなく、横の水平方向に200キロ以上方向を変えたと言われています。 例えば富士山より西側に向けて発射したように見せながら、最終的には東京を狙える、というようなことを意味します。 ◆イージス艦では撃ち落とせない!? 加えて、極超音速ミサイルは、発見と探知が格段に難しくなります。 地球は丸いのですが、ミサイルを探索するためのレーダーの電波はまっすぐにしか進まず、もっと言えば、こうした低空軌道のミサイルをイージス艦で迎撃することはできません。 なぜなら、イージス艦はミサイルが宇宙空間まで上がるタイミングで迎撃を行いますが、これは高い高度を飛んでいるミサイルにしか対応していません。 ですので、もし極超音速ミサイルが日本に飛んできた場合、早期の発見が難しく、イージス艦でも十分に迎撃できない可能性が濃厚となります。 PAC-3が限られた時間の中で、高速のミサイルを撃ち落とせるかどうか、非常に心許ない状況と言えるでしょう。 一昨年は陸上型のイージスシステムを配備するかどうかで大変揉めていましたが、わずか数年でその根本を揺るがす事態が起きているわけです。 ◆極超音速ミサイルを既に配備する中国 なお、脅威という意味では、北朝鮮以上に中国が深刻です。 北朝鮮は、極超音速ミサイルは実験の段階ですが、中国は既に、兵器として配備しています。 これについて、幸福実現党の大川隆法総裁は、1月9日に行われた「『秘密の法』講義」の中で、「中国と北朝鮮が、同時にマッハ5以上の超音速のミサイルができるわけがないので、そこが通じているということでしょう」と指摘されました。 中国と北朝鮮が裏でつながって、中国からの技術供与がなされ、北朝鮮が極超音速ミサイルの技術を着実に蓄積しているということについて、警戒感を高めるべきであると考えます。 なお、大川総裁は「中国はいざという時は北朝鮮を戦場にして」「北に撃たせまくるつもりで多分やっているのだろうと思います」という読みもされています。 (後編につづく) 北京五輪前に、やっぱり看過できないウイグル問題。中東イスラム諸国はなぜ沈黙するのか?【後編】 2022.01.14 https://youtu.be/0pCKwKCeZZA 幸福実現党党首 釈量子 ◆中東はなぜ沈黙するのか?そして同通するポイントとは? 【中編】で示したように、米国の同盟国を含めて、中東のイスラム教国がことごとく中国の軍門に下ったかのようになっていますが、共通するポイントは「チャイナマネー」です。 米トランプ前大統領のような強いリーダーが不在になり、米国の足元を見て、中国と付き合った方が明らかに得だと、値踏みをされているのは間違いないでしょう。 もう一つの共通する点は「人権思想」が欠けていることです。 イスラム教を土台にした強権的な社会体制は、元来「自由」「民主」といった欧米的な人権思想には反発心が強く、同じ人権問題で内政干渉されたくない中国と、見事に同通してしまいます。 更に言いにくいところではありますが、イスラムの商習慣の中には「嘘をついて騙してなんぼ」という日本人には理解しがたいメンタリティーがあると言われます。 ムスリム全てがそうではないのはもちろんですが、平気で嘘をつけるというのは、中国との隠れたもう一つの共通点かもしれません。 中国は、経済的に苦しい国々を「債務の罠」にかけていますが、「はなから中国からの巨額の債務を踏み倒すつもりで支援させている。中東イスラム諸国の方が一枚上手だ」という見方もあるかもしれません。 ◆ウイグル問題でどっちつかずの日本。どうすべきか? 中東と中国がつながることで世界の闇はますます深まりますが、こんな状況において日本はどうすべきでしょうか? まず中国と欧米諸国、どっちつかずのスタンスを捨て、明確な姿勢で欧米側に立つという「判断」をし、真正面からウイグル弾圧を非難すべきです。 幸福実現党創立者である大川隆法総裁は、昨年12月エル・カンターレ祭における御法話『地球を包む愛』で「お金で魂を売ってはいけない」と指摘、「なぜイスラム教の多いウイグルで、あれだけの強制収容所の苦しんでいる人たちがいるにもかかわらず、助けようとしないのか。」と激しく訴えました。 イランでは強硬派の大統領が誕生し、米国を舐め切って核開発を加速させている一方、イスラエルも更に強硬路線に立って、イランとの最終戦争に踏み切る可能性は否めません。 この点についても、大川総裁は「(中国への依存は)食べていくためには仕方ないと思うところもあります」としつつ、「核兵器をつくるのを、急ぐのをやめてください。つくったら、イクラと同じ運命が待っています。イスラエルとイランが核兵器もったら、生き残るのはイスラエルです。イランは無くなります。だから私の言葉を聴いて、踏みとどまってください、西洋化してください、民主化を入れてください、それが生き延びる道です。」と述べられました。 ◆中東イスラム諸国から中国を切り離し、欧米圏とつなぐことが日本の使命 そして、中国と中東イスラム教国の良からぬ関係を「分断」するのは、日本の役割でしょう。 「イスラム圏」の国々は大変親日的で、日本人の真面目さ、勤勉さ、誠実さ、その日本人が作り出す自動車や精密機器など、質の高い製品への信頼感は驚くほどです。 そして何より、日本の「武士道精神」によって、欧米の植民地支配を終わらせたことに深い敬意を抱いています。 信仰の同胞を虐殺しながら、お金で懐柔する中国に代わって、日本がイスラム圏の末永い発展を支えるような役割を果たすべきです。 そして、欧米キリスト教圏と中東イスラム教圏の懸け橋となって「つなぐ」ことこそ、世界宗教と渡り合えるような、宗教的・精神的文化を有する日本のみが果たしうる世界的な使命だと言えるでしょう。 幸福実現党は本年こそ、日本が「武士道の国」として蘇り、地球的正義を取り戻すために、世界に向けて大きな役割を果たすべき年として参りたいと思います。 北京五輪前に、やっぱり看過できないウイグル問題。中東イスラム諸国はなぜ沈黙するのか?【中編】 2022.01.13 https://youtu.be/0pCKwKCeZZA 幸福実現党党首 釈量子 今回は中東イスラム諸国を一つずつ、見ていきたいと思います。 ≪エジプトの事例≫ 長い歴史を持ち、人口も1億人を超え、アラブのリーダー国家とされるエジプトですが、2017年、ウイグル人イスラム教徒たちが一斉に逮捕され、約20人が中国に強制送還されるというショッキングな事件が起こりました。 多くは、イスラム教の名門アズハル大学の留学生で、ウイグル人が集まるレストランや家にエジプト治安当局が押しかけましたが、中国政府の要請で動いたとみられています。 背景にあるのは、習近平主席とシーシー大統領の「蜜月関係」です。 2014年12月、両首脳が両国関係を「包括的戦略的パートナーシップ」に格上げしてからは、カイロの「新行政首都」の建設や、スエズ運河経済特区への投資など、中国から莫大な投資を受け入れ、2015年からは合同軍事演習も行なっています。 元来、エジプトは米国の同盟国ですが、ここ10年、対米関係には隙間風が吹いています。 エジプトの立場から見ると、人権問題に敏感な欧米諸国と異なり、国内の政治情勢や人権侵害(特に女性)を融資の条件としない中国の方が、商売上、好都合なのかもしれません。 ≪サウジアラビア、UAEなど湾岸諸国の事例≫ ウイグル人と同じ「スンニ派」の盟主サウジアラビアが、沈黙を保っているのもおかしな話ではありますが、今、最大のビジネス相手国は中国です。 少し古いデータですが、サウジ国内において建設・電気通信・インフラ・石油化学分野など、140社以上の中国企業が事業を展開し、約2兆円相当と言われる莫大なチャイナマネーに魂を奪われた状況と言えます。 また、サウジアラビアをはじめ、UAE(アラブ首長国連邦)やカタールなどは、2019年国連人権理事会において提出された「ウイグルの人権弾圧に対する非難書簡」に対し、中国を擁護する立場に回っています。 こうした中東の小国は、国際社会の動きを敏感に察知しており、特に「バイデン大統領弱し」と見て、中国への傾斜はより鮮明になっています。 昨年11月には、UAEの首都アブダビの港で、中国が秘密裏に軍事基地を建設していたことが発覚しました。アメリカの介入で急遽中止となり、UAEは「軍事施設だとは知らなかった」と弁明しています。 その後12月半ばには、トランプ政権時に締結していたF35の購入計画を凍結されましたが、中国への情報漏洩を恐れた米国側が厳しい要件を付けたことに、UAEが反発したと言われています。 昨夏には、UAEドバイに中国の秘密拘置施設があり、複数のウイグル人が拘束されているとAP通信で報じられました。中東一開かれた観光都市であるはずのドバイのダークな一面が見えてきます。 ≪トルコの事例≫ 更に、ウイグルと信仰面でも、民族的にも同根のトルコですが、ウイグル弾圧に対しても、5万人のウイグル人を受け容れ、世界各地で発足されたウイグル人組織の先駆けにもなりました。 2009年には、エルドアン大統領はウイグル問題が「大量虐殺」に当たると批判し、中国との緊張が激化。2018年にもトルコ政府はウイグル弾圧を激しく批判しています。 しかし近年、エルドアン大統領の中国批判のトーンは急激に下がっています。 昨年3月、トルコ野党が「中国によるウイグル人に対するジェノサイド」と認定する決議案を国会に提出しましたが、エルドアン大統領率いる与党AKP(公正発展党)が反対、決議案を握りつぶしました。 最大の要因は経済的な問題でしょう。トルコリラの暴落など、経済的苦境が続くトルコが、新型コロナの拡大も相まって中国依存を深めました。 エルドアン大統領が中国製のワクチンを率先して打ち、中国へのすり寄りを国民に示した姿は、実に残念でなりません。 それ以外でも、中東における最大の親中国イランはもちろんのこと、南アジアのパキスタンなども、中国の悪行には目を瞑っています。 (後編に続く) 北京五輪前に、やっぱり看過できないウイグル問題。中東イスラム諸国はなぜ沈黙するのか?【前編】 2022.01.12 https://youtu.be/0pCKwKCeZZA 幸福実現党党首 釈量子 ◆昨年末、英米で大きく動き始めた「ウイグル問題」 2月の北京五輪あと少しとなりました。その前に、開催国・中国に対して、断じて譲れない問題として、改めて注目されているのが「ウイグル問題」です。 ご存じの通り、新疆ウイグル自治区で強制収容所に入れられたウイグル人は、2017年から19年の2年間で少なくとも300万人と推計されています。 昨年末からこの問題がまた大きく動き始めて、英国では12月初旬、非政府組織「ウイグル・トリビューナル」が、ウイグルにおいて、強制収容や強制労働、大規模な不妊手術など、苛烈な人権侵害が行われていることが記された「新疆文書」を世界にリークしました。 内容としては、2014年から17年の間に、習近平国家主席や、他の共産党幹部が、新疆ウイグル自治区に関して行った最高機密レベルの演説が含まれており、今ウイグルで行われている強制的な同化政策の方向性を決定づけたとする、極めて重大な内容だとされています。 文書を公表した団体は、ウイグル族やカザフ族に対するジェノサイド、すなわち民族大量虐殺が日常的に行われており、習近平国家主席の重大な責任を国際社会に訴えています。 これに対して、中国は「新疆での取り締まりはテロを防ぎ、イスラム過激派を根絶するために必要だ」と断固否定しています。 12月中旬、米上院議会においても、新疆ウイグル自治区からの輸入を全面的に禁止する「ウイグル強制労働防止法案」が全会一致で可決されました。 輸入禁止は法成立から180日後に発効されますが、ウイグルに供給網を多く抱える日本企業にとっても、これは大きな分水嶺です。 ◆ウイグル弾圧を正当化する根拠はなかった!? そして、本年1月4日、トルコ在住のウイグル人が、新疆ウイグル自治区でレイプや虐殺など、人道に反する罪を犯しているということで、習近平を含む中国共産党の幹部112人を、トルコのイスタンブール検察当局に刑事告発しています。 告発したウイグル人は19人ですが、イスタンブールの裁判所の前には、およそ150人のウイグル人が家族の写真を掲げて抗議の声を上げていて、映像を見ましたが、胸が締め付けられるような思いになりました。 これに対しても、中国外務省の汪文斌(おうぶんひん)報道官は5日、記者会見で「人道に対する罪などというものは、反中勢力がでっちあげた、とんでもないデタラメであり、事実や法律的な根拠は何もない。うそに基づいて中国を攻撃し、中傷しようというたくらみは、絶対に成功しない」と反発しています。 ちなみに、これまで、中国がウイグル弾圧を正当化する根拠として挙げていたのが、イスラム過激派の存在で、中国当局はETIM(東トルキスタン・イスラム運動)という組織の存在を挙げています。 一方で、米国務省の調べによれば「ここ10年以上、ETIMが実在している十分な証拠がない」という結論が出ています。 要するに、さもありそうな敵を創作し、それを大義にウイグル人弾圧を行ってきたという手口をよく使うことを、日本人含めて、全世界の方は覚えておかなくてはなりません。 ◆同胞の弾圧に口をつぐむ中東イスラム諸国 ここで疑問なのは、ウイグルの人々と同じく、イスラム教を信仰する国々が沈黙していることです。 特に、中国は彼らの信仰心を標的にし、「神を信じることが罪だ」として片端から収容所に入れています。その本質は宗教弾圧です。 英米など、欧米キリスト教国が、宗教の壁を超えて、唯物論国家・中国の魔の手から彼らを護ろうとしている一方、中東イスラム教国は、信仰の同胞たちへの苛烈な弾圧に対して、ダンマリを続けているのは残念でなりません。 様々な背景があるとは思いますが、「見て見ぬふり」ができる最大の理由、それは中東諸国が中国とズブズブの関係にあるからです。 (中編に続く) 台湾有事は日本有事――中国の台湾上陸作戦シナリオとは?【後編】 2021.12.26 https://youtu.be/N-y1KOVtTnA 幸福実現党党首 釈量子 ◆高まる台湾上陸作戦能力 前編に続き、台湾上陸作戦についてです。 報告書によると、中国人民解放軍は、台湾上陸の戦力を増強しており、先制攻撃後の初期段階の上陸作戦に「海上輸送2万人、空中輸送5千人、ヘリコプター3千人、合計2万8千人以上」を投入できると分析しています。 上陸作戦に使用する上陸用舟艇や、ドック型輸送揚陸艦、戦車揚陸艦などを大幅に増強しています。 これらの部隊が担う最初の攻撃では、台湾全体を占領する必要はなく、まず海岸や港湾の確保が目的となります。 次の段階で、日頃から訓練を受けた民間のRO-RO船(ロールオン・ロールオフ船)、船の前後の出入口からトラック等が乗降できる船が加わって、地上戦を展開する部隊をどんどん運ぶわけです。 港湾がなくても、水陸両用戦車を配置できることも分かっており、中国の台湾上陸作戦能力は日増しに高まりつつあります。 ◆異例となる台湾東部での不穏な動き 産経新聞(11/25)で、11月中旬、中国の揚陸艦2隻が、沖縄県与那国島と台湾の間の海域を通過し、台湾東部の花蓮沖で上陸作戦の演習を行っていたと報道されました。 南西諸島周辺で、揚陸艦の行動が確認されるのは極めて異例としています。 中国軍の台湾上陸作戦は、台湾本島西側が主戦場になるといわれ、台湾東部の沿岸部は断崖絶壁が多いのですが、花蓮には長さ10キロの砂利浜があり、軍民両用の「花蓮空軍基地」があります。 また、台湾侵攻時にミサイル攻撃から航空機を避難させる「佳山空軍基地」もあり、台湾防衛の重要拠点というわけです。 記事の中で、台湾当局関係者が「日本の南西諸島を、攻撃目標の選択肢に加えた」とハッキリ指摘したことは注目に値します。 台湾から沖縄の与那国島はわずか111キロ、また尖閣諸島は170キロの距離にあり、陽動作戦として、台湾侵攻と同時に、尖閣奪取に動く可能性もあります。 ◆台湾侵攻が世界経済に与える影響 報告書によれば、「台湾侵攻」が世界経済に与える影響も甚大だと、言及しています。 台湾は世界の半導体サプライチェーンの中心で、短期的に、台湾に取って代わる国はありません。 報告書は「台湾の混乱が起きれば、世界経済に約59兆円(約4900億ドル)の損害をもたらす」と試算しています。 日本でも、トヨタが半導体不足により5つの工場で稼働を止めて、減産せざるを得ない状況だと報道されましたが、日本経済に与える影響も計り知れません。 このように「台湾有事は、まさに日本有事」だということです。 ◆今日の香港、明日の台湾、明後日の沖縄 最後に、「日本はどうするべきか」ということです。 報告書の公表後、沖縄の共産党議員は議会で「沖縄が捨て石になる」「計り知れない惨劇になる」など言及し、玉城デニー沖縄県知事は「台湾有事で沖縄が標的になるようなことがあってはならない」と発言しています。 沖縄から米軍を追い出したい算段でしょうが、それこそ中国共産党の「思うつぼ」だということです。 日本が自国のことだけで「一国平和主義」となり、台湾を見捨てたとしても、何の解決にもなりません。 大事なのは日米同盟を強化し、抑止力を高めるということです。 「今日の香港、明日の台湾、明後日の沖縄」、そして「しあさっての九州」かもしれません。 大川隆法党総裁は書籍『メシアの法』の中で、「全体主義国家というのは、常に敵をつくり続けるのです。 どんどんどんどん新しい敵をつくって侵略したり、粉砕したりしていくようになっていきます。これが怖いところなのです。」と指摘しています。 よって日本政府は「台湾有事は日本有事」と明確な姿勢を示すべきです。 これにより、中国に対する抑止力を高めると同時に、「あいまい戦略」を採る米国に対して、台湾防衛の意思を明確にするよう促すこともできます。 ◆「台湾有事」に対する備えを万全に 日本政府は「台湾有事は存立危機事態に該当するか?」という質問に対し、「一概に述べることは困難である」と曖昧な官僚答弁を行っています。 しかし、日本は「台湾有事は日本有事」であるため、「原則、存立危機事態に該当する」と閣議決定をして、自衛隊が防衛出動できるように備えるべきだと思います。 台湾有事の際に「自衛隊がどう動くのか」、曖昧なままにしておくことは、中国に対する抑止力を弱めることになります。 「存立危機事態」と位置づけることで、日米台の共同訓練を実施し、備えを万全にすべきかと思います。 また現在、日本と台湾の間には、正式な国交がないという理由で、議員交流に止まっていますが、これも政府間の交流や、台湾軍と自衛隊の交流をしっかりと行う必要もあります。 これらと並行し、南西諸島などのミサイル防衛を大幅に強化すべきですし、当然、防衛費の増額は欠かせません。 ◆台湾を二度と見捨てない こうしたなか、幸福実現党は12月7日、「幸福実現党 日台友好議員連盟」を設立し、既に台湾へも訪問し、台北市の与野党の議員たちと交流活動もしております。 日本と台湾の親善友好を促進し、日台の国交を回復させ、同盟関係を結ぶことや台湾の国連への加盟を目指していきたいと思っています。 また「台湾を二度と見捨てない。いまこそ、日台同盟を。」というポスターも制作、「中国共産党の人権弾圧行為をやめさせ、台湾と沖縄の防衛強化を求める署名」も全国で開始しております。 ■「中国共産党の人権弾圧行為をやめさせ、台湾と沖縄の防衛強化を求める署名」のお願い https://info.hr-party.jp/2021/12200/ 2022年は、日本と台湾が断交して半世紀の節目になりますが、元来、台湾は日本の良き友人であり、兄弟でもあります。 私たちの激烈な台湾に対する熱い思いを、台湾に、そして国際社会にしっかりと届けることで「自由・民主・信仰」という共通の普遍的な価値観を持つ国家と連携する動きを強めて参りたいと思います。 中国共産党の一党支配を世界に輸出し、世界を一元管理しようとする中国に対して、世界の国々は徹底抗戦すべきです。 台湾有事は日本有事――中国の台湾上陸作戦シナリオとは?【前編】 2021.12.25 https://youtu.be/N-y1KOVtTnA 幸福実現党党首 釈量子 ◆米中経済安全保障調査委員会の報告書 11月17日、米国議会の諮問機関で、超党派で構成されている米中経済安全保障調査委員会(USCC)が、報告書(アニュアルレポート)を発表しました。 550ページに及ぶ大変なもので、米中関係を分析し、貿易や外交、軍事など、多方面をカバーした内容になっています。 第4章では「台湾防衛」を単独で取り上げており、特に注目したいのは、「台湾侵攻」に関する分析です。 報告書には「中国の指導者は2020年までに『台湾侵攻能力』を持つことを人民解放軍に指示し、20年近くに渡って軍事力を増強してきた」としています。 また「サイバー攻撃、ミサイル、空路や海上封鎖など、台湾侵攻に必要とされる軍事力を備えつつある」と評価しています。 ◆格段に進化する中国人民解放軍の「台湾侵攻能力」 2008年の時点では、国防総省は「人民解放軍が台湾攻撃と海上封鎖の限定的な軍事力を得た」という評価しつつも「完全に海上封鎖できる軍事力を持っていない」と記載してきたわけです。 ところが、2015年の段階でこの記述は削除、2020年の国防総省の報告書には、「台湾侵攻能力」即ち「台湾上陸作戦」が選択肢に入っていることを繰り返し述べていました。 米中の軍事力に差が無くなりつつあり、米国の抑止力が効かなくなってきているのは明らかです。 もし抑止力の行使に失敗すれば、中国の台湾侵攻が現実のものになる可能性が強くなっています。 ◆「一撃で敵を機能不全にする」という不気味な方針 報告書では、(1)米国の軍事力が東アジアで不十分な場合、(2)中国が台湾侵攻の際に米軍が断固とした介入を行う意思がないと判断した場合、中国が台湾侵攻に踏み切ると指摘しています。 2021年3月、米インド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン前司令官は米議会で「6年以内に台湾侵攻の可能性がある」と議会で証言し、衝撃を与えました。 蔡英文総統は、台湾人の不安を払拭するべく、対艦ミサイルを大量生産しておりますが、中台の軍事力を比較すると、大きなギャップがあるのは事実です。 実際、中国の軍事費は台湾の20倍以上あり、台湾単独で防衛するのは難しく、日米同盟を軸とした米国と日本の支援が必要だということは明らかです。 国防総省は、中国人民解放軍は「一撃で敵を機能不全にする(paralyze the enemy in one stroke)という方針を持っている」とし、「台湾侵攻はある日突然始まり、米軍の介入を防ぎながら、大方終了させるだろう」と想定しています。 米国が台湾への武器輸出しているのも、台湾の反撃能力を高めるためです。 ◆台湾有事で在日米軍基地攻撃の可能性が高い? 日本にとって、今回の報告書で特筆すべきは、台湾有事の際に「在日米軍基地攻撃の可能性が高い」と明記していることです。 報告書では、人民解放軍の指針を参考にしながら、台湾上陸作戦がどんなものになるか述べています。 まず、人民解放軍は先制攻撃を仕掛けると指摘しており、一つ目には「在日米軍への先制攻撃」です。 人民解放軍にとって、米軍の反撃能力を抑え込むためには「在日米軍基地を先制攻撃することが最も効果的だ」と指摘しています。 ここで時間稼ぎをすれば、台湾上陸作戦を有利に進めることができます。 前述した米・インド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン前司令官は「米軍が米国西海岸からグアムに到着するまでに3週間必要になる」と述べています。 人民解放軍は、日頃から在日米軍基地の艦艇や戦闘機などを正確に攻撃するシミュレーションも常に行っています。 これらを中距離弾道ミサイルなどで破壊し、台湾に一番近い在日米軍を足止めすれば、台湾上陸作戦の絶好の機会をつくることができると考えています。 中国は中距離弾道ミサイルを最低で200発持っているとしており、近年大幅に増強しています。 ◆台湾本土への「短期激烈戦争」 次が台湾本土への先制攻撃です。 上陸作戦は、上陸後の地上戦とは比較にならないほど難しく、これを成功させるには、情報戦や、海と空の領域で支配権を握ることが必要となります。 解放軍の指針によれば、海と空の支配権を握るため、まず情報通信網を破壊するためのサイバー攻撃や、台湾軍の司令部や空軍・海軍の基地やミサイル防衛システムなどを「突然、激烈に、継続的に(surprise, fierce, and continuous)」ミサイルで攻撃すると指摘しています。 いわゆる「短期激烈戦争」であり、大量のミサイルが突然、台湾の主要施設に降り注ぐことが想定されます。 今回の報告書では言及されていませんが、この先制攻撃の時に、蔡英文総統を初めとする政治リーダーや軍事的リーダーを殺害する計画、いわゆる「斬首作戦」を考えているとも言われています。 すでに、中国人民解放軍は、幾つかの演習を「斬首作戦」と表現し、砂漠に台湾総統府のような完全模型の建物を建築していることも衛星写真から分かっています。 これは戦闘機からのミサイル攻撃の際に、台湾に侵入している工作部隊が、総統府などを襲うこともあり得ることを示しています。 ほかにも最近、衛星写真でアメリカの空母の完全模型も発見されています。 (後編につづく) 「中国共産党の人権弾圧行為をやめさせ、台湾と沖縄の防衛強化を求める署名」のお願い 2021.12.09 https://info.hr-party.jp/2021/12200/ 私たち幸福実現党は、現在、中国共産党が行っている行為を決して見逃すことができません。 ウイグル、チベット、南モンゴル、香港の人権弾圧行為は激しさを増し、今この瞬間にも多くの人が自由を奪われ、宗教や言語を奪われ、殺害されています。 特にウイグルでは、無実の罪で 100万人を超える人々が「強制収容所」に収監され、拷問や強制労働に従事させられているとの証言が後を絶ちません。 これらは、ナチス・ドイツのユダヤ人虐殺(ジェノサイド)を超える暴挙であり、暴力革命を肯定し、常に敵をつくり続ける全体主義の本質が現れたものといえます。 私たちは、同じ人間が自由と尊厳を奪われている状況に対し、聖なる怒りでもって断固抵抗します。 中国への拒絶感が高まる国際社会にあって、日本では、中国の人権弾圧行為を非難する国会決議の採択すら見送られました。 普遍的な「正しさ」に照らせば、中国への非難は当然のことであり、「不当な内政干渉」には当たりません。100 年、200 年後の人類が、現在の中国共産党の暴挙を振り返って見れば、傍観することは悪だと断じ、香港、台湾、沖縄、尖閣を護れと言うでしょう。 中国のなすがままに放置し、何らの反作用もない状態で、そのまま発展させていくなら、先の大戦でヒトラーが順番に国を取っていったのと同じことが起きかねません。 全体主義の傾向から見れば、香港を制圧したら、次は台湾を制圧したくなることは明らかです。すでにその兆候はあります。台湾が中国の手に落ちれば、沖縄の尖閣諸島も危機にさらされます。 今、私たちがすべきことは、中国に非難の声を上げ、正しきものが滅びていくことを決して見過ごさないことです。目先の経済的利益を優先し、中国への非難行動を避けようとする政治勢力もありますが、それは地球的正義に反し、中長期的には国益を損なう道です。 私たち幸福実現党は、「自由・民主・信仰」こそ政治の基本原則だと考えます。自由は幸福の源であり、不幸を招く自由の抑圧に対しては徹底的に抵抗すべきです。 そして信仰は自由と民主に正しさを与えます。中国共産党のいちばんの問題は「無信仰」にあります。 それは「神や仏の目は意識しなくていい」ということであり、「地上で権力を持った者が、自動的に“現人神”になる」ということです。 共産主義の精神を輸出し、世界を一元管理しようとする中国の動きには、世界の国々と力を合わせて抵抗すべきです。よって私たちは、日本政府に対し次のように求めます。 一、国際社会と協調し、中国がウイグル、チベット、南モンゴルで行っている人権弾圧行為を「ジ ェノサイド」と認定すると共に、香港の高度な自治を守り抜く意思を示すこと。 一、中国の侵略行為から台湾と沖縄を守るため、台湾を二度と見捨てない覚悟で、日本の防衛力強 化と台湾との国交回復を目指し、有事の際は日台防衛に立ち上がること。 「中国共産党の人権弾圧行為をやめさせ、台湾と沖縄の防衛強化を求める署名」のお願い https://info.hr-party.jp/2021/12200/ 署名用紙のダウンロードはこちらから https://info.hr-party.jp/files/2021/12/09123651/6wq2zi50.pdf 【締め切り】 令和4年4月30日(土)(党本部必着) 【お問い合わせ・署名送付先】 〒107-0052 東京都港区赤坂2-10-8 6F 幸福実現党本部 TEL 03-6441-0754 《参考》 【幸福実現党NEWS】アジアの仲間を救うため今こそ立ち上がろう https://info.hr-party.jp/newspaper/2021/12163/ 【幸福実現党NEWS】中国共産党による人権弾圧を許してはいけない https://info.hr-party.jp/newspaper/2021/11821/ 在日ウイグル人ムカイダイス氏インタビュー https://info.hr-party.jp/2021/11864/ 迫る台湾有事!政府が明日にでも為すべきこと 2021.11.21 http://hrp-newsfile.jp/2021/4174/ 幸福実現党 政務調査会 藤森智博 ◆台湾と運命共同体である日本は、台湾防衛を真剣に考えるべき 台湾海峡をめぐる緊張が高まっています。中国軍機が大挙として台湾の防空識別圏に侵入したニュースを御存知の方は多いのではないでしょうか。 これ以外にも、中国は様々な形で圧力をかけており、偶発的な衝突から戦争に至る可能性もあります。 また、3月には当時の米インド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン司令官が「6年以内に中国の台湾侵攻がありえる」と発言しており、計画的な戦争も起こりかねない状況です。 日本にとって、台湾は運命共同体であり、台湾を見捨ててはいけません。台湾が中国に占領されれば、台湾は日本のシーレーンを封鎖することができるようになります。 従って、戦わずして日本が中国の支配下に入ることになります。しかし、中国は、自由や民主主義などの普遍的価値観を軽視する独裁国家です。 チベットやウイグルの例を見れば、日本が中国の属国となることで、国民を不幸に陥れることは間違いないでしょう。 それは台湾にとっても同じことであり、自由や民主主義、基本的人権の尊重を国是とする日本は、中国の台湾侵攻を見過ごしてはなりません。 ◆「日中共同声明」に配慮して、ほとんど何も言えない日本政府 しかし、台湾有事では、中国への配慮から、ほとんど何も言えないのが現在の政府の状況です。 日本は中華人民共和国と国交を結ぶために、台湾と事実上、一方的に断交し、日中共同声明に調印しました。 その結果、日本は「ひとつの中国」を尊重しなくてはならず、中国共産党が「台湾を自国の領土と主張して、侵攻まで企てていること」に対し、ほとんど何も言えなくなってしまいました。 その結果、台湾防衛は日本の生命線であるのにもかかわらず、これの準備が十分にできず、様々な支障をきたしています。 例えば、朝鮮半島有事に関しては、日米共同作戦計画は策定されていますが、台湾有事については策定できていません。また、有事に関する対応も日台政府間で検討できていません。 結局、迫る台湾有事に対して、日本は正面から向き合っていないため、一向に備えが進まない現状が伺えます。 ◆政府は明日にでも、「台湾有事は日本の有事」と宣言せよ 従って、日本が明日にでもやるべきことは、「台湾有事は日本の有事」と認めることです。 専門的に言えば、集団的自衛権行使の条件の一つである「存立危機事態」(※1)となりえると閣議決定すべきです。 これをしない限り、台湾防衛のスタートラインに立つことすら難しいでしょう。 もちろん政府も内々には台湾有事を検討していると願いたいですが、表で台湾防衛の必要性すら議論できないようなら、様々な制約がかかり、十分な対応は期待できないでしょう。 台湾有事への備えを検討することは日中関係の基礎となる日中共同声明に違反するとは言えません。 同声明は、日本が無条件に「一つの中国」を尊重することを求めているわけではありません。 その前提条件として、両岸関係の平和があります。つまり、中国が台湾に武力侵攻するのなら、前提が崩れてしまうわけです。 こうした発想であれば、「一つの中国」を尊重するという既存の政府の立場を崩すことなく、台湾有事に備えることが可能になります。 そもそも、台湾は日本から独立した国家であり、「一つの中国」という考え方は、歴史的に真実ではありません。 しかし、こうした急速な方向転換は困難なことも事実でしょうから、まずは実を取って、一日でも早く台湾有事に備えられるようにすべきでしょう。 (※1)存立危機事態とは、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」と平和安保法制で定義されている。これは、安倍政権下で集団的自衛権を法制化する上で定められた。 ◆これからの台湾は「戦略的曖昧さ」では護れない 先述の通り、日本は、台湾有事の際、台湾防衛に動くのかどうかを明確にしてきませんでした。これはアメリカも同様で、こうした「戦略的曖昧さ」が台湾海峡に平和をもたらすと考えられてきました。 しかし、こうした考え方では、かえって台湾を危険に陥れかねない状況へと変化しつつあります。 中国がアメリカを追い抜く勢いで急速な軍事拡張を進めており、曖昧な態度は、中国の更なる増長及び軍事行動を呼び起こすことになります。 これは、ナチス・ドイツに対し、宥和政策が全く機能しなかった歴史的事実を思い返せば分かる話でしょう。 従って、日本は、アメリカとともに、戦略的曖昧さを改めていくべきです。そうした戦略を見直す第一歩が、「台湾有事は日本の有事」と宣言することになります。 しかし、これは明日にでもできることであり、中長期的には、日本版台湾関係法や台湾への国連加盟を実現していく必要があります。 特に、日中共同声明を基礎として中国と国交を結んだ日本政府にとって、これらの法的根拠をどこに求めるかは悩ましい問題です。 幸福実現党政務調査会では、こうした台湾有事に関する論点を検討し、「News Letter」として、まとめました。興味のある方は、そちらもご覧いただければ幸いです。 「News Letter」 台湾防衛こそが、日本の平和を護る https://info.hr-party.jp/2021/12151/ 太陽光パネルの乱開発で進む国土破壊と経済崩壊【後編】 2021.10.16 https://youtu.be/yGWfp0XW0IQ 幸福実現党党首 釈量子 ◆メガソーラー乱開発の実態 皆様の地元でも、知らないうちに驚くような乱開発が進んでいる可能性もあります。 例えば、幸福実現党の高橋敬子・岩手県紫波町議は、7月3日の熱海市の土砂災害をきっかけに、町内5か所のメガソーラーに足を運び、防災マップと照らし合わせながら危険個所を確認し、9月議会で取り上げました。 高橋議員によると5か所のうち4つが、いずれも急峻な山肌に設置され、除草剤に撒かれているのか赤土の表土が露出、法面は何の処理も施されておらず、側溝もないので雨が降れば土砂を伴った水が流れ出たる状態でした。 特に一か所は「土砂災害特別警戒区域」の極めて近くに隣接し、非常に危険な状態で、行政に対応を求めました。なお、発電事業者には中国系企業もあったということです。 茨城県笠間市のように、東京ドーム4.7個分の土地の山林がダイナマイトで粉砕されて丸裸になり、住民が慌てて反対の声を上げたものの工事が強行された事例もあり、こちらも中国企業がらみでした。 長崎県佐世保市のように、地元議員と悪徳業者がグルになり、地元市議がメガソーラー建設の許認可権限を持つ市長に現金100万円を送ろうとして贈賄罪で逮捕されています。 ◆日本企業を縛る「グレタ教」 今はFITにおける太陽光発電の調達価格は2017年度から入札で決められており、事業者が導入当初のように法外な利益を得ることは難しくなっています。 しかし、メガソーラーの開発が進むもう一つの大きな理由は、欧米の政府、NGO、グローバル金融機関などが日本に持ち込んだグリーンな価値基準によって、日本の企業が再エネを購入しないと事業活動ができなくなっていることにあります。 日本の法律で義務化されているわけではないのに、いわば「グレタ教」に従わないと事業活動ができなくなりつつあるという、非常に深刻な問題があるのです。 例えば、「RE100」という、イギリスのNPOが提唱する「全ての電気を再エネに変えよう」という活動があります。 これに加盟している日本企業は使用する電気を全て再エネにしなければならないため、火力・再エネ・原子力が混ざった通常の電気を買うことができません。 価格が高くても再エネだけを選んだメニューから購入します。 また、欧米のグローバル金融機関は、「グレタ教」に基づいて、石炭を使う事業からは投融資を引き揚げ、再エネには金利を優遇してお金を貸し付けたりしています。 最近では日本のメガバンクも欧米と同じ価値観で投融資を行っており、日本の企業はこれに従わないと資金調達ができません。このため、少し高くても再エネを調達することになります。 最近ではグローバルなアクティビスト投資家、つまり「ものを言う株主」が、日本の企業が気候変動対策に努力しているかどうかを監視し、努力が足りないと認めれば経営方針を変えるように議決権を行使しています。 企業は詳細な情報開示を求められ、再エネの購入にどれだけ努力をしたかといった、「気候変動対策への貢献度」を測られ、それによって格付けをされています。 このように、現在の日本の企業は欧米の企業と同様に、「気候変動対策」に否応なく巻き込まれ、監視され、その努力が足りなければ糾弾されるという、過去にはなかった重大な問題に直面しています。 このようにグローバリズムと「グレタ教」が席巻する中で企業が生き残るために、経営者は気候変動問題へのコミットを高らかに宣言し、そのためのコストを払わなければならないのです。 そのような中で、企業は再エネの購入や投資を増やさざるを得ないのですが、水力などは開発に長期間がかかるため、手っ取り早く導入できる太陽光発電に対するニーズがますます高まっているのです。 「グレタ教」に洗脳されたNGOやグローバル金融機関がルールを作り、それに則って日本企業は太陽光などの再エネを買わされる。そしてそのお金は生産地の中国に流れていく。 非常に巧妙な金儲けの仕組みがグローバルに出来上がりつつあるのです。 「グレタ教」をこのままにしておけば、日本の国富が中国に奪い取られ、高いエネルギーコストで日本の生産性はますます低下し、「失われた30年」どころか2050年までの「失われた60年」となってしまいます。 日本経済はナイアガラの滝の如く落ち込み、日本中が中国製の太陽光パネルで埋め尽くされ、全国で自然破壊が起こる。そんな未来は、断じて許してはなりません。 太陽光パネルの乱開発で進む国土破壊と経済崩壊【前編】 2021.10.15 https://youtu.be/yGWfp0XW0IQ 幸福実現党党首 釈量子 ◆「CO2温暖化説」を後押しするノーベル物理学賞 今年のノーベル物理学賞に愛媛県出身でアメリカ国籍の真鍋淑郎氏が、コンピューターシミュレーションで地球の気候を予測する「気候モデル」の手法を確立した業績で選ばれました。 真鍋氏自身は「気候モデルで昔予想したことがそのまま今起こっていて、大問題だ」と発言する一方、「複雑な自然のすべてを完全に計算することはできない」とも語っています。 気候モデルには宇宙線の増減や太陽活動などが考慮されておらず、気候変動のメカニズムはまだ分からないことだらけであり、それを無視した政策が加速するのは非常に危険です。 ◆メガソーラーによる国土破壊 日本は国土面積に占める森林の割合は約7割の2,500万haに及び、森林を伐採し、丸裸となった地面にパネルが敷き詰めれば、景観破壊はもちろん、地面の保水性を失い、土砂災害などの原因になります。 ちなみに、太陽光発電で原発と同じ電気を発電するには、なんと100倍以上の面積が必要で、どちらが大規模な自然破壊につながるかは明らかです。 今年7月3日に発生した静岡県熱海市伊豆山の大規模土石流では、26人が死亡、行方不明者1人という悲惨な災害となりました。被災された方には心よりお悔やみ申し上げます。 9月28日には、崩落地点に基準を超える盛り土が造成されるという違法行為があったとして、遺族らが盛り土部分の土地の現旧所有者を相手取って、約32億6800万円の損害賠償を求める訴訟を静岡地裁沼津支部に起こしています。 この盛土の付近にはメガソーラーがあったことから、災害との関連に懸念が集まりました。 静岡県と林野庁の調査では、太陽光発電は土石流の直接的な原因ではないと判断したとのことです。 しかし、付近一帯が「土砂災害警戒区域」に指定され、そこにメガソーラーが建設され、山の開発が進められたことは確かです。 過去には、神戸市須磨区の山陽新幹線のトンネル出口付近で、線路沿いの斜面に設置された太陽光パネルが崩落し、太陽光パネル約1300枚が山の中腹から崩れ落ちたという事故がありました。 ◆太陽光発電を「爆増」させる計画 政府は、今年7月「エネルギー基本計画」の素案をまとめました。10月末からイギリスのグラスゴーで行われるCOP26に先立って、最終版を閣議決定することになっています。 それによると2030年度の電源構成として再生可能エネルギーの割合を「36%から38%以上」にするとのことです。 その方針を受け、太陽光発電をこれまで以上に「爆増」させる必要があります。今後、各地で進むメガソーラーの設置拡大が、土石流の増加につながる可能性は大いにあるでしょう。 ◆メガソーラーを爆増させたFIT こうしたメガソーラーの乱開発が日本各地で進んでしまっている理由の一つは、不当に高い利益が保証されていたからです。 2012年民主党の菅直人政権の時に導入された再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)によって、「20年間の買い取り保証」がなされました。 それによって、利益を大幅に上乗せした売電収入が確実に入ることから、売り手のつかない山間地などが「低リスク高利回り」の投資となりました。 菅直人政権は、太陽光パネルの設置基準を示さず、建築基準法が適用されない「電気工作物」扱いとなったために煩わしい建築手続きが必要なかったことから、安易な事業参入、乱開発が広がりました。 売電収入は、「再エネ賦課金」です。つまり多くの国民の負担の上に、「悪質業者」、さらには「中国資本」の付け入る隙ができてしまったのです。 北海道在住の方に、見ず知らずの太陽光発電業者から「あなたの土地を買いたい」という手紙が送られてきて、自分の所有する土地の謄本、公図、航空写真が添付されてきたので、驚いたといいます。 赤字で「名義変更、相続登記等の書類作成全般にかかわる手数料や測量、整地党の費用の負担、煩わしい手続きはすべて弊社が行います」と、至れり尽くせりのサービスが謳われています。 業者としては余っている土地を安く手に入れることができたら、FITで儲けることができるというメリットがあります。 しかし、土地の所有者側は、台風でパネルが飛んで人的被害が出たり、土石流等が起きたら責任を負わされる可能性もあります。 固定資産税に悩む方や、跡継ぎのいない農地を持つ高齢者などにとっては「温暖化対策」という大義名分もあり、余っている土地を生かせるのであればと、あまり考えないで話を進めるケースも多いわけです。 (後編につづく) すべてを表示する « Previous 1 … 10 11 12 13 14 … 101 Next »