Home/ 国防・安全保障 国防・安全保障 松下政経塾の原点を忘れたドジョウ宰相 2011.09.17 「経済成長と財政健全化を車の両輪として同時に進めなければならない。これが天上の人となった松下幸之助さんに対して私が一番やらなければならない使命だ。」 野田佳彦首相は15日の衆院本会議で、かつて学んだ松下政経塾の創設者に増税を進める固い決意を語りました。 松下氏の名を先に出したのは、質問者の渡辺喜美みんなの党代表でした。松下氏が生前に説いた「無税国家論」を引き、「厳しい経済状況のときこそ大減税で景気を直すべきだ」と、首相に減税を迫りました。 これに対して、野田首相は「松下さんは財政危機について真剣に考え、国債残高増大に歯止めをかける必要性を主張していた。今や松下さんの想定よりもはるかに深刻な状況だ」と述べ、財政健全化のため増税は避けられないとの立場を強調しました。 しかし、こうした経済が深刻な状況にある時にこそ、国は減税を行い、国民の負担を減らすべきだというのが松下幸之助氏の教えだったはずです。 野田首相は『VOICE』2011年9月号においても「厳しい経済状況のときこそ、国は大減税をして景気を直すべきだ」「国費20%削減の大ナタを振るったうえで、思い切った『救国国債』を発行し、健全経済をつくりあげる大規模な先行投資を行うべきだ」 「毎年の予算の余剰金を積み立てて、ゆくゆくはその利子収益の分配だけで税金が不要となるような『無税国家』を目指すべきだ」と松下幸之助氏の「減税による景気回復」「大規模な先行投資」「無税国家論」等の政治哲学を紹介しています。 一見、松下幸之助氏に対して敬意を表しているかのようですが、結論として「当時から実行していれば、松下流の無税国家もいまごろ実現していたかもしれない」と、国会での答弁と同様、暗に時代錯誤だと批判。松下氏の信条を全て切って捨てています。 松下幸之助氏は「無税国家」「新国土創生」など、あるべき政治の実現を志して松下政経塾を創設。ついに第1期生から初首相誕生したことを喜ぶべき所でしょうが、その理想を捨て去り「まず、増税ありき」のドジョウ宰相では、松下氏もさぞ無念でありましょう。 ※松下幸之助氏の野田首相に関する評価については、9月20日発刊『沈みゆく日本をどう救うか―野田佳彦総理のスピリチュアル総合分析―』(大川隆法著、幸福実現党発刊)の松下幸之助氏の霊言をご参照ください。 野田首相が「夢」「矜持」「情」という言葉を大切にしているのであれば、門下生として、松下氏の掲げられた理想実現にこそ、誠を尽くすべきです。 野田首相は自身の著書『民主の敵』では「消費税5%分に相当する巨額の税金が、天下り法人に流れているわけです。消費税は何%が適切かといった議論は、日本の財政を完全情報公開したうえでの話だと思います」と増税する前提として、徹底した無駄の削減と公務員改革を訴えています。 しかし、現状、歳出削減には何も手を付けず、国民の負担を無視し、財務省と一体となった「増税ありき」の姿勢に「正心誠意」は感じられません。 所信表明から4日間で見えてきた、野田首相の「正心誠意」。何か信用できない「疑念」を感じるのは私だけでしょうか。 (文責・政務調査会部長代理 小川俊介) 北朝鮮の暴発の可能性が近い!? 2011.09.15 石川県の能登半島沖で小型漁船に乗っていた脱北者の男女9人が13日、海上保安庁に発見されました。 船は木造の小さなもので、幼児を含む子供3人が乗っており、まさに命からがらの脱出劇です。 北朝鮮国内は今、極めて深刻な食糧不足の状態にあり、軍部まで飢餓が蔓延していると言われています。 13日付の産経新聞の記事「脱北者9人、保護 食糧難、軍人にも餓死者」には次のように掲載されています。 「北朝鮮は、故金日成主席の生誕100年に当たる来年を『強盛大国の門を開く』年と位置付け、国内経済引き締めのため、闇市場の取り締まりも強化されている。 (救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)代表の)李教授は『闇市場で自活していた人々も希望が持てなくなった』と説明する。 一方で、RENKによると、肥料が枯渇するほどの食料難が続き、これまで配給に頼っていた公務員や軍需工場の従業員の家族にしわ寄せがきている。優先的に食料が回されてきた軍人の中でも、ここ1年で餓死者が確認されたという」 そうした中、金正日総書記は8月、ロシアを訪問してメドベージェフ大統領と会談し、北朝鮮がロシアと初の合同軍事演習を行うことで合意。年内か来年にも実施することが明らかになりました。 北朝鮮軍が他国軍と合同演習を行うのは極めて異例なことで、「朝鮮半島有事に向けて結束する日米韓を牽制(けんせい)する狙い」(13日付朝日)があるといわれます。 北朝鮮は一体、何をしようとしているのでしょうか? 『Newsweek』誌は昨年、北朝鮮が南進して、ソウルを占領する計画を立てていると報じました(2010.6.2号)。 「韓国高官の発言として伝えたところでは、北朝鮮は戦争勃発の事態に際して、韓国全土を1週間以内に占領するという従来の作戦計画を破棄したらしい。中央日報によると、代わりに北朝鮮が立てた計画はこうだ。 北朝鮮軍は軍事境界線から南下して速やかに韓国の首都ソウルとその周辺を制圧する。さらに南進するか、直ちに停戦交渉に入るかは、状況次第で決めればいい。人口が多く縫済活動の中心地でもある首都ソウルを人質に取っている限り、北朝鮮は韓国(と同盟国のアメリカ)に対して有利な立場で交渉に臨める。」 さらに「脱北者らの情報によれぱ、北朝鮮は『人間魚雷』で自爆攻撃に出る兵士も訓練しているらしい。第二次大戦中の日本軍と同じだ」とも書いています。 今回の漁船での脱北劇は、北朝鮮の圧政が限界まで達しており、同時に独裁体制の崩壊を食い止めるために、破れかぶれの暴発寸前にあることのサインとも考えられます。 日本では民主党政権下で政権や方針がコロコロ変わり、外交が「脳死状態」に陥っており、米韓と共同した北朝鮮対策が全くもって進んでいません。 北朝鮮の暴走を食い止めるべく米韓と協力し、早急に国防体制の整備を進めていくべきです。 (文責・矢内筆勝) 中国漁船衝突事件から1年、益々高まる尖閣危機 2011.09.08 7日、尖閣諸島沖で起きた海上保安庁巡視船に中国漁船が衝突した事件から1年が過ぎました。 野田新内閣の藤村修官房長官は記者会見で「尖閣諸島は歴史的にも国際法的にもわが国の領土であることは全く疑いない」「尖閣を含め、わが国の領域をしっかりと保全していくことは政府としての基本的な責務だ」と答えています。 しかし、尖閣諸島問題の現状はもっと深刻です。7日付の読売新聞は次のように報道しています。 「周辺海域では今も多い日には約50隻の中国などの漁船が確認され、8月には中国の漁業監視船が領海に侵入した。地元漁師らは『領土や領海を守る姿勢を国がしっかり示さなければ状況は変わらない』と不満を募らせている。 海保によると、尖閣諸島周辺で今年、外国漁船が領海に侵入し、退去警告を行ったのは29件(8月末現在)。昨年同期の137件と比べて減少しているが、昨年は9月以降300件近くの退去警告を行っており、海保幹部は『今後急増する可能性もあり、予断を許さない』と警戒する」 日本の領海周辺での中国漁船の不法操業は今や(かなり以前から)当たり前になっており、そうした中、漁船や漁業監視船による領海侵入が「戦略的」に繰り返されているわけです。 また、中国空軍の戦闘機が8月中旬、東シナ海の日中中間線を越え、海上自衛隊の情報収集機を追尾していたことも明らかになっています(9月7日付産経新聞)。 菅首相が政権から退くことが明らかになった、言わば「政治空白」の時期に、空からも中国軍戦闘機による威嚇が行われていたわけです。 これが今、日本が直面している国防問題の現実です。 藤村修官房長官が「尖閣諸島は、わが国の領土である」と述べたことは、民主党政権にあっては珍しくまともな発言だと評価をする向きもありますが、それはただ単に「お題目」として、当たり前の、紙に書かれたことを読み上げただけであり、それ以上、何ら具体的な国防政策も、中国への抗議も一切触れられていません。 そこに、国防や主権への問題意識が欠落している民主党と、野田政権の本質が透けて見えます。 中国をはじめ、周辺諸国はそうした民主党の実態を、これらの発言から読み取り、次の手を着々と練っているはずです。 (文責・矢内筆勝) 国防は、どうする?野田新首相 2011.09.01 先の民主党代表選挙では、どの候補者からも国防について語られることは全くありませんでした。 まるで、代表選候補者の間で、中国に対して配慮し、国防は代表選の争点にしないよう示し合わせたかのようです。 民主党代表選で国防を争点にしたくなかった野田氏の本音は、民主党政権として中国や韓国を刺激すれば、政権がもたないため、政権延命のためには「国防」を代表戦の争点にはしたくなかったのでしょう。 しかし、中国はそんなに甘い対応はしないのが現実です。 菅首相が退陣を正式に表明して民主党代表選が告示日される直前の8月24日、中国の漁業監視船2隻が尖閣諸島の領海を侵犯しています。 政治空白を狙って日本の国防を揺さぶる行動をこれまでも中国はたびたび取ってきました。 つまり、中国はこうして次期政権を牽制して、次期政権がどう出てくるか、その反応を見ているのです。 恐らく中国は、野田政権も尖閣諸島海域を侵食しても日本は何の適切な対応もできないと判断したに違いありません。 野田首相は、外交・安全保障政策については「保守的思想」を持っていると言われていますが、骨抜きになることは目に見えて明らかです。 民主党代表に就任後の記者会見で、野田首相が以前、「『A級戦犯』は戦争犯罪人ではない」との認識を示したことについて、即刻、軌道修正し、「ことさら歴史認識を振りかざして何か言ってきたつもりはない」と語ったのはその証左です。 今後、中国の尖閣諸島の領海侵犯がますますエスカレートすることは間違いなく、野田政権の間に更なる尖閣危機がくる可能性が高く、魚釣島の実効支配も秒読みの段階に入ってくるものと思われます。 国防とは、現実の国際社会のあっては、お人よしで相手国を信用し、敵を刺激しないことによって築かれるものではありません。 周辺国にどんな意図を持った国があり、自国を侵食する意図がある場合には、外交によって、言うべきははっきり相手国に伝え、国防法制や国防を充実させる必要があります。 そうした具体的な努力が相手の侵略的な野心を食い止め国を守る力となるのです。 一国の宰相がドジョウのように泥の中に潜り、国防から逃げ続けていては、もはや国が滅ぼてしまうと言わざるを得ません。 (文責・矢内筆勝) 米報告書が「中国の急速な軍事拡張」を警戒―中国が猛反発 2011.08.27 中国国防省報道官は26日、米国防総省が24日に発表した「中国に関する軍事・安全保障年次報告書」について、「強烈な不満と断固たる反対」を表明し、「中国は終始、平和発展の道を歩み、防御的な国防政策を実行している」と主張しました。 中国が問題にしているのは、米国防総省が24日に発表した2011年版「中国に関する軍事・安全保障年次報告書」についてです。 同報告書は、2010年版『4年毎の国防計画見直し(QDR 2010)』を受けて報告されているもので、QDRで指摘されているアメリカの「潜在的な敵国」として、中国の軍事力を分析したものです。 同報告書は、中国は2020年までに欧米並みの近代化された軍の編成を終えることを目標としていると指摘。中国の国産空母の建造が今年中にも始まり、早ければ2015年にも就役すると予測。中国の急速な軍事拡張に警鐘を鳴らしています。 また、同報告書は、中国空軍が開発を進めている新型ステルス戦闘機「殲20」について「ステルス性能や先端航空技術、超音速用エンジンをもつ戦闘機を今後10年間に生産する野望を浮き彫りにした」と指摘。さらに、攻撃型原子力潜水艦と弾道ミサイルなどの近代化が完了すれば、相手国の水上艦艇は中国の領土から1850キロ以内に近づきにくくなると分析しています。 報告書は、中国の軍事拡張のねらいとして「(アジア・太平洋地域において)中国政府は既に台湾海峡危機以外の事態を想定して軍の態勢を整えている」と分析。尖閣諸島を含む東シナ海や、南シナ海での領土紛争を「中台問題に次ぐ優先事項」と位置付けていると警告しています。 同報告書は毎年提出されていますが、一貫して「中国の軍事力が飛躍的に向上している」ことを指摘、警告して来ました。その事例として、中国の弾道ミサイル、海軍戦力、サイバ―攻撃などを挙げ、アメリカの脅威となることを指摘して来ました。 同報告書から導かれるアメリカが取り得る戦略の一つとして、アメリカが日本から少しずつ後退していくというシナリオが、アメリカ政府や議会で真剣に論議されています。 日米関係に影響を与えてしまうため、同報告書では触れられていませんが、アメリカ軍が策定している新しい戦略においても、明らかにこれらの論議を考慮に入れていることが伺われます。 その背景にあるのは、アメリカの巨額の財政赤字と、国防費削減圧力です。 中国の国営メディアは8月6日、米大手格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国債の格付けを史上初めて引き下げたことを受けて、米国は「借金依存症を治す必要がある」と米国を厳しく批判。世界で最も多く米国債を保有する中国は、米国に対し構造的な債務問題に取り組み、米ドル建ての中国の資産を保全するよう要求する「あらゆる権利」を持っていると主張しました。 これは、中国が「米国が国防費を削減しなければ、米国債を売り浴びせ、米国債を暴落させるぞ」と脅迫しているに等しい行為です。 様々な要因を受け、アメリカが少しずつ日本から後退していくトレンドができつつある中で、アメリカは日本に自主防衛強化を要求してくる可能性も予測されます。 中国の急速な軍事拡張と米軍の漸次的撤退を踏まえ、日本は確実に自主防衛に向かって進まねばならない国際情勢になっていると言えます。 (文責・黒川白雲) すべてを表示する « Previous 1 … 99 100 101