Home/ しろとり 良太 しろとり 良太 執筆者:しろとり 良太 幸福実現党広報本部 新しい「金融教育」の実現で日本にバンカー精神を根付かせよ! 2013.10.19 ◆「お金に関するしつけ」は世界的なトレンド 日本では来年からNISA(小額投資非課税制度)が始まり、個人投資家にとっての環境が整いつつある中、家庭内においては幼少期から金銭感覚、採算感覚を養う教育が流行しており、「お金に関するしつけ」が日本でも脚光を浴び始めております。 こうした「お金に関するしつけ」は、いわば世界的なトレンドであり、経済協力開発機構(OECD)では、2008年に「金融教育に関する国際ネットワーク(INFE)」を組織し、「金融教育の推進は国家戦略に不可欠である」という承認を国際的に取り付けています。 ここで言う「金融教育」とは、個人の金融リテラシー(知識を駆使できる能力)を高めるための教育という意味で「パーソナル・ファイナンス教育」とも呼ばれています。 更にINFEでは「学校における金融教育のガイドライン」が本年発表され、若年層における金融リテラシーの向上のために、学校における金融教育の必要性が強調されております。 ◆世界的に遅れている日本の「金融教育」 しかし、日本の学校における「金融教育」は、世界的に見ても「先進的である」とは言い難い現状です。 文部科学省の学習指導要領によると、小学校では金融(お金)について全く触れられておりません。 中学校や高校に入ると「金融の仕組みと働き」について扱うようになりますが、その中心は金融制度と金融政策などというマクロ経済的な内容となっており、個人(家計)とお金の関わりについては範囲が極めて限られていると言われています。 実際、Visaが日米の大学生に対して実施した「金融教育に関する日米大学生アンケート」によると、小・中・高等学校のいずれかで金融教育を受けた経験があると回答した大学生は日本が39.7%(124人)なのに対し、アメリカでは72.2%(249人)と約2倍の差があるとの結果が明らかになっています。(ビジネスアイ2013/8/23) また、日本銀行が2008年に日本の成人に対して実施した「金融に関する消費者アンケート調査」において、金融商品について「ほとんど知識がない」と思う人は63.7%だったのに対して、「十分知識がある」と思う人はわずか4.7%で、ほとんどの日本人が未だにお金の運用について、無頓着であるという統計が出ております。 こうした状況を踏まえ、2013年1月に安倍政権が発表した緊急経済対策には7年ぶりに「金融経済教育の推進」が掲げられ、金融庁でも「金融経済教育研究会」などを設置し、最低限身につけるべき金融リテラシーを15項目にまとめています。 しかし、教育現場での最大の問題点は、授業時間数が足りないという点であり、現行の教育課程の中では別の学習項目を減らす必要があり、非常に厳しい状況にあります。 ◆アメリカの伝統である「お金の哲学」 一方、アメリカにおける「金融教育」には長い歴史があります。 実際に、19世紀にアメリカに渡航した福沢諭吉は、「アメリカの母親は、子どもを金銭に敏(さと)い大人になるよう非常に熱心に教育する」と述べ、良くも悪くも日本との違いを実感していました。 現代においても、日本のような学習指導要領がない代わりに、幼稚園から高校までの金融経済教育を推進しているアメリカ経済教育協議会(CEE)が、それぞれの段階で身に付けるべき金融リテラシーを示した「Financial Fitness for Life」という指導書を児童・生徒用、教師用、家庭用など類型別に出版しています。 その中では、「お金を増やすにはどうするのか」や「貯金箱と銀行預金の違いの比較」、「債券や株式、投資信託の仕組み」、「リスクと分散投資の大切さ」などが盛り込まれており、これらを元に学校と家庭における金融教育の実施が可能になっているのです。 と同時に、福沢諭吉は「アメリカ人は艱難辛苦(かんなんしんく)、克苦勉励して貯めた財を時に、惜しげもなく社会に役立てるためにと寄付する」と記しているように、寄付の精神もアメリカの伝統となってきました。 実際に、2002年度における個人寄付金の日米比較を見てみると、日本の2,189憶円に対して、アメリカは約23兆円に上り、なんと100倍以上の開きがあることが分かります。 ◆アメリカに見習いながら、新しい「お金の哲学」を日本が広めよ こうしたアメリカの「お金」に対する哲学が、19世紀から現在に至るまでのアメリカの大いなる繁栄を創り上げてきたという事実を、まず日本は認め、見習う姿勢が必要です。 しかしながら、そのアメリカもサブプライムローンを発端とした2008年の金融恐慌によって行き過ぎたマネー経済の実態が露呈されております。 また、アメリカの金融業界においても、5年先の企業成長を見る「バンカー」が5分先の利益を追いかける「トレーダー」によって駆逐されている現状があり、昨今のアメリカ政府のデフォルト騒動で見る財政均衡志向など、アメリカの強みであった「お金」の領域で限界を見せ始めているのは確かであります。 ◆宗教教育+金融教育のブレンドがカギ これからの金融教育の土台には、道徳を超えた「時代に適合した宗教的精神」が必要である証だと私は考えます。 日本人が宗教的精神、善悪の価値基準に基づいた金融リテラシーを備えることで、現在、日本人の見識不足によって漂流している個人金融資産1500兆円の行き先をしっかりと指し示すことが出来るようになるのです。 このようにバンカー精神が国民に広く共有されることで、私たちの幸福を増進させるような優良企業への投資が進み、日本経済に未曽有の大発展をもたらします。 と同時に未だ飢餓や貧困で苦しむ発展途上国への投資を促進させ、世界の幸福実現に貢献できる新しい「リーダー国家像」を形成することができます。(HS政経塾第1期生 城取良太) 参考文献:週刊エコノミスト(10月15日号) 法人税の大幅減税で企業を元気に。家計を豊かに。 2013.10.05 ◆消費増税を受け入れる経済界のトップたち 消費増税が決定され、GDPの約6割を占める個人消費の冷え込みが予想されていますが、注目されるのは経済界の対応であります。 経済界のトップたちは意外にも、安倍首相の消費増税への決断を冷静に、好意的に受け止めていると報道されています。 経団連の米倉弘昌会長は「大変な英断だ」と強調し、安倍首相の判断を持ち上げています。 また経済同友会の長谷川閑史(やすちか)代表幹事も、「予定通りに(増税を)やることが大事だ」と述べ、消費増税への賛意を表しております。 ◆消費増税で実際は苦しい経営の現場 しかしながら、実際の企業経営の現場においては、消費増税による消費冷え込みへの対応策に追われているのが実情です。 トヨタ自動車では、消費増税前の駆け込み需要はあるものの、それ以降の一層の消費冷え込みの影響を予測し、2014年度の国内生産台数を前年度比約1割減の300万台とする見通しを主要取引先に伝えています。 こうした消費増税による大企業の対応で、更に苦しくなるのは下請企業や中小企業であります。 既に自動車部品メーカーなどでは、来年の国内の消費不況を見越して、輸出比率を増やし、海外に活路を見出そうとしている傾向にあります。 また、ある中小企業の経営者は「中小企業は3%の利益を出すのも闘い。油断すれば利益は吹っ飛ぶ。」と指摘しています。 倒産予備軍は6万社とも、30万社とも言われておりますが、昨今の脱原発と円安基調による電気代の高騰に加え、消費増税によってかかってくる更に重い税負担を強いられることで、日本の企業経営を取り巻く環境はシビアになってきているのです。 ◆世界的に見ても高すぎる法人税 そんな中、産業界から早期の実現を求められる声として大きいものが、政府が「今後速やかに検討を開始する」として事実上先送りした法人実効税率の引き下げであります。 「日本の法人実効税率は30%半ばで主要国と比べてまだ高い。早急に改善してほしい」(富士フイルムホールディングスの古森重隆会長)とあるように、日本の法人税は主要国でも最も高いレベルにあります。 実際に、世界の法人税率の平均は25%となっており、日本と比較すると10%以上も低い設定となっております。 EUでは、ここ10年間、企業誘致や自国企業の引き留めを目的に激烈な競争が行われ、この間に平均法人税率は全体で10%も引き下がっています。 またアジア諸国を見ても、シンガポール17%、韓国24.2%、中国25%など、安い法人税率によって国内産業の育成と外資誘致を図っています。 日本と同様に高いと言われてきたアメリカにおいても、今年に入ってオバマ大統領が現行の35%から28%程度への引き下げを提案しています。 このように日本の高すぎる法人税が、国内企業の海外流出、海外企業の日本敬遠の流れを起こし、国内経済の空洞化を誘発しかねないのです。 ◆高くて複雑な企業税制が経営者の「時間」と「ヤル気」を削いでいる もう一つの弊害は、法人税を中心とした複雑な企業税務が経営幹部の「時間泥棒」となっていることです。 つまり、直接的な納税コストだけでなく、税務全般に関わる時間的なコスト、また金銭的なコスト(納税経費、人件費など)などが実質的な企業の負担になるということです。 具体的に、税務担当者に「負担に感じている項目」をアンケートした結果をみると、「会計基準と法人税法との差異に関する申告調整」や「法人税申告書の添付書類」など、法人税にまつわる項目に対して重い負担感を感じていることが分かります。 また「2011年度の納税(法人)のしやすさランキング(プライスウォーターハウス調べ)」では、日本は先進諸国でも最下位に近い112位であり、申告納税等に要する時間は355時間/年を要し、実に1カ月以上も申告納税業務に追われるという計算となっています。 特に、日本の99%を占める中小企業において、納税業務の中心となるのは、まぎれもない経営者であります。 結局経営者が複雑な企業税制の間隙をぬい、高すぎる法人税から逃れるために如何に節税対策を行うかということに1カ月以上もの時間が割かれることになるのです。 その結果、高すぎる法人税が不正直な申告を企業に強い、更に中小企業の営業の要となるべき経営者が長期間税務に忙殺されることで経済全体に大きな潜在的売り上げ損失を生み出し、法人税収を悪化させていると考えられます。 ◆賃金アップを図りたければ、法人税を大幅に減税せよ! 実際に、安倍首相も消費増税と同時に、法人税の引き下げを図りたかったようですが、政権内外からの反発によって断念した経緯があります。 財務省は巧妙な交渉術で、復興特別法人税の廃止だけで済ませ、安倍首相に法人税実効税率の引き下げをあきらめさせています。 また政権与党である公明党山口代表も「消費税で負担を求め、法人の負担だけ軽くして、国民の理解を得るのは難しい」(20日)と記者団に述べるなど、法人税の減税に後ろ向きでした。 しかしながら、消費増税を行いながら、企業への賃金アップを求めるのはまさに大きな矛盾であります。企業への賃金アップを促すならば、企業経営を劇的に楽にさせる法人税の大幅減税に踏み込むべきなのです。 幸福実現党は、消費増税にもめげることなく、「安い税金」の実現に邁進して参ります。安倍首相には、勇気をもって法人税減税を訴えて頂きたいと切に願います。(文責:HS政経塾1期生 城取良太) メガバンクはリスクをとって日本の未来を創造せよ!~祝・最終回、ドラマ「半沢直樹」から見るメガバンクの実態~ 2013.09.21 ◆ドラマ「半沢直樹」から垣間見る銀行の姿 「やられたらやり返す、倍返しだ!」 このセリフと共に驚異的なヒットを続け、瞬間視聴率40%を超えたと言われるドラマ「半沢直樹(TBS日曜21時~)」もいよいよ大詰めとなり、22日(日)で最終回を迎えます。 内容はご存知の通り、バブル期にメガバンク(三菱東京UFJ銀行がモデルだといわれる)に入社した主人公・半沢直樹が、銀行上層部の不正や金融庁の圧力と戦いながら、志ある経営者に対しては絶対に筋を通す、型破り且つ誠実な銀行家(バンカー)として描かれています。 現役のメガバンクの行員などからも「描写にリアリティーがある」と評判になっているそうです。 まさに今、安倍政権が行っている異次元の金融緩和が日本の経済成長につながるか否か、日本経済のエンジンであるべきメガバンクの活躍にかかっているのは確かです。 しかし、別の観点からドラマを見ると、バブル崩壊の原因を作ってきたにもかかわらず、変革できておらず、むしろ退化しているメガバンクの姿が垣間見えてきます。 ◆「リスクを取らない人材」を生み出す極端な減点人事 第一には、相変わらず硬直的な人事制度が、銀行内部から活力を奪っている点です。 「ミスは許されず、一度失敗すれば敗者復活はない。評価は徹底した減点主義で役員まで出世できなければ、50歳前後で会社を追い出される(メガバンク行員)」と、実際に現場の銀行員が述べている通り、評価の主な基準が「ミスをしていないかどうか」となっているのです。 そして、銀行の人事評価で敗れた多くの銀行員たちは40代後半から50歳を過ぎる時期に、取引先や子会社に機械的に出向させられていきます。 出向先では年収は7~8割程度以下にダウンし、「出向は二度と銀行員に戻ることのない片道切符…」とドラマでも言われる通り、二度と本社に戻ることは出来ません。 このような徹底した「減点主義」による人事がバブル崩壊以降も続いており、合併による他行組との派閥争いも相まって組織を官僚化させ、バンカーに本来必要なリスクを取る力や創造性、チャレンジ精神を根こそぎ絶やしてしまっていると言えます。 ◆「金のなる木」を見分けられない「目利き能力」 更に、土地担保システムに代わる担保基準の見直しも出来ておらず、富を生み出す企業にお金を循環させる「目利き能力」に進歩がない点が挙げられます。 その「目利き能力」の源泉となるものは情報収集能力でありますが、それもバブル崩壊以前と比べても著しく低下しているのが現状です。 その理由の一つは、80年代後半以降「企業の銀行離れ」が進んできたことにあります。 特に業績を上げている大企業や優良企業などからの銀行への情報開示は圧倒的に少なくなっており、以前と比べると銀行は企業に出入りする業者の一つに過ぎなくなっています。 そして二つ目の理由としては、「銀行の企業離れ」も同時に進行してきたということです。 具体的には、内部管理の仕事が劇的に増えており、行内でのデスクワークに忙殺され、対顧客にかける時間は10年前の「3分の1程度」に減っているそうです(三菱東京UFJ銀行上席調査役)。 バブル前から比べての銀行の信用失墜と同時に、顧客と銀行側の人間同士の付き合い、接触時間も劇的に減少していることが情報収集能力の低下に繋がっていると言えます。 ◆未来の日本を担う中小企業の発見~育成こそがメガバンクの使命だ! その結果、銀行にとっての最大の使命であり、資産であるはずの中小企業向け(日本企業の99%)の融資が10年間で20兆円も減少している現実があります。 土地担保に代わる担保基準の発明も出来ておらず、相変わらず極端な減点主義がまかり通っているメガバンクにとって、金額が小さく、コストが高く、リスクが大きい中小企業向け融資を積極的に行う動機がないのも、一目瞭然でありましょう。 しかしながら、デフレ脱却やアベノミクスの成否は、「銀行融資が増えるかどうか」にかかっているため、政府や日銀は、融資拡大を強く求めている現状があります。 そのための一手が、先日発表された金融庁の銀行検査見直しであり、今までの金融庁独自の基準に基づいた画一的な銀行検査から、融資先が健全かどうかの判断の大部分を銀行に委ね、検査を大幅に緩和するというものでありました。 これによって、銀行はリスクが取りやすくなり、技術力はあるのに決算上は赤字になっている中小・ベンチャー企業などに対して、将来的な成長力や潜在力を元に運転資金や設備資金を融資しやすくなったのは事実です。 そもそも、「金融庁が必要かどうか」という別の問題もありますが、国のお膳立てを最大限に活かすためにも、メガバンクは長期的視点からみた企業育成に焦点を当てた「加点主義型」人事評価制度への見直しを行い、中小企業への融資がより積極的に行われる「人事改革」が必要であると考えます。 ◆メガバンクは今こそ古き良きバンカー精神から学べ! シュンペーターは「企業家(アントレプレナー)」と「銀行家(バンカー)」による異種結合によって産業革新(イノベーション)が起こると考えました。 残念ながら、今の日本にはバンカー不在という現実は否めませんが、過去を振り返ってみれば、安田善次郎や渋沢栄一といった明治日本の産業育成を一手に担った超一流のバンカーたちがいたことを忘れてはなりません。 そして本来は人材の宝庫であるはずのメガバンクから、将来的には雲霞の如く「本物のバンカー」が出てくることは間違いありません。 メガバンクには是非とも「眠れる偉大な起業家を育てる」という本来のバンカーの使命に立ち返って頂き、チャレンジ精神をもって世界中で富の創造に貢献して頂きたいと思います。 そしてバブル崩壊による「失われた20年間」を自らの手で帳消しにし、「10倍返し」の経済成長を日本人にもたらしてくれることを期待したいと思います。(文責:HS政経塾1期生城取良太) 南太平洋を中国による「新・植民地主義」から解放せよ! 2013.09.07 ◆島嶼国首脳会議における中国vs.日米豪 マーシャル諸島で開催されていた島嶼国首脳会議「太平洋諸島フォーラム(PIF)」が6日閉幕しました。 中国は太平洋上の島嶼国に対し、港湾整備支援を本格化させており、日米豪の防衛当局者は、将来的に中国海軍の拠点となる可能性が高いとして警戒を強めています。(9/4 読売3面) 最終日の6日に行われた「PIF域外国対話」でアメリカは気候変動対策や災害対策に対する支援を発表しました。 グアム基地と米太平洋軍司令部のあるハワイを結ぶシーレーンなど、南太平洋の海洋安全保障が国益に直結するアメリカは「オイルシーレーン防衛」に直結する日本に対して、島嶼国への支援強化を呼びかけています。 ◆加速する中国の南太平洋進出 アフリカへの進出と同じく、インフラ投資などの手口で、中国は南太平洋諸国への影響力を拡大し続けています。(参照:4/25 HRPニュース「日本の強みを活かしたアフリカ外交を!」) 具体的には、トンガでは1982年のサイクロンで壊れたままの埠頭を中国が低利融資によって軍艦艇が入港できるよう港湾を修繕しました。 港湾だけでなく、道路や中心街、王宮の改修にも中国の援助が注ぎ込まれており、ここ5年間で借款は合わせて約109億円相当に上っています。 国際通貨基金(IMF)によると、借款総額はトンガのGDPの約3割を占め、「中国は援助を通じてトンガを抱き込み、この埠頭を将来、軍艦の活動拠点とする可能性がある」と指摘する声もあります。 また、南太平洋諸国の中心的存在、パプアニューギニアへも71億円相当の低利借款供与が決定されており、中国による漁港の拡張工事などが各地で展開されています。 更に今年に入って、パプアニューギニアの国防軍に対しても無償で資金援助を行うことを発表し、装甲車や兵員輸送車などを供与する予定であると言われています。 ◆南太平洋諸国とオーストラリアとの軋轢 このように中国と南太平洋諸国が蜜月の関係を構築する背景には、微妙になりつつある南太平洋諸国とオーストラリアとの関係が挙げられます。 元々、南太平洋地域はオーストラリアが主体的に管理し、ニュージランドがそれを支えるという体制が維持されてきました。 しかし、かつてオーストラリアの植民地下にあった南太平洋諸国では「白豪主義」などへの反発が根強く、そこに中国が「植民地解放の英雄」を気取って入り込み、「脱豪主義」が進行している状況にあります。 反オーストラリアの急先鋒であるフィジーでは、中国だけを念頭においた「ルックノース政策」を掲げており、軍事的にも、経済的にも中国と急速に近づき、援助額は以前の150倍にも上っています。 2010年には習近平もフィジーを訪問し、オーストラリア政府に大きなショックを与えたのも記憶に新しいところです。 ◆中国の狙いは「第二の真珠の首飾り」 中国の南太平洋への進出の狙いは大きく二つあるといって良いでしょう。 一つは、パプアニューギニアを中心に存在する銅や金、天然ガスなど膨大な資源権益、もう一つは、アメリカやオーストラリアが握ってきた南太平洋の海洋権益であります。 既に中国はインド洋沿岸のスリランカやパキスタンなどで港湾整備を支援し、インドを取り巻く「真珠の首飾り」作戦を展開しています。 と同時に、中国は南太平洋海域を中心に、アメリカとの有事を視野に入れた「第二の真珠の首飾り」作戦に取り掛かっているのです。 この南太平洋が中国の手に落ちれば、アメリカの安全保障に重大な支障をきたすのはもちろん、日本にとっても「マラッカ海峡ルート」の有力な代替ルートである「ロンボク-マカッサル海峡ルート」を封鎖される恐れがあり、日本の兵站は絶体絶命の状況に陥るということを知らなければなりません。 ◆存在感の薄い日本、尊敬される戦前の日本軍人 そのような中、日本は南太平洋において存在感を示すことが未だにできていません。 国内では財政規律主義が横行し、政府開発援助(ODA)が頭打ちとなるなか、中国に押され気味となっております。また、日本は戦前の反省からか、オーストラリアの顔色をうかがい、南太平洋への本格的進出に踏み切れないでいます。 しかしながら、この南太平洋諸国は総じて「親日的」であり、特に大東亜戦争で最も過酷な戦域と言われたパプアニューギニアでは、規律正しく、教育熱心で、現地の人々と目線を同じくした日本の軍人に敬意を表し続け、「大の親日国」であるのです。 『日本の南洋戦略 ―南太平洋で始まった新たなる〈戦争〉の行方』(丸谷元人著、 ハート出版)には、彼らの日本人に対する感想が以下のように紹介されています。 「日本が戦争に勝っていてくれていれば、我々はここまで苦しむことはなかった。もっと発展していたはずだ。…しかしここは違う。白人によって引き続き搾取されただけだ。」 「日本軍はこの村を去る時、『自分たちはいつか必ず帰ってくる』と言った。以来、我々はずっとその帰りを待っている。いったい、日本軍はいつ帰ってくるのか…日本人は必ず約束を守るはずだ。」 ◆日本こそが「植民地からの真の解放者」たれ! 今こそ日本はその約束を果たすべき時が来ています。 「植民地主義からの真の解放者、ニッポンが帰ってきた!」 この事実が南太平洋諸国民にどれだけの勇気と希望を与えるのか、その為にも我々の先人たちがはるか南方で積んできた遺徳に深謝し、日本人としての誇りを取り戻し、自虐的な歴史観を一掃することが求められます。 そして、進行する中国の覇権主義に対しては、尖閣諸島のような「点」や、第一、第二列島線といった「線」を超えた、中東やアフリカ、南太平洋など全体を俯瞰していく「面」で考える日本の外交・安全保障政策が求められます。 更に植民地支配の悪弊が消えない現地に対しては、財政規律路線を捨て、積極的投資による経済外交を行い、彼らの未来の発展と繁栄の土壌を創りだすことが必要なのです。(文責・HS政経塾1期生、山形開拓支部長 城取良太) 日本は大きなビジョンを持ってTPP交渉に臨むべし! 2013.08.24 ◆TPPの本格的交渉が始まる 日本やアメリカなど12カ国が参加する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の閣僚会合が23日、ブルネイで閉幕し、「年内妥結に向け、交渉を加速する」という共同声明が出されました。 ここから月末まで事務レベルでの協議が本格化しますが、各国の利害が一致しない知的財産や農産品、工業製品に関する関税撤廃など、3分野における協議を前進させられるかが焦点となります。 7月のマレーシア会合から途中参加した日本にとって、初めて全日程に加わる本格的な交渉となります。 交渉参加が遅れた日本に対する風当たりは強く、日本にとって厳しい交渉が待っていることは間違いありません。 ◆自民党内で揺れるTPPへの思惑 安倍政権はTPP参加を推進していますが、そもそも政権与党である自民党の中には未だにTPP参加に対して慎重派や反対派の議員が多いのも事実です。 ブルネイでの交渉が始まる前の20日、自民党本部で開かれた「TPP交渉における国益を守り抜く会」の会合には約50名の自民党議員が出席し、交渉内容が開示されないTPPに対して、「情報がない中で議論しろというのか」(上杉光弘元自治相)などといった怒りや嘆きの声、批判が相次いだそうです。 この「国益を守る会」は、もともと「TPP参加の即時撤回を求める会」が前身で、安倍首相の交渉参加表明を受け、3月に名称変更した経緯があります。 今月6日の会合では、会員が240人から参院選を経て256人になったと報告され、衆参党所属議員410人の約6割に上り、「監視役」として影響力を強めるため、さらに会員を増やす方針にあるとのことです。 ◆TPP慎重派が多い理由(1)―選挙対策と実際の政権運営の乖離 野党はともかくとして、なぜ与党内にもこれほどまでにTPPへの慎重派、反対派が多いのか。 一つには既得権益の「聖域」を守ろうとする政治家が多すぎる点が挙げられます。 代表的な事例としては、TPP参加で国内農業が崩壊するという農業界を中心とした主張に迎合する農村地域選出の政治家の姿であります。 現に農水省が2010年11月に公表した試算では、TPP参加によって現在10兆円の農林水産業の生産額が4兆5000億円まで半減し、現在40%の食料自給率は13%まで低下するという悲観的な試算が出されており、それを真に受けた農協を中心に「TPP断固反対」の旗を掲げています。 そうした農協からの選挙で応援を得るために、昨年の衆院選で「聖域なき関税撤廃を前提にする交渉参加に反対」と訴え、参院選でも「守るべきものは守る」と公約に盛り込み、農村票を納得させてきた経緯があります。 このように、情報開示もなくTPP交渉が政府主導で進んでいく実際の政権運営と、「このままでは地元に説明がつかない」という選挙対策の狭間に立たされているポピュリズム政党の矛盾が垣間見れます。 ◆TPP慎重派が多い理由(2)―根強いアメリカ陰謀論 また、TPPを通じてアメリカがアジア太平洋地域で好き勝手にやろうとしているというような「アメリカ陰謀論」がTPP慎重派の議員らの中で根強いことも挙げられます。 確かにアメリカがTPPを通じてアジアへの輸出拡大を目指しており、その背景にはオバマ政権は来年秋の中間選挙を控え、オバマ政権の公約である輸出倍増計画の達成に向けた実績としてアピールしたい思惑があることも事実です。 こうした「アメリカ陰謀論」を唱える人は1989年~90年の日米構造協議などで日本に高圧的な要求を突きつけたアメリカの姿勢が記憶に残っている人も多く、特に国防強化や正しい歴史認識の重要性を訴える保守系の言論人が非常に多いことも特筆すべき点です。 以上のように、TPPを取り巻く環境はまだ不安定であり、今後の交渉次第で、野党のみならず政権与党内からも反発が強まり、TPP交渉自体がとん挫する危険性があることを知らねばなりません。 ◆「経済成長」+「国防強化」を一挙に推し進めるTPP 一方、幸福実現党は経済的観点、更に安全保障的観点という両面から見てTPPへの参加は必要不可欠であると一貫して訴えてきました。 経済成長の観点で見ても、関税撤廃の効果のみで10年後のGDPを2.7兆円押し上げる効果があると言われておりますが、それ以外の効果も含めれば、その試算を遥かに超えた経済効果が短期的に現れてくるはずです。 反対意見の強い農業においても、TPP参加による農業崩壊はあり得ません。 関税はすぐに撤廃されるわけではなく、その移行期間に日本が持つ世界トップクラスの農業技術力を活かして、農業を本格的に成長産業に変え、「金のなる木」に変えていくことだってできます。 また、日本の歴史認識を巡って米中が接近するような構図も出来ていますが、TPPに関しては「中国覇権主義に対する包囲網」であるという意味合いは原則変わっておらず、日本の国益に大きく資する点を忘れてはなりません。 更に「アメリカ陰謀論」への反駁として付け加えれば、二国間であると国力の差が交渉力の差に繋がってしまいますが、逆にTPPのような多国間交渉になれば、日本にとって交渉余地が大きくなります。 なぜなら、アメリカ以外の参加国と利害が一致すれば、対アメリカで連携して交渉に臨むことが可能となるからです。 アメリカの要求を抑制するためにも、多国間の枠組みが有効なのです。 ◆TPPは日本が世界のリーダー国家となるための登竜門 最後に、日本政府には「聖域を守ること」をもって「国益」と呼ぶのかという点を今一度考えて頂きたいと思います。 「聖域を守れるかどうか」という小さな目的達成のためではなく、「TPPへの参加を通じて、日本の新しい未来を創る」という大きなビジョンで交渉に臨んで頂きたいと思います。 TPPに参加する他のアジアやオセアニア諸国と自由貿易という枠組みで良好なパートナーシップを育み、相手国を成長させながら、共に発展していくという理想を描くことこそ、日本が将来世界のリーダー国家への道を歩むために必要なことだからです。(文責・幸福実現党山形県本部 城取良太) 「メタンハイドレート革命」でエネルギー自給の道を創れ! 2013.08.10 ◆エネルギー自給は日本の長年の課題 日本が近代化する過程で抱え続ける未解決の課題、それが「エネルギー資源の自給」です。 戦前、産業発展によって強国化する日本を恐れたアメリカが、石油の対日禁輸等の措置を取り、日本は「自衛」のために戦争に追い込まれた―― これこそが「欧米の植民地主義からのアジア解放」という目的と共に、大東亜戦争開戦の背景にあります。 現在も、中国が南シナ海の実効支配を着々と進めており、いつシーレーンが分断され、日本の石油輸入が断たれるか、予断を許さない状況です。 しかしながら、日本は相も変わらず、エネルギー資源のほとんどを他国からの輸入に依存し続けているのが現状です。 ◆メタンハイドレートとは? そんな中、日本にエネルギー革命をおこすと言われる「メタンハイドレート」が近年、脚光を浴びています。 「メタンハイドレート」とは、「燃える氷」と呼ばれ、天然ガスの主成分であるメタンガス(メタン分子)を水分子が低温・高圧状態で結晶化したものを指します。 水とメタンを分解すれば、今すぐ天然ガス火力発電所で燃やして発電することができ、また都市ガスとして各家庭で使うことも出来ます。 日本の周辺海域で既に天然ガス国内消費量の100年分以上はあるだろうと言われています。 自給体制が整えば、現在のように輸出国の言い値で資源を輸入し、高い電気代やガス代を払う必要がなくなります。 電気・ガスのコストが格段に安くなることで日本経済を下支えし、更に日本が天然ガスの輸出国になることも夢ではありません。 ◆探査が進むメタンハイドレート 実際、太平洋側を中心にメタンハイドレートの実用化に向けた探査が着々と進んでいます。 2013年3月には、愛知県沖の南海トラフ海域において、海底下の地層の圧力を下げ、メタンガスを水から分離して取り出す「減圧法」によって産出試験が成功。世界初の快挙となりました。(8/7 フジサンケイビジネスアイ) 一方、日本海側でも2013~15年度に海底調査が計画されており、7月まで新潟県、石川県沖合の2カ所の海域で音波を使って水深500~2000メートルの海底を探査し、資源量などの調査が行われています。(8/8 建設工業新聞) また、今まで発見されている場所以外にも、メタンハイドレートは日本海海域全体に存在する可能性が高く、「日本海側のメタンハイドレートこそが日本にとって大きな希望となる」という説が近年、有力となっています。 ◆日本の希望――日本海側のメタンハイドレート 青山千春氏は著書『希望の現場メタンハイドレート』(ワニプラス)の中で、太平洋と日本海のメタンハイドレートの違いについて次のように述べています。 「太平洋側のメタンハイドレートは主に、深い海底の更にそこから300~700メートル掘っていって、ようやく見つかります。 しかもメタンハイドレートが分子レベルで砂とまじりあっている。当然、見つけにくく採りにくく、更に砂と分けるのにコストがかかる。」 「対照的に日本海側は主に、太平洋側よりずっと浅い海底にメタンハイドレートがそのまま露出しているか、せいぜい100m以内を掘れば存在し、純度90~99%の白い塊で存在しています。」 要するに、日本海側の方がコストは格段に安いということです。 更に日本海側は熱分解起原のメタンハイドレートであるため、地球が動いている以上、日々、新しく生成される可能性があります。 まさに「無尽蔵」に湧き上がる宝物が、日本海側の海底に膨大に眠っているのです。 ◆メタンハイドレート実用化を阻む大きな壁 しかし、日本海側のメタンハイドレート開発を阻む大きな壁が存在します。それは「既得権益」の壁であります。 2001年に組織された官民学共同のMH21が中心になって研究開発が進められています。 その研究対象である太平洋側に予算を付けたことで、その後、新たに確認された日本海のメタンハイドレートが有望であっても、MH21に関係する官僚や民間業者、学者等の既得権益が頑強に抵抗し、長年、進展を見せなかった経緯があると言われています。 実際に、太平洋側には今まで500億円を超える予算がついていますが、日本海側の開発には2013年に入ってようやく11億円の予算がついた状況です。 ◆実用化の道を拓く気概ある民間分野 一方で、日本の民間部門は、メタンハイドレートの実用化に向けて積極的です。 例えば、清水建設は日本海側と同じ表層型メタンハイドレートの採掘方法をロシアと共同開発しています。 また、大林組のプロジェクトチームは、メタンハイドレートと大陸棚を活用した「地底黄金郷建設構想」といった壮大な地下都市開発を首都圏沿岸部の大陸棚をモデルに本気で検討しています。(『俺たちに不可能はない』中経出版) ◆メタンハイドレートの本格実用化によって日本は大きく変わる! 民間には、メタンハイドレートの本格実用化に向けた大きな構想力と高い技術力が既にあります。 後は、日本政府がリーダーシップを取り、メタンハイドレート開発の領域で世界ナンバーワンを採る大きなビジョンで民間を主導する姿勢が必要です。 原発再稼働と共に、メタンハイドレートの本格実用化が早期に実現すれば、日本にとっては「鬼に金棒」であり、経済成長の大きな原動力となるでしょう。 「メタンハイドレート革命」は、日本を取り巻く外交・安全保障環境を劇的に変化させ、日本を「世界のリーダー国家」へと押し上げる推進力になります。 あとは政治家がどれだけ既得権益のしがらみにとらわれず、一刻も早くメタンハイドレートの開発を断行するかにかかっています。 しかし、現状、既得権益や官僚などのサボタージュ、日本のエネルギー自給を疎む海外の圧力等に、安倍自民党が絶えられるかどうか、はなはだ疑問を感じます。 今こそ、日本の国益のため、未来のために、しがらみにとらわれず、チャレンジしていく力が必要です!(文責・幸福実現党山形県本部 城取良太) 日本の強みを活かしたアフリカ外交を! 2013.04.25 日本と中国のアフリカ戦略の違い 若年層人口の急増、豊富な天然資源、計り知れぬ潜在力を持つアフリカ大陸は、世界中で大注目を浴びています。 しかし、日本人のアフリカに対する印象は「貧困」「飢餓」「紛争」といったイメージが未だに強く、距離的な遠さもあってか、官民ともに腰が重く、世界の潮流に乗り切れていません。 一方、中国は距離的な問題を超え、長年に渡ってアフリカ諸国に対し、積極的な資源外交を行ってきました。 中国は資源権益の見返りに、インフラ整備から大統領府や学校の建設までアフリカ諸国が求めるものを提供して来ました。 実際、アフリカ在住の日本人約5千人に対し、中国人は既に100万人に達しており、アフリカにある日本大使館は32カ国にあるのに対し、中国大使館は49カ国にあります。 また、中国の対外経済援助累計の半数近くがアフリカ向けで、いかに中国がアフリカ外交を重視しているかは明白です。(4/21 日経) 実際、習近平氏は国家主席に就任して間もなく、アフリカ3か国を歴訪し、今後3年で総額200億ドル(約2兆円)という大規模な借款の実施を表明しました。(4/14 日経) これは日英仏の対アフリカ政府開発援助(ODA)を大きく上回っており、対テロ関連支援を膨らませてきた米国に次ぐ規模です。 更に、中国企業を約30社も同行させ、複数の大型開発案件の契約締結の支援、港湾などインフラ整備や軍事技術の供与拡大などを目指し、アフリカでの存在感を高めることに必死です。 この一連の動きは、6月初旬、横浜で開催される「第5回アフリカ開発会議(TICAD)」を意識した、日本の対アフリカ外交への牽制的な動きとも言われています。(3/22 日経) TICADと日本の課題 TICADとは、Tokyo International Conferenceon African Developmentの略で、日本政府主導の下、アフリカ開発の貢献を主題として、1993年から5年に1回のペースで開催されており、今回で5回目の開催となります。 当初はアフリカ諸国からのTICADに対する期待感は非常に高かったのですが、日本企業のアフリカ進出を後押しする日本政府の具体的施策が欠如しており、回を経るごとにアフリカ側の期待感は冷めつつあります。 だからこそ、5年に1度しかない今回のTICADは、アフリカ側の失われた期待感を取り戻す絶好のチャンスです。 今回、安倍政権はTICADにおいて日本企業の投資を促す援助の強化を打ち出す方針を固めており、岸田外務大臣も、官民一体となってアフリカを支援する姿勢をアピールしていますが、この背景には財政事情からODAを増やすことが難しくなっていることがあります。 日本の常任理事国入りを阻んだ中国によるアフリカ票の取り込み こうした日中の対アフリカ外交の「差」が、日本の国益を大きく損なった出来事が、2005年の安保理改革で起こりました。 それはドイツ、インド、ブラジルとの4カ国(G4)と共に、悲願の常任理事国入りを目指した安保理改革においてです。 当時の町村外相が50カ国以上の大票田である「アフリカ票」の取り込みに力を注ぎましたが、中国がアフリカ諸国の切り崩しに動き、G4はアフリカ連合(AU)との連携に失敗。G4の安保理拡大決議案は国連総会で廃案となりました。 共同通信が入手したAUの報告書によると、中国は「もし中国と利害が反目するある国(日本)の常任理事国入りを支持すれば、アフリカを支持する中国の立場は変わるだろう」と脅迫めいた要請を続けていたそうです。 一方で、日本からは誰も政治家がアフリカ入りせず、過去のODA実績とアフリカ諸国の親日感情に油断をした日本政府の対応のまずさが指摘されています。 中国の世界戦略に対して、日本の強みを活かしたアフリカ外交を! 中国には極東のみならず、中東、アフリカに至るまでの世界視野での国家戦略があります。 暴発しつつある北朝鮮、混迷を極める中東やアフリカの背後には、中国の存在がある事実を受け止め、日本政府も長期的な視点から、中東やアフリカで「敵を減らし、味方を増やす」賢い外交を展開すべきです。 アフリカ外交で、日本政府が採るべき戦略の第一は「積極的なODA」です。 資源だけを調達し、製品を売り込む中国に対してはアフリカ内部からも批判が続出している今だからこそ、日本の産業力、技術力を強みとした大規模なODAによる「太っ腹外交」を展開すべきです。 第二に、日本人の安全を政府が守る姿勢を強固にすべきです。そのためには、自衛隊法を改正し、海外に駐在する日本人が、存分に世界で活躍できるように「安心感」を与えるべきです。 以上を踏まえ、日本政府は6月の第5回TICADでアフリカ諸国を歓喜させるような新機軸を打ち出すべきです。 5年に一度の大きなチャンスを逃さないよう、日本政府が常に世界視野での外交を展開していくことを切に願う次第です。(文責・山形県参議院選挙区代表 しろとり良太) 「アメリカVSイスラム圏を取り込んだ中国」の構図――日本の中東外交がカギを握る 2013.03.22 オバマ大統領のイスラエル訪問から分かること オバマ大統領は、就任後初めてイスラエルへ訪問しました。 第一次オバマ政権において、史上最も冷え込んだとされるアメリカ・イスラエル関係を修復し、混迷する中東外交の立て直しを図るためです。 今回の訪問はイスラエル国内では好意的に受け取られていますが、同時にパレスチナ側の反感を買うことになり、オバマ大統領が4年前から強い意欲を示してきた中東和平の困難さが浮き彫りになっています。 また、イスラエル側が最重要と考えるイランの核開発問題についても、具体的な提案などには踏み込まず、イラン攻撃の選択肢は排除しないイスラエル側に対して、あくまでも外交的解決を促す姿勢は崩していません。 そのオバマ大統領の慎重な姿勢に大きな影響を与えているのがイラク戦争です。 10年という節目を迎えての世論調査では、国民の過半数(53%)がイラク戦争は「過ち」だったと答え(アメリカ・ギャラップ社調べ)、シンクタンクなどの専門家筋でも「開戦はアメリカ史上最大の戦略的誤り」という論調が少なくありません。 その大きな理由は、戦死者約4500人、退役軍人への補償を含めた戦費209兆円(米・ブラウン大学調べ)といった甚大な損害であり、国内の厭戦気分を一層強めているからです。 アメリカの対話路線と不介入主義が世界を混乱に陥れている イラク戦争を反省材料とした「対話路線」と「軍事的な不介入」を旨としたオバマ大統領の中東外交は、「正義の実現」よりも「平和と安定」を優先しましたが、終わらないシリア内戦、止まらないイランの核開発、イスラム原理主義の台頭による反米勢力の増長などを引き起こし、結局中東の混迷は深くなっていく一方です。 これに対して、アメリカ国内でも「弱いアメリカが世界の混乱を招いている(アメリカ共和党綱領)」との懸念が広がっていますが、 「アメリカは賢明な方法で世界に関与する」と第2次オバマ政権のヘーゲル国防長官は、更なるアメリカの負担軽減と同盟国への役割分担を進める考えを強調しています。(3/20 毎日新聞) このようにアメリカの中東外交を見ると、一歩ずつ世界の警察官の座から降りていこうとするアメリカの姿が見えてきます。 覇権を狙う中国の中東外交、日本の「油乞い外交」 一方、世界第2の経済大国・中国は世界を視野に置いた中東外交を展開し、存在感を高めています。 ここ20年間の資源を中心とした経済外交は目覚ましく、湾岸産油国との貿易規模は2003年70億ドルから2008年には800億ドル超と、わずか5年で10倍以上増えています。 また、イラン、パキスタンなど反米国への武器移転、一部明らかになりつつあるイスラム過激派への武器供与など、「反欧米」を旗印とした中国とイスラム諸国の繋がりが強くなってきており、故サミュエル・ハンチントン教授が「文明の衝突」の中で述べた「儒教-イスラム・ネットワーク」が現実化しています。 このような中東をめぐる世界的な潮流の中で、日本の中東外交はどうあるべきなのでしょうか? 約83%(2012年1月~5月)という世界的にも高すぎる石油依存度が示す通り、中東=石油外交という見方がまだ根強く、アメリカ、中国と比較すると、日本の中東外交のスケールは小さすぎます。 日米同盟に足りない「世界的視野」と「双務性」 日本は、世界規模で本格的に外交戦略を考えるべき時が来ています。 中東を舞台にした「アメリカVSイスラム圏を取り込んだ中国」という構図を考えた時に、日本がまず取るべきは「日米同盟を基軸にした中東外交」です。 「日米はアジア地域のみならず、地球規模の課題で多くの利益を共有しており、引き続き協力的かつ建設的関係を追求する。」(2012/12 ベントレル報道部長) これは、第二次安倍内閣が発足した際に、アメリカ政府から出されたコメントで、アジアに限定されがちな日米同盟を中東などでの協力を呼びかけるものであるとも受け取れます。 実際に2001年の世界同時テロ以降、イラクやインド洋への自衛隊派遣がなされ、一時的に日米同盟がアジアから中東を含めたグローバルな地域へと拡大しましたが(「日米同盟再考」)、結局憲法9条が足かせとなり終了した経緯があります。 また、同盟が同じ義務を負う「双務的」な関係と定義するなら、日米同盟は「片務性」が強く、不完全なものです。 NATO条約、米韓条約、米比条約、米豪条約などはすべて双務条約であり、同盟国として求められる義務を果たしている点を見ると、日米同盟は物足りないと言わざるを得ないのです。 日本の強みを活かした中東外交で新しい日米同盟の姿を! あるべき日米同盟を実現していくためにも、憲法解釈による集団的自衛権、自衛隊法改正、そして憲法9条改正への一早いステップを考えるべきです。 そして国防費削減が迫られるアメリカをペルシャ湾やインド洋でのシーレーン防衛や紛争地域での治安維持などで自衛隊を積極的に運用できる体制を築くことです。 またイラクの先行きに関しても、経済支援や治安維持活動によって、健全な民主国家となるよう引き続きサポートをし、悲観的な見方が強まるアメリカに対して、「フセインの不正と圧政を終わらせ、多くの国民を解放したことは正義に適う」というイラク戦争への見解を、同盟国として示すことです。 日本はアメリカにはない中東での二つの強みがあります。 第一に、中東・イスラム圏の人々から歴史的にも、文化的にも尊敬され、「好かれている」という点です。 第二に、歴史的に「失点」がないという点です。 この二つの強みをフルに活かし、中東・イスラム諸国との関係強化によって、中国の影響力を薄め、「嫌われている」アメリカとの仲立ちしてあげることです。これは日本にしか出来ない役割です。 そして日本への信頼感、緊密性を飛躍的に高め、極東における防衛強化、円滑な自主防衛、更には核保有への道を拓く「外交カード」とすることです。 中東でアメリカが苦しんでいるいまこそ、日本にとっては新しい日米同盟の姿を提案する絶好のチャンスだと積極的に考えるべきです。(文責・HS政経塾第1期生、幸福実現党山形県参議院選挙区代表城取良太) NSC構想は日本の外交・安保を救うのか?――日本に不足している情報収集機能 2013.02.14 日本版NSCとは何か 本日2月15日(金)、政府は危機管理能力の向上に向け、「日本版NSC」創設のための有識者会議を発足させることになっております。 NSCとは、国家安全保障会議(National Security Council)の略で、アメリカなどで設置されている外交・安全保障政策の立案や調整などを行う機関であります。 会議のメンバーには、内閣官房参与を務める元外務事務次官の谷内正太郎氏や自衛隊トップの統合幕僚長を務めた折木良一氏、京都大学名誉教授の中西輝政氏ら10人が内定しています。(NHK総合大阪ニュース) さて、国家の意志決定において、最も重要なカギを握るのは「情報力」です。 しかし、先月アルジェリアで起こったイスラーム武装組織による人質事件では、情報が錯綜し、政府における情報機能の脆弱さを露呈しました。 また、1月30日に起こった中国海軍のレーダー照射に関しても、アメリカ政府が驚く程の情報伝達の遅れがあったと言われています。 「縦割り行政」が弱体化させる日本の情報機能 このように日本の情報機能が弱い要因の一つは、行政機関お得意の「縦割り」が挙げられます。 現状では、内閣情報調査室や外務省、防衛省、また警察・公安など複数部門がそれぞれの独自の情報網を持っており、各省庁が持っている情報は本来、内閣情報官が集約し、首相や官房長官に上げることになっています。 しかし、実際は官邸へ個別で報告したり、価値の高い機密情報ほどそれぞれの省庁で独占したりと、上手く首相官邸に情報が集約される仕組みが出来ていませんでした。 NSC構想とは、こうした省庁縦割りの弊害をなくし、各省庁の情報を集約・分析、一括することで、政府としての「情報力」を最大化する構想であり、実は第一次安倍政権下で設置を目指しながら、結局廃案となってしまった「肝いりの政策」なのです。 「敵を知り、己を知らば、百戦殆うからず」という孫子の有名な言葉が表す通り、まさにNSCのような情報集約・分析の枠組みが今日本政府に求められています。 日本に最も不足している対外的な情報収集能力 一方で、今までのNSC構想では情報の集約・分析に重きが置かれ、情報収集に関する抜本的改革に関する議論は活発ではないように思います。 思うに、今の日本政府に最も不足しているのは、対外的な「情報収集」の機能ではないでしょうか。 「外交官の最重要な任務の一つは情報の入手である。この目的を含め職業の目的の達成には不断の勉強、その為の人脈の構成、社交の努力が欠かせない。(『なぜ外務省はダメになったか』)」と戦後の日本外交を引っ張り、駐米大使も務めた故・村田良平氏も述べている通り、日本の在外公館などにおける現地での情報収集には疑問符が付きます。 結局、アルジェリアテロ事件で情報が錯そうしたのも、日本政府や現地の在外公館がほとんど独自情報を得られなかったことが原因であると言われております。 また、1月21日に行われた自民党の外交部会で警察庁出身の平澤勝栄衆院議員からは「日本政府は結局、イギリスから情報をもらった。なんでイギリス大使館で出来ることが日本で出来ないのか」と外務省の情報収集能力を疑問視する指摘が出ていたそうです。 「諜報活動ゼロ」の日本は世界の非常識 更に、スパイや諜報員というと、日本では映画やドラマの世界のように感じてしまいますが、現実として「大使館は秘密のスパイ組織(モーゲンソー著『国際政治』)」が世界の常識なのです。 比較的良好な関係にある両国の間においてすら、今なお、大使館内に接受国が盗聴器を仕掛けるといった諜報戦が水面下で繰り広げられている「国際社会の常識」を日本人は受け入れなければならないでしょう。(潮匡人著『常識としての軍事学』) 「現代外交の根本は、情報、とくに自国の対外政策を基礎づける秘密情報を集めるという機能の中にある」と地政学の大家・モーゲンソーも言っておりますが、具体的に、欧米各国には立派な対外的な諜報機関がすでにあります。 代表的な事例としては、アメリカのCIA(人員規模2万人、予算約4800億円)、イギリスのMI6(人員規模2500人、予算約450億円)、そしてフランスのDGSE(人員規模4400人、予算約675億円)などがあり、その他にもロシア、ドイツ、そしてイスラエルなどの諜報組織も規模、実績共に定評があります。 それに比べ、日本の対外的な諜報活動に関しては極めて限定的で、世界の大国というには恥ずかしいくらい、そうした機能を持っていないに等しい状況であります。 今こそ日本は、この混迷を極める国際情勢において、国民の皆さまを守り抜く「したたかな外交」を展開する上での、「したたかな情報戦略」を持たねばならないと確信しております。 是非とも安倍首相におかれましては、本日行われる予定の有識者会議においては、ぜひNSC創設をベースに、「情報収集機能を高めることが、いかに国を救うか」という点についてしっかりと議論して頂きたいと思います。 日本政府の情報収集能力に向けた具体的提言 そのための具体的提言として、以下に三点挙げたいと思います。 まず第一に大使館ラインでの各地元紙・テレビなどを通じた「公開情報」の情報収集能力の向上、また政府要人や現地キーマンとの人脈の構築強化が、情報収集強化の大前提であります。 そして第二には、アルジェリアでの反省を踏まえ、防衛駐在官の増員を図り、軍事関連の情報収集能力も向上させていくことであります。 更に第三に、諜報部門(ヒューミント)の本格的に創設によって、日本独自の「非公開情報(秘密情報)」の獲得を積極的に図っていくことであります。 何といっても、日本は「忍者」の国です。鎌倉時代から存在した諜報のプロ、「忍者」の伝統を活かして、CIAやMI6を優に凌ぐような世界一の諜報機関の創設を日本に目指すべきであると提言いたします。(文責・山形県参議院選挙区代表、HS政経塾第1期生 城取良太) 「ありがとう」と言える農政へ――自民党よ、肚をくくってカルマを刈り取れ! 2013.01.10 今、環太平洋連携協定(TPP)への参加交渉を巡って、自民党の政権運営に暗雲が立ち込めつつあります。 自民党は2012年の衆院選の公約として、「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、交渉参加に反対」の立場を取っていましたが、6日、自民党の高市政調会長は「交渉には参加しながら守るべき国益は守る、条件が合わなければ脱退する、という選択肢もゼロではない」と述べ、安倍首相が交渉参加に踏み切った場合は党として容認する可能性を示唆しました。 その一方で、自民党内のTPP反対派でつくる「TPP参加の即時撤回を求める会」の入会者が党所属議員378人の半数を超える195人に拡大しており、自民党内部からTPP参加推進を阻止しようという動きが活発化し、自民党が二分されています。(1/10 東京) TPPに関する一貫した幸福実現党の主張 TPPについて、幸福実現党は「TPP参加推進」という主張を一貫して行っております。その理由は大きく言って二つです。 一つ目としては、世界全体のGDP約40%もの規模を誇るTPPへの参加が日本経済発展への無限の可能性を拓くからです。 そして二つ目としては、TPPには「中国包囲網」という国防的側面が挙げられます。 幸福実現党・大川隆法総裁は「TPPとは、実は、『アメリカとアジアを経済的に結び、中国を外す作戦』であり、TPPの本質は『中国包囲網』なんです」(『ジョーズに勝った尖閣男』)と対談の中で語られている通り、自由主義や民主主義を掲げる国々を結集して中国に知的所有権の保護や人権重視などの規範の尊重を促す目的があると言えます。 以上のようにTPPへの参加は、今後の日本経済の発展と、中国の覇権主義に対抗するために、国防的にも必要不可欠な一手なのです。 大局的判断が求められる安倍首相 幸福実現党の「政策シンパ」である自民党の安倍首相も、もちろんTPP参加推進への明確な意図はありながら、現状では「国益に適う最善の道を求めていく」というあいまいな表現にとどまっています。 なぜなら、TPP参加によって既得権益を奪われる農協などの全国組織の票田を、次の参議院選において失うのが恐いためです。 しかし反面、国内の選挙対策を優先しそうな安倍政権に対して、アメリカ側は冷ややかで、安倍政権が強く望んでいる日米首脳会談の日程がなかなか決まらないのも、TPPに進展が見込めない首脳会談を敬遠しているという見方があることを忘れてはいけません。 また、10月にインドネシアで開かれるAPECでのTPP合意が全体の目標となっており、もし日本が交渉参加するならば、米議会の承認に90日間かかるため、どちらにしても参院選前のTPP参加表明が求められるのです。 安倍政権は「自分たちの票田を守るか」、それとも「日本の未来の繁栄を守るか」という選択を大局に立って、勇気を持ってTPP参加に一歩踏み出さなくてはなりません。 TPP参加に向けて自民党が果たすべき責任 と同時に、TPP参加への障害となっている既得権益自体を作りだしてきたのも、戦後自民党が行ってきた政治であったと認め、責任を負うべき時期が来ています。 とりわけTPP参加について、特に争点となる農業(特に稲作)においてでしょう。 自民党(特にTPPに反対している農林族議員)が集票のために行ってきた農政が、農家を過剰に保護しながらも、やる気を奪い、どれだけ農業(特に稲作)を衰退させてきたかについて有権者に対して正直になり、説明責任を果たすべきなのです。 まさに、自民党は「自分で蒔いた種は自分で刈り取る」という姿勢を持つべきです。 TPP参加によって発展する日本農業のビジョンを語れ! と同時に「TPP参加によってこそ、日本農業の更なる発展は実現できる!」という真実を有権者に伝え、安易なTPP反対論に対して、しっかり向き合って理解を促すべきです。 特にTPP反対派が最も懸念を示す「関税の即時えることも排除されているわけではありません。」と『TPP興国論』の著者である松田学氏も述べている通り、TPPに参加すると関税を即時撤撤廃」についても、「WTOの規定に準拠すると、TPPで関税を撤廃するのは10年後まで猶予があると解されています。交渉次第では、10年を超廃しなくてはいけないかのような風説には嘘があるのです。 そして、どのように新しい日本農業を創りだしていくかというビジョンをしっかりと示すことです。 TPP参加に向けて自民党の見解を一致させよ 政策公約を平然と覆すような真のない政治は民主党までで十分です。 「国益」の観点からTPPには参加するしかない安倍政権は、自民党候補でありながら集票のためにTPP反対を訴え、後でなし崩し的にTPP賛成へと身を移すような嘘つき議員を国会に送りこんではいけません。 もし、TPP賛成を堂々と訴える勇気ある候補者が見つからないのならば、TPPはもちろん、安倍政権と足並みの揃う幸福実現党の候補者を推薦候補にするというオプションを、安倍総理にご提案したいと思います。 幸福実現党は、今年7月の参議院選挙に向けてTPP問題について、今までの農政に振り回されてきた農家の方々の苦しみをまず受け止めます。 そしてTPP参加によって日本の農業の明るい未来を拓くことができると誠心誠意伝え続けて参ります。「ありがとう」と言える農政へ。(HS政経塾 第1期生 城取良太) すべてを表示する « Previous 1 … 3 4 5 6 Next »