Home/ 釈 量子 釈 量子 執筆者:釈 量子 幸福実現党党首 プーチンは侵略者なのか?マスコミが報じないウクライナ危機の真相【第1回】 2022.02.13 https://youtu.be/A4E221cNSRY (2月8日収録) 幸福実現党党首 釈量子 緊迫化しているウクライナ情勢をきっかけに、いま米露対立の危機は、冷戦以降、最高に高まっています。 今回は、日本の安全保障にも係わる非常に重要なテーマと考え、マスコミも報じないウクライナ情勢を紐解きながら、その上で日本はどうすべきかについて、3回に分けて論じて参ります。 ◆米露対立の危機 ロシアがウクライナとの国境付近に10万人とも12万人とも言われる軍隊を駐留させましたが、アメリカは、「もしウクライナが攻撃された場合には「前例のない」制裁を科す」とロシアに通告し、バイデン大統領の指示で、東欧に3000人規模の軍隊を派遣することを決めました。 日本のメディアは欧米メディアを後追いしてか、もっぱらプーチン氏を「侵略者」のように報道しています。 今回は、プーチン大統領の言い分には正当性があるのかないのか、バイデン氏の判断に乗ってしまうことはどうなのかを考えます。 ◆プーチン大統領「軍事作戦を取りたくはない」 まず、事実関係を見ておきます。 昨年10月ごろから、ロシアがウクライナ国境沿いに軍隊を終結していました。 プーチン大統領は、年末恒例の記者会見で、ウクライナを侵攻に関する記者の質問に対して、「向こう(西側)が我々の国境に迫ったのだ!」と激しく否定しました。 プーチン大統領は、「アメリカやイギリスの国境に(ロシアが)迫っているのではない」そして、1990年代以降、相次ぐ「東方拡大」がロシアに脅威を与えてきた」のだと批判したわけです。 プーチン大統領は「ボールはコートのそちら側(NATOの側)にある」「何らかの返答を行うべきだ」と話しています。そしてプーチン大統領は、「軍事作戦を取りたくはない」とも発言しました。 しかし、ホワイトハウスは、ロシアが提示したNATOへの要求への返答を拒否し、プーチン大統領は「ロシアの主要な懸念は無視された」と、強い不満を述べました。 そこで、プーチン大統領の主張を見てみましょう。 (1)プーチンの主張:「NATOの東方不拡大」 ◆大戦後、NATO加盟国が東方に拡大 一点目は、プーチン氏の「NATOの東方不拡大」を求める主張です。 NATOとは「北大西洋条約機構」の略称であり、現在、北米や欧州諸国の30カ国が加盟しています。 第二次大戦後、ソ連や東側諸国を仮想敵国として創設された「軍事同盟」であり、加盟国が攻撃されたら、他の加盟国には参戦する義務が発生します。 1949年の創設時、加盟国は12カ国でしたが、米ソ冷戦中には、ギリシャ、トルコ、西ドイツ、スペインが加盟し、16カ国になりました。 1989年にベルリンの壁が崩壊して、1990年に統一ドイツがNATOに加盟します。 その後、東欧の国々が民主化を果たし、1991年の「ワルシャワ条約機構」解体、ソビエト連邦の崩壊もあって、一気に加盟国が増加しました。 これを、「NATOの東方拡大」と言います。 ◆「NATOは東方に拡大しない」という約束 これに対して、プーチン氏が「NATOの東方不拡大」を主張しているのには、根拠があります。 冷戦後、東西ドイツが統一されるにあたり、東西両陣営の間で「NATOは東方に拡大しない」という約束をしたというのです。 「にもかかわらず、一方的に反故にされた」と、これをプーチン氏は繰り返し主張しています。ベルリンの壁に変わる、新たな分断線を作っているのはNATOだという話です。 このプーチン氏の主張を裏付けるのが、1990年2月、ソ連のゴルバチョフソ連書記長と、アメリカのベーカー国務長官との会談です。 当時、西ドイツはNATOの加盟国でしたが、東ドイツは加盟していませんでした。 ベーカー国務長官や西ドイツのコール首相は「東西ドイツを併せた『統一ドイツ』がNATO加盟国として止まれるなら、NATO軍は1インチたりとも東方に拡大することはないとゴルバチョフ氏に話しています。 これがプーチン氏の主張の根拠になっています。 ◆NATOの言い分 これに対して、NATOの言い分は違います。 2014年4月に「当時の東方とは、東ドイツを意味しているのであって、東欧諸国にNATO加盟国を拡大するかどうかを議論した覚えはない」と発表し、ロシアの主張を否定しました。 現在のアメリカのスタンスは、この公式発表を踏襲しています。 このように、両者の見解が分かれていますが、東西ドイツ統一の偉業を成し遂げるために、ソ連の了承を得るために、ゴルバチョフ氏と「口約束」をした可能性は否定できません。 ゴルバチョフ氏は「約束があった」と言い、プーチン大統領は、ゴルバチョフ氏が、この時の約束を文書化しなかったことを今でも大変後悔しています。 なお、ドイツの『シュピーゲル』誌は、詳細な調査を踏まえ、事実上約束があったとの見解を出しています。 また、1993年エリツィン大統領と、アメリカのクリストファー国務長官会談の際に、クリストファー長官が「東欧諸国のNATO加盟は認めない」と言って、翌年、クリントン大統領が手のひらを返して「NATO拡大」の考えをエリツィンに伝えてきたことがありました。 ◆ロシアがウクライナを譲れない理由 エリツィンは「NATO加盟国をロシアの国境まで広げることは重大な間違い」と強く主張し、NATO加盟国との間に緩衝地帯を確保することは「譲れない一線」だとしました。 こういうところも、今に続くロシアの不信感につながっているところです。 ロシアの歴史の中で、ナポレオンやヒトラーがロシアに攻めてきた時、豪雪と凍結をもたらす「冬将軍」が敵国から守ったのは有名な話ですが、勝てたのはウクライナという緩衝地帯があったからです。 ウクライナはNATO加盟国であるポーランドやルーマニアとロシアの間に位置しています。 もしウクライナがNATOに加盟したら、モスクワからわずか870キロのキエフに敵軍が布陣することが可能になり、戦車でも片道10日ほどで到着でき、容易にモスクワを攻撃できるようになります。 ◆ウクライナのNATO加盟は「レッドライン」 緩衝地帯と不凍港を持つことは、ロシアの安全保障にとっては死活的なのだということを理解するべきでしょう。 昨年12月、プーチン大統領は「ウクライナにNATOのミサイルが配備されたら、モスクワを数分以内に攻撃できるので、これは容認できない。ウクライナはロシアへの玄関口だ」と話しています。 ロシアは安全保障上、ウクライナのNATO加盟を「レッドライン」と見て、警戒しているわけです。 そもそもソ連が崩壊したので、ロシアはもはやNATOの敵ではありません。それなのになぜロシアを排除した政治軍事同盟が必要なのか?と問うているわけです。 こうした過去の経緯を見ると、プーチン大統領が「NATOの東方不拡大」を主張し、拘束力を持った正式な条約を文書として残したいと固執することは、理解はできます。 (第2回に、つづく) 【ウイグル人権決議】当初案骨抜きの裏側 2022.02.10 https://youtu.be/XdpJfSF950Y 幸福実現党党首 釈量子 ◆2度も見送られた非難決議 今回は、2月1日、衆院本会議で採択された「人権問題に関する決議」についてです。 中国が、ウイグル、チベット、南モンゴル、そして香港などで行っている人権弾圧について、世界中から非難が高まっています。 日本でも昨年6月、国会において中国に対する非難決議を採択する動きがありましたが見送られました。自民党内に連立を組む公明党への配慮があったとされています。 また、昨年12月にも、自民党の茂木幹事長が「日本政府の北京冬季五輪対応が表明されていない現時点では望ましくない」として、党内の足並みがそろわないという理由で見送られました。 ◆骨抜きにされた決議案 このように2度も見送られ、今回ようやく採択に至ったわけですが、その中身は当初予定されていたような「非難決議」とは程遠いものでした。 まず、人権弾圧への当事者国である「中国」への名指しがありません。昨年6月段階の決議案にも「中国」という文言はありませんでした。 主語を明確にせず、責任の所在を問わず、「人権侵害」が「人権状況」という表現となり、「非難」の言葉も削られ、国会が示すべき意思が完全に骨抜きにされました。 しかも本文中には、「弾圧を受けていると訴える人々」という「弾圧は事実かどうか分からないが、そのように訴える人がいる」という、まったくの他人事です。 さらには「深刻な人権状況について、国際社会が納得するような形で説明責任を果たすよう、強く求める」とありますが、誰に求めているのかは不明確なままです。 ◆価値観なき日本政治に未来はない 今回、日本は中国の行為に価値判断を示すことなく、お茶を濁すような決議を採択しました。 一方、アメリカ、カナダ、イギリスをはじめとする国々は、中国の行為を「ジェノサイド」と認定しています。 つまり、ナチス・ドイツのユダヤ人虐殺に匹敵する、あるいはそれを超える悪事であると、ハッキリと価値判断を示し、国の代表が中国に対して「非難」の意思を示しているのです。 なぜ日本はこれができないのか。一つの理由は経済的な問題です。中国には工場もあるし、従業員もいるために政治判断を逃げてきたからです。 さらには、極超音速ミサイルが登場し、中国そして、北朝鮮が世界を脅し、台湾や日本の沖縄も脅威にさらされています。 どこの国も安全保障戦略というものは、「何から、何を、何で、どうやって守るのか」という文脈で決定されます。 ナチス同然の脅威を非難もできないのであるならば、このミサイルを日本に向けていることに対して、どうやって日本を守るか論じることができるのでしょうか。 ◆人間の尊厳を踏みにじる暴挙を止める ここで幸福実現党は、ひとつ提案をさせていただいております。日本も普遍的な価値の体系に基づいて判断してはどうかということです。 幸福実現党は、「自由、民主、信仰」を政治の基本原則とし、国内外において独裁と専制を排除すべく努力すべきだと考えています。 そして、人間の尊厳の根拠は、神の子、仏の子としてつくられた存在であり、その尊厳が踏みにじることは、許されてはなりません。 この人間の尊厳を踏みにじるものを断じて許さないという強さは、信仰に基づく価値がなければ出てこないのではないとか思います。 中国で繰り広げられている悪魔の所業は、人権のレベルの問題ではなく人間の尊厳を踏みにじる暴挙です。 世界においては、中国と北朝鮮以外は何らかの信仰を持っているものです。そうした国々で、悪事をくい止めていかなければいけないと思います。 幸福実現党からは、この人権問題決議について、党声明「腰抜けの人権問題決議採択は日本の未来を誤らせる」を出しました。 また、引き続き、「中国共産党の人権弾圧行為をやめさせ、台湾と沖縄の防衛強化を求める署名」を全国で展開してまいります。 こうした活動を通じて、日本と世界の平和と繁栄を守って参ります。 ■党声明「腰抜けの人権問題決議採択は日本の未来を誤らせる」 https://info.hr-party.jp/press-release/2022/12404/ ■「中国共産党の人権弾圧行為をやめさせ、台湾と沖縄の防衛強化を求める署名」のお願い https://info.hr-party.jp/2021/12200/ 北朝鮮の極超音速ミサイルが日本に落ちたらどうなる?日本の国防は大丈夫?【後編】 2022.01.30 https://youtu.be/k5tUpg_euLc 幸福実現党党首 釈量子 ◆極超音速ミサイルの実験に失敗した米国 一方これに対して米国は、極超音速ミサイルの実験に2021年段階で失敗し、大きく出遅れてしまいました。 極超音速ミサイルは、極超音速に加速すると、空気とミサイルが摩擦を起こし、1000度以上の高温に達することで、電子機器が壊れ、ミサイルのコントロールが効かなくなる点などが、開発を困難にしています。 しかし、中国がどうやって、それを克服したのかは謎となっています。 いずれにしても、日本のミサイル防衛を根本から揺るがす事態が起きていることだけは間違いありません。 ◆「敵基地攻撃能力」は憲法違反ではない こうした事態を受けて、国会でも既に議論が交わされているのが「敵基地攻撃能力」です。 考え方は非常にシンプルで、ミサイルを迎撃できないなら、発射前にミサイルを打てないように敵基地を攻撃するしかない、ということです。 ちなみに、敵基地攻撃能力を持ったとしても直ちに憲法違反にはならず、必要最小限度の範囲であれば自衛手段として認められております。 これは日本だけの考え方ではなく、例えば、米国の国家安全保障戦略には「ミサイル防衛には敵基地攻撃能力も含む」と明記されています。 ◆中途半端な敵基地攻撃能力は最も危険!? 岸田首相は昨今の情勢を鑑みて、敵基地攻撃能力の必要性を訴え、国会において論戦が行われています。 ただ、「敵基地」といっても、北朝鮮が配備する弾道ミサイルは全て「車載移動式」であるため、攻撃したところで「もぬけの殻」という状況になってしまいます。 そのため防衛省では、ドローンの活用や、人工衛星によって電波を特定して攻撃することを考えていますが、叩く手段はなく、叩き漏らしたときの抑止力もありません。 最大の課題は、中途半端な敵基地攻撃能力を持つことで、かえって「核兵器」による反撃を招きかねないということです。 となると結局、核兵器に対しては、核で抑止力を持つことが不可欠であり、相手に攻撃を思いとどまらせるためには、本来は核保有について議論されなくてはならないはずです。 ◆新たな抑止力と防衛体制のかたち もっとも、地上に落とす広島・長崎型ではなく、電磁パルス(EMP)のように、パンと上空で爆発させることで電子機器を使えなくさせ、都市機能を麻痺させることを目的にするものでいいわけです。 日本を攻撃することによって、逆に「受け入れがたい被害」が敵国に生じるのであれば、これが十分に抑止力となります。 更に「ミサイルに対してミサイルで撃ち落とす」のではなく、日本独自の考え方として、電子戦と電磁波兵器による「電磁バリア」を築くべきだという指摘もあります。 例えば、言論チャンネルに多数ご出演頂いております用田和仁氏(元陸上自衛隊・西部方面総監)は、電磁波兵器がミサイルやドローンに内蔵されている電子機器を破壊すると提言しており、課題である電源の開発を急ぐために、早急に予算をつけるべきだと強く訴えていらっしゃいます。 ◆小手先の改革では何も変わらない 以上の通り、北朝鮮のミサイルと核について考えてきましたが、政府はいまだに「遺憾です」としか言えておりません。 また、未だに「二枚舌」というか、防衛白書を一つとってみても、北朝鮮については明確に「脅威」と書きながら、中国については、あくまで「懸念」という表現にとどまっています。(令和3年版『防衛白書』) しかし、北朝鮮よりも中国の方が明らかに軍事力は強大ですし、実際の自衛隊の配置も、中国を想定して、沖縄・南西諸島方面の防衛を強化しています。 コロナウィルスも「生物兵器」であると我々は考えており、「もう戦争は始まっている」という認識が必要だと考えます。 小手先の改革ではなく、国を護るということで、バシッと一本、精神棒を入れる必要があるのではないでしょうか。 ◆「自由・民主・信仰」に基づいた国家戦略を! 世界の正義と平和を構築するために、国家の基本原則として「自由・民主・信仰」という価値観が政治の基盤に必要だと考えます。 バイデン大統領が「民主主義国家 対 専制国家」といってロシアを中国に接近させてしまっていますが、プーチン大統領は元来、敬虔なロシア正教会の信仰者として、強い信仰心をお持ちです。 「自由・民主・信仰」を原則とする国々が手を結ぶべきです。 なぜなら、神を信じない国は、中国と北朝鮮ぐらいで、大抵の国は「信教の自由」を認めており、信仰を持たない国の独裁者に「遺憾です」といっても通じませんが、「神仏への信仰心を持つ国家 対 無神論・唯物論国家」の対立軸を構築できれば、勝てる可能性が出てくるのです。 また、「人権」「法の支配」という言葉もありますが、政治の上位概念にある「神への信仰」を認めなければ、その根拠というものは極めて甘いものになります。 北京五輪への外交的ボイコットや、ウイグルジェノサイドへの非難決議もできず、国防体制の構築もなかなか進みませんが、これは日本に精神的な柱が立っていないために、善悪の判別ができないことと無関係ではありません。 こうした観点から、日本の外交戦略を根本的に組み直し、国防も強化していくべきであると考えます。 日本は「武士道の国」として甦る必要があるのではないでしょうか。 北朝鮮の極超音速ミサイルが日本に落ちたらどうなる?日本の国防は大丈夫?【前編】 2022.01.29 https://youtu.be/k5tUpg_euLc 幸福実現党党首 釈量子 ◆2022年、頻発する北朝鮮ミサイル発射実験 今年に入って、北朝鮮は既に6回のミサイル発射実験を行っています。 1月5日、1発の極超音速ミサイル発射を皮切りに、14日には鉄道発射型イスカンデル、17日には北朝鮮版のエイタクムスを2発ずつ発射しています。 エイタクムスはもともと米国のミサイルで、今回のミサイルは大変酷似しており、韓国からの横流しではないかと囁かれています。 また今後、追加の核実験に踏み切る恐れも指摘されております。 ◆東京23区壊滅!? 衝撃の被害想定 ミサイルはあくまで運搬手段でありますが、ここに核を搭載したらどうなるのか。 こうした核攻撃の防衛に失敗するという最悪の事態をシミュレートしたNUKEMAP(ニュークマップ)というものがあり、これは中国の大陸間弾道弾「東風5号」が千代田区三番町に着弾した場合の被害を想定しています。 ※NUKEMAP(ニュークマップ)は、下記動画の映像よりご覧ください。 https://youtu.be/k5tUpg_euLc 風向き等、自然条件で変わるものですが、着弾する中心エリアは核爆発で生じた火球で蒸発してしまいます。 その外縁部は「爆風半径」と呼ばれ、大半の住宅が崩壊し、木造家屋の場合は圧死の可能性があると言われます。 さらに北はさいたま市、南は川崎市に至る範囲は「熱放射半径」と言い、皮膚や髪などを含めて木造の建築物が瞬時に燃え上がる恐れがある地域となります。 たった一発の核ミサイルで東京23区は壊滅し、死者は最大で約220万人、負傷者は437万人に上ると考えられています。 ◆極超音速ミサイルが日本の防衛体制を無力する? そのため、こうした核ミサイルが決して日本に落ちないように、これまでPAC-3やイージス艦を中心とするミサイル防衛のシステムを政府は構築してきたわけです。 しかし今、これを真っ向から揺るがす新しい兵器が登場しました。 それが、前述した「極超音速ミサイル」です。 今年に入ってからの北朝鮮のミサイル発射でも、6回中2回、1月5日、11日のものが極超音速ミサイルだったと言われています。 こうした極超音速ミサイルは、2兆円かけて作り上げた今までのミサイル防衛体制では迎撃できないと言われています。 ◆極超音速ミサイルは初代ウルトラマンより速く飛ぶ まず、極超音速ですが、「音の速さより極めて速い」ということで、具体的には音速の5倍以上になると極超音速と呼ばれるようになります。 このときに、「マッハ」という言葉がよく使われます。これは音速と比べて「どれくらいの速さなのか」を表したもので、マッハ1は音速と同じ速さで、マッハ5が音速の5倍の速さということになります。 ちなみに、初代ウルトラマンの飛行速度はマッハ5ですので、ウルトラマンより速く飛んでくるのがこの極超音速ミサイルになります。 野球の剛速球のように速度が上がれば上がるほど、迎撃は難しくなりますが、問題は、速さだけではありません。 ◆迎撃が極めて難しい極超音速ミサイル 通常のミサイルの軌道は放物線を描いて落下しますが、極超音速ミサイルは全く違った動きをとり、低い高度で、ものすごい速度で迫ってくるところに特徴があります。 通常のミサイルの場合、放物線を描くので落下地点を演算で出すことも比較的容易なのですが、極超音速ミサイルは軌道がくねくねと変動するので、動きが予想できず、迎撃が難しいのです。 例えば、発射段階では日本本土に落ちるのか、排他的経済水域(EEZ)に落ちるのか、それ以外に落ちるのかをミサイルの軌道だけで判断するのは難しいわけです。 さらに、1月11日に打ち上げたミサイルはもっと曲者で、縦方向の高度で動きを変えただけでなく、横の水平方向に200キロ以上方向を変えたと言われています。 例えば富士山より西側に向けて発射したように見せながら、最終的には東京を狙える、というようなことを意味します。 ◆イージス艦では撃ち落とせない!? 加えて、極超音速ミサイルは、発見と探知が格段に難しくなります。 地球は丸いのですが、ミサイルを探索するためのレーダーの電波はまっすぐにしか進まず、もっと言えば、こうした低空軌道のミサイルをイージス艦で迎撃することはできません。 なぜなら、イージス艦はミサイルが宇宙空間まで上がるタイミングで迎撃を行いますが、これは高い高度を飛んでいるミサイルにしか対応していません。 ですので、もし極超音速ミサイルが日本に飛んできた場合、早期の発見が難しく、イージス艦でも十分に迎撃できない可能性が濃厚となります。 PAC-3が限られた時間の中で、高速のミサイルを撃ち落とせるかどうか、非常に心許ない状況と言えるでしょう。 一昨年は陸上型のイージスシステムを配備するかどうかで大変揉めていましたが、わずか数年でその根本を揺るがす事態が起きているわけです。 ◆極超音速ミサイルを既に配備する中国 なお、脅威という意味では、北朝鮮以上に中国が深刻です。 北朝鮮は、極超音速ミサイルは実験の段階ですが、中国は既に、兵器として配備しています。 これについて、幸福実現党の大川隆法総裁は、1月9日に行われた「『秘密の法』講義」の中で、「中国と北朝鮮が、同時にマッハ5以上の超音速のミサイルができるわけがないので、そこが通じているということでしょう」と指摘されました。 中国と北朝鮮が裏でつながって、中国からの技術供与がなされ、北朝鮮が極超音速ミサイルの技術を着実に蓄積しているということについて、警戒感を高めるべきであると考えます。 なお、大川総裁は「中国はいざという時は北朝鮮を戦場にして」「北に撃たせまくるつもりで多分やっているのだろうと思います」という読みもされています。 (後編につづく) 北京五輪前に、やっぱり看過できないウイグル問題。中東イスラム諸国はなぜ沈黙するのか?【後編】 2022.01.14 https://youtu.be/0pCKwKCeZZA 幸福実現党党首 釈量子 ◆中東はなぜ沈黙するのか?そして同通するポイントとは? 【中編】で示したように、米国の同盟国を含めて、中東のイスラム教国がことごとく中国の軍門に下ったかのようになっていますが、共通するポイントは「チャイナマネー」です。 米トランプ前大統領のような強いリーダーが不在になり、米国の足元を見て、中国と付き合った方が明らかに得だと、値踏みをされているのは間違いないでしょう。 もう一つの共通する点は「人権思想」が欠けていることです。 イスラム教を土台にした強権的な社会体制は、元来「自由」「民主」といった欧米的な人権思想には反発心が強く、同じ人権問題で内政干渉されたくない中国と、見事に同通してしまいます。 更に言いにくいところではありますが、イスラムの商習慣の中には「嘘をついて騙してなんぼ」という日本人には理解しがたいメンタリティーがあると言われます。 ムスリム全てがそうではないのはもちろんですが、平気で嘘をつけるというのは、中国との隠れたもう一つの共通点かもしれません。 中国は、経済的に苦しい国々を「債務の罠」にかけていますが、「はなから中国からの巨額の債務を踏み倒すつもりで支援させている。中東イスラム諸国の方が一枚上手だ」という見方もあるかもしれません。 ◆ウイグル問題でどっちつかずの日本。どうすべきか? 中東と中国がつながることで世界の闇はますます深まりますが、こんな状況において日本はどうすべきでしょうか? まず中国と欧米諸国、どっちつかずのスタンスを捨て、明確な姿勢で欧米側に立つという「判断」をし、真正面からウイグル弾圧を非難すべきです。 幸福実現党創立者である大川隆法総裁は、昨年12月エル・カンターレ祭における御法話『地球を包む愛』で「お金で魂を売ってはいけない」と指摘、「なぜイスラム教の多いウイグルで、あれだけの強制収容所の苦しんでいる人たちがいるにもかかわらず、助けようとしないのか。」と激しく訴えました。 イランでは強硬派の大統領が誕生し、米国を舐め切って核開発を加速させている一方、イスラエルも更に強硬路線に立って、イランとの最終戦争に踏み切る可能性は否めません。 この点についても、大川総裁は「(中国への依存は)食べていくためには仕方ないと思うところもあります」としつつ、「核兵器をつくるのを、急ぐのをやめてください。つくったら、イクラと同じ運命が待っています。イスラエルとイランが核兵器もったら、生き残るのはイスラエルです。イランは無くなります。だから私の言葉を聴いて、踏みとどまってください、西洋化してください、民主化を入れてください、それが生き延びる道です。」と述べられました。 ◆中東イスラム諸国から中国を切り離し、欧米圏とつなぐことが日本の使命 そして、中国と中東イスラム教国の良からぬ関係を「分断」するのは、日本の役割でしょう。 「イスラム圏」の国々は大変親日的で、日本人の真面目さ、勤勉さ、誠実さ、その日本人が作り出す自動車や精密機器など、質の高い製品への信頼感は驚くほどです。 そして何より、日本の「武士道精神」によって、欧米の植民地支配を終わらせたことに深い敬意を抱いています。 信仰の同胞を虐殺しながら、お金で懐柔する中国に代わって、日本がイスラム圏の末永い発展を支えるような役割を果たすべきです。 そして、欧米キリスト教圏と中東イスラム教圏の懸け橋となって「つなぐ」ことこそ、世界宗教と渡り合えるような、宗教的・精神的文化を有する日本のみが果たしうる世界的な使命だと言えるでしょう。 幸福実現党は本年こそ、日本が「武士道の国」として蘇り、地球的正義を取り戻すために、世界に向けて大きな役割を果たすべき年として参りたいと思います。 北京五輪前に、やっぱり看過できないウイグル問題。中東イスラム諸国はなぜ沈黙するのか?【中編】 2022.01.13 https://youtu.be/0pCKwKCeZZA 幸福実現党党首 釈量子 今回は中東イスラム諸国を一つずつ、見ていきたいと思います。 ≪エジプトの事例≫ 長い歴史を持ち、人口も1億人を超え、アラブのリーダー国家とされるエジプトですが、2017年、ウイグル人イスラム教徒たちが一斉に逮捕され、約20人が中国に強制送還されるというショッキングな事件が起こりました。 多くは、イスラム教の名門アズハル大学の留学生で、ウイグル人が集まるレストランや家にエジプト治安当局が押しかけましたが、中国政府の要請で動いたとみられています。 背景にあるのは、習近平主席とシーシー大統領の「蜜月関係」です。 2014年12月、両首脳が両国関係を「包括的戦略的パートナーシップ」に格上げしてからは、カイロの「新行政首都」の建設や、スエズ運河経済特区への投資など、中国から莫大な投資を受け入れ、2015年からは合同軍事演習も行なっています。 元来、エジプトは米国の同盟国ですが、ここ10年、対米関係には隙間風が吹いています。 エジプトの立場から見ると、人権問題に敏感な欧米諸国と異なり、国内の政治情勢や人権侵害(特に女性)を融資の条件としない中国の方が、商売上、好都合なのかもしれません。 ≪サウジアラビア、UAEなど湾岸諸国の事例≫ ウイグル人と同じ「スンニ派」の盟主サウジアラビアが、沈黙を保っているのもおかしな話ではありますが、今、最大のビジネス相手国は中国です。 少し古いデータですが、サウジ国内において建設・電気通信・インフラ・石油化学分野など、140社以上の中国企業が事業を展開し、約2兆円相当と言われる莫大なチャイナマネーに魂を奪われた状況と言えます。 また、サウジアラビアをはじめ、UAE(アラブ首長国連邦)やカタールなどは、2019年国連人権理事会において提出された「ウイグルの人権弾圧に対する非難書簡」に対し、中国を擁護する立場に回っています。 こうした中東の小国は、国際社会の動きを敏感に察知しており、特に「バイデン大統領弱し」と見て、中国への傾斜はより鮮明になっています。 昨年11月には、UAEの首都アブダビの港で、中国が秘密裏に軍事基地を建設していたことが発覚しました。アメリカの介入で急遽中止となり、UAEは「軍事施設だとは知らなかった」と弁明しています。 その後12月半ばには、トランプ政権時に締結していたF35の購入計画を凍結されましたが、中国への情報漏洩を恐れた米国側が厳しい要件を付けたことに、UAEが反発したと言われています。 昨夏には、UAEドバイに中国の秘密拘置施設があり、複数のウイグル人が拘束されているとAP通信で報じられました。中東一開かれた観光都市であるはずのドバイのダークな一面が見えてきます。 ≪トルコの事例≫ 更に、ウイグルと信仰面でも、民族的にも同根のトルコですが、ウイグル弾圧に対しても、5万人のウイグル人を受け容れ、世界各地で発足されたウイグル人組織の先駆けにもなりました。 2009年には、エルドアン大統領はウイグル問題が「大量虐殺」に当たると批判し、中国との緊張が激化。2018年にもトルコ政府はウイグル弾圧を激しく批判しています。 しかし近年、エルドアン大統領の中国批判のトーンは急激に下がっています。 昨年3月、トルコ野党が「中国によるウイグル人に対するジェノサイド」と認定する決議案を国会に提出しましたが、エルドアン大統領率いる与党AKP(公正発展党)が反対、決議案を握りつぶしました。 最大の要因は経済的な問題でしょう。トルコリラの暴落など、経済的苦境が続くトルコが、新型コロナの拡大も相まって中国依存を深めました。 エルドアン大統領が中国製のワクチンを率先して打ち、中国へのすり寄りを国民に示した姿は、実に残念でなりません。 それ以外でも、中東における最大の親中国イランはもちろんのこと、南アジアのパキスタンなども、中国の悪行には目を瞑っています。 (後編に続く) 北京五輪前に、やっぱり看過できないウイグル問題。中東イスラム諸国はなぜ沈黙するのか?【前編】 2022.01.12 https://youtu.be/0pCKwKCeZZA 幸福実現党党首 釈量子 ◆昨年末、英米で大きく動き始めた「ウイグル問題」 2月の北京五輪あと少しとなりました。その前に、開催国・中国に対して、断じて譲れない問題として、改めて注目されているのが「ウイグル問題」です。 ご存じの通り、新疆ウイグル自治区で強制収容所に入れられたウイグル人は、2017年から19年の2年間で少なくとも300万人と推計されています。 昨年末からこの問題がまた大きく動き始めて、英国では12月初旬、非政府組織「ウイグル・トリビューナル」が、ウイグルにおいて、強制収容や強制労働、大規模な不妊手術など、苛烈な人権侵害が行われていることが記された「新疆文書」を世界にリークしました。 内容としては、2014年から17年の間に、習近平国家主席や、他の共産党幹部が、新疆ウイグル自治区に関して行った最高機密レベルの演説が含まれており、今ウイグルで行われている強制的な同化政策の方向性を決定づけたとする、極めて重大な内容だとされています。 文書を公表した団体は、ウイグル族やカザフ族に対するジェノサイド、すなわち民族大量虐殺が日常的に行われており、習近平国家主席の重大な責任を国際社会に訴えています。 これに対して、中国は「新疆での取り締まりはテロを防ぎ、イスラム過激派を根絶するために必要だ」と断固否定しています。 12月中旬、米上院議会においても、新疆ウイグル自治区からの輸入を全面的に禁止する「ウイグル強制労働防止法案」が全会一致で可決されました。 輸入禁止は法成立から180日後に発効されますが、ウイグルに供給網を多く抱える日本企業にとっても、これは大きな分水嶺です。 ◆ウイグル弾圧を正当化する根拠はなかった!? そして、本年1月4日、トルコ在住のウイグル人が、新疆ウイグル自治区でレイプや虐殺など、人道に反する罪を犯しているということで、習近平を含む中国共産党の幹部112人を、トルコのイスタンブール検察当局に刑事告発しています。 告発したウイグル人は19人ですが、イスタンブールの裁判所の前には、およそ150人のウイグル人が家族の写真を掲げて抗議の声を上げていて、映像を見ましたが、胸が締め付けられるような思いになりました。 これに対しても、中国外務省の汪文斌(おうぶんひん)報道官は5日、記者会見で「人道に対する罪などというものは、反中勢力がでっちあげた、とんでもないデタラメであり、事実や法律的な根拠は何もない。うそに基づいて中国を攻撃し、中傷しようというたくらみは、絶対に成功しない」と反発しています。 ちなみに、これまで、中国がウイグル弾圧を正当化する根拠として挙げていたのが、イスラム過激派の存在で、中国当局はETIM(東トルキスタン・イスラム運動)という組織の存在を挙げています。 一方で、米国務省の調べによれば「ここ10年以上、ETIMが実在している十分な証拠がない」という結論が出ています。 要するに、さもありそうな敵を創作し、それを大義にウイグル人弾圧を行ってきたという手口をよく使うことを、日本人含めて、全世界の方は覚えておかなくてはなりません。 ◆同胞の弾圧に口をつぐむ中東イスラム諸国 ここで疑問なのは、ウイグルの人々と同じく、イスラム教を信仰する国々が沈黙していることです。 特に、中国は彼らの信仰心を標的にし、「神を信じることが罪だ」として片端から収容所に入れています。その本質は宗教弾圧です。 英米など、欧米キリスト教国が、宗教の壁を超えて、唯物論国家・中国の魔の手から彼らを護ろうとしている一方、中東イスラム教国は、信仰の同胞たちへの苛烈な弾圧に対して、ダンマリを続けているのは残念でなりません。 様々な背景があるとは思いますが、「見て見ぬふり」ができる最大の理由、それは中東諸国が中国とズブズブの関係にあるからです。 (中編に続く) 台湾有事は日本有事――中国の台湾上陸作戦シナリオとは?【後編】 2021.12.26 https://youtu.be/N-y1KOVtTnA 幸福実現党党首 釈量子 ◆高まる台湾上陸作戦能力 前編に続き、台湾上陸作戦についてです。 報告書によると、中国人民解放軍は、台湾上陸の戦力を増強しており、先制攻撃後の初期段階の上陸作戦に「海上輸送2万人、空中輸送5千人、ヘリコプター3千人、合計2万8千人以上」を投入できると分析しています。 上陸作戦に使用する上陸用舟艇や、ドック型輸送揚陸艦、戦車揚陸艦などを大幅に増強しています。 これらの部隊が担う最初の攻撃では、台湾全体を占領する必要はなく、まず海岸や港湾の確保が目的となります。 次の段階で、日頃から訓練を受けた民間のRO-RO船(ロールオン・ロールオフ船)、船の前後の出入口からトラック等が乗降できる船が加わって、地上戦を展開する部隊をどんどん運ぶわけです。 港湾がなくても、水陸両用戦車を配置できることも分かっており、中国の台湾上陸作戦能力は日増しに高まりつつあります。 ◆異例となる台湾東部での不穏な動き 産経新聞(11/25)で、11月中旬、中国の揚陸艦2隻が、沖縄県与那国島と台湾の間の海域を通過し、台湾東部の花蓮沖で上陸作戦の演習を行っていたと報道されました。 南西諸島周辺で、揚陸艦の行動が確認されるのは極めて異例としています。 中国軍の台湾上陸作戦は、台湾本島西側が主戦場になるといわれ、台湾東部の沿岸部は断崖絶壁が多いのですが、花蓮には長さ10キロの砂利浜があり、軍民両用の「花蓮空軍基地」があります。 また、台湾侵攻時にミサイル攻撃から航空機を避難させる「佳山空軍基地」もあり、台湾防衛の重要拠点というわけです。 記事の中で、台湾当局関係者が「日本の南西諸島を、攻撃目標の選択肢に加えた」とハッキリ指摘したことは注目に値します。 台湾から沖縄の与那国島はわずか111キロ、また尖閣諸島は170キロの距離にあり、陽動作戦として、台湾侵攻と同時に、尖閣奪取に動く可能性もあります。 ◆台湾侵攻が世界経済に与える影響 報告書によれば、「台湾侵攻」が世界経済に与える影響も甚大だと、言及しています。 台湾は世界の半導体サプライチェーンの中心で、短期的に、台湾に取って代わる国はありません。 報告書は「台湾の混乱が起きれば、世界経済に約59兆円(約4900億ドル)の損害をもたらす」と試算しています。 日本でも、トヨタが半導体不足により5つの工場で稼働を止めて、減産せざるを得ない状況だと報道されましたが、日本経済に与える影響も計り知れません。 このように「台湾有事は、まさに日本有事」だということです。 ◆今日の香港、明日の台湾、明後日の沖縄 最後に、「日本はどうするべきか」ということです。 報告書の公表後、沖縄の共産党議員は議会で「沖縄が捨て石になる」「計り知れない惨劇になる」など言及し、玉城デニー沖縄県知事は「台湾有事で沖縄が標的になるようなことがあってはならない」と発言しています。 沖縄から米軍を追い出したい算段でしょうが、それこそ中国共産党の「思うつぼ」だということです。 日本が自国のことだけで「一国平和主義」となり、台湾を見捨てたとしても、何の解決にもなりません。 大事なのは日米同盟を強化し、抑止力を高めるということです。 「今日の香港、明日の台湾、明後日の沖縄」、そして「しあさっての九州」かもしれません。 大川隆法党総裁は書籍『メシアの法』の中で、「全体主義国家というのは、常に敵をつくり続けるのです。 どんどんどんどん新しい敵をつくって侵略したり、粉砕したりしていくようになっていきます。これが怖いところなのです。」と指摘しています。 よって日本政府は「台湾有事は日本有事」と明確な姿勢を示すべきです。 これにより、中国に対する抑止力を高めると同時に、「あいまい戦略」を採る米国に対して、台湾防衛の意思を明確にするよう促すこともできます。 ◆「台湾有事」に対する備えを万全に 日本政府は「台湾有事は存立危機事態に該当するか?」という質問に対し、「一概に述べることは困難である」と曖昧な官僚答弁を行っています。 しかし、日本は「台湾有事は日本有事」であるため、「原則、存立危機事態に該当する」と閣議決定をして、自衛隊が防衛出動できるように備えるべきだと思います。 台湾有事の際に「自衛隊がどう動くのか」、曖昧なままにしておくことは、中国に対する抑止力を弱めることになります。 「存立危機事態」と位置づけることで、日米台の共同訓練を実施し、備えを万全にすべきかと思います。 また現在、日本と台湾の間には、正式な国交がないという理由で、議員交流に止まっていますが、これも政府間の交流や、台湾軍と自衛隊の交流をしっかりと行う必要もあります。 これらと並行し、南西諸島などのミサイル防衛を大幅に強化すべきですし、当然、防衛費の増額は欠かせません。 ◆台湾を二度と見捨てない こうしたなか、幸福実現党は12月7日、「幸福実現党 日台友好議員連盟」を設立し、既に台湾へも訪問し、台北市の与野党の議員たちと交流活動もしております。 日本と台湾の親善友好を促進し、日台の国交を回復させ、同盟関係を結ぶことや台湾の国連への加盟を目指していきたいと思っています。 また「台湾を二度と見捨てない。いまこそ、日台同盟を。」というポスターも制作、「中国共産党の人権弾圧行為をやめさせ、台湾と沖縄の防衛強化を求める署名」も全国で開始しております。 ■「中国共産党の人権弾圧行為をやめさせ、台湾と沖縄の防衛強化を求める署名」のお願い https://info.hr-party.jp/2021/12200/ 2022年は、日本と台湾が断交して半世紀の節目になりますが、元来、台湾は日本の良き友人であり、兄弟でもあります。 私たちの激烈な台湾に対する熱い思いを、台湾に、そして国際社会にしっかりと届けることで「自由・民主・信仰」という共通の普遍的な価値観を持つ国家と連携する動きを強めて参りたいと思います。 中国共産党の一党支配を世界に輸出し、世界を一元管理しようとする中国に対して、世界の国々は徹底抗戦すべきです。 台湾有事は日本有事――中国の台湾上陸作戦シナリオとは?【前編】 2021.12.25 https://youtu.be/N-y1KOVtTnA 幸福実現党党首 釈量子 ◆米中経済安全保障調査委員会の報告書 11月17日、米国議会の諮問機関で、超党派で構成されている米中経済安全保障調査委員会(USCC)が、報告書(アニュアルレポート)を発表しました。 550ページに及ぶ大変なもので、米中関係を分析し、貿易や外交、軍事など、多方面をカバーした内容になっています。 第4章では「台湾防衛」を単独で取り上げており、特に注目したいのは、「台湾侵攻」に関する分析です。 報告書には「中国の指導者は2020年までに『台湾侵攻能力』を持つことを人民解放軍に指示し、20年近くに渡って軍事力を増強してきた」としています。 また「サイバー攻撃、ミサイル、空路や海上封鎖など、台湾侵攻に必要とされる軍事力を備えつつある」と評価しています。 ◆格段に進化する中国人民解放軍の「台湾侵攻能力」 2008年の時点では、国防総省は「人民解放軍が台湾攻撃と海上封鎖の限定的な軍事力を得た」という評価しつつも「完全に海上封鎖できる軍事力を持っていない」と記載してきたわけです。 ところが、2015年の段階でこの記述は削除、2020年の国防総省の報告書には、「台湾侵攻能力」即ち「台湾上陸作戦」が選択肢に入っていることを繰り返し述べていました。 米中の軍事力に差が無くなりつつあり、米国の抑止力が効かなくなってきているのは明らかです。 もし抑止力の行使に失敗すれば、中国の台湾侵攻が現実のものになる可能性が強くなっています。 ◆「一撃で敵を機能不全にする」という不気味な方針 報告書では、(1)米国の軍事力が東アジアで不十分な場合、(2)中国が台湾侵攻の際に米軍が断固とした介入を行う意思がないと判断した場合、中国が台湾侵攻に踏み切ると指摘しています。 2021年3月、米インド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン前司令官は米議会で「6年以内に台湾侵攻の可能性がある」と議会で証言し、衝撃を与えました。 蔡英文総統は、台湾人の不安を払拭するべく、対艦ミサイルを大量生産しておりますが、中台の軍事力を比較すると、大きなギャップがあるのは事実です。 実際、中国の軍事費は台湾の20倍以上あり、台湾単独で防衛するのは難しく、日米同盟を軸とした米国と日本の支援が必要だということは明らかです。 国防総省は、中国人民解放軍は「一撃で敵を機能不全にする(paralyze the enemy in one stroke)という方針を持っている」とし、「台湾侵攻はある日突然始まり、米軍の介入を防ぎながら、大方終了させるだろう」と想定しています。 米国が台湾への武器輸出しているのも、台湾の反撃能力を高めるためです。 ◆台湾有事で在日米軍基地攻撃の可能性が高い? 日本にとって、今回の報告書で特筆すべきは、台湾有事の際に「在日米軍基地攻撃の可能性が高い」と明記していることです。 報告書では、人民解放軍の指針を参考にしながら、台湾上陸作戦がどんなものになるか述べています。 まず、人民解放軍は先制攻撃を仕掛けると指摘しており、一つ目には「在日米軍への先制攻撃」です。 人民解放軍にとって、米軍の反撃能力を抑え込むためには「在日米軍基地を先制攻撃することが最も効果的だ」と指摘しています。 ここで時間稼ぎをすれば、台湾上陸作戦を有利に進めることができます。 前述した米・インド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン前司令官は「米軍が米国西海岸からグアムに到着するまでに3週間必要になる」と述べています。 人民解放軍は、日頃から在日米軍基地の艦艇や戦闘機などを正確に攻撃するシミュレーションも常に行っています。 これらを中距離弾道ミサイルなどで破壊し、台湾に一番近い在日米軍を足止めすれば、台湾上陸作戦の絶好の機会をつくることができると考えています。 中国は中距離弾道ミサイルを最低で200発持っているとしており、近年大幅に増強しています。 ◆台湾本土への「短期激烈戦争」 次が台湾本土への先制攻撃です。 上陸作戦は、上陸後の地上戦とは比較にならないほど難しく、これを成功させるには、情報戦や、海と空の領域で支配権を握ることが必要となります。 解放軍の指針によれば、海と空の支配権を握るため、まず情報通信網を破壊するためのサイバー攻撃や、台湾軍の司令部や空軍・海軍の基地やミサイル防衛システムなどを「突然、激烈に、継続的に(surprise, fierce, and continuous)」ミサイルで攻撃すると指摘しています。 いわゆる「短期激烈戦争」であり、大量のミサイルが突然、台湾の主要施設に降り注ぐことが想定されます。 今回の報告書では言及されていませんが、この先制攻撃の時に、蔡英文総統を初めとする政治リーダーや軍事的リーダーを殺害する計画、いわゆる「斬首作戦」を考えているとも言われています。 すでに、中国人民解放軍は、幾つかの演習を「斬首作戦」と表現し、砂漠に台湾総統府のような完全模型の建物を建築していることも衛星写真から分かっています。 これは戦闘機からのミサイル攻撃の際に、台湾に侵入している工作部隊が、総統府などを襲うこともあり得ることを示しています。 ほかにも最近、衛星写真でアメリカの空母の完全模型も発見されています。 (後編につづく) 過去最大規模の補正予算36兆円――今、求められる政府の仕事」とは?【後編】 2021.12.16 https://youtu.be/bNSrKLa0m54 (12月9日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆コロナウィルスは本当にエボラ並みか?ワクチンに効果はあるのか? コロナ感染で、自宅待機中に症状が悪化して亡くなる方も多かったのですが、普通の町医者がきめ細かな診療を早期にできるようにするべきです。 その為には、ペストやエボラ出血熱など1類並みの分類をやめて、季節性インフルエンザ並の5類相当にすれば、「幽霊病床」向けの数兆円は不要になります。 オミクロン株への警戒感もありますが、厳しい規制をかけ続ければ、かえって医療現場に負荷をかけることになるので、フレキシブルに対応できるようにすべきだと思います。 またワクチンに関して、補正予算では接種体制の整備や接種の実施に、約1.3兆円が組まれています。 幸福実現党は、ワクチン接種に反対の立場を採っているわけではありません。 しかし、ワクチンに本当に効果があるなら、命のお金が一番高いので、みんな有料でも打つはずです。 経済的支援が必要な人は無料で打てるようにしてもいいかもしれませんが、無料をいいことに、強制的に接種をした結果、死亡するケース、また心筋炎など重篤な副反応が生じてもろくに補償もしないことに対して、政府への不信感が高まっています。 ◆「新しい資本主義」の内実 更に、岸田首相肝煎りの「新しい資本主義」も無駄だらけではないかと思います。 今回の補正予算では「新しい資本主義の起動」と銘打って、約8.3兆円計上されております。 財務省ホームページで公開されている内訳を見ると、全部足しても6兆円に達しないので、残り2兆円の使い方がよくわからない不思議な予算なのですが、どうやら新しい資本主義の成長戦略の大きな柱の一つは、「クリーンエネルギーへの投資」のようです。 岸田首相が、所信表明演説でも述べていた「クリーンエネルギー」は、アンモニアや水素でした。 アンモニア(NH3)や水素(H2)は、二酸化炭素(CO2)が含まれていないので、「これを燃やしてもクリーンだし、既存の火力発電の設備も使える」という算段かと思います。 しかし水素やアンモニアの原料として、石炭や天然ガスを使うため、製造段階でCO2が発生します。 結果的に、水素やアンモニアは「なんちゃってクリーンエネルギー」というのが実態です。 ◆気候変動対策より、エネルギー安全保障の確立を 石炭や天然ガスをそのまま燃焼させて、電力を得るのに比べて、わざわざ水素やアンモニアに変化させるので、エネルギーロスが生じます。 石炭や天然ガスから「水素」に変化させると、エネルギーの約半分を消費してしまうということなので、 こうした電力を推進していくと、絶対に電気料金はさらに値上がりするわけです。 今までも申し上げてきた通り、「地球温暖化説」はフェイクですので、無駄を排除すれば、政府は石炭火力発電など、「化石燃料を今後も利用し続ける」と宣言して、安く安定したエネルギー供給体制を作り上げることが肝要かと思います。 もし「気候変動対策をしていない」と批判されるならば「日本の火力発電の技術は世界一で、非常にクリーンだ。そして日本の技術によって、安く空気中の二酸化炭素を捕まえる技術を開発中だ」とでも言えばいいかもしれません。 ◆デフレ下における成長は可能か? 以上、「無駄」を削る話をしてきましたが、必ずしも「経済が縮小する」ということを意味するわけではありません。 それがこの度、幸福実現党の大川隆法党総裁が発刊する『減量の経済学』第三章において、通説である「デフレ=不況」という考え方について、実は「デフレ下でも成長は可能だ」と紹介されています。 実際、2020年の新規上場企業は過去最高でした。 コロナ禍で倒産や廃業が増え、大企業の倒産も予想される厳しい時代ではありますが、 新しく生まれてくる会社もたくさんあるわけです。 こうした時代に生き残り、繁栄を実現するためにはどうするのか。 「やらなくてよい仕事はするな」という副題の通り、「無駄なことを削り、新しい付加価値を増やしていく」ことしかありません。 ◆望まれる日本型資本主義の復活 キーワードは「勤勉の精神」であり、ひとつ人物像をあげれば、二宮尊徳の精神でもあります。 岸田首相は「財政の健全化」と演説でもちらっと触れ、またご著書の『岸田ビジョン』の中で、ご自身がやりたいのは「日本型資本主義の復活だ」とも語っておられます。 「1200兆円の財政赤字をいつまでに、どうするのか」を考えるのが、二宮尊徳流かと思いますし、徳ある人物が命懸けで行ったような、壮絶な仕事をなさりたいということであれば、 国家の存続を懸けたヒントはまさにこの一冊にあります。 岸田首相の「新しい資本主義」については「そんなのが分かればノーベル賞ものだ」という声もありますが、この書籍から本当の「新しい資本主義の風景」が見えて参ります。 ぜひ年末年始、「新しい未来を創らん!」とする志のある方は、ぜひお読みいただければと思います。 すべてを表示する « Previous 1 … 11 12 13 14 15 … 25 Next »