Home/ みなと 侑子 みなと 侑子 執筆者:みなと 侑子 HS政経塾1期卒塾生 日本人のほとんどが、実は正しく理解できていない「保守」と「リベラル」のホントの意味 2024.03.07 幸福実現党選対本部・湊侑子 ※当記事は、YouTubeチャンネル「Truth Z」に連動しています。 ぜひ、下記動画をご覧ください。 https://youtu.be/PADGEF5b8fU ◆分かるようで曖昧な「保守」「リベラル」の定義 最近評判になっているテレビ番組に『不適切にもほどがある』という番組があります。 これは、昭和のダメおやじが令和にタイムスリップし、その「不適切」発言が令和の停滞した空気をかき回す、という内容で、現代の働き方改革やハラスメント概念、教育などに対して、おもしろおかしく疑問を呈する内容です。 ある意味、令和の行き過ぎたリベラルに対する批判にも見えます。 政治の世界では、昨年自民党が「LGBT理解増進法」を成立させたことに対し、日本の伝統や歴史に反しており「自民党はもう保守ではない」と、新しく保守を名乗る政党が誕生しました。 このように、私たちは「リベラル」とか「保守」という言葉を使っていますが、「保守」と「革新、リベラル」は反対の概念ですが、これらの定義をはっきりと答えられる人は少ないのではないかと思います。そこで今回は、これらの言葉の意味について考えてみたいと思います。 ◆「保守」と「フランス革命」の関係性とは? 日本では、「保守」というと、皇室や伝統を重んじるというイメージが定着していますが、具体的に何を保守するのか、は曖昧な状態が続いてきています。「保守」とは、もともとはフランス革命を批判する政治的立場を指していました。 保守主義の元祖は、英国の18世紀の政治家「エドマンド・バーク」であると言われています。著書『フランス革命の省察』のなかで、バークがフランス革命を批判した論調が保守主義と呼ばれたことが、保守のはじまりだと言われています。 バークの考えによると、フランス革命は、人間の理性で考えられた理想主義で、フランスの歴史や伝統、宗教を破壊し、国家の秩序をなくすものである。その結果は国民の自由と安全を脅かすものとなり、「いかなる国家も神を信じない合理主義者に支配されるべきではない」と批判しました。 その後のフランス革命の混乱や、共産主義による独裁や大量粛清をみるに、バークの先見性が後世、高く評価されています。 フランスの外に目を転じると、バークは、アメリカの独立を、信教の自由の拡大と支持しました。さらに、自国の英国のインドに対する支配の在り方については、インドの伝統的価値を奪ったとも弾劾しています。 バークのいう保守主義とは、旧来の制度を単に守り続けることではなく、個人の財産の自由、信教の自由を、秩序あるものとして少しずつ拡大するものであります。その中でも特に、信教の自由を大切にするのが保守の基本であるのです。 ◆「リベラル」の中に潜む大きな危険性とは? それに対して、リベラルとは人間の理性で考えた通りにすれば、世の中は変えられるという考え方です。伝統や宗教を無視して政治体制を作り上げようとする考え方で、共産主義国がその典型的な例となります。 その結果、何事も役人が立案し、国民をその下に従わせる「大きな政府」が出来上がっていきます。 このリベラリズムに対して、「保守」は人間の知性には限界があり、いくら理性的に新しい制度を考案しても、それが正しく機能するという保証はないと考えます。 そのため先人たちが長い時間をかけて検証してきた叡智の結晶である過去の伝統や文化を大切にしながら、変えるべきところを変え、自由を拡大していこうという考え方です。 真なる「保守」は、政府からの干渉をできるだけ小さくしようとする、「小さな政府」を指向するのです。 幸福実現党の大川隆法党総裁は、保守とは、「家庭や社会、国家にたいして責任を感じる立場」と定義されて、その著書『危機に立つ日本』のなかで、次のように述べられています。 「さらには、『理屈どおりにいかない繁栄というものがある』ということを知らなくてはいけません。それは、トックビル(フランスの政治学者〔一八〇五〜五九〕)が見たアメリカの民主政治と同じものです。 『なぜかは知らないけれども、民衆に活気があり、繁栄していく世界』というものがあり、こちらの世界観のほうを大事にしなければいけません。 ルソーなどの影響を受けた、フランス革命等の『理性主義的な民主主義』のなかには、危険なものが潜んでいて、実は、ロシア革命や中国革命で起きた大量粛清につながっていくものがあります。 冷たい理性主義が流行ると、自分たちの理論や考え方と合わない者を処刑し、粛清していくようになるのです。これに気をつけなければいけません。 やはり、『多くの人たちの智慧を引き出し、繁栄を導いていく』という、自由主義を守ることが大事です。 そして、そのなかに、『社会に対する責任、国家に対する責任、あるいは家族に対する責任、こういう責任を負う』という自覚を持ったときに、それが『保守』となるのです。自由と保守とが結びつくわけです。 今、日本において、自由政党も保守政党もなくなろうとしています。しかし、最も伝統的で古く見えるものが、 実は、最も新しく、未来につながるものなのです。」 (引用終わり) ◆今の日本における「保守」のあるべき姿とは? ある意味で「保守」とは、人間の知性を超えた神の存在を信じることであり、決して古い制度を守り続けることではありません。人間の知性や理性を超えた「神の心」を無視した「保守」というのは本来の保守ではないのです。 ですから、保守政治が目指すものは、戦前の日本神道で統制する国家や、すべてを国が面倒をみる、行き過ぎた福祉国家でもありません。ましてAIによって管理される国家でもありません。個人の自由を守りながら、社会に対する責任を負う自覚のある社会。自助努力や勤勉さを重んじる社会ではないでしょうか。 神を大切にするということで、いわゆる「保守」と言われる政党は皇室を尊重している面がありますが、残念ながら日本神道には教えがありません。「かたち」だけ尊重すれば、政治で何をやってもいいというものではありません。それが「大きな政府」に流れた今の自民党政治であると考えます。 幸福実現党は、何もかも国家が面倒をみる「大きな政府」ではなく、個人の努力や責任を尊重する「小さな政府」を目指すべきだと考えています。 また、国防については、まわりの国の善意を信じる理想主義ではなく、国民の生命と財産を守る権利として、防衛権はあるという伝統的な考え方に立つべきだと思います。 さらに、善悪を教える神の心を知り、尊重する姿勢を持たないといけません。国の繁栄も、真なる「保守主義」から生まれるのではないでしょうか。 迫りくる台湾の危機と日本が果たすべき役割【後編】 2019.03.07 迫りくる台湾の危機と日本が果たすべき役割【後編】 幸福実現党 HS政経塾1期卒塾生 湊侑子 ◆追い込まれる台湾と日本の過ち 前編では、香港に対する中国の政治的圧力を述べて参りました。 同じような未来が、台湾にもおとずれてしまうのでしょうか。 実際に、台湾の現状は厳しくなっています。 蔡英文政権になった2016年5月以降、台湾とエルサルバドルやドミニカ共和国など5か国が断交しました。これらは、台湾断交と同時に中国との国交を持ちました。 台湾が国交を持つのは現在17か国のみであり、国際社会において影響力が小さな国ばかりです。 かつては国連において常任理事国であったその地位を中華人民共和国に奪われて以来、台湾は中国にどんどんと国際社会の隅に追いやられています。 中国の狙いは、台湾という国がこの地上に存在しなかったことにすることでしょう。日本はかつてその狙いに手を貸してしまい、台湾を裏切りました。 1972年、日中国交正常化の際に出された日中共同声明発表後の記者会見の場で、日中国交正常化の結果、 日華平和条約は存続の意義を失い終了した(台湾との断交)との説明を行ったのです。 台湾は日本の方針に強く反発はしましたが、覆すことはできず、日華平和条約に基づいて過去20年間外交関係を維持してきた台湾との国交が断絶しました。 日本は日中共同声明の中で、「中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であること」を認め、「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であること」を「日本国政府は、十分理解し、尊重」する、と明記したのです。 しかし本当は、そこまで急いで中国の主張を全面的に受け入れ、日中国交正常化をする必要はなかったのです。一方的に台湾との断交を宣言した結果、台湾は現在の立ち位置まで後退しました。 同じ日本人であったことがある台湾の人々を裏切ったことは、私たちの恥の歴史です。そしてその結果、台湾はこの地上から消えるかもしれない危機を迎えているのです。 日本は一度犯した過ちを、もう二度と繰り返してはならないと思います。 ◆自由と民主主義、繁栄、信仰を守る使命が日本にはある 台湾防衛は、運命共同体である日本人の義務であり、台湾の方々へ誠意を示す最後のチャンスであります。 今後ますますかじ取りが難しくなるであろうアジアの安全保障において、絶対に不可欠な要素が民進党の蔡氏の再選です。 来年1月の総統選への再選出馬を表明した蔡氏は、2月19日のTwitteで、「私の2300万人の仲間の市民のために、明るい未来を築きながら台湾の自由と民主主義を守ることは、戦うに値する目標だ」と綴っています。 私たち幸福実現党も全く同じ思いです。 台湾が数十年かけて手に入れた自由と民主主義、また香港の持つ経済発展のための智慧や繁栄、そして共産党が何よりも恐れる神仏への信仰を中国本土に入れることこそが、台湾2300万人のみならず、中国国民14億人を全体主義の圧政から救い出す道であり、アジアの防衛と幸福の基になるのです。 現在、香港においては中国本土に歯向かう動きをした政党は活動禁止になります。 中国本土では共産党の指導を受け入れ、追認する合法政党があるのみで、実質一党独裁が行われています。 非合法政党が設立宣言を行うと党首・党員が逮捕されるため、中国国外で設立を宣言するしかありません。 しかし中国本土において、自由と民主主義、資本主義による繁栄、そして信仰を掲げる政党の出現こそが、私たちの願いです。 台湾をはじめ、香港や中国本土の幸福の実現のために、私たちは使命を果たすつもりです。 (参考文献) 蔡英文 Twitter https://twitter.com/iingwen?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor Newsweek日本版 香港民主化を率いる若きリーダーの終わりなき闘い 2018年3月10日(土) https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/03/post-9704.php THE SANKEI NET 香港の若者の半数が移民希望 政治対立に嫌気 https://www.sankei.com/world/news/190107/wor1901070006-n1.html AFPBB News 香港政府、独立派政党に活動禁止命令 返還後初 2018年9月24日 14:08 発信地:香港/中国 [ 中国 中国・台湾 ] https://www.afpbb.com/articles/-/3190680 迫りくる台湾の危機と日本が果たすべき役割【前編】 2019.03.06 迫りくる台湾の危機と日本が果たすべき役割【前編】 幸福実現党 HS政経塾1期卒塾生 湊侑子 ◆中国による台湾進攻は、現実的な問題 本年1月2日、習近平国家主席は北京の人民大会堂において、台湾の私有財産や信教の自由などは十分に保証されるとし、台湾同胞の利益と感情に十分に配慮する前提で、一つの国に異なる制度を認める「一国二制度」の具体化に向けた政治対話を台湾側に迫りました。 同日、この提案に対して、蔡英文氏は台湾の絶対多数の民意として、受け入れを拒絶すると会見で発表しました。 蔡英文は2月28日産経新聞の単独インタビューを受け、日本に安保対話を要請する趣旨の発言を行いました。 そしてその内容を、自身の公式ツイッターで日本語で発信しました。 蔡氏の発信を要約すれば、 (1) 他国(アメリカや日本)と協力して、台湾を中国からの攻撃(世論操作、偽情報、武力)から守りたい。 (2) 中国が言う『一国二制度』は断固拒否する。 (3) 国際社会にもっと台湾の存在を重視してもらいたい。 (4) 経済的に中国以外の国との繋がりを強くしたい(TPPに参加したい)。 (5) そのために、日本と話し合いがしたい。 という内容です。 普段、英語での発信を行う蔡氏にとって、日本語での発信は初めてではないですが、珍しいことです。 また基本的に一日に一投稿なのですが、これに関しては、日本語で四回・英語で五回、計九回連続で投稿を行っています。 中国による台湾進攻が現実性を持って迫っているのだと感じさせる内容です。 ◆幸福実現党は台湾を見捨てない 蔡氏の要請に対して、幸福実現党はすべて答えを用意しています。 (1) 日台関係に関する基本法を制定し、台湾との関係を強化します。台湾への武器供与を行うなど、安全保障面での関係も強化します。 (2) 台湾を独立国家として承認・国交回復を目指します。 (3) 台湾の国連加盟を後押しします。 (4) 日台FTAを締結して経済関係を強化します。 これが、2019年の現時点で幸福実現党が掲げるマニフェストの台湾に関する部分です。 中国共産党設立100周年の2021年、中国は台湾への武力侵攻を本気で考えています。 幸福実現党は台湾防衛に向けて、アメリカと共同作戦が出来るよう、国際標準的な集団的自衛権の全面的な行使を想定しており、憲法9条の改正とともに法整備を考えていることも、明記しています。 一方、自民党HPに掲載されている公約(最新版 自民党政権公約2017)には、「台湾」という言葉や台湾防衛に関することは明記されていません。 中国に配慮してのことでしょうが、経済力においても国際信用力においてもアジアの雄である日本の政権与党の公約としては残念です。 ◆台湾の未来、香港の今 台湾の未来は、香港の今を見れば想像できることです。 1997年にイギリスが中国に香港を返還した際、中国は本土と異なる政治・経済制度を今後50年間維持し、高度な自治を認めると約束しました。 しかし返還から20年も経たない2014年、普通選挙を求める香港市民による雨傘革命が香港・中国政府によって鎮静化させられ、その後は民主派市民の立候補妨害、当選後の議員資格はく奪・民主派政党の活動禁止と圧力が強まっています。 「1国2制度というより、1国1.5制度だ」 「その0.5もどんどん縮小し、完全に中国の支配下に置かれようとしている」 と雨傘革命リーダーの一人、黄之鋒は語っています。 香港中文大の香港アジア太平洋研究所は2019年1月7日、香港18~30歳の若者のうち51%が海外移住を考えているとの世論調査の結果を発表しました。 2017年の前回調査から5.5ポイント増加しています。 理由では「政治的な論争が多すぎ、社会の分裂が深刻」が25.7%で最多を占めています。これらの割合は今後ますます増えていくと予想されます。 次回、後編では、こうした香港の教訓を踏まえ、さらに台湾の現状と日本の役割について明らかにして参ります。 (つづく) 崩れ去った信仰の優位――バチカンから中国共産党に売り渡された地下教会信者たち 2018.10.09 崩れ去った信仰の優位――バチカンから中国共産党に売り渡された地下教会信者たち 幸福実現党 HS政経塾1期卒塾生 湊 侑子 ◆悪魔と合意形成をしたバチカン(ローマ法王庁) 10月3日からキリスト教カトリックの総本山バチカンにて行われている「世界代表司教会議」ですが、1967年の第一回開催以来のトピックがあります。中国の司教2人が初参加したことです。 フランシスコ法王は「今日初めて、中国から司教2人が出席している。温かくお迎えしたい」と歓迎の意を表したと言われています。 「世界代表司教会議」は数年に一度開かれ、信仰の重要性が話し合われます。 無神論を掲げる中国共産党は、1951年にバチカンと断交しました。その後、中国政府系の団体が独自に国内のキリスト教司教を任命してきました。 バチカンは、信仰の優位を訴え、司教の任命権はローマ法王が持つという考えの下、中国と対立していたのです。 しかしこの度、バチカンは中国が任命していた司教7名を追認する形で正当性を認め、司教の任命方法において中国と暫定合意したと言われています。 つまり、バチカンの上に中国共産党が立ち、共産党の意図の下に選ばれた司教をローマ法王に認めさせた、ということになります。 ◆バチカンと中国共産党の関係修繕は相互利益? 今回の動きには、それぞれに思惑があります。 まず、中国共産党は蔡英文政権になってから反発する台湾に対する揺さぶりです。 現在台湾と国交を持つ国は、過去最も少なくなっており、世界に17カ国のみです。台湾と国交を持つ国は、中国とは国交を持てません。 つまり、相手にとっては、中国をとるか台湾をとるかの選択になります。中国は、今年に入って3カ国を台湾と断交させました。 ヨーロッパで台湾と国交を持つのは唯一バチカンのみであり、ここに中国は揺さぶりをかけたいのです。 今回の動きに対し、台湾は警戒感を強めています。 70年以上続いたバチカンとの外交関係が近い将来、解消される懸念がでてきているからです。蔡英文総統の特使が、14日にバチカンに派遣されることになっています。 バチカンにとっても中国共産党の関係修繕は利点があります。 カトリック教会聖職者による児童への性的虐待が全世界から報告され、法王への批判が集まり求心力が落ちています。信者離れも進んでおり、組織運営に危機感が出ているのです。 中国13億人中、公認団体のカトリック信者は約600万人。このほか数倍の信徒が非公認の地下教会信者だと言われているため、一気に信者を増やすことができるのです。バチカンにとって中国市場は魅力的です。 こうしたお互いのwin‐winの関係の下、この度の関係修復と暫定合意につながったものだと考えられます。 ◆追い込まれる国内の地下教会信者 現在、中国には共産党が認めた公認教会と、認められていない地下教会が存在しています。 共産党は認められていない地下教会に対してはもちろん、公認施設に対しても統制を強めています。 複数の欧米メディアが最近、中国共産党が「7000以上の十字架を破壊し、数多くの聖書を燃やした」「インターネットやfacebook YouTubeでのキリスト教関連ページを表示禁止とした」と報道しています。 さらに、カトリック教会の破壊・礼拝中の信者への暴行なども報告されており、異常なほどの弾圧がエスカレートしています。 それは裏を返せば、宗教勢力を恐れているということです。 今回の合意により、共産党はバチカンのお墨付きを得た公認団体を通して、地下教会への管理を強化し、「服従」を迫るとみられています。 バチカンから中国へ地下教会信者のリストが手渡される可能性もあります。信仰者への弾圧や拷問がさらに広がることでしょう。 カトリック香港教区元司教の陳日君枢機卿は日本国内の新聞取材に対し、「中国はバチカンを利用して、信者を攻撃するだろう。ローマ法王庁は地下教会の信者を売り渡した。とても絶望している」「信仰に対する裏切りだ」と答えています。 ◆バチカンは営利団体になってはならない さらに陳日君枢機卿は「(バチカンに行った中国司教たちは)信仰がなく、外交官だ。外交が成功し、信者をだまして喜んでいる」と言います。 中国共産党にとって宗教・信仰とは単なる外交の手段です。それを分かった上での合意であれば、バチカンも根本は中国共産党とそう変わらないのではないでしょうか。 つまりローマ法王を頂点とする聖職者たちはイエスの声が聞こえない単なる組織の運営者なのだということです。 ドストエフスキー著『カラマーゾフの兄弟』の中に登場する「大審問官」は、復活したイエスに対し、「もしもお前が本物のイエスであり、現代に復活していたとしても、本物を偽物と称し、その事実を消すために火あぶりにする。そして民衆には一切知らせず、文句なく従える対象にし続ける」との旨を伝えました。 すでに1880年に教会批判として描かれている内容です。 残念ながらバチカンは長い歴史の中で教えも曲がり、現代人を救いきれていません。前述の陳枢機卿は「国家に隷属する教会など、もはやカトリック教会ではない」と言います。 既に信仰の優位は崩れ去っているのです。残念ながらこれが現代のバチカンです。 宗教の理念は国益を超えます。宗教が国家を導く指針となることはあっても、国家運営に利用されてはなりません。 まして信者の信仰心を見捨てる宗教などあっては相ならないのです。もしもそうなり下がっているのであれば、それはもう単なる営利団体なのです。 ◆宗教者の信仰心を護りたい 「われわれはどんな圧力も恐れない。良心を売り渡したりはしない」という陳日君枢機卿の言葉に象徴されるよう、信仰は命よりも重く、弾圧や拷問により捨てさせることはできません。 しかし、それを捨てさせようとするのが中国共産党であります。これは地下教会に限ったことではありません。 チベットでは、チベット仏教への大弾圧、ウイグルでもイスラム教の棄教を目的とした「再教育キャンプ」への収容を大々的に行っているのです。 私たちは宗教政党として、このような状況を黙って見ておくことはできません。 また自由と民主を愛する国民として、信じがたい人権弾圧・宗教弾圧を行う中国共産党を許すことはできません。 日本政府には民主主義国家のリーダーとし、中国における信教の自由の確立と人権擁護の促進実現のため、解決に向けた働きかけを行うことを強く望みます。 そして正しい信仰を持つ人々が、内心の自由・信教の自由を保障され、信仰者が中国において笑顔で生きていける時代を創りたいと心から願います。 【参考】 日経新聞 「バチカンの司教会議 中国人司教が初参加」 2018年10月4日 東京新聞 バチカン 中国合意 香港教区元トップが批判「法王庁は信者を売った」 2018年9月25日 産経ニュース 中国が「地下教会の信者らに『服従』迫るのでは」 香港枢機卿、バチカンとの合意で危惧表明 2018年9月23日 産経ニュース 「中国、宗教の締め付け強化 『歴史的』合意も思惑不一致」 2018年9月23日 産経ニュース バチカン 中国に大きく譲歩か 宗教弾圧続く中「悪いメッセージ」の懸念 2018年9月23日 ドストエフスキー 『カラマーゾフの兄弟』 「森林環境税」には反対!ばらまきで日本林業は再生しない 2018.09.11 「森林環境税」には反対!ばらまきで日本林業は再生しない 幸福実現党 湊 侑子 ◆新たに始まる、「森林環境税」 2018年5月、森林経営管理法が参院本会議において与党などの賛成多数で可決、成立しました。2019年4月から施行されます。 所有者の高齢化や後継者不在などで手入れできない人工林を市町村が意欲ある林業経営者に貸し出す、所有者が分からない森林は市町村が管理すると定めます。 この「森林バンク」のため(森林整備・人材育成・道路整備・機械の購入など)、個人住民税に年1000円が上乗せされ、年間620億円が集められます。これが森林環境税です。 これを特定財源とし、必要とされる市町村に配布します。 ◆「森林環境税」で林業は変わらない 日本の人工林を何とかしなければならないことも、林業を復活させることもたいへん重要な課題です。しかし結論から言うと、今回の森林環境税導入には反対です。 反対の理由は、 (1) 森林量は地域によって異なっているため、都市住民は恩恵が少ない。 (2) 特定財源として目的税化しているため、市町村側は予算獲得・消化のための無駄なばらまき、受注側も予算目的のずさんな仕事が行われる可能性が大きい。成果判定も不明確。 (3) すでに全国8割の都道府県や横浜市において、森林環境税に似た税金が導入され、地方の財源としているため、二重課税となる。 (4) 市町村だけでは人工林管理に対応できない。国としての経営計画が必要。 日本の林業不振の原因は財源ではなく、経営・生産管理思想が入っていないことにあります。 戦後、大きな木材需要があった際、切れば売れるということでずさんな管理の下で国産材が供給された歴史があります。 その結果、安定供給・情報公開をしている外材にユーザー(住宅メーカー)が流れ、国産材の価格が下落。結果、林業は成り立たなくなり人が減り山は荒れていく、という悪循環が起きました。 しかし、戦後植林した人工林は今からが切り時を迎えます。また現在では、経営・生産管理・効率化の下、集約化を進め森林を守りながら高品質・高付加価値な木材を提供する民間企業も出ています。 このような民間企業が地域に存在する地方自治体にとっては、この財源はありがたいものになるでしょう。 しかし多くの地方自治体にとっては、とりあえずの予算消費が続くのが実際のところではないでしょうか。 ◆ばらまきではなく、先進地域の知恵を全国へ 地方自治体の中では、市町村が民間と協力をして研究しつつ、人工林の手入れをすすめつつ林業従事者を増やしている地域もあります。その中の一つが、高知県にある佐川町です。 佐川町では、平成25年度よりこれからの林業の一つの方向性である、自伐型林業(注1)推進計画を策定し、取り組みを始めました。 次年度から、民間に委託して研修を開始し、自伐型推進協議会を発足させました。 その当時の林業担当職員は0.1人でした。農業担当者の一名が、農業の合間のおまけ程度に林業を見ている状況でした。おそらく、全国の地方自治体も同じような状況でしょう。 森林環境税が地方自治体に配分されたとしても、経験・智慧・人がなければ貴重な財源も垂れ流しになります。 佐川町では現在、担当職員3名、臨時職員1名、民間アドバイザー1名をつけ、全国から視察が入るほどになっています。 有名な岡山県西粟倉村の村による民有林の集約・管理方法を学び、登記簿を基に森林所有者に関する情報と森林資源の情報を管理・更新し、関係者との情報共有を行う森林ICTプラットフォームの導入を決めました。 航空機によるレーザー測量を町全域で実施し、樹種別の区分や立木情報などが詳しく分かりました。 山林集約の為には山林保持者216名にアンケートを送付、109名から町による管理希望を取り付けました。 町と所有者とで20年の管理契約を結び、施業委託を自伐型林業者に委託します。民間アドバイザーによる実地研修を林業従事希望者に行い、独り立ちさせます。 その後、委託された地域の木を切り出した売り上げは、自伐型林業者が9割、森林所有者に1割入るようにし、それぞれにメリットがあるようにしています。 このような取り組みを続けることで、新たなる林業従事者が増えつつあります。このように工夫しながら先に進んでいる地方自治体も存在しているのです。 政府は税金を集め、配る前にもっとすべきことがあるはずです。 国としての林業のビジョンを描き、林業を経営として成り立たせるために、成功事例を研究して各地にその遺伝子を入れていくことです。 同じことは消費税増税にも言えます。単なる増税で自分たちの権限を増すだけの政府はもう必要ありません。ビジョンと経営力と知恵こそが未来を切り開くカギなのです。 (注1)自伐型林業とは 基本的には皆伐をせず間伐を繰り返す超長伐期の林業で、1人~数人のグループで施業し、副業から専業まで個人のライフスタイルにあわせた施業ができます。大型・高性能機械は導入せず、設備投資とランニングコストを抑えることで、参入障壁を下げつつ収入を増やします。 朝鮮学校への補助金支給は本当に必要か――兵庫県を例として考える 2018.04.21 朝鮮学校への補助金支給は本当に必要か――兵庫県を例として考える 幸福実現党 兵庫県本部 湊 侑子 ◆全国一多い 兵庫県の朝鮮学校への補助金 兵庫県の中心、神戸市の元町駅を降りると様々な団体が署名活動や募金活動を行っています。 ある日、街頭で「朝鮮学校にも授業料無料化の適用をお願いします」「補助金の減額に反対しています」と、制服を着た10名程の学生たちが署名活動を行っていました。朝鮮学校に通う学生たちです。 実は兵庫県は、全国一、朝鮮学校への補助金額が多い県です。 県内には6校(尼崎、伊丹、神戸、西神戸、神戸、西播磨)の朝鮮学校が存在し、補助金は平成29年度が825人で7,273.9万円、一人当たり88,168円です。(注1) これらに加え、神戸市では市からも年間800万円以上の補助金が出されています。(注2) ◆疑問が残る兵庫県知事の判断 2016年3月、兵庫県の井戸知事は定例記者会見において、記者に「北のミサイル発射を受けて、政府は(朝鮮学校に補助金ついて)支給している自治体に自粛を求める方針を決めたが知事の受け止め方を教えてほしい」との質問を受けました。 井戸知事は、「それは本当ですか」と何度も記者に聞き返した後、次のような強い疑問を呈しています。 「朝鮮学校に通っている生徒達や朝鮮学校自身がミサイル発射に関与しているでしょうか。逆にお聞きしたいぐらいです。(中略)本当に政府がそのような形で意思決定をされて報道されているのか。そうすると日本のあり方がある意味でどのように評価されるのかにも繫がるのではないかと思います。」(注3) しかし、結果として朝鮮学校を巡っては、文科省が2016年3月「補助金の公益性、教育振興上の効果などを十分に検討」するよう求める通知を出しました。(注4) 補助金を支給していた28自治体のうち16自治体は補助金を中止、残る12か所に入る兵庫県も補助金減額という形で従いました。 それでも全国一高い補助金に疑問を抱いた県内の党員が、県知事あてに質問を出したのですが、その返信は当たり障りのない内容でしかありませんでした。 ◆朝鮮学校への補助金がなぜ問題か 朝鮮学校への補助金が問題である一つ目の理由は、朝鮮総連が朝鮮学校の教育内容や人事、財源に影響力を及ぼしていることです。 すなわち、この補助金が朝鮮総連の貴重な財源となっていることであり、文科省の通知にもはっきりと記載されています。 もう一つは朝鮮学校での教育内容です。 朝鮮学校とは、在日朝鮮人が子供に祖国の言葉と文化を教えようと作った学校です。そのため、日本の小中高とは別の学校である各種学校に分類されます。 そこで教えられる教育の底辺にあるのは主体思想(チュチェ思想)、つまり金日成(金一族)への崇拝からはじまり、主体的に革命に参加すること、絶対指導者への服従など、民主主義とは正反対の思想です。 その結果生まれるものは何でしょうか。 日本にいるにも関わらず、日本の文化や歴史は正しく教えられず、ミサイルや拉致を繰り返しながら、他国に恫喝を繰り返す金一族を純粋に尊敬する学生たちです。 それが彼等の幸福につながるとは到底思えません。また私たちの大切な税金を、そのような教育のために出すことは不本意ではないでしょうか。 ◆朝鮮学校への補助金支給は見直されるべき 私たちは国家による一元的な教育内容の押し付けには断固反対ですが、しかし一方で、国内において反日的な教育を行う教育機関の存在を見過ごすわけにもいきません。 朝鮮学校への補助金は、1970年代から朝鮮学校の保護者の教育費負担を減らす名目で支給されるようになりました。 兵庫県の2020年度予算では、2017年度比2700万円減額を行うことに決めたとの報道が出ていますが、減額で本当によいのでしょうか。(注5) 少なくとも北朝鮮が民主化し、普通の国家になるまでは補助金を停止、もしくは朝鮮学校の生徒の日本学校への編入など検討すべきではないでしょうか。もちろん朝鮮学校の授業料無償化など、もってのほかです。 朝鮮学校だけでなく日本の公教育においても欠けている道徳・宗教・歴史教育を充実させ、子供たちの豊かな人間性と愛国心を育む教育が必要ではないでしょうか。 今後も、真の教育はどうあるべきか、問い続けて参ります。 (注1)兵庫県ホームページ 外国人学校振興費補助 https://web.pref.hyogo.lg.jp/org/shigakukyoiku/documents/gaikokujingakkouhojyo.pdf (注2)神戸市ホームページ 平成28年度 http://www.city.kobe.lg.jp/culture/international/jisseki2016.pdf (注3) 知事定例記者会見(2016年3月28日) https://web.pref.hyogo.lg.jp/governor/g_kaiken20160328.html (注4)朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点について(通知)文科省 http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1369252.htm (注5)2018/2/16 神戸新聞NEXT https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201802/0010991019.shtml 神戸市議会、都市防災委員会での口頭陳述を終えて 2017.06.22 神戸市議会、都市防災委員会での口頭陳述を終えて 幸福実現党・兵庫県本部 代表代行 湊 侑子 先日、神戸市会(神戸市議会)の議長宛に陳情をした際、関係委員会において口頭陳述をいたしました。 その経緯と内容を共有させていただきます。 ◆陳情から口頭陳述へ 5月初頭「北朝鮮のミサイルに備え避難訓練等の実施を求める陳情」提出のため議会事務局を訪れた際、希望すれば陳情に関係する委員会において、口頭陳述が可能であることを知りました。 迷わず、次回の委員会開催時に行いたい旨を伝え、必要書類を記入し申請。 陳情内容が危機管理案件だったため、都市防災員会管轄となり、5月29日に委員会に参加いたしました。 ◆都市防災委員会での口頭陳述内容 口頭陳述の持ち時間は一人5分間。陳情の内容をそのまま読み上げるのではなく、補足・説明などを行うように言われました。 陳情には、避難訓練の実施から武装難民への適切な対策を講じることまで、かなり幅広く盛り込まれていましたが、当日は避難訓練の実施に焦点を絞り、避難訓練方法の提案とともに、三点の周知徹底を要望しました。 【訓練方法】 現在、神戸市で行っている南海トラフ地震に伴う津波からの避難訓練において、一部地域を限定し、北朝鮮ミサイル落下を想定した避難訓練を行う。 【周知徹底の要望】 (1) Jアラート (2) 弾道ミサイル落下時の行動について・行動に関するQ&A (3) 国民保護特殊標章 (1)に関して 以前よりも有名にはなりましたが、未だそのサイレン音を聞いたことがない人も多い。 また、サイレンは防災無線から流れるが、防災無線が聞こえない地域に住んでいる人はJアラートも聞こえない。 そのような場所が神戸市内にないか、確認をしてほしい。 (2)に関して この2種類のチラシを、町内会の回覧板で回す、市の広報誌に載せる、地域の掲示板に貼るなどして、周知徹底をしてほしい。 大分県日田市では、回覧板で回っている。広島県広島市では、児童館の掲示板にすでに掲載されている。神戸市も倣ってほしい。 (3)に関して 「いざ」という時の避難誘導は市職員の仕事。有事の避難責任は、自治体にあり市長の責任。自衛隊ではない。 その際に着用するのが、「国民保護特殊標章※」と呼ばれるマークの腕章で、この腕章を付けた人の誘導に従わなければならないが、まだ全く知られていないのが現状。これでは誘導はできない。 神戸市会 都市防災委員会 録画映像が配信されています(3:00‐7:37に発言しています) http://gikai.congress-streamsp.jp/KobeCity/embedPlayer100.asp?Id=20170529135632&LPP=%93s%8Es%96h%8D%D0%88%CF%88%F5%89%EF&wanen=H29 ◆神戸市における危機管理の実態 以上、5分間の口頭陳述の後、委員(議員)が陳情・口頭陳述に関する内容や現状がどうなっているのか神戸市危機管理室に質問、危機管理室がそれに応える、という受け答えが行われました。 陳述内容によっては質疑がない場合があり、3分で終わることもあると聞いておりましたが、当日の朝にまたミサイルが撃たれたこともあり、委員と危機管理室とのやり取りが思った以上に行われました。 「国民保護協議会が1年半も行われていないが、どういうことか」 「北朝鮮から神戸市に向けてミサイルが撃たれたら、いったい何分で着弾するのか」 「核シェルター用の予算はとってあるのか」 「ミサイルが撃たれたら、地下鉄に逃げ込むというが、混乱はしないのか。シュミレーションしているか」など。 これらのやり取りの中で分かったことは、神戸市としては特筆すべき対策を取っていないということでした。これに対しては何人かの委員から非難の声が上がり、早急な対応が危機管理室に求められました。 私としては、行政を動かすことができる一つの形を知ることができましたので、今後の神戸市の対応に注目していきたいと思います。 ◆全国で陳情・口頭陳述活動を行おう! 今回の経験を通し、自治体ができることは限られており、不幸にして起こってしまった事態に対し、被害を最小限に食い止めることまでしかできない、ということも良く分かりました。やはり、国政に関与する議員を輩出しなければなりません。 ただ、小さな一鍬であったとしても、それらが集まれば大きな力になることも事実です。 日本全国、特に日本海側に位置する自治体、大都市、在日米軍・自衛隊基地がある自治体では、積極的に口頭陳述を行い、行政に関わっていくべきだとも思いました。 現在、避難訓練に関する口頭陳述や趣旨説明は、他にも北海道、千葉県、石川県、富山県、広島県、島根県、広島県、大分県、熊本県等の十数の市町村で行い、今後も各地で取り組んで参ります。 ※【参考】「国民保護標章」を説明した動画(10分59秒から「国民保護」の説明があります) https://www.youtube.com/watch?v=H-F7gdvKiqk&feature=youtu.be 森友学園・国有地売却問題について考える 2017.04.01 兵庫県本部代表 みなと 侑子 ◆迷走する政治、衆愚制に持ち込みたいマスコミ 連日、森友学園問題が取りざたされています。 理事長の個性が強烈であることと、安倍総理からの100万円寄付問題が実際にあったかどうか、説明できないことが面白くワイドショーを賑わしています。 ちなみに安倍総理が仮に寄付していたとしても、自身の選挙区外での寄付なので、法律的には問題ではなく、この問題が解決に導かれるわけではありません。 問題の本質は、9億円余りする国有地が、8億円以上値引きされて売られたことに妥当性はあったのか、ということでしょう。 ◆森友学園 土地取得問題の整理 状況を整理します。 今回の森友学園用地8770平方メートルは、2016年6月に1億3400万円で国から売却されました。 この土地は2013年6月~9月に一度売却先を公募しましたが買い手が決まらず、2016年6月に公共随意契約を結んで売買されました。 土地の評価額は9億5600万円でした。 購入金額は1億3400万円ですので、実質8億2200万円の値引きであり、評価額の7分の1での買い取りです。 『元国有地の土壌がごみなどで汚染されていたため、不動産鑑定による撤去費用約8億2200億円を差し引いた』のが値引きの理由とされています。 ちなみに、森友学園立接地の国有地9492平方メートルは、防災公園として豊中市に14億2300万円で2010年に売却されております。 (ただしこの公園用地の購入支援のため、国から豊中市に7.1億円の補助金と6.9億円の交付金がでており、実際の豊中市の支払負担は2千万となっています。) この二つの国有地の売却額の差は約13億円です。 大きさが約700平方メートル違うこと、購入時期に6年間の差があり、平方メートル当たりの土地価格が若干異なっていることを踏まえても、あまりにもかけ離れた額となっており、首をひねらざるを得ません。 ◆契約方法や評価方法は正しかったのか 一つの問題は、今回の契約方法にあります。 森友学園用地の契約は競争入札ではなく、任意で決定した相手と契約を締結する、随意契約という方法がとられました。 元財務官僚の高橋洋一氏は、『会計法では原則競争入札と定められており、随意契約の場合は人命にかかわるなどの緊急性に限定している』と述べ、ここに問題があると指摘しています。 本来であれば、少しでも高く売るために競争入札という方法がとられるべきで、競争入札をとっていれば、ここまで値段が下がることもなく、また追及されることもなかったはずです。 しかし随意契約がとられたため、恣意性や政治の関与があるのではないかと疑われることになったのです。 また、地中のゴミに関しては、鑑定評価額から財務局の判断で差し引くのではなく、第三者の鑑定機関に任せるべきであったのではないでしょうか。 先述した隣接地においても埋設物の撤去が必要になりましたが、その場合は先に買受側が費用負担し、その後に売主に費用を請求する形がとられました。 今回のように、大幅な値引きが行われ、その根拠が薄いとなると、やはり透明性の面からも問題があります。 ここに政治家の関与があるのか、それとも財務省の出先機関である近畿財務局による国有財産売却のずさんな体制なのか、はっきりはしていません。 しかし大切な国有財産が、一部の人たちの思惑によって、相場よりもずっと安い値段で売られている…この事実に私たち国民は怒らなければならないと思います。 ◆国の資産を安く売り、増税を正当化する財務省の矛盾 国には資産があるにはあるが、それらはすぐに売りさばけるものではない。 そのため、日本の1000兆円以上の借金返済は難しく、国民から税金を更に取っていく以外に方法はない、財務官僚はいつもこのような論理を使っては、政治家を動かし、またマスコミに宣伝させ、増税を正当化させます。 もしも本当に借金が深刻であり、売りさばける資産が少ないのであれば、今回のような国有財産は大変貴重なものであるので、適正価格で売り、少しでも国の借金を減らすべきでした。 にもかかわらず政治家または官僚の判断や裁量で割り引き、そして国民には税負担を押し付けてくる。何かおかしいのではないでしょうか。 この点、透明性を担保するためにきちんとした説明を求めなければなりません。 ◆一刻も早く森友学園問題を解決し、外の世界に目を 日本を取り巻く国々は、日々に変化しています。 香港では新たな親中の行政長官が誕生し、今後の混乱が考えられます。 韓国大統領選が5月に行われますが、新大統領は誰になったとしても、親北・超反日政権が誕生するでしょう。 北朝鮮は「在日米軍」を標的とし、ミサイルを同時に正確に飛ばすことができる技術を備えつつあり、新たなる核実験を近いうちに行うとされています。韓半島全体が日本の大きな脅威となりつつあります。 このような中、国会で水掛け論を繰り返している時間はありません。 日本の政治家たちは一日も早く目を開き、外の世界の変化に気づき、対応していただきたいと心から願います。 参考:夕刊フジ「これでいいのか?予算審議 森友問題の政治関与は不発 国の資産売却の議論を進めよ」2017.3.4高橋洋一 現代ビジネス「官僚にこんなに裁量があっていいのか?」高橋洋一 待ったなし。高齢運転者の自動車事故を防げ! 2017.02.23 幸福実現党・兵庫県本部代表 みなと 侑子 ◆社会問題化する高齢運転者による事故 青信号で発進しようとしたら、うつろな目をした高齢者が運転する車が、赤信号を無視して道を横断してきたため、慌ててブレーキを踏んだ…筆者の経験です。 最近はご高齢の方から、「じつは事故を起こし、運転をやめた」と聞くことも珍しくありません。いま高齢運転者による交通事故が問題になっています。 よくあるのは、アクセルとブレーキを踏み間違えて、駐車場から店内に突っ込む事故です。 たいした被害がなければ店側が警察に届けないこともあり、事故は統計数よりも多く起こっていると思われます。 負傷者がいなければ不幸中の幸いとなりますが、中には登校中の児童の列に突っ込み、死傷者が出るような事故も起こっています。 免許を自主返納する高齢運転者も出てきていますが、公共交通機関が発達していない地域においては、車がなければ生活ができません。 そのため、免許返納に関し本人と家族が揉め、事件になる事例も出てきています。 行政側は免許返納者に対し、バスやタクシーの運賃の補助、市営・町営の無料バス、ポイントカードのポイント付与などの特典を提供し、返納を促していますが、本当にこれで解決するのでしょうか。 ◆事故率の増加と改正道路交通法 ここ10年間で、車による死亡事故は6165件だったものが、3585件となり、4割以上減っています。 全体的に減少していますが、75歳以上の高齢運転者が起こした事故数は、10年前が457件、現在が458件であり変わりません。 結果、事故全体に占める高齢運転者の割合が、10年前7.4%→現在12.8%と大きくなっています。高齢化社会を迎え、今後も大きくなり続ける可能性があります。 そのため、認知症になる可能性がある75歳以上の対策が必須であるとし、本年3月には、認知症対策を強化した、改正道路交通法が施行されます。 今後、75歳以上のドライバーが交通違反をした場合、認知症の検査が義務付けられることとなりました。 認知症の恐れがあるとされた場合、医師の診断を受けることが義務つけられ、認知症であれば免許取り消しか停止になります。 しかし一度事故が起きてしまえば、被害者だけでなく、加害者も大きな心の傷を負って生きていくことになります。どうすれば事故を未然に防ぐことができるのでしょうか。 ◆自動ブレーキの全車配備と義務化までにすべきこと 自動ブレーキの全車配備は、一日も早く進める必要があります。現在は、カメラや超音波で障害物を検知し、衝突を回避するシステムが人気です。 ダイハツは衝突回避支援システム「スマートアシスト」を軽自動車で初めて導入。5万円という低価格もあり、約8割のユーザーが搭載自動車を選択しています。その結果、「スマートアシスト」搭載車種は100万台を超えています。 中古車市場も大きい日本では、中古車のための自動ブレーキ後付け安全装置も求められていましたが、2016年12月にオートバックスセブンが急発進防止装置「ペダルの見張り番」を約4万円で売り出しました。 アクセルとブレーキの踏み間違いを防止するもので、時速10キロ以下で動いているときにアクセルを強く踏んでも、警報音が鳴り、急発進しない仕組みになっています。これにより、駐車場などでの踏み間違いによる事故が減らせます。 「スマートアシスト」や安全運転支援システム「アイサイト」搭載の車が中古車市場に出回るまでの間は、後付け安全装置を利用することが全運転者に求められます。 ◆1~2名乗りの超小型車の普及促進 それでも大きな車を運転することには、不安がつきまといます。そこで超小型車の普及促進を同時に行います。 セブンイレブンが宅配サービス配達に利用しているのが、一人乗りの超小型の電気自動車「コムス」です。 コンパクトで気軽に乗れる上に、最高時速が50~60キロなので、生活圏内での移動に不便はありません。 超小型なため、万が一間違ってアクセルを踏み込んでしまっても、ガラスを突き破って店内に突っ込む恐れは少なくなります。 普通免許は必要ですが、自動車取得税・自動車重量税・車検・車庫証明は不要です。 また、6時間の充電で50キロ走行可能となっているため、年金暮らしの高齢者にもコストパフォーマンスがとてもよいです。 現在の本体価格は約80万円、クリーンエネルギー等導入促進対策費補助金の対象の補助が7万円あります。 まだまだ高価ではありますが、トヨタのほか、日産、ルノー、ホンダなども開発・販売し始めており、今後の市場は更に開けていくはずです。 普通車には乗せたくない家族と、シニアカ―には乗りたくない本人のニーズを満たす超小型車は、高齢運転者の安全と安心を確保する大切な足となります。 ◆将来の自動運転化を目指して 幸福実現党では、自動運転車両の走行を視野に入れ、高速道路および幹線道路における自動運転インフラの整備を、段階的に進めます。 道路の中に誘導用の基盤を埋め込み、プログラミング操作をして運転するシステムで、ゴルフ場での自動式ゴルフカートのようなイメージとなります。 自動運転インフラシステムの技術革新は、道路はもちろんのこと、車が空を飛ぶ時代が来た時も、必要になります。 そうなると、すべての人がもれなく安全に目的地まで移動できるようになるでしょうが、今はまだ自己責任が大きな割合を占めます。 新しい製品や技術の力を借りながら、自分も他人も傷つけない移動方法を模索していきたいと思います。 参考:Wedge2月号「社会問題化する高齢運転者事故 免許証返納は解決策に非ず」 香港の議員資格剥奪事件を受けて ―革命か、隷属か― 2016.12.15 幸福実現党・兵庫県本部 副代表 みなと侑子 ◆改めて骨抜きが証明された香港の自治 11月17日、香港の高裁が中国共産党全人代(全国人民代表)常務委員会の意向を追認し、香港で新たに誕生した議員2名の資格を剥奪する決定を下しました。 2015年9月7日の立法議員選挙において新たに生まれた新興の反中議員6名のうちの、新党「青年新政」の30歳と25歳の議員のことです。 問題となったのは、議員就任後の初の立法会で行われた宣誓式です。 10月12日の宣誓式では、香港の在り方を定めた香港基本法を支持することや、中国と香港に忠誠を尽くすことが盛り込まれた定型文を読み上げることになっていました。 ここで2名は議員就任宣誓の際に、「China」の部分を広東語で「支那」と発音、定型文にはない「香港民族の利益を誠実に守る」などの文言を挿入したのです。 また議場に「HONG KONG IS NOT CHINA」との垂れ幕を掲げました。 11月7日、香港基本法104条「立法会議員が就任する際に『香港は中国の不可分の領土』と定める基本法の順守を宣誓しなければならない」と規定されていることを根拠に、香港基本法の解釈権を持つ全人代常務委員会が談話を発表。 その中で、2名の議員に対し「形式も内容も宣誓の要求に違反し、一国二制度への重大な挑戦だ」と強く批判したのです。 議員は「中国の一部としての香港」に忠誠を尽くすことを宣言しなければならないとし、規定通りの宣誓をしない場合には公職資格を失うと決定。 2名は「香港国」に忠誠を誓ったと判断され、宣誓が無効とされました。また「香港独立」を宣伝する人は参政権も議員資格もなく、法的責任を追及されるとしたのです。 全人代常務委員会が香港基本法の解釈を示すのは五度目。香港司法に介入した、香港人の民意を踏みにじったとして、民主派がデモを行うなど大きな問題となっています。 ◆親中議員により阻止されていた、再宣誓 実は宣誓式が行われた日、彼ら以外にも宣誓文の漏れや不適切な追加を行ったとして、計5人が再宣誓の必要があると判断されていたのです。そのため、再度宣誓式が行われていました。 5名のうち2名が再宣誓を終えたところで、「青年新政」の議員に順番が回りました。すると親中派の議員たちが一斉に席を立ち退場したのです。それによって議会は定数不足により開催を中止。上記2名を含む3名の再宣誓は完了しなかったのです。 香港の新議会宣誓式での問題は、親中派議員により再宣誓が阻止されたのです。 ◆「China」は「支那」ではないのか なぜ、彼らには再宣誓の機会が与えられなかったのでしょうか。それは「青年新政」の議員たちが謝罪を行わなかったためだ、と親中議員は述懐します。 彼らの態度に対し、大学教授や歴史博物館館長など有識者200名が連名で署名した声明文を発表しました。 声明文では「支那」の表現を厳しく批判し、問題となった議員を「思い上がった無知な若者」とし、公開謝罪を求めたのです。 しかし、彼らは批判が相次ぐ中でも謝罪を拒否し、自分たちの信念を貫きとおしました。そのため、彼らには再宣誓の機会が与えられなかったわけです。 ところで「China」を「支那」と呼ぶことはおかしなことなのでしょうか。 結論から言えば、おかしなことでも何でもない。「支那」は世界共通語です。 かの地を「中国」と呼ぶことこそ、歴史や言葉の意味を知れば知るほどに問題があります。ただこの件については、別の機会に詳しくお伝えしたいと思います。 ◆中国共産党が手を焼く『本土派』議員たち 注目すべきは彼らの立ち位置です。 これまで香港に存在していたのは、中国の民主化を望み、一国二制度の現状維持を望む「民主派」であるが、この考えとは一線を画すものです。 香港にとって、香港こそが『本土』であり、香港は中国の一部ではないと主張し、香港の未来のためには武力で闘うことをも辞さないという『本土派』です。 『本土派』は、1000名の逮捕者を出しながらも120万人を動員した雨傘革命以降、若者を中心に大きく支持が広がっている派閥です。 正式な選挙によって選ばれた『本土派』の議員は、明らかな民意の変化の象徴であり、中国共産党が望まない香港の未来を予測させます。 中国共産党とその意向を受ける香港行政長官にとって、真っ向から歯向かってくる煩わしい存在以外の何物でもないのです。 ◆香港を守るのは誰であり、何のためなのか 「青年新政」の2名の議員は、毎日のようにTVに出演し、「中英共同声明」で香港は独立した司法を有すると明記されていること、全人代の介入が同声明違反であることを主張しています。 さらに、2人は処分を不服として上訴するとし、全人代が香港基本法104条の解釈を採用したことが「中英共同声明」に反するとして、英国に書簡を送り支援を求めていますが、英国からの返事はまだ明らかになっていません。 いまの英国であれば、単独で中国共産党に逆らってまで、香港のために動くことはないでしょう。EU脱退に向けての国内の手続きや、国内世論をまとめることで精一杯だと思われるからです。 しかし、アメリカのドナルド・トランプ新大統領は違うでしょう。 台湾を国際社会から追いやり、中国共産党をのさばらせた「一つの中国」論に配慮し続けたアメリカ大統領の37年来の慣習を破り、台湾の蔡英文総統との電話会談を行った彼ならば、香港のために行動を起こすはずです。 そして中国共産党が自国こそが世界の中心(中国)であり、周りの異民族を臣下と考え、自国の領土を増やしつつ、朝貢・服従を求める「中華思想」や「覇権主義」に対し、意見するはずである。香港が中国共産党の支配下に置かれた場合、繰り返されるのはチベットやウイグルでの悲劇です。 そして次は台湾がその標的となるでしょう。 2017年3月には、5年に一度の香港の行政長官選挙が行われます。そこでまた、「本土派」「民主派」は香港のために立ち上がり、「親中派」や「中国共産党」と闘うでしょう。革命を選ぶか、隷属を選ぶか、選択の日は近づいています。 私たちはトランプ氏に続き、アジア平和が実現できる防衛力と、自分たちの考えを堂々と述べる勇気、そして世界への発信力を持たねばなりません。 香港の声を無視し、黙殺する日本人になった場合、「中華思想」の犠牲者となるのは、未来の私たち自身であるということを忘れてはならないのです。 すべてを表示する 1 2 3 … 7 Next »