Home/ 小松 由佳 小松 由佳 執筆者:小松 由佳 HS政経塾第2期卒塾生 幸福実現党徳島県本部副代表 日米共に、正しい政教一致政策により、現代の鎮護国家を 2014.01.06 文/HS政経塾2期生 小松 由佳 ◆国家による宗教活動の必要性 安倍首相の靖国参拝への中韓の非難が続き、国会でも野党からの批判が予想されますが、これは国家としての「信教の自由」への脅威だと言えます。 この問題の原因は、誤った歴史認識と、「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」という、憲法20条の厳格な政教分離原則です。 01年に小泉元首相が参拝した際も、「精神的苦痛を受けた」などと政教分離を盾に8件の訴訟が起きました。最高裁は、「人が神社に参拝する行為自体は、他人の信仰生活に対して圧迫、干渉を加えるような性質のものではない」として退けましたが、賢明な判断でした。 個人の信教の自由を濫用して、他者の信教の自由を侵害してはなりませんし、そもそも国家の宗教活動を禁止していること自体、異常です。確かに近代国家は、国家から個人の権利を守ることを目指してきましたが、個人と国家は必ずしも敵対するものではありません。 経済や防衛の分野では、個人に財産権や正当防衛権があると共に、国家も経済・防衛政策を行います。宗教分野でも、個人の信教の自由を保障しつつ、国家が積極的になすべき政策があるはずです。 ◆政教分離で試行錯誤してきた米国 特に今回、米国政府からも参拝への批判がありましたが、米国自身、政教分離について試行錯誤が続いています。 米国がキリスト教精神に基づいて建国されたことは明らかですが、建国の父たちには宗教弾圧への警戒心もあり、1791年、合衆国憲法修正第1条として、「合衆国議会は、国教を樹立することに関する法律、または宗教上の行為を自由に行うことを禁止する法律を制定してはならない」と定められました。 それでも、この条項は「キリスト教を全体として議会の保護から取り除くことを目的としたものではない」との解釈が通説でしたが、F・ルーズベルトやトルーマンの民主党政権下で、保守派の裁判官が退職すると、多くの厳格な政教分離主義者が判事に指名されました。 そして47年、修正第1条の適用が州にも拡大され、「修正第1条は教会と国家の間に分離の壁を打ち立てたのである。その壁は高く、しかも堅固に保たれなければならない。我々は僅かな裂け目すら黙認することは許されない」という「分離の壁原則」が示されました。 これ以降、公立学校での宗教の授業、祈祷文の斉唱、聖書朗読、都庁舎内での宗教画展示などへの違憲判決が続きました。これに対しては、「アメリカ人の伝統を根本的に破壊する」との批判も相次ぎ、議員による憲法改正への動きも活発化しました。 80年代になって共和党政権で任命された裁判官が増えると、合憲判断が増え、落ち着きを取り戻しました。厳格な政教分離は、むしろ国民の信教の自由を脅かしてきたのです。 ◆無理に政教分離を取り入れた日本 しかし、神仏習合の政教一致が伝統であった日本も、明治以来、政教分離を取り入れようと試行錯誤してきました。 明治政府は、信教の自由に「安寧秩序を妨げず、臣民としての義務に背かない限り」という限定をつけた上で、政教分離を無理に取り入れようと、「神道は宗教にあらず」とし、“宗教ではない”「国家神道」を創り出し、他の宗教を従わせ、一部の宗教を弾圧しました。 問題の原因は、「神道を国教化しようとした」ことではなく、むしろ「国教を否定し、“宗教ではないもの”を国是とし、信教の自由を制限し、宗教を弾圧したこと」だったのです。神仏習合的な国教を掲げ、信教の自由をも保障していれば、問題は起きなかったはずです。 しかし、戦後、GHQは神道指令により、日本の政治から宗教を排除しようとしました。これについては、政策担当者であったW・ウッダードも、自著『天皇と神道』で「宗教と国家の余りにも極端な分離、及び国家神道という語の使用法の混乱」があったと認めています。 ◆信教の自由を守り、唯物論国家に対抗せよ 日米両国は、国民にとって最も自然な信仰を考えた上で、世界レベルで信教の自由を拡大するため、さらなる寛容性を持った宗教を、一種の国教として掲げることが望まれます。緩やかな政教一致の下、信教の自由を保障することが、最も国の安定に寄与するのです。 そして、両国が協力して、唯物論によってあらゆる人権を弾圧している中国共産党に対抗し、神仏の名の下に、平和裡に思想・言論戦に勝利することが望まれているのです。 日本が自由からの繁栄を目指し、高い精神性で世界を導く時代へ 2013.10.14 ◆いまだ続くアメリカの政府閉鎖 現在、アメリカでは、オバマケアの予算を巡る民主党と共和党の対立により、政府の閉鎖が続いています。 私は、幸福の科学グループのHS政経塾の塾生として、10月6~13日まで、ワシントンとニューヨークへ視察研修に行き、その混乱を目の当たりにしてきました。 議会では、民主党議員が政府閉鎖の責任は共和党にあると批判し、共和党議員が応酬する場面が延々と続いていました。 米政府の関連部署、NY証券取引所や証券会社のアメリカ人スタッフにも話を聞きましたが、彼らは一様に、政府の現状に失望感を示していました。 もちろん、世界最大の国家としての繁栄には本当に感動しましたが、一方でアメリカが方途を見失い、超大国の地位から転落しかけていることを、肌で感じざるを得ませんでした。 ◆悪平等の危険性があるオバマケア 対立の焦点となっているオバマケアは、国民皆保険を目指すものです。アメリカでは、医療費も医療保険料も高く、保険に入れず高額治療で破産に追い込まれたケースもあります。 そこで、大統領は、保険加入を全ての国民に義務づけつつ、民間保険会社の商品から選ぶ自由を与えることで、保険市場を拡大し、企業間の競争によって安い保険商品を開発・提供させようとしています。 加入は強制ですが、商品の提供は民間主体であるため、話を聞いた米政府関係者も、「自由市場を拡大しようとしているのだ」と主張していました。 医療費が安くなるならと賛成する声もあり、急進的な保守派のティーパーティの影響を受けて予算を人質に同法案に反対する共和党下院議員への批判も多く、政府閉鎖の責任は大統領よりも共和党にあると考える人が多いことが、世論調査で明らかになっています。 しかし、やはり、ある種の商品の購入を全国民に義務付け、市場を政府が強制的に拡大するというのは、介入が行き過ぎており、国民の自由を侵害することに繋がります。債務危機の中、膨大なコストがかかることも問題で、将来的な増税の危険性もあります。 日本の国民皆保険制度は確かに便利ですが、不必要な治療を受ける人が増え、健康な人が損をするモラルハザードも起きており、高齢化も相まって医療費の肥大化を招いています。 奇しくも米政府閉鎖と同日、日本では安倍首相が社会保障を目的とする消費増税を発表しましたが、日米共に、国民の自由を制限する方向に進んでいると言わざるを得ません。 ◆自由からの繁栄を目指す成長戦略を しかし、アメリカ建国の精神は「自由」です。独立宣言が採択された旧都フィラデルフィアの憲法センターも見学しましたが、自由を求めて戦い続けてきたアメリカの情熱に感動しました。 イギリスの増税に反発して起きた茶会事件が、独立戦争の発端となり、現在のティーパーティ運動の名前の由来ともなっているように、その精神は生き続けています。 ただ、忘れてはいけないのは、自由とは、極端な孤立主義や個人主義に陥ることではなく、公の精神や必要な政府の役割を尊重することでもあるということです。この点、今回の対立劇の立役者とも言えるティーパーティの主張にも、不十分なものがあります。 二大政党の対立構図には、一定の傾向があります。民主党は、政府の役割を尊重する点はいいとしても、大きな政府となって国民の自由を奪う傾向があります。 共和党は、小さな政府を目指し、国民の自由を確保しようとする点はいいとしても、政府の役割を軽視する傾向があります。特にティーパーティは、公共投資を含むあらゆる財政支出の削減を要求しており、当然、軍事予算を拡大してシリア問題などの紛争に介入することにも反対です。 しかし、正しい政策は中道にあり、国民の自由を確保すると共に、国家戦略を持って政府が国内外で役割を果たすことも必要です。この点、二大政党政治の限界を強く感じました。 今のアメリカに欠けているのは、自由からの繁栄を目指す成長戦略です。話を聞いた証券会社のスタッフも、「世界経済における最大のリスクは、成長の欠如だ」と述べていました。 政府が明確な成長戦略を持って投資を行い、経済を先導すると共に、国民の自由を拡大し、その力を引き出せば、国全体が富み、税収は増え、財政問題も解決するのです。 幸い、リーマン・ショック後のアメリカは、FRBの金融緩和が功を奏し、特に住宅市場の回復が顕著ですし、シェールガスの産出も大きな希望です。FRBの次期議長に、金融緩和に積極的で雇用拡大を重視するイエレン氏を選んだことも、賢明な判断だと言えます。 アメリカ金融界では、日本経済への期待の声も多く聞かれました。日本が増税ではなく経済成長による自由からの繁栄を達成して見せ、アメリカをも正しい方向に導くべきです。 ◆神の子としての自由と道徳・公共心の復活を また、アメリカにおいて、モラルや精神性の向上が求められていることも強く感じました。 一部のティーパーティ運動への国民の反発の原因には、自由の概念が濫用され、極端な個人主義や孤立主義、階級・人種差別的な言動が見受けられることがあると考えられます。 本来、アメリカ建国時の自由の概念には、高い道徳的観念、気高い精神性がありました。それは、創造主である神への純粋な信仰と、神に創られた人間としての尊厳への確信です。 独立宣言には、「すべての人間は平等に創られている。創造主によって、生存、自由、そして幸福の追求を含む、侵すべからざる権利を与えられている。これらの権利を確実なものとするために、人は政府という機関を持つ」とあります。 ここに掲げられた自由は、神の子としての誇りを持ち、神に与えられた自国を愛し、神の御心に適う世界を創る自由です。 過度な社会保障も極端な個人主義も、この精神を傷つけます。自由に伴う責任としての道徳心・公共心の復活と、それを政策に正しく反映する新たな指導者の登場が必要です。 ◆日本の高い精神性が世界を導く それと同時に、アメリカが基盤とするキリスト教精神の限界も感じます。独立宣言にある「創造主」が、旧約聖書における一神教的なものと捉えられた場合、弊害を生みます。 キリスト教原理主義が人種差別に繋がる面は否めず、ブッシュ大統領がキリスト教原理主義的な思想を掲げて実行したイラク戦争の泥沼化もあり、極端な宗教的イデオロギーを掲げての行動に国民は懐疑的となり、精神的支柱を見失っているように見えます。 これについては、日本が良き先導役になれるはずです。日本も自虐史観により精神的支柱を見失っていると言えますが、歴史的事実を見れば大きな違いがあります。 アメリカが過去の植民地支配や人種差別により多くの国々から反発を受けているのに比べ、日本は植民地解放によってアジアの国々から感謝され、宗教的寛容性があるため中東の国々からも信頼が厚く、国民の道徳心や公共心の高さには世界から定評があります。 幸福実現党は、不毛な二大政党制を乗り越え、高い道徳性を持った宗教的精神に基づく政治の実現を目指しています。 これからは、日本がアメリカの良き自由の精神にも学びつつ、アメリカをも導き、世界の繁栄と平和に貢献していくことが求められているのです。(文責・HS政経塾第二期生 小松由佳) 国家に宗教的精神を取り戻し、真なる「主権回復」を! 2013.04.29 今こそ、自主憲法制定を! 昭和27年のサンフランシスコ講和条約発効から61年目となる4月28日、政府は、天皇・皇后両陛下ご臨席の下、「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」を開催しました。 第二次大戦後、日本は米国による占領下に置かれましたが、昭和26年9月に同条約に署名し、27年の発効を受けて主権を回復しました。 同条約発効後も米国の信任統治下に置かれた沖縄県内では、同日を「屈辱の日」として式典開催を批判する声もあり、同県の仲井真知事も式典を欠席しました。 しかし、同条約発効時に「日本は沖縄に対し潜在的主権を持つ」という合意がなされていたことが、20年後の沖縄の祖国復帰に繋がったことは明らかで、同日が日本国全体にとって記念すべき日であることは確かです。 中国や北朝鮮などの軍事的脅威が迫る中、主権国家としての自主防衛の意識を高め、超党派で協力体制をつくるためにも、意義のある式典であったと言えます。 また同日、「主権回復記念日国民集会」が日比谷公会堂で開かれ、出席した国会議員からは、自主憲法の制定を求める声が相次いだといいます。 自民党は本来、自主憲法の制定を党是としており、安倍首相も、まずは憲法第96条を改正し、憲法改正要件を「衆参両院の3分の2以上の賛成」から過半数に引き下げることを目指し、今夏の参院選でも争点化したいとの考えを示しています。 真なる国家主権の回復のためには、米国占領下で定められた憲法を廃棄し、新たに自主憲法を定めることが不可欠です。 幸福実現党も09年の立党当初より、自主憲法の制定を目指しており、憲法改正の流れを加速させたいと考えています。 自民党憲法試案が掲げる「天皇元首制」 自民党の憲法試案の大きな項目の一つが、天皇元首制に関する規定です。 自民党が昨年4月に発表した憲法改正草案では、第一章の第一条で「天皇は、日本国の元首であり、日本国及び日本国民統合の象徴であって、その地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく」とされています。 確かに、天皇を元首とすることで、日本の歴史と伝統の象徴である天皇の地位と威信を高め、日本人の誇りを取り戻そうとする気概は評価できます。 しかし、元首には、政治的権力と共に、大きな責任も生じるため、天皇元首制は、むしろ天皇の立場を危うくする可能性が高いと言えます。 先の敗戦後、多くの日本人が「戦犯」として処刑されましたが、天皇が元首であったために、天皇が「戦犯の長」として処刑される危険性もあり得たわけです。 日本の歴史と共にあり、日本の伝統そのものである皇室を守っていくためには、あくまで政治権力から独立した文化的存在として尊重していくことが大事だと言えます。 幸福実現党の大川隆法総裁が09年に発表した新・日本国憲法試案では、第4条で「大統領は国家の元首であり、国家防衛の最高責任者でもある」とし、第14条で「天皇制その他の文化的伝統は尊重する。しかし、その権能、及び内容は、行政、立法、司法の三権の独立をそこなわない範囲で、法律でこれを定める」としています。 文化的存在として皇室が守られつつ、過度な責任が発生することのないよう、慎重に配慮した規定だと言えます。 天皇の宗教性を隠蔽している現行憲法 ただ、自民党が「天皇を元首と明記すべき」とした背景には、「現行憲法における天皇の立場が曖昧であることが、日本の国家としての機軸を失わせ、主権を弱めている」との問題意識があり、それ自体は正しいと言えます。 皇室は日本神道の最高神とされる天照大神の直系子孫であり、日本神道の最高神官です。しかし、現行憲法において、こうした宗教的本質が隠蔽されていることが、天皇の立場を曖昧・複雑にしているのです。 実は、この問題は、明治憲法制定時から始まっていたものでもあります。同憲法では「日本神道は宗教ではない」という特殊な前提を置いた上で、天皇を国家の機軸としました。 これは、国家の機軸として何らかの精神的存在を求めていたものの、「特定の宗教を国家に取り入れることは、近代的立憲主義に反し、信教の自由を危うくする」と考えた、当時の憲法起草者の苦肉の策であったと言えます。 しかし、こうした宗教に対する不理解が、後に「国家神道」といわれる特殊な文化形態を生み、結局は「信教の自由」を損なう結果を招いてしまったと言わざるを得ません。 国家の機軸としての宗教的精神を 宗教的精神を国家の基軸に据えつつも、宗教を弾圧せず、信教の自由を守ることは可能であるはずです。 日本は伝統的に、神道と仏教を緩やかに融合させた「神仏習合」を国是としており、最高神官でありながら仏教に帰依し、鎮護国家を目指してきた天皇も多く存在します。 しかし、明治憲法で天皇の宗教性が否定され、さらに敗戦後、日本を占領した米GHQが、国民の反発を招かないよう天皇は存続させつつも、厳格な政教分離規定を定めることで、天皇の宗教性を隠蔽し、その威信を低下させると共に、あらゆる宗教的精神を政治の場から排除し、国家の機軸を奪って来ました。 よって、「天皇は日本神道という宗教の最高神官である」という正しい前提に立った上で、皇室の威信を高めると共に、神仏習合の精神を基盤とした宗教的精神を国家の機軸として取り戻すべきです。 大川隆法総裁の新・日本国憲法試案の前文には、「われら日本国国民は、神仏の心を心とし、日本と地球すべての平和と発展を目指し、神の子、仏の子としての本質を人間の尊厳の根拠と定め、ここに新・日本国憲法を制定する」としています。 こうした宗教的精神に基づく新たな自主憲法の制定が、日本が「真なる主権国家」として新たな歴史を歩むために、今求められていることなのです。(文責:HS政経塾第二期生・徳島県本部参議院選挙区代表 小松ゆか) 安倍首相は憲法9条第1項を廃し、国際平和のためには武力行使も辞さない覚悟を示せ! 2013.02.04 不十分な自民党の憲法改正案 安倍首相は1日、参院本会議での各党代表質問で、「自衛隊は国内では軍隊と呼ばれていないが、国際法上は軍隊として扱われている。このような矛盾を実態に合わせて解消することが必要だ」と述べ、憲法を改正して国防軍の保持を明記する意向を示しました。 自民党は、昨年4月に憲法改正草案を発表し、12月の衆院選でも国防軍明記を公約に掲げましたが、安倍首相が就任後、国会で明言したのは初めてのことです。 国防軍の保持は、主権国家として当然であり、その姿勢は評価できます。 しかし、問題は、自民党の憲法9条改正案が、不十分であり、国家主権を侵害するものに留まっていることです。 自民党の憲法9条改正案は、第1項(平和主義)で、「国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない」としつつ、第1項2で「前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない」とし、第2項(国防軍)で、「我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する」としています。 現行憲法の9条第2項の「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」を削除し、自衛権と国防軍を明記したことは評価できますが、問題は、第一項が、ほぼそのまま残っていることです。 安倍首相も、「憲法の平和主義、戦争放棄を変えるつもりはない」と述べ、これを裏付けています。 主権を侵害し、必要な武力行使を妨害する危険性 しかし、「国権の発動」、つまり「国家主権の行使」としての戦争を放棄することは、国民の主権の一部を放棄することに他なりません。 そのため、「憲法9条は基本的人権の尊重を定めた憲法第13条に違反している」との見解もあります。 自民党は、第1項2で「前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない」と付記することで、「自衛のための武力行使は容認される」と解釈しています。 しかし、「国権の発動としての戦争」と「自衛のための武力行使」の違いは定かではなく、将来、左翼的な政権が成立した場合、第1項を根拠に、自衛権の行使を妨げる危険性が高いのです。 また、「国際紛争の解決の手段」という言葉の解釈も特殊であり、「侵略目的のもののみを指す」と解釈されていますが、普通の言語感覚からして無理があります。 この特殊な解釈は、1928年に定められたパリ不戦条約第1条からきています。 同条約は「国際紛争を解決する手段」としての戦争を放棄するとしつつ、その定義は明示せず、ただ、締結の過程で「自衛権や自衛戦争は認められる」という解釈が出されたため、「国際紛争を解決する手段とは、侵略目的のものののみを指す」という解釈が慣習化されたのです。 しかし、結局、「侵略とは何なのか」が定義されなかったため、各国は主権国家として、自らの戦争が自衛か侵略かを独自に判断でき、あらゆる戦争が容認される状態となりました。 つまり、同条約は、解釈が複雑で、空文化しており、正当性が希薄だと言えます。 それにも関わらず、この文言を憲法に入れることで、日本は自らの手足を縛っているのです。 欧米諸国が、イスラム原理主義組織によるテロ活動や独裁政権による民衆弾圧を止めるため、世界各地で軍事介入を繰り返していますが、利権確保のための行動もあるとは言え、「侵略目的の武力行使」ではなく、一定の正当性があると言えます。 国益と国際平和、国際正義を守るために、「国権の発動としての戦争」や「国際紛争解決の手段としての武力行使」が、どうしても必要となることはあるのです。 特殊な解釈が国際法上、慣習化されているからといって、それを文面通りに国内法に取り入れ、主権を害してはなりません。 特に、国民の精神的支柱であるべき憲法において、そうした文言を掲げ、複雑な解釈で無理に現実に合わせることは、望ましくありません。 この9条第1項が温存されている限り、戦後日本の「非現実的な一国平和主義」が続き、政府による責任逃れの口実に使われる可能性が、非常に高いと言えます。 それは、1月に起きたアルジェリアでの人質事件での安倍首相の対応を見ても明らかで、日本政府は卑劣なテロと戦い、自国民を保護するための軍事介入すら、できずにいるのです。 「村山談話」踏襲に見る安部政権の恐怖心 また、このことは、安倍首相が「村山談話」を踏襲したこととも、無関係ではありません。 1995年、当時の村山首相は、日本が第二次世界大戦で「植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました」と謝罪しました。 安倍首相は、これを踏襲する意向を示し、「とりわけアジア諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えたという認識は歴代内閣の立場と同じだ」としています。 つまり、安倍政権を含む歴代政権には、「先の大戦は日本の侵略戦争であり、同じような侵略戦争は起こしたくないし、侵略戦争だと批判されるような他国への軍事介入、海外での紛争解決には手を出したくない」という罪悪感・恐怖心が、根深くあると言えます。 しかし、先の大戦におけるアジア諸国への日本の軍事介入は、侵略目的のものとは言えず、欧米の植民地主義に対抗する戦争でした。この戦争の結果、アジアの人々は植民地支配から解放されたのです。 この史実を、日本は誇りを持って語り継ぎ、未来においても同様に、国際平和と国際正義のために行動しなくてはなりません。 国際社会における正邪を判断し、結果責任をとることは難しいことですが、政府はその重責から逃げず、あくまで正義を追求し、勇気を持って行動すべきです。 しかし、自民党で最右翼と言われる安倍政権ですら、「過去の侵略戦争の亡霊」から逃れられず、「国際紛争の解決の手段」としての武力行使を行う勇気と覚悟が無いのです。 国際平和と国際正義を実現する幸福実現党 日本を国際社会のリーダーとし、国際正義と国際平和を実現できるのは、幸福実現党のみです。 幸福実現党は、現行憲法を廃し、新たな憲法を創ります。 幸福実現党の大川隆法総裁が提言している「新・日本国憲法試案」では、第一条で、「国民は、和を以て尊しとなし、争うことなきを旨とせよ。 また、世界平和実現のため、積極的にその建設に努力せよ。」とした上で、第五条で、「国民の生命・安全・財産を護るため、陸軍・海軍・空軍よりなる防衛軍を組織する。」と定めています。 これは、日本が、国際平和実現のため、あらゆる手段を尽くすことを誓うものです。決して、侵略戦争や、無用な戦争を起こすのではありません。 紛争や侵略によって苦しんでいる人々を救うためならば、「国権の発動としての戦争」も「国際紛争を解決する手段としての武力介入」も辞することなく、勇気と正義感を持って行動するということです。 現在も、中東・アフリカ地域では、テロや紛争が絶え間無く続いていますし、アジアでは、中国や北朝鮮など、他国への侵略・攻撃意図を持った覇権国家の脅威も続いています。 こうした中、幸福実現党は、大国・日本の責任政党として、日本国民はもちろんのこと、全世界の人々の生命と安全、財産、そして幸福を、断固として護り抜く決意です。(HS政経塾第二期生、徳島県参院選選挙区代表 小松由佳) 日米は増税を止め、「自由からの繁栄」を目指せ! 2012.11.12 11月10日、野田首相は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉への参加を、次期衆院選の民主党マニフェストに盛り込む意向を示しました。 TPPに慎重である自民党との差別化を図り、TPPを争点に選挙戦を戦う狙いがあると見られています。 しかし、TPPについては、与党内でも意見が割れており、離党者が出て民主党が衆院単独過半数を割る危険性も高まるとされているため、首相がどこまで主張を貫けるか、本当に選挙に打って出るのか、決意が試されるところです。 TPPは、アメリカを含む環太平洋地域の11カ国が、締結を目指して交渉を進めている多国間の自由貿易協定です。 「例外なき関税撤廃」を原則とし、2015年までに加盟国間の全貿易の関税をゼロにすることを目指しています。 交渉に参加するには、現に交渉に参加している11カ国の承認が必要ですが、日本は事前協議で多くの国から支持を得ています。特に、アメリカのオバマ大統領は、日本のTPP参加を強く促してきました。 日本はこれまで野菜や果物などの輸入関税を段階的に引き下げてきましたが、コメや小麦などの基幹作物は、数百~1千%という異常な高関税によって保護し続けています。 TPP参加によって、こうした関税を撤廃し、農業の自由化を進めることができれば、日本の農業をイノベーションすることもできるでしょう。 もちろん、競争に敗れて潰れる農家も多数出ると考えられるため、TPPは特に地方では票に繋がりにくく、選挙の争点としては避けられてきました。 そうした中でTPP参加を明確に主張している点は、野田首相を評価できると思います。 しかし、決して忘れてはならないのは、野田首相が心から日本の自由と繁栄を望んでいるとは考え難く、その最終目標は「消費税の増税」であり、TPPもその布石に利用されているに過ぎない、ということです。 今年3月、野田政権は「消費税を2014年に8%、2015年に10%に引き上げる」との法案を閣議決定しました。 本来ならマニフェスト違反である同法案を通す前に、解散して国民の信を問わなくてはならないはずでしたが、増税については与野党の意見が一致してしまったため、選挙の争点とする気配すらありません。 そして、同法案には、反対派の攻撃をかわすためか、増税の前提条件として「2020年度までの平均で名目3%、実質2%の経済成長率」を「努力目標」とする景気弾力条項が盛り込まれており、これを達成すべく、野田首相はTPPの推進に「努力」しているのです。 ですから、民主党が真に自由や繁栄を求めているかのような幻想を抱いてはいけないのです。 一方、アメリカも、オバマ大統領が再選され、いよいよ年末に「財政の崖」を迎えるか、という危機的状況にあります。 「財政の崖」とは、大規模な増税と財政支出削減が同時に行われ、急激な景気後退が起き、世界大恐慌にも繋がる危険性がある、ということです。 2000年代に始まった所得税や不動産関連税などに対する大型減税、いわゆる「ブッシュ減税」が、2012年末に期限切れを迎えると共に、オバマ政権下の2011年に財政赤字が問題となり、与野党が協議して強制的に歳出を削減することが決められたため、2013年1月から国防費を中心に10年間で最大1兆2000億ドルの歳出削減が行われてしまうのです。 景気後退に苦しむアメリカを立て直すには、減税によって国民の負担を軽減すると共に、政府が大規模な公共投資を行って、雇用を生み出す必要がありますが、実際にはこれと全く逆のことが起きてしまうわけです。 このままでは13年度だけで最大6000億ドル(約48兆円)の増税と歳出削減となり、13年の実質成長率はマイナス0.5%、失業率は9.1%に悪化すると予測され、世界経済にも大きな脅威となります。 こうした事態を避けるには、年末までに米議会が減税を延長させる新しい法律を作ることが必要ですが、オバマ大統領は11月9日、再選後初めて演説し、富裕層向けの減税措置を打ち切る方針を改めて表明してしまいました。 オバマ大統領は、富裕層からお金をとって貧民層にバラまくことが神の御心に叶うと信じて疑わないようですが、本当に貧民を救うためには、政府と富裕層が協力をし、大規模な事業を行い、多くの雇用を生み出さなくてはなりません。 アメリカでは近年、「シェールガス革命」と呼ばれるほど、膨大な埋蔵量を誇るシェールガスの増産が進み、「50万人以上の雇用を生んでいる」「GDPを0.5%押し上げる」などと明るい試算が出されていますが、こうした新産業を発展させるには、それを担う富裕層や大企業に対する、減税などの優遇措置による支援が必要です。 また、アメリカ全土で、インフラの老朽化が心配され、再整備が望まれていますし、広い国土に比して、新幹線やリニアなどの交通網も不十分です。 さらに、中国がサイバー・宇宙空間へも軍事拡大を進めている中で、アメリカがこうした最先端の分野に大規模に投資し、日本とも協力して、技術や規模の面で中国を凌駕し、牽制しなくてはなりません。 15日に国家主席に就任予定の習近平氏の下で、中国はさらなる覇権拡大を目指すと考えられます。 共産党一党独裁体制は、様々な矛盾が露呈し始めており、数年内に崩壊するとの予測もありますが、その過程では大きな混乱が生まれ、国内の不満をそらすために他国への侵略傾向を強める可能性も高く、環太平洋圏は大きな危険に晒されています。 そうした中で、日米が共に増税や歳出削減によって衰退していくようなことは、絶対に避けなくてはなりません。 日本は、国民の自由と活力を奪う増税法案を早急に破棄し、様々な分野で自由化を進めると共に、オバマ政権に対しても政策転換するよう強く働きかけていくべきです。 アメリカが、建国と繁栄の原点にある「自由の精神」を忘れず、「世界の警察官」としての使命を果たし続けられるよう、強力にサポートすることが大切です。 TPPについても、政局や政権の維持に利用するのではなく、「自由からの繁栄を目指す」という強い意志、明確な価値観を持った上で参加するならば、自由と民主主義の価値観に基づく国際体制を固め、中国をもそうしたルールの下に呼び込む力の一助になるはずです。 幸福実現党は「自由からの繁栄」の志を貫き、一貫して増税や緊縮財政には反対し、自由と民主主義の価値観の下、世界の平和を守り続けてまいります。(文責・HS政経塾第二期生・徳島3区選挙区支部長 小松 由佳) 憲法を改正し、独立主権国家としての国防体制の確立を! 2012.08.20 8月19日、地方議員と市民団体のメンバーら日本人10人が、尖閣諸島の魚釣島に上陸。今年1月と7月に石垣市議らが魚釣島と北小島に上陸した時と同様、政府の許可なく上陸しました。 10人は「日本の領土を守るため行動する議員連盟」などが主催した同諸島沖での戦没者慰霊祭に参加後、泳いで魚釣島に上陸し、約1時間半にわたり国旗を掲げるなどしました。 そして、同日夜に記者会見し、上陸の動機について「日本は尖閣を中国の手に渡してはならないという心意気を、全国に発信できたら成功」などと述べました。 日本政府は「平穏かつ安定的な維持のため」として、2002年に同諸島を借り上げて以降、政府関係者や地権者以外の上陸を認めていません。 しかし、15日の香港の市民活動家による上陸と、政府の弱腰対応を受け、国民の不満と危機感が高まっていることが、本件からもわかります。 日本人の上陸を受け、中国側は、例の如く強く反発し、同日、中国外務省の秦剛報道局長は「日本の右翼分子による違法行為は、中国の領土、主権を侵犯している。日本は当面の問題を適切に処理し、中日関係の大局を大きく損なうことを回避すべきだ」との談話を発表しました。 また、同日、中国の20都市以上で反日デモが行われ、広東省深センでは約2000人が「打倒日本帝国主義」などと書かれた横断幕を掲げて行進し、一部は暴徒化して日本車数台を破壊し、日本料理店の窓ガラスを割るなどしました。 こうした各地での大規模な反日デモは、2010年9月の尖閣沖漁船衝突事件以来のことであり、再び日中関係が緊迫していると言えます。 10人について、県警などは、軽犯罪法違反の疑いがあるとして事情聴取する方針を出しつつも、同様の立件例は無いとして、処分などは行わない方針です。 しかし、そもそも、日本の領土である尖閣諸島について、事由の明示もないままに、政府が国民の上陸を制限していることが、国民の反発を招いているのは当然です。 むしろ、海保や自衛隊による同海域の警備を強めると共に、政府と民間が協力して実効支配を強め、中国に対抗すべきです。そして、何より日本は、これを機に、国防体制を全面改革すべきです。 「終戦記念日の前後に外交問題が噴出し、中国・韓国の反日行動が続く」という“毎年恒例”の事態は、「戦後の呪縛」を脱していない日本側が誘発していると言わざるを得ません。 つまり、いまだに日本政府が、戦後の米国による占領下で定められた日本国憲法を押し戴き、「敗戦国」「戦犯国」との国家意識を持ち続けていることが、根本的な原因です。 そのために、戦後65年を経てなお、中国・韓国から謝罪や補償を求められ続け、罪悪感から強く反論できず、“平和憲法”の美名の下に、自衛力すら確立できずにいるのです。 日本政府は、自衛隊を「軍隊」とは認めず、警察と同じような行政組織の一部と見なしています。そのため、自衛隊は外国の軍隊であれば当然認められる権限が認められず、厳しすぎる規制に縛られ、十分な自衛行動が取れません。 それが15日の香港活動家による尖閣上陸を許したことにも繋がっています。 このままでは日本は“罪滅ぼし”として中国や統一朝鮮に占領され、「日本が戦時中にしたと言われる“残虐な行為”を、そっくりそのまま返される」という近未来を迎える可能性が高いのです。 よって、「戦犯国意識」を捨て去り、独立主権国家として“当たり前の国家”を創るべく、現行憲法の廃止または改正の議論を盛り上げ、粘り強く続けていかなくてはなりません。 本来、超党派で合意すべきは、消費税増税などではなく、憲法改正を含めた国防体制の強化です。 解散・総選挙も近いとされていますが、各党は増税や社会保障よりも、国家としての最低限かつ最も基本的な責務である国防・安全保障問題をこそ、堂々と争点にして戦うべきです。 この観点からも、「地方分権」を唱えて勢力を拡大している政党が、次期政権の任に堪えないことは明らかです。 国防の危機に対処するには、中央集権体制の下、政府が強いリーダーシップをとって判断し、自衛力を行使することが必要不可欠だからです。 今、もし地方分権を行えば、沖縄県や、尖閣諸島の購入を予定している東京都が、中国との領有権争いの矢面に立たされ、国が責任を放棄するであろうことは目に見えています。 日本は、憲法において、自衛権、自衛力、自衛軍の保持を明記すべきです。そして、大統領制を採用し、強い行政の下に自衛権を発動できるようにすべきです。 憲法条文の改正には時間がかかるとしても、少なくとも政府は、速やかに憲法解釈を変更し、憲法前文にある「平和を愛する諸国民」に当てはまらない中国などの国家に対しては、憲法9条の適用を除外し、自衛権を正当に行使する旨をはっきりと宣言すべきです。 幸福実現党は、立党以来一貫して、国防の危機と自主防衛力の必要性を訴え続けてまいりました。 今後とも、国民の皆様の生命・安全・財産を守る責任政党として戦ってまいります。ご支援の程よろしくお願い申し上げます。(文責・HS政経塾2期生、幸福実現党 徳島県第3区支部長 小松由佳) すべてを表示する « Previous 1 2