Home/ 新着一覧 新着一覧 揺れる欧州。次は銀行危機。 2011.10.05 ギリシャの債務危機がクローズアップされていますが、ここにきて銀行危機も表面化しています。 10月4日に開催された欧州財務相理事会では、ギリシャ支援は見送られ、代わりに銀行支援策が合意に達しました。 フランス・ベルギー系の金融機関であるデクシアは、ギリシャに対する莫大な投融資残残高を有し、今回のギリシャ危機によって経営危機が表面化しました。実は、2008年のリーマンショックの際には、64億ユーロ(約6400億円)にのぼる政府支援を受けており、経営状態は綱渡り状態が続いていたことが各種報道によって明らかとなっています。 デクシアに対しては、フランスとベルギーが救済をいち早く表明しましたが、不良資産は関連銀行に移譲され、健全部門まで売却を余儀なくされているため、事実上解体されたことになります。 欧州市場では、ギリシャ支援が11月まで先送りされたことと、デクシアの経営危機によって欧州銀行株指数は4%も下落しました。ギリシャの債務危機の最中に、銀行危機が襲い、さらに悪いことに、米格付け会社のムーディーズ・インベスターズがイタリア国債を三段階引き下げました。格付けの見通しも「ネガティブ(弱含み)」としている以上、さらなる引き下げもありえます。 こうした一連の流れの中で、欧州の主要メディアも悲観論に陥っています。英ファイナンシャル・タイムズ紙は、すべての銀行が抱える損失を公表し、慢性的な経営危機を残存させるよりも「ショック療法」的な厳しい措置を求めています。銀行部門が信用危機となれば、倒産だけでなく、国際金融市場や債券市場からの資金調達が困難となります。ただでさえ、緊縮財政と増税によって不況に陥いる可能性の高い欧州で、資金調達までダメになるのは大きな痛手です。 ただ、欧州危機の根本的原因は、共通通貨ユーロによる足かせであることは間違いありません。共通通貨ユーロを維持するために設定している財政基準のため、ユーロ圏各国が緊縮財政を余儀なくされています。 また、金融政策は欧州中央銀行にしか権限がありません。そのため、簡単に金融政策が発動できないのです。特に、ギリシャでは緊縮財政と増税を進めなければならないことが影響して、11年度の経済成長率はマイナス5.5%になると予想されています。問題となっている財政赤字の対GDP比は8.5%にのぼり、国際通貨基金(IMF)等と合意した7.6%を上回ることになります。 その意味で、共通通貨ユーロは、経済的な理由よりも政治的な理由によってすすめられていると言えましょう。実際、欧州がやっていることを見れば、景気対策をせずに緊縮財政と増税です。経済成長を犠牲にしてでも、ユーロを維持する信念は固いと見えます。 今のまま、欧州が政治姿勢を崩さないならば、第二のリーマンショックとなる可能性すらあります。アメリカと日本の景気は弱いままですが、相応の資金を提供することも有り得るでしょう。 欧州市場から目を話してはなりません。「対岸の家事として見てはいけない」というのは事実ですが、日本が緊縮財政と増税を真似る必要はありません。 これを機に統一市場と共通通貨の難しさを学ぶべきです。そして、世界不況とならないために、国内と国際的な対策をしっかり練るべきです。 (文責:中野雄太) ノーベル物理学賞:宇宙の加速膨張の発見に!カギを握る暗黒エネルギーと暗黒物質。 2011.10.05 2011年のノーベル物理学賞は「宇宙の加速膨張」を発見した、米国立ローレンス・バークレー研究所のS. パールムター(Saul Perlmutter, 52)、オーストラリア国立大学のシュミット(Brian P. Schmidt, 44)、ジョンズ・ホプキンズ大学のリース(Adam G. Riess, 42)の3人に贈られることになりました。 どのような内容なのでしょうか。「日経サイエンス」の記事等を参考に、紹介したいと思います。 ●3人は宇宙の加速膨張を発見した研究チームで中心的な役割を果たしました。 ●宇宙は約140億年前、ビッグバンで誕生して以来、膨張を続けているが、物質の重力で膨張にブレーキがかかっていると半世紀以上考えられていました。 ●ところが両チームは遠方の超新星の観測から、減速していると思われた宇宙膨張が加速していることを明らかにしました。 ●宇宙全体では重力による引力を上回る斥力(反発しあう力、遠ざけようとする力)が働いていることになります。 ●巨大な斥力を生み出す未知の存在は暗黒エネルギーと名付けられ、その解明は天文学と宇宙論、素粒子論にまたがる21世紀の基礎物理学における最重要課題となっています。 ●両チームは1998年、絶対光度がわかるⅠa型という超新星について、その見かけの光度と、その超新星が属する銀河(母銀河)の赤方偏移(光が長波長側に移動する現象)を調べました。 ●絶対光度と見かけの光度を比較すれば超新星までの距離がわかり、宇宙の膨張速度がわかります。 ●その結果は驚くべきものでした。 ●宇宙は物質や暗黒物質(重力を及ぼす正体不明の存在)による重力のため、膨張が徐々に減速しているのが当然と考えられていたのですが、実際にはそれとは逆に加速膨張をしていることをグラフは物語っていたのです。 ●宇宙が内包する物質と暗黒物質を合わせた重力を打ち負かすほどの斥力(反発しあう力、遠ざけようとする力)が、宇宙全体に働いていることを意味します。 ●この斥力を生み出す未知の存在、暗黒エネルギーは多くの素粒子論研究者を魅了しています。 宇宙マイクロ波背景放射を観測するWMAP衛星の観測によって、宇宙全体の物質エネルギーのうち、74%が暗黒エネルギー、22%が暗黒物質で、 人類が見知ることができる物質の大半を占めていると思われる水素やヘリウムは4%ぐらいしかないことが分かってきています。 21世紀の物理学は、目に見えている4%の研究から、目に見えない未知の96%(暗黒エネルギーや暗黒物質)の研究によって新しい扉が開くことになるでしょう。 目に見えない領域の研究が進むことによって、同じく目に見えない「霊界科学」の領域ともつながってくることを期待したいと思います。(文責:小島一郎) 東京2020年オリンピック招致で「日本再建」を成し遂げよう! 2011.10.03 日本世論調査会の「オリンピック招致」に関する全国世論調査の結果があります。 東京都が立候補した2020年のオリンピック招致に「賛成」「どちらかといえば賛成」する人は合わせて62%です。 賛成する理由は「景気回復につながるから」68%、「子供に夢を与えるから」35%、「震災から復興する姿を海外にアピールできるから」26%でした。 オリンピック招致に「反対」「どちらかといえば反対」は35%、その理由として「震災復興などほかに優先させるべきことがあるから」「税金の無駄使い」などの意見がありました。 振り返ってみれば、1964年の東京オリンピックは、戦後復興から高度経済成長へと至るターニングポイントとなりました。 首都圏の幹線道路や首都高速道路、東京モノレール等が整備され、宿泊施設が作られ、警備体制を整えられました。カラーテレビも劇的に普及しました。 特に、東京オリンピックの年に、東京~大阪間で東海道新幹線が開通した経済効果の大きさは計り知れません。 つまり、オリンピックは「国家の発展の大チャンス」です。 しかし、2009年の都議選では「2016年のオリンピックを東京に招致するべきか」という点も争点になりましたが、民主党以下、社民党や共産党などの公認候補は「反対」でした。 オリンピックを招致できるチャンスがあるにもかかわらず、「そのチャンスをつかむことなく最初から放棄する」というのは明らかに経済音痴であるといわざるをえません。 もし2020年に東京にオリンピックを招致出来たら、間違いなく、日本に新しいもう一段の発展が期待できます。 1964年のように、単に高度成長の流れに乗せることを目指すのではありません。 「東京を真の国際都市に変えてしまおう!」という大きなプロジェクトに取り組むのです。 このチャンスを逃してはなりません!! そして、前回の東京オリンピックで新幹線が開通したならば、2020年の東京オリンピックまでにはリニア新幹線開通を目指しましょう! 先日、台風15号が日本列島を直撃し、山梨県も暴風域に入りました。まさにその激しい風雨の中、山梨リニア実験線を走る4両編成の実験車両は、水しぶきを上げながら、時速520キロで疾走。20往復走行しました。 暴風雨の中を疾走するリニアは、台風をものともしない、強い乗り物であることを証明しました。万が一、東海道新幹線が震災被害を受けた際には、東京~大阪を結ぶバイパスともなります。一年でも早い開通が望まれます。 幸福実現党は、リニア新幹線の全国敷設や宇宙開発を実現して参ります。 政府が牽引して、国の未来をつくるための未来産業部門を立ち上げるべきです。日本は「新しい国づくり」のビジョンを示せる指導者がいないため、停滞が続いているのです。 中国は9月30日、宇宙実験機を打ち上げ、地球を回る軌道に乗せました。これは、「中華宇宙ステーション」建設の第一歩となる成功です。中国も米露に続いて「宇宙大国」への道を歩み始めました。 今後、日本は米露に依存せず、有人宇宙開発に取り組むべきです。日本は「はやぶさ」などに代表される宇宙の科学探査を得意としていることから、宇宙開発の分野の技術も磨きをかければ、必ず世界一になれます。 日本を夢のある国へ―― 2020年の東京オリンピックを機に、この国の未来をデザインし、積極的なイノベーションを続ければ、日本経済は必ずや力強く立ち上がり、景気はぐんぐん回復していくことでしょう。(文責・竜の口法子) 政府は「沖縄数次ビザ」のリスクを認識せよ! 2011.10.02 現在、中国の国慶節(建国記念日)の大型連休期間中(10月1日~7日)に、中国から沖縄への定期便が増便されたり、チャーター便が続々と来航するなど、中国人旅行者が大きく増加しています。 中国人旅行者が増加している理由は、今年7月より「沖縄数次ビザ」が発行されるようになったことが最大の理由です。これは、中国人個人観光客を対象に、数次ビザ(有効期限内であればその国に何度でも出入りすることのできるビザ)を発給する制度です。 ※外務省告知⇒http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/topics/china.html 「沖縄数次ビザ」の1回の滞在期間は、従来の個人観光ビザの15日より遙かに長くなり、90日間となっています。有効期間は3年間で、その間であれば何度でも訪日できます。 発給条件として、一度目は必ず沖縄を訪問しなければなりません。ただし、その後、県外に移動することも可能です。2回目以降は、日本のどの都道府県から入国しても構いません。 「沖縄数次ビザ」の発給数は8月1,393件、9月23日現在3,767件と着実に増加しています(cf.昨年7月、中国人の沖縄個人旅行客向けに発給した観光ビザは50件)。 この「沖縄数次ビザ」は、高い購買力を持つ中国人観光客のリピーター確保すべく、仲井真・沖縄県知事と民主党政権が主導して、国民的議論のないまま、密室で決められたものであり、多くの問題点を孕んでいます。 例えば、世界には、中国人以上にお金を持っている国が多くあるにも関わらず、なぜ中国人のみを特別に優遇する必要があるのでしょうか? また、現在、沖縄数次ビザは経済メリットしか強調されず、中国人犯罪の増加や工作員の侵入など、そのデメリット面は全く考慮されていません。 本来、ビザは受入国側が身元調査し、犯罪者の入国や不法滞在を防止するための制度ですが、「数次ビザ」を一度取得すれば、3年間はフリーパスで来日することができ、中国人の犯罪者や工作員にとっては願ってもない好都合な制度だと言えます。 実際、平成22年の来日外国人犯罪の検挙を国籍別にみると、中国は刑法犯、特別法犯を合わせた総検挙件数の36.5%、総検挙人員の39.3%、また、刑法犯検挙件数の37.4%、刑法犯検挙人員の40.8%を占め、他の国籍の外国人と比較して、最も高い割合を占めています。 過去10年間(平成13年から平成22年まで)を見ても、総検挙人員に占める中国人の割合は、一貫して4割程度を維持しています。 また、侵入窃盗の検挙件数の58.4%を中国が占めているほか、払出盗及び支払用カード偽造についても、検挙件数のそれぞれ80.0%、75.3%を中国が占めています。 ※警察庁「来日外国人犯罪の検挙状況」⇒http://www.npa.go.jp/sosikihanzai/kokusaisousa/kokusai/H22_rainichi.pdf こうした実態に対して、中国人犯罪の仕事に携わって来られた元刑事の坂東忠信氏は「犯罪発生率上位3ケ国の入国は厳しく制限すべき」と提言されています。(8月4日幸福実現TV「日本を中国の自治区にしないために」) 幸福実現党は移民政策も掲げています。優秀な外国人や裕福な外国人が日本に移住し、日本国籍を正当に取得することは、日本の発展繁栄にとってプラスになるからです。 しかし、外国人を無制限に受け入れるのではなく、当然ながら、外国人犯罪の防止や工作員の流入防止、間接支配の抑止など、国内の治安維持や安全保障上の対策を十分に取ることを前提としてます。 中国国民が実質、自国の国内と同様、自由に沖縄や日本に出入りできるようにした民主党政権や仲井真・沖縄県知事は、自ら沖縄や日本の安全保障上の危機を招いていると言わざるを得ません。(文責・佐々木勝浩) 【尖閣危機】野田首相は尖閣諸島を守る気概はあるのか? 2011.10.01 9月29日午前8時50分、沖縄県・久米島の北西約246キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内で、中国の海洋調査船「科学3号」が航行しているのを海上保安本部の航空機が発見しました。 同日午後8時35分頃には、同船が尖閣諸島久場島の北約45キロのEEZで、再びワイヤを垂らして航行しているのが確認されました。 9月26日にも尖閣諸島久場島北北東約145キロの日本のEEZで「科学3号」が航行したことが確認されています。 中国の海洋調査船が連日、沖縄県・尖閣諸島沖で活発に活動している理由を推測してみたいと思います。 一つには、中国の海洋調査船は、ワイヤで曳航しているソナー(水中音波探知機)で、潜水艦の航行のために必要な潮流、海底地形、水質(水温・水分・塩分)、地磁気等のデータを収集していることが推測されます。 潜水艦の発する音の伝播は海水の温度に影響を受けます。また、海水の塩分濃度は、潜水艦の行動に不可欠な浮力に関係しています。 中国海軍は、尖閣諸島沖や東シナ海、西太平洋で潜水艦を運行していくために、これらの情報を収集している可能性があります。 フォークランド紛争では、イギリス軍は原子力潜水艦で地上部隊を上陸させましたが、中国はフォークランド紛争史を詳細に研究しており、当然ながら、潜水艦による島嶼上陸作戦も選択肢として検討しているはずです。 もちろん、同海域に潜行して、同海域を航行する米軍空母に攻撃を行うことも大きな任務とするはずです。 これは、中国海軍が尖閣侵攻に向けて着々と手を打っていることを意味します。 二つ目は、潜水艦の作戦行動に必要な海底地形の情報を集めている可能性が考えられます。海底に潜水艦が潜めるような地形がある場合、待ち伏せ攻撃に非常に有利です。 また、海底資源の調査のために、海底地形の情報を収集している可能性も高いと言えます。中国が沖縄を狙っている理由は、海底資源の確保も含まれているためです。 中国のこのような行動に対して、日本としては、中国に対して事前通告した通りの行動をするように警告し、今回のように、事前通告通りに行動しなかった場合、中国の大使を呼び出して抗議するぐらいすべきです。 また、幸福実現党が訴え続けているように、沖縄に海上自衛隊の護衛艦を配備し、海上保安庁の巡視船と連携して同海域を防衛すべきです。 同時に、普天間基地問題を迅速に解決し、日米同盟を強化し、中国の尖閣諸島侵攻に対して「日米同盟による抑止力強化」を図るべきです。 いずれにしても、「(中国の実効支配が確立してしまった)南シナ海の轍(てつ)は踏まない」という明確な「国家意思」を持って、中国に対峙する気概が不可欠です。 中国は強烈な「国家意思」を持った国家であり、何の意味も無く、海洋調査船を尖閣諸島に派遣することはありません。 「国家意思」無き国は滅びます。日本は、中国の尖閣諸島領有の「国家意思」を超える、強い「国家意思」を持って、今すぐ尖閣諸島防衛に臨まねば「尖閣喪失」の日は近いと言えます。 野田首相にそれだけの覚悟と気概があるのか。命を懸けて尖閣諸島を守る気概が無いならば、泥の中に潜って延命を図ることはもう辞め、日本のために潔く辞任すべきです。(文責・黒川白雲) 小手先の復興増税が、日本を滅ぼす 2011.09.30 政府・民主党が提出した「復興増税案」が迷走しています。 例えば、「政府・民主党は27日に増税以外の財源を2兆円上積みして7兆円とし、増税額を9.2兆円に圧縮する方針で合意したが、28日に政府内から増税圧縮に慎重な発言が出たため混乱。 野田佳彦首相と民主党の輿石東幹事長らが同日急きょ会談し、最終的な増税額は9.2兆円とする方針を確認したが、増税以外の財源を2兆円上積みできる保証はない」(毎日新聞9/29)と報道されています。 要するに、税外収入2兆円の上積みは、あくまでも「目標」であり、実現する保証はないということです。 「税外収入」とは、端的に言えば、増税への批判をかわす為の“煙幕”であり、政府の復興増税を行うために、政府も努力しているところを見せる口実だということです。事業仕分けと同じくパフォーマンスだと言わざるを得ません。 更に問題なのは、その中身です。急きょ盛り込まれた「税外収入2兆円」の中身は、政府保有株式(日本たばこ産業(JT)1.7兆円とエネルギー関連企業7000億円)の売却です。 「エネルギー関連企業」とは、国際石油開発帝石や石油資源開発などで、海外の石油・天然ガスの鉱区を取得し、開発・生産を行い、日本のエネルギー政策の一翼を担っています。 世界的に資源獲得競争が激しくなる中、エネルギー関連会社の株式の売却は、“国家の生命線”となるエネルギー安全保障に大きな損失を与えかねません。 しかも、原子力発電による発電が削減され、石油やガス等の資源確保の必要性が強くなる日本において、エネルギー関連企業の果たす役割は大きくなっています。 特に、来夏までに行われるエネルギー基本計画の見直しに向けて、エネルギー政策の戦略が未確定の中、こうした判断は拙速に過ぎます。 思いつきのパフォーマンスで、国家のエネルギー安全保障の舵取りを簡単に売り渡して良いのでしょうか? 日本のエネルギー自給率は17.6%(原子力を除くと4%)。アメリカ71%、中国93%、ロシア183%、ブラジル92%、オーストラリア233%などと比較すると、非常に低く、原油の輸入依存度も99.86%と世界第4位で、エネルギー安全保障上、非常に脆弱な状況にあります。(IEA2009年統計) 加えて、国連は世界の人口が来月末に70億人を突破することが発表しました。「国連人口基金」東京事務所の池上清子所長は「70億人の世界には世界中の協力がなければ対応できない」と述べ、今後、途上国では食糧や資源の確保がこれまで以上に深刻化する見通しを語っています。(NHK9/28) 食糧と資源エネルギーの枯渇は世界的な課題として迫っており、各国とも国策として官民一体となって食糧や資源獲得に必死に乗り出しています。 このような厳しい世界情勢を前にして、日本は小手先の財源確保のために国益を売り渡して良いのでしょうか。 幸福実現党は、復興財源としては「復興債」を発行し、日銀の直接引き受けにより、迅速かつ大規模な復興支援を行うべきことを提言しています。事実上、必要な財源分のお札を刷るということです。 国債の日銀引き受けのデメリットとして、インフレ懸念を指摘する向きもありますが、深刻なデフレが続く現状においては、絶好のデフレ脱却策ともなります。 復興増税により景気悪化が進めば、税収が減少し、更なる財源不足に陥り、復興事業が困難になることは火を見るより明らかです。 野田首相は、小手先の財源確保ではなく、厳しい国内経済情勢と国際状況を見据えた上で「日本再建」に向けた政策判断をなすべきです。(文責・小川俊介) 2012年、中国経済バブル崩壊の危機 2011.09.29 近年の中国経済の膨張は、バブル絶頂期の日本と極めて酷似しており、いつ中国経済が崩壊するか分からない状態にあります。 北京オフィスビルの空室率50%に達しているとの報道もありますが、マネーゲームに狂奔し、実体経済との乖離が大きくなればなるほど、急激にバブルがはじけることは歴史の必然です。 中国は、国内のバブル崩壊の不安を払拭させるため、中国紙『証券日報』を通じて「不動産バブル崩壊説」に反論し、「中国は日本のように不動産バブルが弾ける可能性は極めて少ない」と弁明しています。(2010年3月30日レコードチャイナより) しかし、今年に入って米国の『ニューヨークタイムス』が「中国のインフレが世界経済の脅威をもたらしつつある」と報じ、また米有力雑誌『アトランティック』は特集「中国不動産バブル」を組んでいます。 中国政府のバブル崩壊の否定の陰で、中国経済のバブル崩壊の兆しは、着実に始まっています。 その証拠に、中国銀行の周小川行長(日銀総裁に相当)は2010年10月22日、経済関係のフォーラムで「中国経済はインフレのリスクが高まっており、我々は、厳しい局面に直面している」(2010年11月4日産経)と重大発言を行っています。 2007年に日本帰化し、中国問題に取り組んでいる石平(せきへい)氏は、「過去30年、中国の高度成長は通貨の過剰供給(この31年間で供給されたおカネの量は702倍)によって支えられてきた。その結果、今や中国では深刻なインフレ、物価の暴騰が起きている。 これをこのまま放置することは出来ず、いずれ中国はインフレ対策として、金融引き締めに方向転換せざるを得ない。それによって引き起こされるのが、不動産バブルの崩壊。中国は社会的大混乱を避けられない」と指摘しています。 中国の経済バブル崩壊は、中国経済との結びつきの強い日本経済にも大きな及ぼすことは間違いありません。 しかし、もう一つ重要なことは、「バブル崩壊」がもたらす人民の不満や憤りの矛先が、中国政府によって意図的に「反日運動」に転嫁される可能性があることです。 中国政府は、これまでも人民の不満が自分たちに及ばないよう、人民の関心を「反日運動」に向けさせ、人民のガス抜きをして来ました。 今後、尖閣諸島などを材料にして反日感情に火をつけ、人民の不満を日本へ向けていく情報操作を行ってくることは十分予測されます。 しかし、野田首相は、中国から聞かれてもいないにも関わらず、「靖国参拝」を自ら否定し、中国を刺激しない外交姿勢を示すなど、ひたすら中国におもねる低姿勢を貫いています。 このままでは、日本はドジョウ総理によって「大増税不況」のみならず、外交・国防面においても、中国の強権的な強行外交に揺さぶられ、深い水底の泥沼に引きずり込まれてしまいます。 各国の利害が衝突する国際社会で相手国におもねっていては足元を見られるだけです。特に、中国に対しては毅然とした態度で外交交渉を行い、その矜持を示すことができなければ首相としては失格です。(文責・やない筆勝) 財政危機で揺れる欧州 2011.09.28 苦肉の策としての不動産特別税導入の可決 欧州がギリシャの財政危機によって揺れています。 デフォルト(債務不履行)の懸念もあるギリシャに対して、欧州では「トロイカ」体制と呼ばれる資金援助体制を形成しています。 トロイカの内訳は、欧州連合(EU)、欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)の主要機関です。 そして、ギリシャ政府との間で赤字削減目標や増税をはじめとした緊縮財政案を協議しているところですが、実はトロイカ体制は既に窮地に追い込まれています。というのも、9月上旬に、トロイカとギリシャ政府との間で意見が食い違い、協議が中断しているからです。 また、ギリシャ政府は、赤字削減策の一環として、不動産特別税の導入を可決しました。 様々な記事に解説があるように、ギリシャがなんらかの赤字削減策の具体策を打ち出さないと、国際金融支援が得られないことが裏事情としてあります。ギリシャの与党である全ギリシャ社会主義運動(PASOK)も増税案も承認せざるを得ず、最終的に可決に至ったことが報道されています。まさに、苦渋の決断だと言えましょう。 ただ、ギリシャ国内では、昨年から政府の緊縮財政に対して暴動やストライキが頻発しており、国内の治安は悪化の一途をたどっています。 27日も、地下鉄とバスの運転手によるストライキが起きたことからもわかる通り、政府の思惑とギリシャ国民の間には深い溝が存在します。 今後は、年金支給額の引き下げや公務員削減を進めなければならないため、暴動やストライキは止まる気配がありません。観光地であるギリシャは、今安心して観光を楽しめる状況になく、大事な収入源を失おうとしています。 ユーロ圏に拡大する景気後退の足音 さらに悪いことに、債務危機の悪影響はユーロ圏に広がりつつあります。 欧州委員会が発表した統計によれば、ユーロ圏17か国の消費者信頼感指数(速報値)によれば、マイナス18.9となり、三カ月連続の対前月比の低下を記録しました。欧州最大の経済国であるドイツでも、緊縮財政の波が押し寄せ、景気の悪化を示すPMI(総合購買担当者景気指数)は、この2年余りで最低の水準を記録しています。 欧州には、共通通貨を維持するためには独特の基準が設けられています。 例えば、財政赤字対GDP比率は3%以内とすること。長期債務対GDP 比率は60%以内に収めることなどがあります。 経済学的には全く意味を持たない数字ですが、ユーロを維持するために必要な数値として政治的に導入されました。 今では、この基準が足を引っ張っていると言えるでしょう。 同時に、共通通貨導入による弊害も存在します。 例えば、ギリシャが債務危機で景気が悪化していても、独自に通貨を刷って景気回復をはかる金融政策が打てません。 これは、他のユーロ加盟国についても同じです。そのため、一国の危機がユーロ圏全体に波及する脆弱性を秘めています。 いくら、域内では資本と労働の移動が自由でも、通貨政策や金融政策は欧州中央銀行が決めなければ何もできません。 このままでは、欧州は景気後退を余儀なくされることでしょう。 債務危機の可能性は、ポルトガルやイタリヤも秘めています。よって、ギリシャ危機を回避したとしても、まだまだ予断を許さない状況なのです。 日本にはあてはめてはならない 私が懸念をしているのは、欧州の債務危機の対処法を日本経済にあてはめることです。さすがに、今年に入ってからは「日本のギリシャ化」を叫ぶ方は少なくなりましたが、依然として「欧州債務危機は対岸の火事としてみてはいけない」「財政再建を急ぐべきだ」「復興支援と財政再建を考慮して増税もやむ得ない」等の議論が横行する危険性は十分にあり得ます。 ユーロ圏経済と日本経済は、制度自体が違うわけですから、単純な比較は避けるべきです。参考にするくらいならよいとしても、「欧州もやっているのだから、日本も見習うべきだ」となると、日本経済のデフレ不況はさらに深刻化します。 政府が欧州債務危機と同じ路線に入るなら、今年の後半は世界経済にとっても厳しい現実が訪れかねません。 今やるべきは、緊縮財政ではなく景気回復であり、復興支援です。くれぐれも順番を間違ってはいけません。(文責・中野雄太) 上海地下鉄事故に見る、「微博」(中国版ツイッター)の存在感 2011.09.27 上海市中心部を横断する地下鉄10号線で27日午後2時50分(日本時間同3時50分)ごろ、列車同士の追突事故が発生しました。 上海のテレビ局のミニブログ「微博」(中国での利用者が2億人)によると、260人が負傷し、そのうち少なくとも20人は重傷。死者は現時点ではいないとしています。「微博」には血を流した乗客の写真も掲載されていました。(その後けが人は271人と報道されています) 「微博」には「安全を重視すると繰り返してきた直後に事故が起きた。もう政府は信用できない」と、国を批判する書き込みが相次いでいます。 さらに、「微博」には、額から血を流す乗客や前面が激しくひしゃげた追突した列車の写真が掲載されました。 乗り合わせた乗客や微博の書き込みによると、乗客のほとんどは地下鉄構内を歩いて近くの駅に向かったが、お年寄りの中には座り込んだままの人もいたといいます。「事故後も何があったのか説明もなかった」と憤りの声も。 上海の市営地下鉄は「微博」に、「今日は上海の地下鉄運行史上で最も暗い日」と述べ、乗客や上海市民に謝罪。 中国の短文サイト「微博」(中国版ツイッター)の存在感は増しています。 そもそも、上海地下鉄事故の報道は、中国語版ツイッター「微博」から広まりました。 事故直後中国語版ツイッター「微博」には、負傷した血だらけの女性の画像が掲載されるなど、大事故の地下鉄衝突ように報道されたからです。 今までの中国の報道姿勢であれば、事故の規模等の詳細が明らかにならなければ、すぐに報道されることはありませんでしたが、「微博」の普及によって情報が見違えるほど早く伝わるようになったため、中国政府の情報管制をすり抜けるようになりました。 7月に温州で起きた中国版新幹線の衝突事故の時と同じです。 一方、9月中旬には、中国の閣僚や官僚が着用している高級腕時計のブランドや値段を特定し、「微博」上で報告していた男性のアカウントが閉鎖され、書き込みが見られなくなったと、中国紙、環球時報(英語版)や英紙フィナンシャル・タイムズで報じています。 男性は鉄道事故を伝えるニュース写真で、盛光祖鉄道相が7万元(約84万円)相当とみられる腕時計を使用していると気付き、その後、インターネット上の写真から100人以上の官僚らの腕時計を調べ、多くがオメガやロレックスなどの高級腕時計を愛用していると指摘すると、2000人だったフォロワー(読者)は2万人以上に急増。そして9月中旬ごろ閉鎖されました。 7月の浙江省の高速鉄道事故など大規模な事故や事件のたびに政府に批判的な内容が多数書き込まれたため、当局の圧力で微博の運営会社が規制を強化しているとみられています。 そのように規制強化されてきた中で、今回の地下鉄事故でした。しかも、原因は地下鉄の信号システムの故障。7月の高速鉄道(中国版新幹線)事故で問題となった信号システムと同じ企業のものだったことが明らかになりました。 原因究明への批判の声が高まっています。中国人民の政府への怒り、批判は高まることでしょう。そして、中国人が「真実を知りたい」という欲求も抑え難く、中国版ツイッター「微博」による情報発信は、ますます熱を帯びることになるでしょう。 「中国版ジャスミン革命」の時は近いのかもしれません。(文責:小島一郎) 野田首相は逃げずに、普天間基地県内移設に取り組め! 2011.09.26 21日午後(日本時間22日未明)、ニューヨーク国連本部で野田佳彦新首相と、オバマ米大統領との間で初めての日米首脳会談が開催されました。 日米首脳会談はたった35分間で終わり、内容は儀礼的挨拶を除けば、米側からの厳しい要求が並びました。 その中で、沖縄の米軍普天間問題や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉への参加問題など重要な問題が話し合われました。 特に普天間飛行場移設問題について、オバマ米大統領は野田首相に対し、「結果を求める時期に近づいている」と強く迫っています。これは事実上の「最後通牒」だと言えます。 民主党政権は発足後2年以上に渡って、日米間に横たわる重要な外交問題を先送りにしてし来たために、米国からの不信感が高まっています。 特に、民主党政権発足後、鳩山元首相が、それまでの日米政府で合意を得ていた普天間基地の辺野古移設の方針を撤回。普天間基地については「最低でも県外移設」を訴え、米国の信用を失いました。続く姑息な菅前首相は「先送り」することによって責任逃れを図りました。 野田首相は、就任直後から日米同盟を重視する姿勢を強調していますが、米国では民主党政権下での「普天間問題」の迷走から、民主党政権に対して、強い不満と不信感が渦巻いています。 訪米した玄葉外相が19日、クリントン米国務長官と会談し、普天間基地を辺野古に移設するとする日米合意履行を再確認した直後に、沖縄知事の仲井真氏が訪米し、米上院議員と会談したり、ジョージ・ワシントン大学で講演し、「普天間基地の県外移設」を要求しました。 正常な国家であれば、首相や外相が訪米中に、一知事も訪米して、政府首脳と正反対のことを主張するなどあり得ません。仲井真氏は、あたかも沖縄は日本政府から独立した「国家」であるといったメッセージを世界に発信しました。まさに中国の思惑通り行動しています。 米国では、野田首相について「本当に信用できるのか」「沖縄を説得できるのか」「また短命政権で終わってしまうのではないか」といった疑念も起こっています。 実際、普天間問題について「実際に行動できなければ過去の政権と同じだ」(オバマ政権元高官)と、「言葉だけでなく、行動で示せ」といった厳しい声も上がっています。 オバマ大統領は就任直後は「親中」に傾く懸念もありましたが、中国の軍事的台頭を受け、対中政策の転換が迫られています。 オバマ政権は、中国の軍事的台頭に対抗すべく、「アジア太平洋重視」路線に転換し、日米同盟をアジア政策の「コーナーストーン(礎石)」と明確に表明しています。 昨年発表した「国家安全保障戦略」では、同盟国重視を鮮明にしています。信頼できる同盟国として、アジアでは日本と韓国を特に重視する方針を打ち出しています。 その表れが、対中国、対北朝鮮を意識した米韓軍事演習の実施であり、日本での被災地支援「トモダチ作戦」でもありましょう。 日本としても、中国や北朝鮮の軍事的な力に抗して国を守っていくために、「自分の国は自分で守る」ことはもちろんですが、戦略的には、米国と同盟関係を強化していく必要があります。 果たして「八方美人で優柔不断」と言われている野田首相が、日本の防衛強化や普天間基地の辺野古移設に踏み切れるのか、甚だ疑問です。 日本の首相に求められるのは、口先だけの約束でその場をしのぐ「世渡り術」ではなく、国を守る気概とその行動力です。 今こそ、そうした「国家を守る気概」を持った政権の誕生が待ち望まれているのです。(文責・政務調査会 佐々木勝浩) すべてを表示する « Previous 1 … 247 248 249 250 251 … 253 Next »