Home/ 新着一覧 新着一覧 日本は「独立国家」として、独自の戦略を打ち出せ! 2012.09.03 8月15日、アメリカの知日派によって発表された報告書「日米同盟:アジアにおける安定の礎」、通称「アーミテージレポート」が発表されました。⇒http://csis.org/files/publication/120810_Armitage_USJapanAlliance_Web.pdf 本レポートについては、「第3次アーミテージ報告」――今こそ、日米同盟を基軸として、世界の平和と繁栄を築く時!でも紹介されていますが、本レポートを読む限り、対中国抑止戦略に「日本とロシアの協調関係」について、全く触れられていないことが気になります。 本レポートは「対日政策の勧告・提言書の性格も併せ持っている」ものであり、非常に重要です。(8/16 産経) 本レポートは、日本に対して、インド、オーストラリア、フィリピン、台湾との関係の重要性について指摘しており、また、韓国との協力関係についても多く言及があります(これは当然、対北朝鮮戦略上でも重要な関係だからです)。 確かに、これらの国々との協力関係は非常に重要ではありますが、幸福実現党としては、『The Liberty』10月号でも指摘されているように、「ロシア」との関係を良好に保つことも非常に重要であると考えます。 アメリカからすると、ロシアは基本的にEUと対峙するヨーロッパ方面の国だという認識の方が強く、中国の覇権主義にさらされる東アジア情勢の平和安定にとって、「必ずしもロシアはキーポイントではない」という認識なのかもしれません。 少なくとも、中国の覇権戦略にロシアが軍事行動等を共にするとは、あまり考えていないものと思われます。 確かに、ロシアは現在、東アジア方面に向けて、領土拡張の野望は持ち合わせているとは思えません。また、中露の関係も問題がないわけではありません。 ただ、日本としては、今後、中国と尖閣諸島を巡る争いが悪化した場合、ロシアもその動きに便乗し、北方領土の実効支配を強化する等の行為に出てくるなど、北からはロシア、南からは中国、そして日本海側からは北朝鮮や韓国から同時に圧力をかけられたり、侵略的行動に出られ、力を分散させられるような事態を避けなくてはなりません。 やはり、日本としてはロシアと敵対関係にならないよう、友好関係を構築しておくことは非常に重要です。 今後、幸福実現党が主張しているように、ロシアとの友好関係を築き、中国に対する抑止力向上を図る戦略を取る場合、アメリカとの見解の相違が問題として浮上する可能性があります。 少なくとも、日米同盟が日本外交の基軸であることを押さえた上で、ロシア外交の戦略を立てるべきです。 アメリカとの関係を盤石のものにしておかなければ、逆にアメリカの不信を買い、日米同盟の大きな危機を招く可能性もあるからです。 その上で、日本は自らの安全保障にとって「ロシアとの友好関係が重要である」という独自の認識に立ち、外交努力を尽くすべきです。 また、エネルギー関係では、メタンハイドレートの開発についても、同レポートは「日本とアメリカが協力して開発を進めるべき」と述べていますが、日本のメタンハイドレートは「日本の中心の南側(Methane hydrate deposits off south-central Japan)」にあると表現されています。 これは経産省主導で予算をつけて開発中の「南海トラフ」にあるメタンハイドレートを意味していますが、実はアメリカは、韓国が「我が国固有の領土」である竹島近海で進めているメタンハイドレートの研究開発に出資しています。(青山繁晴著『ぼくらの祖国』p266) また、現在、調査が進むにつれ、日本海側にもメタンハイドレートが多く埋蔵されており、むしろ日本海側の方が開発が容易で、実用化が早いことが指摘されています。 同レポートが、日本海側のメタンハイドレートに触れなかったのは、渦中の「竹島」近海で、韓国が進めているメタンハイドレート開発に米国が協力しているからではないかとの疑問も湧いてきます。 仮に、彼らが確信的に「日本海側」のメタンハイドレートへの言及を避けたのだとすれば、日本海側に目を向けさせたくなかったということです。 アーミテージ氏が主導で書き上げたレポートですので、全体的に非常に親日的で、ある意味で日本に対する「善意」に溢れた文章のように見えますが、彼らは当然、アメリカの国益のために、日本とどう付き合うべきかを考えています。 日本は独立国として、毅然たる外交戦略を持ち、行動すべきです。(HS政経塾第2期生 兼 幸福実現党東京第5区支部長 曽我周作) 【内なる国難】「人権救済法案」の危険性 2012.09.02 2012年8月、この熱い夏に起こった2つの国難「韓国大統領の竹島上陸」と「香港の保釣(ほちょう)活動家の尖閣上陸」は、日本にとって屈辱的な事件として歴史に刻まれることになるでしょう。 「竹島上陸」「尖閣上陸」のように、外から自国の領土に上陸される屈辱は、ある意味で分かりやすいもので、今回の2つの国難は、日本国民の国防意識を喚起したことも事実です。 しかし、「外からの2つの国難」とは別に、国内では、同時にもう一つ、「内なる国難」が迫っています。 いわゆる「闇法案」と呼ばれる「人権救済法案」の国会提出の動きが密かに進もうとしています。 野田首相は8月23日の衆院予算委員会で、今国会中の提出に向け法案作業を急ぐ意向を表明、29日には法務部門会議を開き、人権侵害救済機関「人権委員会」を法務省の外局に新設する人権救済機関設置法案(人権救済法案)を了承しました。 政府・民主党は法案の今国会中の提出を目指していますが、会期末が迫っており、事実上、成立は不可能と見られています。(8/29 産経「人権救済法案を今国会提出へ、成立は不可能」⇒http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120829/stt12082923340016-n1.htm) 成立が不可能にもかかわらず、国会提出を急ぐのは「次期衆院選で人権団体の票を得るため」と見られています。(同上) しかし、「人権救済法案」は、自公政権の時から「人権擁護法案」「人権侵害法案」等、批判を受ける度に名称を変えて、虎視眈々と成立を目指す民主・自民・公明を中心とする売国議員達の動きがあり、全く油断できません。 今後も、いつ国会に提出されてもおかしくありません。 9月1日の産経抄には「人権救済法案」の問題点として、以下の指摘がなされています。 ▼人権委員会は独立性が高く、コントロールできる大臣がいない。偏った人物が委員長に選ばれれば、どうなるか。すべての市町村に配置される委員会直属の人権擁護委員が、「どこかに差別はないか」とウの目タカの目で見回る監視社会になりかねない。 ▼ことに問題なのは、委員会が「深刻な人権侵害」と認定すれば、勧告のみならず警察や検察ばりに出頭要請や立ち入り検査もできるようになることである。何よりも救済対象となる「不当な差別、虐待」の定義が曖昧なのだ。 ▼小欄は先週、竹島に上陸しただけでなく、天皇陛下に謝罪を求めた韓国の李明博大統領が反省するまで「韓国製のモノは買わない」と書いた。法案が成立すれば、「不当な差別的言動」と解釈され、委員会に呼び出されてこっぴどく叱られるやもしれぬ。 産経抄が指摘するように、本法案の最大の問題は「人権」の定義が曖昧で、もし、左翼・売国奴が人権委員にが入り込んだ場合、正当な言論活動を行なっている団体や個人に対する言論弾圧がなされる危険性があります。 また、市町村には人権擁護委員が置かれ、その規定には日本国籍の有無がないため、外国人が人権擁護委員に就任した場合、中国の軍拡に対する正当な批判や、韓国大統領の竹島不法上陸や従軍慰安婦の強制連行を否定しただけで、「人権侵害(民族差別)」として、「言論弾圧」される可能性が出てきます。 つまり、日本を敵視している韓国人や中国人達が人権擁護委員に就任し、日本の法律で日本人を合法的に言論弾圧をできるのです。 ちなみに、すでに「人権委員会」がある韓国では、人権委員会に持ち込まれた事件総数の14700件のうち、85パーセントが「虚偽」か「事実ではない」として却下されています。(『こんなに危ない「人権委員会」』日本政策研究センター発刊) 問題は「虚偽」の告発として却下されても、人権委員会から調査などを受けたという「風評被害」が調査を受けた個人に残り、社会的な信用を失い兼ねず、それこそが「新たな人権侵害」につながっていくことにあります。 「人権救済法案」こそが、最大の「人権侵害」をもたらす危険性が高いのです。 今回は、幸いにも法案成立は不可能と見られますが、人権団体の票目当て、あるいは在日外国人の支援目当ての民主・自民・公明を中心とする多くの売国議員達が密かに「人権救済法案」の国会の通過を目論んでいることを忘れてはなりません。 「竹島上陸」「尖閣上陸」のように外からの侵略だけではなく、内からの日本人弾圧を招きかねない売国法案を断固阻止して参りましょう!(文責・佐々木勝浩) 公金の不正流用――「オスプレイ反対」を扇動する沖縄の自治体に、保守系市民団体が「喝」! 2012.09.01 今、沖縄の自治体が異常な行動を取っています。 沖縄県では今、自治体と議会が主導する「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会実行委員会」が結成され、県を挙げての「オスプレイ反対運動」が展開されています。 同委員会は8月5日に宜野湾海浜公園で数万人規模の「オスプレイ配備に反対する県民大会」を計画しました。(※同大会は台風11号の突然の発生によって急遽、中止となったものの、9月9日に再び開催を予定。) こうした中、沖縄の自治体と議会がこぞって同大会を支援すべく、公金を不正流用している事態が発覚し、大問題となっています。 例えば、8月5日の集会の直前には地元の新聞2紙に、同実行委員会の名前で、「すべての県民の声を結集し、一人でお探し多くの県民の参加を!!」と書かれた、県民の集会参加を促す「全面広告」が掲載されています。⇒http://imagecheese.net/images/0803.jpg 広告には、会場に行く片道運賃が「沖縄県バス協会のご厚意により会場までの往路(片道)が無料になりました」と、無料乗車券が印刷されていますが、多くの市町村が税金を使って、復路(帰りのバス券)の運賃を負担しています。 例えば、那覇市役所の公式ホームページには「『オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会』に参加しよう!」という呼びかけのページが設置され、「本市では帰りの運賃(復路)を補助します。補助金額……復路520円区間」と明記しています。⇒http://www.city.naha.okinawa.jp/kakuka/heiwadanjyo/osirase/0805kenmintaikai.html 実際、私、矢内筆勝も、那覇市役所の窓口に行ったところ、県外の住人であるにも関わらず、520円の無料バス券(金券)をもらうことができました。(証拠映像⇒http://www.youtube.com/watch?v=FFzQKrWWlcA) また、税金で「送迎バス」を借り上げて、住民を丸ごと大会に送り込んでいる市町村も見られます。(例:西原町公式ホームページ⇒http://www.town.nishihara.okinawa.jp/news/120723_06_news.html) こうした政治的な意図を持った大会に対して、県議会を初めとした沖縄の各市町村議会と首長が談合した上、その大会の開催・送迎に公費を費やしたり、公務員を大会開催の作業に従事させることは許されない事態です。 「オスプレイ配備反対」は「沖縄県民の総意」というのは、沖縄のマスコミと自治体が特定の政治意図を持って作り上げた全くの「捏造」です。 実際、沖縄県では8月4日、「尖閣危機とオスプレイ配備賛成」県民集会が開催され、多数の沖縄県民が集まり、オスプレイ配備を要求しています。 このように、様々な政治思想を持った住民がいるからこそ、行政はあくまでも、特定の政治的立場からは中立であるべきなのです(行政の中立性の原則)。 しかし沖縄の場合、これとは明らかに違います。首長や議員、そしてマスコミが談合し、その立場や権力、公金を利用して、県民を特定の政治的な主張に従い、行動を取るよう誘導しているのです。 住民の税金が、特定の政治的な主張を推し進めるために使われ、オスプレイ配備に賛成する県民の「政治的な自由」が実質的に封殺されている――これが今、沖縄で現実に行われている事態です。 これに対して、沖縄県の保守系市民団体の連合体である「中国の脅威から尖閣・沖縄を守ろう実行委員会」(委員長・徳留博臣氏<沖縄の自由を守る会代表>)が立ち上がり、不正を糺すべく活動を開始しました! 同実行委は、予定されている9月9日の「オスプレイ配備反対県民大会」に向けて、「普天間飛行場へのオスプレイの配備を求める要望書」と「『沖縄県民の総意』に類する表現を使用しないことを求める要望書」を、県知事並びに各市町村長、そして県議会議長並びに各市町村議会議長各位に内容証明で郵送。 更に、バスの無料券を公費から出していた那覇市には「『オスプレイの沖縄配備に反対する県民大会』の無料バスに公費を使用することを禁ずる要望書」も内容証明で郵送。これら3つの要望書のコピーを、沖縄県の全県市町村議会議員にも郵送して通知しました。 ※これらの要望書は全て「沖縄・九州防衛プロジェクト」のブログからご覧頂けます。 また、8月28日には、仲井眞知事に対して、「県内各自治体に対する行政指導を求める陳情書」「『オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会』への知事の不参加を求める陳情書」を提出し、県庁記者クラブで記者会見を行いました。 さらに30日には上京し、防衛省と総務省を訪問。森本防衛大臣に対して「オスプレイ配備の実現を求める要望書」等を提出。さらに川端総務大臣宛てに「政治的集会に公金を流用しないよう、沖縄県を行政指導することを求める要望書」等を提出し、記者会見を行いました。 いよいよ、左翼的な政治行動に関しては「無法地帯」「やりたい放題」の沖縄県において、不正を糾し、あるべき県政と、県民の政治的自由を求める新しい活動が始動したのです。(文責・矢内筆勝) 防災の日:大規模投資で安心して暮らせる日本を 2012.08.31 9月1日の「防災の日」を前に、8月30日、南海トラフの巨大地震が発生した場合、死者が32万3000人に達することを五大紙が1面で報道しました。 これは2004年のスマトラ島沖地震の28万人を超える「世界最大規模の被害」となります。 この2000年間で4回起きた東日本大震災クラスの地震の後に、南海トラフでの地震が3回発生しています。(藤井聡『劣等強靭化論』※ちなみに首都圏では4回中4回、100%の割合で地震が発生しています。) 南海トラフ巨大地震では製造業の心臓部である東海地方の被害が大きいため、経済的な被害は「最低でも270兆円の経済的な被害が見込まれる。大まかだが300兆円から900兆円とみるべきだ」と関西大学の河田恵昭教授は指摘しています(朝日新聞2面) 甚大な被害が予想される一方、迅速な避難と耐震化で32万人の死者を約6万1千人にまで減らすことができるとも指摘されました。 特に、地震発生の10分後に7割の人が避難をはじめ、津波避難ビルに逃げ込むことができれば、津波による死者数は8割減らすことができます。 自治体は一定の高さの公共施設やマンション等を「津波避難ビル」として指定しており、東日本大震災以降は津波の被害が甚大になると言われている地域を中心に2倍以上に増えております。(読売2面。※静岡、三重、和歌山、徳島、高知、大分、宮崎の7県で約1100カ所から約2500カ所へ) それでも避難ビルの絶対数は不足していることから公共施設を中心に避難ビルを増やしていく必要があると言えます。 京都大学大学院教授の藤井聡氏は防災・減災インフラを初めとして、日本を強靭化するために10年間で10兆円から20兆円の投資を行うことを提唱しています。 10年間で100兆円から200兆円を使う大規模な投資となりますが、この投資を行うことによって、地震による損失を減らすことが可能です。 一例を取ると、南海トラフ巨大地震に発生した津波が大阪を襲った場合、100兆や200兆円にものぼる被害が発生すると予想されます。 津波対策には堤防のかさ上げに4兆円から5兆円の投資が必要ですが、この投資により100兆円から200兆円の被害を防ぐことができるのです。(藤井聡『救国のレジリエンス』p.96) 経済的にメリットがあるというだけでなく、この投資により多くの命が助かることはいうまでもありません。 ※なお、自民党も災害対策(国土強靱化)として、10年間で200兆円投資を政策に掲げていますが、幸福実現党は2010年の参院選の時に、200兆円の投資構想をマニフェストに盛り込んでおり、自民党の政策の多くは幸福実現党の「劣化パクリ」と言わざるを得ません。(参照:5/27 The Liberty Web「幸福実現党に続き自民も200兆円大型投資構想」⇒http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4336) さらに、南海トラフ巨大地震では東海道新幹線が寸断される可能性もあるため、中央リニアの開業を前倒しで行うことも重要です。 円高と電力不足で逆風下にある企業ですら、高台移転や防波堤の建設などの震災対策を進めています。ましてや、国民の命を守るためにある政府が、財政赤字を言い訳に防災投資を怠ることは許されません。 幸福実現党は国防だけでなく、防災においても日本を守り抜く所存です。(文責・伊藤希望) 「島嶼防衛」の鉄則 2012.08.30 8月26日に静岡県の東富士演習場で行われた陸上自衛隊の「富士総合火力演習」において、今回初めて島嶼(とうしょ)防衛を想定した演習が行われました。(8/26 産経「富士総合火力演習 中国にらみ島嶼防衛を初めて想定」⇒http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120826/plc12082621460011-n1.htm) 島嶼防衛についての陸上自衛隊の関与については意外に思われる方も多いかと思いますが、これは自衛隊が、陸海空3自衛隊を一体として運用して島嶼防衛を行う「統合作戦(Joint Operation)」を推し進めている現れでもあります。 今回の演習では、海上自衛隊のP-3C対戦哨戒機が敵部隊の潜水艦、艦艇の動静を探り、航空自衛隊のF-2支援戦闘機が対艦ミサイルで侵略部隊を攻撃する役割を演じています。 更に一部の敵部隊に島嶼に上陸を許したと仮定し、陸自部隊が偵察から火砲射撃、突撃、敵部隊の制圧までの一連の作戦行動を行いました。 幸福実現党が主張して来たように、自衛隊が島嶼防衛を重視し始めたことは是として、実際の島嶼防衛において、こうした自衛隊の想定や戦略は果たして有効でしょうか? このことを1982年にイギリスとアルゼンチンとの間で起こったフォークランド紛争を例に挙げて説明したいと思います。 フォークランド諸島を巡るイギリスとアルゼンチンとの争いは、尖閣諸島を巡る日本と中国の争いに非常に似ていると同時に、程度の差こそはあれ、実効支配に置いている国よりも対立している相手国の方がその島に近いという地理的な環境も似ています。 アルゼンチンは地の利を活かして、イギリス海軍がフォークランド諸島に展開していない不在の隙を突いて、フォークランド諸島の周辺海域の制海権を確保し、悠々と上陸作戦を実行しました。 実際にアルゼンチンは1982年3月30日から4月3日にかけてフォークランド諸島に上陸しました(ロザリオ作戦)が、この上陸自体は少数の兵力を用いて秘密裏に行われたもので、自衛隊の想定のように大規模な兵力で堂々と行われたものではありません。 上陸したアルゼンチン軍は、周辺海域に展開するアルゼンチン海軍の空母「ベインティシンコ・デ・マジョ」から兵力の増援を受け、4月2日に東フォークランド島のポート・スタンレーを、4月3日にサウス・ジョージア島を占拠しました。 最終的にはマーガレット・サッチャー首相の決断によりイギリス軍は大規模な動員が行われて激しい戦闘の末、6月14日にフォークランド諸島を奪還しますが、駆逐艦2隻を始めとする艦艇6隻を失うなどイギリス軍の犠牲も少なくありませんでした。 フォークランド紛争で日本が学ぶべきことは、(1)実効支配下に置いている島の周辺の海域をしっかり守る。(2)島を奪還するためには大規模な兵力の動員が必要。(3)島を奪還するためには犠牲が伴う。という3つのポイントです。 自衛隊はこの3つのポイントに関して全くの準備不足です。特に(1)の周辺海域をしっかり守ることについては、先日の香港の活動家が尖閣諸島に上陸したことによって、周辺海域の海上防衛が全くなっていないことを証明してしまいました。 現在、沖縄や尖閣諸島に最も近い護衛艦がある海上自衛隊の基地は1000km強も離れた長崎県の佐世保基地です。これでは尖閣・沖縄有事の際に全く間に合いません。 先の大戦における日本の島嶼防衛は、敵が島嶼に上陸する段階で迎え撃つ、若しくは、内陸に引き込んで、地の利を生かして迎え撃つという発想に基づいています。 一方、英米の島嶼防衛戦略は「外敵の侵攻は海で迎え撃ち、敵には一歩たりとも上陸を許さない」という鉄則に基づいています。 米国も本土を島に見立て、強大な海軍や空軍、更には強力な海兵隊で、敵国に太平洋や大西洋を決して渡らせないという戦略を取っています(日米同盟や米英同盟もその戦略の一環です)。 実際に、第二次世界大戦開戦以降の世界の島嶼攻防戦を緻密に分析すると、島嶼の海岸線や島内陸で防衛する戦略を取った場合、ほとんど全て防衛に失敗しており、侵攻軍が島嶼占領に成功しています。(参照:北村淳著『島嶼防衛』明成社刊) イギリスもフォークランド奪還においては、鉄則通り、周辺海域・空域で圧倒的優勢な立場を確保してから島嶼侵攻を行い、島に立て籠もって侵攻軍を待ち受けて防衛したアルゼンチン軍は敗北しました。 島嶼防衛においては、「敵侵攻軍を少なくとも島嶼周辺海域・空域までの海洋で打ち破り、一歩たりとも海岸線に到達させてはならない。そのためには、敵侵攻軍に島嶼の周辺海域・空域での行動の自由を確保させてはならない」ということが鉄則になります。 自衛隊はこうした戦略や教訓を研究し、海上自衛隊の護衛艦を南西諸島に配備し、尖閣諸島や離島のパトロールを強化すべきです。 今回の富士総合火力演習には、中国や韓国の武官の姿も偵察に訪れていますが、本来、彼らに見せつけるべきは富士総合火力演習のようなショーではなく、尖閣諸島周辺海域における海上自衛隊艦艇の展開、南西諸島への大規模な兵力動員演習であるべきです。 尖閣諸島・離島防衛に向け、日本の「本気」を見せることこそが、中国の暴走を抑止する最大の戦略となるのです。(文責・黒川白雲) 財務省の絶対権力化を許してはならない 2012.08.29 増税の悪影響を直視しよう 8月10日に消費税増税関連法案が成立し、税と社会保障の一体改革の流れは加速していくことになります。 消費税だけではなく、所得税の最高税率の引き上げや相続税の強化も検討されています。加えて、毎年1.3兆円のペースで増加する社会保障問題があります。 本来ならば、「社会保障の選択と集中」と呼ばれるリストラがされてこそ、一体改革としての意味をなすわけですが、政府は社会保障関連の見直しを先送りし、増税だけが先行しました。 仮に今後も増税だけが先行したらどのようになるのでしょうか。 社会保障が専門の学習院大学の鈴木亘教授の見解によると、2025年には消費税率は25%程度、50年には40%近くになると主張。加えて、年金保険料の上昇が加わり、国民生活に多大な負担がかかる点を指摘しています。(4/13 産経「金曜討論」) ※ただし、鈴木教授は、消費税増税と社会保障への目的税化に反対はしているが、相続税や固定資産税と金融資産への課税強化を主張していることには注意。 大和総研の試算によれば、年収500万円の世帯では4年後には年間34万超の負担となることも明記されています。 過去の消費税増税の際には所得税減税などの軽減措置がありましたが、今年から始まった復興増税や社会保険料の上昇、そして子育て世代に重くのしかかる住民税の年少扶養控除も廃止されました。(8/11 夕刊フジ「消費税増税で年34万円の負担増!年収500万円の4人家族」) 要するに、今回は軽減措置もない純粋な増税だということであり、増税の悪影響が出るということです(これまでの動きを見る限り、日銀の金融政策が増税の緩和措置になることはあまり期待できない)。 もちろん、税金は公共サービスを運営するための必要経費です。税率が低く、経済活動に目立った悪影響を及ぼさなければ租税は適切だと言えますが、必要以上に税率が高くなると生産と消費は縮小します。極端なケースは100%の課税です。 いずれにしても、限度を超えた租税は市場経済の破壊手段になりかねません(ミーゼス『ヒューマン・アクション』748p参照)。 新聞紙上では、ようやく増税の悪影響が報道され始めましたが、まだまだ「増税やむなし」だと考えている国民はたくさんいます。法案が可決されたとはいえ、事実を伝える努力はやめるべきではありません。 財務省の絶対権力化に警戒せよ 現在、野田首相の問責決議に血道をあげている野党の自民党と公明党は増税政党です。次の選挙で政権交代が起きても、増税に反対する勢力が多数を占めない限り増税路線は踏襲、財務省の思うつぼとなります。 換言すれば、財務省は霞が関と永田町で絶大な権力を持ち始めたということです。 財務省が絶対権力を持つと、更なる重税国家となることは自明です。 そして、政治家は彼らの傀儡にしか過ぎません。既に、このような傾向は出ています。 野田政権は「直勝内閣」とも呼ばれ、勝栄次郎顧問の操り人形だと揶揄されるほどです。今後も、財務省寄りの人材=増税論者が総理となり続ければ、財務省の絶対権力化は一層強化されることになります。 政府には課税権がありますが、実質上の実務を握っているのは財務省です。財務省は選挙によって選ばれた代表者ではないため、権力が集中することは危険です。 リバタリアンの最高に位置するノーベル経済学者のハイエクは、「単一計画に役立てるように権力を集中すると、権力は単に移転するのではなく、限りなく強大になる」とも指摘します(『隷従への道』184p 東京創元社)。 また、イギリスの歴史家でもあり政治家でもあったアクトン卿は「権力は腐敗する。絶対的権力は絶対的に腐敗する」という格言を残しています。 これを現代に当てはめると、財務省と政治家の癒着構造ということになるでしょう。 さらに言えば、増税で調達された資金を補助金として拠出される業界との既得権益が強化されます。永田町と霞が関、そして関連業界の「鉄のトライアングル」が形成されるわけです。 その結果、ますます政府は肥大化し、日本経済には競争力のない産業が温存されることになります。 減税路線=小さな政府への転換を 逆説的ではありますが、現在の日本の肥大化する政府を転換するには減税路線しかありません。 幸福実現党が主張する本格的な減税路線には、不要な税金を排除する「廃税」を含みます。(参照:日本で減税路線は可能か) 複雑で重い税金から、簡素で安い税金へと変えていかない限り、「財務省栄えて国滅ぶ」というシナリオが現実化してしまいます。 その意味で、「財務省からの自由」「重税からの自由」を実現するためにも、増税に反対する議員や経済に強く経営感覚のある議員ならびに候補者が国会に行かなければなりません。 幸福実現党は、その一翼を担うべく、今後も努力精進していく次第です。(文責・中野雄太) 「原発ゼロを目指す日本」vs.「原発超大国を目指す中国」 2012.08.28 政府が急速に「原発ゼロ」に向かっています。(8/24 中国新聞「原発ゼロ目標明記へ 政府検討、工程表も」⇒http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201208240135.html) 政府は、27日開催した「国民的議論に関する検証会合」で原発に関するパブリックコメント(以下パブコメ)に集まった集計結果を示しました。パブコメは、2030年における原発比率について、7月2日から8月12日の間、国民から意見を集めました。 意見内容を検証会合事務局が2030年の原発割合に沿って分析すると、「0%」が87%、「15%」が1%、「20~25%」が8%、「そのほか」が4%でした。(8/27 朝日) 幸福実現党支援者の皆様からも沢山の正論をパブコメにご投稿頂きましたが、これらは左翼団体らが組織的に「原発ゼロ1000万人投票」運動を進めて来た結果であると言えます。 今回、パブコメの他に注目されたのが「討論型世論調査」です。「討論型世論調査」とは、通常の世論調査とは違い、国民同士の議論や専門家の話を聞き、その前後で意見が変化したかを調べる社会実験であります。 事前の予想では、専門家の話を聞けば「原発ゼロ」支持は減るとの見方でしたが、結果は逆で、最も多かった「0%」支持は、討論前の32%から討論後は46%に大きく増えたのです。 これについても、「討論型世論調査」から電力会社社員は排除する一方、左翼が会場に大量動員するなど、「民意」とは言えない状況にあります。 しかし、左翼マスコミは、このことについて「『原発ゼロ』の選択が一時の感情などではなく、賛否多様な意見を踏まえ熟慮した末の決定を意味するものだろう」と指摘しています。(8/24 東京新聞「原発ゼロ熟慮の民意が表れた」) 世論調査をとりまとめた曽根泰教・慶応大教授も「国民が(電気代値上げや節電等の不利益、不便を)覚悟したうえでの選択」と指摘し、原発への懸念を深める世論は無視すべきでないとしています。(8/24 京都新聞) 政府はこれまで2030年の原発割合を「15%」とする案を軸に考えてきましたが、これらの結果を踏まえて将来の「原発ゼロ」をめざす方向で検討に入りました。(8/28 「政府、原発ゼロ検討へ 検証会合総括『国民が希望』」⇒http://www.asahi.com/politics/update/0828/TKY201208270707.html) しかし、今回の手法は、強い主張・意見を持っているごく一部の国民の声が大きく反映される傾向にあり、またマスコミが先行して醸し出した「脱・原発」の空気の中で、「原発推進」の意見を表明することが憚れる空気が支配していたことも事実です。 「原発ゼロ」は、必ずしも真の民意ではありません。なぜなら、国民に判断材料としての情報が十分に与えられていないからです。 例えば、「原発ゼロ」になれば、電気代は約2.1倍になると共に、エネルギー供給が不安定になり、景気の低迷、失業、産業の国外移転等が発生し、間違いなく日本経済は急降下します。 法則的にも、エネルギーの抑制はGDPの減少、国力の低下に直結します。地球環境産業技術研究機構(RITE)の試算によれば、GDPは自然対比(原発維持した場合との比較)最大45兆円も減少します。 すなわち、原発ゼロになれば、日本の産業規模が約1割減少し、製造業を中心とする雇用も著しく減り、失業率が跳ね上がることを意味します。 また、化石燃料への過度の依存が進めば、ホルムズ海峡有事や中国の南シナ海支配が進めば、輸入がストップし、国家が立ち行かなくなる危険性が高くなります。すなわち、日本は「戦わずして負ける」状況に追い込まれます。 まさに、「原発ゼロ」は「亡国を目指す政策」であるにもかかわらず、日本国民は「原発ゼロ」に洗脳され、「集団自殺」へと向かいつつあります。 一方、中国の2030年前後のエネルギー計画はどのようなものでしょうか。 中国は、2012年3月現在稼働中の原発は15基で、建設中の原発は26基です。これは世界で建設中の原発62基の4割以上を占めています。 これに加え2020年までに、さらに約40基を新規建設することになっています。そして2035年までには、230基まで拡大する構想があります。(岩波ブックレットNO.834「中国原発大国への道」) 中国は日本の福島第一原発事故の後も、原発超大国への道を驀進しています。 中国が原発超大国を目指している事実。この事実は、日本こそが事故を経験した上で、世界一安全な原発技術を確立し、東アジア、世界の原発の安全のためにリーダーとして寄与することを要請しています。 日本は、原発を手放してはなりません。日本に世界から課せられた使命を放棄することは許されません。幸福実現党は、今後とも原発の必要性を訴えてまいります。(文責・加納有輝彦) 犯罪化するいじめ事件――教育再生は教育者の遵法精神守から 2012.08.27 大津市で中学2年生の男子生徒がいじめを苦に自殺した問題で、市が設置した再調査のための第三者委員会が先日25日、初会合を開き、スタートしました。(8/25 NHK「中学生自殺 第三者委が初会合」) この第三者委員会は、これまでの学校や教育委員会による調査が杜撰(ずさん)だとして設置されたもので、学校および教育委員会の自浄作用を実質的にあきらめたことを意味します。 企業においても、不祥事などが発生した場合、告発者と対象者双方の関係のない第三者に調査を依頼するケースがありますが、今回の大津市のケースも、教育界に、民間で求められるレベルの透明性を確保する新たな取り組みとなります。 大津市の問題を受け、鳥取県の平井知事は、県内でいじめによる自殺などの重大事態が発生した場合に備えて、教育委員会とは切り離された知事部局内に、第三者による「いじめ問題調査委員会」設置する考えを示しています。(8/25 日本海新聞「第三者の調査委設置 いじめ問題で平井知事」) 今回、大津市の問題で明らかになった「犯罪化するいじめ事件」の深刻さ、そして学校現場での教育委員会を巻き込んだ「隠ぺい体質」は単に大津市だけの問題ではなく、氷山の一角に過ぎません。 実際、7月以降、わずか一か月余りの間だけでも学校等でのいじめに関する警察への被害届は少なくとも全国で15件提出されています。警察当局も被害届を原則として受理する姿勢を取っており、すでに加害者が逮捕されたケースも3件あります。(8/24 読売「大津いじめ後、被害届15件…警察『原則受理』」) 大津いじめ事件がきっかけとなって、次々といじめ事件が顕在化していますが、「ハインリッヒの法則」によれば、一つの重大な事故の背後には29の軽微な事故、300の事故寸前の潜在的問題が存在すると言われています。 したがって、まだまだ全国の学校現場において、同様のいじめ事件や隠ぺい事件が存在している可能性は大いにあります。 こうした事態は、国家が日本国憲法26条(教育を受ける権利及び義務教育)に基づく、「安全かつ適切な教育」の提供義務を果たしていない違憲状態だと言えます。 また、憲法99条により、憲法の遵守義務を負っている公務員(この場合は特に学校関係者などの教育公務員)がその義務を果たしていない状態にあります。 生徒の立場に立って考えても、犯罪が黙認されている学校に通わなくてはいけないことは、憲法11条の基本的人権、憲法25条の生存権が侵害そのものであり、地獄以外の何物でもありません。 また、公務員には遵法義務が課せられているにも拘わらず、学校内の犯罪を黙認・隠ぺいする行為は、刑事訴訟法で定める「公務員は職務執行にあたり犯罪の事実を知ったときは告発しなければならない」義務にも違反しています。 したがって、誠に残念ながら、日本国内の公立学校の多くで、公務員が法律遵守義務を果たさず、学校内に法と正義が存在していない状況にあります。 犯罪が起こっていても見過ごされ、発見されても隠ぺいされるとしたら、子を持つ親ならば、これほど恐ろしい場所に大切な子供を一日も通わせたくないと思うのが本音です。 幸福実現党は現在、「いじめ防止法」制定を進めており、いじめ加害者のみならず、いじめを隠ぺいした教員や校長などがいた場合は厳罰に処す方針です。 これらは、税金で雇われている国民の下僕たる公務員達が本来、負っている憲法遵守義務、遵法義務を果たさせるための当然の内容です。 生徒達に法や正義を教える立場であるならば、まずは教員自身が法律を守り、正義を実践すべきです。 毅然として正義を実現し、「子供達を守る」という気概は、国防・安全保障・領土問題等においても不可欠な精神です。 幸福実現党は、国防においても、教育においても、「善悪を分ける」「悪の増長を許さず、正義を貫く」「筋道を通す」という毅然たる精神を貫き、日本国民すべてを守り抜いて参ります。(文責・宮城県第4区支部長 村上 善昭) 日米同盟強化のためにも、自主防衛を強化せよ! 2012.08.25 中国人民解放軍が尖閣諸島に侵攻したら、米軍は果たして動くのでしょうか? 訪米中の杉山晋輔外務省アジア大洋州局長は22日、ワシントンで国家安全保障会議(NSC)のラッセル・アジア上級部長、キャンベル国務次官補らと相次ぎ会談し、米側は「尖閣は日米安保条約の適用範囲内」との見解を重ねて表明しました。(8/23 共同「尖閣は『安保条約適用される』米国務次官補が表明」) しかし、「尖閣は日米安保条約の適用範囲内」という言葉を「日本を守るために米国は何でもしてくれる」と手放しで喜ぶことは出来ません。 米政府はこれまでも、尖閣諸島は日本の施政下にあり、同5条が適用されるとの立場を取って来ていますが、「領有権については中立の立場である」と述べています。(8/23 朝日「尖閣諸島『日米安保を適用』米高官、日本の立場に理解」) このことを理解するために、「日米安保条約」を理解する必要があります。 核心となる第5条を見ると「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。」と規定しています。 ここで問題となる点は2点、(1)「日本国の施政の下にある領域」と、(2)「自国の憲法上の規定及び手続きに従って」という文言にあります。 まず、(1)に関しては、竹島や北方領土は、すでに他国に実効支配されており、「日本国の施政の下に無い領域」と言うことになるので、日米安保条約が適用されません。 このことからも、尖閣諸島を実効支配し、日本国の施政下に置き続ける努力をしなければ、日米安保条約の適用から外れる可能性があることを踏まえる必要があります。 2005年に日米2+2で署名された「日米同盟 未来のための変革と再編」においては、役割分担を明確にして、「日本は、弾道ミサイル攻撃やゲリラ、特殊部隊による攻撃、島嶼部への侵略といった、新たな脅威や多様な事態への対処を含めて、自らを防衛し、周辺事態に対応する。」と確認しており、島嶼部への侵攻対応は、日本独自ですることが想定されています。 しかし、領域警備法・海上警察権などの整備や海上保安庁巡視艇装備の拡充、尖閣諸島への自衛隊の配備など、早急に十分な体制を整える必要があるにも拘わらず、政府は及び腰です。(8/21 産経「『領域警備法』官邸は“及び腰” 中韓に配慮?藤村官房長官が否定」) そもそも、国会議員の使命は、「国民の生命・安全・財産を守る」ことにあり、その責任を果たす覚悟の無い議員は即刻辞任すべきです。 本来、万全な安全保障体制を構築するためには、「集団的自衛権の行使」や「憲法9条解釈改憲」を判断すべきです。他国の政治家や軍人に、自国民の生命を託すような状況は「独立国家」と言えません。 (2)に関しては、アメリカにおける合衆国憲法や戦争権限法に基づく手続きがあり、議会の承認を得ずして戦争を継続することは出来ません。 財政赤字による軍事費削減や米軍再編を行っている状況の中で、果たして、アメリカ国民や議会が、自主防衛の意志が無く十分な措置を行わない国家を手助けするでしょうか?本当に中国と戦争して犠牲を払ってまで日本を守るでしょうか? 現行の憲法解釈では、公海上で米艦船が他国から攻撃されても自衛隊は防護できなません。「日米安保のこの実態を一般米国人は知らない」(外務省筋)ため助かっていますが、有事の際に「憲法上日本は何もできません」では日米同盟は崩壊しかねません。(5/3 産経「憲法に妨げられる日米同盟深化『集団的自衛権』触れぬ野田首相」) 最悪の事態において、米国世論や議会が日米安保条約の発動を決断する条件は、当たり前のことですが、日本が「自分の国は自分で守る気概」を真摯に実施するか否かにかかっています。 無条件に命を投げ出してくれる国などありません。日米同盟の深化のためにも自主防衛の強化は重要なことです。 このまま独立国家としての気概も無いのであれば、アメリカに依存し寄生する51番目の州となるのか、中国の覇権主義に屈し日本自治区となるのか、どちらかの選択になるでしょう。 今求められていることは、日本の独立国家としての気概であり、自主防衛への万全な対策です。 これによって、日本を守ると共に、アジアと世界の平和と安定のために、自由と繁栄を守る「日米同盟」が実現することになるのです。(文責・小川俊介) 「第3次アーミテージ報告」――今こそ、日米同盟を基軸として、世界の平和と繁栄を築く時! 2012.08.24 アーミテージ元米国務副長官やジョセフ・ナイ元国防次官補ら米国の超党派の外交・安全保障専門家グループが15日、日米同盟に関する新たな報告書を発表しました。 本報告書は、アメリカのシンクタンクである戦略国際問題研究所(CSIS)が発表した「日米同盟:アジアにおける安定の礎」(The U.S.-Japan Alliance:Anchoring Stabilityin Asia)と呼ばれる報告書です。⇒http://csis.org/files/publication/120810_Armitage_USJapanAlliance_Web.pdf 報告書の基本スタンスは、「日米両国は、中国の台頭や核武装した北朝鮮の脅威に直面している」との認識から、「日米同盟の重要性」を提言する内容となっています。 そして、中国の台頭などをふまえ、日本は一流国家であり続けたいのか、二流国家で満足するのか、「重大な転機」にあると指摘しています。(8/16 産経「『第3次アーミテージ報告』日米同盟、新たな役割と任務拡大求める」) 報告書は、日米同盟を(1)エネルギー安全保障、(2)経済及び貿易、(3)近隣諸国との関係、(4)新しい安全保障戦略という、4つのカテゴリーから分析し、提言をまとめています。 冒頭では、日米同盟の重要性を強調しながらも、アジアの安定における主たる努力はアメリカでなされたものであることを強調し、日本が自国の問題を見極めつつも、その国家規模に見合う責務を果たすことを求める内容となっています。 とりわけ日本の安全保障については、「集団的自衛権」行使容認を念頭に、米軍との共同対処を含めた「日本の新たな役割の検討と任務の見直し」を求めています。 また、民主党への政権交代後、日米同盟の空洞化が進み、抑止の実効性が失われ、日米同盟は「危機に瀕している」との厳しい認識を示しています。(8/19 産経「アーミテージ報告 同盟強化へ日本は奮起を」) 本報告書の提言は、(1)日本に対する提言、(2)日米同盟に対する提言、(3)アメリカに対する提言という、3つのカテゴリーから構成され、日米両政府に対して、政策の実行を求める内容になっています。 日本のマスコミは安全保障面に注目していますが、特に重点が置かれているのは、経済に関する提言であると考えられます。 日本に対する提言の1番目の提言において原発の再稼働を促し、2番目の提言では海賊行為に対する国際的な取組みの継続をとペルシャ湾におけるシーレーン防衛に対する支援を要請、3番目の提言では環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉に参加するよう強く促す内容になっています。 ここから読み取れるアメリカのメッセージは、「日本が経済が衰退するような選択肢を取るべきではない」という強い意志です。 今回のアーミテージ・ナイ報告を読み取ると、今後の日米同盟は単なる安全保障に関する同盟と言うよりは、その役割を経済分野にまで拡大させることで、より一層の緊密な「日米同盟」を求めていると考えることができます。 しかし、日本の政府並びに主要な政党はこの報告に応答することは不可能であると見做さざるをえません。 それは野田政権による消費税増税法案の可決、原発依存の見直し、TPP参加に関する優柔不断な態度、尖閣諸島や竹島への不法上陸に対する弱腰外交等の混乱を見ても明らかです。 幸福実現党は日米同盟堅持の主張を一貫して崩しておりません。同時に「自分の国は自分で守る」という自主防衛の旗印を掲げている唯一の保守政党です。 また、幸福実現党は、未来産業の振興、消費税増税の凍結、原発の積極的再稼働、TPPの積極的促進、大胆な金融緩和等、自由経済に基づく積極的な経済成長策によって日本経済を立て直すことができる唯一の責任政党です。 今こそ、日本は、新しい選択をなし、日米同盟を基軸として、世界の平和と繁栄をもたらす「リーダー国家」としての大きな使命を果たすべき時です。(文責・黒川白雲) すべてを表示する « Previous 1 … 214 215 216 217 218 … 253 Next »