Home/ 新着一覧 新着一覧 ウクライナ国境にロシア軍大集結――ロシアからみたウクライナ問題の真相【前編】 2021.12.23 https://youtu.be/PFybL3xRFnk 幸福実現党外務局長 及川幸久 ◆ロシア軍が国境に集結、第3次大戦の危機か? 12月3日、『ワシントンポスト』が、「ロシア軍17万5000人が国境に集結。来年の年初には侵攻作戦があるのではないか」と報じました。 プーチンがウクライナを攻め、それが第3次世界大戦につながるのではないかと世界中が注目しています。 元々ウクライナとロシアは同じソ連ですが、位置関係はロシアの隣にウクライナがあり、ウクライナの南側にクリミアがあります。 ウクライナ住民の多くは、ロシア系でロシア語を母語としています。ウクライナのゼレンスキー大統領も母語はロシア語です。クリミア住民の多くもロシア系です。 ウクライナは1991年ソ連崩壊で独立しましたが、2014年に「ソチ冬季オリンピック」のタイミングでウクライナ騒乱が起こり、「極めてロシアに近い人たち」と「EUの方に行きたい人たち」に分かれたわけです。 ◆クリミア問題の歴史的な背景 ロシアとウクライナの領土問題は、元々クリミア半島の所有権にありました。 ソ連時代はロシアもウクライナも1つの国で、実質国境はなくクリミアもロシアの一部でしたが、フルシチョフがソ連の最高指導者であった時にクリミア半島をウクライナに譲渡することを決めてしまったのです。 その時点ではソ連が崩壊するとは誰も思っておらず、どちらにしても1つの国の中で、クリミア半島の所属がロシアであろうとウクライナであろうと誰も問題にしていませんでした。 ところが、まさかのソ連崩壊が91年に起こり、ロシアとウクライナに国境ができた瞬間にクリミアはウクライナに所属することになってしまったのです。 ただクリミアの住民たちは、ウクライナという国の傘下にあっても自治権を持った実質的に独立国だという意識があったわけです。 そこに2014年のウクライナ内乱が起き、国民投票を行って「クリミア共和国」としてウクライナから独立する道を選んだのです。 この時はロシアに入りたいというよりもウクライナから独立したいという意識が強かったのです。ウクライナの中でロシア系住民を狙った事件も起きていたこともあったからです。 それが1回目の住民投票です。その後、2回目の住民投票で、クリミアはロシアに併合されることを決めました。 クリミアとロシアの主張は、ロシア軍が国民投票の間、クリミアをウクライナ軍から守っていたと言っています。 日本も含めて西側のマスコミが言っているように、プーチンが武力侵攻して他国の領土を略奪したという見方だけではないということは認識しておいた方がいいと思います。 ◆ウクライナ内戦の複雑な事情 ウクライナで、クリミア似たようなケースは数年前にもありました。 ロシアとトルコの間に挟まれ、かつてグルジアと言われていたジョージアの北側にロシアに隣接している南オセチアという地域があるのですが、ここも一つの独立した共和国です。 南オセチアもロシアに入りたかったのですが、ジョージアはそれを武力で止めようとしました。 ロシアは、南オセチアの住人が殺されてしまうので軍を派遣し、結局ジョージアと戦争になったのです。結果はロシアが強く休戦となり、南オセチアはジョージアから独立した形になっています。 他にもロシアと国境を接しているウクライナ東部ドンバスを中心とした地域もロシア側に入ることを望んでいますが、ウクライナが西側の方に向いているので内戦になっています。 このようにロシア側に入りたいという民族国家は多く、クリミアはその内の一つです。 ウクライナ内戦の報道は少ないですが、普通の住民が戦っておりウクライナのドローンによるミサイル攻撃で子供達が殺されたりしています。 ロシアは、クリミアにもウクライナ東部の人たちにもロシアの市民権を与えているのでプーチンとしては守らなければならない義務を持っているわけです。 そのような複雑な事情がある事をまず確認しておきましょう。 (つづく) 新型コロナを「5類」へ 反対論の是非を検討する 2021.12.18 http://hrp-newsfile.jp/2021/4182/ 幸福実現党政務調査会 藤森智博 ◆新型コロナを「5類」とすれば、軽症患者も医療サービスにアクセスできる 今夏のデルタ株の感染拡大に伴い、入院病床がひっ迫しました。この状況に耐えかねて、一部の医療関係者は、新型コロナを季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げるべきと声を上げました。 「5類」とすることで何が変わるのでしょうか。現在、新型コロナは、ペストやエボラ出血熱と同じ1類相当の措置もできる区分です。 この区分だと「保健所」が全ての患者を管理する必要があるため、感染者数が激増するとパンクします。すると、日本は世界一の病床数があるにもかかわらず、いわゆる医療崩壊が発生します。 つまり、5類にすれば、保健所での「目詰まり」が解消され、医療サービスにアクセスしやすくなるわけです。 特に、軽症者に関しては、「自宅療養」と称して事実上放置されていた状況が改善されることが期待されます。 しかし、こうした5類への変更には、根強い慎重論が存在することも事実です。本稿では、そうした慎重論を検討します。 ◆5類変更に反対する理由(1):医療費が自己負担になる → 現状維持は、かえって将来の負担増 第一に挙げられる反対理由が、医療費が自己負担となることです。 現在は、コロナの医療費は全額無償となっていますが、5類であれば無償の根拠が失われます。重症化すると莫大な医療費がかかるので、これを警戒するわけです。 しかし、自己負担と言っても、全額自己負担にはならず、負担は限定的です。健康保険制度があるため、最大でも3割負担にとどまります。 また、高額療養費制度という月の医療費の上限を定めた制度もあります。 例えば、100万円の医療費の場合、自己負担額は本来3割の30万ですが、同制度を利用すると、1割以下の9万円で済むケースもあります。 本制度の是非はここでは論じませんが、少なくとも5類への変更によって、莫大の負担が生じることは現状あり得ません。 さらに言えば、5類への変更で、軽症者が医療サービスにアクセスしやすくなれば、軽症者の「中症化」「重症化」を未然に防ぐことも期待できます。その結果、莫大な入院費用が抑えられ、日本全体の負担は減少することもありえるでしょう。 コロナ医療のための負担は、結局「将来の増税」によって賄われるものなので、長期的に見たら、今の状況を維持することには問題があります。 5類に変更することで、医療資源を無駄なく活用した方が、結果的には私たちの負担は少なく済むでしょう。 ◆5類変更に反対する理由(2):感染者が増える → 現状維持でも、将来的な感染者増は防げない 次によく挙げられるのは、5類にすると感染者が激増するのではないかという疑惑です。5類になると、緊急事態宣言などを発出する根拠を失うので、人との接触が増え、感染が増えるのではないかということです。 しかし、人と人との接触を制限する現在の枠組みには明らかに弱点があります。それは、ロックダウンのような接触制限で感染の封じ込めにたとえ成功しても、一時的にすぎないということです。 新型コロナは感染爆発の中心をぐるぐると変えながら、世界中で流行し続けており、収束の兆しは見えません。こうした状況下では、行動制限は長期化せざるをえず、社会的弱者に大きな負担を強いることになってしまいます。 そればかりではなく、行動制限はある種の「滅菌状態」であるため、いざというときの抵抗力は弱くなります。従って、今後、新型コロナが劇的に強毒化した場合も、より被害が拡大する可能性もあります。 なお、「ワクチンがあるから大丈夫」という考えもありますが、ワクチンが有効であれば、そもそも行動制限を課す必要はありません。 ◆5類変更に反対する理由(3):新しい変異株に対応できない →既存の株と強毒の変異株の対応を変える 最後に検討したい反対理由は、新しい変異株についてです。5類に変更した後に、より強毒な変異株が登場した際に対応できなくなるという懸念があります。 これについては、「新型コロナ」とまとめて考えるのをやめれば解決できます。つまり、既に流行した株と本当に危険な新しい変異株を別種に分類すればよいのです。 例えばインフルエンザでも、季節性か強毒の新型かによって既に別分類となっています。ですから、新型コロナでも毒性が段違いに異なれば、別分類にしても問題ないと言えます。 ですから、既存の変異株も含め、従来株は、5類に引き下げても問題ないでしょう。 既に治療薬が開発されつつあり、またワクチンも有効だと言われています。さらに言えば、致死率を見ても、新型コロナは現在の日本で1%程度です。SARS(約10%)やMERS(約34%)と比べると、けた違いに小さいです。 従って、いつまでも厳しい規制はするべきではありません。 他方、新しい変異株で、劇的に強毒になるものが登場する可能性はあります。新しい変異株を明確に分けることで、検疫等の水際対策を現在の水準に維持できるでしょう。 また、そうした変異株が国内に侵入し、感染拡大の兆候を見せたのなら、迅速に指定感染症とすればよいのです。 ただし、毒性の高まりを十分に考慮し、強毒でない変異株を指定感染症として、1類相当の対応をすべきではありません。 ◆従来の対応に一区切りをつけ、次なる生物兵器対策を 既存の株と劇的に強毒化した変異株を明確に分けることで、必然的に後者に対する対応が検討されていくことになります。 資源は限られているため、漫然と新型コロナの対策をするのではなく、メリハリをつけて対策に当たるべきです。法的な分類からメリハリをつければ、実際の対策もその通りとなるでしょう。 そして、今検討すべきことは、第二次生物化学兵器攻撃対策を立てておくことです。新型コロナが中国発であることは間違いのない事実であり、状況証拠として生物兵器であったことも分かっています。 従来の新型コロナ対策が進む中、意表を突くために「次なる一手」を打つことも十分考えられます。 現在、政策担当者はコロナ対策で頭がいっぱいであり、次なる生物兵器への対応を考える余裕はないでしょう。しかし、こうした5類への変更措置が、新しい事態に目を向ける契機となっていくはずです。 過去最大規模の補正予算36兆円――今、求められる政府の仕事」とは?【後編】 2021.12.16 https://youtu.be/bNSrKLa0m54 (12月9日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆コロナウィルスは本当にエボラ並みか?ワクチンに効果はあるのか? コロナ感染で、自宅待機中に症状が悪化して亡くなる方も多かったのですが、普通の町医者がきめ細かな診療を早期にできるようにするべきです。 その為には、ペストやエボラ出血熱など1類並みの分類をやめて、季節性インフルエンザ並の5類相当にすれば、「幽霊病床」向けの数兆円は不要になります。 オミクロン株への警戒感もありますが、厳しい規制をかけ続ければ、かえって医療現場に負荷をかけることになるので、フレキシブルに対応できるようにすべきだと思います。 またワクチンに関して、補正予算では接種体制の整備や接種の実施に、約1.3兆円が組まれています。 幸福実現党は、ワクチン接種に反対の立場を採っているわけではありません。 しかし、ワクチンに本当に効果があるなら、命のお金が一番高いので、みんな有料でも打つはずです。 経済的支援が必要な人は無料で打てるようにしてもいいかもしれませんが、無料をいいことに、強制的に接種をした結果、死亡するケース、また心筋炎など重篤な副反応が生じてもろくに補償もしないことに対して、政府への不信感が高まっています。 ◆「新しい資本主義」の内実 更に、岸田首相肝煎りの「新しい資本主義」も無駄だらけではないかと思います。 今回の補正予算では「新しい資本主義の起動」と銘打って、約8.3兆円計上されております。 財務省ホームページで公開されている内訳を見ると、全部足しても6兆円に達しないので、残り2兆円の使い方がよくわからない不思議な予算なのですが、どうやら新しい資本主義の成長戦略の大きな柱の一つは、「クリーンエネルギーへの投資」のようです。 岸田首相が、所信表明演説でも述べていた「クリーンエネルギー」は、アンモニアや水素でした。 アンモニア(NH3)や水素(H2)は、二酸化炭素(CO2)が含まれていないので、「これを燃やしてもクリーンだし、既存の火力発電の設備も使える」という算段かと思います。 しかし水素やアンモニアの原料として、石炭や天然ガスを使うため、製造段階でCO2が発生します。 結果的に、水素やアンモニアは「なんちゃってクリーンエネルギー」というのが実態です。 ◆気候変動対策より、エネルギー安全保障の確立を 石炭や天然ガスをそのまま燃焼させて、電力を得るのに比べて、わざわざ水素やアンモニアに変化させるので、エネルギーロスが生じます。 石炭や天然ガスから「水素」に変化させると、エネルギーの約半分を消費してしまうということなので、 こうした電力を推進していくと、絶対に電気料金はさらに値上がりするわけです。 今までも申し上げてきた通り、「地球温暖化説」はフェイクですので、無駄を排除すれば、政府は石炭火力発電など、「化石燃料を今後も利用し続ける」と宣言して、安く安定したエネルギー供給体制を作り上げることが肝要かと思います。 もし「気候変動対策をしていない」と批判されるならば「日本の火力発電の技術は世界一で、非常にクリーンだ。そして日本の技術によって、安く空気中の二酸化炭素を捕まえる技術を開発中だ」とでも言えばいいかもしれません。 ◆デフレ下における成長は可能か? 以上、「無駄」を削る話をしてきましたが、必ずしも「経済が縮小する」ということを意味するわけではありません。 それがこの度、幸福実現党の大川隆法党総裁が発刊する『減量の経済学』第三章において、通説である「デフレ=不況」という考え方について、実は「デフレ下でも成長は可能だ」と紹介されています。 実際、2020年の新規上場企業は過去最高でした。 コロナ禍で倒産や廃業が増え、大企業の倒産も予想される厳しい時代ではありますが、 新しく生まれてくる会社もたくさんあるわけです。 こうした時代に生き残り、繁栄を実現するためにはどうするのか。 「やらなくてよい仕事はするな」という副題の通り、「無駄なことを削り、新しい付加価値を増やしていく」ことしかありません。 ◆望まれる日本型資本主義の復活 キーワードは「勤勉の精神」であり、ひとつ人物像をあげれば、二宮尊徳の精神でもあります。 岸田首相は「財政の健全化」と演説でもちらっと触れ、またご著書の『岸田ビジョン』の中で、ご自身がやりたいのは「日本型資本主義の復活だ」とも語っておられます。 「1200兆円の財政赤字をいつまでに、どうするのか」を考えるのが、二宮尊徳流かと思いますし、徳ある人物が命懸けで行ったような、壮絶な仕事をなさりたいということであれば、 国家の存続を懸けたヒントはまさにこの一冊にあります。 岸田首相の「新しい資本主義」については「そんなのが分かればノーベル賞ものだ」という声もありますが、この書籍から本当の「新しい資本主義の風景」が見えて参ります。 ぜひ年末年始、「新しい未来を創らん!」とする志のある方は、ぜひお読みいただければと思います。 過去最大規模の補正予算36兆円――今、求められる政府の仕事とは?【前編】 2021.12.15 https://youtu.be/bNSrKLa0m54 (12月9日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆「例外中の例外」が常態化する日本の財政状況 12月6日、岸田首相は、過去最大規模の補正予算の成立に向けて、臨時国会に臨みました。 所信表明演説の冒頭では「屋根を修理するなら、日が照っているうちに限る」というケネディ大統領の言葉を引いて、コロナ対策や経済回復に向け、一日でも早く手を打たないといけないということを、訴えておられました。 また「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」と銘打ち、総額55.7兆円の財政支出を計画しており、この額は、過去最大規模となります。 だいたい、日本政府の税収が60兆円くらいなので、今回の補正予算は、来年度の予算分を先食いするようなものです。 財務省が、財政の赤字拡大は止まらないことを「ワニの口」に例えて、入ってくるお金(歳入)よりも、はるかに多くのお金を使っていた(歳出)わけですが、コロナ禍で天井をぶち抜くような予算を組んでおりますので、もはやワニのあごが外れそうな状況です。 2021年度は、昨年のとびぬけた一般会計歳出147.9兆円から、一気に元に戻して、106.6兆円の予定でしたが、今回の補正予算によって、142.6兆円とほぼ横ばいとなりました。 また、国債発行額も、当初予定の43.6兆円が、65.7兆円に跳ね上がっています。 コロナ禍で「例外中の例外」のはずが、気が付いたら今年もで、これが常態化すると「気は確かか?」と財務次官が造反論文を書きたくなるのも、分からなくないような、極めて恐ろしい状態です。 ◆債務拡大の先に待ち受ける増税の未来 一方、こうした過去最大規模の予算と聞いて、「頼もしい!」と思う日本人がいるのも事実ですが、既に日本の財政赤字は1200兆円もあります。 こういうと「いや大丈夫だ。日本政府は金融資産があるし、世界一の対外純資産もある。国債は円建てだし、家計の金融資産も1900兆円を超えているから平気だ」と言う方もいます。 しかし、債務がここまで天文学的な数字となり、これから高齢化が進行すれば、家計の資産も取り崩す一方となるわけです。 これでひとたび信用不安が起きたら、国債が暴落する可能性は十分あるわけですが、そうならないよう、政府は増税の準備に余念がありません。 例えば、預貯金口座とマイナンバーを紐づけて、給付金受け取り用で政府のオンラインシステムに登録すれば「7500円分のポイントが付きますよ」と言っています。 逆にマイナンバーは増税のインフラとなり、ザックリ持っていかれるのも時間の問題でしょう。 そこで「もう、いい加減にしてくれ!」と考える皆さま方と共に、今回の補正予算に関して「無駄づかい」を少し指摘させて頂こうと思います。 ◆バラマキは「票の買収」 まず、筆頭に挙げられるのが「バラマキ」です。 公明党肝煎りの公約だった「18歳以下の子どもへの10万円給付」ですが、約2兆円、消費税1%分の税収が使われることになります。 当初は「10万円の給付のうち、半分の5万円をクーポンで」と言っていましたが、クーポンだと現金給付に比べて900億円を超える莫大な事務費がかかることが判明し、ここに批判が噴出、現在は「全額現金給付」の方向になっています。 これに関して、一般的には「なぜ18歳以下なのか。なぜ10万円なのか、大人も配れ」だとか、保守言論人の中には「ドケチだ」と批判する方もいましたが、私たちはそもそも、政治が恣意的に対象を選び、現金を懐に入れるのは、もはや「下の下」、政策ではなく、ズバリ「票の買収」だと考えます。 何より、働かないでお金が手に入るようになると、必ずまたもらえないかと思うもので、結果的に国民の働く意欲を奪ってしまいます。 「施しは愛ではない」ということを考えれば、バラマキは本当に最低なことかもしれません。 また、無駄遣いという意味では「時短要請に応じた飲食店等への協力金等」に約6.5兆円もムダです。 そもそも時短要請をしなければかからないお金ですし、世界的に見ても、ロックダウンの効果を疑問視する人はたくさんいるので、そろそろやめてはどうかと思います。 ◆コロナ対策の中にある大きな無駄づかいとは? コロナ対策費も、感染症拡大防止に18.6兆円の予算を組んでおり、うち2兆円以上が、新型コロナ用の病床確保などに使われます。 しかし、夏の流行では、補助金をもらいながら、コロナ患者を受け入れない、いわゆる「幽霊病床」が問題となりました。 菅政権では、病院がコロナ患者のためにベットを空ければ、ICUの場合、1床あたり1日最大43万円以上、普通の病床でも1日最大7万円以上がもらえる仕組みを作っていました。 「幽霊病床」対策として、岸田政権は病床使用率を調べ、一定基準よりコロナ向けにベットが使われていなければ、補助額を「3割減らす」と決めました。 では「なぜ3割減か?」といえば、これズバリ適当ということかと思います。 そもそも日本は病院のベット数は世界一であるにもかかわらず、莫大な税金をつぎ込まなくてはいけないというのは、本当にバカバカしい話です。 (後編につづく) 膨れ上がる政府の借金! インフレ・ファーストは時代遅れ 2021.12.12 幸福実現党政務調査会 藤森智博 ◆インフレを期待し、36兆円まで膨れ上がった補正予算 現在、臨時国会にて、令和3年度補正予算が審議されています。その額なんと36兆円。過去最大の補正予算のようです。 ここまで予算が膨らんだ理由を考える際に、鍵を握るのが、GDPギャップです。GDPギャップとは、需要と供給力の差のことです。 お店側が「これだけ売りたい!(売れる能力がある!)」というのに対し、お客さんが「お財布事情も考えて、これだけ買いたい!」という需要と供給の差を日本全国規模で見たものになります。 どうやら、今回の補正予算では、政府は、財政出動によって需要不足を補い、GDPギャップをプラマイゼロにする狙いがあるようです。 11月15日の自民党政務調査会全体会議では「(政府が直接支出する)真水ベースで30兆円規模が必要だ」というような大規模な財政支出を求める意見が噴出したと言われています。 これは、7-9月期のGDP1次速報から試算されたGDPギャップ27兆円とも対応しているでしょう。 さらに、GDPギャップがプラスになれば、インフレに転じる可能性があります。 安倍政権以来、「2%程度のインフレになれば、好循環が生まれる」と考えられているので、インフレを目指して、支出を増やしていった結果、補正予算は36兆円まで膨れ上がったと言えるでしょう。 ちなみに、2%の超過需要を発生させるには、+11兆円で、計38兆円以上が必要になるとも試算されます。 もちろん、政府の財政支出でお金をバラまいても、例えば何も買わず、貯金する人もいたりするので、今回の補正予算がインフレを確実にするわけではありません。 ◆燃料代などが高騰しているため、「円安」路線は命取りになりかねない しかし、ここで、お伝えしたいことは、そもそもインフレありきの経済成長路線を見直さなければいけない時代に突入しつつあるということです。 御存知の方も多いかと思いますが、現在、世界はインフレと景気の停滞が同時に進行する「スタグフレーション」を警戒しています。 アメリカでは、11月の消費者物価指数が前年同月比で6.8%上昇となりました。1年前と比べて、モノの値段が6.8%上昇したということですが、これは約39年ぶりの高水準です。 また、EUのユーロ圏では、11月の統計で、物価が4.9%上昇したと報告されています。アメリカでは、高インフレを警戒し、FRB(アメリカの中央銀行)が、金融緩和を縮小させています。 インフレの原因は景気が回復している以上に、ガソリンやガスなどの燃料代が高騰したり、パンデミックによる渡航制限などのさまざまな規制によって、モノの供給が滞っているからだと言われています。 こうした事情であれば、日本も無関係ではいられません。それは企業物価指数を見れば分かります。 企業物価指数とは、企業が購入する物価の変動を示す指標です。例えば、車などの消費者が買う商品を作る前に、企業は、素材や部品を輸入したり、他の企業から買ったりします。 そうした企業の間で売買する物価を見れば、今後、消費者が買う商品の物価がどうなっていくか、ある程度予測できるわけです。 実は、日本の企業物価指数は、記録的に上昇しており、11月には9.0%台に突入しました。これは、高インフレに苦しんでいるアメリカと大きく変わりません。 アメリカは値上げに踏み切る一方で、日本の場合、景気の動きが弱く、素材の価格上昇を商品に転嫁できません。 給料が上がっていないので、値上がりしたら物が売れなくなってしまいます。上げして売れなくなるかという「進むも地獄、退くも地獄」という状況と言えます。 ◆インフレを建前に、お金をバラまけば、円安を招き、かえって企業を苦しめる こういう状況だと、「企業が値段を上げても売れるように、政府がお金をばらまけばいい」という発想もあるかもしれません。 しかし、それでは問題は解決されません。アベノミクスを思い出してほしいと思います。 アベノミクスは「第一の矢」で金融緩和をして国債を刷り、「第二の矢」で財政政策という形でお金をばらまきました。 そして、一連の政策の結果、円安が起きました。民主党政権時代の円高が、瞬く間に円安となり、空前の株価上昇となっていきました。 しかし、現在はこの円安が企業を苦しめています。 円安は輸出の際には有利ですが、現在は燃料代や原料など、輸入品の値段が上昇していることが、企業物価指数を押し上げています。円安が深刻になれば、材料の調達が困難になり、さらに企業を苦しめることになります。 お金をバラまき、需要を創出して企業を助けようとしても、それによって円安が進めば、問題は解決しないということが言えます。 ◆日本企業を立て直すために必要なことは、適切な「規制緩和」と「減税」 結局、この逆風を乗り切るには、輸入品そのものを安くするか、企業の生産性そのものを上げて、逆境に強い体質にしていかなくてはいけません。 前者については、脱炭素をやめ、化石燃料に再投資したり、ロックダウンなどの必要以上の規制を撤廃していくことが重要になりますが、世界レベルの問題も含むため、日本一国の取り組みでは限界があります。 一方、後者については、政府の施策の余地は大きいです。政府をスリム化して、不要な仕事を無くせば、行政手続きで企業が浪費していた時間を「創造」できます。 また、必然的に、税金を多くとる必要が無くなるので、減税して人々の暮らしも楽になります。従って、「規制緩和」と「減税」こそが今考えるべきことなのです。 対して、今までの自民党政権のように、インフレを目指して富の創出につながらない財政出動を重ねれば、無駄な仕事をたくさん生み出し、生産性はむしろ下がっていくはずです。 今までの「インフレ・ファースト」の考え方では、もはや時代の変化に対応できないのです。 「中国共産党の人権弾圧行為をやめさせ、台湾と沖縄の防衛強化を求める署名」のお願い 2021.12.09 https://info.hr-party.jp/2021/12200/ 私たち幸福実現党は、現在、中国共産党が行っている行為を決して見逃すことができません。 ウイグル、チベット、南モンゴル、香港の人権弾圧行為は激しさを増し、今この瞬間にも多くの人が自由を奪われ、宗教や言語を奪われ、殺害されています。 特にウイグルでは、無実の罪で 100万人を超える人々が「強制収容所」に収監され、拷問や強制労働に従事させられているとの証言が後を絶ちません。 これらは、ナチス・ドイツのユダヤ人虐殺(ジェノサイド)を超える暴挙であり、暴力革命を肯定し、常に敵をつくり続ける全体主義の本質が現れたものといえます。 私たちは、同じ人間が自由と尊厳を奪われている状況に対し、聖なる怒りでもって断固抵抗します。 中国への拒絶感が高まる国際社会にあって、日本では、中国の人権弾圧行為を非難する国会決議の採択すら見送られました。 普遍的な「正しさ」に照らせば、中国への非難は当然のことであり、「不当な内政干渉」には当たりません。100 年、200 年後の人類が、現在の中国共産党の暴挙を振り返って見れば、傍観することは悪だと断じ、香港、台湾、沖縄、尖閣を護れと言うでしょう。 中国のなすがままに放置し、何らの反作用もない状態で、そのまま発展させていくなら、先の大戦でヒトラーが順番に国を取っていったのと同じことが起きかねません。 全体主義の傾向から見れば、香港を制圧したら、次は台湾を制圧したくなることは明らかです。すでにその兆候はあります。台湾が中国の手に落ちれば、沖縄の尖閣諸島も危機にさらされます。 今、私たちがすべきことは、中国に非難の声を上げ、正しきものが滅びていくことを決して見過ごさないことです。目先の経済的利益を優先し、中国への非難行動を避けようとする政治勢力もありますが、それは地球的正義に反し、中長期的には国益を損なう道です。 私たち幸福実現党は、「自由・民主・信仰」こそ政治の基本原則だと考えます。自由は幸福の源であり、不幸を招く自由の抑圧に対しては徹底的に抵抗すべきです。 そして信仰は自由と民主に正しさを与えます。中国共産党のいちばんの問題は「無信仰」にあります。 それは「神や仏の目は意識しなくていい」ということであり、「地上で権力を持った者が、自動的に“現人神”になる」ということです。 共産主義の精神を輸出し、世界を一元管理しようとする中国の動きには、世界の国々と力を合わせて抵抗すべきです。よって私たちは、日本政府に対し次のように求めます。 一、国際社会と協調し、中国がウイグル、チベット、南モンゴルで行っている人権弾圧行為を「ジ ェノサイド」と認定すると共に、香港の高度な自治を守り抜く意思を示すこと。 一、中国の侵略行為から台湾と沖縄を守るため、台湾を二度と見捨てない覚悟で、日本の防衛力強 化と台湾との国交回復を目指し、有事の際は日台防衛に立ち上がること。 「中国共産党の人権弾圧行為をやめさせ、台湾と沖縄の防衛強化を求める署名」のお願い https://info.hr-party.jp/2021/12200/ 署名用紙のダウンロードはこちらから https://info.hr-party.jp/files/2021/12/09123651/6wq2zi50.pdf 【締め切り】 令和4年4月30日(土)(党本部必着) 【お問い合わせ・署名送付先】 〒107-0052 東京都港区赤坂2-10-8 6F 幸福実現党本部 TEL 03-6441-0754 《参考》 【幸福実現党NEWS】アジアの仲間を救うため今こそ立ち上がろう https://info.hr-party.jp/newspaper/2021/12163/ 【幸福実現党NEWS】中国共産党による人権弾圧を許してはいけない https://info.hr-party.jp/newspaper/2021/11821/ 在日ウイグル人ムカイダイス氏インタビュー https://info.hr-party.jp/2021/11864/ 迫る台湾有事!政府が明日にでも為すべきこと 2021.11.21 http://hrp-newsfile.jp/2021/4174/ 幸福実現党 政務調査会 藤森智博 ◆台湾と運命共同体である日本は、台湾防衛を真剣に考えるべき 台湾海峡をめぐる緊張が高まっています。中国軍機が大挙として台湾の防空識別圏に侵入したニュースを御存知の方は多いのではないでしょうか。 これ以外にも、中国は様々な形で圧力をかけており、偶発的な衝突から戦争に至る可能性もあります。 また、3月には当時の米インド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン司令官が「6年以内に中国の台湾侵攻がありえる」と発言しており、計画的な戦争も起こりかねない状況です。 日本にとって、台湾は運命共同体であり、台湾を見捨ててはいけません。台湾が中国に占領されれば、台湾は日本のシーレーンを封鎖することができるようになります。 従って、戦わずして日本が中国の支配下に入ることになります。しかし、中国は、自由や民主主義などの普遍的価値観を軽視する独裁国家です。 チベットやウイグルの例を見れば、日本が中国の属国となることで、国民を不幸に陥れることは間違いないでしょう。 それは台湾にとっても同じことであり、自由や民主主義、基本的人権の尊重を国是とする日本は、中国の台湾侵攻を見過ごしてはなりません。 ◆「日中共同声明」に配慮して、ほとんど何も言えない日本政府 しかし、台湾有事では、中国への配慮から、ほとんど何も言えないのが現在の政府の状況です。 日本は中華人民共和国と国交を結ぶために、台湾と事実上、一方的に断交し、日中共同声明に調印しました。 その結果、日本は「ひとつの中国」を尊重しなくてはならず、中国共産党が「台湾を自国の領土と主張して、侵攻まで企てていること」に対し、ほとんど何も言えなくなってしまいました。 その結果、台湾防衛は日本の生命線であるのにもかかわらず、これの準備が十分にできず、様々な支障をきたしています。 例えば、朝鮮半島有事に関しては、日米共同作戦計画は策定されていますが、台湾有事については策定できていません。また、有事に関する対応も日台政府間で検討できていません。 結局、迫る台湾有事に対して、日本は正面から向き合っていないため、一向に備えが進まない現状が伺えます。 ◆政府は明日にでも、「台湾有事は日本の有事」と宣言せよ 従って、日本が明日にでもやるべきことは、「台湾有事は日本の有事」と認めることです。 専門的に言えば、集団的自衛権行使の条件の一つである「存立危機事態」(※1)となりえると閣議決定すべきです。 これをしない限り、台湾防衛のスタートラインに立つことすら難しいでしょう。 もちろん政府も内々には台湾有事を検討していると願いたいですが、表で台湾防衛の必要性すら議論できないようなら、様々な制約がかかり、十分な対応は期待できないでしょう。 台湾有事への備えを検討することは日中関係の基礎となる日中共同声明に違反するとは言えません。 同声明は、日本が無条件に「一つの中国」を尊重することを求めているわけではありません。 その前提条件として、両岸関係の平和があります。つまり、中国が台湾に武力侵攻するのなら、前提が崩れてしまうわけです。 こうした発想であれば、「一つの中国」を尊重するという既存の政府の立場を崩すことなく、台湾有事に備えることが可能になります。 そもそも、台湾は日本から独立した国家であり、「一つの中国」という考え方は、歴史的に真実ではありません。 しかし、こうした急速な方向転換は困難なことも事実でしょうから、まずは実を取って、一日でも早く台湾有事に備えられるようにすべきでしょう。 (※1)存立危機事態とは、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」と平和安保法制で定義されている。これは、安倍政権下で集団的自衛権を法制化する上で定められた。 ◆これからの台湾は「戦略的曖昧さ」では護れない 先述の通り、日本は、台湾有事の際、台湾防衛に動くのかどうかを明確にしてきませんでした。これはアメリカも同様で、こうした「戦略的曖昧さ」が台湾海峡に平和をもたらすと考えられてきました。 しかし、こうした考え方では、かえって台湾を危険に陥れかねない状況へと変化しつつあります。 中国がアメリカを追い抜く勢いで急速な軍事拡張を進めており、曖昧な態度は、中国の更なる増長及び軍事行動を呼び起こすことになります。 これは、ナチス・ドイツに対し、宥和政策が全く機能しなかった歴史的事実を思い返せば分かる話でしょう。 従って、日本は、アメリカとともに、戦略的曖昧さを改めていくべきです。そうした戦略を見直す第一歩が、「台湾有事は日本の有事」と宣言することになります。 しかし、これは明日にでもできることであり、中長期的には、日本版台湾関係法や台湾への国連加盟を実現していく必要があります。 特に、日中共同声明を基礎として中国と国交を結んだ日本政府にとって、これらの法的根拠をどこに求めるかは悩ましい問題です。 幸福実現党政務調査会では、こうした台湾有事に関する論点を検討し、「News Letter」として、まとめました。興味のある方は、そちらもご覧いただければ幸いです。 「News Letter」 台湾防衛こそが、日本の平和を護る https://info.hr-party.jp/2021/12151/ 成長戦略インサイト(9)「バラマキ合戦」の行き着く先は 2021.10.29 http://hrp-newsfile.jp/2021/4172/ 幸福実現党成長戦略部会 西邑拓真 ――衆院選(今月31日投開票)における各党の政策について 財務省の事務次官が某誌で揶揄したように、この選挙戦はやはり「バラマキ合戦」と言って間違いありません。 現金給付策や子育て支援策として、立憲民主党が「低所得者向けに年額12万円の給付策」、公明党が「18歳までを対象とする一律10万円相当の給付」、共産党が「収入減少者に対して、一人当たり10万円を基本とする給付金」、日本維新の会が「教育の全過程の完全無償化」、国民民主党が「一人当たり一律10万円と、低所得者には追加で10万円の給付策などと、バラマキのオンパレードとなっています。 そして、日本の債務が既に1200兆円超という、大変な危機的状況にあるにもかかわらず、各党は概ね、こうした政策の財源には国債の発行分を充てるとしており、財政状況が一層悪化することを危惧します。 自民党の岸田文雄総裁が衆院選に入る前に、金融所得課税強化に言及したほか、立民が法人税の累進課税の導入や所得税の最高税率引き上げなどを訴えています。 しかし、こうした高所得者層や大企業を狙い撃ちにした増税策を行えば、「分配」を行う前に日本経済は奈落の底へと沈みかねません。 努力して稼いだお金も、多くが税金として政府に持っていかれるのであれば、誰も努力をしなくなります。努力を認めない不公平な社会は絶対に認めるべきではありません。 また、コロナ対策として、自民党は、「選挙後、速やかに数十兆円規模の経済対策を取りまとめる」、立憲民主党は「30兆円以上の補正予算案をただちに編成する」などとしていますが、このような大規模な対策を行う財政的な余力はあるのでしょうか。 営業の自由を奪うなど、これまでの「統制経済」的と言えるコロナ対策の方向を転換し、「民間の知恵」をベースとした感染症対策を前提に、経済を最大限に回して、経済対策に伴う歳出は、必要最小限に抑えるよう努めるべきです(※1)。 (※1)ワクチン接種ありきの経済回復策には反対です。 (「ワクチン接種ありきの行動制限に反対する(党声明)https://info.hr-party.jp/press-release/2021/12038/」参照) ——財政健全化に向けては何が必要か 基本的には、税収を上げる、歳出のあり方を自助の精神に基づいたものに見直す、国家財政にマネジメントの思想を取り入れるといったことが必要と考えます。 税収増には、増税ではなく経済成長が必要です。税収と歳出の推移(※2)を見ると、歳出は増加の一途をたどっているにも関わらず、バブル崩壊以降は、消費税の導入・増税策を行ったにもかかわらず、税収が停滞していることがわかります。 平成の30年間、日本経済は長期デフレに喘いできました。その中で、積極的な財政出動や金融緩和、成長戦略の実施を掲げていたアベノミクスが、デフレ脱却を試みたものの、その達成はかないませんでした。その最大の要因はやはり、二度にわたって消費増税が実施されたことでしょう。 これまでのバラマキ・増税の繰り返しで国の活力が失われ、日本はもはや、かつての「英国病」に突入しているような状況です。 歳出のあり方を抜本的に見直しながら、財政の健全性を担保した上で、一連の減税策を実施し、「小さな政府」の実現でこの国を再起動させる必要があります。 自民党は岸田文雄総裁の下、「成長と分配の両面が必要」とし、「分配によって所得を増やし、消費マインドを改善する」との考え方を打ち出していますが、課税・分配を行うのは「社会主義」政党と言わざるをえず、この考え方では日本経済の回復は遠いものになるでしょう。 (※2)財務省HP「一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移」 https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/003.pdfより ――今回の選挙戦で消費減税を訴えている政党もあるが コロナ禍の今、消費マインドを少しでも回復させるには、消費減税は確かに部分的には一定の効果がある施策と思いますが、一方で、同時に歳出の大幅な見直しをしなければ、短期的には一層の国債発行を余儀なくされ、「小さな政府」の実現が遠のいてしまうことになります。 日本の歳出のうち、最大の項目となっているのが「社会保障給付費」です。 今、少子高齢化が急速に進展していることにより、毎年、およそ1兆円程度以上の歳出増が続いていることが、財政の最大の圧迫要因となっています。 日本が「シルバー民主主義」にある中、どの政党も社会保障の抜本改革に手をつけられないというのが実情ではないでしょうか。 年金制度に関して言えば、わが国では、高齢者をそのときの現役世代で支える「賦課方式」がとられており、これと少子高齢化が重なっていることが、現役世代に相当な負担を強いる形となり、これによって年金財政に税金を投入させざるをえないほか、給付額が世代により大きく異なるという状況が生じているのです。 このような世代間不公平が生じていることで、例えば2000年生まれの人の厚生年金は、払う額よりも受け取る額の方が2,610万円程度少なくなるという試算もあります。 年金というのは「長生き保険」とも位置付けられますが、絶対に損するような保険には誰も入らないはずです。 尚、維新は年金と関連して、ベーシックインカムの導入を掲げていますが、これが実現すると、一層「大きな政府」へと舵を切ることになると危惧します(※3)。 政府の役割として、社会的弱者に対する一定のセーフティネットを確保しつつも、財政の持続可能性も踏まえて、原則として、社会保障を自助の精神に基づいたものへと抜本的に改革すべきと思います。 さらに、健全財政に向けては、国家財政にマネジメントの思想を取り入れて、財政の単年度主義を改めるべきです。 景気が良く、予想外に税収が多かった場合には「内部留保」として翌年以降の危機的な状況に備えて、税収を手元に残していくことを認めるべきです。 これによっても、漸進的に減税策を進めることができ、いずれは無税国家を目指すべきでしょう。 健全財政は国家繁栄と存続の基礎です。経済政策やコロナ対策は本来、健全化に向けた道筋を描いた上で講じるべきものではないでしょうか。 次の政権を担う政党には、「勤勉の精神」をベースとする、本来の「資本主義」を体現するような経済政策の実施で日本経済を復活させ、財政も健全化に向かわせてほしいと願うばかりです。 (※3)幸福実現党政務調査会ニューズレター No.26(2021.9.27) https://info.hr-party.jp/2021/12065/ 参照 太陽光パネルの乱開発で進む国土破壊と経済崩壊【後編】 2021.10.16 https://youtu.be/yGWfp0XW0IQ 幸福実現党党首 釈量子 ◆メガソーラー乱開発の実態 皆様の地元でも、知らないうちに驚くような乱開発が進んでいる可能性もあります。 例えば、幸福実現党の高橋敬子・岩手県紫波町議は、7月3日の熱海市の土砂災害をきっかけに、町内5か所のメガソーラーに足を運び、防災マップと照らし合わせながら危険個所を確認し、9月議会で取り上げました。 高橋議員によると5か所のうち4つが、いずれも急峻な山肌に設置され、除草剤に撒かれているのか赤土の表土が露出、法面は何の処理も施されておらず、側溝もないので雨が降れば土砂を伴った水が流れ出たる状態でした。 特に一か所は「土砂災害特別警戒区域」の極めて近くに隣接し、非常に危険な状態で、行政に対応を求めました。なお、発電事業者には中国系企業もあったということです。 茨城県笠間市のように、東京ドーム4.7個分の土地の山林がダイナマイトで粉砕されて丸裸になり、住民が慌てて反対の声を上げたものの工事が強行された事例もあり、こちらも中国企業がらみでした。 長崎県佐世保市のように、地元議員と悪徳業者がグルになり、地元市議がメガソーラー建設の許認可権限を持つ市長に現金100万円を送ろうとして贈賄罪で逮捕されています。 ◆日本企業を縛る「グレタ教」 今はFITにおける太陽光発電の調達価格は2017年度から入札で決められており、事業者が導入当初のように法外な利益を得ることは難しくなっています。 しかし、メガソーラーの開発が進むもう一つの大きな理由は、欧米の政府、NGO、グローバル金融機関などが日本に持ち込んだグリーンな価値基準によって、日本の企業が再エネを購入しないと事業活動ができなくなっていることにあります。 日本の法律で義務化されているわけではないのに、いわば「グレタ教」に従わないと事業活動ができなくなりつつあるという、非常に深刻な問題があるのです。 例えば、「RE100」という、イギリスのNPOが提唱する「全ての電気を再エネに変えよう」という活動があります。 これに加盟している日本企業は使用する電気を全て再エネにしなければならないため、火力・再エネ・原子力が混ざった通常の電気を買うことができません。 価格が高くても再エネだけを選んだメニューから購入します。 また、欧米のグローバル金融機関は、「グレタ教」に基づいて、石炭を使う事業からは投融資を引き揚げ、再エネには金利を優遇してお金を貸し付けたりしています。 最近では日本のメガバンクも欧米と同じ価値観で投融資を行っており、日本の企業はこれに従わないと資金調達ができません。このため、少し高くても再エネを調達することになります。 最近ではグローバルなアクティビスト投資家、つまり「ものを言う株主」が、日本の企業が気候変動対策に努力しているかどうかを監視し、努力が足りないと認めれば経営方針を変えるように議決権を行使しています。 企業は詳細な情報開示を求められ、再エネの購入にどれだけ努力をしたかといった、「気候変動対策への貢献度」を測られ、それによって格付けをされています。 このように、現在の日本の企業は欧米の企業と同様に、「気候変動対策」に否応なく巻き込まれ、監視され、その努力が足りなければ糾弾されるという、過去にはなかった重大な問題に直面しています。 このようにグローバリズムと「グレタ教」が席巻する中で企業が生き残るために、経営者は気候変動問題へのコミットを高らかに宣言し、そのためのコストを払わなければならないのです。 そのような中で、企業は再エネの購入や投資を増やさざるを得ないのですが、水力などは開発に長期間がかかるため、手っ取り早く導入できる太陽光発電に対するニーズがますます高まっているのです。 「グレタ教」に洗脳されたNGOやグローバル金融機関がルールを作り、それに則って日本企業は太陽光などの再エネを買わされる。そしてそのお金は生産地の中国に流れていく。 非常に巧妙な金儲けの仕組みがグローバルに出来上がりつつあるのです。 「グレタ教」をこのままにしておけば、日本の国富が中国に奪い取られ、高いエネルギーコストで日本の生産性はますます低下し、「失われた30年」どころか2050年までの「失われた60年」となってしまいます。 日本経済はナイアガラの滝の如く落ち込み、日本中が中国製の太陽光パネルで埋め尽くされ、全国で自然破壊が起こる。そんな未来は、断じて許してはなりません。 太陽光パネルの乱開発で進む国土破壊と経済崩壊【前編】 2021.10.15 https://youtu.be/yGWfp0XW0IQ 幸福実現党党首 釈量子 ◆「CO2温暖化説」を後押しするノーベル物理学賞 今年のノーベル物理学賞に愛媛県出身でアメリカ国籍の真鍋淑郎氏が、コンピューターシミュレーションで地球の気候を予測する「気候モデル」の手法を確立した業績で選ばれました。 真鍋氏自身は「気候モデルで昔予想したことがそのまま今起こっていて、大問題だ」と発言する一方、「複雑な自然のすべてを完全に計算することはできない」とも語っています。 気候モデルには宇宙線の増減や太陽活動などが考慮されておらず、気候変動のメカニズムはまだ分からないことだらけであり、それを無視した政策が加速するのは非常に危険です。 ◆メガソーラーによる国土破壊 日本は国土面積に占める森林の割合は約7割の2,500万haに及び、森林を伐採し、丸裸となった地面にパネルが敷き詰めれば、景観破壊はもちろん、地面の保水性を失い、土砂災害などの原因になります。 ちなみに、太陽光発電で原発と同じ電気を発電するには、なんと100倍以上の面積が必要で、どちらが大規模な自然破壊につながるかは明らかです。 今年7月3日に発生した静岡県熱海市伊豆山の大規模土石流では、26人が死亡、行方不明者1人という悲惨な災害となりました。被災された方には心よりお悔やみ申し上げます。 9月28日には、崩落地点に基準を超える盛り土が造成されるという違法行為があったとして、遺族らが盛り土部分の土地の現旧所有者を相手取って、約32億6800万円の損害賠償を求める訴訟を静岡地裁沼津支部に起こしています。 この盛土の付近にはメガソーラーがあったことから、災害との関連に懸念が集まりました。 静岡県と林野庁の調査では、太陽光発電は土石流の直接的な原因ではないと判断したとのことです。 しかし、付近一帯が「土砂災害警戒区域」に指定され、そこにメガソーラーが建設され、山の開発が進められたことは確かです。 過去には、神戸市須磨区の山陽新幹線のトンネル出口付近で、線路沿いの斜面に設置された太陽光パネルが崩落し、太陽光パネル約1300枚が山の中腹から崩れ落ちたという事故がありました。 ◆太陽光発電を「爆増」させる計画 政府は、今年7月「エネルギー基本計画」の素案をまとめました。10月末からイギリスのグラスゴーで行われるCOP26に先立って、最終版を閣議決定することになっています。 それによると2030年度の電源構成として再生可能エネルギーの割合を「36%から38%以上」にするとのことです。 その方針を受け、太陽光発電をこれまで以上に「爆増」させる必要があります。今後、各地で進むメガソーラーの設置拡大が、土石流の増加につながる可能性は大いにあるでしょう。 ◆メガソーラーを爆増させたFIT こうしたメガソーラーの乱開発が日本各地で進んでしまっている理由の一つは、不当に高い利益が保証されていたからです。 2012年民主党の菅直人政権の時に導入された再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)によって、「20年間の買い取り保証」がなされました。 それによって、利益を大幅に上乗せした売電収入が確実に入ることから、売り手のつかない山間地などが「低リスク高利回り」の投資となりました。 菅直人政権は、太陽光パネルの設置基準を示さず、建築基準法が適用されない「電気工作物」扱いとなったために煩わしい建築手続きが必要なかったことから、安易な事業参入、乱開発が広がりました。 売電収入は、「再エネ賦課金」です。つまり多くの国民の負担の上に、「悪質業者」、さらには「中国資本」の付け入る隙ができてしまったのです。 北海道在住の方に、見ず知らずの太陽光発電業者から「あなたの土地を買いたい」という手紙が送られてきて、自分の所有する土地の謄本、公図、航空写真が添付されてきたので、驚いたといいます。 赤字で「名義変更、相続登記等の書類作成全般にかかわる手数料や測量、整地党の費用の負担、煩わしい手続きはすべて弊社が行います」と、至れり尽くせりのサービスが謳われています。 業者としては余っている土地を安く手に入れることができたら、FITで儲けることができるというメリットがあります。 しかし、土地の所有者側は、台風でパネルが飛んで人的被害が出たり、土石流等が起きたら責任を負わされる可能性もあります。 固定資産税に悩む方や、跡継ぎのいない農地を持つ高齢者などにとっては「温暖化対策」という大義名分もあり、余っている土地を生かせるのであればと、あまり考えないで話を進めるケースも多いわけです。 (後編につづく) すべてを表示する « Previous 1 … 19 20 21 22 23 … 253 Next »